ヤーガン語ご

ヤーガン語ご;
	Háusi Kúta
話はなされる国くに	アルゼンチンとチリ
地域ちいき	ティエラ・デル・フエゴ
民族みんぞく	ヤーガン族ぞく (2002年ねん国勢調査こくせいちょうさ)
話者わしゃ数すう	0人にん
言語げんご系統けいとう	孤立こりつした言語げんご
言語げんごコード
ISO 639-3	yag
Glottolog	yama1264
	注意ちゅうい: この表ひょうにはユニコードで記述きじゅつされたIPA発音はつおん記号きごうが含ふくまれているかもしれません。
	注意ちゅうい: この表ひょうにはユニコードで記述きじゅつされたIPA発音はつおん記号きごうが含ふくまれているかもしれません。
	テンプレートを表示ひょうじ

ヤーガン語ご（元もとの綴つづりは Yahgan、しかし今いまでも''Yaghan、Jagan、Iakan''と綴つづられている）、ヤマナ語ご (Yamana) 、Háusi Kútaは、ティエラ・デル・フエゴ島とうでヤーガン族ぞくによって話はなされていた先住民せんじゅうみんの言語げんごの一ひとつである。孤立こりつした言語げんごと見みなされているが、一部いちぶの言語げんご学者がくしゃはカウェスカル語ごとチョン語族ごぞくに関連かんれんづけようとしている。

ヤーガン語ごはフォークランド諸島しょとうに属ぞくするケッペル島とう（英語えいご版ばん）の宣教師せんきょうしの居留きょりゅう地ちでも短期間たんきかん話ばなしされていた。

84歳さいのエメリンダ・アクーニャ（1921年ねん - 2005年ねん10月がつ12日にち）の死後しご、チリのナバリノ島とうにあるVilla Ukikaに住すむクリスティナ・カルデロンが唯一ゆいいつの母語ぼご話者わしゃとなった^[3]^[4]が、2022年ねん2月がつ16日にちに93歳さいで死去しきょした^[5]。カルデロン（しばしば単たんにAbuelaと呼よばれる）はアクーニャの義理ぎりの妹いもうとであった。

音韻おんいん論ろん

母音ぼいん

ヤーガン語ごの音韻おんいん体系たいけいには3つの分析ぶんせきがあり、多おおくの点てんで互たがいに異ことなっている。最もっとも古ふるい分析ぶんせきは、トーマス・ブリッジズ(1894)による19世紀せいき(前ぜん音韻おんいん論ろん時代じだい)からのものである。20世紀せいきの中頃なかごろから、ホードリコート(1952)とホルマー(1953)。20世紀せいきの終おわりにかけて、この瀕死ひんしの言語げんごに関かんする最後さいごの音韻おんいん論ろん的てき研究けんきゅうが、Guerra Eissmann(1990)、Salas y Valencia(1990)、Aguilera(2000)によって行おこなわれた。

	前ぜん舌した	中ちゅう舌した	後こう舌した
狭せま	i		u
中央ちゅうおう	e	ə	o
広ひろ	æ	a

強つよ勢ぜいのある音節おんせつではすべての母音ぼいんが長ながい。母音ぼいん /a/ が最もっとも頻度ひんどが高たかい。強つよ勢ぜいの前後ぜんごにある音節おんせつでは、曖昧あいまい母音ぼいん[ə]と発音はつおんされることがある^[6]。強制きょうせいがある最終さいしゅう音節おんせつでは、母音ぼいん /i/ と /u/ が二に重母音じゅうぼいんになることがある^[6]。母音ぼいん /i/ および /o/ は、強つよ勢ぜいのない最終さいしゅう音節おんせつにおいて非常ひじょうに不安定ふあんていであり、それぞれ /e/ および /u/ と交代こうたいする^[6]。

子音しいん

	唇音しんおん	歯茎はぐき音おん	後部こうぶ歯茎はぐき音おん	硬かた口蓋こうがい音おん	軟口蓋なんこうがい音おん	声門せいもん音おん
鼻音びおん	m	n
破裂はれつ音おん	p	t	tʃ		k	ʔ
摩擦音まさつおん	f	s	ʃ		x	h
はじき音おん		ɾ
接近せっきん音おん		l	ɻ	j	w

脚注きゃくちゅう

^ “Yahgan Ethnologue”. Ethnologue. 2019年ねん7月がつ31日にち閲覧えつらん。
^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Yámana”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History
^ Jackie Hailey (October 14, 2005). “Extinction on the horizon for indigenous tribe in Chile: Second-To-Last Yagana Woman Dies Of A Heart Attack”. The Santiago Times (Santiago) 04/10/2011閲覧えつらん。
^ “In Chile's remote south, the last speaker of an ancient language fights to keep it alive”. Reuters (31 May 2019). 3 June 2019閲覧えつらん。
^ “チリ「ヤーガン語ご」話はなせる最後さいごの1人ひとり 93歳さいで死去しきょ”. 日にっテレNEWS24 (2022年ねん2月がつ17日にち). 2022年ねん2月がつ17日にち閲覧えつらん。
^ ^a ^b ^c Salas, Adalberto, y Valencia, Alba (1990): "El fonetismo del yámana o yagán. Una nota en lingüística de salvataje". Revista de Lingüística Teórica y Applicada, Concepción, vol. 28, pp. 147–169.

参考さんこう文献ぶんけん

Aguilera Faúndez, Óscar (2000): "En torno a la estructura fonologica del yagán. Fonología de la palabra". Onomazein, Santiago, vol. 5, pp. 233–241.
Bridges, Thomas (1894): "A few notes on the structure of Yahgan". Journal of the Anthropological Institute of Great Britain and Ireland, London, vol. 23, pp. 53–80.
Golbert de Goodbar, Perla (1977): "Yagan I. Las partes de la oración". Vicus, Amsterdam, vol. 1, pp. 5–60.
Golbert de Goodbar, Perla (1978): "Yagan II. Morfología nominal". Vicus, Amsterdam, vol. 2, pp. 87–101.
Guerra Eissmann, Ana M. (1990): "Esbozo fonológico del yagán", en Actas del Octavo Seminario Nacional de Investigación y Enseñanza de la Lingüística. Santiago: Universidad de Chile y Sociedad Chilena de Lingüística, vol. V, pp. 88–93.
Guerra Eissmann, Ana M. (1992): "Las fluctuaciones de fonemas en el yagán". Revista de Lingüística Teórica y Applicada, Concepción, vol. 30, pp. 171–182.
Haudricourt, André (1952): "Yamana", en Antoine Meillet y Marcel Cohen (eds.): Les langues du monde. París: Centre National de la Recherche Scientifique, pp. 1196–1198.
Holmer, Nils M. (1953): "Apuntes comparados sobre la lengua de los yaganes (Tierra del Fuego)". Revista de la Facultad de Humanidades y Ciencias, Montevideo, vol. 10, pp. 193–223, y vol. 11 (1954), pp. 121–142.
Salas, Adalberto, y Valencia, Alba (1990): "El fonetismo del yámana o yagán. Una nota en lingüística de salvataje". Revista de Lingüística Teórica y Applicada, Concepción, vol. 28, pp. 147–169.

外部がいぶリンク

[e18-1] “Yahgan Ethnologue”. Ethnologue. 2019年ねん7月がつ31日にち閲覧えつらん。

[Glottolog-2] Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Yámana”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History

[ST20052-3] Jackie Hailey (October 14, 2005). “Extinction on the horizon for indigenous tribe in Chile: Second-To-Last Yagana Woman Dies Of A Heart Attack”. The Santiago Times (Santiago) 04/10/2011閲覧えつらん。

[4] “In Chile's remote south, the last speaker of an ancient language fights to keep it alive”. Reuters (31 May 2019). 3 June 2019閲覧えつらん。

[5] “チリ「ヤーガン語ご」話はなせる最後さいごの1人ひとり 93歳さいで死去しきょ”. 日にっテレNEWS24 (2022年ねん2月がつ17日にち). 2022年ねん2月がつ17日にち閲覧えつらん。

[Salas,_Adalberto_1990_pp._1472-6] Salas, Adalberto, y Valencia, Alba (1990): "El fonetismo del yámana o yagán. Una nota en lingüística de salvataje". Revista de Lingüística Teórica y Applicada, Concepción, vol. 28, pp. 147–169.

[1]

[2]

[3]

[4]

[5]

[6]

表ひょう話はなし編へん歴れき世界せかいの語族ごぞく
孤立こりつした言語げんごを含ふくむ。 ※主要しゅよう分布ぶんぷ地域ちいきに掲載けいさい（他た地域ちいきにも分布ぶんぷしている場合ばあいあり）
アフリカ	コイサン諸語しょごジュー・ホアン語族ごぞくツウ語族ごぞくコエ・クワディ語族ごぞくサンダウェ語ごハヅァ語ごナイル・サハラ語族ごぞくニジェール・コンゴ語族ごぞくバンギメ語ごシャボ語ごジャラー語ごラール語ごアフロ・アジア語族ごぞく（参考さんこう：アフリカの言語げんご）
ユーラシア西部せいぶ	インド・ヨーロッパ語族ごぞくコーカサス諸語しょごカルトヴェリ語族ごぞく北西ほくせいコーカサス語族ごぞく北東ほくとうコーカサス語族ごぞくバスク語ごエトルリア語ご† エラム語ご† シュメール語ご† フルリ・ウラルトゥ語族ごぞく†
ユーラシア北部ほくぶ	ウラル語族ごぞくアルタイ諸語しょごチュルク語族ごぞくモンゴル語族ごぞくツングース語族ごぞく古こアジア諸語しょごエニセイ語族ごぞくニヴフ語ごユカギール語族ごぞくチュクチ・カムチャツカ語族ごぞく
ユーラシア東部とうぶ	シナ・チベット語族ごぞくミャオ・ヤオ語族ごぞくオーストロアジア語族ごぞくタイ・カダイ語族ごぞく朝鮮ちょうせん語族ごぞく日にち琉語族ぞくアイヌ語ご（参考さんこう：東ひがしアジアの言語げんご）
ユーラシア南部なんぶ	ドラヴィダ語族ごぞくアンダマン諸語しょご大だいアンダマン語族ごぞくオンガン語族ごぞくブルシャスキー語ごクスンダ語ごニハリ語ご
オセアニア	オーストロネシア語族ごぞくパプア諸語しょごトランス・ニューギニア語族ごぞくセピク語族ごぞくトリチェリ語族ごぞくアネム語ご etc オーストラリア諸語しょごパマ・ニュンガン語族ごぞくニュルニュラン語族ごぞくタスマニア諸語しょご† etc
北きたアメリカ	アメリカ先住民せんじゅうみん諸語しょごエスキモー・アレウト語族ごぞくナ・デネ語族ごぞくチュマシュ語族ごぞく† ウティ語族ごぞくヨクツ語族ごぞくアルギック語族ごぞくセイリッシュ語族ごぞくイロコイ語族ごぞくスー語族ごぞくカイオワ・タノ語族ごぞくマスコギ語族ごぞくユーマ語族ごぞくハイダ語ごサリナ語ご† セリ語ごワショ語ごエセレン語ご† クテナイ語ごズニ語ごタラスコ語ごシンカ語族ごぞくレンカ語ごマヤ語族ごぞくユト・アステカ語族ごぞくテキストラテック語族ごぞくオト・マンゲ語族ごぞくミスマルパ語族ごぞくワベ語ご etc
南みなみアメリカ	アメリカ先住民せんじゅうみん諸語しょごアラワク語族ごぞくカリブ語族ごぞくアイマラ語族ごぞくケチュア語族ごぞくウル・チパヤ語族ごぞくトゥピ語族ごぞくチョン語族ごぞくムーラ語ごモビマ語ごアラウコ語族ごぞくヤーガン語ごアラカルフ語族ごぞく etc
提唱ていしょう中ちゅうの語族ごぞく	コイサン語族ごぞくアルタイ語族ごぞく（トランスユーラシア語族ごぞく）デネ・エニセイ語族ごぞくウラル・ユカギール語族ごぞくウラル・シベリア語族ごぞくチュクチ・カムチャツカ・アムール語族ごぞくウラル・アルタイ語族ごぞくインド・ウラル語族ごぞくオーストロ・タイ語族ごぞくシナ・オーストロネシア語族ごぞくティルセニア語族ごぞく† 扶余語族ごぞく† エラム・ドラヴィダ語族ごぞくイベロ・コーカサス語族ごぞく北きたコーカサス語族ごぞくポンティック語族ごぞくアラロディア語族ごぞくバスク語族ごぞくアルナーチャルの独立どくりつ語族ごぞく群ぐんペヌーティ語族ごぞく
大だい語族ごぞく仮説かせつ	世界せかい祖語そご† ボレア大だい語族ごぞくノストラティック大だい語族ごぞくユーラシア大だい語族ごぞくインド・太平洋たいへいよう大だい語族ごぞくオーストリック大だい語族ごぞく東ひがしアジア大だい語族ごぞくデネ・コーカサス大だい語族ごぞくアメリンド大だい語族ごぞくホカ大だい語族ごぞく
その他た	語族ごぞくの一覧いちらん孤立こりつした言語げんご未み分類ぶんるい言語げんごピジン言語げんごクレオール言語げんご混合こんごう言語げんご祖語そご基層きそう言語げんご人工じんこう言語げんご先さき印欧語いんおうご言語げんご連合れんごう言語げんご類型るいけい危機ききに瀕ひんする言語げんご話者わしゃ遺伝子いでんし分布ぶんぷとの関係かんけい農耕のうこう拡散かくさんとの関係かんけい
手話しゅわ	日本にっぽん手話しゅわ語族ごぞくイギリス手話しゅわ語族ごぞくフランス手話しゅわ語族ごぞくアラブ手話しゅわ語族ごぞく etc