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ドント・パス・ミー・バイ

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ビートルズ > 曲名きょくめいリスト > ドント・パス・ミー・バイ
ドント・パス・ミー・バイ
ビートルズ楽曲がっきょく
収録しゅうろくアルバムザ・ビートルズ
英語えいごめいDon't Pass Me By
リリース1968ねん11月22にち
録音ろくおん
ジャンルカントリーロック[1]
時間じかん
  • 3ふん46びょうmono version
  • 3ふん51びょうstereo version
レーベルアップル・レコード
作詞さくししゃリチャード・スターキー
作曲さっきょくしゃリチャード・スターキー
プロデュースジョージ・マーティン
ザ・ビートルズ 収録しゅうろくきょく
ロッキー・ラックーン
(DISC 1 B-5)
ドント・パス・ミー・バイ
(DISC 1 B-6)
ホワイ・ドント・ウィ・ドゥ・イット・イン・ザ・ロード
(DISC 1 B-7)

ドント・パス・ミー・バイ」(Don't Pass Me By)は、ビートルズ楽曲がっきょくである。1968ねん発売はつばいされた9さくのイギリスばんオリジナル・アルバム『ザ・ビートルズ』に収録しゅうろくされた楽曲がっきょくリンゴ・スター[注釈ちゅうしゃく 1]作詞さくし作曲さっきょくがけたカントリーロック調しらべ楽曲がっきょくで、スターのソングライターデビューさくである[注釈ちゅうしゃく 2][2]。1968ねん6がつにスターとポール・マッカートニーくわえて、ヴァイオリン奏者そうしゃジャック・ファロン英語えいごばんの3にんでレコーディングがおこなわれ、ジョン・レノンジョージ・ハリスン参加さんかしていない。

スカンジナビアでシングル・カットされたが、作者さくしゃめいレノン=マッカートニーあやま表記ひょうきされている。このシングルばんは、1969ねん4がつにデンマークのシングルチャートでだい1獲得かくとくした[3]

背景はいけい

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スターがほんさく構想こうそうはじめたのは1964ねんで、同年どうねん6がつのニュージーランドのラジオきょくでのインタビューで、ポール・マッカートニーが「リンゴがはじめて作曲さっきょくいどんだ。綺麗きれいなメロディだ」とかたり、スターは「カントリー&ウェスタン想定そうていしていたけど、ジョンとポールがブルースのフィーリングでうたうと、もう一気いっきちのめされたよ」とかたっている[4]

前述ぜんじゅつ番組ばんぐみから1かげつ出演しゅつえんしたBBCラジオ番組ばんぐみトップ・ギア英語えいごばん』で、スターがブライアン・マシューほんさくろんじており、「きょくいたんだけど、だれもレコーディングしたがらないんだ。もしかしたら、ポールはやってくれるかな」とかたり、それにたいしてマッカートニーは[なんの?]否定ひていした[4]。なお、どう番組ばんぐみないでマッカートニーが「Don't pass me by, don't make me cry, don't make me blue, babyぼくいていかないで、ぼくかせないで、ぼくをブルーにさせないで)」とほんさくのリフレイン部分ぶぶん冒頭ぼうとうのフレーズをうたっている[5]

スターは、ほんさくについて「ぼくはじめていたきょくで、いたきょくかたちにするのは最高さいこう気分きぶんだった。すごく興奮こうふんしたし、みんなも本当ほんとう協力きょうりょくてきで、あのイカれたヴァイオリニストのレコーディングは、とくむねがワクワクした」とかたっている[6][4]

なお、ほんさく楽譜がくふ出版しゅっぱんもとはスターの楽曲がっきょく専門せんもん会社かいしゃスターティング・ミュージックが所有しょゆうしているが発表はっぴょうされてしばらくはアップル・パブリッシング[注釈ちゅうしゃく 3]所有しょゆうしていた。

レコーディング

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「ドント・パス・ミー・バイ」のレコーディングは、1968ねん6がつ5にちと6にち、7がつ12にちEMIレコーディング・スタジオのスタジオ2でおこなわれた。前述ぜんじゅつのとおり1964ねんから制作せいさくされた楽曲がっきょくだが、6月5にちのセッション・テープのラベルには「Ringo's Tune (Untitled)」、6月6にちのセッション・テープのラベルには「This Is Some Friendly」と表記ひょうきされ、7がつ12にちまでにもとの「ドント・パス・ミー・バイ」にもどされた[7]

6月6にちにレコーディングされたリード・ボーカルのトラックの合間あいまでは、スターが2小節しょうせつをカウントするこえはいっており[8]、これは2かいのリフレインと3かいのリフレインのあいだ確認かくにんできる。モノラル・ミックスは、ステレオ・ミックスよりもテープの回転かいてん速度そくどげられており、フェード・アウト部分ぶぶんでのヴァイオリンのフレーズもことなっている[4]。1996ねん発売はつばいされた『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』には、ヴァイオリンがオーバー・ダビングされるまえのテイクを編集へんしゅうした音源おんげん収録しゅうろくされた[4]

ジョージ・マーティンは、ほんさくのイントロとしてオーケストラ小曲しょうきょく制作せいさくしたが、最終さいしゅうてき使用しようとなった[9]。この小曲しょうきょくは、1996ねん発売はつばいされた『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』に「ア・ビギニング」として収録しゅうろくされた[10][9][4]

なお、ほんさくにおいてジョン・レノンジョージ・ハリスン演奏えんそう参加さんかしていないが、レノンは6がつ5にちのセッションに同席どうせきしており、同日どうじつにレコーディングされたテープのテイクの合間あいまで、「ユー・アー・マイ・サンシャイン」の1フレーズをうたうレノンのボーカルがのこされている[4]

評価ひょうか

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作家さっかバリー・マイルズ英語えいごばんは、ほんさくを「リンゴのカントリー&ウェスタン・ナンバー」「素晴すばらしいきょく」とし、ジャック・ファロン英語えいごばんヴァイオリン演奏えんそうとバグパイプ効果こうか称賛しょうさんした[11]クラシック・ロックのイアン・フォートナムは、「アルバム『ザ・ビートルズ』を『“永続えいぞくてきなロックの青写真あおじゃしん”にした4きょく」として「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」、「ヤー・ブルース」、「ヘルター・スケルター」とともほんさくげた[12]

クレジット

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以上いじょうが、イアン・マクドナルド英語えいごばん[13]マーク・ルイソン英語えいごばん[7]著書ちょしょ出典しゅってんとしたクレジット。

しかし、2018ねん発売はつばいされた『ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム)〈スーパー・デラックス・エディション〉』に付属ふぞくのブックレットには、以下いかのようなクレジットが掲載けいさいされている[4]

  • リンゴ・スター - リード・ボーカル、ピアノ、スレイベル、パーカッション
  • ポール・マッカートニー - ピアノ、ベース、ドラム
  • ジャック・ファロン - ヴァイオリン

カバー・バージョン

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アメリカ・ジョージアしゅう出身しゅっしんのロックバンド、ジョージア・サテライツが、1988ねん発売はつばいされたアルバム『オープン・オール・ナイト』でほんさくをカバーし[14]、2004ねんザ・パンクルズがアルバム『Pistol』でカバーした[15]

1994ねん10がつ31にちフィッシュがニューヨークでアルバム『ザ・ビートルズ』に収録しゅうろく全曲ぜんきょくをカバーするライブをおこない、ほんさくブルーグラス調しらべにアレンジされて演奏えんそうされた。このライブでの演奏えんそうは、2002ねん発売はつばいされた4まいぐみのライブ・アルバム『LIVE PHISH 13 10.31.94』で音源おんげんされた[16]

スターは、2017ねん発売はつばいされたアルバム『ギヴ・モア・ラヴ』で、ボーナス・トラックとしてほんさくをセルフカバーした。

ア・ビギニング

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ア・ビギニング
ジョージ・マーティン楽曲がっきょく
収録しゅうろくアルバムザ・ビートルズ・アンソロジー3
英語えいごめいA Beginning
リリース1996ねん10がつ28にち
録音ろくおん
ジャンルオーケストラ
時間じかん50びょう
レーベルアップル・レコード
作曲さっきょくしゃジョージ・マーティン
プロデュースジョージ・マーティン
ザ・ビートルズ・アンソロジー3 収録しゅうろくきょく
ア・ビギニング
(DISC 1-1)
ハッピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン
(DISC 1-2)

ア・ビギニング」(A Beginning)は、ビートルズのプロデューサーであるジョージ・マーティン作曲さっきょくしたインストゥルメンタルである。「ドント・パス・ミー・バイ」のイントロとして作曲さっきょくされ[10]、「グッド・ナイト」のオーケストラ・セッションがおこなわれた1968ねん7がつ22にちEMIレコーディング・スタジオ録音ろくおんされた[17]。しかし最終さいしゅうてきほんさく使用しようとなった。

1968ねん公開こうかいされたビートルズのアニメ映画えいがイエロー・サブマリン』にて、「エリナー・リグビー」のイントロとしてほんさくべつテイクが使用しようされた[10]

1996ねん発表はっぴょう音源おんげんやアウトテイクなどを収録しゅうろくした「ザ・ビートルズ・アンソロジー」シリーズの(CD作品さくひんとしては)だい3だんとなる『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』が発売はつばいされ、ほんさくはオープニング・トラックとして収録しゅうろくされた[10]当初とうしょ、この作品さくひんの1きょくには新曲しんきょくとして「ナウ・アンド・ゼン」が収録しゅうろくされる予定よていだった[18][注釈ちゅうしゃく 4]が、しょ問題もんだいにより完成かんせいとなったためそのわりとしてほんさくげられた[19]。タイトルは『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』の最後さいご収録しゅうろくされた「ジ・エンド」に呼応こおうしてけられたもの[19]

2018ねん発売はつばいされた『ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム) <スーパー・デラックス・エディション>』のCD4に、このきょくのテイク4が「ドント・パス・ミー・バイ (テイク7)」のイントロとして収録しゅうろくされている。タイトルも「ア・ビギニング (テイク4) / ドント・パス・ミー・バイ (テイク7)A Beginning (Take 4) / Don't Pass By Me (Take 7))」と表記ひょうきされている[20][21]

クレジット(ア・ビギニング)

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出典しゅってん[22]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 名義めいぎ本名ほんみょうリチャード・スターキー
  2. ^ ほんさく以前いぜん発表はっぴょうされていたスターさく楽曲がっきょくは、1965ねん発表はっぴょうされた「えたこい」(※レノン=マッカートニー & リチャード・スターキー名義めいぎ)と、1967ねん発表はっぴょうされた「フライング」(※メンバー全員ぜんいんいたインストゥルメンタル)。
  3. ^ ビートルズ設立せつりつしたアップル・コア傘下さんか楽譜がくふ出版しゅっぱんしゃ現在げんざい解散かいさんしている。
  4. ^ ザ・ビートルズ・アンソロジー1』(1995ねん)や『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』(1996ねん)には、それぞれジョン・レノンのこしたデモテープをもとポール・マッカートニージョージ・ハリスンリンゴ・スターの3にん仕上しあげた新曲しんきょくフリー・アズ・ア・バード」「リアル・ラヴ」が1きょく収録しゅうろくされていた。
  5. ^ ヴァイオリン(12ちょう)、ヴィオラ(3ちょう)、チェロ(3だい)、フルート(3ほん)、クラリネットホルンヴィブラフォンダブルベースハープ構成こうせい[22]

出典しゅってん

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  1. ^ Halpin, Brooke (2017). Experiencing the Beatles: A Listner's Companion. Rowman & Littlefield. p. 190. ISBN 1442271442. "...the country-rock song "Don't Pass Me By" is the first song in the Beatles' catalog that is written entirely by Ringo." 
  2. ^ Lewisohn 1988, pp. 137, 142, 144.
  3. ^ Top 10/Tipparaden/1969/Uge 14 (week 14)” (Danish). danskehitlister.dk (1969ねん4がつ3にち). 2020ねん9がつ25にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d e f g h White Album 2018, p. 20.
  5. ^ Complete BBC Sessions, Vol.8, track 5, at the 1:10 mark
  6. ^ Guesdon, Jean-Michel; Margotin, Philippe (2014) [2013]. Freiman, Scott. ed. All the Songs: The Story Behind Every Beatles Release. Philadelphia, Pennsylvania: Running Press. p. 435. ISBN 1603763716 
  7. ^ a b Lewisohn 1988, p. 137.
  8. ^ Lewisohn 1988, pp. 137, 142.
  9. ^ a b MacDonald 2005, p. 286.
  10. ^ a b c d Lewisohn 1996, p. 4.
  11. ^ Miles, Barry (1968ねん11月29にち). “Multi-Purpose Beatles Music”. International Times: p. 10 
  12. ^ Fortnam 2014, pp. 42–43.
  13. ^ Lewisohn 2005, p. 286.
  14. ^ Jurek, Thom. Open All Night - The Georgia Satellites - オールミュージック. 2020ねん9がつ25にち閲覧えつらん
  15. ^ Luerssen, John D.. Pistol - The Punkles - オールミュージック. 2020ねん9がつ25にち閲覧えつらん
  16. ^ Jarnow, Jesse. Live Phish, Vol. 13: 10/31/94, Glens Falls Civic Center, Glens Falls, NY - Phish | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020ねん9がつ22にち閲覧えつらん
  17. ^ Womack 2014, p. 143.
  18. ^ Doggett, Peter (2009) [2005]. The Art and Music of John Lennon. London: Omnibus Press. p. 381. ISBN 085712126X 
  19. ^ a b 藤本ふじもと 2022, p. 149.
  20. ^ “ビートルズ、『ホワイト・アルバム』の50周年しゅうねんスペシャル・エディションのリリースが決定けってい. NME Japan (ニュー・ミュージカル・エクスプレス). (2018ねん9がつ25にち). https://nme-jp.com/news/61501/ 2019ねん10がつ28にち閲覧えつらん 
  21. ^ “ザ・ビートルズ、ホワイト・アルバム発売はつばい50周年しゅうねん記念きねんして発表はっぴょうきょくふく豪華ごうかばん発売はつばい. CDJournal (株式会社かぶしきがいしゃシーディージャーナル). (2018ねん9がつ25にち). https://www.cdjournal.com/main/news/the-beatles/80589 2019ねん10がつ28にち閲覧えつらん 
  22. ^ a b Womack 2014, p. 144.

参考さんこう文献ぶんけん

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外部がいぶリンク

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