(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ファイナルラップ - Wikipedia コンテンツにスキップ

ファイナルラップ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ファイナルラップ(final Lap)

  • レースでの最終さいしゅう周回しゅうかい
  • ナムコのレースゲーム。ほんこう解説かいせつ

ファイナルラップ
FINAL LAP
ジャンル レースゲーム
対応たいおう機種きしゅ アーケード (AC)
開発元かいはつもと ナムコ
発売はつばいもと 日本 ナムコ
アメリカ合衆国 アタリ
音楽おんがく 細江ほそえまきおさむ
シリーズ ファイナルラップシリーズ
人数にんずう 1 - 8にん対戦たいせんプレイ)
メディア 業務ぎょうむよう基板きばん(3.66メガバイト
稼働かどう時期じき 日本 1987121987ねん12月
アメリカ合衆国 1988051988ねん5がつ
デバイス ステアリング
シフトレバー
アクセルペダル
ブレーキペダル
筐体きょうたい コックピットかた専用せんよう筐体きょうたい
システム基板きばん SYSTEM II
CPU MC68000 (@ 12.288 MHz) ×2
MC6809 (@ 3.072 MHz)
HD63705 (@ 2.048 MHz)
サウンド C140 (@ 21.39 kHzきろへるつ)
YM2151 (@ 3.57958 MHz)
ディスプレイ ラスタースキャン
よこモニター
288×224ピクセル
60.61Hz
パレット8192しょく
テンプレートを表示ひょうじ

ファイナルラップ』 (Final Lap) は、1987ねんにナムコ(バンダイナムコエンターテインメント)が開発かいはつした『ポールポジション』(1982ねん)のながれをレースゲーム

概要がいよう[編集へんしゅう]

はじめて筐体きょうたいあいだのデータリンクを導入どうにゅうし、最大さいだい8にんまでの同時どうじプレイを実現じつげんした一方いっぽう、「乱入らんにゅう」を抑止よくしするシステムをたなかったため、対戦たいせんがた格闘かくとうゲームでよくられる「面識めんしきいプレイヤー同士どうしによる、たがいのプレイスタイルに起因きいんするトラブル」もこすことになった。

1さくのコースは鈴鹿すずかサーキットのみだが、続編ぞくへんの『ファイナルラップ2』(1990ねん)では、ゲーム開始かいしまえに4つのコースから1つをプレイヤーの多数決たすうけつ選択せんたくすることができるようになった。なお、トップが同数どうすう場合ばあいはランダムで決定けっていされる。

このゲームの特色とくしょくである「トップのプレイヤーがスタートラインを通過つうかすると同時どうじにプレイちゅう全員ぜんいんにタイム追加ついかされ、スタートもゲーム終了しゅうりょう全員ぜんいん同時どうじとなる」「トップをはしるプレイヤーよりも下位かいのプレイヤーのほうがタイヤの限界げんかい最高さいこう速度そくど加速度かそくどたかくなる(現実げんじつスリップストリームをゲームてき表現ひょうげんしたもので、くるま同士どうしがまるで「ゴムひも」でつながれているような様子ようすから、開発かいはつサイドの通称つうしょうは「ラバーバンド」[1][2])」といった初心者しょしんしゃやさしい弱者じゃくしゃ救済きゅうさいてきシステムは、プレイヤーの裾野すそのひろげ、現在げんざいいたるまで一部いちぶのぞいて対戦たいせんがたレースゲームの基本形きほんけいとなっている。当初とうしょは「ラバーバンド」しのかたち開発かいはつすすめられていたが、テストプレイでは「(レースゲームに)れてないひとはなしにならない」状況じょうきょうだったため、それをなにとかしたいということで急遽きゅうきょ機能きのう追加ついかされた経緯けいいがある[1]

前作ぜんさく『ポールポジション』は予選よせん決勝けっしょうレースにいどむ(つまり予選よせんちがある)システムだったが、ほんさくでは予選よせんはなくいきなりレースにいどかたちとなっている。これには対戦たいせんがたゲームという性質せいしつから「2人ふたりでプレイして、1人ひとり予選落よせんおちして1人ひとり通過つうかというのはありえない」という配慮はいりょがある[1]。ちなみにロケーションテスト段階だんかいでは、ほんさく対戦たいせん機能きのうつということがプレイヤーにほとんど認識にんしきされておらず、プレイヤーは1にんずつソロプレイのかたちあそぶことがほとんどとなり「しん製品せいひんなのにつまらない」とわれていた[1]。そのため途中とちゅうから、プレイヤーがゲームをはじめようとすると待機たいきしていたスタッフが筐体きょうたいって対戦たいせんする「おもてなしプレイ」をおこなうようにしたところ、ようやく対戦たいせん面白おもしろさがプレイヤーにつたわるようになった[1]

ゲームに直接ちょくせつ参加さんかしない観客かんきゃく店員てんいん独自どくじにゲーム映像えいぞうたい実況じっきょうなどをおこなうスタイルがまれたのもこのゲームが最初さいしょわれる[1]

移植いしょくばん[編集へんしゅう]

No. タイトル 発売はつばい 対応たいおう機種きしゅ 開発元かいはつもと 発売はつばいもと メディア 型式けいしき 売上うりあげ本数ほんすう 備考びこう
1 ファイナルラップ 日本 198808121988ねん8がつ12にち
ファミリーコンピュータ ノバ
アークシステムワークス
ナムコ 2メガビットロムカセット[3] - -
2 ファイナルラップツイン 日本 198907071989ねん7がつ7にち
アメリカ合衆国 1990ねん
PCエンジン ノバ 日本 ナムコ
アメリカ合衆国 NEC-HE
3メガビットHuCARD[4]
  • 日本 NC89003
  • アメリカ合衆国 TGX030020
-
ファミリーコンピュータばん
マシンのチューニングをすることができる。
PCエンジンばん「ファイナルラップツイン」
通常つうじょうの1Pモード、2P対戦たいせんモードがある。2Pモードは画面がめん上下じょうげ分割ぶんかつの1つの画面がめん対戦たいせんできる、当時とうじとしては画期的かっきてきなシステムで話題わだいとなった。ただし、のちにおなじくPCエンジンで『F1トリプルバトル』(ヒューマン)という作品さくひんで3にん同時どうじプレイを実現じつげんされ、同時どうじプレイ人数にんずうかれている。
通常つうじょうのレースモードにくわえRPGふう味付あじつけをほどこしたクエストモードが搭載とうさいされている。ミニよんをモチーフにしたチビよん選手せんしゅとして修行しゅぎょうたびかけ、全国ぜんこく強豪きょうごう対戦たいせんしチャンピオンになるのが目的もくてき一般いっぱんのRPGでの戦闘せんとう相当そうとうするフィールドマップじょうでのレースで賞金しょうきんかせぎ、それを元手もとであたらしいパーツを購入こうにゅうしてみずからのマシンを強化きょうかしていく。バックストーリーは漫画まんが巨人きょじんほし』(1966ねん - 1971ねん)をパロディしている。

評価ひょうか[編集へんしゅう]

評価ひょうか
レビュー結果けっか
媒体ばいたい結果けっか
オールゲーム3/5stars (AC)[5]
Computer and Video Games93/100てん (TG16)[6]
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー24/40てん (TG16)[6]
ファミ通ふぁみつう26/40てん (FC)[7]
30/40てん (PCE)[8]
(シルバー殿堂でんどう
ファミリーコンピュータMagazine19.58/30てん (FC)[3]
月刊げっかんPCエンジン89/100てん (PCE)
マルしょうPCエンジン31/40てん (PCE)
PC Engine FAN23.04/30てん (PCE)[4]
総合そうごう89
The Games Machine79/100てん (TG16)[6]
Aktueller Software Markt5.2/12てん (TG16)[6]
受賞じゅしょう
媒体ばいたい受賞じゅしょう
だい2かいゲーメスト大賞たいしょう大賞たいしょう10[9]
年間ねんかんヒットゲーム5[9]
アーケードばん
  • 1998ねんにそれまで発売はつばいされていたアーケードゲームすべてを対象たいしょうおこなわれたゲーメスト読者どくしゃ人気にんき投票とうひょうによるゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』では、「画面がめんうつされる映像えいぞうはかなりレベルがたかく、かなり実車じっしゃ感覚かんかくちかいイメージであった」、「通信つうしん対戦たいせん登場とうじょうにより、1人ひとりあそぶから多人数たにんずうあそぶといったかたちつくられたのもこのゲームからだろう」、「トップのマシンほどおそく、ビリのマシンほどはやくなるという調整ちょうせいくわえられ、レースががるようにつくられていた」、「デラックスの筐体きょうたいでは、マシンが加速かそくする、減速げんそくするという現象げんしょうをなんと筐体きょうたいをモーターで前後ぜんごにスライドさせることで体感たいかん表現ひょうげんするなど、独特どくとくなシステムも採用さいようされた」と紹介しょうかいされている[10]
ファミリーコンピュータばん
ゲームファミコン通信つうしん」の「クロスレビュー」では合計ごうけい26てんまん40てん[7]、「ファミリーコンピュータMagazine」の読者どくしゃ投票とうひょうによる「ゲーム通信つうしん簿」での評価ひょうか以下いかとおりとなっており、19.58てんまん30てん)となっている[3]
項目こうもく キャラクタ 音楽おんがく 操作性そうさせいわる 熱中ねっちゅう かい得度とくど オリジナリティ 総合そうごう
得点とくてん 3.16 3.25 3.31 3.42 3.15 3.29 19.58
PCエンジンばん 「ファイナルラップツイン」
ゲーム『ファミコン通信つうしん』の「クロスレビュー」では、8・7・8・7の合計ごうけい30てんまん40てん)でシルバー殿堂でんどうりを獲得かくとく[8]、『月刊げっかんPCエンジン』では90・90・90・85・90の平均へいきん89てん、『マルしょうPCエンジン』では8・7・8・8の合計ごうけい31てんまん40てん)、『PC Engine FAN』の読者どくしゃ投票とうひょうによる「ゲーム通信つうしん簿」での評価ひょうか以下いかとおり23.04てんまん30てん[4]。 また、この得点とくてんはPCエンジンぜんソフトのなかで89(485ほんちゅう、1993ねん時点じてん)となっている[4]
項目こうもく キャラクタ 音楽おんがく 操作性そうさせいわる 熱中ねっちゅう かい得度とくど オリジナリティ 総合そうごう
得点とくてん 3.81 3.75 3.87 4.04 3.82 3.75 23.04

シリーズ作品さくひん[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e f バンダイナムコしんだい2かい カーレースゲームの変遷へんせん 前編ぜんぺん大杉おおすぎあきら岡本おかもと進一郎しんいちろう岡本おかもと達郎たつおインタビュー - アソビモット・2019ねん4がつ25にち
  2. ^ しかし近年きんねんのナムコブランドのゲームでも「馬力ばりきアシスト」を正式せいしきめいとしていたり、プレイヤーはべつゲームでの「ブースト」という呼称こしょう流用りゅうようしていたりで、定着ていちゃくした一般いっぱんめいいのが現状げんじょうである。
  3. ^ a b c 「5がつ10にちごう特別とくべつ付録ふろく ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazineだい7かんだい9ごう徳間書店とくましょてん、1991ねん5がつ10日とおか、274ぺーじ 
  4. ^ a b c d 「10がつごう特別とくべつ付録ふろく PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FANだい6かんだい10ごう徳間書店とくましょてん、1993ねん10がつ1にち、112ぺーじ 
  5. ^ Final Lap for Arcade (1987)” (英語えいご). MobyGames. Blue Flame Labs. 2017ねん5がつ27にち閲覧えつらん
  6. ^ a b c d Final Lap for TurboGrafx-16 (1989)” (英語えいご). MobyGames. Blue Flame Labs. 2017ねん5がつ27にち閲覧えつらん
  7. ^ a b ファイナルラップ まとめ [ファミコン]” (日本語にほんご). ファミ通ふぁみつう.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015ねん5がつ16にち閲覧えつらん
  8. ^ a b ファイナルラップツイン まとめ [PCエンジン]” (日本語にほんご). ファミ通ふぁみつう.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015ねん5がつ16にち閲覧えつらん
  9. ^ a b c d 「ゲーメスト大賞たいしょう11ねん」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26ねん歴史れきしだい5かんだい4ごう新声社しんせいしや、1998ねん1がつ17にち、22 - 23ぺーじISBN 9784881994290 
  10. ^ 「ザ・ベストゲーム」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26ねん歴史れきしだい5かんだい4ごう新声社しんせいしや、1998ねん1がつ17にち、122ぺーじISBN 9784881994290 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]