ICE TD

ICE TD
ICE TD
基本きほん情報じょうほう
運用うんよう者しゃ	ドイツ鉄道てつどう、デンマーク国鉄こくてつ
製造せいぞう所しょ	シーメンス、ボンバルディア
製造せいぞう年ねん	2001年ねん
製造せいぞう数すう	20編成へんせい
運用うんよう開始かいし	2001年ねん7月がつ
主要しゅよう諸しょ元もと
編成へんせい	4両りょう編成へんせい
軌間きかん	1,435 mm
最高さいこう速度そくど	200 km/h
編成へんせい長ちょう	106.7 m
動力どうりょく伝達でんたつ方式ほうしき	電気でんき式しき
機関きかん	カミンズ製せい QSK19-R
機関きかん出力しゅつりょく	560 kW
編成へんせい出力しゅつりょく	1,700 kW

ICE TDは、ドイツ鉄道てつどうの高速こうそく列車れっしゃICEに使用しようされる車体しゃたい傾斜けいしゃ式しき気動車きどうしゃである。形式けいしきは605形かたちとなった。

概要がいよう

ICEによる高速こうそく化かの効果こうかを非ひ電化でんか路線ろせんへも拡大かくだいするため、ICE Tをベースに開発かいはつされた車体しゃたい傾斜けいしゃ式しきの電気でんき式しき気動車きどうしゃである。2001年ねんに4両りょう編成へんせい20本ほんが製造せいぞうされた。

2001年ねん6月がつよりミュンヘン - チューリッヒ間あいだやベルリン - ドレスデン間あいだなど非ひ電化でんか区間くかんの高速こうそく化かのため導入どうにゅうされたが、トラブルの頻発ひんぱつにより2003年ねんに全車ぜんしゃが運用うんようを一旦いったん離脱りだつした。

2007年ねんからはハンブルク - コペンハーゲン間あいだの「渡わたり鳥どりコース」への投入とうにゅうにより運用うんようを再開さいかいしたものの、2017年ねん10月に運用うんようを終了しゅうりょうした。

設計せっけい

車体しゃたい形状けいじょうはICE Tとほぼ同おなじで、アルミニウム合金ごうきんを採用さいようして軽量けいりょう化かを図はかっている。編成へんせいは4両りょう編成へんせいを組くみ、最大さいだい3編成へんせいまでの併結も可能かのうである。ICE Tとの協調きょうちょう運転うんてんにも対応たいおうしている。

車体しゃたい傾斜けいしゃ機構きこうはドイツのシーメンス製せいのものを採用さいようしている。動力どうりょく伝達でんたつ方式ほうしきは電気でんき式しきを採用さいよう、1両りょうあたりの機関きかん出力しゅつりょくは560kWで、編成へんせい出力しゅつりょくは2,240kWとなる。

編成へんせい内容ないようは以下いかのとおりである。

• 605.0形かたち：1号車ごうしゃ・制御せいぎょ車しゃ・動力どうりょく車しゃ・2等とう車しゃ
• 605.1形かたち：2号車ごうしゃ・動力どうりょく車しゃ・2等とう車しゃ
• 605.2形かたち：7号車ごうしゃ・動力どうりょく車しゃ・2等とう車しゃ・簡易かんい供きょう食しょくスペース
• 605.5形かたち：8号車ごうしゃ・制御せいぎょ車しゃ・動力どうりょく車しゃ・1等とう車しゃ

• 
  2等とう車しゃ
• 
  1等とう車しゃ

運用うんよう

当初とうしょの運用うんよう

2001年ねん7月がつより営業えいぎょう運転うんてんを開始かいししたが、車体しゃたい傾斜けいしゃ装置そうちの制御せいぎょプログラムのトラブルが頻発ひんぱつし、定時ていじ運行うんこうに支障ししょうをきたすようになった。2001年ねんには工場こうじょう内ないの車両しゃりょうがジャッキから転落てんらくし、修復しゅうふく不能ふのうとされた2両りょうが廃車はいしゃとなっている。また2002年ねんには車軸しゃじく折損せっそんが原因げんいんの脱線だっせん事故じこが発生はっせいし、車体しゃたい傾斜けいしゃ装置そうちの使用しようが停止ていしされた。ドイツ鉄道てつどうは2003年ねん12月にICE TDの全ぜん編成へんせいを定期ていき運用うんようから離脱りだつさせ、運用うんようは機関きかん車しゃ牽引けんいんのインターシティーや近郊きんこう用よう気動車きどうしゃに置おき換かえられた。

その後ご、2006年ねんにはサッカーワールドカップの観客かんきゃく輸送ゆそうに使用しようされ、メッセ会場かいじょうへの輸送ゆそうなど臨時りんじ列車れっしゃを中心ちゅうしんに運用うんようされることとなった。

デンマークへの直通ちょくつう

DB・DSB共同きょうどうのロゴ

ドイツのハンブルクとデンマークのコペンハーゲンを結むすぶ通称つうしょう「渡わたり鳥どりコース」において、従来じゅうらいのIC3気動車きどうしゃによるユーロシティの一部いちぶを置おき換かえる形かたちでICE TDの導入どうにゅうが決定けっていされた。2007年ねん4月がつに最初さいしょの試運転しうんてんが実施じっしされ、2007年ねん12月に営業えいぎょう運転うんてんを開始かいしした。最高さいこう速度そくどはベルリン・ハンブルク間あいだの200km/h、それ以外いがいのドイツ国内こくない区間くかんが140km/h、デンマーク国内こくないでは180km/hで運転うんてんされている。

合計ごうけい13編成へんせいのICE TDがデンマーク直通ちょくつう対応たいおう改造かいぞうを受うけ、保安ほあん装置そうちや無線むせん装置そうちとそれに付随ふずいする機器きき類るいの設置せっち、荷物にもつ収納しゅうのう設備せつびの拡張かくちょうなど旅客りょかく設備せつびの改修かいしゅうなどが行おこなわれている。車両しゃりょうはドイツ鉄道てつどうからデンマーク国鉄こくてつへ貸かし出だす形かたちとなり、両りょう鉄道てつどう会社かいしゃのロゴが併記へいきされている。ドイツ鉄道てつどうとデンマーク国鉄こくてつの間あいだで締結ていけつされた運行うんこう契約けいやくの期間きかんは13年ねんとなっている。ドイツのプットガルデンとデンマークロービュの間あいだにあるフェーマルン・ベルト海峡かいきょうでは、鉄道てつどう連絡れんらく船せんによる航こう送おくが行おこなわれている。

しかし2015年ねんに入はいり、運行うんこう継続けいぞくのためには大だい規模きぼなオーバーホールが必要ひつようとなること、またその費用ひようが非常ひじょうに高額こうがくとなることが判明はんめいし、ドイツ鉄道てつどうでは2016年ねん末まつでリース契約けいやくを解除かいじょすることを通告つうこく。リース契約けいやくにはデンマーク国鉄こくてつ側がわが車両しゃりょうを買かい取とるオプションも設定せっていされていたが、デンマーク国鉄こくてつはこれを行使こうししなかったため、結局けっきょく2016年ねん12月11日にちのダイヤ改正かいせいで1編成へんせいを除のぞく全ぜん車両しゃりょうが運用うんようから離脱りだつ。唯一ゆいいつ残のこった編成へんせいも2017年ねん10月がつに運用うんようを終了しゅうりょうした。その後ごの詳細しょうさいは不明ふめいながらも、一部いちぶ編成へんせいは測定そくていなどの試験しけん車両しゃりょうとして現存げんそんしている。 2021年ねんに全ぜん編成へんせいのうちTz5516編成へんせいがICEシリーズを代表だいひょうする保存ほぞん車しゃとしてコブレンツの博物館はくぶつかんにて保存ほぞんされるため回送かいそうされている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『世界せかいの高速こうそく列車れっしゃII』 地球ちきゅうの歩あるき方かた、ダイヤモンド社だいやもんどしゃ、2012年ねん、200頁ぺーじ-205頁ぺーじ。ISBN 978-4-478-04279-3。

外部がいぶリンク

• ICE-TD - Hochgeschwindigkeitszüge