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トロンボーン

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トロンボーン
別称べっしょうかみ楽器がっき
かく言語げんごでの名称めいしょう
えい trombone
どく Posaune
ふつ trombone
trombone
なか ちょうごう
トロンボーン
テナートロンボーン
分類ぶんるい

金管楽器きんかんがっき

音域おんいき

トロンボーン金管楽器きんかんがっき一種いっしゅである。語源ごげんはラッパを意味いみするイタリア tromba に「おおきい」を意味いみする接尾せつび (-one) をけたものであり「おおきなラッパ」という意味いみである。

通常つうじょう、「トロンボーン」と呼称こしょうする場合ばあいはテナートロンボーンのことをす。アルトトロンボーンはテナートロンボーン奏者そうしゃえて演奏えんそうする。バストロンボーンは同属どうぞく楽器がっきではあるものの、明確めいかくちが楽器がっきとしてあつかわれる。

構造こうぞう

1.チューニングかん 2.バランサー(おもり) 3.ベル(朝顔あさがお) 4.支柱しちゅう 5.マウスピース歌口うたぐちうたこう) 6.スライド

標準ひょうじゅんてきにはへん調ちょう (B♭) の調しらべせいち、スライドばれる伸縮しんしゅくかん音程おんていほろ調整ちょうせいするためのチューニングスライドとはことなる)を操作そうさして音階おんかいる。スライドのほか1個いっこないしは2バルブ迂回うかいかんつもの(Bかんアタッチメントきアルトトロンボーン、Fかんアタッチメントきテナートロンボーン(テナーバストロンボーン)、バストロンボーン)もあり、今日きょうではこちらのほう主流しゅりゅうである。追加ついかのバルブと迂回うかいかんつことにより、スライドをばすのが譜面ふめんじょう困難こんなん場合ばあい迂回うかいかん使つかったポジション(いわゆるえポジション)をもちいたり(奏者そうしゃかいでは、7ポジションが限界げんかいだという)、管長かんちょうりず構造こうぞうじょうすことのできないてい音域おんいき拡張かくちょうすることが出来できる。いずれも、迂回うかいかん使つかさいはロータリーしきレバーを操作そうさしてえる。また、えポジションによる効率こうりつてきなスライドワークや、トリル奏法そうほう、ハーフバルブ奏法そうほうなどにも利用りようされる。バルブをたないものは、前後ぜんご重量じゅうりょう均衡きんこうるための「バランサー」とばれるおもりを、後方こうほうのUかん付近ふきん支柱しちゅうける場合ばあいがある。

スライドはうちかんそとかんかさわせた構造こうぞうなので、内外ないがいのスライドがかさなっているながさが、ちかいポジションではながく、とおいポジションではみじかくなる。このため1900年代ねんだい初頭しょとうまでの楽器がっきには、ちかいポジションのときには摩擦まさつ抵抗ていこうおおきいためほろ調整ちょうせいむずかしく、とおいポジションでは抵抗ていこうちいさいためほろ調整ちょうせいにずれやすいという問題もんだいがあった。また、かさなりがみじかくなるとおいポジションのときほどいきもれがはげしくなるという問題もんだいもあった。これらはのちに、うちかん先端せんたん微妙びみょうふとくした「ストッキング」という部分ぶぶんそと管内かんないめんせっするよう改良かいりょうしたことによっていずれも解決かいけつされ、楽器がっきとしての性能せいのう向上こうじょうした。

収納しゅうのうさいはベルがわのUかんとスライドがわのUかんとに分割ぶんかつできる。まれに、ホルンられるようにベルにネジやまって分割ぶんかつできるようにしたデタッチャブル・ベルの楽器がっきもある。

構造こうぞうじょう任意にんい周波数しゅうはすうおとすことが可能かのうであり、ピアノとうではすことのできない微分びぶんおんすことができる。

奏法そうほう

ミュート

左手ひだりて楽器がっき重量じゅうりょうささえる。中指なかゆび薬指くすりゆび小指こゆび楽器がっきにぎる。親指おやゆび支柱しちゅうかバルブのレバーにける。人差ひとさゆびはスライドないかん支柱しちゅう上部じょうぶまたはマウスピースレシーバーにえる。1個いっこのバルブがある場合ばあい、そのレバーは左手ひだりて親指おやゆび操作そうさする。2のバルブがある場合ばあいは、2のレバーの一方いっぽう親指おやゆび操作そうさし、他方たほう中指なかゆび操作そうさするものが一般いっぱんてきであるが、20世紀せいき楽器がっきには両方りょうほうともに親指おやゆび操作そうさするものもある。自由じゆう右手みぎてでスライドをかるって操作そうさする。楽器がっき装着そうちゃくしたマウスピースがくちたる位置いちかまえて、したうごきをきっかけ(タンギング)にいききながらくちびる振動しんどうさせる。

スライドには、もっと手前てまえだい1ポジションから、もっととおくまで右手みぎてばしたところにあるだい7ポジションまでがある。ポジションが1つとおざかると半音はんおんがる。この仕組しくみとかくポジションでられる倍音ばいおんわせで音階おんかいつくることができる。そのため、バルブと迂回うかいかんたない楽器がっきではだい1倍音ばいおんだい2倍音ばいおんのEs~Hまでの音階おんかい(アルトトロンボーンではAs~E)がられない。迂回うかいかんを1ほん楽器がっきでは、だい8~11ポジション相当そうとう管長かんちょうられる。だい12ポジション相当そうとう管長かんちょうるためには、迂回うかいかんのチューニングスライドを限界げんかいまでばすか、2ほん迂回うかいかん利用りようする。

ギターフレットたるような特別とくべつ目印めじるしはないため、奏者そうしゃ自分じぶん感覚かんかくでポジションをさだめて音程おんている。そのため初心者しょしんしゃにとってはただしい音程おんていでの演奏えんそうむずかしいが、熟練じゅくれんすればスライドのほろ調整ちょうせいによって正確せいかくなハーモニーをることが出来できる。またスライドはグリッサンド奏法そうほう演奏えんそう容易よういにしている。

スラー演奏えんそうするさいは、おと区分くぶんがはっきりしないスライドの性質せいしつ考慮こうりょして、ソフトタンギングをするか、リップスラーやバルブを利用りようしてえポジションを使用しようしておこなう。

ひろ使つかわれる特殊とくしゅ奏法そうほうとしては、となった倍音ばいおん同士どうし高速こうそく移動いどうするリップトリル、じた演奏えんそうするフラッタータンギング、演奏えんそうしながら声帯せいたい振動しんどうさせるじゅうおとなどがげられる。

金管楽器きんかんがっき同様どうように、音色ねいろえる目的もくてき種々しゅじゅ弱音よわね(ミュート)が使つかわれる。

歴史れきし

非常ひじょうふる歴史れきし楽器がっきであり、起源きげんトランペット共通きょうつうである。ドイツのハンス・ノイシェルが現在げんざいかたち完成かんせいさせ、それからやく500ねん以上いじょうものあいだ基本きほんてき構造こうぞうわっていない、ふる種類しゅるい楽器がっきである。地域ちいきによっては、ふるくはサックバットとばれた。15世紀せいきごろにスライド・トランペットの一種いっしゅから発生はっせいしたとかんがえられており、基本きほんてき構造こうぞうむかし姿すがたをそのままめている。ただし、細部さいぶのデザインはことなり、奏法そうほう現代げんだいのトロンボーン奏法そうほうとはかなりことなる。

トロンボーンの音域おんいき成人せいじん男性だんせい声域せいいきちかい。またスライドによって音程おんていをスムーズに調整ちょうせいできることからられるハーモニーのうつくしさなどから「かみ楽器がっき」といわれ、教会きょうかい音楽おんがく重用じゅうようされた。ふるくからカソリックミサにおける聖歌せいか合唱がっしょうとう伴奏ばんそう楽器がっき使つかわれ、オラトリオ(ハイドン天地てんち創造そうぞうなど)やレクイエムひとしにも多用たようされているが、世俗せぞくてき音楽おんがくにおいては使用しよう自重じちょうする風潮ふうちょうがあり、さらにプロテスタントけんのドイツ地域ちいきでは使用しようされない傾向けいこうがあった(プロテスタント地域ちいき活動かつどうしたバッハテレマン宗教しゅうきょうきょくではトロンボーンはほとんど使つかわれていない)[1]

交響こうきょうきょく最初さいしょにトロンボーンを使つかったのはベートーヴェンで、交響こうきょうきょくだい5ばんだい4楽章がくしょうもちいた。これは当時とうじ世俗せぞくてきかんがえられていた交響こうきょうきょくに、教会きょうかい使つかわれていた「神聖しんせい」な楽器がっき使つかったというてん画期的かっきてきなことであった。だい編成へんせいオーケストラ定席じょうせきたのはロマン時代じだいである。

19世紀せいき、おそらく1820年代ねんだいにはバルブ(ロータリー)の追加ついかおこなわれた。これ以降いこう各地かくちのオーケストラでは、スライドをはいしてトランペットのように3ほんのピストンによる操作そうさをするバルブトロンボーンがさかんに使つかわれたが、19世紀せいき中葉ちゅうようからだいいち世界せかい大戦たいせん前後ぜんごにかけて徐々じょじょにスライドしき楽器がっき復権ふっけんしていった。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽かんげんがくだんでは1880ねんごろまでバルブしきだったとわれている。

バルブ(ロータリー)の改良かいりょうはさらにすすみ、円錐えんすいがたのセイヤー・バルブ、円柱えんちゅう横倒よこだおしにしたかたちのハグマン・ロータリー、ヤマハ細長ほそながいVバルブをはじめ、トラディショナルロータリーを各社かくしゃ改良かいりょうしたものなど、様々さまざま機構きこう開発かいはつされている。

楽器がっき調しらべせい音域おんいきによる分類ぶんるい後述こうじゅつされるとおりB♭やE♭、Fなど様々さまざまだが、楽譜がくふはピアノなどとおなじくじつおとかれる。低音ていおん譜表ふひょう一般いっぱんてきだが、高音こうおんのパートではテナー譜表ふひょう・アルト譜表ふひょう使つかわれる。オーケストラではきょくちゅう譜表ふひょうわることはすくなく、1ばんがアルトまたはテナー譜表ふひょう、2ばんがテナー譜表ふひょう、3ばん(バス)が低音ていおん譜表ふひょうというのが一般いっぱんてきである。吹奏楽すいそうがくにおいては基本きほんてき低音ていおん譜表ふひょうしるされ、高音こうおん部分ぶぶんまれにテナー譜表ふひょうもちいられる。英国えいこくしきブラスバンドではバストロンボーンのパート以外いがい移調いちょう楽器がっきとしてあつかわれ、実音みおたいちょう9たか音譜おんぷひょうされる。ヨーロッパの吹奏すいそう楽譜がくふにおいても移調いちょう楽器がっきとしてあつかわれ、実音みおたいちょう9たかいト音譜おんぷひょう、あるいはちょう2たかいヘ音譜おんぷひょうされていることもすくなくない。

種類しゅるい

トロンボーンは、その音域おんいき機能きのうなどによって以下いかようけることができる。また、テナートロンボーンかん内径ないけいボアサイズ)によってふとしかんちゅう細管さいかん細管さいかんこまかくけることもある。ドイツしきトロンボーンではWeiteという単位たんい区分くぶんする。スライドのマウスパイプがわとジョイントがわことなるボアサイズをわせたものはデュアルボアと通称つうしょうされる。

音域おんいきによる分類ぶんるい

ピッコロトロンボーン (piccolo trombone)
テナートロンボーンより2オクターヴたかいB♭かん楽器がっきで、管長かんちょうピッコロトランペットおなじである。非常ひじょうめずらしい楽器がっきで、使つかわれる機会きかいはほとんどない。
ソプラノトロンボーン (soprano trombone)
テナートロンボーンよりも1オクターヴたかいB♭かん楽器がっきで、B♭かんのトランペットと管長かんちょうおなじである。そのためトロンボーンというよりはスライドしきのトランペットといったおもむきだが、メーカーによってはスライドトランペットと区別くべつして、ボアやベル、もちいるマウスピースおおきく設定せっていされていることがある。現代げんだいではほとんど使つかわれないが、まれだい編成へんせいのブラスアンサンブルで使用しようされることがある。
アルトトロンボーン (alto trombone)
テナートロンボーンよりもぶりで、標準ひょうじゅんてきには4たかいE♭かんである。5たかいFかん、さらにはDかん楽器がっき存在そんざいする。B♭かん迂回うかいかんや、トリルキィとばれる半音はんおんぶん迂回うかいかんつものもある。ひとこえとよくい、前期ぜんきロマンまでのオーケストラきょくや、トロンボーンアンサンブルきょくなどでもちいられることがおおい。せんもん奏者そうしゃはおらず、テナートロンボーン奏者そうしゃえて演奏えんそうする。標準ひょうじゅんてき設計せっけい存在そんざいしないが、11.9 - 12.5 mm程度ていどのボアと、6.5 - 7インチ程度ていどのベルをつことがおおい。マウスピースは細管さいかんテナートロンボーンようのものと共通きょうつうで、とくにカップがあさもの使用しようする。リムみち奏者そうしゃによって様々さまざまである。
テナートロンボーン(tenor trombone、テノール・トロンボーンとも)
もっと基本きほんてき構造こうぞうをした、トロンボーンの代表だいひょうかく。B♭かんで、音域おんいきてきには、男性だんせいこえもっとちかい。おも軽音楽けいおんがく分野ぶんや使つかわれるほか、ソロきょく演奏えんそうやオーケストラのだい1奏者そうしゃ使用しようすることがある。てい音域おんいき構造こうぞうじょうせないおとがあったり、操作性そうさせいわるおとるため、クラシック奏者そうしゃ後述こうじゅつのFかんアタッチメントづけテナートロンボーンを使用しようするのが主流しゅりゅうである。Fかんアタッチメントづけテナートロンボーンと区別くべつするときには、ストレート・テナートロンボーンと呼称こしょうする。たいかんでは13.9 mm(0.547インチ)のボアと、216 mm(8.5インチ)のベルが標準ひょうじゅん細管さいかんふとしかんのように標準ひょうじゅんてき設計せっけい存在そんざいしないが、12.2 - 12.9 mmのボアと、7〜8インチ程度ていどのベルをつことがおおい。
Fかんアタッチメントづけテナートロンボーンのれい(ヤマハ・YSL-620)
Fかんアタッチメントづけテナートロンボーン
テナートロンボーンに1つの迂回うかいかん(Fかん)とバルブをたせた楽器がっきである。迂回うかいかん使用しようすることにより、だい1倍音ばいおんだい2倍音ばいおんのスライドのみでせる最低さいていおん(E)のちょう3のCまで音域おんいきひろがる。迂回うかいかんのレイアウトはメーカー各社かくしゃによって様々さまざまである。一部いちぶ日本にっぽんのメーカーでは国内こくないけに「テナーバストロンボーン」という呼称こしょうをすることがあるが、これは日本にっぽんでしかもちいられないかたで、いわば俗名ぞくみょうである。
バストロンボーン(bass trombone、ベース・トロンボーンとも)
テナートロンボーンよりふといボアとおおきなベルをち、1つまたは2つの迂回うかいかんとバルブをそなえる。ボアは14.28 mm(0.562インチ)、ベルは241 mm(9.5インチ)が標準ひょうじゅんである。1ほん迂回うかいかんはテナートロンボーン同様どうようにFかんである。2ほんはGesかん標準ひょうじゅんてきだが、まれにGかんつものもある。迂回うかいかんを2ほんとも使つかうと管長かんちょうはDかんだい2バルブがGかん場合ばあいはEsかん)になる。2つの迂回うかいかん場合ばあい、2つめのバルブが主管しゅかんがわに(主管しゅかんたいして直列ちょくれつに)配置はいちされたものをインライン、Fかんがわに(主管しゅかんたいして並列へいれつに)配置はいちされたものをオフセットとぶ。バスとくが、音域おんいきはテナートロンボーンと同一どういつである。テナートロンボーンよりてい音域おんいきでの操作性そうさせいわるすぐれるほかふとあたたかな音色ねいろつ。マウスピースはテナートロンボーンとことなり、よりおおきいリムとふかいカップをったもの使用しようし、奏法そうほうまったことなる。オーケストラや吹奏楽すいそうがくでは3ばんトロンボーンと指定していのあるきょくはバストロンボーンが演奏えんそうする。これらの編成へんせいでは音楽おんがくてき役割やくわりもテナートロンボーンとはことなり、トロンボーンセクションの一員いちいんとしてだけではなく、ベースセクションの一員いちいんとしての役割やくわり期待きたいされる。詳細しょうさいバストロンボーンこう参照さんしょう
コントラバストロンボーン (contrabass trombone)
バストロンボーンよりも3から5ひく楽器がっきで、標準ひょうじゅんてきにはFかんである。2つの迂回うかいかんとバルブをつ。迂回うかいかん調しらべせいはメーカーにより様々さまざまであり、標準ひょうじゅん存在そんざいしない。ながいスライドを操作そうさするためのハンドルをそなえることがある。また、一部いちぶのメーカーでは2じゅうのスライドをち、バストロンボーンより1オクターヴひくいB♭かん楽器がっきすことがある。後期こうきロマンの4かん編成へんせい楽曲がっきょくや、だい編成へんせいのトロンボーンアンサンブルとうでバストロンボーン奏者そうしゃえて演奏えんそうする。詳細しょうさいバストロンボーンこう参照さんしょう
これに非常ひじょうちか楽器がっきとしてチンバッソ(後述こうじゅつ)存在そんざいする。

バルブトロンボーン

バルブトロンボーン

スライドではなく、3以上いじょうバルブそなえたものである。ピストンしきおおいが、ロータリーしきのものも存在そんざいする。スライドしき楽器がっき同様どうよう色々いろいろ音域おんいきのものがある。19世紀せいき前半ぜんはん金管楽器きんかんがっきのバルブ機構きこう発明はつめいわせて誕生たんじょうしたため、19世紀せいきから20世紀せいき初頭しょとうにかけてはイタリアやフランス、ちゅうおう地域ちいき中心ちゅうしんひろく(一時いちじはスライドしき以上いじょうに)もちいられた。ロッシーニの楽曲がっきょくとうにその名残なごり見出みいだすことが出来できる。

その、スライドしき楽器がっき演奏えんそう技術ぎじゅつ向上こうじょうによって復権ふっけんたすとすたれていったが、一方いっぽうではジャズなどポピュラー音楽おんがく世界せかい使つかわれるようになり(ファン・ティゾール、ボブ・ブルックマイヤーなどが著名ちょめい奏者そうしゃとしてあげられ)、クラシックの分野ぶんやでも20世紀せいき終盤しゅうばん以降いこうはピリオド奏法そうほう一環いっかんとして、また現代げんだいきょくふたた使用しようこころみられるようになった。

ドイツしきトロンボーン

ドイツかんともばれる、ややおおきめのベルを楽器がっきで、均一きんいつすすんだほか地域ちいきのトロンボーンとは一線いっせんかくしている。やや細目さいもくのボアとひびきをおさえるためのクランツとばれる金属きんぞくへんえんについた比較的ひかくてきおおきなベルをち、弱音よわね円錐えんすいかんちかやわらかいひびきと、つよおんするどれたひびきが特徴とくちょうてきである。現代げんだいではほとんど使つかわれないが、まれにクラシック音楽おんがくでドイツけい楽曲がっきょく演奏えんそうするさい使つかわれることがある。

特殊とくしゅなトロンボーン

Fかんチンバッソ
チンバッソ (cimbasso)
「チンバッソ」というかたりは19世紀せいきのイタリアにおいて低音ていおん金管楽器きんかんがっき全般ぜんぱんすのにもちいられており、楽譜がくふにチンバッソとかれていたからといってかならずしも特定とくてい種類しゅるい楽器がっきしたわけではない。ヴェルディはテナーより1オクターブひくいBかんのバルブしきトロンボーンを特注とくちゅうし、これを晩年ばんねんの『オテロ』と『ファルスタッフ』で使用しようした。またプッチーニもこの楽器がっき使用しようした。現代げんだいにおいてこれらの作品さくひん演奏えんそうするために「チンバッソ」とばれる楽器がっき使つかわれることがあるが、これはFかんで4-5のバルブがあるトロンボーンであり、ヴェルディが使つかったものとはことなっている[2][3]
スーパーボーン
ピストンとスライドの両方りょうほうそなえたトロンボーン。通常つうじょう左手ひだりてでピストン、右手みぎてでスライドを操作そうさする。トランペット奏者そうしゃメイナード・ファーガソン考案こうあんした。ホルトンしゃ登録とうろく商標しょうひょうとなっている。
マーチング・トロンボーン
外見がいけんはトロンボーンというよりは大型おおがたコルネット、あるいは前方ぜんぽうかまえるユーフォニアムのようである。スライドではなくバルブをそなえ、屋外おくがいのパレードなどで使用しようされる。
プラスチックトロンボーン
プラスチックせいのトロンボーン。pboneとtigerが有名ゆうめい

歴史れきしじょうのトロンボーン

サックバット (sackbut)
トロンボーンのとなった古楽こがくである。現代げんだいのトロンボーンと酷似こくじしているが、全体ぜんたいにベルがちいさく、ベルのひらかた比較的ひかくてきゆるやかである。現代げんだいのトロンボーンよりずっと軽量けいりょうで、おおきなおとのぞめないがやわらかな音色ねいろち、しょう編成へんせい合奏がっそう・オーケストラや声楽せいがくとのアンサンブルにく。アルトテナーバスコントラバスかくサイズの楽器がっきがある。エッガーしゃせい有名ゆうめい
ビュサン (buccin)
ベル自体じたいりゅうあたまをかたどったかたちをしている。19世紀せいき考案こうあんされ、フランスやベルギーで使つかわれた。
アドルフ・サックスのトロンボーン
サックスは、劇場げきじょうのピットや軍隊ぐんたい使つかうための、3〜6ほんのバルブしきそなえたテナーやアルトのトロンボーンを色々いろいろ製作せいさくした。普通ふつうにイメージするスライドしきのトロンボーンとはかたちことなる。うまりながら演奏えんそう出来できるようにした形状けいじょうのものや、ベルを7つつタイプなどがある。

トロンボーンが活躍かつやくする楽曲がっきょく

トロンボーン協奏曲きょうそうきょく

管弦楽かんげんがくきょく

その

著名ちょめい奏者そうしゃ

日本人にっぽんじん奏者そうしゃ

日本人にっぽんじん奏者そうしゃについては

著名ちょめいなアンサンブル団体だんたい

  • ハイブリッドトロンボーンよん重奏じゅうそうだん
  • パリ・トロンボーンよん重奏じゅうそうだん
  • ミリエール・トロンボーンよん重奏じゅうそうだん
  • スローカー・トロンボーンよん重奏じゅうそうだん
  • トリトン・トロンボーンよん重奏じゅうそうだん
  • ウィーン・トロンボーンよん重奏じゅうそうだん
  • ミュンヘン・トロンボーンよん重奏じゅうそうだん
  • 東京とうきょうトロンボーンよん重奏じゅうそうだん
  • 東京とうきょうメトロポリタン・トロンボーンよん重奏じゅうそうだん
  • ワールド・トロンボーンよん重奏じゅうそうだん
  • スライド・モンスターズ
  • セゲド・トロンボーン・アンサンブル
  • ニュー・トロンボーン・コレクティヴ

おもなメーカー

ミュージックトレードしゃかん管楽器かんがっき価格かかく一覧いちらんひょう最新さいしんばんもと記載きさい

日本にっぽん

アメリカ

ドイツ

フランス(ドイツ)

  • ビュッフェ・クランポン (Buffet Clampon)
    ビュッフェ・グループのいちブランドであるため企業きぎょう国籍こくせきはフランスだが、アンボワーズ工場こうじょう閉鎖へいさ以降いこうはB&Sやマイネル・ウェストンとうおな工場こうじょう生産せいさんされており、楽器がっき自体じたいはドイツせいである
    • ビー・アンド・エス (B&S)
    元々もともとドイツで創業そうぎょうしたメーカーだが、現在げんざいはフランス国籍こくせきのビュッフェ・グループのいちブランドになっている。楽器がっき自体じたい旧来きゅうらいからのドイツ国内こくない工場こうじょうせい

イギリス

オーストリア

チェコ

スイス

スペイン

台湾たいわん

  • ジュピター (Jupiter)
    • エックスオー(XO)はグローバルしゃ設計せっけいし、ジュピターしゃ製造せいぞうしている楽器がっきのブランド

中国ちゅうごく

  • イーストマン (Eastman Winds)
    • シャイアーズ (S.E.Shires)はイーストマンしゃのブランドのひと
  • マイケル (J.Michael)
    • ブラスパイア (Brasspire)はマイケルのブランドのひと
  • ケルントナー (Kaerntner)
  • マルカート (Marcato)
  • アミューズ (Amuse)
    • キド・マ・コット (quido ma cotto)はアミューズのブランドのひとつ。キド・マコトたずさわる。

脚注きゃくちゅう

  1. ^ 名曲めいきょく暗号あんごう : 楽譜がくふうらかくされた真実しんじつあばく』佐伯さえき茂樹しげき音楽之友社おんがくのともしゃ 2013.12)p107
  2. ^ Douglas Yeo (2005). “Some Clarity About the Cimbasso”. The Brass Herald: 56-57. http://www.yeodoug.com/articles/Yeo_Brass_Herald_cimbasso_2005.pdf. 
  3. ^ James Gourlay, The Cimbasso: Perspectives on Low Brass performance practise in Verdi's music, オリジナルの2007-07-02時点じてんにおけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20070702183012/http://www.jamesgourlay.com/downloads/james_gourlay_cimbasso_paper.pdf 
  4. ^ Review of Kings; www.parisdjs.com. Wesley contributes to the tracks "Howlin' With Fred"

関連かんれん項目こうもく

外部がいぶリンク