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椿つばきひめ (オペラ)

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La Traviata
The Orchard Enterprises提供ていきょうのYouTubeアートトラック
イレアナ・コトルバシュ(ヴィオレッタ)、プラシド・ドミンゴ(アルフレード)、シェリル・ミルンズ(ジョルジョ)カルロス・クライバー指揮しきバイエルン国立こくりつ歌劇かげきじょう管弦楽かんげんがくだん合唱がっしょうだん
映像えいぞう
Verdi: "La Traviata"(セミ・ステージ形式けいしき上演じょうえん
NDR Klassik公式こうしきYouTube
Marina Rebeka(ヴィオレッタ)、Francesco Demuro(アルフレード)、トーマス・ハンプソン(ジョルジョ)Keri-Lynn Wilson指揮しききたドイツ放送ほうそう交響こうきょう楽団がくだん
椿つばきひめ初演しょえん当時とうじ台本だいほん。1852ねん出版しゅっぱん
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前奏ぜんそうきょくのみ試聴しちょうする
Verdi's La traviata - Prelude - シャン・ジャン(ちょうつる指揮しきミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響こうきょう楽団がくだんによる演奏えんそうBBC Radio3公式こうしきYouTube。
Guiseppe Verdi:Prelude to Act I, La traviata - Mark Elder指揮しきRoyal Academy of Music orchestraによる演奏えんそう英国えいこく王立おうりつ音楽おんがくいん(Royal Academy of Music)公式こうしきYouTube。

椿つばきひめ』(つばきひめ)は、ジュゼッペ・ヴェルディ1853ねん発表はっぴょうしたオペラである。原題げんだいは『堕落だらくしたおんな直訳ちょくやくは「みちはずしたおんな」)』を意味いみするLa traviata(ラ・トラヴィアータ)。日本にっぽんでは原作げんさく小説しょうせつ椿つばきひめ』とどうじ『椿つばきひめ』(ふつ: La Dame aux camélias椿つばきはな貴婦人きふじん)の意訳いやく)のタイトルで上演じょうえんされることがおおい。

概要がいよう

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作品さくひんぜん3まくからなり、アレクサンドル・デュマ・フィスによる原作げんさく小説しょうせつもとづきフランチェスコ・マリア・ピアーヴェ台本だいほんいた。長編ちょうへん原作げんさくから、要領ようりょう主要しゅようなエピソードをげて、きどころにんだ構成こうせいとなっている。悲劇ひげきでも音楽おんがくてきにはあかるさ、はなやかさ、力強ちからづよさをうしなわないヴェルディの特質とくしつがもっとも発揮はっきされており、人気にんき源泉げんせんとなっている。

作曲さっきょく経緯けいい

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1852ねんパリ滞在たいざいしたヴェルディはデュマ・フィスの戯曲ぎきょくはん椿つばきひめ』の上演じょうえん感激かんげきし、当時とうじ新作しんさく作曲さっきょく依頼いらいけていたヴェネツィアフェニーチェ劇場げきじょうのために、よく1853ねんはじめに比較的ひかくてき短時間たんじかん作曲さっきょくされた。

初演しょえんだい失敗しっぱい

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初演しょえん当時とうじ娼婦しょうふ主役しゅやくにした作品さくひんということで、イタリア統治とうちこくがわ検閲けんえつにより道徳どうとくてき観点かんてんから問題もんだいされたが、ヒロインが最後さいごぬということで上演じょうえんがゆるされたとわれる。初演しょえん1853ねん3月6にち、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場げきじょうおこなわれた。しかし、準備じゅんび不足ふそく作品さくひん完成かんせいから初演しょえんまですう週間しゅうかんしかなかった)などから、初演しょえんでは聴衆ちょうしゅうからも批評ひひょうからもブーイングび、歴史れきしてきだい失敗しっぱいきっした(蝶々夫人ちょうちょうふじんカルメンとも有名ゆうめいオペラの3だい失敗しっぱいということがある)。しかし、翌年よくねん同地どうちでの再演さいえんでは入念にゅうねんなリハーサルをかさねた結果けっか聴衆ちょうしゅうれられた。その上演じょうえんかさねるごと人気にんきび、今日きょうではヴェルディの代表だいひょうさくとされるだけでなく、世界せかいのオペラ劇場げきじょうなかでももっと上演じょうえん回数かいすうおお作品さくひんひとつにかぞえられる。

作品さくひん背景はいけい

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椿つばきひめ初演しょえん当時とうじ公演こうえん案内あんない
椿つばきひめ』ヴォーカルスコア。1855ねんごろ出版しゅっぱん

当時とうじ先妻せんさいマルゲリータあとのヴェルディは、歌手かしゅジュゼッピーナ・ストレッポーニ同棲どうせいしていた。ジュゼッピーナ自身じしん父親ちちおやちがいの3未婚みこんははであった。敬虔けいけんカトリック信者しんじゃであったかれとしては、支援しえんしゃでもあった先妻せんさいちちへの気遣きづかいもあり、うしろめたさはあったとおもわれる。そのため、原作げんさくがデュマ・フィスの実体験じつたいけんもとにしたように、ヴェルディ自身じしんみずからの境遇きょうぐうとの暗合あんごうつよ意識いしきしていたものと推察すいさつされる。

原作げんさくの『椿つばきはな貴婦人きふじん』という名前なまえもちいず、「みちはずしたおんな堕落だらくしたおんな」を意味いみする「トラヴィアータ」というタイトルをつけた。 またヒロインの名前なまえは、しくも先妻せんさい同名どうめいのマルグリットから、「スミレ」を意味いみするヴィオレッタに、恋人こいびと名前なまえはアルマン・デュヴァルからアルフレード・ジェルモンに変更へんこうされた。

原作げんさくのヒロイン、マルグリットは娼婦しょうふであることをとくはじであるともつみであるともおもってはいないが、個人こじんとしてほこたかきているようえがかれている。純情じゅんじょう青年せいねんアルマンのおもいをれたのちでも、現実げんじつ世界せかい立場たちば貴族きぞく支援しえんけているという立場たちば)とのいをつけようとする。かれ恋人こいびとのそうした葛藤かっとう理解りかいできず、嫉妬しっとしん恋心こいごころ相克そうこくなやみ、衝動しょうどうてき彼女かのじょ攻撃こうげきしてしまった結果けっか彼女かのじょひどきずつく。

オペラではヒロインの行動こうどうについて、原作げんさくよりもアルフレードとの純愛じゅんあい比重ひじゅういてえがかれており、現実げんじつとの葛藤かっとうだい2まくちちジェルモンとの対決たいけつ場面ばめん集約しゅうやくされるかんがある。どう場面ばめんはこのオペラの重要じゅうよう場面ばめんとなっており、音楽おんがくまとにもしょとなっている。ジェルモンは保守ほしゅてき良識りょうしきぬしかつ少々しょうしょう偽善ぎぜんてきながらも、基本きほんてき善人ぜんにんとしてえがかれている。ちちくらべるとアルフレードの役柄やくがら比較的ひかくてき単純たんじゅんで、ぜん2しゃ精神せいしんてき年齢ねんれいたっしていない青年せいねん行動こうどうしめす。

史実しじつでは一人ひとりさびしくむかえたデュマ・フィスの実際じっさい恋人こいびとや、小説しょうせつのマルグリットの場合ばあいとはことなり、オペラばんでは最後さいごまく恋人こいびとたちは再会さいかいし、ヴィオレッタはジェルモン親子おやこ看取みとられてくなってゆく。このオペラオリジナルの場面ばめん設定せっていについては、としての必要ひつようせいという指摘してきほか作曲さっきょくものがジュゼッピーナに配慮はいりょしたのだともかんがえられる。おそらく同様どうよう理由りゆうで、原作げんさく重要じゅうよう意味いみつ、アルマンがマルグリットのはかあば場面ばめんや、「最後さいご一夜いちや」の場面ばめんバレエ(ノイマイヤーばん)では最大さいだい)はえがかれていない。

なお、今日きょう演出えんしゅつなかに、二人ふたり実際じっさいには再会さいかいできず、だい3まくのジェルモン父子ふし登場とうじょうぎわのヴィオレッタの幻覚げんかくであるという設定せっていのものがある。日本にっぽん上演じょうえんで、冒頭ぼうとうアルフレードが「自分じぶん彼女かのじょ最期さいごわなかった」と台詞せりふかたるものもあったが、これは演出えんしゅつじょう表現ひょうげんかたるべき、という批判ひはんがあった。[よう出典しゅってん]

登場とうじょう人物じんぶつ

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椿つばきひめ初演しょえんけるヴィオレッタ・ヴァレリーやく衣裳いしょう
Fanny Salvini-Donatelli ヴィオレッタ・ヴァレリーをえんじた最初さいしょ歌手かしゅ
役名やくめい やく 声域せいいき
ヴィオレッタ・ヴァレリー 高級こうきゅう娼婦しょうふ(en:Demimonde) ソプラノ
アルフレード・ジェルモン 青年せいねん貴族きぞく テノール
ジョルジョ・ジェルモン アルフレードの父親ちちおや バリトン
フローラ・ベルヴォア 高級こうきゅう娼婦しょうふ、ヴィオレッタの友人ゆうじん メゾソプラノ
アンニーナ ヴィオレッタのいえ召使めしつか ソプラノ
ガストーネ子爵ししゃく アルフレードの友人ゆうじん テノール
ドゥフォール男爵だんしゃく ヴィオレッタのパトロン、アルフレードの恋敵こいがたき バリトン
ドビニー侯爵こうしゃく フローラのパトロン バス
グランヴィル医師いし ヴィオレッタの主治医しゅじい バス
ジュゼッペ ヴィオレッタの召使めしつか テノール
フローラの召使めしつか バス
使者ししゃ バス

楽器がっき編成へんせい

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フルート2(だい2奏者そうしゃピッコロえ)、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チンバッソティンパニだい太鼓たいこ慣例かんれいてきシンバルかさねて演奏えんそうされる)、トライアングルつる

舞台ぶたいじょう
タンブリン複数ふくすう)、(闘牛とうぎゅうの)やり複数ふくすう
舞台裏ぶたいうら
シーンにより、つぎのようにことなる楽器がっき要求ようきゅうされる。
だい1まく別室べっしつからこえてくるワルツの音楽おんがく
バンダ(ヴェルディはピアノいたのみで、具体ぐたいてき編成へんせい指定していしていない。)
だい1まく、ヴィオレッタのアリア「はなからはなへ」
ハープ
だい3まく謝肉祭しゃにくさい合唱がっしょう
ピッコロ2、クラリネット4、ホルン2、トロンボーン2、タンブリン(複数ふくすう)、カスタネット複数ふくすう

演奏えんそう時間じかん

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やく2あいだ20ふん(カットしでかく30ふん、70ふん(1じょう50ふん、2じょう20ふん)、40ふん)。大幅おおはばにカットして1あいだ50ふん前後ぜんこう上演じょうえんされることもおおい。

あらすじ

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まくごと試聴しちょうする(抜粋ばっすい
だい1まくだい2まくだい3まく
横浜よこはまみなとみらいホール・しょうホールオペラシリーズ『気軽きがるにオペラ!』から《2013ねん4がつ5にち収録しゅうろく》。ヨコハマ・アートナビ(横浜よこはま芸術げいじゅつ文化ぶんか振興しんこう財団ざいだん公式こうしきYouTube。

前奏ぜんそうきょく

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だい3まく冒頭ぼうとう場面ばめん哀愁あいしゅうをおびた旋律せんりつかなでられたのち、だい2まくでヴィオレッタがアルフレードにわかれをげる場面ばめん旋律せんりつぐ。はなやかに装飾そうしょくしつつも、どこか物悲ものがなしい気分きぶんつくり、しずかにわる。

だい1まく

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ヴィオレッタの屋敷やしき今夜こんやにぎやかなパーティーひらかれており、おんな主人しゅじん来客らいきゃくをもてなしている。そこへアルフレードがガストーネ子爵ししゃく紹介しょうかいでやってきてヴィオレッタに紹介しょうかいされる。うたを1きょくうたうようすすめられたかれはいったん辞退じたいするがみな再度さいどすすめでグラスを片手かたて準備じゅんびをする。一同いちどう沈黙ちんもく緊張きんちょうのなかアルフレードは情熱じょうねつめてうたい、ヴィオレッタがくわわってデュエットになる。さらにみなくわわってはなやかにうたげる(乾杯かんぱいうた)。

別室べっしつから、ヴィオレッタが用意よういした舞踏ぶとうかい音楽おんがくこえてくる。みなこうとすると、ヴィオレッタがめまいをおこして椅子いすすわむ。なんでもないからと一人ひとり部屋へやのこった彼女かのじょところにアルフレードがる。アルフレードはヴィオレッタに、こんな生活せいかつをしていてはいけないといい、1ねんまえからあなたをきだったと告白こくはくする(ある幸運こううんにも)。ヴィオレッタは最初さいしょかるくあしらうが、かれ真剣しんけんさにすこしんうごかされる。ヴィオレッタは椿つばきはなわたして再会さいかいやくし、「このはながしおれるころに」という。有頂天うちょうてんになるアルフレードに「もう一度いちどあいしているといってくれますか」とヴィオレッタがたずねると、「はい、なんでも!」とかれおうずる。

アルフレードにつづ来客らいきゃくって一人ひとりになったヴィオレッタはものおもいにふける。「不思議ふしぎだわ」(作品さくひんつうじ、彼女かのじょはこの言葉ことばかくまくで1かいけい3かいかえす)と純情じゅんじょう青年せいねん求愛きゅうあいしんときめかせている自分じぶん心境しんきょうをいぶかる。そして、かれこそいままでのぞんできた真実しんじつこい相手あいてではないかとかんがえる(ああ、そはかれひと)。しかし、現実げんじつもどされた彼女かのじょは「そんな馬鹿ばかなことをいってはいけない。自分じぶんいま生活せいかつからせるわけい。享楽きょうらくてき人生じんせいたのしむのよ」と自分じぶんにいいきかせる。(はなからはな彼女かのじょなかでアルフレードとの恋愛れんあい肯定こうていするもう一人ひとり自分じぶんとの葛藤かっとうに、千々ちじみだれるしんあらわす、コロラトゥーラ唱法を駆使くししたはなやかなきょく幕切まくぎれとなる。

だい2まく

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だい1じょう

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パリ郊外こうがいのヴィオレッタの屋敷やしき

二人ふたり出会であいからすうげつった。ヴィオレッタは貴族きぞくパトロンとのはなやかな生活せいかつて、このいえでアルフレードとしずかにらすことをえらんだのである。彼女かのじょとの生活せいかつ幸福こうふくかたるアルフレード(えるしん)は、丁度ちょうど帰宅きたくした召使めしつかいから、このいえでの生活せいかつのためにヴィオレッタが彼女かのじょ財産ざいさん売却ばいきゃくしていたことをき、気付きづかなかった自分じぶんじるとともにったものをもどそうとパリにかう。

そこへヴィオレッタが登場とうじょうし、かれのパリきをき(理由りゆうらない)、いぶかる(2度目どめの「不思議ふしぎね」)。そこにアルフレードの父親ちちおやジョルジョ・ジェルモンが突如とつじょ来訪らいほうする。おどろきながらも礼儀れいぎただしくむかえる彼女かのじょに、あたりを見回みまわし「息子むすこをたぶらかして、ずいぶんと贅沢ぜいたくらしをしていますな」といきなりなじったため、ヴィオレッタは「わたしいえおんなわたし失礼しつれいなことをわないでください」と毅然きぜんおうじ、たじたじとなるジェルモンに秘密ひみつける。彼女かのじょ自分じぶん財産ざいさん息子むすことの生活せいかつのために手放てばなしつつあることをったジェルモンは非礼ひれいびる。アルフレードをどんなにかあいしているかと理由りゆう説明せつめいする彼女かのじょたいし、ジェルモンは本題ほんだいす。息子むすこわかれてくれというのである。駄目だめですと即座そくざことわるヴィオレッタに、かれはアルフレードのいもうと縁談えんだんつかえるから、たすけてしいとせまる(天使てんしのようにきよらかなむすめ)。ついに要求ようきゅうれ、彼女かのじょくことを決心けっしんする(嬢様じょうさまにおつたください)。しかしたんいえってもアルフレードはいかけてくるだろう。方法ほうほうまかせてくださいと請合うけあうヴィオレッタにれいって、ちちジェルモンはいったんる。

一人ひとりになったヴィオレッタは一計いっけいあんじ、アルフレードに手紙てがみく。彼女かのじょはアルフレードとわかれてもとパトロンとの生活せいかつもどる、といういつわりのメッセージをおくろうとしたのである。そこへアルフレードが帰宅きたくする。かれちちたずねていくという手紙てがみて、すでにちちたとはらずに、ヴィオレッタに大丈夫だいじょうぶだなどという。ヴィオレッタは、アルフレードのちちるならせきはずしてにわにいるといそのる。わかぎわ彼女かのじょは「アルフレード、いつまでもあいしているわ、あなたもわたしおなじだけあいして。さようなら」とだい1まく前奏ぜんそうきょく後半こうはん旋律せんりつうたう。アルフレードは彼女かのじょ様子ようす不審ふしんおもうが、父親ちちおやることに動揺どうようしているのだとおもむ。アンニーナが登場とうじょうし、ヴィオレッタが急遽きゅうきょかけたこと、手紙てがみあずかったことをげる。不安ふあんにかられつつ手紙てがみみ、アルフレードは自分じぶん裏切うらぎられたとおもんで激怒げきどする。そこにちちジェルモンがさい登場とうじょうして、息子むすこなぐさめ、故郷こきょうプロヴァンスかえろうとなだめる(プロヴァンスのうみりく)。しかし息子むすこ自分じぶんけた恥辱ちじょくすすぐのだといい、パリにかう。

だい2じょう

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パリ市内しないのフローラの屋敷やしき

相変あいかわらず貴族きぞく愛人あいじんたちがじゃれあう日々ひびである。丁度ちょうど仮面かめん舞踏ぶとうかいひらかれている。フローラとドビニー侯爵こうしゃく、グランヴィル医師いしらは、アルフレードとヴィオレッタがわかれたといううわさばなしをしている。ジプシーのうらなやマタドールなどの仮装かそうのち、アルフレードが登場とうじょうかれらはカードけをはじめる。そこにドゥフォール男爵だんしゃくにエスコートされたヴィオレッタが登場とうじょう、ドゥフォールはアルフレードをけるようヴィオレッタに指示しじする。アルフレードはつきまくり、ヴィオレッタへの皮肉ひにくう。それに激高げっこうしたドゥフォールもけに参加さんかするが、ドゥフォールはアルフレードにだいけする。そこに夕食ゆうしょく準備じゅんびができ、一同いちどう退場たいじょうする。アルフレードとドゥフォールもほどの再戦さいせん約束やくそくして退場たいじょうする。アルフレードのあんじたヴィオレッタはかれし、自分じぶんのことなどわすれ、げてしいとうったえる。それにたいしてアルフレードは復縁ふくえんせまるが、ジェルモンとの約束やくそく真意しんいえないヴィオレッタはドゥフォールをあいしているとってしまう。それに激高げっこうしたアルフレードはみなし、これでりはかえしたとさけんで先程さきほどけで札束さつたばをヴィオレッタにける。自分じぶん真意しんいつたわらず、みな面前めんぜん侮辱ぶじょくされた彼女かのじょうしなう。一同いちどうがアルフレードを非難ひなんしているところにちちジェルモンがあらわれ、息子むすこ行動こうどういさめる。自分じぶんのやったことをじるアルフレードと、真相しんそうえないちちジェルモンの独白どくはく、アルフレードをおもいやるヴィオレッタの独白どくはく、ヴィオレッタをおもいやるみな心境しんきょうをうたい、ドゥフォールはアルフレードに決闘けっとうもうんでだい2まくわる。

だい3まく前奏ぜんそうきょく

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だい1まく前奏ぜんそうきょくおな音楽おんがくが、やはり弦楽げんがく合奏がっそうはじまる。いっそう悲痛ひつう調子ちょうし演奏えんそうされ、アルフレードにあいげる音楽おんがくはもはや登場とうじょうしない。れになったフレーズでひっそりと、弱々よわよわしくわる。

だい3まく

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パリのヴィオレッタの屋敷やしき

すうげつった。アルフレードは男爵だんしゃく決闘けっとうしてち、男爵だんしゃくきずついたが快方かいほうかっている。国外こくがいたアルフレードに父親ちちおや手紙てがみいてヴィオレッタとの約束やくそく告白こくはくし、交際こうさいゆるすことをつたえてヴィオレッタのもとにもどるよううながしており、そのことをヴィオレッタにも手紙てがみいていた。しかし、皮肉ひにくなことにヴィオレッタの生命せいめいきかけていた。持病じびょう肺結核はいけっかく進行しんこうしていたのである。

まくがると、ヴィオレッタがベッドにている。彼女かのじょはアルフレードのかえりをこんこんかとちわびている。なんとなくんだジョルジョからの手紙てがみをもう一度いちどむ(ここはうたわずにほとんど朗読ろうどくする)。わった彼女かのじょ一言ひとこと「もうおそいわ!」とさけび、ぎたおもってうたう(ぎしよ、さようなら)。「ああ、もうすべておしまい」と絶望ぜつぼうてきうたわると、そとカーニバル行進こうしん歌声うたごえこえる。

医師いしがやってきてヴィオレッタを診察しんさつはげますが、アンニーナにはもうながくないことをげる。そこにとうとうアルフレードがもどってくる。再会さいかいよろこ二人ふたりは、パリを田舎いなか二人ふたりたのしくらそうとかたう(パリをはなれて)。しかし、死期しきせまったヴィオレッタはたおす。あなたにえたいまにたくないとヴィオレッタはかみうったえる。そこに医師いしちちジェルモンがあらわれるが、どうすることもできない。ヴィオレッタはアルフレードに自分じぶん肖像しょうぞうたくし、いつか女性じょせいあらわれてあなたにこいしたらこれをわたしてしいとたのむ。

彼女かのじょは「不思議ふしぎだわ、あたらしいちからがわいてくるよう」といいながらことれ、一同いちどうすなかでまくとなる。

備考びこう

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脚注きゃくちゅう

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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