乾いぬい闼婆

乾いぬい闼（tà）婆ばば（梵語ぼんご：गन्धर्व，羅ら馬うま化か：Gandharva，巴ともえ利とし語ご：Gandhabba），在ざい印度いんど宗教しゅうきょう中なか，是ぜ一种以香味為食的神族，能のう表ひょう演えんじ音樂おんがく、節目ふしめ；又また音譯おんやく爲ため樂らく（yuè）乾いぬい闥（tà）婆ばば王おう、健けん達たち婆ばば、犍（qián）達いたる縛ばく、健けん闥（tà）婆ばば、乾いぬい沓くつ和わ、乾いぬい沓くつ婆ばば、彥達縛ばく、康かん達いたる婆ばば，又また称たたえ作づく犍（qián）陀羅（Gandhara），意譯いやく有ゆう香こう神しん、香こう音おん神しん、嗅香或ある尋ひろ香が行ぎょう等ひとし。其女性じょせい為ため乾いぬい闼毗（梵語ぼんご：गन्धर्वी，羅ら馬うま化か：Gandharvī），在ざい佛經ぶっきょう中ちゅう因いん其是入にゅう胎的“三さん事こと和合わごう”之の一いち，也有やゆう人じん翻譯ほんやく做香こう陰かげ。

簡介

其名稱めいしょうGandharva中なか，Gandha是ぜ香氣こうき之の意い。乾いぬい闼婆是ぜ男性だんせい，乾いぬい闼毗为女性じょせい，不ふ食しょく酒肉しゅにく只ただ寻香气作为滋养，會かい從したがえ身上しんじょう發出はっしゅつ香氣こうき。為ため服ふく侍さむらい因いん陀罗的てき乐神，負ふ責せめ為ため眾神在ざい宮殿きゅうでん裡うら奏そう發はつ美麗びれい的てき音樂おんがく。

乾いぬい闼婆的てき首くび领是画が军（Citrasena）。他た們都从身上じょう发出浓冽的てき香こう气，乾いぬい闼婆在ざい梵语中ちゅう又また是ぜ“变幻莫测”的てき意思いし，魔ま术师也叫“乾いぬい闼婆”，海うみ市し蜃楼叫さけべ做“乾いぬい闼婆城じょう”（梵語ぼんご作さくgandharva-nagara）。香こう气和音おん乐都缥缈隐约，难以捉摸。

迦槃陀(Vishvavasu)：《梨なし俱吠陀べーだ》的てき作曲さっきょく者しゃ。Malyavan（英えい语：Malyavan）将はた女おんな儿Anala嫁よめ给他，他た的てき女おんな儿Pramadvara由よし圣人Sthulakesha养大，嫁よめ给了仙人せんにんRuru。

印度いんど教きょう

其起源げん久遠くおん，《夜よる柔やわら吠陀べーだ》記載きさい，他た為ため諸しょ神かみ看守かんしゅ蘇そ摩ま，但ただし監守かんしゅ自じ盜ぬすめ，喝かつ下か蘇そ摩ま。他た常つね誘惑ゆうわく人間にんげん女子じょし^[1]，《阿おもね闥婆吠陀べーだ》記載きさい，乾いぬい闥婆是ぜ一いち個こ神明しんめい的てき族ぞく群ぐん，數すう目もく甚多，為ため天神てんじん之の一いち^[2]。

佛教ぶっきょう

大福だいふく報ほう鬼おに

在ざい佛教ぶっきょう傳說でんせつ中ちゅう，乾いぬい闥婆是ぜ天界てんかい的てき樂らく神しん^[3]，居住きょじゅう在ざい須彌山しゅみせん上うえ，侍さむらい奉たてまつ帝釋天たいしゃくてん^[4]，為ため八はち部ぶ眾之これ一いち^[5]。追つい逐香氣き為ため食しょく^[6]，或ある說せつ其本身ほんみ就會散發さんぱつ香氣こうき^[7]。

在ざい記載きさい中ちゅう，乾いぬい闥婆有男くにお、女おんな二に種しゅ性別せいべつ^[8]。有數ゆうすう位い王者おうじゃ，如四乾いぬい闥婆王おう^[9]，有ゆう一个名叫童籠磨王^[10]。有ゆう說法せっぽう認みとめ為ため，乾いぬい闥婆同どう时也為ため東方とうほう持國天じこくてん王おう的てき部ぶ眾^[11]。在ざい六道ろくどう中なか，乾いぬい闥婆有ゆう屬ぞく於鬼道きどう，或ある是ぜ屬ぞく於阿修羅あしゅら这兩種しゅ說法せっぽう存在そんざい^[12]。

投とう生せい到いた犍闥婆ばば身み的てき因緣いんねん，是ぜ少しょう嗔、多おお佈施行くだり善ぜん，喜き歡演奏樂そうがく曲きょく，而得的てき果報かほう^[13]。

亡者もうじゃ的てき魂たましい神しん

在ざい古こ印度いんど沙門しゃもん傳統でんとう中ちゅう，認みとめ為ため有情うじょう眾生在ざい死後しご，其神かみ識會かい繼續けいぞく投とう胎輪迴，其胎神在かみあり入にゅう胎之前ぜん被ひ稱しょう为“香こう阴”^[14]^[15]。說せつ一切いっさい有ゆう部ぶ發展はってん出で中有ちゅうう（中陰ちゅういん）學說がくせつ，認みとめ為ため乾いぬい闥婆即そく是ぜ中有ちゅうう的てき異名いみょう^[16]。分別ふんべつ說せつ部ぶ則のり發展はってん出で結生ゆき心こころ、有ゆう分ぶん等とう學說がくせつ。值得注意ちゅうい的てき是ぜ此處ここ所しょ提つつみ及的香が陰かげ不ふ是ぜ指ゆび某ぼう種しゅ天てん眾，而是指ゆび在ざい特定とくてい時刻じこく因いん業ごう力りょく而出現しゅつげん的てき某ぼう種具たねぐ感知かんち能力のうりょく的てき事物じぶつ^[17]。

註釋ちゅうしゃく

^ 《夜よる柔やわら吠陀べーだ》（Yajur-Veda13.8.10）:「為ため諸しょ神かみ看守かんしゅ蘇そ摩ま酒しゅ（soma）竟監守かんしゅ自じ盜ぬすめ，又また與あずか人間にんげん婦女ふじょ也都有性ゆうせい關係かんけい。」
^ 《阿おもね闥婆吠陀べーだ》（Atharva-Veda11.5.2）：「有ゆう六ろく千せん三さん百ひゃく三さん十じゅう三さん數すう，為ため天神てんじん之の一いち。」
^ 《舍利しゃり弗どる問とい經けい》：「乾いぬい闥婆者しゃ，前生ぜんしょう亦また少しょう瞋恚しんに，常つね好こう布施ふせ，以青蓮はちす自じ嚴げん，作さく眾伎樂らく。今こん為ため此神，常つね為ため諸しょ天てん奏そう諸しょ伎樂ぎがく。」
鳩ばと摩ま羅ら什譯《大智たいち度ど論ろん》卷まき10：「是ぜ揵闥婆ばば是ぜ諸しょ天てん伎人，隨ずい逐諸天てん，其心柔軟じゅうなん，福德ふくとく力りょく小しょう減げん諸しょ天てん。……甄陀羅ら亦また是ぜ天てん伎，皆みな屬ぞく天てん，與あずか天てん同どう住じゅう共ども坐すわ，飲食いんしょく伎樂ぎがく皆みな與あずか天てん同どう。是ぜ揵闥婆ばば王おう，名めい童わらわ籠かご磨みがけ，此言樹じゅ。是ぜ揵闥婆ばば、甄陀羅ら，恒つね在ざい二に處しょ住じゅう，常つね所しょ居きょ止とめ在ざい十じゅう寶たから山間さんかん；有ゆう時じ天上てんじょう為ため諸しょ天てん作樂さくら，此二に種しゅ常番じょうばん休きゅう上下じょうげ，人にん在ざい四よん天下てんか生せい，生なま有ゆう四よん種しゅ，極ごく長壽ちょうじゅ乃至ないし無量むりょう歲とし，極ごく短たん壽ことぶき乃至ないし十じゅう歲さい。」
嘉よしみ祥さち吉藏よしぞう《法華ほっけ義よし疏》卷まき1：「大智たいち度ど論ろん云うん：揵撻婆ばば王おう名めい童わらわ籠かご摩ま，此云樹じゅ。居きょ在ざい地上ちじょう十じゅう寶たから山中さんちゅう，諸しょ天てん欲よく作樂さくら時じ，身み有ゆう異相いそう，即そく飛ひ上天じょうてん。與あずか緊那羅ら番ばん休きゅう上下じょうげ。初はつ言げん樂らく者しゃ，無聲むせい之の樂らく也。次つぎ是ぜ有ゆう聲ごえ之の樂らく，次じ是ぜ無む聲樂せいがく中ちゅう之の勝かち，次じ是ぜ有ゆう聲樂せいがく中ちゅう之の勝也かつや。」
^ 僧そう肇はじめ《注ちゅう維摩詰つめ經けい》卷まき1：「乾いぬい闥婆。什曰：天てん樂らく神しん也，處しょ地ち上寶かみたから山中さんちゅう。天てん欲よく作樂さくら時じ，此神體たい上じょう有ゆう相しょう出で，然しか後こう上天じょうてん也。肇はじめ曰：天てん樂らく神しん也。居きょ地ち上寶かみたから山中さんちゅう。天てん須樂時じ，此神體たい上じょう有ゆう異相いそう現げん，然しか後こう上天じょうてん也。」
^ 鳩ばと摩ま羅ら什譯《妙法みょうほう蓮華れんげ經けい》卷まき7：「應おう以天龍りゅう、夜叉やしゃ、乾いぬい闥婆、阿修羅あしゅら、迦樓羅ら、緊那羅ら、摩ま睺羅伽とぎ、人非人にんぴにん等身とうしん得度とくど者しゃ，即そく皆みな現げん之の而為說法せっぽう。」
^ 慧とし琳《一切經いっさいきょう音義おんぎ》卷まき21：「乾いぬい闥婆，此云食しょく香が，或ある云うん尋ひろ香が，言げん此類尋ひろ逐食之の香氣こうき，往彼娛樂ごらく，以求食しょく也。舊きゅう云うん樂らく神しん者しゃ，非ひ正せい翻こぼし也。」
慧とし琳《一切經いっさいきょう音義おんぎ》卷まき25：「乾いぬい闥婆，新しん云うん健けん撻縛，此曰尋ひろ香が，即そく音樂おんがく神しん也。」
《玄げん應おう音義おんぎ》卷まき9：「犍沓和わ，又また云うん犍陀羅ら，或ある作さく乾いぬい沓くつ婆ばば，或ある云うん犍達婆ばば，或ある云うん乾いぬい闥婆，舊名きゅうめい也。今こん正せい言げん犍達縛ばく，皆みな國こく音おん之の不同ふどう也。此云嗅香，亦また云うん樂らく神しん，一いち云うん食しょく香が，舊きゅう云うん香が神しん，亦また近きん也。經けい中ちゅう亦また作さく香が音おと神しん也。」
《翻譯ほんやく名義めいぎ集しゅう》卷まき2：「乾いぬい闥婆，或ある犍陀羅ら。淨きよし名めい疏：『此云香が陰かげ。』此亦陵りょう空そら之の神かみ，不ふ噉酒肉しゅにく，唯ただ香こう資し陰かげ，是ぜ天主てんしゅ幢倒樂らく神しん，在ざい須彌南みなみ金剛こんごう窟くつ住じゅう。什曰：『天てん樂らく神しん也。處しょ地ち十じゅう寶たから山中さんちゅう。天てん欲よく作樂さくら時じ。此神身み有ゆう異相いそう出で。然しか後こう上天じょうてん。』新しん云うん尋ひろ香が行ぎょう，應おう法師ほうし云うん嗅香。」
^ 智者ちしゃ《妙法みょうほう蓮華れんげ經文きょうもん句く》卷まき2：「四よん，乾いぬい闥婆，此云嗅香。以香為ため食しょく，亦また云うん香が陰かげ。其身出で香が，此是天帝てんてい俗樂ぞくがく之の神かみ也。」
嘉よしみ祥さち吉藏よしぞう《法華ほっけ義よし疏》卷まき1：「揵撻婆ばば，此云香が陰かげ，以其清きよし虛きょ食しょく香が，又また身み唯ただ恒つね出で香が，故こ名香めいこう陰かげ。」
^ 鳩ばと摩ま羅ら什譯《妙法みょうほう蓮華れんげ經けい》卷まき6：「及諸龍りゅう、龍りゅう女おんな，夜叉やしゃ、夜叉やしゃ女おんな，乾いぬい闥婆、乾いぬい闥婆女おんな，阿修羅あしゅら、阿修羅あしゅら女おんな，迦樓羅ら、迦樓羅ら女おんな，緊那羅ら、緊那羅ら女おんな，摩ま侯こう羅ら伽とぎ、摩ま侯こう羅ら伽とぎ女おんな，為ため聽法故こ，皆みな來らい親近しんきん、恭敬きょうけい供養くよう。」
^ 鳩ばと摩ま羅ら什譯《妙法みょうほう蓮華れんげ經けい》卷まき1：「有ゆう四よん乾いぬい闥婆王おう：樂らく乾いぬい闥婆王おう、樂音がくおん乾いぬい闥婆王おう、美よし乾いぬい闥婆王おう、美音びおん乾いぬい闥婆王おう，各かく與あずか若干じゃっかん百ひゃく千せん眷屬けんぞく俱。」
^ 鳩ばと摩ま羅ら什譯《大智たいち度ど論ろん》卷まき10：「是ぜ揵闥婆ばば王おう，名めい童わらわ籠かご磨すり。此言樹じゅ。」
^ 《仁王におう經けい合あい疏》卷まき1：「八はち部ぶ者しゃ，乾いぬい闥婆、毗舍闍二に眾，東方とうほう提ひさげ頭あたま賴よりゆき吒天王おう領りょう，鳩ばと槃茶、薜荔多た二に眾，南方みなかた毗留勒叉天王てんのう領りょう，龍りゅう、富とみ單たん那な二に眾，西方せいほう毗留博はく叉また天王てんのう領りょう，夜叉やしゃ、羅ら剎二に眾，北方ほっぽう毗沙門もん天王てんのう領りょう。」
《翻譯ほんやく名義めいぎ集しゅう》卷まき2：「提ひさげ多た羅ら吒，陟のぼる駕が切きり。大だい論ろん云うん：秦はた言げん治國ちこく，主しゅ乾いぬい闥婆及毘舍しゃ闍。光明こうみょう疏云：上うえ升ます之の元首げんしゅ，下界げかい之の初はつ天てん。居きょ半はん須彌東ひがし黃金おうごん埵，王おう名めい提ひさげ頭あたま賴よりゆき吒，此云持國もちくに，又また翻こぼし安やす民みん。」
^ 嘉よしみ祥さち吉藏よしぞう《法華ほっけ義よし疏》卷まき1：「問とい：揵撻婆ばば屬ぞく何なん道みち攝と？答こたえ：一いち云うん屬ぞく鬼道きどう，一いち云うん阿修羅あしゅら道也みちや。」
^ 《舍利しゃり弗どる问经》：舍利しゃり弗どる复白佛ふつ言ごと。世尊せそん。八はち部ぶ鬼神きじん。以何因いん缘生于恶道どう。而常闻正法ほう。
佛ふつ言ごと。以二に种业。一以恶故生于恶道。二以善故多受快乐。
又また问。善ぜん恶二异可得同耶。
佛ふつ言ごと。亦また可か得とく耳みみ。是ぜ以八はち部ぶ鬼神きじん。皆みな曰人非人にんぴにん也。
天神てんじん者しゃ。其之先さき身み。以车舆舍宅たく饮食。供とも养三宝父母贤胜之人。犹怀悭俭谄嫉妒者故ゆえ。受天神しん身み。如普光こう净胜天神てんじん等とう。
虚空こくう龙神者しゃ。修おさむ建德けんとく本ほん。广行檀まゆみ波は罗蜜。不ふ依よ正念しょうねん。急性きゅうせい好こう嗔故。受人非ひ人身じんしん。如摩尼あま光こう龙王等とう。
夜叉やしゃ神かみ者しゃ。好こう大だい布施ふせ。或ある先さき损害。后きさき加か饶益。随ずい功こう胜负。故こ在天ざいてん上じょう空中くうちゅう地下ちか。
乾いぬい闼婆者しゃ。前生ぜんしょう亦また少しょう嗔恚。常つね好こう布施ふせ。以青莲自严。作さく众伎乐。今こん为此神しん。常つね为诸天てん奏そう诸伎乐。
阿おもね修おさむ罗神者しゃ。志こころざし强きょう。不随ふずい善ぜん友とも所作しょさ净福。好こう逐幻伪之人じん。作さく诸邪福ぶく。傍はた于邪师。甚好布施ふせ。又また乐观他た斗と讼。故こ受今身み。
迦娄罗神者しゃ。先さき修おさむ大だい舍しゃ。常つね有高ありだか心しん。以倰于物故こ受今身み。
紧那罗神者しゃ。昔むかし好こう劝人发菩提心ぼだいしん。未み正せい其志逐诸邪よこしま行ぎょう。故こ得とく今こん身み。摩ま睺罗伽とぎ神かみ者しゃ。布施ふせ护法性せい好こう嗔恚。故こ受今身み。
人非人にんぴにん等とう。皆みな由依ゆい附ふ邪よこしま师行谄恶道どう。以邪乱らん正せい俱谓是ぜ道どう。以自建立こんりゅう。
^ 《中ちゅう阿おもね含經》卷まき37〈151經けい〉：「阿おもね私わたし羅ら復ふく問とい諸しょ仙人せんにん曰：『汝なんじ等とう頗自知ち受胎じゅたい耶？』彼かれ諸しょ仙人せんにん答こたえ曰：『知也ともや。以三事ごと等とう合ごう會かい受胎じゅたい，父母ちちはは合ごう會かい，無む滿まん堪こらえ耐たい，香こう陰かげ已やめ至いたり。阿おもね私わたし羅ら！此事等とう會かい，入にゅう於母胎ぼたい。』　」
^ 《中ちゅう阿おもね含經》卷まき54〈201經けい〉：「復ふく次じ三事合會入於母胎。父母ちちはは聚集一いち處しょ。母はは滿まん精せい堪こらえ耐たい。香こう陰かげ已やめ至いたり。此三事合會入於母胎。」
^ 玄げん奘譯《阿おもね毘達磨だるま大だい毘婆沙すな論ろん》卷まき69：「問とい：應おう理論りろん者しゃ，依よ何なに量りょう故こ說せつ有ゆう中有ちゅうう？答こたえ：依よ至いたり教きょう量りょう。如契經けい說せつ：『入にゅう母胎ぼたい者しゃ，要よう由よし三さん事こと俱現在げんざい前まえ。一者母身是時調適，二者父母交愛和合，三健達縛正現在前。』除じょ中有ちゅうう身み，何なに健けん達たち縛ばく？前ぜん蘊已壞，何なに現在げんざい前まえ？故こ健けん達たち縛ばく即そく是ぜ中有ちゅうう。」
玄げん奘譯《阿おもね毘達磨だるま大だい毘婆沙すな論ろん》卷まき70：「問とい：何故なぜ中ちゅう有名ゆうめい健けん達たち縛ばく？答こたえ：以彼食しょく香が而存濟ずみ故ゆえ。此名唯ただ屬ぞく欲界よくかい中有ちゅうう。」
^ Bhikkhu, Thanissaro. Mahatanhasankhaya Sutta: The Greater Craving-Destruction Discourse. Access to Insight. 2013-11-30 [2024-08-27] （英えい语）.

參まいり見み

[1] 《夜よる柔やわら吠陀べーだ》（Yajur-Veda13.8.10）:「為ため諸しょ神かみ看守かんしゅ蘇そ摩ま酒しゅ（soma）竟監守かんしゅ自じ盜ぬすめ，又また與あずか人間にんげん婦女ふじょ也都有性ゆうせい關係かんけい。」

[2] 《阿おもね闥婆吠陀べーだ》（Atharva-Veda11.5.2）：「有ゆう六ろく千せん三さん百ひゃく三さん十じゅう三さん數すう，為ため天神てんじん之の一いち。」

[3] 《舍利しゃり弗どる問とい經けい》：「乾いぬい闥婆者しゃ，前生ぜんしょう亦また少しょう瞋恚しんに，常つね好こう布施ふせ，以青蓮はちす自じ嚴げん，作さく眾伎樂らく。今こん為ため此神，常つね為ため諸しょ天てん奏そう諸しょ伎樂ぎがく。」
鳩ばと摩ま羅ら什譯《大智たいち度ど論ろん》卷まき10：「是ぜ揵闥婆ばば是ぜ諸しょ天てん伎人，隨ずい逐諸天てん，其心柔軟じゅうなん，福德ふくとく力りょく小しょう減げん諸しょ天てん。……甄陀羅ら亦また是ぜ天てん伎，皆みな屬ぞく天てん，與あずか天てん同どう住じゅう共ども坐すわ，飲食いんしょく伎樂ぎがく皆みな與あずか天てん同どう。是ぜ揵闥婆ばば王おう，名めい童わらわ籠かご磨みがけ，此言樹じゅ。是ぜ揵闥婆ばば、甄陀羅ら，恒つね在ざい二に處しょ住じゅう，常つね所しょ居きょ止とめ在ざい十じゅう寶たから山間さんかん；有ゆう時じ天上てんじょう為ため諸しょ天てん作樂さくら，此二に種しゅ常番じょうばん休きゅう上下じょうげ，人にん在ざい四よん天下てんか生せい，生なま有ゆう四よん種しゅ，極ごく長壽ちょうじゅ乃至ないし無量むりょう歲とし，極ごく短たん壽ことぶき乃至ないし十じゅう歲さい。」
嘉よしみ祥さち吉藏よしぞう《法華ほっけ義よし疏》卷まき1：「大智たいち度ど論ろん云うん：揵撻婆ばば王おう名めい童わらわ籠かご摩ま，此云樹じゅ。居きょ在ざい地上ちじょう十じゅう寶たから山中さんちゅう，諸しょ天てん欲よく作樂さくら時じ，身み有ゆう異相いそう，即そく飛ひ上天じょうてん。與あずか緊那羅ら番ばん休きゅう上下じょうげ。初はつ言げん樂らく者しゃ，無聲むせい之の樂らく也。次つぎ是ぜ有ゆう聲ごえ之の樂らく，次じ是ぜ無む聲樂せいがく中ちゅう之の勝かち，次じ是ぜ有ゆう聲樂せいがく中ちゅう之の勝也かつや。」

[4] 僧そう肇はじめ《注ちゅう維摩詰つめ經けい》卷まき1：「乾いぬい闥婆。什曰：天てん樂らく神しん也，處しょ地ち上寶かみたから山中さんちゅう。天てん欲よく作樂さくら時じ，此神體たい上じょう有ゆう相しょう出で，然しか後こう上天じょうてん也。肇はじめ曰：天てん樂らく神しん也。居きょ地ち上寶かみたから山中さんちゅう。天てん須樂時じ，此神體たい上じょう有ゆう異相いそう現げん，然しか後こう上天じょうてん也。」

[5] 鳩ばと摩ま羅ら什譯《妙法みょうほう蓮華れんげ經けい》卷まき7：「應おう以天龍りゅう、夜叉やしゃ、乾いぬい闥婆、阿修羅あしゅら、迦樓羅ら、緊那羅ら、摩ま睺羅伽とぎ、人非人にんぴにん等身とうしん得度とくど者しゃ，即そく皆みな現げん之の而為說法せっぽう。」

[6] 慧とし琳《一切經いっさいきょう音義おんぎ》卷まき21：「乾いぬい闥婆，此云食しょく香が，或ある云うん尋ひろ香が，言げん此類尋ひろ逐食之の香氣こうき，往彼娛樂ごらく，以求食しょく也。舊きゅう云うん樂らく神しん者しゃ，非ひ正せい翻こぼし也。」
慧とし琳《一切經いっさいきょう音義おんぎ》卷まき25：「乾いぬい闥婆，新しん云うん健けん撻縛，此曰尋ひろ香が，即そく音樂おんがく神しん也。」
《玄げん應おう音義おんぎ》卷まき9：「犍沓和わ，又また云うん犍陀羅ら，或ある作さく乾いぬい沓くつ婆ばば，或ある云うん犍達婆ばば，或ある云うん乾いぬい闥婆，舊名きゅうめい也。今こん正せい言げん犍達縛ばく，皆みな國こく音おん之の不同ふどう也。此云嗅香，亦また云うん樂らく神しん，一いち云うん食しょく香が，舊きゅう云うん香が神しん，亦また近きん也。經けい中ちゅう亦また作さく香が音おと神しん也。」
《翻譯ほんやく名義めいぎ集しゅう》卷まき2：「乾いぬい闥婆，或ある犍陀羅ら。淨きよし名めい疏：『此云香が陰かげ。』此亦陵りょう空そら之の神かみ，不ふ噉酒肉しゅにく，唯ただ香こう資し陰かげ，是ぜ天主てんしゅ幢倒樂らく神しん，在ざい須彌南みなみ金剛こんごう窟くつ住じゅう。什曰：『天てん樂らく神しん也。處しょ地ち十じゅう寶たから山中さんちゅう。天てん欲よく作樂さくら時じ。此神身み有ゆう異相いそう出で。然しか後こう上天じょうてん。』新しん云うん尋ひろ香が行ぎょう，應おう法師ほうし云うん嗅香。」

[7] 智者ちしゃ《妙法みょうほう蓮華れんげ經文きょうもん句く》卷まき2：「四よん，乾いぬい闥婆，此云嗅香。以香為ため食しょく，亦また云うん香が陰かげ。其身出で香が，此是天帝てんてい俗樂ぞくがく之の神かみ也。」
嘉よしみ祥さち吉藏よしぞう《法華ほっけ義よし疏》卷まき1：「揵撻婆ばば，此云香が陰かげ，以其清きよし虛きょ食しょく香が，又また身み唯ただ恒つね出で香が，故こ名香めいこう陰かげ。」

[8] 鳩ばと摩ま羅ら什譯《妙法みょうほう蓮華れんげ經けい》卷まき6：「及諸龍りゅう、龍りゅう女おんな，夜叉やしゃ、夜叉やしゃ女おんな，乾いぬい闥婆、乾いぬい闥婆女おんな，阿修羅あしゅら、阿修羅あしゅら女おんな，迦樓羅ら、迦樓羅ら女おんな，緊那羅ら、緊那羅ら女おんな，摩ま侯こう羅ら伽とぎ、摩ま侯こう羅ら伽とぎ女おんな，為ため聽法故こ，皆みな來らい親近しんきん、恭敬きょうけい供養くよう。」

[9] 鳩ばと摩ま羅ら什譯《妙法みょうほう蓮華れんげ經けい》卷まき1：「有ゆう四よん乾いぬい闥婆王おう：樂らく乾いぬい闥婆王おう、樂音がくおん乾いぬい闥婆王おう、美よし乾いぬい闥婆王おう、美音びおん乾いぬい闥婆王おう，各かく與あずか若干じゃっかん百ひゃく千せん眷屬けんぞく俱。」

[10] 鳩ばと摩ま羅ら什譯《大智たいち度ど論ろん》卷まき10：「是ぜ揵闥婆ばば王おう，名めい童わらわ籠かご磨すり。此言樹じゅ。」

[11] 《仁王におう經けい合あい疏》卷まき1：「八はち部ぶ者しゃ，乾いぬい闥婆、毗舍闍二に眾，東方とうほう提ひさげ頭あたま賴よりゆき吒天王おう領りょう，鳩ばと槃茶、薜荔多た二に眾，南方みなかた毗留勒叉天王てんのう領りょう，龍りゅう、富とみ單たん那な二に眾，西方せいほう毗留博はく叉また天王てんのう領りょう，夜叉やしゃ、羅ら剎二に眾，北方ほっぽう毗沙門もん天王てんのう領りょう。」
《翻譯ほんやく名義めいぎ集しゅう》卷まき2：「提ひさげ多た羅ら吒，陟のぼる駕が切きり。大だい論ろん云うん：秦はた言げん治國ちこく，主しゅ乾いぬい闥婆及毘舍しゃ闍。光明こうみょう疏云：上うえ升ます之の元首げんしゅ，下界げかい之の初はつ天てん。居きょ半はん須彌東ひがし黃金おうごん埵，王おう名めい提ひさげ頭あたま賴よりゆき吒，此云持國もちくに，又また翻こぼし安やす民みん。」

[12] 嘉よしみ祥さち吉藏よしぞう《法華ほっけ義よし疏》卷まき1：「問とい：揵撻婆ばば屬ぞく何なん道みち攝と？答こたえ：一いち云うん屬ぞく鬼道きどう，一いち云うん阿修羅あしゅら道也みちや。」

[13] 《舍利しゃり弗どる问经》：舍利しゃり弗どる复白佛ふつ言ごと。世尊せそん。八はち部ぶ鬼神きじん。以何因いん缘生于恶道どう。而常闻正法ほう。
佛ふつ言ごと。以二に种业。一以恶故生于恶道。二以善故多受快乐。
又また问。善ぜん恶二异可得同耶。
佛ふつ言ごと。亦また可か得とく耳みみ。是ぜ以八はち部ぶ鬼神きじん。皆みな曰人非人にんぴにん也。
天神てんじん者しゃ。其之先さき身み。以车舆舍宅たく饮食。供とも养三宝父母贤胜之人。犹怀悭俭谄嫉妒者故ゆえ。受天神しん身み。如普光こう净胜天神てんじん等とう。
虚空こくう龙神者しゃ。修おさむ建德けんとく本ほん。广行檀まゆみ波は罗蜜。不ふ依よ正念しょうねん。急性きゅうせい好こう嗔故。受人非ひ人身じんしん。如摩尼あま光こう龙王等とう。
夜叉やしゃ神かみ者しゃ。好こう大だい布施ふせ。或ある先さき损害。后きさき加か饶益。随ずい功こう胜负。故こ在天ざいてん上じょう空中くうちゅう地下ちか。
乾いぬい闼婆者しゃ。前生ぜんしょう亦また少しょう嗔恚。常つね好こう布施ふせ。以青莲自严。作さく众伎乐。今こん为此神しん。常つね为诸天てん奏そう诸伎乐。
阿おもね修おさむ罗神者しゃ。志こころざし强きょう。不随ふずい善ぜん友とも所作しょさ净福。好こう逐幻伪之人じん。作さく诸邪福ぶく。傍はた于邪师。甚好布施ふせ。又また乐观他た斗と讼。故こ受今身み。
迦娄罗神者しゃ。先さき修おさむ大だい舍しゃ。常つね有高ありだか心しん。以倰于物故こ受今身み。
紧那罗神者しゃ。昔むかし好こう劝人发菩提心ぼだいしん。未み正せい其志逐诸邪よこしま行ぎょう。故こ得とく今こん身み。摩ま睺罗伽とぎ神かみ者しゃ。布施ふせ护法性せい好こう嗔恚。故こ受今身み。
人非人にんぴにん等とう。皆みな由依ゆい附ふ邪よこしま师行谄恶道どう。以邪乱らん正せい俱谓是ぜ道どう。以自建立こんりゅう。

[14] 《中ちゅう阿おもね含經》卷まき37〈151經けい〉：「阿おもね私わたし羅ら復ふく問とい諸しょ仙人せんにん曰：『汝なんじ等とう頗自知ち受胎じゅたい耶？』彼かれ諸しょ仙人せんにん答こたえ曰：『知也ともや。以三事ごと等とう合ごう會かい受胎じゅたい，父母ちちはは合ごう會かい，無む滿まん堪こらえ耐たい，香こう陰かげ已やめ至いたり。阿おもね私わたし羅ら！此事等とう會かい，入にゅう於母胎ぼたい。』　」

[15] 《中ちゅう阿おもね含經》卷まき54〈201經けい〉：「復ふく次じ三事合會入於母胎。父母ちちはは聚集一いち處しょ。母はは滿まん精せい堪こらえ耐たい。香こう陰かげ已やめ至いたり。此三事合會入於母胎。」

[16] 玄げん奘譯《阿おもね毘達磨だるま大だい毘婆沙すな論ろん》卷まき69：「問とい：應おう理論りろん者しゃ，依よ何なに量りょう故こ說せつ有ゆう中有ちゅうう？答こたえ：依よ至いたり教きょう量りょう。如契經けい說せつ：『入にゅう母胎ぼたい者しゃ，要よう由よし三さん事こと俱現在げんざい前まえ。一者母身是時調適，二者父母交愛和合，三健達縛正現在前。』除じょ中有ちゅうう身み，何なに健けん達たち縛ばく？前ぜん蘊已壞，何なに現在げんざい前まえ？故こ健けん達たち縛ばく即そく是ぜ中有ちゅうう。」
玄げん奘譯《阿おもね毘達磨だるま大だい毘婆沙すな論ろん》卷まき70：「問とい：何故なぜ中ちゅう有名ゆうめい健けん達たち縛ばく？答こたえ：以彼食しょく香が而存濟ずみ故ゆえ。此名唯ただ屬ぞく欲界よくかい中有ちゅうう。」

[17] Bhikkhu, Thanissaro. Mahatanhasankhaya Sutta: The Greater Craving-Destruction Discourse. Access to Insight. 2013-11-30 [2024-08-27] （英えい语）.

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