シャチ (鯱 しゃち 、学名 がくめい : Orcinus orca )は、哺乳 ほにゅう 綱 つな 鯨 くじら 偶蹄 ぐうてい 目 め マイルカ科 か シャチ属 ぞく の海獣 かいじゅう [ 2] である。
日本 にっぽん 列島 れっとう では伝説 でんせつ 上 じょう の生物 せいぶつ 「鯱 しゃち 」にちなんだ「シャチ」という標準 ひょうじゅん 和名 わみょう のほかにも、「サカマタ」[ 注釈 ちゅうしゃく 1] と「タカマツ」[ 注釈 ちゅうしゃく 2] を筆頭 ひっとう に、「シャチホコ 」「シャカマ」「タカ」「クジラトウシ」「クロトンボ」「オキノカンヌシ」など多様 たよう な別名 べつめい が存在 そんざい した[ 5] 。
海洋 かいよう における食物 しょくもつ 連鎖 れんさ の頂点 ちょうてん に立 た ち肉食 にくしょく 性 せい が強 つよ いことから、英語 えいご では「killer whale [ 注釈 ちゅうしゃく 3] 」とも呼 よ ばれるほか、種 たね 小名 しょうみょう の「オルカ 」、「グランパス 」、「ブラックフィッシュ 」などの呼 よ び名 な も存在 そんざい する。
アイヌ語 ご での名称 めいしょう は「レプンカムイ [ 注釈 ちゅうしゃく 4] 」のほかに、「アトゥイコロカムイ [ 注釈 ちゅうしゃく 5] 」「カムイフンペ [ 注釈 ちゅうしゃく 6] 」「イコイキカムイ [ 注釈 ちゅうしゃく 7] 」などがある。樺太 からふと の方言 ほうげん では「レポルン(タ)カムイ [ 注釈 ちゅうしゃく 8] 」「トマリコロカムイ [ 注釈 ちゅうしゃく 9] 」「チオハヤク [ 注釈 ちゅうしゃく 10] 」「カムイチㇱ [ 注釈 ちゅうしゃく 11] 」とも呼 よ ばれる。礼文 れぶん 地方 ちほう では「イコイキフンペ [ 注釈 ちゅうしゃく 12] 」「モハチャンクㇽ [ 注釈 ちゅうしゃく 13] 」「シハチャンクㇽ [ 注釈 ちゅうしゃく 14] 」「イモンカヌカルクㇽ [ 注釈 ちゅうしゃく 15] 」「カムイオッテナ [ 注釈 ちゅうしゃく 16] 」といった名称 めいしょう があり、幌別 ほろべつ 地方 ちほう では「トミンカㇽカムイ [ 注釈 ちゅうしゃく 17] 」「カムインカㇽクㇽ [ 注釈 ちゅうしゃく 18] 」「イソヤンケクㇽ [ 注釈 ちゅうしゃく 19] 」「カムイラメトㇰ [ 注釈 ちゅうしゃく 20] 」といった名称 めいしょう がある。
これらのアイヌ語 ご 名 めい のうち、「イコイキカムイ [ 注釈 ちゅうしゃく 21] 」「イコイキフンペ [ 注釈 ちゅうしゃく 22] 」「イソヤンケクㇽ [ 注釈 ちゅうしゃく 23] 」については、後述 こうじゅつ の「狩 か り」に由来 ゆらい する名称 めいしょう である[ 6] 。
中国 ちゅうごく 語 ご では、「虎 とら 鯨 くじら 」「殺 ころせ 手 しゅ 鯨 くじら 」「殺人 さつじん 鯨 くじら 」などの表記 ひょうき が存在 そんざい する[ 7] 。
シャチ属 ぞく に属 ぞく するのはシャチ1種 しゅ のみである。
体 からだ の大 おお きさでは小型 こがた のクジラ に分類 ぶんるい される。もちろん、体 からだ の大 おお きさでクジラとイルカ を分 わ けるのは系統 けいとう 的 てき ではなく、系統的 けいとうてき には同 おな じく小型 こがた のクジラであるゴンドウ 類 るい と共 とも にイルカ系統 けいとう の内部 ないぶ に位置 いち し、最 もっと も近 きん 縁 えん なカワゴンドウ と共 とも にマイルカ科 か シャチ亜 あ 科 か に分類 ぶんるい される[ 8] 。オキゴンドウ に近 きん 縁 えん とする説 せつ もある。
ゴンドウとは近 きん 縁 えん で、現在 げんざい はゴンドウの一種 いっしゅ とはされないが、歴史 れきし 的 てき にはゴンドウと呼 よ ばれることもあった[ 9] 。
尚 なお 、現在 げんざい では一種 いっしゅ とされるシャチであるが、複数 ふくすう の種 たね に分割 ぶんかつ する見解 けんかい もある(特徴 とくちょう を参照 さんしょう )。
マイルカ科 か の仲間 なかま では最大 さいだい の種 たね であり、平均 へいきん ではオスの体長 たいちょう は5.8 - 6.7メートル 、メスの体長 たいちょう は4.9 - 5.8メートル、オスの体重 たいじゅう は3,628 - 5,442キログラム 、メスの体重 たいじゅう は1,361 - 3,628キログラム。最大 さいだい 級 きゅう のオスでは体長 たいちょう は9.8メートル、体重 たいじゅう は10トン に達 たっ する[ 10] 。
背面 はいめん は黒 くろ 、腹 はら 面 めん は白色 はくしょく で、両目 りょうめ の上方 かみがた にアイパッチと呼 よ ばれる白 しろ い模様 もよう がある。生後 せいご 間 あいだ もない個体 こたい では、白色 はくしょく 部分 ぶぶん が薄 うす い茶色 ちゃいろ やオレンジ色 しょく を帯 お びている。この体 からだ 色 しょく は、群 む れで行動 こうどう するときに仲間 なかま 同士 どうし で位置 いち を確認 かくにん したり、獲物 えもの に進行 しんこう 方向 ほうこう を誤認 ごにん させたり、自身 じしん の体 からだ を大 おお きく見 み せたりする効果 こうか があると言 い われている。大 おお きな背 せ びれ を持 も ち、オスのものは最大 さいだい で2メートルに達 たっ する。
背 せ びれの根元 ねもと にサドルパッチと呼 よ ばれる灰色 はいいろ の模様 もよう があり、個々 ここ の模様 もよう や背 せ びれの形状 けいじょう は一 いち 頭 とう ずつ異 こと なるため、これを個体 こたい 識別 しきべつ の材料 ざいりょう とすることができる。
長 なが さ8 - 13センチメートル [ 11] の円錐 えんすい 状 じょう の鋭 するど い歯 は が上下 じょうげ の顎 あご に計 けい 44 - 48本 ほん 並 なら んでいる。歯 は の形状 けいじょう は全体 ぜんたい 的 てき にほぼ均一 きんいつ であり、獲物 えもの を咀嚼 そしゃく することよりも噛 か みちぎることに特 とく 化 か したものになっている。
シャチの分類 ぶんるい 例 れい 。
Type Cとされる個体 こたい 。アイパッチが他 た と比 くら べ小 ちい さい。
現時点 げんじてん では一種 いっしゅ として扱 あつか われているものの、少 すく なくとも南極 なんきょく 海 かい だけで1万 まん 年 ねん ほど前 まえ から混血 こんけつ のない3タイプに分化 ぶんか しており、食 しょく 性 せい 、サイズが異 こと なる。南極 なんきょく 海 かい 海域 かいいき のシャチについて区別 くべつ の必要 ひつよう がある場合 ばあい 、以下 いか のような分類 ぶんるい がなされることがある。現在 げんざい 、タイプBとCを別種 べっしゅ とすべきという研究 けんきゅう が提出 ていしゅつ されつつある[ 12] [ 13] 。
タイプA
最近 さいきん の論文 ろんぶん などでは「whale eater 」と記述 きじゅつ されることが多 おお い[要 よう 出典 しゅってん ] 。一般 いっぱん 的 てき にイメージされるシャチであり、クロミンククジラ 等 ひとし を主食 しゅしょく とする。アイパッチの大 おお きさは中間 ちゅうかん 的 てき 。流氷 りゅうひょう の少 すく ない沖合 おきあい に棲 す む。[ 14]
タイプB
最近 さいきん の論文 ろんぶん などでは「mammal eater 」と記述 きじゅつ されることが多 おお い[要 よう 出典 しゅってん ] 。タイプAよりやや小型 こがた であり、海 うみ 生 せい 哺乳類 ほにゅうるい を主食 しゅしょく とする。クロミンククジラ 、ナガスクジラ 、ペンギン 、アザラシ なども捕食 ほしょく する。アイパッチがAの2倍 ばい ほど大 おお きく、白色 はくしょく 部 ぶ がやや黄色 きいろ い。流氷 りゅうひょう のある沿岸 えんがん 近 ちか くに棲 す む。食 しょく 性 せい や体長 たいちょう などの違 ちが いから、ラージタイプBとスモールタイプBに分 わ ける説 せつ もある[ 15] 。
タイプC
最近 さいきん の論文 ろんぶん などでは「fish eater 」と記述 きじゅつ されること多 おお く、「Orcinus glacialis 」という学名 がくめい が新 あら たに提案 ていあん されている。最 もっと も小 ちい さいタイプであり、タイプAと比較 ひかく してオスで100センチメートル、メスで60センチメートルほど小 ちい さいと思 おも われる。タラ を中心 ちゅうしん とした魚 さかな 食 しょく 性 せい 。最 もっと も大 おお きな群 む れを作 つく る。アイパッチが他 た と比 くら べ小 ちい さく、体 からだ の中心 ちゅうしん 部 ぶ の黒白 くろしろ の境界 きょうかい 面 めん に対 たい して大 おお きな角度 かくど を持 も つ。白色 はくしょく 部 ぶ がやや黄色 きいろ い。流氷 りゅうひょう のある沿岸 えんがん 近 ちか くに棲 す む。[要 よう 出典 しゅってん ]
タイプD
2004年 ねん 以降 いこう 、提唱 ていしょう されるようになった種 たね 。通常 つうじょう よりも小 ちい さいアイパッチ、短 みじか い背 せ びれ、ゴンドウクジラ に似 に る丸 まる みを帯 お びた頭部 とうぶ によって認識 にんしき される。活動 かつどう 範囲 はんい は南緯 なんい 40度 ど 線 せん - 南緯 なんい 60度 ど の間 あいだ の亜 あ 南極 なんきょく 海域 かいいき で、地球 ちきゅう を回 まわ るように周回 しゅうかい していると考 かんが えられている。主 おも な食事 しょくじ については知 し られていないが、魚類 ぎょるい を捕食 ほしょく することが報告 ほうこく されている。[要 よう 出典 しゅってん ]
北 きた 太平洋 たいへいよう 付近 ふきん の観測 かんそく もある。研究 けんきゅう の進 すす んでいるカナダ のブリティッシュ・コロンビア州 しゅう で、定住 ていじゅう 型 がた (レジデント)、回遊 かいゆう 型 がた (トランジェント)、沖合 おきあい 型 がた (オフショア)の3タイプの個体 こたい 群 ぐん が知 し られている。定住 ていじゅう 型 がた は主 おも に魚 さかな を餌 えさ とし、大抵 たいてい は十 じゅう 数 すう 頭 とう の家族 かぞく 群 ぐん を形成 けいせい して生活 せいかつ する。魚 さかな の豊富 ほうふ な季 き 節 ぶし になると、特定 とくてい の海域 かいいき に定住 ていじゅう し、餌 えさ を追 お うことから定住 ていじゅう 型 がた と呼 よ ばれる。それに比 くら べ、回遊 かいゆう 型 がた は小 ちい さな群 む れまたは1頭 とう のみで生活 せいかつ し、決 き まった行動 こうどう 区域 くいき を持 も たず、餌 えさ も海 うみ に住 す む哺乳類 ほにゅうるい に限 かぎ られる。沖合 おきあい 型 がた は文字通 もじどお り沖合 おきあい に生息 せいそく し、何 なん 十 じゅう 頭 とう もの巨大 きょだい な群 む れを形成 けいせい する。3タイプの中 なか で最 もっと もデータが少 すく なく、餌 えさ についてもほとんど分 わ かっていないが、傷 きず が多 おお かったり歯 は がすり減 へ ったりしているという特徴 とくちょう があるため、手強 てごわ い獲物 えもの (サメなど)を食 くえ しているとも考 かんが えられている。[要 よう 出典 しゅってん ]
上 うえ に挙 あ げた3タイプのシャチ間 あいだ での交配 こうはい は報告 ほうこく されておらず、遺伝子 いでんし も異 こと なることがわかっている。[要 よう 出典 しゅってん ]
地球 ちきゅう 上 じょう で最 もっと も広 ひろ く分布 ぶんぷ する哺乳類 ほにゅうるい の一種 いっしゅ と言 い われる。
餌 えさ になる動物 どうぶつ が多 おお いことなどから、特 とく に極地 きょくち 付近 ふきん の沿岸 えんがん など一般 いっぱん 的 てき に冷水 れいすい 帯 たい を好 この むが、熱帯 ねったい をふくむ世界中 せかいじゅう の海 うみ に生息 せいそく し、地中海 ちちゅうかい やアラビア海 かい などにも生息 せいそく する。時 とき には餌 えさ を求 もと めて、数 すう 百 ひゃく キロメートルも川 かわ を遡上 そじょう することも報告 ほうこく されている。
主 おも にカナダ のブリティッシュコロンビア州 しゅう 、ノルウェー のティスフィヨルド 、アルゼンチン のパタゴニア (バルデス半島 はんとう など)、インド洋 いんどよう のクローゼット諸島 しょとう 、ニュージーランド 、オーストラリア 、北海道 ほっかいどう の知床半島 しれとこはんとう 、ロシア [ 注釈 ちゅうしゃく 24] 、ブリテン諸島 しょとう 、ジブラルタル海峡 かいきょう などに分布 ぶんぷ する個体 こたい 群 ぐん の研究 けんきゅう や個体 こたい 識別 しきべつ などが行 おこな われている。
現代 げんだい の日本 にっぽん 列島 れっとう の周辺 しゅうへん では、北方 ほっぽう 四 よん 島 とう から北海道 ほっかいどう [ 注釈 ちゅうしゃく 25] で際立 きわだ って目撃 もくげき が多 おお いが、仙台 せんだい 湾 わん 、山形 やまがた 県 けん や新潟 にいがた 県 けん [ 21] [ 22] 、銚子 ちょうし 市 し [ 23] 、相模 さがみ 湾 わん や駿河湾 するがわん [ 24] [ 25] 、熊野灘 くまのなだ (和歌山 わかやま 県 けん )、見島 みしま (萩 はぎ 市 し )[ 26] 、玄界灘 げんかいなだ [ 27] 、対馬 つしま 市 し [ 28] [ 29] 、南西諸島 なんせいしょとう [ 30] [ 31] 、朝鮮半島 ちょうせんはんとう 、中国 ちゅうごく (黄海 こうかい など)[ 32] 、台湾 たいわん [ 7] など各 かく 地域 ちいき にて時折 ときおり 目撃 もくげき されている。しかし、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん の終了 しゅうりょう 後 ご から1960年代 ねんだい にかけて東京 とうきょう 湾 わん [ 33] や大阪 おおさか 湾 わん の周辺 しゅうへん [ 34] をふくむ日本 にっぽん 列島 れっとう の各地 かくち [ 注釈 ちゅうしゃく 26] で1,600頭 とう 以上 いじょう が捕獲 ほかく されたため、現在 げんざい の生息 せいそく 数 すう と分布 ぶんぷ はこれらの捕獲 ほかく 以前 いぜん よりは大 おお きく制限 せいげん されていると思 おも われる[ 5] 。知床半島 しれとこはんとう では、白 しろ 変 へん 個体 こたい の記録 きろく もふくめてホエールウォッチング が可能 かのう なレベルにまで急増 きゅうぞう しているが、この背景 はいけい には個体 こたい 数 すう の回復 かいふく が一因 いちいん として考 かんが えられる[ 37] 。
ブリーチングするシャチ
シャチは、魚類 ぎょるい 全般 ぜんぱん 、サメ だけでなく、自分 じぶん の倍 ばい 以上 いじょう の大 おお きさであるヒゲクジラ亜 あ 目 め のうち最大 さいだい のシロナガスクジラ を含 ふく むクジラ などを群 む れ で襲 おそ って食 た べる。寿命 じゅみょう が長 なが く、年長 ねんちょう のメスを中心 ちゅうしん とする母系 ぼけい 社会 しゃかい を形成 けいせい する社会 しゃかい 性 せい を持 も つ動物 どうぶつ [ 38] 。
非常 ひじょう に活発 かっぱつ な動物 どうぶつ であり、ブリーチング[ 注釈 ちゅうしゃく 27] 、スパイホッピング[ 注釈 ちゅうしゃく 28] など、多彩 たさい な行動 こうどう が水上 すいじょう でも観察 かんさつ されている。また泳 およ ぐ速 はや さは時速 じそく 50㎞以上 いじょう に及 およ び、バンドウイルカ と並 なら んで、最 もっと も速 はや く泳 およ ぐことができる哺乳類 ほにゅうるい の一 ひと つである。餌 えさ を求 もと めて1日 にち に100キロメートル以上 いじょう も移動 いどう することが知 し られている。また、好奇心 こうきしん も旺盛 おうせい で、興味 きょうみ を持 も ったものには近寄 ちかよ って確 たし かめる習性 しゅうせい もある。
他 た のハクジラと同様 どうよう 、2つの種類 しゅるい の音 おと を使 つか い分 わ けていることが知 し られている。1つはコールと呼 よ ばれ、群 む れのメンバー同士 どうし のコミュニケーションに使用 しよう される。もう1つはクリック音 おん と呼 よ ばれ、噴気 ふんき 孔 あな の奥 おく にある溝 みぞ から、メロン と呼 よ ばれる脂肪 しぼう で凝縮 ぎょうしゅく して発射 はっしゃ する音波 おんぱ である。この音波 おんぱ は物質 ぶっしつ に当 あ たるまで水中 すいちゅう を移動 いどう するため、シャチはその反響 はんきょう 音 おん を下 した 顎 あご の骨 ほね から感 かん じ取 と ることで、前方 ぜんぽう に何 なに があるか判断 はんだん することができる。この能力 のうりょく をエコーロケーション(反響 はんきょう 定位 ていい )と呼 よ ぶ。クリック音 おん の性能 せいのう は高 たか く、わずか数 すう ミリメートルしか離 はな れていない2本 ほん の糸 いと を認識 にんしき したり、反響 はんきょう 音 おん の波形 はけい の違 ちが いから物質 ぶっしつ の成分 せいぶん 、果 は ては内容 ないよう 物 ぶつ まで認識 にんしき したりすることが可能 かのう だという。
オスの平均 へいきん 寿命 じゅみょう は30歳 さい 、最高 さいこう 寿命 じゅみょう は約 やく 50歳 さい で、メスの平均 へいきん 寿命 じゅみょう は50歳 さい 、最高 さいこう 寿命 じゅみょう は80歳 さい あまりである。世界 せかい 最 さい 高齢 こうれい のシャチ「グラニー」は105歳 さい まで生存 せいぞん したとされている。
野生 やせい のシャチの死因 しいん についての調査 ちょうさ が少 すく ないが、幼 おさな い個体 こたい は感染 かんせん 症 しょう と栄養 えいよう 不良 ふりょう 、若 わか いものや成体 せいたい の場合 ばあい は細菌 さいきん 感染 かんせん 症 しょう を含 ふく む病気 びょうき 、鈍 どん 的 てき 外傷 がいしょう が報告 ほうこく されている[ 39] [ 40] 。この報告 ほうこく では、全 ぜん 年齢 ねんれい での最大 さいだい の死因 しいん は、人間 にんげん が関係 かんけい するものが多 おお く、釣 つ り針 ばり の飲 の み込 こ み、漁網 ぎょもう に絡 から む、漁船 ぎょせん との衝突 しょうとつ などであった。
骨格 こっかく 標本 ひょうほん
肉食 にくしょく 性 せい で、知能 ちのう が非常 ひじょう に高 たか い。海洋 かいよう 系 けい での食物 しょくもつ 連鎖 れんさ の頂点 ちょうてん に立 た つ。武器 ぶき を使 つか うヒト を例外 れいがい にすると自然 しぜん 界 かい での天敵 てんてき は存在 そんざい しない。ただし弱 よわ った個体 こたい や体 からだ の小 ちい さな個体 こたい がサメや他 た の大型 おおがた のクジラに攻撃 こうげき されたり、シャチの体内 たいない から別 べつ のシャチが発見 はっけん されたりしたこともある(共食 ともぐ い )。利益 りえき にならない戦闘 せんとう は避 さ ける傾向 けいこう もあり、特 とく に人間 にんげん を襲 おそ うことは少 すく ないと考 かんが えられている。一方 いっぽう で、遊 あそ び目的 もくてき で虐殺 ぎゃくさつ するなどの行為 こうい も見 み られることもあり、アザラシ やオタリア を襲 おそ うとき、海面 かいめん 上 じょう に放 ひ り投 な げ必要 ひつよう 以上 いじょう の苦痛 くつう を与 あた えることがある。目的 もくてき ははっきりしたことは未 いま だわかっていない。
各 かく タイプのメインの獲物 えもの だけでなく、小 ちい さいものでは魚 さかな 、イカ 、海鳥 うみどり 、ペンギン 、比較的 ひかくてき 大 おお きなものではオタリア、アザラシ、イルカ 、ホッキョクグマ 、時 とき にはクジラやサメなど、捕食 ほしょく する動物 どうぶつ は多岐 たき にわたるとされる。一部 いちぶ を別種 べっしゅ とする学説 がくせつ すらあることからわかるように、1頭 とう のシャチが様々 さまざま な種類 しゅるい の動物 どうぶつ を捕食 ほしょく するというより、個体 こたい ごとに様々 さまざま な好 この みを持 も った生物 せいぶつ であると理解 りかい した方 ほう が現実 げんじつ に近 ちか い。個体 こたい ごとに見 み れば、どちらかといえば偏食 へんしょく な動物 どうぶつ である。
ヒゲクジラ類 るい では、比較的 ひかくてき 小 ちい さいミンククジラ やコククジラ の幼 よう 獣 じゅう がより狙 ねら われる傾向 けいこう にあり、まれに未 み 成熟 せいじゅく のザトウクジラ やシロナガスクジラ なども狙 ねら う。ヒゲクジラ類 るい はシャチよりも体 からだ が遥 はる かに大 おお きく、幼 よう 獣 じゅう には大抵 たいてい は母 はは クジラが側 がわ にいて守 まも ろうとするため、シャチにとっても手強 てごわ い獲物 えもの となる[ 41] 。また、ヒゲクジラ 類 るい やマッコウクジラ の成獣 せいじゅう は身体 しんたい が大 おお きく力 ちから も強 つよ いため、シャチ自身 じしん が致命傷 ちめいしょう を負 お いかねない[ 42] こともあり襲撃 しゅうげき の頻度 ひんど は大 おお きく下 さ がる。2023年 ねん には、合計 ごうけい 30頭 とう のシャチが2頭 とう の成熟 せいじゅく したコククジラ を約 やく 6時 じ 間 あいだ にわたって攻撃 こうげき しつづけたが、結局 けっきょく は捕食 ほしょく に失敗 しっぱい した観察 かんさつ 例 れい が記録 きろく されている[ 43] 。ほかにも鯨 くじら 種 しゅ が対抗 たいこう 手段 しゅだん を見 み せる事例 じれい もあり、ザトウクジラ がシャチを攻撃 こうげき して他 た の種類 しゅるい の鯨 くじら 類 るい や鰭 ひれ 脚 あし 類 るい やマンボウ などを助 たす けたり[ 44] [ 45] [ 46] 、シャチの群 む れに襲撃 しゅうげき されたマッコウクジラ の雌 めす と子供 こども の群 む れを近 ちか くにいた未 み 成熟 せいじゅく の雄 ゆう のマッコウクジラが襲撃 しゅうげき 場面 ばめん に乱入 らんにゅう ・救助 きゅうじょ して共 とも に脱出 だっしゅつ したり[ 47] 、ミナミセミクジラ やマッコウクジラによる(シャチへの対策 たいさく として)集団 しゅうだん で円陣 えんじん を組 く む行動 こうどう が確認 かくにん されたり[ 48] 、ミナミセミクジラとザトウクジラの2種 しゅ による混合 こんごう 円陣 えんじん が確認 かくにん されたこともある[ 49] 。また、ヒレナガゴンドウ やコビレゴンドウ はシャチの声 こえ を察知 さっち すると集団 しゅうだん でシャチの群 む れを追跡 ついせき して追 お い回 まわ し、シャチの群 む れがその海域 かいいき から退散 たいさん する[ 50] [ 51] 。また、沿岸 えんがん 性 せい の強 つよ いヒゲクジラ類 るい とくにセミクジラ科 か は、シャチの襲撃 しゅうげき への対策 たいさく として、自然 しぜん 界 かい 由来 ゆらい の騒音 そうおん が多 おお くシャチの行動 こうどう を抑制 よくせい する浅瀬 あさせ を積極 せっきょく 的 てき に利用 りよう する[ 49] 。
氷 こおり の下 した からの奇襲 きしゅう 、群 む れでの協力 きょうりょく 、挟 はさ み撃 う ちなど、高度 こうど な狩 か りの技術 ぎじゅつ を持 も つ。前述 ぜんじゅつ のクリック音 おん を通常 つうじょう より凝縮 ぎょうしゅく させて獲物 えもの に当 あ てて麻痺 まひ させ、捕食 ほしょく しやすくする行動 こうどう も知 し られている。また、アルゼンチンのバルデス半島 はんとう においては、海中 かいちゅう から浜辺 はまべ へ突進 とっしん し這 ば い上 あ がり、浜辺 はまべ にいるアシカ やオタリアなどを捕食 ほしょく する「オルカアタック」と呼 よ ばれる行動 こうどう がみられる。水面 すいめん 下 か を遊泳 ゆうえい していた3メートルほどのサメを真下 ました から攻撃 こうげき して一 いち 撃 げき で仕留 しと めた例 れい を、海洋 かいよう 学者 がくしゃ のジャック=イヴ・クストー の海洋 かいよう 探査 たんさ 船 せん が報告 ほうこく している。サメやエイ を捕食 ほしょく する場合 ばあい 、獲物 えもの の身体 しんたい をひっくり返 かえ し擬 なずらえ 死 し 状態 じょうたい にすることで抵抗 ていこう 出来 でき なくしてから食 た べる[ 52] 。軟骨 なんこつ 魚類 ぎょるい 特有 とくゆう の性質 せいしつ を用 もち いた有効 ゆうこう な狩猟 しゅりょう 方法 ほうほう だが、エイの尾 お にある猛毒 もうどく によって致命傷 ちめいしょう を負 お うこともある。口 くち に入 い れた魚 さかな を吐 は き出 だ してカモメ をおびき寄 よ せ、集 あつ まってきたカモメを食 くえ した例 れい も報告 ほうこく されている。また、氷上 ひかみ にいたアザラシに対 たい し、群 む れで氷 こおり の下 した を何 なん 度 ど も通過 つうか し、大 おお きな波 なみ を起 お こして海中 かいちゅう に落 お としてから捕食 ほしょく した事例 じれい も報告 ほうこく されている。クジラの幼 よう 獣 じゅう を襲 おそ う際 さい は、幼 よう 獣 じゅう の上 うえ から繰 く り返 かえ し圧 お し掛 か かって呼吸 こきゅう を妨害 ぼうがい し、窒息 ちっそく させて仕留 しと めることが多 おお い。だがその際 さい 、前述 ぜんじゅつ の通 とお り母 はは クジラが幼 よう 獣 じゅう を守 まも ろうとするため、場合 ばあい によっては仕留 しと めるのに何 なん 時 じ 間 あいだ もかかるうえ、失敗 しっぱい することも多 おお い。
好物 こうぶつ はクジラの舌 した 、口 くち 付近 ふきん であり、他 た の多 おお くの部分 ぶぶん は放置 ほうち されるが、しばしばシャチがクジラの死体 したい のある場所 ばしょ に訪 おとず れて死体 したい を食 た べることがある[ 53] 。
シャチは高 たか い知能 ちのう を持 も つ動物 どうぶつ であり、確実 かくじつ にとは言 い えないが無駄 むだ な狩 か りを行 おこな わないが、好奇心 こうきしん があり、じゃれようとした際 さい に相手 あいて にけがをさせたという例 れい が多 おお い。
シャチが、仲間 なかま に危害 きがい を加 くわ えた人間 にんげん に報復 ほうふく したと見 み られるケースは報告 ほうこく されている。また、サーファー が足 あし を噛 か まれた例 れい があるが、これもじゃれたり、シャチ特有 とくゆう の好奇心 こうきしん の強 つよ さによるアプローチだったりとされ、捕食 ほしょく 目的 もくてき とは違 ちが うと見 み られる。ただし、もしシャチが現実 げんじつ に人間 にんげん を捕食 ほしょく 目的 もくてき で襲 おそ ったとすれば、歯 は と顎 あご の大 おお きさからひとたまりもなく捕食 ほしょく される。また、水族館 すいぞくかん で飼育 しいく されているシャチがステージ上 じょう にいた飼育 しいく 員 いん を水中 すいちゅう に引 ひ きずり込 こ み溺死 できし させる事件 じけん も起 お こっている[ 54] 。この事例 じれい の個体 こたい は過去 かこ にも飼育 しいく 員 いん と客 きゃく を死 し なせており、三 さん 人 にん 目 め の犠牲 ぎせい 者 しゃ であった[ 55] 。
これまでにシャチが意図 いと 的 てき に人 ひと を食 く い殺 ころ したというはっきりした事例 じれい は知 し られていないが、その巨体 きょたい ゆえにじゃれる程度 ていど でも場合 ばあい によっては被害 ひがい に遭 あ う可能 かのう 性 せい もあり、安全 あんぜん とは言 い いがたい部分 ぶぶん もあるので、触 ふ れる場合 ばあい にも細心 さいしん の注意 ちゅうい をするに越 こ したことはない。これはシャチに限 かぎ らず、大型 おおがた の動物 どうぶつ 類 るい すべてに言 い えることでもある。
また、経済 けいざい 面 めん では漁業 ぎょぎょう 被害 ひがい も発生 はっせい しており、日本 にっぽん の北海道 ほっかいどう では漁獲 ぎょかく 対象 たいしょう の魚 さかな を食 た べられたり、漁網 ぎょもう を破 やぶ られたりした事例 じれい が報告 ほうこく されている[ 56] 。道東 どうとう の釧路 くしろ 町 まち では、シャチが漁網 ぎょもう ごと魚 ぎょ を食 く いちぎる動画 どうが を地元 じもと 漁業 ぎょぎょう 者 しゃ が撮影 さつえい し、被害 ひがい の深刻 しんこく さを訴 うった えている。これも動物 どうぶつ が生活 せいかつ をして行 い く上 うえ では欠 か かせない食事 しょくじ という行為 こうい であり、人間 にんげん のルールを野生 やせい の動物 どうぶつ に適応 てきおう させるのはほとんど無理 むり であるため、難 むずか しい問題 もんだい である。
捕鯨 ほげい が広 ひろ く行 おこな われていた時代 じだい には、仕留 しと めたクジラ(鯨 くじら )を食 く いにやって来 き たシャチによる食害 しょくがい もあり、ノルウェー などの日本 にっぽん 以外 いがい の捕鯨 ほげい 国 こく では、シャチ撃退 げきたい 用 よう にライフルマンを雇 やと っていたこともあったほどであった。
群 む れるシャチ
単体 たんたい 、または数 すう 頭 とう から数 すう 十 じゅう 頭 とう ほどの群 む れ (ポッド)を作 つく って生活 せいかつ し、非常 ひじょう に社会 しゃかい 的 てき な生活 せいかつ を営 いとな む。
群 む れは多 おお くの場合 ばあい 、母親 ははおや を中心 ちゅうしん とした血 ち の繋 つな がった家族 かぞく のみで構成 こうせい され、オスは通常 つうじょう 一生 いっしょう を同 おな じ群 む れで過 す ごし、メスも自身 じしん の群 む れを新 あたら しく形成 けいせい するものの、生 う まれた群 む れから離 はな れることは少 すく ない(これらの情報 じょうほう は主 おも に、研究 けんきゅう の比較的 ひかくてき 進 すす んでいるカナダのレジデント個体 こたい 群 ぐん から集 あつ められたものであり、同 どう 海域 かいいき でのほかの2タイプ、または他 た の海域 かいいき のシャチ全 すべ てに当 あ てはまるわけではない)。それぞれの群 む れは、その家族 かぞく 独自 どくじ の「方言 ほうげん 」とも呼 よ ばれるコールを持 も ち、それにより情報 じょうほう を互 たが いに交換 こうかん し合 あ っている。「方言 ほうげん 」は親 おや から子 こ へ、代々 だいだい 受 う け継 つ がれていく。群 む れの中 なか でのじゃれ合 あ いなどのほかにも、違 ちが う群 む れ同士 どうし が交 ま じり合 あ い、特 とく に若 わか い個体 こたい 間 あいだ での揉 も み合 あ いや、激 はげ しいコールの交換 こうかん なども観察 かんさつ されている。ある特定 とくてい の海域 かいいき では年 とし に1回 かい 、いくつもの家族 かぞく が100頭 とう 以上 いじょう の群 む れを形成 けいせい する「スーパーポッド」という行動 こうどう も知 し られている。この行動 こうどう は、複数 ふくすう の家族 かぞく が任意 にんい な交配 こうはい を行 おこな うことで、それぞれの家族 かぞく の血 ち が濃 こ くなるのを防 ふせ ぐためだと考 かんが えられている。
特 とく に、生 う まれたばかりの個体 こたい に対 たい する「気配 きくば り」とも取 と れる行動 こうどう は多 おお く観察 かんさつ されている。母親 ははおや が餌 えさ 取 と りに専念 せんねん している間 あいだ 、他 た のメスが若 わか い個体 こたい の面倒 めんどう を見 み る「ベビーシッティング」的 てき な行動 こうどう や、自身 じしん のとった獲物 えもの を若 わか い個体 こたい に譲 ゆず ったり、狩 か りの練習 れんしゅう をさせるためにわざと獲物 えもの を放 はな ったりすることも知 し られている[ 注釈 ちゅうしゃく 29] 。一般 いっぱん に、生 う まれたばかりの若 わか い個体 こたい のいる群 む れは移動 いどう 速度 そくど が遅 おそ く、潜水 せんすい 時間 じかん も短 みじか い。このあたりから、バンドウイルカなどと非常 ひじょう に似通 にかよ った習性 しゅうせい を持 も つと考 かんが えられる。
2018年 ねん には、生後 せいご 間 あいだ もなく死 し んだ子供 こども のシャチを3日間 にちかん にわたり浮 う き上 あ がらせようとする母 はは シャチが確認 かくにん された[ 57] 。
ザトウクジラ の子供 こども を追 お い込 こ む「オールド・トム(英語 えいご 版 ばん )」と捕鯨 ほげい 業者 ぎょうしゃ (イーデン )。
捕鯨 ほげい (直接 ちょくせつ の捕 と 殺 ころせ や飼育 しいく 目的 もくてき の捕獲 ほかく を含 ふく む)以外 いがい では、混 こん 獲 え や船舶 せんぱく との衝突 しょうとつ などの人間 にんげん 社会 しゃかい に由来 ゆらい する数々 かずかず の脅威 きょうい に晒 さら されている。
一方 いっぽう で、ホエールウォッチング などエコツーリズム における観察 かんさつ 対象 たいしょう としても人気 にんき である。
特異 とくい な例 れい として、19世紀 せいき 下旬 げじゅん から20世紀 せいき 上旬 じょうじゅん にかけてオーストラリア のニューサウスウェールズ州 しゅう の沿岸 えんがん にいた「オールド・トム(英語 えいご 版 ばん )」とその一族 いちぞく は、地元 じもと の捕鯨 ほげい 業者 ぎょうしゃ と協力 きょうりょく 関係 かんけい を結 むす び、ヒゲクジラ 類 るい を湾内 わんない に追 お い込 こ んで褒美 ほうび として肉 にく を与 あた えられていた。
鴨川 かもがわ シーワールド でのシャチショー
マイアミ水族館 すいぞくかん で芸 げい をするロリータという名 な のシャチ
人間 にんげん には懐 なつ きやすく訓練 くんれん への適応 てきおう も高 たか いので、幾 いく つかの水族館 すいぞくかん で飼育 しいく され、ショーにも利用 りよう される。日本 にっぽん 、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 、カナダ、フランス 、スペイン 、アルゼンチンの6ヶ国 かこく 11施設 しせつ で、計 けい 42頭 とう が飼育 しいく されている(2008年 ねん )。うち、野生 やせい 個体 こたい (野生 やせい 状態 じょうたい から捕獲 ほかく した個体 こたい )13頭 とう 、繁殖 はんしょく 個体 こたい (飼育 しいく 下 か で出産 しゅっさん された個体 こたい )29頭 とう である[ 58] 。
日本 にっぽん での初 はつ 飼育 しいく は、1970年 ねん の鴨川 かもがわ シーワールド である[ 59] 。日本 にっぽん 初 はつ の飼育 しいく 下 か 繁殖 はんしょく 成功 せいこう は1998年 ねん の鴨川 かもがわ シーワールド(「ラビー」、メス)であり、さらに「ラビー」は2008年 ねん に日本 にっぽん 初 はつ の飼育 しいく 下 か 3世 せい を出産 しゅっさん (「アース」、オス)している[ 59] [ 60] 。
過去 かこ には伊豆 いず 三津 みつづ シーパラダイス 、太地 たいち 町立 ちょうりつ くじらの博物館 はくぶつかん 、アドベンチャーワールド 、江 え の島 しま 水族館 すいぞくかん で飼育 しいく されていた。2024年 ねん 6月 がつ 時点 じてん で、日本 にっぽん では鴨川 かもがわ シーワールド、名古屋 なごや 港 こう 水族館 すいぞくかん 、神戸 こうべ 須磨 すま シーワールド の3施設 しせつ [ 61] で飼育 しいく 展示 てんじ されている。
1997年 ねん に、和歌山 わかやま 県 けん 太地 たいじ 町 まち で5頭 とう のシャチが追 お い込 こ み猟 りょう で捕獲 ほかく された。5頭 とう のシャチのうちの1頭 とう は妊娠 にんしん しており、お腹 なか に子供 こども がいた。しかし、これら全 すべ てのシャチが死亡 しぼう した。日本 にっぽん 国内 こくない での捕獲 ほかく は学術 がくじゅつ 目的 もくてき 以外 いがい では禁止 きんし されている。
フランスでは、2026年 ねん からイルカショーやシャチショーが禁止 きんし され、2028年 ねん から野生 やせい 動物 どうぶつ の所有 しょゆう 自体 じたい が違法 いほう になる。
その他 た 、既 すで にヨーロッパの20か国 こく 以上 いじょう は、動物 どうぶつ を娯楽 ごらく 目的 もくてき で利用 りよう することを禁止 きんし している。
アメリカ海軍 かいぐん や海上 かいじょう 自衛隊 じえいたい において、潜水 せんすい 艦 かん 乗組 のりくみ 員 いん の徽章 きしょう はシャチをあしらったデザインだが、「ドルフィン マーク」と呼 よ ばれている[ 62] [ 63] 。
大阪 おおさか 市 し に本社 ほんしゃ を置 お く大和冷機工業 だいわれいきこうぎょう 株式会社 かぶしきがいしゃ はシンボルマークにシャチを採用 さいよう しており、冷蔵庫 れいぞうこ や製氷 せいひょう 機 き に掲 かか げている。
Jリーグ・名古屋 なごや グランパスエイト の公式 こうしき マスコットグランパスくん 、およびその家族 かぞく の「グランパスファミリー」は、いずれもシャチをモチーフにしている[ 64] 。
関西 かんさい 独立 どくりつ リーグ (さわかみ関西 かんさい 独立 どくりつ リーグ)の和歌山 わかやま ウェイブス は、チームのロゴにシャチをあしらっており[ 65] 、2024年 ねん には「ウェイビー」というイメージキャラクターも制定 せいてい された[ 66] 。
シャチはその知名度 ちめいど 故 ゆえ に、海 うみ を舞台 ぶたい にした映画 えいが や漫画 まんが などの作品 さくひん に多 おお く登場 とうじょう する。
映画 えいが 『ブラックフィッシュ 』(Blackfish)アメリカ フロリダ州 しゅう のシーワールド のシャチがトレーナーを殺 ころ した事故 じこ について言及 げんきゅう し、それを通 つう じて海洋 かいよう 哺乳類 ほにゅうるい をエンタテイメント産業 さんぎょう の一環 いっかん として利用 りよう する産業 さんぎょう そのものとシーワールドに対 たい してその意義 いぎ を問 と いかけている。日本 にっぽん 国内 こくない では未 み 公開 こうかい 。
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