(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ウティ語族 - Wikipedia コンテンツにスキップ

ウティ語族ごぞく

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウティ語族ごぞく
ミーウォク=コスタノ語族ごぞく
はなされる地域ちいきカリフォルニアしゅう
言語げんご系統けいとうペヌーティ語族ごぞく(?)
  • ヨク=ウティぞく(?)
    • ウティ語族ごぞく
下位かい言語げんご
Glottologmiwo1274[1]
ウティ語族ごぞく分布ぶんぷ

ウティ語族ごぞく(Utian languages)は、ミーウォク=コスタノ語族ごぞく(Miwok-Costanoan languages)ともいい、コスタノ諸語しょごミーウォク諸語しょごからなる語族ごぞくアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくカリフォルニアしゅう中部ちゅうぶはなされていたが、現在げんざいコスタノ諸語しょごはすべて死語しごとなっており、ミーウォク諸語しょご死語しごまたはきわめて深刻しんこく危機ききひんする言語げんごである。

系統けいとう

[編集へんしゅう]

すでに19世紀せいきに、(コスタノ語族ごぞくぞくする)ムツンと、Chocuyem(海岸かいがんミーウォク)の語彙ごい共通きょうつうすることが指摘してきされていた[2]

1910年代ねんだい人類じんるい学者がくしゃローランド・ディクソンとアルフレッド・L・クローバーはカリフォルニアのしょ言語げんごさい分類ぶんるい提起ていきし、ウィントゥ英語えいごばんマイドゥ英語えいごばんヨクツ、コスタノ、ミーウォクをまとめてペヌーティ語族ごぞくび、これをさらにウィントゥ、マイドゥ、ヨクツからなる「ペン」とコスタノ、ミーウォクからなる「ウティ」に大別たいべつした[3]。これらの語族ごぞくかたりめいは、それぞれの言語げんごかずの2を意味いみする言葉ことばをもとに命名めいめいしている[4]。ディクソンとクローバーによると、従来じゅうらいこれらの言語げんごあいだ系統けいとう関係かんけいみとめられなかったのは、それぞれの言語げんごおおきな音韻おんいんてき変化へんかきたためだとする[5]。ペヌーティ語族ごぞくはそのエドワード・サピアによってカリフォルニア以外いがい言語げんごふくむように拡大かくだいされた[6]

ペヌーティ語族ごぞく言語げんごがくてき有効ゆうこうかどうかは現在げんざい議論ぎろんかれるが、ディクソンとクローバーのいうウティ部分ぶぶんについては緊密きんみつおやえん関係かんけいがあり、音韻おんいん対応たいおうてられている[7]。キャスリーン・キャラハンによってウティ語族ごぞく命名めいめいされた[8]

1990年代ねんだいになってキャラハンはさらに(ディクソンとクローバーがペンれた)ヨクツ語族ごぞくとウティ語族ごぞくあいだにもおやえん関係かんけい主張しゅちょうし、これを「ヨク=ウティ語族ごぞく」とんでいる[9]

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Miwok–Costanoan”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. http://glottolog.org/resource/languoid/id/miwo1274 
  2. ^ Gatschet (1877) pp.157-158
  3. ^ Dixon & Kroeber (1919) pp.99-100
  4. ^ Dixon & Kroeber (1919) p.54
  5. ^ Dixon & Kroeber (1913) p.647
  6. ^ Sapir (1929)
  7. ^ Callaghan (1967) など
  8. ^ Golla (2011) p.168
  9. ^ Callaghan (1997)

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]
  • Callaghan, Catherine A (1967). “Miwok-Costanoan as a Subfamily of Penutian”. International Journal of American Linguistics 33 (3): 224-227. JSTOR 1264214. 
  • Callaghan, Catherine A (1997). “Evidence for Yok-Utian”. International Journal of American Linguistics 63 (1): 18-64. JSTOR 1265864. 
  • Dixon, Roland B; Kroeber, A.L (1913). “New Linguistic Families in California”. American Anthropologist, New Series 15 (4): 647–655. JSTOR 659723. 
  • Dixon, Roland B; Kroeber, A.L (1919). Linguistic Families of California. Berkeley: University of California Press. https://archive.org/details/linguisticfamili00dixorich 
  • Gatschet, Albert S (1877). “Indian Languages of the Pacific States and Territories”. Magazine of American History 1 (3): 145-171. https://archive.org/stream/cihm_32849#page/n19/mode/2up. 
  • Golla, Victor (2011). California Indian Languages. University of California Press. ISBN 0520266676 
  • Sapir, Edward (1929). “Central and North American Languages”. Encyclopædia Britannica. 5 (14th ed.). pp. 138-141