ナルキッソス

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ポンペイのナルキッソスの.
カラヴァッジオによってえがかれたナルキッソス
ジュラ・ベンツールによってえがかれたナルキッソス

ナルキッソス古代こだいギリシア: Νάρκισσος, Narkissos英語えいご: Narcissus)は、ギリシア神話しんわ登場とうじょうする美少年びしょうねんである。

概要がいよう

ナルキッソスはギリシア神話しんわなかでも著名ちょめいだが、そのはなしについてはいくつかのせつがある。盲目もうもく予言よげんしゃテイレシアースうらなって「おのれらないままでいれば、長生ながいきできるであろう」と予言よげんした。

わかさとうつくしさをそなえていたかれは、あるときアプロディーテーおくもの侮辱ぶじょくする。アプロディーテーはいかり、ナルキッソスをあいするものかれ所有しょゆうできないようにする。かれ女性じょせいからだけでなく男性だんせいからもあいされており、かれこいしていたもの一人ひとりであるアメイニアスは、かれれられないことに絶望ぜつぼうし、自殺じさつする。

もり妖精ようせいニュンペー)のひとりエーコーかれこいをしたが、エーコーはゼウスヘーラー監視かんしからのがれるのをうたとおしゃべりでたすけたためにヘーラーのいかりをかい、自分じぶんではくちがきけず、他人たにん言葉ことばかえすことのみをゆるされていた。エーコーはナルキッソスの言葉ことばかえ以外いがいなにもできなかったので、ナルキッソスは「退屈たいくつだ」としてエーコーを見捨みすてた。エーコーはかなしみのあまり姿すがたうしない、ただこえだけがのこって木霊こだまになった。これをかみたいする侮辱ぶじょくばっするかみネメシスは、他人たにんあいせないナルキッソスが、ただ自分じぶんだけをあいするようにする。

ネメシスは無情むじょうなナルキッソスをムーサのやまにあるいずみによびせる。不吉ふきつ予言よげんちかづいているともらないナルキッソスがみずもうと、水面すいめんると、なかうつくしい少年しょうねんがいた。もちろんそれはナルキッソス本人ほんにんだった。ナルキッソスはひとこいちた。そしてそのままみずなか美少年びしょうねんからはなれることができなくなり、やせほそってんだ。また、水面すいめんうつった自分じぶん口付くちづけをしようとしてそのままちて水死すいししたというはなしもある。ナルキッソスがんだあとそこには水仙すいせんはないていた。この伝承でんしょうから、スイセンのことを欧米おうべいではナルシスとぶ。また、精神せいしん分析ぶんせき用語ようごナルシシズム(narcissism、自己じこあいという言葉ことば語源ごげんになった。

参考さんこう文献ぶんけん

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