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アイマラ語族ごぞく

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
アイマラ語族ごぞく
Aymaran, Jaqi, Aru
はなされる地域ちいき中央ちゅうおうみなみアメリカアンデス山脈あんですさんみゃく
言語げんご系統けいとうケチュマラ語族ごぞく?
  • アイマラ語族ごぞく
下位かい言語げんご
Glottologayma1253[1]
くらいろ:アイマラ語族ごぞく現在げんざいひろがり。あかるいいろ:以前いぜん範囲はんい (地名ちめいがくうえ証拠しょうこによる)。

アイマラ語族ごぞく(Aymaran, Aimara)、ハケ語族ごぞく(Jaqi, Jaqui, Haki), Aruは、ケチュア語族ごぞくとともに、中央ちゅうおうアンデスの2つの主要しゅよう語族ごぞくの1つである。

みなみ(アルティプラーノ)アイマラ中央ちゅうおうアイマラ(ハカルカウキ)のふたつのかたり語族ごぞくのために、Alfredo Toreroは「はなす」という意味いみのAru、Rodolfo Cerron PalominoはAymaran、Hardman(1978)は、Jaqiという名称めいしょう提案ていあんした。

ケチュア語族ごぞくしょ言語げんごとく南部なんぶ言語げんごはアイマラおおくの語彙ごい共有きょうゆうしており、ケチュマラだい語族ごぞくとしてグループされていることがおおい。しかし、この提案ていあんには議論ぎろん余地よちがある。;語彙ごい共有きょうゆうは、長期ちょうきてき接触せっしょくによる集中しゅうちゅうてき借用しゃくよう説明せつめいしたほうがよいだろう。

音韻おんいんろん[編集へんしゅう]

母音ぼいん[編集へんしゅう]

アイマラ語族ごぞく言語げんごには母音ぼいん音素おんそ/a i u/の3つのみであり、アイマラのほとんどの種類しゅるいとハカルではながさによる区別くべつがある。ながさは、一般いっぱんてきにアイマラではトレマ、ハカルでは発音はつおん記号きごう使用しようして転写てんしゃされる。

子音しいん[編集へんしゅう]

アイマラ語族ごぞく言語げんご子音しいん目録もくろくことなるてんがあるが、共通きょうつうする特徴とくちょうがいくつかある。アイマラとハカルはともに、くちびる歯茎はぐきかた口蓋こうがい軟口蓋なんこうがい口蓋垂こうがいすいかく調音ちょうおんてんでの破裂はれつおんつ。 破裂はれつおんには、放出ほうしゅつおんゆうおん区別くべつがある。 両方りょうほうとも歯茎はぐきかた口蓋こうがい軟口蓋なんこうがい摩擦音まさつおんと、いくつかの中央ちゅうおう側面そくめん接近せっきんおんふくむ。

形態けいたい音韻おんいんろん[編集へんしゅう]

アイマラ語族ごぞく言語げんごはケチュア語族ごぞく言語げんごとはことなり、動詞どうし名詞めいし語根ごこんすべてが母音ぼいんわる必要ひつようがある。借用しゃくようであっても、スペインhabas(「まめ(複数ふくすう)」)はアイマラでhawasa、ハカルháwašaなる。この特徴とくちょうは、のアンデスの言語げんごには存在そんざいしない。

ケチュア同様どうよう、アイマラ非常ひじょう膠着こうちゃくてきである。しかしながら、それらは、おおくの膠着こうちゃくてき接尾せつび先行せんこう語根ごこんにおける母音ぼいん抑制よくせい誘発ゆうはつするてんことなる。 れいとしては、単語たんごapa(「る」)の最後さいご母音ぼいんap-su(「す」)になったときにうしなわれる[2]

語族ごぞく区分くぶん[編集へんしゅう]

アイマラ語族ごぞくは2つの言語げんご構成こうせいされている。

  • アイマラ南部なんぶ中央ちゅうおう方言ほうげん分岐ぶんきしており、ときには別個べっこ言語げんごなされることもある。
  • ハカル(Jaqaru, Haqearu, Haqaru, Haq'aru, Aru)。カウキ方言ほうげん(Kawki, Cauqui、Cachuy)は分岐ぶんきしている。

アイマラ語族ごぞくにはやく220まんにん話者わしゃがいる。ボリビアに170まんにんペルーに35まんにんのこりはチリアルゼンチンにいる。ハカルにはペルー中央ちゅうおうやく725にん話者わしゃがおり、2005ねん現在げんざい、カウキには9にん話者わしゃのこっている。カウキはほとんど文書ぶんしょされていないが、ハカルとの関係かんけい非常ひじょう密接みっせつである。最初さいしょは、マーサ・ハードマン(Martha Hardman)によって(当時とうじ非常ひじょうかぎられたデータによって)ことなる言語げんごなされていたが、そののすべてのフィールドワークと研究けんきゅうはその見解けんかい矛盾むじゅんし、それらは単一たんいつ言語げんご相互そうご理解りかいできるがことなる方言ほうげんであることを実証じっしょうした。

語彙ごい[編集へんしゅう]

以下いかは1から10の数字すうじのリストである。アイマラ語族ごぞくとケチュア語族ごぞくでは共通きょうつうする数詞すうしおおく、そのぶんはかっこで明示めいじしている[3]

かず アイマラ ハカル カウキ アイマラ
祖語そご
ケチュア
祖語そご
1 maya maya maya *maya *suk
2 paya paha paha *paha *işkay
3 (qimsa) (kimsa) H *kimsa
4 pusi puši *pusi *çusku
5 (phesqa) (pichqa) *-qallqo(?) *picqa
6 (sojhta) (suhta) *suqta
7 paqallqo (qançhisi) Qillay *pa-qallqo *qançis
8 (qimsaqallqo) (pusaqa) *pusaq
9 (llatunka) (isquña) *isqun
10 (tunka) (chuŋka) *çunka


関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

書誌しょし[編集へんしゅう]

  • Adelaar, Willem F. H.; & Muysken, Pieter C. (2004). The languages of the Andes. Cambridge language surveys. Cambridge University Press.
  • Campbell, Lyle. (1997). American Indian languages: The historical linguistics of Native America. New York: Oxford University Press. ISBN 0-19-509427-1.
  • Kaufman, Terrence. (1994). The native languages of South America. In C. Mosley & R. E. Asher (Eds.), Atlas of the world's languages (pp. 46–76). London: Routledge.

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Aymaran”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. http://glottolog.org/resource/languoid/id/ayma1253 
  2. ^ Adelaar, Willem F. H. (2004-06-10) (英語えいご). The Languages of the Andes. Cambridge University Press. ISBN 9781139451123. https://books.google.com/books?id=UiwaUY6KsY8C 
  3. ^ Numerals in Aymaran languages (Rosenfelder's Metaverse)