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川崎病かわさきびょう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
川崎病かわさきびょう
概要がいよう
診療しんりょう 免疫めんえきがく, 小児科しょうにか[*]
分類ぶんるいおよび外部がいぶ参照さんしょう情報じょうほう
ICD-10 M30.3
ICD-9-CM 446.1
OMIM 611775
DiseasesDB 7121
MedlinePlus 000989
eMedicine article/965367
Patient UK 川崎病かわさきびょう
MeSH D009080

川崎病かわさきびょう(かわさきびょう、えい: Kawasaki disease, KD)は、日本にっぽん小児科しょうにか川崎かわさきとみさくによって1960年代ねんだい発見はっけんされた[1]おも乳幼児にゅうようじがかかる発熱はつねつせい疾患しっかん[2]病気びょうき)である。突然とつぜん高熱こうねつ数日すうじつつづき、くちびる充血じゅうけつ身体しんたい発疹はっしん手足てあし発赤はっせき(=あかくなること)、くびリンパぶし腫脹しゅちょうなど様々さまざま症状しょうじょうこす[2]小児しょうに急性きゅうせい熱性ねっせい皮膚ひふ粘膜ねんまくリンパぶし症候群しょうこうぐんえい: MucoCutaneous Lymph-node Syndrome, MCLS)ともわれるが、世界せかいてきに「川崎病かわさきびょう (KD)」とばれるのが一般いっぱんてきである。

病名びょうめい由来ゆらい発見はっけん

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病名びょうめい川崎かわさきとみさくによって発見はっけんされたことに由来ゆらいする[2]

神奈川かながわけん川崎かわさき川崎医科大学かわさきいかだいがくなど上記じょうき以外いがいの「川崎かわさき」をしょうする事物じぶつとは関係かんけいがない。かつて川崎かわさき海岸かいがん工業こうぎょう地帯ちたい大気たいき汚染おせんによる公害こうがい川崎かわさき公害こうがい)が問題もんだいし、気管支きかんし喘息ぜんそくおおくみられた当時とうじ地域ちいき特有とくゆう公害こうがいびょう誤解ごかいされるれいおおかった[2]

1961ねん昭和しょうわ36ねん)、日本赤十字社にほんせきじゅうじしゃ中央ちゅうおう病院びょういん日本赤十字社にほんせきじゅうじしゃ医療いりょうセンター)に勤務きんむしていた川崎かわさきとみさくが、発熱はつねつあし皮膚ひふがれ、抗生こうせい物質ぶっしつかない子供こどもはじめて診察しんさつした[1]。さらに同様どうよう症状しょうじょう患者かんじゃ診療しんりょうしたことをきっかけに、従来じゅうらい症例しょうれいてはまらないあたらしい病気びょうきであることを確信かくしんした[3]川崎かわさきは1967ねん日本語にほんご論文ろんぶん[4]、1974ねん英語えいご論文ろんぶん発表はっぴょう[3]当初とうしょ一介いっかい小児科しょうにか報告ほうこくととられれられなかったが、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく同様どうよう症例しょうれい出現しゅつげんしたことで、あたらしい病気びょうきとして認知にんちされるようになった[3]

1978ねん世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO)の国際こくさい疾病しっぺい分類ぶんるい掲載けいさいされた[1]

症状しょうじょう

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初期しょき急性きゅうせい熱性ねっせい疾患しっかん急性きゅうせい)として全身ぜんしん血管けっかんかべ炎症えんしょうき、おおくは1-2週間しゅうかん症状しょうじょうおさまるが、1ヶ月かげつ程度ていど長引ながびくこともあり、炎症えんしょうつよときわきあし血管けっかんこぶ出来でき場合ばあいもある。心臓しんぞう血管けっかんでの炎症えんしょうにより、冠動脈かんどうみゃくおこりはじめちかくとひだり冠動脈かんどうみゃく左前ひだりまえぎょうえだひだり回旋かいせんえだ分岐ぶんき付近ふきんこぶ出来できやすい。急性きゅうせい血管けっかんえんによるこぶ半数はんすうは、2ねん以内いない退すさちぢみ(リグレッション)するが、冠動脈かんどうみゃくこぶなどの後遺症こういしょうのこことがある。

主要しゅよう症状しょうじょう以下いかの6つである。

  1. 5にち以上いじょうつづ原因げんいん不明ふめい発熱はつねつ(ただし治療ちりょうにより5にち未満みまん解熱げねつした場合ばあいふくむ)
  2. 両側りょうがわ眼球がんきゅう結膜けつまく充血じゅうけつ
  3. 四肢しし末端まったんあかくなりかたれる(手足てあし硬性こうせい浮腫ふしゅまくさま落屑)
  4. 皮膚ひふ不定ふていがた発疹はっしん
  5. 口唇こうしんあかただれる、いちごした(=したになる)、口腔こうくう咽頭いんとう粘膜ねんまくのびまんせい発赤はっせき(※「びまんせい」とは病変びょうへん比較的ひかくてき均等きんとうひろがっている状態じょうたいであることを意味いみする医学いがく用語ようご
  6. ゆうつうせい化膿かのうせい頸部リンパぶし腫脹しゅちょう

以上いじょう6つの主要しゅよう症状しょうじょうのうち5つ以上いじょうたすものをほんしょう診断しんだんするが、5つにたない典型てんけいれいおおい。発熱はつねつ発赤はっせき、リンパぶし腫脹しゅちょうなどは乳幼児にゅうようじウイルス感染かんせんしょうでもごく一般いっぱんてきみとめる症状しょうじょうであり、確定かくてい診断しんだんには困難こんなんともなう。主要しゅよう症状しょうじょうにはふくまれていないが、乾癬かんせんさまがわ[5]麻痺まひせいイレウスていアルブミンしょうBCG接種せっしゅ部位ぶい発赤はっせきかさぶたがわ形成けいせいなどは留意りゅういすべき所見しょけんとされる[6]

疫学えきがく

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特徴とくちょう

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欧米おうべいくらべると日本にっぽんをはじめとするアジア国々くにぐにおお[7]日本にっぽん中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく大韓民国だいかんみんこくなど[1])。男女だんじょ女児じょじよりも男児だんじおお傾向けいこうがある[7]こうはつ年齢ねんれいは4さい以下いかとくに1さい前後ぜんこうおお[7]冠動脈かんどうみゃくみち 8mm以上いじょう通常つうじょう 2mm以下いか)がやく0.5%発生はっせいし、死亡しぼうりつやく 0.05%程度ていど年齢ねんれいにより症状しょうじょうことなる。

患者かんじゃすう

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日本にっぽんでは、1980年代ねんだい後半こうはんから1990年代ねんだいにおいて年間ねんかんおよそ6,000にん発症はっしょうしている。1999ねんやく7,000にん、2000ねんには8,000にん増加ぞうか傾向けいこうにある。日本にっぽんでは1982ねんに16,000にん、1986ねんに13,000にん流行りゅうこうがあった。2000ねん以降いこう患者かんじゃ発生はっせいつづき、2004ねんには患者かんじゃすう10,000にんえ、2008ねん患者かんじゃすうは11,756にん報告ほうこくされている。また、2008ねんは、10まんにんたりの罹患りかんりつ(0-4歳児さいじ)も上昇じょうしょう傾向けいこうで、218.6にん史上しじょう最高さいこう記録きろくしている[8]。2018ねんやく1まん7000にん過去かこ50年間ねんかんで、患者かんじゃすうえる「流行りゅうこう度々たびたびられる[1]

原因げんいん

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川崎病かわさきびょう病因びょういん不明ふめいで、感染かんせんしょうなのか自己じこ免疫めんえき疾患しっかんなのかは、はっきり特定とくていされておらず、感染かんせんしょうせつスーパー抗原こうげんせつ自己じこ抗原こうげんせつRNAウイルスせつなど、様々さまざま仮説かせつがある。ただ発病はつびょうなつふゆおおく、地域ちいき流行りゅうこうせいがあることから、なんらかの感染かんせんがねとなってこる可能かのうせい示唆しさされている。

  • 1979ねんカンジダ[9]
  • 1990ねん、Aぐん溶連菌ようれんきん[10]
  • 2005ねん仮性かせい結核けっかくきんによるきんしょう幼児ようじ患者かんじゃ川崎病かわさきびょう類似るいじ症状しょうじょうていし、播種はしゅせい血管けっかんない凝固ぎょうこ(DIC)を合併がっぺいした[11]
  • 2009ねん順天堂大学じゅんてんどうだいがくのグループが患者かんじゃ体内たいない大量たいりょうえたブドウ球菌きゅうきん桿菌かんきんといった複数ふくすう細菌さいきん感染かんせんによってこされる可能かのうせいたかいという研究けんきゅう結果けっか発表はっぴょうし、これらの細菌さいきんおさえる抗菌こうきんやくSTごうざい)を投与とうよすることで、症状しょうじょう回復かいふくした症例しょうれいられた結果けっか発表はっぴょうした[12][13]
  • 2011ねん症例しょうれいすう変動へんどうと、中央ちゅうおうアジア発生はっせいして東方とうほう移動いどうし、きた太平洋たいへいよう横断おうだんするジェット気流きりゅう循環じゅんかん強弱きょうじゃくが、変動へんどうしめすことがあきらかとなった[14]
  • 2014ねん国際こくさい研究けんきゅうチームによって、中国ちゅうごく東北とうほくからのかぜ関与かんよしているという研究けんきゅう成果せいかがまとめられた[15][16]。このふうにはカンジダるいおおふくまれていること判明はんめいしている[17][18]
  • 2014ねん国際こくさい研究けんきゅうチームによって、中国ちゅうごく北東ほくとう穀倉こくそう地帯ちたいからふうってはこばれる毒素どくそが、日本にっぽん川崎病かわさきびょう原因げんいんになっている、との推定すいてい発表はっぴょうされた[19]中国ちゅうごくおこなわれた農業のうぎょう改革かいかく農業のうぎょう生産せいさんたかまった時期じき川崎病かわさきびょう流行りゅうこうピークが合致がっちしていると判明はんめい[19]具体ぐたいてきうと、自治医科大学じちいかだいがく公衆こうしゅう衛生えいせいがく教室きょうしつの《川崎病かわさきびょう全国ぜんこく調査ちょうさからみた川崎病かわさきびょう疫学えきがく特徴とくちょうとその変遷へんせん》にある罹患りかんりつ推移すいいグラフには過去かこ3かい全国ぜんこく規模きぼ川崎病かわさきびょう流行りゅうこうのピーク(1979ねん、1982ねん、1986ねん)があらわれているが(グラフは出典しゅってん掲載けいさいのものを参照さんしょうのこと)、そのころ中国ちゅうごく農村のうそんなにきたか調しらべると、1979ねんには中国ちゅうごく政府せいふ農産物のうさんぶつ買付かいつけ価格かかくを18ねんぶりに大幅おおはばげる生産せいさん刺激しげきさくり、川崎病かわさきびょうもっとおおきなピークの1982ねんもとには「個別こべつ農家のうかへの請負うけおいせい」をみとめる中国共産党ちゅうごくきょうさんとう中央ちゅうおう文書ぶんしょ発表はっぴょうされ、集団しゅうだん営農えいのう人民公社じんみんこうしゃ制度せいど一気いっき解体かいたい。3番目ばんめのピークの1986ねんにかけて「農産物のうさんぶつ副産物ふくさんぶつ統一とういつ買付かいつけと割当わりあて買付かいつ制度せいど廃止はいし」など農業のうぎょう生産せいさん自由じゆう続々ぞくぞくされた[19]。その川崎病かわさきびょうはピークじょうの(とがった)変動へんどうられなくなるものの、小児しょうに人口じんこう10まんにんたり罹患りかんりつ右肩みぎかたがりにたかまって過去かこのピークをむしろえてしまうような悲惨ひさん状況じょうきょうになったが、この時期じき中国共産党ちゅうごくきょうさんとうが2004ねんから2008ねんにかけてふたた農業のうぎょう刺激しげきさく毎年まいとしし、農民のうみん収入しゅうにゅう増加ぞうか促進そくしん農業のうぎょうインフラ整備せいびなどで農村のうそん農業のうぎょう生産せいさんもどしていたのである[19]川崎病かわさきびょう流行りゅうこう推移すいい中国ちゅうごく農業のうぎょう生産せいさんとリンクしている、とかんがえてよさそうなのである[19]研究けんきゅう筆頭ひっとう著者ちょしゃで、スペインバルセロナにあるカタロニア気候きこう科学かがく研究所けんきゅうじょ気候きこう科学かがくもの、ザビエル・ロドー(Xavier Rodo)は「これら病原びょうげんとなる粒子りゅうし生成せいせいが、農薬のうやくまたは化学かがく肥料ひりょうによるものなのか正確せいかくめるため、より焦点しょうてんしぼった調査ちょうさ必要ひつようになるだろう」とい、「(中国ちゅうごくの)農業のうぎょうがこの病気びょうき重要じゅうよう関係かんけいつことは間違まちがいない」とザビエル・ロドーはべた[19]
  • 2016ねん理化学研究所りかがくけんきゅうしょのグループは、川崎病かわさきびょうへの罹患りかんりつ関連かんれんするいくつかのいち塩基えんきがた発見はっけんしてきた。2016ねんには、これらのいち塩基えんきがたなかでも、とく日本人にっぽんじんこう頻度ひんどられるものが発見はっけんされている[20]

以上いじょうのような感染かんせんなんらかのきっかけにより、全身ぜんしん血管けっかん中小ちゅうしょう動脈どうみゃくへの自己じこ免疫めんえき誘発ゆうはつされる病理びょうり組織そしきじょう血管けっかんかべに、こうちゅうだまや、マクロファージリンパだまみとめる。これら炎症えんしょう細胞さいぼう血管けっかんかべ破壊はかいすることにより、冠動脈かんどうみゃく拡張かくちょう四肢ししまつはし浮腫ふしゅこされるとかんがえられている。

新型しんがたコロナウイルス感染かんせんしょうとの関連かんれん

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2020ねんには、新型しんがたコロナウイルス感染かんせんしょう(COVID-19)罹患りかんした一部いちぶ子供こどもが、川崎病かわさきびょう症状しょうじょうていしているとの報告ほうこく欧米おうべい相次あいつぎ、東京とうきょう都立とりつ小児しょうに総合医療そうごういりょうセンター東京とうきょう府中ふちゅう)で3がつ下旬げじゅん新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんし、入院にゅういんした1さい男児だんじがその全身ぜんしん血管けっかん炎症えんしょうきる川崎病かわさきびょう診断しんだんされた[21]

予防よぼう

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原因げんいんがはっきりしていないため、決定的けっていてき予防よぼうほう検査けんさほう確立かくりつされていない[7]

治療ちりょう

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川崎病かわさきびょう治療ちりょう目的もくてきは、急性きゅうせい炎症えんしょう反応はんのう可能かのうかぎ早期そうき終息しゅうそくさせることで、冠動脈かんどうみゃくこぶ形成けいせい予防よぼうすることである[22]初期しょき治療ちりょうとしては免疫めんえきグロブリン[23]プレドニゾロンアスピリン併用へいようされる。この併用へいよう療法りょうほうにより48時間じかん以内いない解熱げねつしない、または2週間しゅうかん以内いない再燃さいねんられる場合ばあいおうれいとする[24]

おうれいには、免疫めんえきグロブリンとシクロスポリン[25]あるいはインフリキシマブ併用へいよう投与とうよおこなうか、ステロイドパルス療法りょうほう有用ゆうようれい報告ほうこくされている。また冠動脈かんどうみゃく拡張かくちょうきたしていないか、しんエコーによりフォローする必要ひつようがある。冠動脈かんどうみゃく病変びょうへんこうはっするだい10びょうおこない、異常いじょうみとめられない場合ばあいには発病はつびょう6しゅう再検さいけんする(実際じっさいかく施設しせつによりしんエコーをおこな時期じきはまちまちとおもわれる)。冠動脈かんどうみゃく病変びょうへんみとめられない場合ばあい、その時点じてんでアスピリンを中止ちゅうしする。

5にち以上いじょう持続じぞくする発熱はつねつ診断しんだん基準きじゅんの1つとなっているものの、診断しんだん項目こうもくからあきらかに川崎病かわさきびょう医師いしによって診断しんだんされる場合ばあいには、発熱はつねつ5にちまで治療ちりょう開始かいし必要ひつようはない。おそくとも、発症はっしょう7にち以内いない治療ちりょう開始かいしすることがのぞましいとされる。

後遺症こういしょう

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血管けっかん造影ぞうえい検査けんさでの左前ひだりまえぎょうえだ動脈どうみゃくこぶ最大さいだいみち 6.5 mm

冠動脈かんどうみゃく障害しょうがいがない場合ばあい成人せいじん遠隔えんかくでのしん疾患しっかんリスクのコントロールに留意りゅういする必要ひつようがある。発症はっしょうから1-3週間しゅうかんぐらいに10-20%の頻度ひんど冠動脈かんどうみゃく動脈どうみゃくこぶみとめられ、まれに心筋梗塞しんきんこうそくにより突然とつぜんいたることがある。冠動脈かんどうみゃくこぶやく半数はんすうは、1-2ねん程度ていど退すさちぢみ(リグレッション)するが、のこりの半数はんすう退すさちぢみせずのこる。冠動脈かんどうみゃく障害しょうがいなおった場合ばあいでも、冠動脈かんどうみゃく状態じょうたい成長せいちょうとも変化へんか心臓しんぞう障害しょうがいのリスクがたかくなる。したがって、定期ていきてき検査けんさ必要ひつようになる。巨大きょだいこぶ発生はっせいした患者かんじゃでは、15ねんやく70%は冠動脈かんどうみゃく狭窄きょうさく閉塞へいそくつかるが、60%程度ていど症状しょうじょう症候しょうこうせい心筋梗塞しんきんこうそくばれる。

免疫めんえきグロブリンしずかちゅう療法りょうほうによって冠動脈かんどうみゃくこぶ頻度ひんど低下ていかしていることがあきらかになっている一方いっぽう依然いぜんとして巨大きょだい冠状かんじょう動脈どうみゃくこぶ頻度ひんどにはおおきな変化へんかがなく、いまだにより有効ゆうこう治療ちりょうほうけて研究けんきゅうすすめられている。

冠動脈かんどうみゃく障害しょうがい狭窄きょうさく)により血行けっこう十分じゅうぶん確保かくほされない(心筋しんきんきょ場合ばあいは、血行けっこう再建さいけんじゅつ英語えいごばん外科げか手術しゅじゅつ)により治療ちりょうおこなう。具体ぐたいてきには、カテーテルによるけいがわてき冠動脈かんどうみゃく形成けいせいじゅつ(PTCA)と冠動脈かんどうみゃくバイパスじゅつ(CABG)で、発症はっしょう2ねん以内いないおこなうと治療ちりょう効果こうかたかい。一方いっぽう発症はっしょうから10すうねん経過けいかし、血管けっかんかべあつ血管けっかん内部ないぶ石灰せっかいしている場合ばあいは、ロータブレーターにより内壁ないへきけずる。しかし、カテーテルやロータブレーターで治療ちりょうではふたた狭窄きょうさく進行しんこうすることがある。根本こんぽん治療ちりょう冠動脈かんどうみゃくバイパス手術しゅじゅつで、心臓しんぞうへの血行けっこう回復かいふくすると運動うんどう制限せいげんくなる。

心筋しんきんきょがない場合ばあい運動うんどう制限せいげんおこな必要ひつようはない。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d e 川崎病かわさきびょう 新型しんがたコロナで注目ちゅうもく発熱はつねつ発疹はっしん欧米おうべいどもに類似るいじ症状しょうじょう 日本人にっぽんじん発見はっけん免疫めんえきけい暴走ぼうそう?」日本経済新聞にほんけいざいしんぶん朝刊ちょうかん2020ねん6がつ5にち(ニュースな科学かがくめん同日どうじつ閲覧えつらん
  2. ^ a b c d 三浦みうら 2019, p. 1.
  3. ^ a b c 三浦みうら 2019, p. 2.
  4. ^ 川崎かわさき とみさく (1967). “ゆび趾の特異とくいてき落屑をともな小児しょうに急性きゅうせい熱性ねっせい皮膚ひふ粘膜ねんまく淋巴腺りんぱせん症候群しょうこうぐん : けんれい50れい臨床りんしょうてき観察かんさつ”. アレルギー (日本にっぽんアレルギー学会がっかい) 16 (3): 178-222,255. doi:10.15036/arerugi.16.178. 
  5. ^ 和田わだつとむこう, 後藤ごとうやすし乾癬かんせんさまがわ疹をしめした川崎病かわさきびょうの1れい」『皮膚ひふ』 Vol.43 (2001) No.2 p.93-96, doi:10.11340/skinresearch1959.43.93
  6. ^ 手代木てしろぎただし若林わかばやし恒郎つねお, 「川崎病かわさきびょう臨床りんしょうぞう」『日本医科大学にほんいかだいがく雑誌ざっし』 Vol.52 (1985) No.3 P342-346_1, doi:10.1272/jnms1923.52.342
  7. ^ a b c d 三浦みうら 2019, p. 3.
  8. ^ 川崎病かわさきびょう罹患りかんりつ史上しじょう最高さいこう」はなぜ? 日経にっけいメディカル オンライン 記事きじ:2010ねん5がつ10日とおか 閲覧えつらん:2010ねん5がつ11にち
  9. ^ 村田むらた久雄ひさお, 飯島いいじまはじめ, 直江なおえ史郎しろうカンジダのきんたい抽出ちゅうしゅつぶつによるマウスの実験じっけんてき冠状かんじょう動脈どうみゃくえんかんする研究けんきゅう だい1ほう」『きんきんしょう』1979ねん 20かん 3ごう p.214-219, doi:10.3314/jjmm1960.20.214
  10. ^ 山浦やまうらのぼる, 秋山あきやま武久たけひさ「コッホの postulates と川崎病かわさきびょうのAぐん溶連菌ようれんきん感染かんせんしょうせつ : II.川崎病かわさきびょうをAぐん溶連菌ようれんきんによる感染かんせんしょうかんがえたい」『北里きたさと医学いがく』20かん 1ごう p.6-12, 1990-02-28, NAID 110004704558
  11. ^ 臼井うすい大介だいすけ, 石井いしい良樹よしき, 赤池あかいけひろしじん ほか「川崎病かわさきびょう診断しんだん基準きじゅんたし, 播種はしゅせい血管けっかんない凝固ぎょうこ合併がっぺいしたYersinia pseudotuberculosis 4a感染かんせんしょうの1れい」『感染かんせんしょうがく雑誌ざっし』2005ねん 79かん 11ごう 895-899ぺーじ doi:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.79.895
  12. ^ 川崎病かわさきびょう複数ふくすう細菌さいきん原因げんいんか…抗菌こうきんやく治療ちりょう成功せいこう. YOMIURI ONLINE (読売新聞社よみうりしんぶんしゃ). (2009ねん11月17にち). https://web.archive.org/web/20091120045932/http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20091117-OYT1T00758.htm 2009ねん11月17にち閲覧えつらん 
  13. ^ Nagata, Satoru; et.al. (2009). “Heat shock proteins and superantigenic properties of bacteria from the gastrointestinal tract of patients with Kawasaki disease”. Immunology 128 (4): p.p.511-520. doi:10.1111/j.1365-2567.2009.03135.x. 
  14. ^ 川崎病かわさきびょう病原びょうげん因子いんしふうはこばれてくるのか Infectious disease: Causal agent of Kawasaki disease may be wind-borne Scientific Reports, 記事きじ:2011ねん11月11にち 閲覧えつらん:2011ねん11月11にち
  15. ^ 国際こくさい研究けんきゅうチーム、川崎病かわさきびょう原因げんいんをほぼ特定とくてい」ScicnceNewsLine 2014ねん5がつ19にち
  16. ^ 川崎病かわさきびょう中国ちゅうごくからのかぜ関与かんよか…原因げんいん物質ぶっしつはこぶ?」『読売新聞よみうりしんぶん』2014ねん5がつ20日はつか
  17. ^ 川崎病かわさきびょう中国ちゅうごくからの菌類きんるい原因げんいん自治医大じちいだいなど国際こくさいチーム共同通信きょうどうつうしん2014ねん5がつ20日はつか
  18. ^ 川崎病かわさきびょう原因げんいん物質ぶっしつ 中国ちゅうごく東北とうほくから飛来ひらいしんぶん赤旗あかはた』2014ねん5がつ20日はつか
  19. ^ a b c d e f だんふじ保晴やすはる川崎病かわさきびょう流行りゅうこうピークと中国ちゅうごく農業のうぎょう改革かいかく節目ふしめ一致いっちYahoo!Japanニュース[リンク]
  20. ^ 川崎病かわさきびょう発症はっしょうかかわる「ORAI1遺伝子いでんしかた」を発見はっけん日本人にっぽんじんおお遺伝子いでんしがた関与かんよ”. 理化学研究所りかがくけんきゅうしょ (2016ねん1がつ21にち). 2017ねん2がつ18にち閲覧えつらん
  21. ^ NEWS◎日本にっぽん川崎病かわさきびょう学会がっかいによる緊急きんきゅうアンケート速報そくほう 川崎病かわさきびょう症状しょうじょうともなうCOVID-19、日本にっぽんではみとめず 日経にっけいメディカルホームページ(2020ねん5がつ8にち)2020ねん6がつ6にち閲覧えつらん
  22. ^ 川崎病かわさきびょう急性きゅうせい治療ちりょうのガイドライン(平成へいせい24ねん改訂かいていばん)
  23. ^ Kobayashi T, et al. Efficacy of immunoglobulin plus prednisolone for prevention of coronary artery abnormalities in severe Kawasaki disease (RAISE study): a randomised, open-label, blinded-endpoints trial. Lancet 2012;379(9826):1613-20. doi:10.1016/S0140-6736(11)61930-2
  24. ^ 川崎病かわさきびょう急性きゅうせい治療ちりょうのガイドライン
  25. ^ Hamada H, and others. Efficacy of Primary Treatment With Immunoglobulin Plus Ciclosporin for Prevention of Coronary Artery Abnormalities in Patients With Kawasaki Disease Predicted to Be at Increased Risk of Non-Response to Intravenous Immunoglobulin (KAICA): A Randomised Controlled, Open-Label, Blinded-Endpoints, Phase 3 Trial. Lancet 2019;393 (10176):1128-1137.

参考さんこう文献ぶんけん

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外部がいぶリンク

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