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オーガズムしょう

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Anorgasmia
概要がいよう
診療しんりょう Psychiatry, gynecology, urology
分類ぶんるいおよび外部がいぶ参照さんしょう情報じょうほう

オーガズムしょう(むオーガズムしょう、えい: Anorgasmia)とは、充分じゅうぶん性的せいてき刺激しげきにもかかわらずオーガズムることができないせい機能きのう障害しょうがい一種いっしゅである。オーガズムしょう男性だんせいよりも女性じょせいはるかにおおく(4.6%)[1]とくわか男性だんせいではまれである。この問題もんだい閉経へいけい女性じょせいでより深刻しんこくである[1]男性だんせいでは、おそ密接みっせつ関連かんれんしている。オーガズムしょうはしばしば性的せいてき欲求よっきゅう不満ふまんこす。

原因げんいん[編集へんしゅう]

この症状しょうじょう精神せいしん疾患しっかんとして分類ぶんるいされることがあるほか糖尿とうにょうびょうせい神経しんけい障害しょうがい多発たはつせい硬化こうかしょうパーキンソンびょう[2]性器せいき切除せつじょおとこおんなとも)、性器せいき手術しゅじゅつ合併症がっぺいしょう骨盤こつばん外傷がいしょう英語えいごばん(ジャングルジム、自転車じてんしゃ体操たいそう競技きょうぎ鉄棒てつぼう転倒てんとうしたさい騎乗きじょうがた損傷そんしょうなど)、ホルモンバランスのみだれ、子宮しきゅうぜん摘出てきしゅつじゅつ英語えいごばん脊髄せきずい損傷そんしょう馬尾ばび症候群しょうこうぐん子宮しきゅう動脈どうみゃくふさがせんじゅつ分娩ぶんべん外傷がいしょう自然しぜんまたは鉗子や吸引きゅういんによるちつ裂傷れっしょうおおきなまたは閉鎖へいさされていないかいかげ切開せっかい)、そと陰部いんぶつうこころ血管けっかん疾患しっかん原因げんいんとなる[3]

薬剤やくざいせいオーガズムしょう[編集へんしゅう]

性別せいべつわず、こううつやくとく選択せんたくてきセロトニンさい阻害そがいやく(SSRI)の使用しようによりオーガズムしょう発生はっせいる。SSRIの副作用ふくさようとしてのオーガズムしょう報告ほうこく正確せいかくではないが、研究けんきゅうによると、このようなくすり使用しようしゃの17~41%がなんらかのせい機能きのう障害しょうがい経験けいけんしている[4][5]

そのに、コカイン使用しよう[6]アヘン中毒ちゅうどくとくヘロイン中毒ちゅうどくオーガズムしょうしょうじやすい[7]

いちせいオーガズムしょう[編集へんしゅう]

いちせいオーガズムしょうは、オーガズムを経験けいけんしたことがない状態じょうたいである。これは女性じょせいおおられるが、たま海綿かいめんからだすじ反射はんしゃ英語えいごばん男性だんせいにもこり[8]。この症状しょうじょう女性じょせい到達とうたつする性的せいてき興奮こうふんレベルは比較的ひかくてきひくい。欲求よっきゅう不満ふまん不穏ふおん下腹部かふくぶつうまたは下腹かふく重苦おもくるしい感覚かんかくは、血管けっかん収縮しゅうしゅくのためにこる場合ばあいがある。オーガズムがられないあきらかな理由りゆうがないこともある。このような場合ばあい女性じょせいは、おもいやりのある熟練じゅくれんしたパートナーがいて、充分じゅうぶん時間じかんとプライバシーがあり、性的せいてき満足まんぞく影響えいきょうあたえるような医学いがくてき問題もんだいがなくても、オーガズムをかんじることができないと報告ほうこくする。

やく15%の女性じょせいがオーガズムをかんじることがむずかしいと報告ほうこくし、米国べいこくでは10%の女性じょせいいち絶頂ぜっちょうむかえたことがない[9][10]一方いっぽう、29%の女性じょせいはいつもパートナーとオーガズムをかんじている[11]

オーガズムをかんじることができないのは、女性じょせい性欲せいよくはどこか“あいだちがっている”という心理しんり社会しゃかいてき認識にんしき[12]のこっているからであり、それはビクトリアちょう時代じだい抑圧よくあつ由来ゆらいするとのかんがかたがある。このような見方みかたは、一部いちぶ女性じょせい(おそらくより抑圧よくあつされた環境かんきょうそだった女性じょせい)が自然しぜん健康けんこうてき性的せいてき感覚かんかく経験けいけんすることをさまたげている可能かのうせいがあるとろんじている[13]

せいオーガズムしょう[編集へんしゅう]

せいオーガズムしょうとは、オーガズムをかんじる/つよいオーガズムにたっする能力のうりょく喪失そうしつである。原因げんいんとしては、アルコール依存いぞんしょううつびょう悲嘆ひたん骨盤こつばん手術しゅじゅつ子宮しきゅうぜん摘出てきしゅつじゅつなど)や外傷がいしょう、あるしゅ薬物やくぶつ不摂生ふせっせい閉経へいけいともなエストロゲン欠乏けつぼう強姦ごうかん男性だんせいマスターベーション依存いぞんしょう英語えいごばんなどがかんがえられる。

前立腺ぜんりつせん摘除てきじょじゅつ[編集へんしゅう]

前立腺ぜんりつせんおよび周辺しゅうへん解剖かいぼう

せいオーガスムしょうは、前立腺ぜんりつせん摘除てきじょじゅつ英語えいごばんけた男性だんせいの50%ちかくにみられ[14]根治こんじてき前立腺ぜんりつせん摘除てきじょじゅつでは80%である[15]。これは一般いっぱんに、前立腺ぜんりつせんちかくをとお陰茎いんけい支配しはいするいち神経しんけい損傷そんしょうによってこる。前立腺ぜんりつせん摘出てきしゅつすると、これらの神経しんけい損傷そんしょうしたり、完全かんぜんのぞかれることがおおく、性的せいてき反応はんのう困難こんなんになる[16]根治こんじてき前立腺ぜんりつせん摘除てきじょじゅつ通常つうじょう、10ねん以上いじょうきると予想よそうされるわか男性だんせいおこなわれる。年齢ねんれいたかくなると、そのひとのこりの寿命じゅみょうあいだ前立腺ぜんりつせん腫瘍しゅよう成長せいちょうする可能かのうせいひくくなる[16]

状況じょうきょうせいオーガズムしょう[編集へんしゅう]

ある状況じょうきょうではオーガズムをかんじるひとが、状況じょうきょうではそうでない場合ばあいがある。あるタイプの刺激しげきではオーガズムをかんじるが、べつ刺激しげきではかんじない、あるパートナーではオーガズムをかんじるが、べつのパートナーではかんじない、あるいは特定とくてい条件下じょうけんかでのみ、あるいは特定とくていのタイプやりょうぜんおどけでのみオーガズムをかんじることがある。これらは正常せいじょう性的せいてき表現ひょうげん範囲はんいないであり、問題もんだいされるべきものではない。

状況じょうきょうてきオーガズムしょう経験けいけんしてなやんでいる患者かんじゃは、疲労ひろう感情かんじょうてき懸念けねん性交せいこうのプレッシャーかん、パートナーの性的せいてき機能きのう障害しょうがいなど、オーガズムをかんじるかどうかに影響えいきょうする可能かのうせいのある要因よういんを、一人ひとりで、またはパートナーと一緒いっしょ探求たんきゅうするようにすすめられる。陰茎いんけいちつでの性交せいこうちゅう状況じょうきょうてきにオーガズムをかんじないケースでは、性交せいこうちゅうやバイブレーターによる刺激しげきれたり、体位たいいえるなどのバリエーションを推奨すいしょうされる場合ばあいがある。

診断しんだん[編集へんしゅう]

オーガスムしょうたいする効果こうかてき治療ちりょうは、原因げんいんによってことなる。心理しんりてき性的せいてきトラウマや抑制よくせいがある場合ばあい心理しんりカウンセリングけることがのぞましい[17]

あきらかな心理しんりてき原因げんいんのないオーガスムしょう患者かんじゃは、医師いし診察しんさつにより、病気びょうきがないことを確認かくにんする必要ひつようがある。血液けつえき検査けんさぜん血球けっきゅうすうかん機能きのうエストラジオールそうテストステロンせいホルモン結合けつごうグロブリンFSH/LHプロラクチン甲状腺こうじょうせん機能きのう脂質ししつ空腹くうふく血糖けっとう)をおこない、糖尿とうにょうびょう排卵はいらん欠如けつじょ甲状腺こうじょうせん機能きのう低下ていか、ホルモンバランスのみだれなどのほか疾患しっかんがないかチェックする必要ひつようがある[3]。これらの検査けんさ正常せいじょう閾値と女性じょせい月経げっけい周期しゅうきのタイミングについては、Bermanら、2005ねん詳述しょうじゅつされている。

その血液けつえき検査けんさほか性器せいきりゅう性器せいき感覚かんかく評価ひょうか神経しんけい損傷そんしょう程度ていど(もしあれば)を調しらべる神経しんけいがくてき検査けんさなどをおこなう。

治療ちりょう[編集へんしゅう]

男性だんせい勃起ぼっき不全ふぜん同様どうように、女性じょせいせい機能きのう不全ふぜんも、ホルモンバランスのみだれを改善かいぜんするホルモン貼付ちょうふやく錠剤じょうざい吸引きゅういんポンプ、りゅう性的せいてき感覚かんかく興奮こうふん改善かいぜんする薬物やくぶつなどで治療ちりょうすることができる[3]

男女だんじょわず、SSRI誘発ゆうはつせいオーガスムしょうおおくの症例しょうれいシルデナフィルもちいられている。シルデナフィルは5がたホスホジエステラーゼ(PDE5)阻害そがいやくで、筋肉きんにく弛緩しかんうながし、男性だんせい陰茎いんけい勃起ぼっき改善かいぜんする。この方法ほうほうせい機能きのう障害しょうがい男性だんせい有効ゆうこうであることがられているが、せい機能きのう障害しょうがい女性じょせいにおけるシルデナフィルの有効ゆうこうせいあきらかになりつつあるのは最近さいきんのことである。H. G. Nurnbergらによる1999ねん研究けんきゅうでは、性行為せいこういの1あいだまえにシルデナフィルを服用ふくようすると、せい機能きのう障害しょうがい完全かんぜんに、あるいは非常ひじょう顕著けんちょ回復かいふくすることがしめされた[18]。この研究けんきゅうでは、9にん女性じょせいのうち8にんは50mgのシルデナフィルを必要ひつようとし、のこ1人ひとりは100mgのシルデナフィルを必要ひつようとした。

もうひとつ、バルデナフィル使用しよう選択肢せんたくしとしてげられる。バルデナフィルはシルデナフィルと類似るいじしており、男性だんせい陰茎いんけい勃起ぼっき改善かいぜんするが、女性じょせいせい機能きのう障害しょうがい回復かいふく使用しようされる薬剤やくざい効果こうかについては論争ろんそうがある[19]。A.K. Ashton M.D.の研究けんきゅうによると、ある特定とくてい女性じょせい場合ばあい、シルデナフィルにたいするバルデナフィルの効果こうか同等どうとうであるだけでなく、バルデナフィルのほう安価あんかであり、せい機能きのう障害しょうがい回復かいふく必要ひつようりょう少量しょうりょうであることがしめされている[20]。これまでのしょ、バルデナフィルは男性だんせいへの使用しようのみが食品しょくひん医薬品いやくひんきょくによって承認しょうにんされている。

米国べいこく国立こくりつ衛生えいせい研究所けんきゅうじょは、塩酸えんさんヨヒンビンが、勃起ぼっき不全ふぜんまたはSSRI誘発ゆうはつせい男性だんせいインポテンツ治療ちりょう有効ゆうこうである可能かのうせいがヒト試験しけんしめされているとべている[21]公表こうひょうされた報告ほうこくでは、男性だんせいのオルガスム機能きのう不全ふぜん治療ちりょう有効ゆうこうであることがしめされている[22]

プロラクチンさんせい阻害そがいするドパミンD2受容じゅようたい作動さどうやくであるカベルゴリン英語えいごばんは、小規模しょうきぼ研究けんきゅうで、オーガズムしょう被験者ひけんしゃ13にオーガズムを完全かんぜんに、13には部分ぶぶんてき回復かいふくさせることが判明はんめいした。かぎられたデータではあるが、アマンタジンがSSRI誘発ゆうはつせいせい機能きのう障害しょうがい緩和かんわ役立やくだ可能かのうせいしめされている[23][24][25]シプロヘプタジンブスピロンアンフェタミンなどの刺激しげきやくこううつやくブプロピオンふくむ)、ネファゾドン英語えいごばんヨヒンビンなどがSSRI誘発ゆうはつせいオルガスムしょう治療ちりょうもちいられている[26]。SSRIの投与とうよりょうらすことで、オーガスムしょう問題もんだい解決かいけつすることもある。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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  • The original text for this article is taken from public domain CDC text.

Further reading[編集へんしゅう]

External links[編集へんしゅう]

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