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労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいほう

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労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいほう
日本国政府国章(準)
日本にっぽん法令ほうれい
通称つうしょう略称りゃくしょう 安衛やすえほうろう安衛やすえほう
法令ほうれい番号ばんごう 昭和しょうわ47ねん法律ほうりつだい57ごう
種類しゅるい 労働ろうどうほう
効力こうりょく 現行げんこうほう
成立せいりつ 1972ねん6がつ2にち
公布こうふ 1972ねん6がつ8にち
施行しこう 1972ねん10がつ1にち
おも内容ないよう 労働ろうどう環境かんきょう安全あんぜん衛生えいせい環境かんきょう維持いじなど
関連かんれん法令ほうれい 労働ろうどう基準きじゅんほう
条文じょうぶんリンク 総務そうむしょう法令ほうれいデータ提供ていきょうシステム(ほう施行しこうれい規則きそく
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労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいほう(ろうどうあんぜんえいせいほう、昭和しょうわ47ねん法律ほうりつだい57ごう)は、労働ろうどうしゃ安全あんぜん衛生えいせいについての基準きじゅんさだめた日本にっぽん法律ほうりつである。

構成こうせい

  • だい1しょう:総則そうそくだい1じょうだい5じょう
  • だい2しょう:労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかくだい6じょうだい9じょう
  • だい3しょう:安全あんぜん衛生えいせい管理かんり体制たいせいだい10じょうだい19じょうの3)
  • だい4しょう:労働ろうどうしゃ危険きけんまた健康けんこう障害しょうがい防止ぼうしするための措置そちだい20じょうだい36じょう
  • だい5しょう:機械きかいひとしおよ有害ゆうがいぶつかんする規制きせいだい37じょうだい58じょう
  • だい6しょう:労働ろうどうしゃ就業しゅうぎょうとうたつての措置そちだい59じょうだい63じょう
  • だい7しょう:健康けんこう保持ほじ増進ぞうしんのための措置そちだい64じょうだい71じょう
  • だい7しょうの2:快適かいてき職場しょくば環境かんきょう形成けいせいのための措置そちだい71じょうの2~だい71じょうの4)
  • だい8しょう:免許めんきょとうだい72じょうだい77じょう
  • だい9しょう:安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかくとうだい78じょうだい87じょう
  • だい10しょう:監督かんとくとうだい88じょうだい100じょう
  • だい11しょう:雑則ざっそくだい101じょうだい115じょう
  • だい12しょう:罰則ばっそくだい115じょうの2~だい123じょう
  • 附則ふそく
  • 別表べっぴょうだいいちべつひょうだいじゅう

目的もくてきとう

本法ほんぽうは、労働ろうどう基準きじゅんほうあいまって労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしのための危害きがい防止ぼうし基準きじゅん確立かくりつ責任せきにん体制たいせい明確めいかくおよ自主じしゅてき活動かつどう促進そくしん措置そちこうずるひとしその防止ぼうしかんする総合そうごうてき計画けいかくてき対策たいさく推進すいしんすることにより職場しょくばにおける労働ろうどうしゃ安全あんぜん健康けんこう確保かくほするとともに、快適かいてき職場しょくば環境かんきょう形成けいせい促進そくしん目的もくてきとする法律ほうりつである(1じょう)。労働ろうどうしゃ安全あんぜん衛生えいせいについてはかつては労働ろうどう基準きじゅんほう規定きていがあったが、これらの規定きてい分離ぶんり独立どくりつさせてつくられたのが本法ほんぽうである。したがって、本法ほんぽう労働ろうどう基準きじゅんほうとは一体いったいとしての関係かんけいつ。一方いっぽうで、本法ほんぽうには労働ろうどう基準きじゅんほうから修正しゅうせい充実じゅうじつされたてんあらたに付加ふかされた特徴とくちょうなど、独自どくじ内容ないようすくなくない。

事業じぎょうしゃは、たんにこの法律ほうりつさだめる労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしのための最低さいてい基準きじゅんまもるだけでなく、快適かいてき職場しょくば環境かんきょう実現じつげん労働ろうどう条件じょうけん改善かいぜんつうじて職場しょくばにおける労働ろうどうしゃ安全あんぜん健康けんこう確保かくほするようにしなければならない。また、事業じぎょうしゃは、くに実施じっしする労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしかんする施策しさく協力きょうりょくするようにしなければならない(3じょう1こう)。機械きかい器具きぐその設備せつび設計せっけいし、製造せいぞうし、しくは輸入ゆにゅうするもの原材料げんざいりょう製造せいぞうし、しくは輸入ゆにゅうするものまた建設けんせつぶつ建設けんせつし、しくは設計せっけいするものは、これらのもの設計せっけい製造せいぞう輸入ゆにゅうまた建設けんせつさいして、これらのもの使用しようされることによる労働ろうどう災害さいがい発生はっせい防止ぼうしするようにつとめなければならない(3じょう2こう)。建設けんせつ工事こうじ注文ちゅうもんしゃとう仕事しごと他人たにん請負うけおいわせるものは、施工しこう方法ほうほう工期こうきとうについて、安全あんぜん衛生えいせいてき作業さぎょう遂行すいこうをそこなうおそれのある条件じょうけんさないように配慮はいりょしなければならない(3じょう3こう)。事業じぎょうしゃのみならず、設計せっけいしゃ注文ちゅうもんしゃとうについても一定いってい責務せきむしている。さらに、労働ろうどうしゃは、労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしするため必要ひつよう事項じこうまもるほか、事業じぎょうしゃその関係かんけいしゃ実施じっしする労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしかんする措置そち協力きょうりょくするようにつとめなければならない4じょう)。労働ろうどう基準きじゅんほうが「最低さいてい基準きじゅん確保かくほ」を目的もくてきとしているのにたいし、本法ほんぽう最低さいてい基準きじゅん確保かくほするだけでなく、よりすすんで適切てきせつなレベルの職場しょくば環境かんきょう実現じつげんすることを目指めざしている。

2以上いじょう建設けんせつぎょうぞくする事業じぎょう事業じぎょうしゃが、いち場所ばしょにおいておこなわれる当該とうがい事業じぎょう仕事しごと共同きょうどう連帯れんたいして請負うけおった場合ばあいにおいては、当該とうがい届出とどけでかか仕事しごと開始かいしの14にちまえまでに、そのうちの一人ひとり代表だいひょうしゃとしてさだめ(代表だいひょうしゃ選定せんていは、出資しゅっし割合わりあいその工事こうじ施行しこうたっての責任せきにん程度ていど考慮こうりょしておこなわなければならない)、これを(当該とうがい仕事しごとおこなわれる場所ばしょ管轄かんかつする労働ろうどう基準きじゅん監督かんとくしょちょう経由けいゆして)当該とうがい仕事しごとおこなわれる場所ばしょ管轄かんかつする都道府県とどうふけん労働ろうどうきょくながとどなければならない(5じょう1こう施行しこう規則きそくだい1じょう)。届出とどけでがないときは、都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょう代表だいひょうしゃ指名しめいする(5じょう2こう)。共同きょうどう事業じぎょうたい(ジョイントベンチャー)とう複数ふくすう事業じぎょうしゃかかわる現場げんばでは責任せきにん所在しょざいがあいまいになりがちであるため、事業じぎょうしゃのうちいちにん代表だいひょうしゃのみをその事業じぎょう事業じぎょうしゃとみなして本法ほんぽうもとづく義務ぎむわせるためである。

なお、本法ほんぽうには労働ろうどう契約けいやく直接ちょくせつ規制きせいする効力こうりょく規定きてい存在そんざいしない。しかし労働ろうどうしゃ安全あんぜん衛生えいせいかんする事項じこう労働ろうどう条件じょうけん明示めいじ事項じこう労働ろうどう基準きじゅんほうだい15じょう)、就業しゅうぎょう規則きそく記載きさい事項じこう労働ろうどう基準きじゅんほうだい89じょう)となっていて、その解釈かいしゃく基準きじゅんについては当然とうぜん本法ほんぽう機能きのうする。

前述ぜんじゅつのような条文じょうぶんとの関係かんけいじょう関連かんれんする法律ほうりつ規則きそくふくめると条文じょうぶんすうは1500じょうえる[1]本法ほんぽう主体しゅたいに、労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいほう施行しこうれい施行しこうれいれい)でこまかな部分ぶぶん規定きていする。実際じっさい仕様しようとうは「労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい規則きそく」(安衛やすえそく(あんえいそく))でめられる。参照さんしょううえ確認かくにん必要ひつよう

定義ていぎ

労働ろうどう災害さいがい
労働ろうどうしゃ就業しゅうぎょうかか建設けんせつぶつ設備せつび原材料げんざいりょう、ガス、蒸気じょうきふんじんとうにより、また作業さぎょう行動こうどうその業務ぎょうむ起因きいんして、労働ろうどうしゃ負傷ふしょうし、疾病しっぺいにかかり、また死亡しぼうすることをいう(2じょう1こう)。
労働ろうどうしゃ
労働ろうどう基準きじゅんほうだい9じょう規定きていする労働ろうどうしゃ同居どうきょ親族しんぞくのみを使用しようする事業じぎょうまた事務所じむしょ使用しようされるものおよ家事かじ使用人しようにんのぞく。)をいう(2じょう2こう)。
事業じぎょうしゃ
事業じぎょうおこなもので、労働ろうどうしゃ使用しようするものをいう(2じょう3こう)。その事業じぎょうにおける経営けいえい主体しゅたいのことをいい、会社かいしゃなどの法人ほうじんについては、法人ほうじん代表だいひょうしゃ個人こじんではなく、法人ほうじんそのものをいう。したがって、労働ろうどう基準きじゅんほうだい10じょうでいう「使用しようしゃ」とはかならずしも一致いっちしない。
事業じぎょうじょう区分くぶんについては、その業態ぎょうたいによって個別こべつけっするものとし、経営けいえい人事じんじとう管理かんり業務ぎょうむをもっぱらっている本社ほんしゃ支店してんなどは、その管理かんりする系列けいれつ事業じぎょうじょう業種ぎょうしゅとは無関係むかんけい決定けっていするものとする(昭和しょうわ47ねん9がつ18にちもとはつ91ごう)。たとえば、製鉄せいてつしょ製造せいぞうぎょうとされるが、当該とうがい製鉄せいてつしょ管理かんりする本社ほんしゃ製鉄せいてつぎょうとはされない(「その業種ぎょうしゅ」となる)。
化学かがく物質ぶっしつ
元素げんそおよ化合かごうぶつをいう(2じょう3こうの2)。
作業さぎょう環境かんきょう測定そくてい
作業さぎょう環境かんきょう実態じったい把握はあくするため空気くうき環境かんきょうその作業さぎょう環境かんきょうについておこなデザイン、サンプリングおよ分析ぶんせき解析かいせきふくむ。)をいう(2じょう4こう)。

安全あんぜん衛生えいせい管理かんり体制たいせい

詳細しょうさいかく記事きじ参照さんしょうのこと。

一般いっぱんてき体制たいせい

総括そうかつ安全あんぜん衛生えいせい管理かんりしゃ(10じょう)、安全あんぜん管理かんりしゃ(11じょう)、衛生えいせい管理かんりしゃ(12じょう)、安全あんぜん衛生えいせい推進すいしんしゃ衛生えいせい推進すいしんしゃ(12じょうの2)、産業さんぎょう(13じょう)、作業さぎょう主任しゅにんしゃ(14じょう)、安全あんぜん委員いいんかい(17じょう)、衛生えいせい委員いいんかい(18じょう)、安全あんぜん衛生えいせい委員いいんかい(19じょう

特定とくてい元方もとかた事業じぎょうしゃいち場所ばしょ作業さぎょうおこな場合ばあいにおける体制たいせい

統括とうかつ安全あんぜん衛生えいせい責任せきにんしゃ(15じょう)、元方もとかた安全あんぜん衛生えいせい管理かんりしゃ(15じょうの2)、みせしゃ安全あんぜん衛生えいせい管理かんりしゃ(15じょうの3)、安全あんぜん衛生えいせい責任せきにんしゃ(16じょう

くにとうこうずべき措置そち

厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、労働ろうどう政策せいさく審議しんぎかい意見いけんをきいて、労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしのための主要しゅよう対策たいさくかんする事項じこうその労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしかん重要じゅうよう事項じこうさだめた計画けいかく労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかく)を策定さくていしなければならず(6じょう)、策定さくていしたとき、変更へんこうしたときは遅滞ちたいなく、これを公表こうひょうしなければならない(8じょう)。厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、労働ろうどう災害さいがい発生はっせいじょうきょう労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしかんする対策たいさく効果こうかとう考慮こうりょして必要ひつようがあるとみとめるときは、労働ろうどう政策せいさく審議しんぎかい意見いけんをきいて、労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかく変更へんこうしなければならない(7じょう)。現在げんざい、2013ねん平成へいせい25ねん)4がつからの5年間ねんかん計画けいかく期間きかんとする「だい12労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかく」の期間きかんちゅうであり、2017(平成へいせい29)ねんまでに「死亡しぼう災害さいがい撲滅ぼくめつ目指めざして、労働ろうどう災害さいがいによる死亡しぼうしゃすうを15%以上いじょう減少げんしょうさせる」こと、「労働ろうどう災害さいがいによる休業きゅうぎょう4にち以上いじょう死傷ししょうしゃかずを15%以上いじょう減少げんしょうさせる」ことを目標もくひょうとして、各種かくしゅ取組とりくみすすんでいる。厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかく的確てきかくかつ円滑えんかつ実施じっしのため必要ひつようがあるとみとめるときは、事業じぎょうしゃ事業じぎょうしゃ団体だんたいその関係かんけいしゃたいし、労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしかんする事項じこうについて必要ひつよう勧告かんこくまた要請ようせいをすることができる(9じょう)。

事業じぎょうしゃとうこうずべき措置そち

事業じぎょうしゃ責務せきむ業種ぎょうしゅわない)
  • 事業じぎょうしゃは、所定しょてい危険きけん防止ぼうしするため必要ひつよう措置そち健康けんこう障害しょうがい防止ぼうしするため必要ひつよう措置そちこうじなければならない(20じょう~22じょう)。
  • 事業じぎょうしゃは、労働ろうどうしゃ作業さぎょう行動こうどうからしょうずる労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしするため必要ひつよう措置そちこうじなければならない(24じょう)。
  • 事業じぎょうしゃは、労働ろうどう災害さいがい発生はっせい急迫きゅうはくした危険きけんがあるときは、ただちに作業さぎょう中止ちゅうし労働ろうどうしゃ作業場さぎょうばから退避たいひさせるとう必要ひつよう措置そちこうじなければならない(25じょう)。
  • 事業じぎょうしゃは、建設けんせつぶつ設備せつび原材料げんざいりょう、ガス、蒸気じょうき粉塵ふんじんとうによる、また作業さぎょう行動こうどうその業務ぎょうむ起因きいんする危険きけんせいまた有害ゆうがいせいとう表示ひょうじ対象たいしょう物質ぶっしつとして政令せいれいさだめものおよ通知つうち対象たいしょうぶつによる危険きけんせいまたは有害ゆうがいせいのぞく)を調査ちょうさし、その結果けっかもとづいて、本法ほんぽうまたはこれにもとづく命令めいれい規定きていによる措置そちこうずるほか、労働ろうどうしゃ危険きけんまた健康けんこう障害しょうがい防止ぼうしするため必要ひつよう措置そちこうずるようにつとめなければならない(28じょうの2)。事業じぎょうしゃは、表示ひょうじ対象たいしょうぶつとして政令せいれいさだめるものおよび通知つうち対象たいしょうぶつによる危険きけんせいまた有害ゆうがいせいとう調査ちょうさしなければならず、この調査ちょうさ結果けっかもとづいて、本法ほんぽうまたはこれにもとづく命令めいれい規定きていによる措置そちこうずるほか、労働ろうどうしゃ危険きけんまた健康けんこう障害しょうがい防止ぼうしするため必要ひつよう措置そちこうずるようにつとめなければならない(57じょうの3)。調査ちょうさは、調査ちょうさ対象たいしょうぶつ原材料げんざいりょうとうとして新規しんき採用さいようし、または変更へんこうするときにおこなう。
  • 事業じぎょうしゃは、労働ろうどうしゃ就業しゅうぎょうさせる建設けんせつぶつその作業場さぎょうばについて、通路つうろゆかめん階段かいだんとう保全ほぜんならびに換気かんき採光さいこう照明しょうめい保温ほおん防湿ぼうしつ休養きゅうよう避難ひなんおよ清潔せいけつ必要ひつよう措置そちその労働ろうどうしゃ健康けんこう風紀ふうきおよ生命せいめい保持ほじのため必要ひつよう措置そちこうじなければならない(23じょう)。
  • 事業じぎょうしゃは、本法ほんぽうおよびこれにもとづく命令めいれい要旨ようし常時じょうじかく作業場さぎょうばやすい場所ばしょ掲示けいじし、またそなけることその厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめる方法ほうほうにより、労働ろうどうしゃ周知しゅうちさせなければならない。事業じぎょうしゃは、だい57じょうの2だい1こうまただい2こう規定きていにより通知つうちされた事項じこうを、化学かがく物質ぶっしつ化学かがく物質ぶっしつ含有がんゆうする製剤せいざいそのもの当該とうがい通知つうちされた事項じこうかかるものをあつかかく作業場さぎょうばやすい場所ばしょ常時じょうじ掲示けいじし、またそなけることその厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめる方法ほうほうにより、当該とうがいぶつあつか労働ろうどうしゃ周知しゅうちさせなければならない(101じょう)。
元方もとかた事業じぎょうしゃ責務せきむ
  • 元方もとかた事業じぎょうしゃは、関係かんけい請負人うけおいにんおよ関係かんけい請負人うけおいにん労働ろうどうしゃが、当該とうがい仕事しごとかんし、本法ほんぽうまたはこれにもとづく命令めいれい規定きてい違反いはんしないよう必要ひつよう指導しどうおこなわなければならない。これらに違反いはんしているとみとめるときは、是正ぜせいのため必要ひつよう指示しじおこなわなければならない(29じょう1こう、2こう)。
  • 建設けんせつぎょうぞくする事業じぎょう元方もとかた事業じぎょうしゃは、土砂どしゃとう崩壊ほうかいするおそれのある場所ばしょ機械きかいとう転倒てんとうするおそれのある場所ばしょその厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめる場所ばしょにおいて関係かんけい請負人うけおいにん労働ろうどうしゃ当該とうがい事業じぎょう仕事しごと作業さぎょうおこなうときは、当該とうがい関係かんけい請負人うけおいにんこうずべき当該とうがい場所ばしょかか危険きけん防止ぼうしするための措置そち適正てきせいこうぜられるように、技術ぎじゅつじょう指導しどうその必要ひつよう措置そちこうじなければならない(29じょうの2)。
  • 製造せいぞうぎょう特定とくてい事業じぎょうのぞく)の元方もとかた事業じぎょうしゃは、その労働ろうどうしゃおよ関係かんけい請負人うけおいにん労働ろうどうしゃ作業さぎょう同一どういつ場所ばしょにおいておこなわれることによってしょうずる労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしするため、作業さぎょうあいだ連絡れんらくおよ調整ちょうせいおこなうことにかんする措置そちその必要ひつよう措置そちこうじなければならない(30じょうの2)。
特定とくてい元方もとかた事業じぎょうしゃ責務せきむ
  • 特定とくてい元方もとかた事業じぎょうしゃは、その労働ろうどうしゃおよ関係かんけい請負人うけおいにん労働ろうどうしゃ作業さぎょう同一どういつ場所ばしょにおいておこなわれることによってしょうずる労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしするため、つぎ事項じこうかんする必要ひつよう措置そちこうじなければならない。統括とうかつ安全あんぜん衛生えいせい責任せきにんしゃ選任せんにんした特定とくてい元方もとかた事業じぎょうしゃは、そのものつぎ事項じこう統括とうかつ管理かんりさせなければならない(30じょう)。
    1. 協議きょうぎ組織そしき設置せっちおよ運営うんえいおこなうこと。
    2. 作業さぎょうあいだ連絡れんらくおよ調整ちょうせいおこなうこと。
    3. 作業さぎょう場所ばしょ巡視じゅんしすること。
    4. 関係かんけい請負人うけおいにんおこな労働ろうどうしゃ安全あんぜんまた衛生えいせいのための教育きょういくたいする指導しどうおよ援助えんじょおこなうこと。
      関係かんけい請負人うけおいにん労働ろうどうしゃたいして特定とくてい元方もとかた事業じぎょうしゃ直接ちょくせつ安全あんぜん衛生えいせい教育きょういくおこな義務ぎむはない。
    5. 建設けんせつぎょう特定とくてい元方もとかた事業じぎょうしゃにあっては、仕事しごと工程こうていかんする計画けいかくおよ作業さぎょう場所ばしょにおける機械きかい設備せつびとう配置はいちかんする計画けいかく作成さくせいするとともに、当該とうがい機械きかい設備せつびとう使用しようする作業さぎょうかん関係かんけい請負人うけおいにんがこの法律ほうりつまたはこれにもとづく命令めいれい規定きていもとづきこうずべき措置そちについての指導しどうおこなうこと。
    6. ぜん各号かくごうかかげるもののほか、当該とうがい労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしするため必要ひつよう事項じこう
注文ちゅうもんしゃ責務せきむ
  • 注文ちゅうもんしゃは、その請負人うけおいにんたいし、当該とうがい仕事しごとかんし、その指示しじしたがって当該とうがい請負人うけおいにん労働ろうどうしゃ労働ろうどうさせたならば、本法ほんぽうまたはこれにもとづく命令めいれい規定きてい違反いはんすることとなる指示しじをしてはならない(31じょうの4)。化学かがく物質ぶっしつ化学かがく物質ぶっしつ含有がんゆうする製剤せいざいそのもの製造せいぞうし、またあつか設備せつび政令せいれいさだめるものの改造かいぞうその厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめる作業さぎょうかか仕事しごと注文ちゅうもんしゃは、当該とうがいぶつについて、当該とうがい仕事しごとかか請負人うけおいにん労働ろうどうしゃ労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしするため必要ひつよう措置そちこうじなければならない(31じょうの2)。
  • 特定とくてい事業じぎょう仕事しごとみずかおこな注文ちゅうもんしゃは、建設けんせつぶつ設備せつびまた原材料げんざいりょうを、当該とうがい仕事しごとおこな場所ばしょにおいてその請負人うけおいにん当該とうがい仕事しごと数次すうじ請負うけおい契約けいやくによっておこなわれるときは、当該とうがい請負人うけおいにん請負うけおい契約けいやくのちつぎのすべての請負うけおい契約けいやく当事とうじしゃである請負人うけおいにんふくむ。)の労働ろうどうしゃ使用しようさせるときは、当該とうがい建設けんせつぶつとうについて、当該とうがい労働ろうどうしゃ労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしするため必要ひつよう措置そちこうじなければならない(31じょう)。
機械きかいとう貸与たいよしゃ責務せきむ

機械きかいとうで、政令せいれいさだめるもの(移動いどうしきクレーン、車両しゃりょうけい建設けんせつ機械きかいとう)を事業じぎょうしゃ貸与たいよするもの機械きかいとう貸与たいよしゃ)は、当該とうがい機械きかいとう貸与たいよけた事業じぎょうしゃ事業じぎょうじょうにおける当該とうがい機械きかいとうによる労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしするため必要ひつよう措置そちこうじなければならない。機械きかいとう貸与たいよしゃから機械きかいとう貸与たいよけたものは、当該とうがい機械きかいとう操作そうさするものがその使用しようする労働ろうどうしゃでないときは、当該とうがい機械きかいとう操作そうさによる労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしするため必要ひつよう措置そちこうじなければならない(33じょう)。

建築けんちくぶつ貸与たいよしゃ責務せきむ

建築けんちくぶつで、政令せいれいさだめるもの(事務所じむしょまた工場こうじょうようきょうされるもの)を事業じぎょうしゃ貸与たいよするもの建築けんちくぶつ貸与たいよしゃ)は、当該とうがい建築けんちくぶつ貸与たいよけた事業じぎょうしゃ事業じぎょうかか当該とうがい建築けんちくぶつによる労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしするため必要ひつよう措置そちこうじなければならない。ただし、当該とうがい建築けんちくぶつ全部ぜんぶいち事業じぎょうしゃ貸与たいよするときは、このかぎりでない(34じょう施行しこうれいだい11じょう)。本条ほんじょうは、有償ゆうしょう無償むしょう関係かんけいなく適用てきようされる。

重量じゅうりょう表示ひょうじ

いち貨物かもつで、重量じゅうりょう1トン以上いじょうのものを発送はっそうしようとするものは、やすく、かつ、容易ようい消滅しょうめつしない方法ほうほうで、当該とうがい貨物かもつにその重量じゅうりょう表示ひょうじしなければならない。ただし、包装ほうそうされていない貨物かもつで、その重量じゅうりょう一見いっけんしてあきらかであるものを発送はっそうしようとするときは、このかぎりでない(35じょう)。本条ほんじょうの「発送はっそう」には、事業じぎょうじょう構内こうないにおける移動いどうふくまない。「発送はっそうしようとするもの」とは、最初さいしょ当該とうがい貨物かもつ運送うんそうのルートにのせようとするものをいい、その途中とちゅうにおける運送うんそう取扱とりあつかいしゃとうふくまない。「その重量じゅうりょう一見いっけんしてあきらかであるもの」とは、丸太まるた石材せきざい鉄骨てっこつざいとう外観がいかんにより重量じゅうりょう推定すいていできるものをす。コンテナ貨物かもつについての本条ほんじょう重量じゅうりょう表示ひょうじは、当該とうがいコンテナにその最大さいだい積載せきさい重量じゅうりょう表示ひょうじされていればりる。

ガス工作こうさくぶつとう設置せっちしゃ義務ぎむ

ガス工作こうさくぶつ電気でんき工作こうさくぶつねつ供給きょうきゅう施設しせつ石油せきゆパイプラインをもうけているものは、当該とうがい工作こうさくぶつ所在しょざいする場所ばしょまたはその附近ふきん工事こうじその仕事しごとおこなう事業じぎょうしゃから、当該とうがい工作こうさくぶつによる労働ろうどう災害さいがい発生はっせい防止ぼうしするためにとるべき措置そちについての教示きょうしもとめられたときは、これを教示きょうししなければならない(102じょう施行しこうれいだい25じょう)。

労働ろうどうしゃ責務せきむ
  • 労働ろうどうしゃは、事業じぎょうしゃ本法ほんぽう規定きていもとづきこうずる措置そちおうじて、必要ひつよう事項じこうまもらなければならない(26じょう)。
  • 関係かんけい請負人うけおいにんまたはその労働ろうどうしゃは、元方もとかた事業じぎょうしゃが29じょう1こう、2こうもとづいてする指示しじしたがわなければならない(29じょう3こう)。

機械きかいとう

特定とくてい機械きかいとう

とく危険きけん作業さぎょう必要ひつようとする機械きかいとう特定とくてい機械きかいとう)を製造せいぞうしようとするものは、あらかじめ都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょう許可きょかけなければならない(37じょう)。「特定とくてい機械きかいとう」とは、以下いかものである(別表べっぴょうだいいち施行しこうれい12じょう)。

  • ボイラー小型こがたボイラーをのぞく)
  • だい1しゅ圧力あつりょく容器ようき小型こがた圧力あつりょく容器ようきとうのぞく)
  • クレーン(つり荷重かじゅう3トン以上いじょう(スタッカーしきクレーンにあっては1トン以上いじょう))
  • 移動いどうしきクレーン(つり荷重かじゅう3トン以上いじょう
  • デリック(つり荷重かじゅう2トン以上いじょう
  • エレベーター積載せきさい荷重かじゅう1トン以上いじょう簡易かんいリフトおよ建設けんせつようリフトをのぞく))
  • 建設けんせつようリフト(ガイドレールのたかさが18メートル以上いじょう積載せきさい荷重かじゅうが250キロ未満みまんもののぞく))
  • ゴンドラ

太字ふとじ特定とくてい機械きかいとうについては、製造せいぞう輸入ゆにゅうさい設置せっちさい使用しよう登録とうろく製造せいぞうとう検査けんさ機関きかんによる製造せいぞうとう検査けんさけなければならない(38じょう1こう)。この検査けんさ合格ごうかくすると、移動いどうしきものについては検査けんさしょう交付こうふされる(39じょう1こう)。

特定とくてい機械きかいとう設置せっち移動いどうしきもののぞく)したとき、特定とくてい機械きかいとう主要しゅよう構造こうぞう部分ぶぶん変更へんこうくわえたとき、特定とくてい機械きかいとう建設けんせつようリフトをのぞく)で使用しよう休止きゅうししたものをふたた使用しようしようとするときには、労働ろうどう基準きじゅん監督かんとくしょちょう検査けんさけなければならない(38じょう3こう)。この検査けんさ合格ごうかくした場合ばあい検査けんさしょう交付こうふまたすで交付こうふされている検査けんさしょう裏書うらがきおこなわれる(39じょう2こう、3こう)。

検査けんさしょう有効ゆうこう期間きかん更新こうしんけようとするものは、登録とうろく性能せいのう検査けんさ機関きかんおこな性能せいのう検査けんさけなければならない(41じょう2こう)。なお、建設けんせつようリフトについては、検査けんさしょう有効ゆうこう期間きかん設置せっちから廃止はいしまでとされるため、性能せいのう検査けんさおこなわれない。

検査けんさしょうけていない特定とくてい機械きかいとうは、使用しようしてはならず、また検査けんさしょうとともにするのでなければ譲渡じょうと貸与たいよしてはならない(40じょう)。

42じょう機械きかいとう

特定とくてい機械きかいとう以外いがい機械きかいとうで、危険きけんしくは有害ゆうがい作業さぎょう必要ひつようとするもの、危険きけん場所ばしょにおいて使用しようするものまた危険きけんしくは健康けんこう障害しょうがい防止ぼうしするため使用しようするもの(42じょう機械きかいとう)は、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんさだめる規格きかくまた安全あんぜん装置そうち規格きかくとう)を具備ぐびしなければ、譲渡じょうとし、貸与たいよし、また設置せっちしてはならない(42じょう)。「42じょう機械きかいとう」とは以下いかものである(別表べっぴょうだい)。

  • ゴム、ゴム化合かごうぶつまた合成ごうせい樹脂じゅしるロールおよびそのきゅう停止ていし装置そうち電気でんきてき制動せいどう方式ほうしきもの電気でんきてき制動せいどう方式ほうしき以外いがい制動せいどう方式ほうしきもの
  • だい2しゅ圧力あつりょく容器ようき
  • 小型こがたボイラー
  • 小型こがた圧力あつりょく容器ようき
  • プレス機械きかいまたシャー安全あんぜん装置そうち
  • ぼうばく構造こうぞう電気でんき機械きかい器具きぐ
  • クレーンまた移動いどうしきクレーンの負荷ふか防止ぼうし装置そうち
  • ぼうじんマスク
  • 防毒ぼうどくマスク
  • 木材もくざい加工かこうようまるのこばんおよびその反発はんぱつ予防よぼう装置そうちまた接触せっしょく予防よぼう装置そうち可動かどうしきもの
  • 動力どうりょくにより駆動くどうされるプレス機械きかいスライドによる危険きけん防止ぼうしするための機構きこうゆうするもの
  • 交流こうりゅうアーク溶接ようせつよう自動じどう電撃でんげき防止ぼうし装置そうち
  • 絶縁ぜつえんよう保護ほご
  • 絶縁ぜつえんよう防具ぼうぐ
  • 保護ほごぼう
  • 電動でんどうファン呼吸こきゅうよう保護ほご

太字ふとじもの製造せいぞう輸入ゆにゅうしたものは、登録とうろく個別こべつ検定けんてい機関きかんおこな個別こべつ検定けんてい機械きかいとう個々ここ検定けんていする)をけなければならない(44じょう)。この検定けんてい合格ごうかくした機械きかいとうには、そのむね表示ひょうじ個別こべつ検定けんてい合格ごうかくしめぎあきらす、刻印こくいんす、刻印こくいんした銘板めいばんけるひとし)をさなければならない。斜体しゃたいもの製造せいぞう輸入ゆにゅうしたものは、登録とうろく型式けいしき検定けんてい機関きかんおこな型式けいしき検定けんていサンプル抽出ちゅうしゅつしたものを検定けんていする)をけなければならない(44じょうの2)。この検定けんてい合格ごうかくした機械きかいとうには、当該とうがい機械きかいとうやすい場所ばしょ型式けいしき検定けんてい合格ごうかくしめぎあきらさなければならない。

これらの表示ひょうじされていない機械きかいとうは、使用しようしてはならない。また、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんまた都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょうが、42じょう機械きかいとう製造せいぞう輸入ゆにゅうしたものが、規格きかくとう具備ぐびしていない、検定けんてい合格ごうかくしていない機械きかい合格ごうかくしたむね表示ひょうじがされているひとしみとめられるものを譲渡じょうと貸与たいよした場合ばあいに、そのものたい当該とうがい機械きかいとう回収かいしゅう改善かいぜんはかることその必要ひつよう措置そちるようめいずることができる。

平成へいせい27ねん改正かいせいにより、外国がいこく立地りっちする機関きかん検査けんさ検定けんてい機関きかんとして登録とうろくができるようになった(外国がいこく登録とうろく製造せいぞうとう検査けんさ機関きかんとう、52じょうの3)。

だい38じょう検査けんさ性能せいのう検査けんさ個別こべつ検定けんていまた型式けいしき検定けんてい結果けっかについての処分しょぶんについては、審査しんさ請求せいきゅうをすることができない(111じょう)。

危険きけんぶつおよ有害ゆうがいぶつ

リンマッチベンジジン、ベンジジンを含有がんゆうする製剤せいざいその労働ろうどうしゃ重度じゅうど健康けんこう障害しょうがいしょうずるもので、政令せいれいさだめるもの(製造せいぞうとう禁止きんし物質ぶっしつ)は、製造せいぞうし、輸入ゆにゅうし、譲渡じょうとし、提供ていきょうし、また使用しようしてはならない(55じょう)。ただし、試験しけん研究けんきゅうのため製造せいぞうし、輸入ゆにゅうし、また使用しようする場合ばあいで、製造せいぞう輸入ゆにゅうまたは使用しようについて、あらかじめ所轄しょかつ都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょう許可きょかけ、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんさだめる基準きじゅんしたがって製造せいぞう使用しようするときは、このかぎりでない。

ジクロルベンジジン、ジクロルベンジジンを含有がんゆうする製剤せいざいその労働ろうどうしゃ重度じゅうど健康けんこう障害しょうがいしょうずるおそれのあるもので、政令せいれいさだめるもの(だい1るい特定とくてい化学かがく物質ぶっしつ)を製造せいぞうしようとするものは、あらかじめ、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじん許可きょかけなければならない(56じょう)。

爆発ばくはつせいもの発火はっかせいもの引火いんかせいものその労働ろうどうしゃ危険きけんしょうずるおそれのあるものしくはベンゼン、ベンゼンを含有がんゆうする製剤せいざいその労働ろうどうしゃ健康けんこう障害しょうがいしょうずるおそれのあるもの政令せいれいさだめるもの(だい2るい特定とくてい化学かがく物質ぶっしつまた上記じょうき厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじん許可きょか必要ひつようとするもの容器ようきれ、また包装ほうそうして、譲渡じょうとし、また提供ていきょうするものは、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめるところにより、その容器ようきまた包装ほうそう容器ようきれ、かつ、包装ほうそうして、譲渡じょうとし、また提供ていきょうするときにあっては、その容器ようき)に、所定しょてい事項じこう名称めいしょう成分せいぶん人体じんたいおよぼす作用さよう貯蔵ちょぞうまた取扱とりあつかじょう注意ちゅういとう)を表示ひょうじしなければならない。ただし、その容器ようきまた包装ほうそうのうち、しゅとして一般いっぱん消費しょうひしゃ生活せいかつようきょうするためのものについては、このかぎりでない。容器ようきまた包装ほうそうもちいないで譲渡じょうとし、また提供ていきょうするものは、所定しょてい事項じこう記載きさいした文書ぶんしょを、譲渡じょうとし、また提供ていきょうする相手方あいてがた交付こうふしなければならない(57じょう)。

労働ろうどうしゃ危険きけんしくは健康けんこう障害しょうがいしょうずるおそれのあるもの政令せいれいさだめるものまただい1るい特定とくてい化学かがく物質ぶっしつ通知つうち対象たいしょうぶつ)を譲渡じょうとし、また提供ていきょうするものは、文書ぶんしょ交付こうふその厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめる方法ほうほうにより通知つうち対象たいしょうぶつかんするつぎ事項じこうを、譲渡じょうとし、また提供ていきょうする相手方あいてがた通知つうちしなければならない。ただし、しゅとして一般いっぱん消費しょうひしゃ生活せいかつようきょうされる製品せいひんとして通知つうち対象たいしょうぶつ譲渡じょうとし、また提供ていきょうする場合ばあいについては、このかぎりでない(57じょうの2)。

  • 名称めいしょう
  • 成分せいぶんおよびその含有がんゆうりょう
  • 物理ぶつりてきおよ化学かがくてき性質せいしつ
  • 人体じんたいおよぼす作用さよう
  • 貯蔵ちょぞうまた取扱とりあつかじょう注意ちゅうい
  • 流出りゅうしゅつその事故じこ発生はっせいした場合ばあいにおいてこうずべき応急おうきゅう措置そち
  • ぜん各号かくごうかかげるもののほか、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめる事項じこう

化学かがく物質ぶっしつによる労働ろうどうしゃ健康けんこう障害しょうがい防止ぼうしするため、既存きそん化学かがく物質ぶっしつとして政令せいれいさだめる化学かがく物質ぶっしつ以外いがい化学かがく物質ぶっしつ新規しんき化学かがく物質ぶっしつ)を製造せいぞうし、また輸入ゆにゅうしようとする事業じぎょうしゃは、あらかじめ、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめるところにより、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんさだめる基準きじゅんしたがって有害ゆうがいせい調査ちょうさ当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつ労働ろうどうしゃ健康けんこうあたえる影響えいきょうについての調査ちょうさ)をおこない、当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつ名称めいしょう有害ゆうがいせい調査ちょうさ結果けっかその事項じこう厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんとどなければならない(57じょうの3)。有害ゆうがいせい調査ちょうさおこなった事業じぎょうしゃは、その結果けっかもとづいて、当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつによる労働ろうどうしゃ健康けんこう障害しょうがい防止ぼうしするため必要ひつよう措置そちすみやかにこうじなければならない。

安全あんぜんのための教育きょういく

本法ほんぽう精神せいしん具体ぐたいするために、かく事業じぎょう活動かつどうにおいて必要ひつよう資格しかくゆうする業務ぎょうむ免許めんきょ技能ぎのう講習こうしゅう安全あんぜん衛生えいせい教育きょういくといったかたち取得しゅとくすることを義務付ぎむづけている。

安全あんぜん衛生えいせい教育きょういく

以下いか教育きょういく安全あんぜん衛生えいせい教育きょういく時間じかんは、労働ろうどう基準きじゅんほうじょう労働ろうどう時間じかんとしてあつかわれるので、教育きょういく法定ほうてい労働ろうどう時間じかんがい実施じっしされた場合ばあいは、事業じぎょうしゃ割増わりまし賃金ちんぎん当該とうがい労働ろうどうしゃ支払しはらわなければならない。なお、事業じぎょうしゃは、教育きょういく科目かもく教育きょういく事項じこう全部ぜんぶまた一部いちぶかん十分じゅうぶん知識ちしきおよ技能ぎのうゆうしているとみとめられる労働ろうどうしゃについては、当該とうがい科目かもく事項じこうについての教育きょういく省略しょうりゃくすることができる。

やと作業さぎょう内容ないよう変更へんこう教育きょういく

事業じぎょうしゃは、労働ろうどうしゃ常時じょうじ臨時りんじ日雇ひやといわない)をやとれたとき・労働ろうどうしゃ作業さぎょう内容ないよう変更へんこうしたとき(軽易けいい変更へんこうのぞく)は、当該とうがい労働ろうどうしゃたいし、遅滞ちたいなく、その従事じゅうじする業務ぎょうむかんする安全あんぜんまた衛生えいせいのための教育きょういくおこなわなければならない(59じょう1こう・2こう)。具体ぐたいてきには以下いか項目こうもくである。ただし労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいほう施行しこうれいだい2じょう総括そうかつ安全あんぜん衛生えいせい管理かんりしゃ選任せんにんすべき事業じぎょうじょう)において「その業種ぎょうしゅ」とされている事業じぎょうじょう労働ろうどうしゃについては、1~4については省略しょうりゃくすることができる。派遣はけん労働ろうどうしゃについては、やと教育きょういく派遣はけんもと事業じぎょうしゃが、作業さぎょう内容ないよう変更へんこう教育きょういく派遣はけんもとおよ派遣はけんさき事業じぎょうしゃおこなわなければならない。

  1. 機械きかいとう原材料げんざいりょうとう危険きけんせいまた有害ゆうがいせいおよびこれらの取扱とりあつか方法ほうほうかんすること。
  2. 安全あんぜん装置そうち有害ゆうがいぶつ抑制よくせい装置そうちまた保護ほご性能せいのうおよびこれらの取扱とりあつか方法ほうほうかんすること。
  3. 作業さぎょう手順てじゅんかんすること。
  4. 作業さぎょう開始かいし点検てんけんかんすること。
  5. 当該とうがい業務ぎょうむかんして発生はっせいするおそれのある疾病しっぺい原因げんいんおよ予防よぼうかんすること。
  6. 整理せいり整頓せいとんおよ清潔せいけつ保持ほじかんすること。
  7. 事故じことうにおける応急おうきゅう措置そちおよ退避たいひかんすること。
  8. ぜん各号かくごうかかげるもののほか、当該とうがい業務ぎょうむかんする安全あんぜんまた衛生えいせいのために必要ひつよう事項じこう

特別とくべつ教育きょういく

事業じぎょうしゃは、危険きけんまた有害ゆうがい業務ぎょうむ労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい規則きそくだい36じょうさだめる51業務ぎょうむ)に労働ろうどうしゃをつかせるときは、当該とうがい業務ぎょうむかんする安全あんぜんまた衛生えいせいのための特別とくべつ教育きょういくおこなわなければならない(59じょう3こう)。事業じぎょうしゃは、特別とくべつ教育きょういくおこなったときは、当該とうがい特別とくべつ教育きょういく受講じゅこうしゃ科目かもくとう記録きろく作成さくせいして、これを3年間ねんかん保存ほぞんしておかなければならない。特別とくべつ教育きょういく社外しゃがいおこな場合ばあい講習こうしゅう会費かいひ講習こうしゅう旅費りょひについては、事業じぎょうしゃ負担ふたんしなければならない。派遣はけん労働ろうどうしゃについては、派遣はけんさき事業じぎょうしゃおこなわなければならない。

職長しょくちょう教育きょういく

職長しょくちょう#職長しょくちょう教育きょういく参照さんしょう(60じょう)。

技能ぎのう講習こうしゅう

労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいほうによる免許めんきょしょう

事業じぎょうしゃは、クレーンの運転うんてんその業務ぎょうむで、政令せいれいさだめるものについては、都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょう当該とうがい業務ぎょうむかか免許めんきょけたものまた都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょう登録とうろくけたものおこな当該とうがい業務ぎょうむかか技能ぎのう講習こうしゅう修了しゅうりょうしたものその厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめる資格しかくゆうするものでなければ、当該とうがい業務ぎょうむかせてはならない。このゆう資格しかくしゃ当該とうがい業務ぎょうむ従事じゅうじするときは、これにかか免許めんきょしょうそのその資格しかくしょうする書面しょめん携帯けいたいしていなければならない(61じょう)。

技能ぎのう講習こうしゅうは、登録とうろく講習こうしゅう機関きかんにより、学科がっか講習こうしゅうまた実技じつぎ講習こうしゅうによっておこない、当該とうがい技能ぎのう講習こうしゅう修了しゅうりょうしたものたいしては遅滞ちたいなく、技能ぎのう講習こうしゅう修了しゅうりょうしょう交付こうふしなければならない(76じょう)。

労働ろうどうしゃ就業しゅうぎょうたっての措置そち

事業じぎょうしゃは、中高なかだか年齢ねんれいしゃその労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしじょうその就業しゅうぎょうたってとく配慮はいりょ必要ひつようとするものについては、これらのもの心身しんしん条件じょうけんおうじて適正てきせい配置はいちおこなうようにつとめなければならない(62じょう)。「とく配慮はいりょ必要ひつようとするもの」とは、具体ぐたいてきには身体しんたい障害しょうがいしゃ出稼でかせ労働ろうどうしゃとう該当がいとうする。

事業じぎょうしゃは、労働ろうどうしゃ健康けんこう配慮はいりょして、労働ろうどうしゃ従事じゅうじする作業さぎょう適切てきせつ管理かんりするようにつとめなければならない(65じょうの3)。

事業じぎょうしゃは、潜水せんすい業務ぎょうむその健康けんこう障害しょうがいしょうずるおそれのある業務ぎょうむで、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめるものに従事じゅうじさせる労働ろうどうしゃについては、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめる作業さぎょう時間じかんについての基準きじゅん違反いはんして、当該とうがい業務ぎょうむ従事じゅうじさせてはならない(65じょうの4)。

事業じぎょうしゃは、つぎのいずれかに該当がいとうする労働ろうどうしゃについては、あらかじめ産業さんぎょうそのせんもん医師いし意見いけんいて、その就業しゅうぎょう禁止きんししなければならない(68じょう規則きそくだい61じょう)。

  1. 病毒びょうどく伝播でんぱのおそれのある伝染でんせんせい疾病しっぺいにかかったもの伝染でんせん予防よぼう措置そちをした場合ばあいのぞく)
  2. 心臓しんぞう腎臓じんぞうはいとう疾病しっぺい労働ろうどうのため病勢びょうせいいちじるしく増悪ぞうあくするおそれのあるものにかかったもの
  3. ぜん各号かくごうじゅんずる疾病しっぺい厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんさだめるものにかかったもの

事業じぎょうしゃは、労働ろうどうしゃ受動じゅどう喫煙きつえん室内しつないまたはこれにじゅんずる環境かんきょうにおいて、他人たにんのたばこのけむりわされることをいう)防止ぼうしするため、当該とうがい事業じぎょうしゃおよ事業じぎょうじょう実情じつじょうおう適切てきせつ措置そちこうずるようつとめるものとする(68じょうの2)。「だい12労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかく」では、「2017(平成へいせい29)ねんまでに職場しょくば受動じゅどう喫煙きつえんけている労働ろうどうしゃ割合わりあいを15%以下いかとする」目標もくひょうかかげ、受動じゅどう喫煙きつえん健康けんこうへの有害ゆうがいせいかんする理解りかいるための教育きょういく啓発けいはつ事業じぎょうしゃたいする効果こうかてき支援しえん実施じっしすることとしている。

事業じぎょうしゃは、労働ろうどうしゃたいする健康けんこう教育きょういくおよ健康けんこう相談そうだんその労働ろうどうしゃ健康けんこう保持ほじ増進ぞうしんはかるため必要ひつよう措置そち継続けいぞくてきかつ計画けいかくてきこうずるようにつとめなければならない(69じょう)。

作業さぎょう環境かんきょう測定そくてい

事業じぎょうしゃは、有害ゆうがい業務ぎょうむおこな屋内おくない作業場さぎょうばその作業場さぎょうばで、政令せいれいさだめるものについて、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんさだめる作業さぎょう環境かんきょう測定そくてい基準きじゅんしたがって、必要ひつよう作業さぎょう環境かんきょう測定そくていおこない、およびその結果けっか記録きろくしておかなければならない(65じょう)。都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょうは、作業さぎょう環境かんきょう改善かいぜんにより労働ろうどうしゃ健康けんこう保持ほじする必要ひつようがあるとみとめるときは、労働ろうどう衛生えいせい指導しどう労働ろうどう衛生えいせいかん学識がくしき経験けいけんゆうする医師いしのうちから、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじん任命にんめいする非常勤ひじょうきん医師いし)の意見いけんもとづき、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめるところにより、事業じぎょうしゃたいし、作業さぎょう環境かんきょう測定そくてい実施じっしその必要ひつよう事項じこう指示しじすることができる。

事業じぎょうしゃは、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんさだめる作業さぎょう環境かんきょう測定そくてい基準きじゅんしたがっておこな作業さぎょう環境かんきょう測定そくてい結果けっか評価ひょうかもとづいて、労働ろうどうしゃ健康けんこう保持ほじするため必要ひつようがあるとみとめられるときは、施設しせつまた設備せつび設置せっちまた整備せいび健康けんこう診断しんだん実施じっしその適切てきせつ措置そちこうじなければならない(65じょうの2)。事業じぎょうしゃは、作業さぎょう環境かんきょう測定そくてい結果けっか評価ひょうかおこなったときは、その結果けっか記録きろくしておかなければならない。対象たいしょう作業場さぎょうば記録きろく保存ほぞん期間きかん以下いかのとおりである。

  • 粉塵ふんじんいちじるしく発散はっさんする屋内おくない作業場さぎょうばについては7年間ねんかん
  • 特定とくてい化学かがく物質ぶっしつ製造せいぞうし、もしくは取扱とりあつか屋内おくない作業場さぎょうばまた石綿いしわたひとし取扱とりあつかい、しくは試験しけん研究けんきゅうのため製造せいぞうする屋内おくない作業場さぎょうばとうについては、3年間ねんかんただし、ベリリウムひとしは30年間ねんかん石綿いしわたとうは40年間ねんかん
  • 有機ゆうき溶剤ようざい製造せいぞうし、また取扱とりあつか屋内おくない作業場さぎょうばなまり業務ぎょうむおこな屋内おくない作業場さぎょうばについては、3年間ねんかん

健康けんこう診断しんだん

安全あんぜん衛生えいせい計画けいかく

特別とくべつ安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく

厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい発生はっせいした場合ばあいにおいて、重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい再発さいはつ防止ぼうしするため必要ひつようがある場合ばあい事業じぎょうしゃたいし、その事業じぎょうじょう安全あんぜんまた衛生えいせいかんする改善かいぜん計画けいかく特別とくべつ安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく)を作成さくせいし、これを厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじん提出ていしゅつすべきことを指示しじすることができる(78じょう1こう)。厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、特別とくべつ安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい再発さいはつ防止ぼうしはかじょう適切てきせつでないとみとめるときは、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめるところにより、事業じぎょうしゃたいし、当該とうがい特別とくべつ安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく変更へんこうすべきことを指示しじすることができる(78じょう4こう)。なお「重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい」とは以下いかのいずれかに該当がいとうする災害さいがいをいう(規則きそく84じょう1こう)。

  • 死亡しぼう災害さいがい
  • 負傷ふしょうまた疾病しっぺいにより労災ろうさい保険ほけんほう施行しこう規則きそく別表べっぴょうだいいち障害しょうがい等級とうきゅう1きゅうから7きゅうのいずれかに該当がいとうする障害しょうがいしょうじたものまたしょうじるおそれがあるもの

重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい再発さいはつ防止ぼうしするため必要ひつようがある場合ばあい」とは、以下いかのいずれにも該当がいとうする場合ばあいをいう(規則きそく84じょう2こう

  • 重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい発生はっせいさせた事業じぎょうしゃが、当該とうがい重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい発生はっせいさせたから起算きさんして3ねん以内いないに、当該とうがい重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい発生はっせいした事業じぎょうじょう以外いがい事業じぎょうじょうにおいて当該とうがい重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい再発さいはつ防止ぼうしするための措置そち同様どうようである重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい発生はっせいさせた場合ばあい
  • 前号ぜんごう事業じぎょうしゃ発生はっせいさせた重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがいおよ当該とうがい重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい再発さいはつ防止ぼうしするための措置そち同様どうようである重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがいが、いずれも当該とうがい事業じぎょうしゃ労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいほう、じんぱいほう しくは作業さぎょう環境かんきょう測定そくていほうしくはこれらにもとづく命令めいれい規定きていまた労働ろうどう基準きじゅんほうだい36じょう1こう但書ただしがきだい62じょう1こうしくは2こうだい63じょうだい64じょうの2しくはだい64じょうの3だい1こうしくはだい2こうしくはこれらの規定きていもとづく命令めいれい規定きてい違反いはんして発生はっせいさせたものである場合ばあい

事業じぎょうしゃは、特別とくべつ安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく作成さくせいしようとする場合ばあいには、当該とうがい事業じぎょうじょう労働ろうどうしゃ過半数かはんすう組織そしきする労働ろうどう組合くみあいがあるときにおいてはその労働ろうどう組合くみあい労働ろうどうしゃ過半数かはんすう組織そしきする労働ろうどう組合くみあいがないときにおいては労働ろうどうしゃ過半数かはんすう代表だいひょうするもの意見いけんかなければならない(78じょう2こう)。特別とくべつ安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく作成さくせい指示しじされた事業じぎょうしゃは、指示しじしょ記載きさいされた提出ていしゅつ期限きげんまでにつぎかかげる事項じこう記載きさいした特別とくべつ安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく作成さくせいし、労働ろうどう組合くみあいとう意見いけんしょ添付てんぷして厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじん提出ていしゅつしなければならない(規則きそく84じょう4こう、5こう)。

  • 氏名しめいまた名称めいしょうおよ住所じゅうしょならびに法人ほうじんにあつては、その代表だいひょうしゃ氏名しめい
  • 計画けいかく対象たいしょうとする事業じぎょうじょう
  • 計画けいかく期間きかんおよ実施じっし体制たいせい
  • 当該とうがい事業じぎょうしゃ発生はっせいさせた重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがいおよ当該とうがい重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい再発さいはつ防止ぼうしするための措置そち同様どうようである重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい再発さいはつ防止ぼうしするための措置そち
  • ぜん各号かくごうかかげるもののほか、前号ぜんごう重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい再発さいはつ防止ぼうしするため必要ひつよう事項じこう

事業じぎょうしゃおよびその労働ろうどうしゃは、特別とくべつ安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかくまもらなければならない(78じょう3こう)。厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、1こうしくは4こう規定きていによる指示しじけた事業じぎょうしゃがその指示しじしたがわなかった場合ばあいまた特別とくべつ安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく作成さくせいした事業じぎょうしゃ当該とうがい特別とくべつ安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかくまもっていないとみとめる場合ばあいにおいて、重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい再発さいはつするおそれがあるとみとめるときは、当該とうがい事業じぎょうしゃたいし、重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい再発さいはつ防止ぼうしかん必要ひつよう措置そちをとるべきことを勧告かんこくすることができる。この勧告かんこくけた事業じぎょうしゃがこれにしたがわなかったときは、そのむね公表こうひょうすることができる(78じょう5こう、6こう)。平成へいせい27ねん改正かいせいにより、重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがいかえ企業きぎょうたいし、改善かいぜんんでいない企業きぎょうたいし、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんによる指示しじ勧告かんこく公表こうひょうおこな制度せいど導入どうにゅうされることになった。

安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく

都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょうは、事業じぎょうじょう施設しせつその事項じこうについて、労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしはかるため総合そうごうてき改善かいぜん措置そちこうずる必要ひつようがあるとみとめるとき(「重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい再発さいはつ防止ぼうしするため必要ひつようがある場合ばあい」に該当がいとうする場合ばあいのぞく)は、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめるところにより、事業じぎょうしゃたいし、当該とうがい事業じぎょうじょう安全あんぜんまた衛生えいせいかんする改善かいぜん計画けいかく安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく)を作成さくせいすべきことを指示しじすることができる(79じょう1こう)。事業じぎょうしゃは、安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく作成さくせいしようとする場合ばあいには、当該とうがい事業じぎょうじょう労働ろうどうしゃ過半数かはんすう組織そしきする労働ろうどう組合くみあいがあるときにおいてはその労働ろうどう組合くみあい労働ろうどうしゃ過半数かはんすう組織そしきする労働ろうどう組合くみあいがないときにおいては労働ろうどうしゃ過半数かはんすう代表だいひょうするもの意見いけんかなければならない(79じょう2こう)。この「指示しじ」は、事業じぎょうじょう安全あんぜん衛生えいせい状態じょうたい総合そうごうてき改善かいぜんしようとすることを目的もくてきとするので、かならずしもほう違反いはん状態じょうたいにあるもののみを対象たいしょうとするものではない。

厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、特別とくべつ安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく作成さくせい指示しじした場合ばあいにおいて、専門せんもんてき助言じょげん必要ひつようとするとみとめるときは、当該とうがい事業じぎょうしゃたいし、労働ろうどう安全あんぜんコンサルタントまた労働ろうどう衛生えいせいコンサルタントによる安全あんぜんまた衛生えいせいかか診断しんだん安全あんぜん衛生えいせい診断しんだん)をけ、かつ、特別とくべつ安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく作成さくせいまた変更へんこうについて、これらのもの意見いけんくべきことを勧奨かんしょうすることができる(80じょう1こう)。都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょうは、安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく作成さくせい指示しじした場合ばあいにおいて、専門せんもんてき助言じょげん必要ひつようとするとみとめるときは、当該とうがい事業じぎょうしゃたいし、安全あんぜん衛生えいせい診断しんだんけ、かつ、安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく作成さくせいまた変更へんこうについて、これらのもの意見いけんくべきことを勧奨かんしょうすることができる(80じょう2こう)。

計画けいかく届出とどけで

事業じぎょうしゃは、特定とくてい機械きかいとうで、危険きけんしくは有害ゆうがい作業さぎょう必要ひつようとするもの、危険きけん場所ばしょにおいて使用しようするものまた危険きけんしくは健康けんこう障害しょうがい防止ぼうしするため使用しようするもののうち、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめるものを設置せっちし、しくは移転いてんし、またはこれらの主要しゅよう構造こうぞう部分ぶぶん変更へんこうしようとするときは、その計画けいかく当該とうがい工事こうじ開始かいしの30にちまえまでに所轄しょかつ労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょうとどなければならない(88じょう1こう)。この届出とどけでは、所定しょてい様式ようしき当該とうがい機械きかいとう種類しゅるいおうじて必要ひつよう事項じこう記載きさいし、図面ずめんとう添付てんぷしておこなう(規則きそく86じょう)。ただし、上記じょうき危険きけんせいまたは有害ゆうがいせいとう調査ちょうさおよびその結果けっかもとづきこうずる措置そちならびに労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいマネジメントシステムかんする指針ししんしたがって事業じぎょうしゃおこな自主じしゅてき活動かつどう措置そちこうじているものとして、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめるところにより労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょう認定にんていした事業じぎょうしゃについては、届出とどけで免除めんじょされる(規則きそく87じょう)。この免除めんじょ認定にんていは、3ねんごとにその更新こうしんけなければ、その期間きかん経過けいかによって効力こうりょくうしなう(規則きそく87じょうの6)。

  • この認定にんていけるためには、認定にんていけようとする事業じぎょうじょうが、以下いか要件ようけんたしていなければならない(規則きそく87じょうの4)。
    • 労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいマネジメントシステムを適切てきせつ実施じっししている。
    • 労働ろうどう災害さいがい発生はっせいりつ当該とうがい事業じぎょうじょうぞくする業種ぎょうしゅにおける平均へいきんてき労働ろうどう災害さいがい発生はっせいりつ下回したまわっている(メリット収支しゅうしりつ75%以下いか相当そうとう)。
    • 認定にんてい申請しんせいまえ1年間ねんかん重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがい発生はっせいしていない。

事業じぎょうしゃは、建設けんせつぎょうぞくする事業じぎょう仕事しごとのうち重大じゅうだい労働ろうどう災害さいがいしょうずるおそれがあるとくだい規模きぼ仕事しごとで、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめるものを開始かいししようとするときは、その計画けいかく当該とうがい仕事しごと開始かいしの30にちまえまでに所定しょてい様式ようしきによって厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんとどなければならない(だい88じょう2こう)。「厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめるもの」とは、具体ぐたいてきには以下いか仕事しごとである(規則きそく89じょう)。

  • たかさが300メートル以上いじょうとう建設けんせつ仕事しごと
  • つつみだか基礎きそ地盤じばんからつつみいただきまでのたかさをいう。)が150メートル以上いじょうのダムの建設けんせつ仕事しごと
  • 最大さいだいささえあいだ500メートル(つりばしにあつては、1,000メートル)以上いじょう橋梁きょうりょう建設けんせつ仕事しごと
  • ながさが3,000メートル以上いじょうのずいどうとう建設けんせつ仕事しごと
  • ながさが1,000メートル以上いじょう3,000メートル未満みまんのずいどうとう建設けんせつ仕事しごとで、ふかさが50メートル以上いじょうのたてこう通路つうろとして使用しようされるものにかぎる。)の掘削くっさくともなうもの
  • ゲージ圧力あつりょくが0.3メガパスカル以上いじょうあつ工法こうほうによる作業さぎょうおこな仕事しごと

事業じぎょうしゃは、建設けんせつぎょうおよ土砂どしゃ採石さいせきぎょう建設けんせつぎょうぞくする事業じぎょうにあつては、前項ぜんこう厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめる仕事しごとのぞく)で、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめるものを開始かいししようとするときは、その計画けいかく当該とうがい仕事しごと開始かいしの14にちまえまでに、所定しょてい様式ようしきをもって労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょうとどなければならない(だい88じょう3こう)。「厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめるもの」とは具体ぐたいてきには以下いか仕事しごとである(規則きそく90じょう)。なお2こう、3こうについては、1こうのような免除めんじょ認定にんていけることはできない。

  • たかさ31メートルをえる建築けんちくぶつまた工作こうさくぶつ橋梁きょうりょうのぞく。)の建設けんせつ改造かいぞう解体かいたいまた破壊はかい以下いか建設けんせつとう」という。)の仕事しごと
  • 最大さいだいささえあいだ50メートル以上いじょう橋梁きょうりょう建設けんせつとう仕事しごと
  • 最大さいだいささえあいだ30メートル以上いじょう50メートル未満みまん橋梁きょうりょう上部じょうぶ構造こうぞう建設けんせつとう仕事しごと規則きそくだい18じょうの2の場所ばしょにおいておこなわれるものにかぎる。)
  • ずいどうとう建設けんせつとう仕事しごと(ずいどうとう内部ないぶ労働ろうどうしゃらないものをのぞく。)
  • 掘削くっさくたかまたふかさが10メートル以上いじょうであるやま掘削くっさく(ずいどうとう掘削くっさくおよ岩石がんせき採取さいしゅのための掘削くっさくのぞく。以下いかおなじ。)の作業さぎょう掘削くっさく機械きかいもちいる作業さぎょうで、掘削くっさくめん下方かほう労働ろうどうしゃらないものをのぞく。)をおこな仕事しごと
  • あつ工法こうほうによる作業さぎょうおこな仕事しごと
  • 建築けんちく基準きじゅんほうだい2じょうだい9ごうの2に規定きていする耐火たいか建築けんちくぶつまたどうほうだい2じょうだい9ごうの3に規定きていするじゅん耐火たいか建築けんちくぶつで、石綿いしわたとうけられているものにおける石綿いしわたとう除去じょきょ作業さぎょうおこな仕事しごと
  • ダイオキシンるい対策たいさく特別とくべつ措置そちほう施行しこうれい別表べっぴょうだいいちだいごうかかげる廃棄はいきぶつ焼却しょうきゃく格子こうし面積めんせきが2平方へいほうメートル以上いじょうまた焼却しょうきゃく能力のうりょく一時いちじあいだたり200キログラム以上いじょうのものにかぎる。)をゆうする廃棄はいきぶつ焼却しょうきゃく施設しせつ設置せっちされた廃棄はいきぶつ焼却しょうきゃくしゅうじんとう設備せつび解体かいたいとう仕事しごと
  • 掘削くっさくたかまたふかさが10メートル以上いじょう土石どせき採取さいしゅのための掘削くっさく作業さぎょうおこな仕事しごと
  • 坑内こうないりによる土石どせき採取さいしゅのための掘削くっさく作業さぎょうおこな仕事しごと

届出とどけでがあった計画けいかくのうち、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじん高度こうど技術ぎじゅつてき検討けんとうようするものについて、都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょう高度こうど技術ぎじゅつてき検討けんとうようするものにじゅんずるものについて審査しんさをすることができる。この審査しんさおこなうにたっては、学識がくしき経験けいけんしゃ意見いけんかなければならない。審査しんさ結果けっか必要ひつようがあるとみとめるときは、届出とどけでをした事業じぎょうしゃたいし、あらかじめ届出とどけでをした事業じぎょうしゃ意見いけんをきいたうえで労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしかんする事項じこうについて必要ひつよう勧告かんこくまた要請ようせいをすることができる(89じょう、89じょうの2)。労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょうまた厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、計画けいかく届出とどけでかか事項じこう法令ほうれい違反いはんするとみとめるときには、当該とうがい届出とどけでをした事業じぎょうしゃたいし、その届出とどけでかか工事こうじしくは仕事しごと開始かいしめ、また当該とうがい計画けいかく変更へんこうすべきことをめいずることができる。

なお、平成へいせい26ねん改正かいせいにより、「一定いってい規模きぼ以上いじょう事業じぎょうじょうにおける建設けんせつぶつ機械きかいとう設置せっち移転いてん主要しゅよう構造こうぞう部分ぶぶん変更へんこう」における計画けいかく届出とどけで規定きてい廃止はいしされた(改正かいせいまえの88じょう1こう)。

監督かんとく機関きかんとう

労働ろうどうしゃは、事業じぎょうじょう本法ほんぽうまたはこれにもとづく命令めいれい規定きてい違反いはんする事実じじつがあるときは、その事実じじつ都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょう労働ろうどう基準きじゅん監督かんとくしょながまた労働ろうどう基準きじゅん監督かんとくかん申告しんこくして是正ぜせいのため適当てきとう措置そちをとるようにもとめることができる。事業じぎょうしゃは、申告しんこくしたことを理由りゆうとして、労働ろうどうしゃたいし、解雇かいこその不利益ふりえき取扱とりあつかいをしてはならない(97じょう)。

労働ろうどう基準きじゅん監督かんとくかんは、本法ほんぽう施行しこうするため必要ひつようがあるとみとめるときは、事業じぎょうじょうり、関係かんけいしゃ質問しつもんし、帳簿ちょうぼ書類しょるいその物件ぶっけん検査けんさし、しくは作業さぎょう環境かんきょう測定そくていおこない、また検査けんさ必要ひつよう限度げんどにおいて無償むしょう製品せいひん原材料げんざいりょうしくは器具きぐおさむすることができる。ただし、この立入検査たちいりけんさ権限けんげんは、犯罪はんざい捜査そうさのためにみとめられたものと解釈かいしゃくしてはならない医師いしである労働ろうどう基準きじゅん監督かんとくかんは、68じょう病者びょうしゃ就業しゅうぎょう禁止きんし)の疾病しっぺいにかかったうたがいのある労働ろうどうしゃ検診けんしんおこなうことができる(91じょう1こう、2こう、4こう)。労働ろうどう基準きじゅん監督かんとくかんは、本法ほんぽう規定きてい違反いはんするつみについて、刑事けいじ訴訟そしょうほう規定きていによる司法しほう警察けいさついん職務しょくむおこなう(92じょう)。

都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょうまた労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょうは、危害きがい防止ぼうし措置そち基準きじゅん違反いはんする事実じじつがあるときは、その違反いはんした事業じぎょうしゃ注文ちゅうもんしゃ機械きかいとう貸与たいよしゃまた建築けんちくぶつ貸与たいよしゃたいし、作業さぎょう全部ぜんぶまた一部いちぶ停止ていし建設けんせつぶつとう全部ぜんぶまた一部いちぶ使用しよう停止ていしまた変更へんこうその労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしするため必要ひつよう事項じこうめいずることができる(98じょう1こう)。労働ろうどう基準きじゅん監督かんとくかんは、労働ろうどうしゃ急迫きゅうはくした危険きけんがあるときは、98じょう1こう権限けんげん即時そくじおこなうことができる(98じょう3こう)。危害きがい防止ぼうし措置そち基準きじゅん違反いはんする事実じじつがない場合ばあいにおいても、労働ろうどう災害さいがい発生はっせい急迫きゅうはくした危険きけんがあり、かつ、緊急きんきゅう必要ひつようがあるときは、必要ひつよう限度げんどにおいて、事業じぎょうしゃたいし、作業さぎょう全部ぜんぶまた一部いちぶ一時いちじ停止ていし建設けんせつぶつとう全部ぜんぶまた一部いちぶ使用しよう一時いちじ停止ていしその当該とうがい労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしするため必要ひつよう応急おうきゅう措置そちこうずることをめいずることができる(99じょう)。

報告ほうこく

厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじん都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょうまた労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょうは、この法律ほうりつ施行しこうするため必要ひつようがあるとみとめるときは、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめるところにより、事業じぎょうしゃ労働ろうどうしゃ機械きかいとう貸与たいよしゃ建築けんちくぶつ貸与たいよしゃまたはコンサルタントにたいし、必要ひつよう事項じこう報告ほうこくさせ、また出頭しゅっとうめいずることができる(100じょう)。この命令めいれい場合ばあいにおいては、「報告ほうこくをさせ、また出頭しゅっとうめいずる理由りゆうおよ出頭しゅっとうめいずる場合ばあいには「聴取ちょうしゅしようとする事項じこう」を通知つうちするものとする(規則きそく98じょう)。

  • 事業じぎょうしゃは、以下いか事故じこ発生はっせいした場合ばあいには、遅滞ちたいなく、所定しょてい様式ようしきをもって事故じこ報告ほうこくしょ所轄しょかつ労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょう提出ていしゅつしなければならない(規則きそく96じょう)。当該とうがい事故じこによって労働ろうどうしゃ負傷ふしょうとうしたかかをわず、提出ていしゅつしなければならない。
    • 事業じぎょうじょうまたはその附属ふぞく建設けんせつぶつないで、つぎ事故じこ発生はっせいしたとき
      • 火災かさいまたばくはつ事故じこ次号じごう事故じこのぞく。)
      • 遠心えんしん機械きかい研削けんさくといしその高速こうそく回転かいてんたい破裂はれつ事故じこ
      • 機械きかいしゅうざい装置そうち巻上まきあまた索道さくどうくさりまたさく切断せつだん事故じこ
      • 建設けんせつぶつ附属ふぞく建設けんせつぶつまた機械きかいしゅうざい装置そうち煙突えんとつ高架こうかそうとう倒壊とうかい事故じこ
    • ボイラー(小型こがたボイラーをのぞく。)の破裂はれつけむりどうガスの爆発ばくはつまたはこれらにじゅんずる事故じこ発生はっせいしたとき
    • 小型こがたボイラー、だい一種いっしゅ圧力あつりょく容器ようきおよだいしゅ圧力あつりょく容器ようき破裂はれつ事故じこ発生はっせいしたとき
    • クレーンのつぎ事故じこ発生はっせいしたとき
      • 逸走いっそう倒壊とうかい落下らっかまたはジブの折損せっそん
      • ワイヤロープまたはつりチェーンの切断せつだん
    • 移動いどうしきクレーンのつぎ事故じこ発生はっせいしたとき
      • 転倒てんとう倒壊とうかいまたはジブの折損せっそん
      • ワイヤロープまたはつりチェーンの切断せつだん
    • デリックのつぎ事故じこ発生はっせいしたとき
      • 倒壊とうかいまたはブームの折損せっそん
      • ワイヤロープの切断せつだん
    • エレベーターのつぎ事故じこ発生はっせいしたとき
      • 昇降しょうこうとう倒壊とうかいまたは搬器の墜落ついらく
      • ワイヤロープの切断せつだん
    • 建設けんせつようリフトのつぎ事故じこ発生はっせいしたとき
      • 昇降しょうこうとう倒壊とうかいまたは搬器の墜落ついらく
      • ワイヤロープの切断せつだん
    • 簡易かんいリフトのつぎ事故じこ発生はっせいしたとき
      • 搬器の墜落ついらく
      • ワイヤロープまたはつりチェーンの切断せつだん
    • ゴンドラのつぎ事故じこ発生はっせいしたとき
      • 逸走いっそう転倒てんとう落下らっかまたはアームの折損せっそん
      • ワイヤロープの切断せつだん
  • 事業じぎょうしゃは、労働ろうどうしゃ労働ろうどう災害さいがいその就業しゅうぎょうちゅうまた事業じぎょう場内じょうないしくはその附属ふぞく建設けんせつぶつないにおける負傷ふしょう窒息ちっそくまた急性きゅうせい中毒ちゅうどくにより死亡しぼうし、また休業きゅうぎょうしたときは、遅滞ちたいなく、所定しょてい様式ようしきをもって労働ろうどうしゃ死傷ししょうびょう報告ほうこくしょ所轄しょかつ労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょう提出ていしゅつしなければならない(規則きそく97じょう)。当該とうがい死傷ししょうびょう労働ろうどう災害さいがい該当がいとうしたかかをわず、提出ていしゅつしなければならない。
    休業きゅうぎょう日数にっすうが4にち未満みまん場合ばあいは、1月~3がつ、4月~6がつ、7がつ~9がつ、10月~12がつかく期間きかんにおける最後さいごつき翌月よくげつまつまでに提出ていしゅつすればりる。
    派遣はけん労働ろうどうしゃ場合ばあい派遣はけんもと派遣はけんさき双方そうほう提出ていしゅつ義務ぎむ派遣はけんさきがまず労働ろうどうしゃ死傷ししょうびょう報告ほうこくしょ作成さくせい提出ていしゅつし、派遣はけんもと派遣はけんさきから労働ろうどうしゃ死傷ししょうびょう報告ほうこくしょうつしの送付そうふけてその内容ないようまえて労働ろうどうしゃ死傷ししょうびょう報告ほうこくしょ作成さくせいする。
  • 事業じぎょうしゃは、労働ろうどうしゃ健康けんこう障害しょうがいしょうずるおそれのあるもの厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんさだめるものを製造せいぞうし、またあつか作業場さぎょうばにおいて、労働ろうどうしゃ当該とうがいぶつのガス、蒸気じょうきまたふんじんにばくつゆするおそれのある作業さぎょう従事じゅうじさせたときは、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんさだめるところにより、当該とうがいぶつのばく防止ぼうしかん必要ひつよう事項じこうについて、翌年よくねん1がつ~3がつまでのあいだ所定しょてい様式ようしきをもって有害ゆうがいぶつばく作業さぎょう報告ほうこくしょ所轄しょかつ労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょう提出ていしゅつしなければならない(規則きそく95じょうの6)。

適用てきよう除外じょがい

  • 本法ほんぽうだいしょう規定きていのぞく。)は、鉱山こうざん保安ほあんほうだい2じょうだい2こうおよだい4こう規定きていによる鉱山こうざんにおける保安ほあんについては、適用てきようしない(115じょう1こう)。
  • 本法ほんぽうは、船員せんいんほう適用てきようける船員せんいんについては、適用てきようしない(115じょう2こう)。船舶せんぱくにおける安全あんぜん衛生えいせいについては船員せんいんほう規定きていがある。

関連かんれん文献ぶんけん記事きじ

脚注きゃくちゅう

  1. ^ 労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい関係かんけい法令ほうれいしゅう 平成へいせい23年度ねんどばん

関連かんれん項目こうもく

外部がいぶリンク