出羽でわ湊みなと利吉としきち

出羽でわ湊みなと 利吉としきち
出羽でわ湊みなとのミニブロマイド
基礎きそ情報じょうほう
四股しこ名めい	出羽でわ湊みなと 利吉としきち
本名ほんみょう	佐藤さとう 利吉としきち
愛称あいしょう	業師わざし
生年月日せいねんがっぴ	1907年ねん3月がつ20日はつか
没ぼつ年月日ねんがっぴ	(1964-05-17) 1964年ねん5月17日にち（57歳さい没ぼつ）
出身しゅっしん	秋田あきた県けん南秋田みなみあきた郡ぐん土崎つちざき港町みなとちょう （現げん：秋田あきた県けん秋田あきた市し土崎つちざき港こう）
身長しんちょう	177cm
体重たいじゅう	98kg
BMI	31.28
所属しょぞく部屋へや	出羽海でわのうみ部屋へや
得意とくい技わざ	右みぎ四よっつ、櫓ろ投なげ、切きり返かえし、外そと掛かけ、腕うで捻ねじり、無双むそう、肩透かたすかし
成績せいせき
現在げんざいの番付ばんづけ	引退いんたい
最高さいこう位い	東ひがし関脇せきわけ
生涯しょうがい戦歴せんれき	197勝しょう158敗はい1分ふん35休きゅう（41場所ばしょ）
幕内まくうち戦歴せんれき	121勝しょう120敗はい1分ふん35休きゅう（21場所ばしょ）
優勝ゆうしょう	幕内まくうち最高さいこう優勝ゆうしょう1回かい 十両じゅうりょう優勝ゆうしょう1回かい 幕下まくした優勝ゆうしょう1回かい
データ
初はつ土俵どひょう	1928年ねん5月場所ばしょ
入幕にゅうまく	1935年ねん1月がつ場所ばしょ
引退いんたい	1944年ねん11月場所ばしょ
引退いんたい後ご	年寄としより・濱風はまかぜ
備考びこう
金星かなぼし1個いっこ（男女だんじょノ川かわ1個いっこ）
2019年ねん7月がつ3日にち現在げんざい ■テンプレート  ■プロジェクト 相撲すもう

出羽でわ湊みなと 利吉としきち（でわみなと りきち、1907年ねん3月がつ20日はつか - 1964年ねん5月17日にち）は、秋田あきた県けん南秋田みなみあきた郡ぐん土崎つちざき港町みなとちょう（現げん：秋田あきた県けん秋田あきた市し土崎つちざき港こう）出身しゅっしんで出羽海でわのうみ部屋へやに所属しょぞくした大相撲おおずもう力士りきし。本名ほんみょうは佐藤さとう 利吉としきち（さとう りきち）。最高さいこう位いは東ひがし関脇せきわけ。

来歴らいれき

1907年ねん3月がつ20日はつかに秋田あきた県けん南秋田みなみあきた郡ぐん土崎つちざき港町みなとちょう（現げん：秋田あきた県けん秋田あきた市し土崎つちざき港こう）で米屋こめやを営いとなむ家いえに二男じなんとして生うまれる。地元じもとの土崎つちざき尋常じんじょう高等こうとう小学校しょうがっこうを卒業そつぎょうし、近所きんじょの那な波は商店しょうてん酒造しゅぞう部ぶで勤務きんむしながら土地とち相撲すもうで活躍かつやくしていた時ときに、大相撲おおずもうの巡業じゅんぎょうが秋田あきたへやってきた際さいに同郷どうきょうの新海しんかい幸藏こうぞうから勧誘かんゆうされ、2歳さい上じょうの兄あにからも勧すすめられたことで出羽海でわのうみ部屋へやへ入門にゅうもんした。徴兵ちょうへい検査けんさでは重砲じゅうほう兵へいとして既すでに合格ごうかくしていたが、力士りきし転向てんこうを申もうし出でるとすぐに許可きょかされた。また、四股しこ名めいは郷里きょうりの土崎つちざき港こうに因ちなんで「土どヶ嵜」とした。

1928年ねん5月場所ばしょで初はつ土俵どひょう。最初さいしょのころは土地とち相撲すもう時代じだいからの、半身はんしんになって相撲すもうをとる癖くせが抜ぬけず、その修正しゅうせいのために兄弟子あにでしに幾いく度どか制裁せいさいを加くわえられたこともあった。1932年ねん1月がつ6日にちに勃発ぼっぱつした春秋しゅんじゅう園えん事件じけんでは、幕下まくしたから脱退だったいした数少かずすくない力士りきしの1人ひとりとなった。1933年ねん1月がつ場所ばしょにおいて幕下まくした格かくで帰参きさんしてからは負まけ越こし知しらずのまま、1934年ねん5月場所ばしょで全勝ぜんしょうでの十両じゅうりょう優勝ゆうしょうを果はたし、1935年ねん1月がつ場所ばしょで新しん入幕にゅうまくを果はたした。筋肉質きんにくしつの体格たいかくで足腰あしこしが非常ひじょうに強つよく、立合たちあいから常つねに先手せんてで攻せめる千変万化せんぺんばんかの取とり口くちで曲者くせもの・業師わざしと称しょうされた。また、右みぎを差さしてから鋭するどい出足であしを生いかした寄よりも強つよく、名寄岩なよろいわには通算つうさんで5勝しょう4敗はいと「名寄岩なよろいわキラー」ぶりを発揮はっきした。

1937年ねん1月がつ場所ばしょでは関脇せきわけに昇進しょうしんしたが、この場所ばしょを2勝しょう9敗はいと大おおきく負まけ越こしてすぐに平幕ひらまく陥落かんらく、さらに左足ひだりあしの負傷ふしょうによって2場所ばしょ連続れんぞくで途中とちゅう休場きゅうじょうすることとなる。このままでは十じゅう両りょう陥落かんらくの危機ききに立たたされるが、1939年ねん1月がつ場所ばしょでは西にし前頭まえがしら17枚まい目めでありながら初日しょにちから連勝れんしょうを続つづけ、羽黒山はぐろさん政司せいじ・玉たまノ海うみ梅吉うめきちの両りょう小結こむすびを破やぶって13戦せん全勝ぜんしょうとして幕内まくうち最高さいこう優勝ゆうしょうを果はたした。奇くしくもこの場所ばしょは、4日にち目めに双そう葉山はやま定次さだじの連勝れんしょうが安藝あきノ海うみ節男せつおによって69で止とまった場所ばしょだったが、出羽でわ湊みなとが幕まく尻しりから一気いっきに小結こむすびへ昇進しょうしんした同年どうねん5月がつ場所ばしょでは双葉ふたば山さんが15戦せん全勝ぜんしょうで幕内まくうち最高さいこう優勝ゆうしょうを達成たっせいしたことで、出羽でわ湊みなとの全勝ぜんしょう優勝ゆうしょう額がくの両りょう脇わきに双葉ふたば山さんの全勝ぜんしょう優勝ゆうしょう額がくが掛かかる皮肉ひにくな結果けっかとなった。それでも、1936年ねん1月がつ場所ばしょの玉たま錦にしき三さん右みぎエ門もんから8枚まい連続れんぞくで全勝ぜんしょう優勝ゆうしょう額がくが掲かかげられたが、その中なかに平幕ひらまく下位かいだった出羽でわ湊みなとが名なを連つらねたことは大おおいに価値かちがある。出羽でわ湊みなとの優勝ゆうしょうは、出羽海でわのうみ部屋へやにとっても7年ねんぶりの優勝ゆうしょうであった。なお、1944年ねん5月がつ場所ばしょでは10戦せん全敗ぜんぱいを記録きろくしており、史上しじょう初はつの幕内まくうちで全勝ぜんしょうと全敗ぜんぱいの両方りょうほうを経験けいけんした力士りきしになるという珍ちん記録きろくを樹立じゅりつした。全勝ぜんしょう優勝ゆうしょうを果はたした後のちも三さん役やくから平幕ひらまく上位じょういで活躍かつやくし、前述ぜんじゅつ通どおり名寄岩なよろいわに勝かち越こしたほか、大関おおぜき時代じだいの前田山まえだやまと対戦たいせんして2勝しょうしたが、1944年ねん11月場所ばしょを最後さいごに現役げんえきを引退いんたいした。現役げんえき中ちゅうに双葉ふたば山さんとは15回かい対戦たいせんしているが、0勝しょう15敗はいと全すべて敗やぶれている。

引退いんたい後ごは年寄としより・濱風はまかぜを襲名しゅうめいし、1947年ねんから渋谷しぶやで氷こおり屋やを経営けいえいしたほか、1949年ねんからはその店みせを鶏肉とりにく店てんに変かえたが次第しだいに体力たいりょく的てきに辛からくなり店てんを閉しめ、1958年ねんからは道玄坂どうげんざか上通かみとおりで相撲すもう料理りょうり店てん「ちゃんこ浜風はまかぜ」を経営けいえいした。1959年ねんごろは、鬼おに竜川りゅうがわを自分じぶんに似にた力士りきしとして挙あげていた。1964年ねん5月17日にちに死去しきょ、57歳さい没ぼつ。相撲すもう料理りょうり店てんを開店かいてんしてから6年ねん後ご、日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいを廃業はいぎょうしてから1年ねん経たたずだった。

主おもな成績せいせき

1939年ねん1月がつ場所ばしょで幕内まくうち最高さいこう優勝ゆうしょうを全勝ぜんしょうで飾かざり、賜杯しはいを抱いだく

• 通算つうさん成績せいせき：197勝しょう158敗はい1分ふん35休きゅう 勝率しょうりつ.555
• 幕内まくうち成績せいせき：121勝しょう120敗はい1分ふん35休きゅう 勝率しょうりつ.502
• 現役げんえき在位ざいい：41場所ばしょ
• 幕内まくうち在位ざいい：21場所ばしょ
• 三さん役やく在位ざいい：5場所ばしょ（関脇せきわけ3場所ばしょ、小結こむすび2場所ばしょ）
• 金星かなぼし：1個いっこ（男女だんじょノ川かわ1個いっこ）
• 各かく段だん優勝ゆうしょう
  • 幕内まくうち最高さいこう優勝ゆうしょう：1回かい（1939年ねん1月がつ場所ばしょ）
  • 十両じゅうりょう優勝ゆうしょう：1回かい（1934年ねん5月がつ場所ばしょ）
  • 幕下まくした優勝ゆうしょう：1回かい（1933年ねん5月がつ場所ばしょ）

場所ばしょ別べつ成績せいせき

出羽でわ湊みなと利吉としきち

	春場所はるばしょ	三さん月がつ場所ばしょ	夏場所なつばしょ	秋場所あきばしょ
1928年ねん （昭和しょうわ3年ねん）	x	x	（前ぜん相撲すもう）	序ノ口じょのくち –
1929年ねん （昭和しょうわ4年ねん）	西にし序じょ二に段だん40枚まい目め 6–0	西にし序じょ二に段だん40枚まい目め 4–2	東ひがし三さん段だん目め29枚まい目め 3–3	東ひがし三さん段だん目め29枚まい目め 4–2
1930年ねん （昭和しょうわ5年ねん）	東ひがし三さん段だん目め12枚まい目め 4–2	東ひがし三さん段だん目め12枚まい目め 3–3	西にし幕下まくした29枚まい目め 2–4	西にし幕下まくした29枚まい目め 5–1
1931年ねん （昭和しょうわ6年ねん）	西にし幕下まくした12枚まい目め 1–5	西にし幕下まくした12枚まい目め 2–4	西にし三さん段だん目め2枚まい目め 5–1	西にし三さん段だん目め2枚まい目め 4–2
1932年ねん （昭和しょうわ7年ねん）	東ひがし幕下まくした17枚まい目め – 脱退だったい	x	x	x
1933年ねん （昭和しょうわ8年ねん）	幕下まくした 7–2	x	東ひがし幕下まくした7枚まい目め 優勝ゆうしょう 8–3	x
1934年ねん （昭和しょうわ9年ねん）	東ひがし十じゅう両りょう10枚まい目め 7–4	x	東ひがし十じゅう両りょう3枚まい目め 優勝ゆうしょう 11–0	x
1935年ねん （昭和しょうわ10年ねん）	西前にしまえ頭あたま9枚まい目め 6–5	x	西前にしまえ頭あたま7枚まい目め 6–5	x
1936年ねん （昭和しょうわ11年ねん）	東ひがし前頭まえがしら5枚まい目め 8–3	x	西前にしまえ頭あたま筆頭ひっとう 7–4	x
1937年ねん （昭和しょうわ12年ねん）	東ひがし関脇せきわけ 2–9	x	東ひがし前頭まえがしら3枚まい目め 7–6	x
1938年ねん （昭和しょうわ13年ねん）	東ひがし前頭まえがしら2枚まい目め 2–5–6 ★	x	東ひがし前頭まえがしら9枚まい目め 3–5–5	x
1939年ねん （昭和しょうわ14年ねん）	西前にしまえ頭あたま17枚まい目め 13–0	x	西にし小結こむすび 5–10	x
1940年ねん （昭和しょうわ15年ねん）	西前にしまえ頭あたま8枚まい目め 8–7	x	西前にしまえ頭あたま2枚まい目め 10–5	x
1941年ねん （昭和しょうわ16年ねん）	東ひがし小結こむすび 0–2–13	x	東ひがし前頭まえがしら5枚まい目め 9–6	x
1942年ねん （昭和しょうわ17年ねん）	西前にしまえ頭あたま筆頭ひっとう 9–6	x	西にし関脇せきわけ 8–6 (1分ふん)	x
1943年ねん （昭和しょうわ18年ねん）	東ひがし関脇せきわけ 3–12	x	西前にしまえ頭あたま4枚まい目め 7–8	x
1944年ねん （昭和しょうわ19年ねん）	東ひがし前頭まえがしら4枚まい目め 8–6–1	x	西前にしまえ頭あたま2枚まい目め 0–10	西前にしまえ頭あたま15枚まい目め 引退いんたい 0–0–10
各かく欄らんの数字すうじは、「勝かち-負まけ-休場きゅうじょう」を示しめす。    優勝ゆうしょう 引退いんたい 休場きゅうじょう 十じゅう両りょう 幕下まくした 三さん賞しょう：敢=敢闘かんとう賞しょう、殊こと=殊勲賞しゅくんしょう、技わざ=技能ぎのう賞しょう     その他た：★=金星かなぼし 番付ばんづけ階級かいきゅう：幕内まくうち - 十じゅう両りょう - 幕下まくした - 三さん段だん目め - 序じょ二に段だん - 序ノ口じょのくち 幕内まくうち序列じょれつ：横綱よこづな - 大関おおぜき - 関脇せきわけ - 小結こむすび - 前頭まえがしら（「#数字すうじ」は各位かくい内ないの序列じょれつ）

四股しこ名めい遍歴へんれき

• 佐藤さとう 利吉としきち（さとう りきち）：1928年ねん3月がつ場所ばしょ - 1930年ねん5月がつ場所ばしょ
• 土どヶ嵜 利吉としきち（つちがさき - ）：1930年ねん10月がつ場所ばしょ - 1933年ねん5月がつ場所ばしょ
• 出羽でわ湊みなと 利吉としきち（でわみなと - ）：1934年ねん1月がつ場所ばしょ - 1935年ねん1月がつ場所ばしょ、1936年ねん1月がつ場所ばしょ、1937年ねん1月がつ場所ばしょ - 1944年ねん11月場所ばしょ（引退いんたい）
• 出羽でわ湊みなと 利市りいち（でわみなと りいち）：1935年ねん5月がつ場所ばしょ
• 出羽いずは港こう 利吉としきち（でわみなと りきち）：1936年ねん5月がつ場所ばしょ

年寄としより遍歴へんれき

• 濱風はまかぜ 利吉としきち（はまかぜ りきち）：1945年ねん6月がつ - 1963年ねん7月がつ（廃業はいぎょう）

参考さんこう文献ぶんけん

• 鈴木すずき治彦はるひこ「相撲すもう芸談げいだん その四よん 浜風はまかぜ親方おやかたの巻まき」『相撲すもう』1959年ねん第だい12号ごう、ベべースボすぼール・マガジン社るまがじんしゃ、1959年ねん、146-148頁ぺーじ。 

関連かんれん項目こうもく

• 関脇せきわけ一覧いちらん