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レンカ

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レンカ
民族みんぞくレンカぞく
はなされる地域ちいきエルサルバドルホンジュラス
消滅しょうめつ時期じき2007ねん以前いぜん
言語げんご系統けいとうホカだい語族ごぞく? マクロ・チブチャだい語族ごぞく?
  • レンカ
下位かい言語げんご
  • ホンジュラス・レンカ
  • エルサルバドル・レンカ
ISO 639-3len
Glottologlenc1239[1]
16世紀せいきのレンカ分布ぶんぷ

レンカ(レンカご、Lencan)は、ほぼ消滅しょうめつしつつあるメソアメリカ先住民せんじゅうみん孤立こりつした言語げんごまたは語族ごぞくである。エスノローグでは孤立こりつした言語げんごとするが、実際じっさいには最近さいきんまで2つの言語げんご存在そんざいしたことがられる。

分類ぶんるい

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スペインじん到来とうらいのエルサルバドルの民族みんぞく分布ぶんぷ推測すいそく

レンカには2種類しゅるい確認かくにんされているが、どちらも消滅しょうめつした[2]

  • エルサルバドル・レンカは、チランガとポトではなされていた(このために ポトともばれる)[3]。レンカぞくやく2,000BPにエルサルバドルに到来とうらいし、ケレパ英語えいごばん遺跡いせきつくった。話者わしゃ1人ひとりのこ[3]
  • ホンジュラス・レンカは、インティブカ、オパトーロ、グアヒキーロ、シミラトン(いまカバーニャスけん)、サンタ・エレナにおいて、わずかな方言ほうげんちがいをもってはなされていた。いくつかのいいまわしがのこっているが、言語げんごそのものがいまのこっているかどうかは不明ふめいである。

この2つの言語げんごちか関係かんけいにはない。スウォデシュ(1967)の推定すいていによれば、この2つは分裂ぶんれつしてから3,000ねんている[4]。アルゲダス・コルテス(1987)がさい構したレンカ祖語そごは12の子音しいん放出ほうしゅつおんふくむ)と5つの母音ぼいんからなる。

ほかの語族ごぞくとの関係かんけいについては議論ぎろんかれる。マクロ・チブチャだい語族ごぞく英語えいごばんふくめるせつはしばしば提起ていきされる。キャンベル(1987)では、そのような関連かんれんしめすはっきりした証拠しょうこがないとするが、コンステンラ・ウマーニャ(2005)ではレンカミスマルパ語族ごぞくチブチャあいだ規則きそくてき対応たいおう存在そんざい指摘してきしている。

キャンベル(2012)ではレンカ・ミスマルパ・チブチャ連関れんかんはいまだ体系たいけいてき証明しょうめいされていないとするが、コンステンラ・ウマーニャ(2005)が「ミスマルパとレンカの2つの隣接りんせつする語族ごぞく関係かんけい指示しじする証拠しょうこしめし、この2つの語族ごぞくがレンミチだい語族ごぞく構成こうせいする。コンステンラ・ウマーニャ(2005)の研究けんきゅうによれば、レンミチだい語族ごぞくはまずチブチャ祖語そごと、ミスマルパ語族ごぞくおよびレンカ語族ごぞく共通きょうつう祖先そせんであるミスレンカ祖語そご分裂ぶんれつしたとする。この分裂ぶんれついまから9,726ねんほどまえ、すなわち紀元前きげんぜん7,720ねんごろにきた(中略ちゅうりゃく)レンカ語族ごぞくとミスマルパ語族ごぞくそれぞれの祖先そせんは7,705ねんまえ紀元前きげんぜん5,069ねん)ごろに分裂ぶんれつし、パヤとそれ以外いがいのチブチャ語族ごぞく祖先そせんは6,682ねんまえ紀元前きげんぜん4,676ねん)ごろに分裂ぶんれつした。」としるしている[5][6]

レンカシンカ関係かんけいづける提案ていあんもある[7]。いっぽうJolkesky (2017:45-54)は代名詞だいめいし親族しんぞく名称めいしょうなどの語彙ごいからレンカ語族ごぞくホカだい語族ごぞくふくめる証拠しょうこ発見はっけんしたとする。

歴史れきし

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レンカ祖語そご原郷はらごうはホンジュラス中央ちゅうおう可能かのうせいたか[2]

16世紀せいきはじめのスペインじんによる中央ちゅうおうアメリカの征服せいふく時期じきにおいて、レンカはホンジュラスの北西ほくせい南西なんせい、および隣接りんせつするエルサルバドルレンパがわ英語えいごばんよりひがしレンカぞくによってはなされていた。レンカぞく自身じしんいまおな場所ばしょんでいるものの、1970年代ねんだいライル・キャンベルはエルサルバドルではチランガ (Chilanga, El Salvadorに1にんしか話者わしゃ発見はっけんできず、ホンジュラスでは1人ひとり発見はっけんできなかった。またキャンベルはエルサルバドルのレンカがホンジュラスのレンカことなった言語げんごであると結論けつろんづけた。

ホンジュラスとエルサルバドルの両国りょうこくとも、言語げんご復活ふっかつさせようとする先住民せんじゅうみん運動うんどうがあり、最近さいきんのホンジュラスの報告ほうこくではエルサルバドル・レンカ小学校しょうがっこう教科書きょうかしょがホンジュラスの学校がっこう配布はいふされたという。

ロベルト・カスティージョ (Roberto Castillo (philosopher)による2002ねん小説しょうせつLa guerra mortal de los sentidosは、「レンカ探求たんきゅうしゃ」の冒険ぼうけん年代ねんだいになっている[8]

祖語そご

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アルゲダス・コルテス(1988)によるレンカ祖語そごさい構がある[9]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Lencan”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. http://glottolog.org/resource/languoid/id/lenc1239 
  2. ^ a b Campbell 1997, p. 167.
  3. ^ a b Liliana Fuentes Monroy (2012ねん). “Buscan rescatar lengua potón”. La Prensa. オリジナルの2016ねん9がつ24にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160924035622/http://www.laprensagrafica.com/el-salvador/departamentos/279667-buscan-rescatar-lengua-poton.html 2016ねん7がつ29にち閲覧えつらん 
  4. ^ Swadesh 1967.
  5. ^ Campbell 2012.
  6. ^ Constenla-Umaña, Adolfo (2005). “Existe relacion genealogica entre las lenguas misumalpas y las chibchenses?”. Estudios de Linguistica Chibcha 23: 9–59. 
  7. ^ Campbell 1997.
  8. ^ Beatriz Cortez ¿Dónde están los indígenas? La identidad nacional y la crisis de la modernidad en La guerra mortal de los sentidos de Roberto Castillo”. 2012ねん9がつ30にち閲覧えつらん
  9. ^ Arguedas Cortés, Gilda Rosa. 1988. Los Fonemas Segmentales del Protolenca: Reconstrucción Comparativa. Filología y lingüística XIV. 89-109.

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Campbell, Lyle (1976). “The Last Lenca”. International Journal of American Linguistics 42 (1): 73-78. JSTOR 1264812. 
  • Campbell, Lyle (1997), American Indian Languages: The Historical Linguistics of Native America, Oxford: Oxford University Press 
  • Campbell, Lyle (2012), The Indigenous Languages of South America: A Comprehensive Guide, Berlin/Boston: De Gruyter Mouton: Walter de Gruyter GmbH & Co. KG, doi:10.1515/9783110258035.59, ISBN 9783110258035 
  • Constenla Umaña, Adolfo. (1981). Comparative Chibchan Phonology. (Ph.D. dissertation, Department of Linguistics, University of Pennsylvania, Philadelphia).
  • Constenla Umaña, Adolfo. (1991). Las lenguas del Área Intermedia: Introducción a su estudio areal. Editorial de la Universidad de Costa Rica, San José.
  • Constenla Umaña, Adolfo. (1995). Sobre el estudio diacrónico de las lenguas chibchenses y su contribución al conocimiento del pasado de sus hablantes. Boletín del Museo del Oro 38-39: 13-56.
  • Constenla-Umaña., Adolfo (2005). "Existe relacion genealogica entre las lenguas misumalpas y las chibchenses?" Estudios de Linguistica Chibcha. 23: 9–59.
  • Fabre, Alain. 2005. Diccionario etnolingüístico y guía bibliográfica de los pueblos indígenas sudamericanos: LENCA. http://www.ling.fi/Entradas%20diccionario/Dic=Lenca.pdf
  • Hemp, Eric. 1976. "On Earlier Lenca Vowels". International Journal of American Linguistics 42(1): 78-79.
  • Jolkesky, Marcelo 2017. "On the South American Origins of Some Mesoamerican Civilizations". Leiden: Leiden University. Postdoctoral final report for the “MESANDLIN(G)K” project. https://www.academia.edu/34314251/.
  • Lehman, Walter (1920). Zentral-Amerika. Berlin  pp. 700–719にエルサルバドル・レンカ、pp. 668–692にホンジュラス・レンカかんする記述きじゅつがある。
  • Swadesh, Morris (1967), “Lexicostatistic Classification”, in Norman A. McQuown, Linguistics, Handbook of Middle American Indians, Vol. 5, University of Texas Press, pp. 79-115 

外部がいぶリンク

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