本ほん寂さび

本ほん寂さび（ほんじゃく、1808年ねん 3月12日にち（文化ぶんか5年ねん2月がつ16日にち）^[1] - 1877年ねん（明治めいじ10年ねん）12月12日にち）は、日本にっぽんの僧侶そうりょ。浄土真宗じょうどしんしゅう興きょう正せい寺てらの第だい27世せい住職じゅうしょく。諱いみなは華園はなぞの摂と信しん（はなぞのかねのぶ）、諡おくりなは大慶たいけい喜心きしん院いん。東山ひがしやま天皇てんのうの男系だんけい五ご世せい子孫しそんである。

概要がいよう

長ながらく西本願寺にしほんがんじに属ぞくしていた興きょう正せい寺てらを「真宗しんしゅう興きょう正せい派は」として独立どくりつさせた。

来歴らいれき

1808年ねん、関白かんぱく鷹司たかつかさ政まさし通どおりの次男じなんとして生うまれる。母ははは家いえ女房にょうぼう。妻つまは一条いちじょう良子りょうこ（関白かんぱく一条いちじょう忠良ただよしの娘むすめ）。

1811年ねんに興きょう正せい寺てらにて出家しゅっけし、1819年ねんに11歳さいで興きょう正せい寺てら門主もんしゅに就任しゅうにんする。幕末ばくまつ期きには西本願寺にしほんがんじ門主もんしゅの広こう如と共ともに勤皇きんのうの姿勢しせいを明確めいかくに打うち出だし、禁門きんもんの変へんにおいて長州ちょうしゅう藩はん兵へいを門もん内ないに匿かくまい裏門うらもんから逃のがしたり、戊辰戦争ぼしんせんそうでは新しん政府せいふ軍ぐんとして興きょう正せい寺てらの僧侶そうりょ・門徒もんとを従軍じゅうぐんさせるなどした。

明治めいじに入はいり苗字みょうじを名乗なのることが義務付ぎむづけられると、「華園はなぞの」姓せいを名乗なのった。明治維新めいじいしん後こうもしばらく西本願寺にしほんがんじと行動こうどうを共ともにしていたが、教導きょうどう職しょく大だい教正のりまさを務つとめるなど政府せいふの大だい教きょう宣布せんぷ政策せいさくに好意こうい的てきな本ほん寂さびと、大だい教きょう院いんからの離脱りだつを目指めざす西本願寺にしほんがんじとの対立たいりつが次第しだいに鮮明せんめいになり、1876年ねん（明治めいじ9年ねん）に「真宗しんしゅう興きょう正せい派は」として一派いっぱ独立どくりつを果はたす。晩年ばんねんは、江戸えど時代じだいまで真宗しんしゅう禁教きんきょう令れいが出だされていた旧きゅう薩摩さつま藩はん（鹿児島かごしま県けん）での布教ふきょうに尽力じんりょくした。

1877年ねん（明治めいじ10年ねん）12月12日にち、69歳さいで遷化せんげ。

人物じんぶつ

1818年ねん（文政ぶんせい元年がんねん）から最さい晩年ばんねんの1877年ねんまでほぼ毎日まいにち日記にっきをつけており、1830年ねん 8月がつ19日にち（文政ぶんせい13年ねん7月がつ2日にち）に発生はっせいした京都きょうと地震じしんの被害ひがいについても詳細しょうさいに記しるしている。

妙みょう好こう人ひととして知しられる讃岐さぬきの庄松しょうまつは興きょう正せい寺てらの末寺まつじである勝かち覚寺かくじの檀家だんかであり、本ほん寂さびと真宗しんしゅうの安心あんしんについて問答もんどうした逸話いつわが残のこっている。（詳細しょうさいは庄松しょうまつの項目こうもくを参照さんしょうのこと）

子孫しそん

長男ちょうなん・澤さわ馨かおる(1836/5/7-1861/4/10^[2])
次男じなん・信教しんきょう(1845/8/13-1872/3/16^[2])
三男さんなん・澤さわ称しょう(1852/6/8-1912/11/19^[2])
- 孫まご・真ま淳じゅん(1884年ねん8月がつ3日にち-1975年ねん1月がつ22日にち^[2]）
  - 曾孫そうそん・茂しげる(1922年ねん6月がつ25日にち-1945年ねん3月がつ28日にち^[2]）
  - 曾孫そうそん・華園はなぞの真ま準じゅん
    - 玄孫げんそん・華園はなぞの真しん暢とおる
      - 来らい孫まご・華園はなぞの沙弥さや香が
  - 孫まご・称しょう心こころ(1883/3/1、大谷おおや勝彦かつひこ養子ようし^[2]))
  - 孫まご・信しんじ由ゆかり(1887/11/14-、1936/6/12分家ぶんけ^[2])
  - 孫まご・称たたえ念ねん(1892-、1919年ねん分家ぶんけ^[2])
  - 孫まご・行ぎょう康かん(梶野かじの行こう和かず養子ようこ^[2]、孫まごに梶野かじの行こう淳あつし)
  - 孫まご・良りょう厳いむ(1894-、1923年ねん分家ぶんけ^[2])
  - 孫まご・称たたえ淳あつし(1898/6/22-1989/6/14、1925/1/31分家ぶんけ^[2])
  - 孫まご・称たたえ(1901年生ねんせい、日下くさか俊隆としたか養子ようし^[2])
四男よつお・信しん暁あかつき(1857/6/10生せい、1913/11/13分家ぶんけ^[2])

系譜けいふ

華園はなぞの摂と信しん

係累けいるい縁者えんじゃが多数たすうに上のぼるため、東山ひがしやま天皇てんのう以降いこうの歴代れきだい天皇てんのうおよび関連かんれんする男系だんけい男子だんしの人物じんぶつを記載きさいした。そのため、母方ははかたの系図けいずは省略しょうりゃくしている。
高祖父こうそふの閑院宮みや直ただし仁じん親王しんのうは、東山ひがしやま天皇てんのうの第だい六ろく皇子おうじとして生うまれ、閑院宮家みやけを興おこした^[3]。
曾祖父そうそふの鷹司たかつかさ輔平は、閑院宮みや直ただし仁じん親王しんのうの第だい四よん王子おうじとして生うまれ、鷹司たかつかさ基はじめ輝てるの養子ようしとなり、鷹司たかつかさ家かを継承けいしょうした^[3]。

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく・出典しゅってん

^ 中島なかじま慈応『真宗しんしゅう法ほう脈みゃく史し』（法文ほうぶん館かん、1911年ねん）p.267
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m 平成へいせい新しん修おさむ旧きゅう華族かぞく家系かけい大成たいせい上じょうp368-369
^ ^a ^b 八幡はちまん和郎かずお 2017, p. 42.

参考さんこう文献ぶんけん

八幡はちまん和郎かずお「今上きんじょう天皇てんのうに血統けっとうの近ちかい知しられざる『男系だんけい男子だんし』たち」『新しん潮しお45』第だい36巻かん、第だい1号ごう、新潮社しんちょうしゃ、2017年ねん1月がつ18日にち。
[1] ^{[リンク切きれ]}
妙みょう好こう人ひと「讃岐さぬきの庄松しょうまつ(5)」（日本語にほんご）
本ほん寂さび上人しょうにんとは - コトバンク（日本語にほんご）^{[リンク切きれ]}

[1] 中島なかじま慈応『真宗しんしゅう法ほう脈みゃく史し』（法文ほうぶん館かん、1911年ねん）p.267

[名前なし-20230316123504-2] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m 平成へいせい新しん修おさむ旧きゅう華族かぞく家系かけい大成たいせい上じょうp368-369

[FOOTNOTE八幡和郎201742-3] 八幡はちまん和郎かずお 2017, p. 42.

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