ちかえもん

ちかえもん
ジャンル	時代じだい劇げき
作さく	藤本ふじもと有紀ゆき
演出えんしゅつ	梶原かじはら登城とじょう 川野かわの秀昭ひであき
出演しゅつえん者しゃ	青木あおき崇たかし高だか 優香ゆか 小池こいけ徹とおる平たいら 早見はやみあかり 山崎やまざき銀之丞ぎんのじょう 徳井とくい優ゆう 佐川さがわ満男みつお 北村きたむら有ゆう起おこり哉 高岡たかおか早紀さき 岸部きしべ一徳かずのり 富司ふじ純子じゅんこ 松尾まつおスズキ
音楽おんがく	宮川みやがわ彬あきら良りょう
国くに・地域ちいき	日本にっぽん
言語げんご	日本語にほんご
時代じだい設定せってい	江戸えど時代じだい（1703年ねん〈元禄げんろく16年ねん〉）
製作せいさく
制作せいさく統括とうかつ	櫻井さくらい賢けん
プロデューサー	木村きむら明広あきひろ
製作せいさく	NHK大阪おおさか放送ほうそう局きょく
放送ほうそう
放送ほうそうチャンネル	NHK総合そうごう
音声おんせい形式けいしき	解説かいせつ放送ほうそう（ステレオ2）
放送ほうそう国こく・地域ちいき	日本にっぽん
放送ほうそう期間きかん	2016年ねん1月がつ14日にち - 3月3日にち
放送ほうそう時間じかん	木曜もくよう 20:00 - 20:43
放送ほうそう枠わく	木曜もくよう時代じだい劇げき
放送ほうそう分ぶん	43分ふん
回数かいすう	8
公式こうしきウェブサイト
特記とっき事項じこう： 木曜もくよう時代じだい劇げき(第だい2期き)最終さいしゅう作品さくひん

『ちかえもん』は、NHK大阪おおさか放送ほうそう局きょく製作せいさくによりNHK総合そうごうテレビの「木曜もくよう時代じだい劇げき」枠わくで2016年ねん1月がつ14日にちから3月3日にちまで放送ほうそうされたテレビ時代じだい劇げきである。連続れんぞく8回かい。近松ちかまつ門左衛門もんざえもんの人形浄瑠璃にんぎょうじょうるり『曾根崎そねざき心中しんちゅうの』の誕生たんじょう秘話ひわを創作そうさくし、“人間にんげん近松ちかまつ”を描えがいた人情にんじょう喜劇きげき。藤本ふじもと有紀ゆき作さく。主演しゅえんは青木あおき崇たかし高だかと松尾まつおスズキ。第だい34回かい向田むかいだ邦子くにこ賞しょう受賞じゅしょう作さく。

企画きかく・制作せいさく

人形浄瑠璃にんぎょうじょうるりの名作めいさく「曽根崎そねざき心中しんちゅうの」を書かきあげた江戸えど時代じだいの文学ぶんがく者しゃ・近松ちかまつ門左衛門もんざえもんの生涯しょうがいを、藤本ふじもと有紀ゆきが史実しじつ・事実じじつに基もとづいたフィクションとして描えがいたもので、「曽根崎そねざき心中しんちゅうの」を執筆しっぴつするまではスランプに陥おちいっていた近松ちかまつが、名作めいさく誕生たんじょうに至いたるまでの様々さまざまな苦悩くのうと、それを取とり巻まく人間にんげん模様もようをコメディーの要素ようそを交まじえて描えがいたヒューマンドラマにしている。松尾まつお芭蕉ばしょう、井原いはら西鶴さいかくと並ならぶ元禄げんろく時代じだい（1688年ねん‐1704年ねん）の三さん大だい文豪ぶんごうとして数かぞえられるも、存命ぞんめい中ちゅうや没後ぼつごすぐに書かかれた資料しりょうがほとんどないことから謎なぞに満みちている近松ちかまつの生涯しょうがいを、大胆だいたんに想像そうぞうを膨ふくらませて描えがいている。

セットも衣装いしょうも所作しょさもれっきとした時代じだい劇げきでありながら、近松ちかまつが心しんの声こえを語かたるモノローグでの現代げんだい的てきな言葉ことば遣づかい、近松ちかまつが口くちずさむ「大阪おおさかで生うまれた女おんな」などのフォークソングの替かえ歌うた、劇げき中ちゅうのアニメーションの使用しようなど、時代じだい劇げきに馴染なじみがない視聴しちょう者しゃでも気軽きがるに楽たのしめる工夫くふうが散ちりばめられており、劇げき中ちゅうで「近松ちかまつ門左衛門もんざえもん」という名前なまえを覚おぼえられない万吉まんきちがとっさに名付なづけた近松ちかまつの愛称あいしょう「ちかえもん」も国民こくみん的てきアニメを連想れんそうさせる親近しんきん感かんあふれる番組ばんぐみタイトルとなっている。

番組ばんぐみ制作せいさくにあたり、園田学園女子大学そのだがくえんじょしだいがく付属ふぞくの近松ちかまつ研究所けんきゅうじょが資料しりょう提供ていきょうを行おこなった。劇げき中ちゅうの人形浄瑠璃にんぎょうじょうるりの場面ばめんは人形遣にんぎょうつかいの桐きり竹ちく勘かん十じゅう郎ろうらと三味線しゃみせんの竹澤たけざわ團だん七ななが参加さんかして約やく300年ねん前まえの初演しょえんを再現さいげん、人形にんぎょうを新調しんちょうして、現在げんざいは3人にんで遣つかう人形にんぎょうを1人ひとりで遣つかう初演しょえん当時とうじの「一人ひとり遣づかい」にも挑戦ちょうせんしている。三味線しゃみせんの團だん七ななは義太夫ぎだゆう三味線しゃみせんの開祖かいそ・竹澤たけざわ権右衛門ごんうえもん役やくで出演しゅつえんし、『曾根崎そねざき心中しんちゅうの』の場面ばめん用ように新あらたに作曲さっきょくも行おこなった。

撮影さつえいは2015年ねん10月がつ下旬げじゅんから翌よく2016年ねん1月がつ下旬げじゅんにかけて京都きょうとの松竹しょうちく撮影さつえい所しょを中心ちゅうしんに行おこなわれ、京都きょうとや滋賀しがでのロケも行おこなわれた。

あらすじ

元禄げんろく16年ねん（1703年ねん）、浄瑠璃じょうるり作者さくしゃ・近松ちかまつ門左衛門もんざえもんは以前いぜんほど作品さくひんが受うけなくなり、堂島どうじま新地さらちにある遊郭ゆうかく「天満屋てんまや」に入いり浸びたっていた。自作じさくを上演じょうえんしていた「竹本たけもと座ざ」の客足きゃくあしは遠とおのき、座長ざちょうである竹本たけもと義太夫ぎだゆうや周囲しゅういから不満ふまんをぶつけられ、新作しんさくの執筆しっぴつも一向いっこうに進すすまずにいた。そんな折おり、「不孝ふこう糖とう」なる飴あめを売うり歩あるく渡世人とせいにん・万吉まげちと出会であい、万吉まんきちは近松ちかまつを勝手かってに相棒あいぼうとみなす。

2人ふたりのまわりで起おきるさまざまな出来事できごとをきっかけに、近松ちかまつは、戦国せんごくの世よが終おわって百ひゃく年ねんが経たち、大衆たいしゅうの求もとめるものはこれまで通とおりの忠義ちゅうぎを主題しゅだいとする歴史れきし物語ものがたりではなくなっていたことに気きづく。万吉まげちや周囲しゅういの人々ひとびとに振ふり回まわされてゆくうち、近松ちかまつは徐々じょじょに創作そうさく意欲いよくを取とり戻もどしてゆくのだった。

登場とうじょう人物じんぶつ

主要しゅよう人物じんぶつ

万吉まんきち

演えんじ - 青木あおき崇たかし高だか

「不孝ふこう糖とう」なる飴あめを売うり歩あるいて生計せいけいを立たてる渡世人とせいにん。

堂島どうじま新地さらちの遊郭ゆうかく「天満屋てんまや」にて勘定かんじょうを押おし付つけられ払はらえず、居残いのこりとして働はたらく。

場ばの空気くうきを読よめない性格せいかくで、一言ひとこと多おおく、思おもい込こみも激はげしい。近松ちかまつからは「アホ」呼よばわりされている。

一方いっぽうで、近松ちかまつに実際じっさいに浄瑠璃じょうるり作者さくしゃの才能さいのうがあることを分わからせる、経営けいえい難なんのために竹本たけもと座ざを畳たたもうとした義太夫ぎだゆうを思おもい止とどまらせる、九平くへい次つぎに濡ぬれ衣ぎぬを着きせられた徳兵衛とくべえをお初はつに再会さいかいさせ、心中しんちゅうのへ導みちびくなど「曽根崎そねざき心中しんちゅうの」完成かんせいのためにあらゆる手てで奔走ほんそうする。

その正体しょうたいは、近松ちかまつが少年しょうねん時代じだいに遊あそび相手あいてにしていた人形にんぎょう。曽根崎そねざき心中しんちゅうのの公演こうえん初日しょにち、天満屋てんまやにて九平くへい次じに捕とらわれていた近松ちかまつを救出きゅうしゅつし、九平くへい次じと対峙たいじ。最後さいごは九平くへい次じと組くみ合あいながら天満屋てんまや正面しょうめんの堀ほりにともども飛とび込こみ、九平くへい次じを水中すいちゅうへ引ひきずり込こもうとしながら人形にんぎょうに戻もどった。

人形にんぎょうはその後ご、初演しょえんの大だい成功せいこう後ごに天満屋てんまやに戻もどり、万吉まげちを追おって堀ほりに飛とび込こんだ近松ちかまつの着物きものに絡からまって引ひき上あげられ、近松ちかまつの書斎しょさいに飾かざられた。

お袖そで

演えんじ - 優香ゆか

遊郭ゆうかく「天満屋てんまや」の年増としまの遊女ゆうじょ。近松ちかまつの相手あいてをしばしば務つとめる。

平野屋ひらのや徳兵衛とくべえ

演えんじ - 小池こいけ徹とおる平たいら

豪商ごうしょう「平野屋ひらのや」の放蕩ほうとう息子むすこ。通称つうしょう「アホぼん」。

とある出来事できごとからお初はつに入いれ込こんでいる。

元々もともとは若旦那わかだんなの身分みぶんだったが、店みせを継つがせたい平野屋ひらのや忠ちゅう右みぎ衛門えもんの意向いこうにより、手代てだいからやり直なおすよう命めいじられる。

お初はつ

演えんじ - 早見はやみあかり

「天満屋てんまや」の新入しんいり遊女ゆうじょ。父ちちは結城ゆうき格かく之これ進しん。

島原しまばらから流ながれてきた。その真しんの目的もくてきは、格かく之これ進しんの切腹せっぷくの原因げんいんとなった平野屋ひらのや忠ちゅう右みぎ衛門えもんへの復讐ふくしゅう。

黒くろ田屋たや九平くへい次じ

演えんじ - 山崎やまざき銀之丞ぎんのじょう

油あぶら問屋とんや「黒田くろだ屋や」の主人しゅじん。大陸たいりくとの交易こうえきにも手てをつけており、店みせには劇げき中ちゅう当時とうじは珍めずらしかったガラス製せいの燭台しょくだいがある。

平野屋ひらのやの朝鮮人参ちょうせんにんじん取引とりひきの噂うわさを聞ききつけ、これにつけ込こんで平野屋ひらのやの乗のっ取とりを企たくらむ。

しかし、万吉まげちの機転きてんにより企たくらみはすんでの所ところで大だい失敗しっぱいし、奉行ぶぎょうに店みせを取とりつぶされる。その恨うらみから曽根崎そねざき心中しんちゅうのの初日しょにちに近松ちかまつを捕とらえて監禁かんきんするものの、救助きゅうじょに駆かけつけた万吉まんきちに阻はばまれ、堀ほりに飛とび込こまされたところを奉行ぶぎょうに発見はっけんされて御用ごようとなった。

竹本たけもと義太夫ぎだゆう

演えんじ - 北村きたむら有ゆう起おこり哉

道頓堀どうとんぼりの「竹本たけもと座ざ」座元ざもと。

かつては近松ちかまつとの『出世しゅっせ景けい清きよし』で売うれたが、近頃ちかごろの客きゃく入いれは悪わるい。

顔かおを合あわせるたびに近松ちかまつを否定ひていし、筆ふでを急せかす（しかも一切いっさい褒ほめない）天敵てんてき。

だが実際じっさいには近松ちかまつの文才ぶんさいを認みとめており、近松ちかまつのことを喜き里さとに「当代とうだい一いちの浄瑠璃じょうるり作者さくしゃ」と言いい切きっている。

お玉たま

演えんじ - 高岡たかおか早紀さき

「天満屋てんまや」の女将おかみ。

夫おっとを尻しりに敷しく肝きもっ玉たまの据すわった女性じょせい。

金持かねもちに愛想あいそが良よいが貧乏人びんぼうにんには冷つめたい。

平野屋ひらのや忠ちゅう右みぎ衛門えもん

演えんじ - 岸部きしべ一徳かずのり

豪商ごうしょう「平野屋ひらのや」の大だい旦那だんな（徳兵衛とくべえの父ちち）。

元々もともとは一介いっかいの醤油じょうゆ屋やに過すぎなかった平野屋ひらのやを、一代いちだいで大坂おおさか随一ずいいちの大だい商家しょうかに育そだて上あげた。そのきっかけは、当時とうじ良薬りょうやくながら禁制きんせい品ひんだった朝鮮人参ちょうせんにんじんが手てに入いれられなかったため、妻つまのお鶴づるを亡なくした直後ちょくごに竹本たけもと座ざで観みた「出世しゅっせ景けい清きよし」。これを機きに商人しょうにんとして奉行ぶぎょうや役人やくにんへの復讐ふくしゅうを決意けついし、寝ねる間あいだも惜おしんで商売しょうばいに努つとめ、ついに朝鮮人参ちょうせんにんじんの取引とりひきに成功せいこうし大おおきな富とみを手てにする。また、これが縁えんで竹本たけもと座ざや近松ちかまつたちへの後援こうえんも引ひき受うける。

しかし、朝鮮人参ちょうせんにんじんの取引とりひきは無二むにの親友しんゆうだった蔵くら役人やくにん、結城ゆうき格かく之これ進しんとの確執かくしつも引ひき起おこし、現在げんざいに至いたるまで負おい目めに感かんじている。その中なかでも、自分じぶん自身じしんはあくまでも商人しょうにんであるという信念しんねんは崩くずしておらず、お初はつとの会談かいだんでは手て切きり金きんでの解決かいけつを持もち出だす。

喜き里さと

演えんじ - 富司ふじ純子じゅんこ

近松ちかまつの母はは。

近松ちかまつ含ふくめ3人にんの子こを育そだてた。

妻つまに逃にげられ、筆ふでも進すすんでいない近松ちかまつを心配しんぱいしている。

万吉まげちのことは気きに入いっており「おかあはん」と呼よばれている。

近松ちかまつ門左衛門もんざえもん

演えんじ - 松尾まつおスズキ

本ほん作さくの主人公しゅじんこう。文学ぶんがく者しゃ。本名ほんみょうは「杉森すぎもり 信しん盛もり」（万吉まげちからは「ちかえもん」、喜き里さとからは「信しん盛もり」と呼よばれている）。

妻つまには逃にげられ、なかなか筆ふでが進すすんでおらず、毎度まいど喜き里さとからは説教せっきょうされている。ちょうど劇げき中ちゅうで発生はっせいした赤穂あこう事件じけんも題材だいざいにしてみたものの、赤穂あこう義士ぎしが討うち入にゅうろうとせず、脚本きゃくほんを読よんだ義太夫ぎだゆうを怒おこらせる始末しまつ。

劇げき中ちゅうではフォークソングの替かえ歌うたを披露ひろうし、「…ってな陳腐ちんぷない回いまわしはわしのプライドが許ゆるさんのである」で締しめくくる。。

万吉まげちの手引てびきに支ささえられ、自分じぶんの周辺しゅうへんの人物じんぶつを新作しんさく浄瑠璃じょうるりの題材だいざいにすることに目覚めざめてゆく。その最中さいちゅう、お初はつと徳兵衛とくべえの心中しんちゅうのを聞きいて曽根崎そねざき心中しんちゅうのを書かき上あげ、久々ひさびさの大当おおあたりを出だす。これで創作そうさく意欲いよくを取とり戻もどし、最終さいしゅう回かいのエンディングでは万吉まげちのことを思おもい出だしながら「碁盤ごばん太平たいへい記き」を執筆しっぴつしていた。

その他た

喜助きすけ

演えんじ - 徳井とくい優ゆう

「平野屋ひらのや」の番頭ばんがしら。

人形浄瑠璃にんぎょうじょうるりの大だいファンで、新作しんさくが出でると店みせの仕事しごとを放はなって人形浄瑠璃にんぎょうじょうるりを観かんに行いくという噂うわさが立たつほど。ただし、批評ひひょうは辛口からくちで、スランプ中ちゅうに平野屋ひらのやの新年しんねんの宴うたげに招まねかれた近松ちかまつに容赦ようしゃない批判ひはんを浴あびせかけた。

忠ちゅう右みぎ衛門えもんやお鶴づるには若わかい頃ころから世話せわになっていたことから、早はやくに母親ははおやを亡なくした徳兵衛とくべえのことを忠ちゅう右みぎ衛門えもん以上いじょうに気遣きづかっており、平野屋ひらのやを継つがせるために闇取引やみとりひきも含ふくめあらゆる手てで徳兵衛とくべえに商売しょうばいを教おしえている。

天満屋てんまや吉兵衛きちべえ

演えんじ - 佐川さがわ満男みつお

「天満屋てんまや」の主人しゅじん。

お玉たまの尻しりに敷しかれている。

佐さ七なな

演えんじ ‐ 茂山しげやま逸平いっぺい

「平野屋ひらのや」の手代てだい。

伊八いはち

演えんじ ‐ 村上むらかみかず

「天満屋てんまや」の手代てだい。

銀ぎん介かい

演えんじ ‐ 三谷みたに昌あきら登とう

「天満屋てんまや」の手代てだい。

鉄てつ

演えんじ ‐ 蟷螂かまきり襲かさね

「天満屋てんまや」の料理人りょうりにん。

六ろく

演えんじ ‐ 中村なかむら大輝だいき

「天満屋てんまや」の料理人りょうりにん。

お鈴すず

演えんじ ‐ 川崎かわさき亜あ沙すな美び

遊女ゆうじょ。

お里さと

演えんじ ‐ 辻本つじもと瑞貴みずき

遊女ゆうじょ。

徳川とくがわ綱吉つなよし

演えんじ ‐ 宮川みやがわ彬あきら良りょう

時どきの5代だい将軍しょうぐん。

「生類しょうるい憐みの令れい」のほか、「親孝行おやこうこう」を推奨すいしょうしたため、「孝行こうこう糖とう」が流行りゅうこうした。

坂田さかた藤十郎とうじゅうろう

演えんじ ‐ 瀬川せかわ菊之丞きくのじょう

時どきの人気にんき歌舞伎かぶき役者やくしゃ。

大石おおいし内蔵助くらのすけ

演えんじ ‐ 茂山しげやま七なな五ご三さん

劇げき中ちゅうにて起おきた赤穂あこう事件じけんにて吉良きら家かに討うち入いりした義士ぎしたちのリーダー。近松ちかまつによって赤穂あこう事件じけんに取材しゅざいした新作しんさくにも登場とうじょうさせられるが、他たの義士ぎしたちが様々さまざまない訳いわけをつけて討うち入にゅうろうとせず翻弄ほんろうされる。

お鶴づる

演えんじ ‐ 田所たどころ草子そうこ

豪商ごうしょう「平野屋ひらのや」のご寮りょう（徳兵衛とくべえの母はは）。労咳ろうがいでこの世よを去さる。

鬼塚おにづか新しん右みぎ衛門えもん

演えんじ ‐ オール巨人きょじん（オール阪神はんしん・巨人きょじん）

大坂おおさか奉行ぶぎょう所しょの与力よりき。

永瀬ながせ壱岐いき守もり

演えんじ ‐ オール阪神はんしん（オール阪神はんしん・巨人きょじん）

大坂おおさか西町にしまち奉行ぶぎょう。

横川よこかわ敏さとし斎とき

演えんじ ‐ 桂かつら吉弥よしや

医者いしゃ。

人形浄瑠璃にんぎょうじょうるりのファンで、倒たおれた喜き里さとを診察しんさつした際さいには新作しんさくの無料むりょう観劇かんげきを条件じょうけんに代金だいきんを取とらずに診察しんさつした。

結城ゆうき格かく之これ進しん

演えんじ ‐ 国広くにひろ富之とみゆき

お初はつの父ちち。蔵くら役人やくにん。

かつて平野屋ひらのや忠ちゅう右みぎ衛門えもんとは人形浄瑠璃にんぎょうじょうるり好すきという共通きょうつう点てんから面識めんしきがあった。しかし、平野屋ひらのやが手てを付つけた朝鮮人参ちょうせんにんじんの取引とりひきが原因げんいんで捕とらえられ、切腹せっぷくを余儀よぎなくされる。

杉森すぎもり信義のぶよし

演えんじ ‐ 木内きうち義一ぎいち

近松ちかまつの父ちち。

杉森すぎもり伊い恒つね

演えんじ ‐ (劇げき中ちゅうの手紙てがみおよびアニメーションでのみ登場とうじょう)

近松ちかまつの弟おとうと。近松ちかまつらの出身しゅっしん地ち、越前えちぜんにて医師いしを営いとなんでいる。

喜き里さとの苦労くろうを察さっし、養生ようじょうのために越前えちぜんへ帰かえることを勧すすめる。

スタッフ

• 作さく - 藤本ふじもと有紀ゆき
• 音楽おんがく - 宮川みやがわ彬あきら良りょう
• 制作せいさく統括とうかつ - 櫻井さくらい賢けん
• プロデューサー - 木村きむら明広あきひろ
• 演出えんしゅつ - 梶原かじはら登城とじょう、川野かわの秀昭ひであき
• 義太夫ぎだゆう節ぶし指導しどう・三味線しゃみせん - 竹澤たけざわ團だん七なな
• 人形遣にんぎょうつかい・監修かんしゅう - 桐きり竹ちく勘かん十じゅう郎ろう
• 劇げき中ちゅうアニメーション - 岡江おかえ真一郎しんいちろう
• 撮影さつえい協力きょうりょく - 国立こくりつ文楽ぶんらく劇場げきじょう、文楽ぶんらく協会きょうかい
• 制作せいさく・著作ちょさく - NHK大阪おおさか放送ほうそう局きょく

放送ほうそう日程にってい

放送ほうそう回かい	放送ほうそう日び	サブタイトル	演出えんしゅつ	替かえ歌うた
第だい1回かい	1月がつ14日にち	近松ちかまつ優柔不断ゆうじゅうふだん極きょく（ちかまつゆうじゅうふだんのきわみ）	梶原かじはら登城とじょう	大阪おおさかで生うまれた女おんな
第だい2回かい	1月がつ21日にち	厄介やっかい者しゃ初はつ、井守いもり黒焼くろやき（やっかいものおはつといもりのくろやき）		悲かなしくてやりきれない
第だい3回かい	1月がつ28日にち	放蕩ほうとう息子むすこ徳兵衛とくべえ（あほぼんとくべえ）		学生がくせい街がいの喫茶店きっさてん
第だい4回かい	2月がつ04日にち	善悪ぜんあく不明ふめい九きゅう平次へいじ（ぜんかあくかくへいじ）	川野かわの秀昭ひであき	傘かさがない
第だい5回かい	2月がつ11日にち	標的ひょうてき、忠ちゅう右みぎ衛門えもん（ターゲットはちゅうえもん）		フランシーヌの場合ばあい
第だい6回かい	2月がつ18日にち	義太夫ぎだゆう些少さしょう活躍かつやく（ぎだゆうわりとかつやく）		知しりたくないの
第だい7回かい	2月がつ25日にち	賢母けんぼ喜き里さと潔きよし決断けつだん（ははうえきっぱりけつだん）	梶原かじはら登城とじょう	かあさんの歌うた よこはま・たそがれ
最終さいしゅう回かい	3月がつ03日にち	曽根崎そねざき心中しんちゅうの万吉まげち心中しんちゅうの（そねざきしんじゅうとまんきちのおもい）		我わが良よき友ともよ

各かく放送ほうそう回かいごとに主要しゅよう登場とうじょう人物じんぶつの一人ひとりずつにスポットを当あてる構成こうせいになっており、サブタイトルにも示しめされている。

平成へいせい28年度ねんど文化庁ぶんかちょう芸術げいじゅつ祭さい参加さんか作品さくひんとして、2016年ねん10月19日にちから10月21日にちまでNHK総合そうごうにて再さい放送ほうそうされた。

評価ひょうか

ライターの近藤こんどう正ただし高だかはエキサイトに寄よせた第だい2話わのレビューの中なかで、「万吉まんきちが遊郭ゆうかくに居残いのこって奔走ほんそうする場面ばめんが『幕末ばくまつ太陽たいよう傳でん』を思おもわせる。また、近松ちかまつと万吉まげちのちぐはぐなやり取とりは、落語らくごにおけるご隠居いんきょと与太郎よたろうのやり取とりを思おもわせ、」遊女ゆうじょのお初はつが女将おかみによって木きに縛しばり付つけられる場面ばめんを取とり上あげ、「『曾根崎そねざき心中しんちゅうの』をはじめとする近松ちかまつ門左衛門もんざえもんの作品さくひんはやりきれない悲劇ひげきが多おおいにもかかわらず、その作者さくしゃを主人公しゅじんこうにした本ほん作さくがコメディタッチなのは、いつか訪おとずれる悲劇ひげきを際立きわだたせるための要素ようそではないかと思おもった」と評ひょうした。放送ほうそう終了しゅうりょう後ごには、近松ちかまつが唱となえた「虚実きょじつ皮膜ひまく論ろん」を踏ふまえてラストシーンで万まん吉きちに語かたらせた台詞せりふ「ウソとホンマの境目さかいめがいちばん面白おもしろい」のとおり、史実しじつや時代じだい考証こうしょうを踏ふまえた事実じじつ（ホンマ）の中なかに創作そうさくや替かえ歌うたなどの遊あそびによる虚構きょこう（ウソ）が巧たくみなさじ加減かげんで織おり交まぜられ、「時代じだい劇げきの新あらたな可能かのう性せいを見みたような気きがした」と評ひょうしている。

2016年ねん4月がつには本ほん作さくにより藤本ふじもと有紀ゆきが第だい34回かい向田むかいだ邦子くにこ賞しょうを受賞じゅしょう。「抜群ばつぐんに面白おもしろく、あまり対抗たいこう馬ばが見当みあたらないくらい」として選考せんこう委員いいんの全員ぜんいん一致いっちでの受賞じゅしょうで、時代じだい劇げき作品さくひんとして初はつの同どう賞しょう受賞じゅしょうとなった。受賞じゅしょう理由りゆうとして、「近松ちかまつ門左衛門もんざえもんと『曾根崎そねざき心中しんちゅうの』を洒落しゃれて茶化ちゃかして一遍いっぺんの黄表紙きびょうし本ほんに仕立したてて上あげた快かい作さく」であり、「大阪おおさか弁べんの遊あそびがまことに面白おもしろく、言葉ことばを操あやつって虚きょを実じつにし、実みを虚きょに見みせる技わざは申もうし分ぶんが無ない」としている。

受賞じゅしょう

• 第だい34回かい向田むかいだ邦子くにこ賞しょう（藤本ふじもと有紀ゆき）
• 第だい53回かいギャラクシー賞しょう選奨せんしょう
• 平成へいせい28年度ねんど（第だい71回かい）文化庁ぶんかちょう芸術げいじゅつ祭さい賞しょう - テレビ・ドラマ部門ぶもん・優秀ゆうしゅう賞しょう

エピソード

本ほん作さくにて主演しゅえん・万吉まげち役やくと年増としまの遊女ゆうじょ・お袖そで役やくで共演きょうえんした青木あおき崇たかし高だかと優香ゆかは、本ほん作さくの衣装いしょう合あわせで出会であいクランクアップ後ごより交際こうさいを開始かいしして、2016年ねん6月がつに結婚けっこんしている。

本ほん作さくの演出えんしゅつでは、別べつの人形浄瑠璃にんぎょうじょうるり作品さくひん「生なま写うつし朝顔あさがお話ばなし」の「島田しまだ宿やど笑わらい薬やくの段だん」にあるチャリ場じょうに類似るいじしたシーンが存在そんざいする。

• 医師いしの萩野はぎの祐ゆう仙せんがしびれ薬やくを薬缶やかんに仕掛しかけたあと、部屋へやを出でる際さいによそ見みをしてしまい、襖ふすまにぶつかる。本ほん作さくでは、忠ちゅう右みぎ衛門えもんと徳兵衛とくべえが短刀たんとうを手てにケンカとなった際さい、短刀たんとうが近松ちかまつのお尻しりに刺ささり、のけぞった近松ちかまつが襖ふすまに激突げきとつする。
• 宿やどの主人しゅじん、徳とく右みぎ衛門えもんは祐ゆう仙せんたちの企たくらみを見破みやぶり、しびれ薬やく入いりの薬缶やかんを笑わらい薬やくにすり替かえて祐ゆう仙せんを笑わらわせながら恥はじをかかせる。本ほん作さくでは、九平くへい次じが徳兵衛とくべえから奪うばった朝鮮人参ちょうせんにんじんを奉行ぶぎょうの永瀬ながせ壱岐いき守もりに進呈しんていしようとしたところ、万吉まんきちが先立さきだってすり替かえていた不孝ふこう糖とうが出でてきてしまい、奉行ぶぎょうを激怒げきどさせる。

関連かんれん商品しょうひん

CD

• 宮川みやがわ彬あきら良りょう『NHK木曜もくよう時代じだい劇げき ちかえもん オリジナル・サウンドトラック』（2016年ねん2月がつ24日にち、スザクミュージック、NGCS-1064）

DVD

• ちかえもん DVD-BOX（2016年ねん6月がつ15日にち、ポニーキャニオン、PCBE-63596）

外部がいぶリンク

• ちかえもん - ウェイバックマシン（2016年ねん1月がつ9日にちアーカイブ分ぶん）
• 木曜もくよう時代じだい劇げき　ちかえもん - NHK放送ほうそう史し

NHK総合そうごう 木曜もくよう時代じだい劇げき 木曜日もくようび20:00-20:43
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ぼんくら2 （2015.10.22 - 12.3）	ちかえもん （2016.1.14 - 3.3）	鼠ねずみ、江戸えどを疾やましる2 （2016.4.14 - 6予定よてい）
火曜日かようび14時じ台だい 本ほん作品さくひんまで木曜もくよう時代じだい劇げき（再さい放送ほうそう）
ぼんくら2 （2015.10.27 - 12.8）	ちかえもん （2016.1.19 - 3.8）	スタジオパークからこんにちは （番組ばんぐみ宣伝せんでん・トーク番組ばんぐみ。13:05-14:55） <中断ちゅうだん時間じかんあり、14時じ台だいは第だい2部ぶとして拡大かくだい放送ほうそう>