(Translated by https://www.hiragana.jp/)
羊羹 - Wikipedia コンテンツにスキップ

羊羹ようかん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ようかんから転送てんそう
かずら饅頭まんじゅうひだり)とみず羊羹ようかんみぎ
抹茶まっちゃ羊羹ようかん
みず羊羹ようかん[1]
100 gあたりの栄養えいよう
エネルギー 715 kJ (171 kcal)
40.0 g
食物しょくもつ繊維せんい 2.2 g
0.1 g
飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん 0.01 g
一価いっか飽和ほうわ 0 g
あたい飽和ほうわ 0.03 g
2.6 g
ビタミン
ビタミンA相当そうとうりょう
(0%)
0 µg
(0%)
0 µg
チアミン (B1)
(0%)
0 mg
リボフラビン (B2)
(1%)
0.01 mg
ナイアシン (B3)
(0%)
0 mg
パントテンさん (B5)
(0%)
0.02 mg
ビタミンB6
(0%)
0 mg
葉酸ようさん (B9)
(0%)
1 µg
ビタミンB12
(0%)
0 µg
ビタミンC
(0%)
0 mg
ビタミンD
(0%)
0 µg
ビタミンE
(9%)
1.4 mg
ビタミンK
(2%)
2 µg
ミネラル
ナトリウム
(4%)
57 mg
カリウム
(0%)
17 mg
カルシウム
(1%)
10 mg
マグネシウム
(2%)
8 mg
リン
(3%)
23 mg
鉄分てつぶん
(6%)
0.8 mg
亜鉛あえん
(3%)
0.3 mg
どう
(3%)
0.06 mg
成分せいぶん
水分すいぶん 57.0 g
%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける
成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI割合わりあい

羊羹ようかん(ようかん)は、一般いっぱんには小豆あずき主体しゅたいとしたあんかた羊羹ようかんぶね)になが寒天かんてんかためた和菓子わがしである。

寒天かんてん添加てんかりょうおおくしっかりとしたかたさのねり羊羹ようかん(ねりようかん)と、寒天かんてんすくなく瑞々みずみずしくやわらかいみず羊羹ようかん(みずようかん)がある。また、寒天かんてんかためるのではなく、小麦粉こむぎこ葛粉くずこくわえてかためる製法せいほうもあり、これは羊羹ようかんばれる。たんに「羊羹ようかん」としょうした場合ばあいねり羊羹ようかんすことがおおい。

ねり羊羹ようかん糖度とうどたかいため保存ほぞんせいたかく、適切てきせつ状態じょうたい保存ほぞんすれば常温じょうおんで1ねん以上いじょう長期ちょうき保存ほぞん可能かのうなものがおお[2]。この特徴とくちょうかして常食じょうしょく保存ほぞんしょくとしても販売はんばいされているものもある[3]。また、糖度とうどたかく、少量しょうりょうでもこうカロリーであり、体内たいないですぐにエネルギーに変換へんかんされることから、スポーツの補給ほきゅうしょくとしても注目ちゅうもくされている[4]

歴史れきし[編集へんしゅう]

中国ちゅうごく大陸たいりくでの羊羹ようかん[編集へんしゅう]

起源きげんとなる「羊羹ようかん」は、もともとは中国ちゅうごく大陸たいりく料理りょうり名前なまえで、んでのごとくひつじあつもの(あつもの)[注釈ちゅうしゃく 1]、つまりはひつじにくスープるいであった[6]南北なんぼくあさ時代じだいきたたかし捕虜ほりょになったもうおさむこれが「羊羹ようかん」をつくったところふとしたけみかどよろこんだという記事きじそうしょえるが、これは本来ほんらい意味いみひつじのスープであったとおもわれる[7]

鎌倉かまくら時代ときよから室町むろまち時代ときよに、禅僧ぜんそうによって日本にっぽんつたえられたが、禅宗ぜんしゅうでは肉食にくしょく戒律かいりつ五戒ごかい)によりきんじられているため、精進しょうじん料理りょうりとしてひつじにくわりに小豆あずき小麦粉こむぎこ葛粉くずこなどをもちいたものが、日本にっぽんにおける羊羹ようかん原型げんけいになったとされる。

中世ちゅうせい羊羹ようかん[編集へんしゅう]

日本にっぽん文献ぶんけんにおける「羊羹ようかん」の初出しょしゅつ室町むろまち時代じだい前期ぜんき(1300年代ねんだい後半こうはん)にかれた『庭訓ていきん往来おうらい』の「点心てんしん」の記事きじとされる。タケノコりとかんがえられる「そうたかんな羊羹ようかん」と、砂糖さとうりとかんがえられる「砂糖さとう羊羹ようかん」の記載きさいがある[8]当時とうじ羊羹ようかんしるとともにべるものであった[9]。1504ねんごろ武家ぶけ作法さほうしょ食物しょくもつ服用ふくようまき』をると、羊羹ようかんぜんしる別々べつべつになっており、その酒宴しゅえんでの料理りょうり一品いっぴん、そして菓子かしへと変化へんかしていくなかしるえられなくなっていったとかんがえられる[10][11]

御成おなり献立こんだてにも羊羹ようかん登場とうじょうする。御成おなり献立こんだて記録きろく江戸えど時代じだいうつした『膳部ぜんぶかた記録きろく』をると、このときの羊羹ようかん材料ざいりょうにはなままめ小豆あずきかんがえられる)のこな小麦粉こむぎこ葛粉くずこをこねたものが使つかわれており、山芋やまいも胡桃くるみなどをれてふかすと記載きさいされている。砂糖さとうしる有無うむについては記載きさいがない[12]

1500年代ねんだいなかばにちゃさかんになると、羊羹ようかんは「菓子かし」として茶会ちゃかいきょうされるようになる。ただし、当時とうじ茶会ちゃかいではあまもの以外いがいさけさかなされており、現在げんざいイメージされるあま羊羹ようかんだったとはれない。[13][注釈ちゅうしゃく 2]

近世きんせい羊羹ようかん[編集へんしゅう]

江戸えど時代じだい初頭しょとう発行はっこうされた『にち葡辞しょ』には、「あつもの(カン)」「羊羹ようかん」「砂糖さとう羊羹ようかん」が採録さいろくされており、「あつもの」は「まめ小麦こむぎ粗糖そとう黒砂糖くろざとう)または砂糖さとうとでつくる、日本にっぽんあま菓子かし一種いっしゅ」、「羊羹ようかん」は「まめ粗糖そとうをまぜて、こねたものでつくった食物しょくもつ」、「砂糖さとう羊羹ようかん」は「まめ砂糖さとうとでつくる、あまいた菓子かし羊羹ようかん)の一種いっしゅ」と記載きさいされている。このことから、記載きさいされている羊羹ようかん砂糖さとう羊羹ようかんはいずれも小麦粉こむぎこ使つかってした菓子かしであり、羊羹ようかん黒砂糖くろざとう砂糖さとう羊羹ようかん上等じょうとうしろ砂糖さとう使つかっていたと推測すいそくされる[15]

江戸えど時代じだいには、した生地きじうすでついたりこねたりして成形せいけいする製法せいほうと、わくはこ)に生地きじながれてかためる製法せいほうの2種類しゅるい製法せいほうがあった。虎屋とらや文庫ぶんこ『ようかん』では、室町むろまち中期ちゅうき武家ぶけ故実こじつしょさん一統いっとうだい双紙ぞうし』にえがかれている州浜すはまかたちのものが羊羹ようかんである可能かのうせいがあるとして、前者ぜんしゃした生地きじ成形せいけいする製法せいほうふるくからあるもので、後者こうしゃふかすだけの製法せいほう簡易かんい製法せいほうとしてのち考案こうあんされたものではないかと考察こうさつしている。現在げんざい羊羹ようかんのイメージにちか直方体ちょくほうたい羊羹ようかんえがかれた最古さいこ史料しりょう1688ねんの『庭訓ていきん往来おうらいさん』である。[16]

ここまでの羊羹ようかんいま羊羹ようかんであったが、18世紀せいき後半こうはん寒天かんてんもちいたねり羊羹ようかん登場とうじょうする。寛政かんせい(1789ねん-1801ねん)のはじめに江戸えど本町ほんちょうの「紅粉こうふん志津しつすり紅谷べにや志津しづすり)」というみせ考案こうあんしたというせつや、喜太郎きたろうという人物じんぶつ日本橋にほんばししたとするせつ[注釈ちゅうしゃく 3]有名ゆうめいだが、前田まえだおさむおさむの『だいりょうこう日記にっき』の1773ねん10がつ12にちじょうに「ねりやうかん」をべたという記載きさいがあり、誕生たんじょうはさらにさかのぼ[17]

しょくかんがよく日持ひもちもするねり羊羹ようかん江戸えど人気にんきはくし、すうじゅうねんのうちに地方ちほう菓子かしへも製法せいほうひろまった[18]。1841ねん菓子かし製法せいほうしょ菓子かしばなし船橋ふなばし』や1849ねんの『諸国しょこく名物めいぶつ一覧いちらん』の記載きさいから、1800年代ねんだいなかばには羊羹ようかんにかわってねり羊羹ようかん主流しゅりゅうになりはじめていたとかんがえられる[19]素材そざい製法せいほうのバリエーションもえ、ユズミカンゴマ素材そざいにしたものなどが登場とうじょうした[20]

近代きんだい羊羹ようかん[編集へんしゅう]

明治めいじ時代じだいはいると、国内こくない産業さんぎょう発展はってん促進そくしんながれのなかで羊羹ようかん製造せいぞう過程かてい改良かいりょう商品しょうひん多様たようすすむ。また、交通こうつうもう発達はったつによって観光かんこうきゃくえたことで、各地かくち土産みやげ菓子かし工夫くふうされるようになり、明治めいじから昭和しょうわ時代じだいにかけてその土地とちならではの羊羹ようかんつくられて定着ていちゃくしていった。[21]

特殊とくしゅ包装ほうそう用途ようととしては、ゴム風船ふうせんなかめたたま羊羹ようかん1937ねん登場とうじょうしている。これは当時とうじ戦場せんじょう兵士へいしおく慰問いもんよう菓子かしとして、福島ふくしまけん二本松にほんまつ和菓子わがしてんたま嶋屋しまや」が日本にっぽん陸軍りくぐんからの指示しじにより開発かいはつしたものである[22]。 そのわり青竹あおだけ使用しようしたものせたプラスチックせいものかみまたはプラスチックせいとうがた容器ようき容器ようき)、簡便かんべん開封かいふう可能かのうかみしょうばこ、カットした羊羹ようかん砂糖さとうをまぶしてキャンディーふうパッケージにしたものなどもあり多様たようしている。

現在げんざいでは、このほかにも食品しょくひんまれた羊羹ようかん土産みやげひんやお茶請ちゃうけとしてしたしまれている。比較的ひかくてき高級こうきゅう羊羹ようかんけてべるざおぶつであるのにたいし、一口ひとくちサイズで小分こわ包装ほうそうされた製品せいひんもある。また、こうカロリーであることをかし、スポーツ用途ようと栄養えいよう補給ほきゅう食品しょくひんなどもある。

国外こくがい[編集へんしゅう]

戦前せんぜん戦中せんちゅう満州まんしゅうからジャワげんインドネシア)にいたるまで小城おぎ羊羹ようかんひろ販売はんばいされ、戦後せんご村岡むらおかそう本舗ほんぽに、晩年ばんねんあいしんさとし溥傑おとず羊羹ようかん購入こうにゅうしている[23]現在げんざい中国ちゅうごくでも天津てんしん北京ぺきんで、日本にっぽんのものとおなじような小豆あずきぐり使つかったあまい「羊羹ようかん ヤンカン yánggēng」が製造せいぞう販売はんばいされているほか、中国ちゅうごく独特どくとくサンザシももリンゴなどをくわえたフルーツ風味ふうみのものも製造せいぞう販売はんばいされている。韓国かんこくでは日本にっぽん統治とうち時代じだいはいってきたものがそのままのこっており「양갱(yang-gaeng、ヤンゲン)」とばれる。製法せいほう市場いちば日本にっぽんとほぼおなじである。台湾たいわんでも日本にっぽん統治とうち時代じだいひろまったものが羊羹ようかん台湾たいわん:io-kang、台湾たいわんはな:yang-geng)としてのこり、現在げんざい流通りゅうつうしている。台湾たいわん独自どくじのパインアップルあじ里芋さといもあじなどを販売はんばいしているところもある。

みず羊羹ようかん[編集へんしゅう]

みず羊羹ようかん歴史れきし[編集へんしゅう]

みず羊羹ようかん(みずようかん)は、れいもと天皇てんのう要望ようぼう亀屋かめやりくどおりという菓子かしがやわらかい羊羹ようかんつくったのがはじまりというせつがある。ただし、これは1801ねん随筆ずいひつたちばなまどかたり』(橋本はしもとけいあきらちょ)に古老ころうはなしとしてかれた内容ないようであり、実際じっさい史料しりょう記述きじゅつられるのは1760ねんごろからである。当時とうじみず羊羹ようかんは、現在げんざいのように寒天かんてん使つかってがためたものではなく、羊羹ようかんをやわらかくつくったものだった[24]

寒天かんてん使つかったみず羊羹ようかんは、明和めいわ年間ねんかん(1764ねん-1772ねん)ごろの成立せいりつとされる料理りょうりしょ調味ちょうみざつしゅう』に登場とうじょうする。羊羹ようかんのやわらかいタイプのみず羊羹ようかんのバリエーションとして寒天かんてん使つかったみず羊羹ようかんまれ、寒天かんてん使つか製法せいほうねり羊羹ようかん誕生たんじょうへとつながっていったとかんがえられる[25]

江戸えど時代じだいみず羊羹ようかんぶしわずつくられており、なつ菓子かしとして定着ていちゃくしたのは大正たいしょう時代じだいから昭和しょうわ初期しょきにかけてだとかんがえられている[26]

かつては、わくかた羊羹ようかんぶね)でつくられたみず羊羹ようかんりしていた。往時おうじ名残なごりとして、あつみのあるはこ容器ようきみず羊羹ようかんながんで販売はんばいするみせられる。現在げんざいは、ながばこタイプのほか、アルミかんプラスチックカップにはいった製品せいひん市販しはんされ、高級こうきゅう和菓子わがしてんではざおぶつとして、竹筒たけづつはいった製品せいひんなども販売はんばいされている。

ふゆみず羊羹ようかん[編集へんしゅう]

福井ふくいけんをはじめ東北とうほく北陸ほくりく関東かんとう近畿きんきなど日本にっぽん全国ぜんこく一部いちぶ地域ちいきでは、ふゆみず羊羹ようかんべる地域ちいきがある。いずれも寒天かんてん使つか水分すいぶんおおいもので、高価こうかねり羊羹ようかんくらべて安価あんか手軽てがる菓子かしとしてつくられたものだった。冷蔵庫れいぞうこのない時代じだい水分すいぶんおお砂糖さとうすくない菓子かしいたみやすかったため、ふゆつくることはにかなっていた[27]

栃木とちぎけんをはじめ関東かんとう一部いちぶ地域ちいきには、みず羊羹ようかん御節おせち料理りょうりもちいる風習ふうしゅう現存げんそんする[27][28]。かつては、全国ぜんこくてき風習ふうしゅうであったが、現在げんざいは、御節おせち料理りょうりとしての風習ふうしゅうわすられた[よう出典しゅってん]

丁稚でっち羊羹ようかん[編集へんしゅう]

丁稚でっち羊羹ようかん(でっちようかん)とは、西日本にしにほんおも近畿きんき地方ちほう中心ちゅうしんとする地域ちいきにおける安価あんか羊羹ようかんおもみず羊羹ようかん)の呼称こしょうである。小豆あずき砂糖さとうらしたような、小豆あずきの「出汁だし」(でじる)のようにやわらかい状態じょうたいからつくる「みず羊羹ようかんじょう安価あんか工程こうてい羊羹ようかん[よう出典しゅってん]。また、一部いちぶ地域ちいきには「でっち羊羹ようかん」と呼称こしょうされる羊羹ようかん存在そんざいする[27]ねり羊羹ようかん登場とうじょうしたことで羊羹ようかんは「下物おろしも」となり、関西かんさいでは丁稚でっち羊羹ようかん呼称こしょうされたとされる[29]

丁稚でっち羊羹ようかん名前なまえ由来ゆらいについては、小豆あずき砂糖さとうらしたような小豆あずきの「出汁だし」(でじる)に、工程こうていからの「でっちる」の意味いみかさなり、「ねり羊羹ようかん」の手前てまえ半人前はんにんまえ意味いみでの「丁稚でっち」(近代きんだい以前いぜん商店しょうてん従業じゅうぎょういん)の意味いみかさなったというせつ[よう出典しゅってん]や、丁稚でっち里帰さとがえりの土産みやげやおやつにしたことに由来ゆらいするというせつ[27]がある。

羊羹ようかんおも材料ざいりょう[編集へんしゅう]

  • 小豆あずき - あんにするほか、しょくかんたのしむためにつぶのままぜることもある。大納言だいなごん小豆あずきみつをまぜたねり羊羹ようかん小倉こくら羊羹ようかんという。
  • 緑茶りょくちゃ - 抹茶まっちゃなどを白餡しろあんんだもの。
  • 紅茶こうちゃ- 紅茶こうちゃ白餡しろあんんだもの。
  • コーヒー- コーヒーを白餡しろあんんだもの。
  • しろみそ- しろみそを白餡しろあんんだもの。
  • しろいんげん - 白餡しろあんにして羊羹ようかん使つかうと、白色はくしょく羊羹ようかんとなる。食紅しょくべに一部いちぶ着色ちゃくしょくした紅白こうはく羊羹ようかんは、縁起物えんぎものとして正月しょうがつなどの特別とくべつ行事ぎょうじ菓子かしとしてもちいる場合ばあいがある。
  • 金時きんときまめ - まめしっそのものはしろいんげんとおな白餡しろあんであるがかわ色素しきそがあるため着色ちゃくしょくする。小豆あずきあんうすいようないろ仕上しあがる。このまめのみで仕上しあげた羊羹ようかんもある。(北海道ほっかいどう江差えさしまち勝手かって羊羹ようかんなど)
  • ぐり - したぐりや、甘露煮かんろににしたぐりを、通常つうじょう小豆あずき羊羹ようかんぜる、あるいはらしたものと、(いも羊羹ようかんのように)ぐりそのものをすりつぶしてあんとしたもの大別たいべつできる。前者ぜんしゃ全国ぜんこくつくられており、羊羹ようかん羊羹ようかんのタイプがおおい。後者こうしゃ長野ながのけんなどぐり産地さんちつくられている。
  • 胡桃くるみ
  • ゴマ
  • サツマイモ - いも羊羹ようかん
  • ジャガイモ
  • カボチャ
  • かき - かきつくったジャムをそのまま寒天かんてんかためる方法ほうほうと、白餡しろあんぜてかためる方法ほうほうがある。
  • イチジク
  • ハッカ - 香料こうりょうとして。
  • しお - しお羊羹ようかん
  • ふき使用しようする羊羹ようかんもある。

なお羊羹ようかんには、ここでげられている以外いがい食品しょくひんまれる場合ばあいもある。(アスパラなどの野菜やさい、リンゴなどの果物くだものなど)

言語げんご文化ぶんかにおける羊羹ようかん[編集へんしゅう]

羊羹ようかんかぞかた[編集へんしゅう]

羊羹ようかんなが直方体ちょくほうたい形状けいじょうでありざお菓子かしざおぶつ)に分類ぶんるいされるため、羊羹ようかんかぞえる助数詞じょすうしとしては「ざお」(さお)をもちい、1さお、2さお(ひとさお・ふたさお)、…のようにかぞえる[30]

羊羹ようかんにちなむ言葉ことば[編集へんしゅう]

  • 羊羹色ようかんいろ黒色こくしょくなどの衣類いるいが、いろあせてあかみをびたいろを「羊羹色ようかんいろ」と[31]
  • よるうめ虎屋とらや黒川くろかわ通称つうしょうとらや本店ほんてん赤坂あかさか)の代表だいひょうてき商品しょうひん小倉こくら羊羹ようかん よるうめ登録とうろく商標しょうひょう)」がもっと有名ゆうめいである。くちえる小豆あずきつぶ様子ようすを、よるやみなかしろうめはなたとえてけられた名称めいしょう。とらやのものは、一般いっぱんてき小倉おぐら羊羹ようかんよりも小豆あずきつぶりょうすくなめでつぶのかたさもやわらかいのが特徴とくちょうねり羊羹ようかん。3にちかけてっている。「よるうめ」という呼称こしょうは、とらや以外いがいにも駿河屋するがや鶴屋つるや八幡やはた使つかわれているが、いずれも合意ごういうえ使つかわれている。
  • たま蝋石ろうせき雑種ざっしゅのよう夏目なつめ漱石そうせきあらわした『草枕くさまくら』の作中さくちゅうにおいて羊羹ようかんうつくしさを表現ひょうげんした言葉ことば。「どうてもいち美術びじゅつひんだ」という羊羹ようかん描写びょうしゃつづく、有名ゆうめい一節いっせつ一部いちぶである。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ あつもの」の通常つうじょうおと漢音かんおん)は「こう(かう)」で、「かん」は唐音とういん[5]
  2. ^ 羊羹ようかん発祥はっしょうとして、1589ねん天正てんしょう17ねん)に山城やましろこく伏見ふしみきゅうさと鶴屋つるやの5代目だいめ岡本おかもとよしみぎ衛門えもんが、テングサ(寒天かんてん原料げんりょう)・粗糖そとう小豆しょうずあんをもちいてげるねり羊羹ようかん開発かいはつ豊臣とよとみ秀吉ひでよし献上けんじょうしたとするせつもある[14]が、明確めいかく史料しりょうはない。
  3. ^ 紅粉こうふん志津しつすりせつは1830年刊ねんかん随筆ずいひつうれしゆう笑覧しょうらん』、喜太郎きたろうせつは『北越ほくえつゆき』や1846年刊ねんかん山東さんとう京伝きょうでん蜘蛛くも糸巻いとまき』にられる。「紅粉こうふん志津しつすり」と喜太郎きたろう同一どういつともされる[16]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 日本にっぽん食品しょくひん標準ひょうじゅん成分せいぶんひょう2015年版ねんばんななてい "だい2しょう 日本にっぽん食品しょくひん標準ひょうじゅん成分せいぶんひょう:15 菓子かしるい"すいようかん」(食品しょくひん番号ばんごう:15039 索引さくいん番号ばんごう:1891)
  2. ^ “ようかん変身へんしんしん商品しょうひん. asahi.com (朝日新聞社あさひしんぶんしゃ). (2011ねん10がつ6にち). オリジナルの2011ねん10がつ12にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20111012120420/http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000001110060001. "糖度とうどやく70たかいため、くさりにくく、かつて賞味しょうみ期限きげんを2ねん表示ひょうじした時期じきもあった。ただ、期間きかんながいと防腐ぼうふざい使つかっていると誤解ごかいけやすいことを危惧きぐして、業界ぎょうかいにはあえて期間きかんみじか表示ひょうじする傾向けいこうもある。" 
  3. ^ 防災ぼうさいのプロがおしえる! オススメ常食じょうしょくと“そなえ”の極意ごくい”. 日本にっぽんユニシス (2019ねん11月13にち). 2021ねん8がつ28にち閲覧えつらん
  4. ^ [1]はしろう!com 2022ねん8がつ7にち閲覧えつらん
  5. ^ 山田やまだ孝雄たかお国語こくごなかける漢語かんご研究けんきゅうたからぶんかん、1940ねん、168ぺーじhttps://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1219590/91 
  6. ^ 新星しんせい出版しゅっぱんしゃ編集へんしゅう和菓子わがし日本にっぽんちゃ教科書きょうかしょ新星しんせい出版しゅっぱんしゃ、2009ねん、82ぺーじISBN 978-4405091726 
  7. ^ そうしょもうおさむ列伝れつでんおさむ嘗為羊羹ようかん、以薦とりこ尚書しょうしょ尚書しょうしょ以為ぜっあじけんじ於燾。燾大、以脩ためたいかんれい。」
  8. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019a, p. 40.
  9. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019a, p. 43.
  10. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019b, p. 2.
  11. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019b, p. 9.
  12. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019a, pp. 45–46.
  13. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019a, pp. 47–49.
  14. ^ 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょようかん
  15. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019a, pp. 50–51.
  16. ^ a b 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019a, pp. 51–52.
  17. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019a, pp. 56–57.
  18. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019b, p. 11.
  19. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ史料しりょうねり羊羹ようかんふけ羊羹ようかん呼称こしょうについて」、虎屋とらや文庫ぶんこ和菓子わがしだい20ごう、2013ねん、p50。
  20. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019a, p. 60.
  21. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019a, pp. 67–68.
  22. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019a, p. 71.
  23. ^ 村岡むらおかそう本舗ほんぽ 羊羹ようかん資料しりょうかん
  24. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019a, p. 55.
  25. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019a, p. 56.
  26. ^ 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019a, pp. 69–70.
  27. ^ a b c d 虎屋とらや文庫ぶんこ 2019b, p. 16.
  28. ^ ふるさとのあじとちぎのあじ栃木とちぎけん
  29. ^ ようかん」コトバンク、2023ねん9がつ16にち閲覧えつらん
  30. ^ ざお菓子かし コトバンク、2023ねん9がつ16にち閲覧えつらん
  31. ^ 羊羹色ようかんいろ コトバンク、2023ねん9がつ16にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 虎屋とらや文庫ぶんこ へん『ようかん』新潮社しんちょうしゃ、2019ねん 
  • 虎屋とらや文庫ぶんこ へんだいななじゅうきゅうかい虎屋とらや文庫ぶんこ資料しりょうてん 再会さいかい御礼おれい!「虎屋とらや文庫ぶんこ羊羹ようかん・YOKAN」てん』2019ねん 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

さまざまな羊羹ようかん[編集へんしゅう]