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濱口竜介 - Wikipedia コンテンツにスキップ

濱口はまぐち竜介りゅうすけ

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はまぐち りゅうすけ
濱口はまぐち 竜介りゅうすけ
濱口 竜介
2018年ねん
生年月日せいねんがっぴ (1978-12-16) 1978年ねん12月16日にち（45歳さい）
出生しゅっしょう地ち 日本の旗 日本にっぽん・神奈川かながわ県けん川崎かわさき市し
職業しょくぎょう 映画えいが監督かんとく・脚本きゃくほん家か
ジャンル 映画えいが
著名ちょめいな家族かぞく 濱口はまぐち達男たつお（父ちち）
主おもな作品さくひん

監督かんとく・脚本きゃくほん

脚本きゃくほん
 
受賞じゅしょう
アカデミー賞しょう
国際こくさい長編ちょうへん映画えいが賞しょう
2021年ねん『ドライブ・マイ・カー』
カンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさい
脚本きゃくほん賞しょう
2021年ねん『ドライブ・マイ・カー』
国際こくさい映画えいが批評ひひょう家か連盟れんめい賞しょう
2021年ねん『ドライブ・マイ・カー』
エキュメニカル審査しんさ員いん賞しょう
2021年ねん『ドライブ・マイ・カー』
ヴェネツィア国際こくさい映画えいが祭さい
銀ぎん獅子しし賞しょう（審査しんさ員いん大賞たいしょう）
2023年ねん『悪あくは存在そんざいしない』
国際こくさい映画えいが批評ひひょう家か連盟れんめい賞しょう
2023年ねん『悪あくは存在そんざいしない』
ベルリン国際こくさい映画えいが祭さい
銀ぎん熊ぐま賞しょう（審査しんさ員いんグランプリ）
2021年ねん『偶然ぐうぜんと想像そうぞう』
全米ぜんべい映画えいが批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょう
監督かんとく賞しょう
2021年ねん『ドライブ・マイ・カー』『偶然ぐうぜんと想像そうぞう』
脚本きゃくほん賞しょう
2021年ねん『ドライブ・マイ・カー』
ロサンゼルス映画えいが批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょう
脚本きゃくほん賞しょう
2021年ねん『ドライブ・マイ・カー』
放送ほうそう映画えいが批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょう
外国がいこく語ご映画えいが賞しょう
2021年ねん『ドライブ・マイ・カー』
英国えいこくアカデミー賞しょう
非ひ英語えいご作品さくひん賞しょう
2021年ねん『ドライブ・マイ・カー』
日本にっぽんアカデミー賞しょう
最優秀さいゆうしゅう監督かんとく賞しょう
2021年ねん『ドライブ・マイ・カー』
最優秀さいゆうしゅう脚本きゃくほん賞しょう
2021年ねん『ドライブ・マイ・カー』
その他たの賞しょう
文部もんぶ科学かがく大臣だいじん新人しんじん賞しょう
2015年ねん『ハッピーアワー』
文部もんぶ科学かがく大臣だいじん賞しょう
2021年ねん『ドライブ・マイ・カー』
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濱口はまぐち 竜介りゅうすけ（はまぐち りゅうすけ、1978年ねん12月16日にち - ）は、日本にっぽんの映画えいが監督かんとく・脚本きゃくほん家か。早はやくから独特どくとくの演出えんしゅつ手法しゅほうが注目ちゅうもくされていたが[1][2]、『ドライブ・マイ・カー』（2021年ねん）や『悪あくは存在そんざいしない』（2023年ねん）などの作品さくひんが国際こくさい的てきに高たかい評価ひょうかを受うけ、日本人にっぽんじんでは黒澤くろさわ明あきら以来いらいはじめて米べいアカデミー賞しょうと世界せかい三さん大だい映画えいが祭さいのすべてで受賞じゅしょうを果はたした映画えいが監督かんとくとなった[3]。

経歴けいれき[編集へんしゅう]

学生がくせい時代じだい[編集へんしゅう]

1978年ねん12月16日にち、神奈川かながわ県けん川崎かわさき市しに生うまれる[4][5]。父ちちは建設けんせつ官僚かんりょうで国土こくど技術ぎじゅつ政策せいさく総合そうごう研究所けんきゅうじょ所長しょちょうなどを務つとめた濱口はまぐち達男たつお[6][7][8]。祖父そふは洋画ようが家かの浜口はまぐち喬たかし夫おっと[6]。祖父そふ・喬たかし夫おっとの叔母おば・寛子ひろこは寺田てらだ寅彦とらひこの二に番目ばんめの妻つまにあたる[6][9][10][注ちゅう 1]。

父親ちちおやの仕事しごとの関係かんけいで幼少ようしょう期きは転校てんこうが多おおく、3歳さいから5歳さいまでイランで過すごしている[11][12]。千葉ちば県立けんりつ東葛飾ひがしかつしか高等こうとう学校がっこうを経へて東京大学とうきょうだいがく文科ぶんか三さん類るいに入学にゅうがくした当初とうしょは映画えいがへの関心かんしんはなく、当時とうじ総長そうちょうを務つとめていた蓮實はすみ重彦しげひこが映画えいが批評ひひょうの分野ぶんやで重おもきをなしたことも全まったく知しらなかったという[12]。しかし、映画えいが研究けんきゅう会かいに所属しょぞくすると急速きゅうそくに映画えいがに傾倒けいとうし、文学部ぶんがくぶでは美学びがく芸術げいじゅつ学がく研究けんきゅう室しつに進学しんがく[12]。この頃ころから8ミリフィルムで自主じしゅ製作せいさく映画えいがを撮とり始はじめている[13]。

大学だいがく卒業そつぎょう後ご、映画えいがの助監督じょかんとくやテレビ番組ばんぐみのアシスタントディレクターなどを経へたのち、映画えいが監督かんとくを養成ようせいするコースとして新設しんせつされていた東京藝術大学とうきょうげいじゅつだいがく大学院だいがくいんの修士しゅうし課程かていに入学にゅうがく[14][15]。在学ざいがく中ちゅうは教授きょうじゅとして教鞭きょうべんを執とっていた黒沢くろさわ清きよしに師事しじしていた。2008年ねんに修了しゅうりょう作品さくひんとして監督かんとくした『PASSION』が[16]、サン・セバスティアン国際こくさい映画えいが祭さいや第だい9回かい東京とうきょうフィルメックスのコンペティション部門ぶもんに選出せんしゅつされるなど、学生がくせい作品さくひんとしては異例いれいの注目ちゅうもくを集あつめた[17]。

東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいでの活動かつどう[編集へんしゅう]

2011年ねんに東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいが発生はっせいしたのち、仙台せんだい市しのせんだいメディアテークが、市民しみんの手てによって震災しんさいの記録きろく映像えいぞうをアーカイブする「3がつ11にちをわすれないためにセンター」を発足ほっそくさせる。この立たち上あげをサポートした東京藝術大学とうきょうげいじゅつだいがくは濱口はまぐちを現地げんちへ派遣はけん。濱口はまぐちは同年どうねん5月がつから現地げんちに滞在たいざいし、酒井さかい耕こうとの共同きょうどう監督かんとくで、津波つなみと震災しんさいの体験たいけんを語かたる地元じもと住民じゅうみんたちのインタビューを大量たいりょうに撮影さつえいしつづけた。この成果せいかがドキュメンタリー作品さくひん「東北とうほく記録きろく映画えいが三さん部ぶ作さく」に結実けつじつする[18]。

このときの体験たいけんを、濱口はまぐちは「こんなふうにカメラの前まえで生いき生いきとしゃべってくれるひとをはじめて撮とったという実感じっかんを持もった。何なんでもない言葉ことばに実感じっかんがこもっていた。（…）フィクションのなかで、こんな風ふうにしゃべってくれたらどんなにいいだろうと繰くり返かえし思おもった」と振ふり返かえっている[18]。こうした経験けいけんは、後のちに劇映画げきえいがにおける独自どくじの方法ほうほう論ろんへつながってゆく[18]。

翌よく2012年ねん、映画えいが・演劇えんげきの専門せんもん学校がっこう・ENBUゼミナールの映像えいぞう俳優はいゆうコースで講師こうしをつとめ、約やく3か月げつ間あいだの講義こうぎののちに、俳優はいゆうを志願しがんする学生がくせいたちの卒業そつぎょう制作せいさくとして[18]、二に部ぶ構成こうせいの大作たいさく『親密しんみつさ』を監督かんとくした[19][20]。

『ハッピーアワー』から『スパイの妻つま』まで[編集へんしゅう]

第だい71回かいカンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさい（2018年ねん）に『寝ねても覚さめても』出演しゅつえん者しゃとともに出席しゅっせきした濱口はまぐち（右みぎ端はし）。

2013年ねんから2014年ねんにかけて招聘しょうへい作家さっかとして神戸こうべ市しに滞在たいざい、演劇えんげきワークショップを担当たんとうする[21]。これをきっかけとして、ワークショップ参加さんか者しゃらを中心ちゅうしんとした映画えいが『ハッピーアワー』を監督かんとく[21]。

同どう作さくは2015年ねん8月がつに第だい68回かいロカルノ国際こくさい映画えいが祭さいへ出品しゅっぴんされ、ほぼ演技えんぎ経験けいけんのなかった4人にんの出演しゅつえん者しゃ（田中たなか幸恵ゆきえ、菊池きくち葉月はづき、三原みはら麻衣子まいこ、川村かわむらりら）が国際こくさいコンペ部門ぶもんの最優秀さいゆうしゅう女優じょゆう賞しょうを受賞じゅしょうした[22]。また同どう作さくでは2016年ねん3月がつ、芸術げいじゅつ選奨せんしょう新人しんじん賞しょう受賞じゅしょう[23]。同どう5月がつには第だい25回かい日本にっぽん映画えいが批評ひひょう家か大賞たいしょう選考せんこう委員いいん特別とくべつ賞しょうを受賞じゅしょうする成功せいこうをおさめた[24]。

2016年ねんから1年間ねんかん、文化庁ぶんかちょうの支援しえん制度せいどで、ボストンのハーバード大学だいがくライシャワー日本にっぽん文化ぶんか研究所けんきゅうじょに客員きゃくいん研究けんきゅう員いんとして滞在たいざいした[25][11]。同どう大学だいがくを滞在たいざい先さきに選えらんだのは、ドキュメンタリー映像えいぞうをとりこんだ「映像えいぞう人類じんるい学がく」で世界せかい的てきに知しられる監督かんとくルシアン・キャスティン＝テイラーが教壇きょうだんに立たっていたからだという[11]。

アメリカから帰国きこく後ごの2018年ねんには、柴崎しばざき友香ゆかの小説しょうせつをもとにした『寝ねても覚さめても』を監督かんとく[26]。これが濱口はまぐちにとって初はつの商業しょうぎょう映画えいが作品さくひんとなった。同どう作さくは第だい71回かいカンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさいのコンペティション部門ぶもんに正式せいしき出品しゅっぴんされている[27]。

2020年ねん、新型しんがたコロナウイルス感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうで経営けいえい危機ききに陥おちいるミニシアターが続出ぞくしゅつしたのを受うけて、映画えいが監督かんとくの深田ふかた晃司こうじとともに全国ぜんこくの小規模しょうきぼ映画えいが館かん支援しえんのためのクラウドファンディング『ミニシアター・エイド基金ききん』を立たち上あげた[28]。基金ききんは目標もくひょうの1億おく円えんを大おおきく上回うわまわって総額そうがく3億おく3000万まん円えん超ちょうを集あつめ[29]、濱口はまぐちらはこの活動かつどうで2020年度ねんどの日本にっぽん映画えいがペンクラブ賞しょうを受賞じゅしょうした[30]。

2020年ねん公開こうかいの黒沢くろさわ清きよし監督かんとく『スパイの妻つま〈劇場げきじょう版ばん〉』の脚本きゃくほん執筆しっぴつに野原のはら位いらと共ともに関かかわる。同どう作さくは第だい77回かいヴェネツィア国際こくさい映画えいが祭さいコンペティション部門ぶもんに出品しゅっぴんされ、黒沢くろさわが銀ぎん獅子しし賞しょう（監督かんとく賞しょう）を受賞じゅしょうしたほか、第だい94回かいキネマ旬報きねまじゅんぽうベストテンにおいて脚本きゃくほん賞しょうを受賞じゅしょうしている[31][32]。

『ドライブ・マイ・カー』の成功せいこう[編集へんしゅう]

前作ぜんさく『寝ねても覚さめても』のあと濱口はまぐちはいくつかの作品さくひん製作せいさくを進すすめてきたが、コロナ禍かによって製作せいさくスケジュールが大おおきく狂くるい、2021年ねんに2つの監督かんとく作品さくひんが同時どうじ公開こうかいされる。しかしこれが結果けっかとして濱口はまぐちへの国際こくさい的てきな注目ちゅうもくを一気いっきに高たかめることとなった[2]。

まず3月がつには『偶然ぐうぜんと想像そうぞう』が第だい71回かいベルリン国際こくさい映画えいが祭さいのコンペティション部門ぶもんに出品しゅっぴんされ、銀ぎん熊ぐま賞しょう（審査しんさ員いんグランプリ）を受賞じゅしょう[33][注ちゅう 2]。続つづいて7月がつには、村上むらかみ春樹はるきの短編たんぺん小説しょうせつをもとにした『ドライブ・マイ・カー』が第だい74回かいカンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさいコンペティション部門ぶもんに出品しゅっぴんされ、大江おおえ崇たかし允まことと共ともに日本にっぽん映画えいがとしては史上しじょう初はつとなる脚本きゃくほん賞しょう受賞じゅしょうを果はたす[34][35]。あわせて国際こくさい映画えいが批評ひひょう家か連盟れんめい賞しょうが贈おくられた[34]。（翌年よくねんには同どう連盟れんめいから年間ねんかんの国際こくさい映画えいが批評ひひょう家か連盟れんめい賞しょうグランプリに選えらばれている[36][37]）

米べいアカデミー賞しょう受賞じゅしょうの報告ほうこく会見かいけんにのぞむ濱口はまぐちと西島にししま（2022年ねん）

そして12月、ニューヨーク映画えいが批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょうが同年どうねんの作品さくひん賞しょうを『ドライブ・マイ・カー』に授与じゅよ[38]。同どう賞しょうは過去かこに「外国がいこく語ご映画えいが」部門ぶもんで黒澤くろさわ明あきららが受賞じゅしょうしたことがあるが、「作品さくひん賞しょう」としてはアジア映画えいが初はつの受賞じゅしょうとなり、アメリカ国内こくないでも驚おどろきを持もって受うけとめられた[1][39]。これと前後ぜんごして、同どう作さくは全米ぜんべい映画えいが批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょうやボストン、ロサンゼルスの批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょう、ゴールデングローブ賞しょうなど、アメリカの重要じゅうような映画えいが賞しょうを相次あいついで受賞じゅしょうした（後段こうだんの「主おもな受賞じゅしょう」節ふしを参照さんしょう）。日本にっぽん映画えいがのゴールデングローブ賞しょう受賞じゅしょうは62年ねんぶりであった[40]。

翌よく2022年ねん2月がつの第だい94回かいアカデミー賞しょうでは、作品さくひん賞しょう・監督かんとく賞しょう・脚色きゃくしょく賞しょう・国際こくさい長編ちょうへん映画えいが賞しょう（旧きゅう外国がいこく映画えいが賞しょう）の4部門ぶもんにノミネートされ、国際こくさい長編ちょうへん映画えいが賞しょうを受賞じゅしょうした[41][42]。作品さくひん賞しょうと脚色きゃくしょく賞しょうでのノミネートは日本にっぽん映画えいが初はつ、監督かんとく賞しょうのノミネートは36年ねんぶりで、『砂すなの女おんな』を監督かんとくした勅使河原てしがわら宏ひろし（第だい38回かい）、『乱らん』を監督かんとくした黒澤くろさわ明あきら（第だい58回かい）に続つづき3人にん目めとなった[43]。

国際こくさい的てき評価ひょうかの高たかまり[編集へんしゅう]

これらの世界せかい的てきな注目ちゅうもくを受うけ、2022年ねん2月がつに開催かいさいされた第だい72回かいベルリン国際こくさい映画えいが祭さいでは、国際こくさい審査しんさ員いん団だんの一人ひとりに抜擢ばってき[44]、コンペティション部門ぶもんの審査しんさ員いんを務つとめた[45]。同年どうねん3月がつ、2021年ねん公開こうかいの『偶然ぐうぜんと想像そうぞう』と『ドライブ・マイ・カー』の2作品さくひんが、ベルリンとカンヌ映画えいが祭さいで受賞じゅしょうしたことなどにより、芸術げいじゅつ選奨せんしょう文部もんぶ科学かがく大臣だいじん賞しょうに選えらばれる[46][47]。

2023年ねん9月がつの第だい80回かいヴェネツィア国際こくさい映画えいが祭さいでは『悪あくは存在そんざいしない』が出品しゅっぴんされ、国際こくさい映画えいが批評ひひょう家か連盟れんめい賞しょうに加くわえて銀ぎん獅子しし賞しょう（審査しんさ員いん大賞たいしょう）を受賞じゅしょう[48][49]。日本人にっぽんじんとしては黒澤くろさわ明あきら以来いらい初はじめて、アメリカのアカデミー賞しょうと世界せかい三さん大だい映画えいが祭さいすべてで受賞じゅしょうを果はたした監督かんとくとなった[50]。同年どうねん10月がつ、第だい67回かいロンドン映画えいが祭さいで『悪あくは存在そんざいしない』が、審査しんさ員いんの全員ぜんいん一致いっちで作品さくひん賞しょうを受賞じゅしょう[51]。

手法しゅほう・影響えいきょう[編集へんしゅう]

映画えいが監督かんとくジャン・ルノワール（1959年ねん）｡彼かれは印象派いんしょうはの画家がかルノワールの次男じなんで、フランス映画えいが史しに大おおきな足跡あしあとを残のこした。

『ハッピーアワー』では、ほぼ演技えんぎ経験けいけんのない出演しゅつえん者しゃへの演技えんぎ指導しどう法ほうとして、フランスの監督かんとくジャン・ルノワールが実践じっせんしていた「イタリア式しき本読ほんよみ」と呼よばれる手法しゅほうを採用さいようした[52]。

これはルノワールの監督かんとく術じゅつを描えがくドキュメンタリー短編たんぺん『ルノワールの演技えんぎ指導しどう』[53]で紹介しょうかいされているもので、実際じっさいに撮影さつえいに入はいる前まえに俳優はいゆうに台本だいほんを読よませる「本読ほんよみ」を行おこなうが、このとき俳優はいゆうにいっさいの感情かんじょうを込こめずに「電話でんわ帳ちょうを読よみ上あげるように」言葉ことばを読よみつづけることを要求ようきゅうする[52]。

このプロセスを経へることで、俳優はいゆうは相手あいてのこまかな動作どうさや感情かんじょうの動うごきに鋭敏えいびんになり、演技えんぎの真剣しんけんさ・リアリティが濱口はまぐちの望のぞむ方向ほうこうへ大おおきく変かわるのだという[54][55]。この手法しゅほうの一端いったんは、『ドライブ・マイ・カー』で、主人公しゅじんこうの舞台ぶたい演出えんしゅつ家かが実践じっせんする演出えんしゅつとして劇げき中ちゅう劇げきの形かたちで描えがかれている[55][56]。

また、アメリカのインディペンデント映画えいが監督かんとくジョン・カサヴェテスへの関心かんしんを繰くり返かえし語かたっている。『ハッピーアワー』の旧きゅう仮題かだいも『BRIDES（花嫁はなよめたち）』で、これはカサヴェテスの映画えいが『Husbands（夫おっとたち）』から「裏面りめんをなすようにして構想こうそうされた」という[18]。東京大学とうきょうだいがく文学部ぶんがくぶで美学びがく芸術げいじゅつ学がく研究けんきゅう室しつに提出ていしゅつした卒業そつぎょう論文ろんぶんも「ジョン・カサヴェテスの時間じかんと空間くうかん」であった[12]。

その他た[編集へんしゅう]

2018年ねんに映画えいがサイトのアンケートで、好すきな映画えいが5本ほんとしてマキノ正博まさひろ『決闘けっとう高田たかだの馬場ばば』、グレミヨン『曳ひき船ふね（英語えいご版ばん）』、ハワード・ホークス『赤あかい河かわ』、カサヴェテス『よみがえるブルース（英語えいご版ばん）』、黒沢くろさわ清きよし『CURE』を挙あげている[57]。

2022年ねんにアメリカの著名ちょめいなDVDレーベル「クライテリオン・コレクション」が、自社じしゃラインナップ内ないからトップ10を選えらぶよう求もとめた際さいには、以下いかの10点てんを挙あげている。ジャック・ベッケル『肉体にくたいの冠かんむり』、ロベルト・ロッセリーニ『ストロンボリ』、ダグラス・サーク『天てんはすべて許ゆるし給たまう』、溝口みぞぐち健二けんじ『夜よるの女おんなたち』、『ジャン・ルノワール作品さくひん集しゅう』、『ジャン・グレミヨン作品さくひん集しゅう』、成瀬なるせ巳喜男みきお『初期しょきサイレント作品さくひん集しゅう』、ジョセフ・フォン・スタンバーグ『サイレント作品さくひん集しゅう』、ジョージ・キューカー『素晴すばらしき休日きゅうじつ』、侯孝賢ほうしゃおしえん『フラワーズ・オブ・シャンハイ』[58]。

評価ひょうか・受容じゅよう[編集へんしゅう]

『ドライブ・マイ・カー』を上映じょうえいするニューヨークのリンカーンセンター（2022年ねん2月がつ）。北米ほくべいの映画えいが市場いちばにおいて同どう作さくはきわめて異例いれいのロングランとなった。

日本にっぽん国外こくがいにおいても濱口はまぐちは『ハッピーアワー』（2016）が一部いちぶの映画えいが祭さいや関係かんけい者しゃ向むけ試写ししゃ等とうで批評ひひょう家かから高たかい評価ひょうかを受うけていたが[59]、海外かいがいで本格ほんかく的てきな受容じゅようが始はじまったのは2020年ねん頃ごろからである[60]。

この年としに濱口はまぐちが共同きょうどう脚本きゃくほんに参加さんかした『スパイの妻つま』で師しである黒沢くろさわ清きよしがヴェネツィア国際こくさい映画えいが祭さいの銀ぎん獅子しし賞しょう（監督かんとく賞しょう）を受賞じゅしょう、さらに翌よく2021年ねんには濱口はまぐち自身じしんの監督かんとく作品さくひん『偶然ぐうぜんと想像そうぞう』と『ドライブ・マイ・カー』が欧米おうべいの主要しゅような国際こくさい映画えいが祭さいで相次あいついで受賞じゅしょうし、一気いっきに世界せかい的てきな注目ちゅうもくを集あつめるようになった[61]。

とりわけ2021年ねんの秋あきに開ひらかれたニューヨーク映画えいが祭さいでは、「メイン・スレート（Main Slate）」と呼よばれる32本ほんの主要しゅよう作品さくひんの一部いちぶとして濱口はまぐちのこの2本ほんの映画えいがを上映じょうえいする措置そちをとった[62]。ニューヨーク映画えいが祭さいはアカデミー賞しょうの前哨ぜんしょう戦せんとして国際こくさい的てきに注目ちゅうもくされるが、中なかでもこの「メイン・スレート」は「映画えいがの現在げんざいをもっともよく体現たいげんする最先端さいせんたんの作品さくひん」を選えらび出だすことを目指めざしており、ここに同おなじ作家さっかの作品さくひんが2本ほん入はいるのはきわめて異例いれいだった[63]。

これをきっかけとしてニューヨークの一般いっぱん映画えいが館かんでも濱口はまぐち作品さくひんが上映じょうえいされるようになり、アメリカの映画えいが批評ひひょうで大おおきな影響えいきょう力りょくを持もつ『IndieWire』紙しは、「濱口はまぐちは、今後こんご国際こくさい的てきに注目ちゅうもくされなくなることは考かんがえられない地位ちいに到達とうたつした」と断だんじている[2]。

『偶然ぐうぜんと想像そうぞう』『ドライブ・マイ・カー』の2本ほんはアメリカでも幅広はばひろいメディアで批評ひひょうの対象たいしょうとなった[2]。その多おおくは、日常にちじょう生活せいかつにおける真実しんじつとフィクションの関係かんけいに注目ちゅうもくする濱口はまぐちの作品さくひんが、国くにを問とわず現代げんだい社会しゃかいに普遍ふへん的てきなテーマを描えがいているとして高たかく評価ひょうかした[60]。

ジョン・カサヴェテス（1959年ねん）

とりわけ、ドラマティックなことがほとんど起おこらない抑制よくせい的てきな物語ものがたりの中なかに、「優雅ゆうがで洗練せんれんされた語かたり口くちを持もち込こむ技術ぎじゅつ」「ミニマルな画面がめんを重かさねながら心地ここちよいリズムを作つくり出だす手腕しゅわん」は、エリック・ロメールやロベール・ブレッソン、カサヴェテスといった巨匠きょしょうの作品さくひんにつらなる高たかい芸術げいじゅつ性せいをもつと評ひょうされている[64][65][66]。

日本にっぽんでは批評ひひょう家かの蓮實はすみ重彦しげひこが早はやくから濱口はまぐちに注目ちゅうもくしており、とくに『寝ねても覚さめても』のショット作づくりを取とり上あげて「天性てんせいの映画えいが作家さっか」と絶賛ぜっさん、濱口はまぐちなど若わかい世代せだいの監督かんとくが相次あいついで秀作しゅうさくを発表はっぴょうしているとして「日本にっぽん映画えいがは第だい三さんの黄金おうごん期きに差さし掛かかった」と述のべている[67]。

  • イギリス『SIGHT & SOUND』誌し：「2021年ねんのベスト映画えいが50本ほん」 ─ 『ドライブ・マイ・カー』（第だい3位い）、『偶然ぐうぜんと想像そうぞう』（第だい10位い）[68]。
  • アメリカ『FILM COMMENT』誌し：「2021年ねんのベスト映画えいが20本ほん」 ─ 『ドライブ・マイ・カー』（第だい2位い）、『偶然ぐうぜんと想像そうぞう』（第だい7位い）[69]。
  • アメリカ『ROLLING STONES』誌し：「2021年ねんのベスト映画えいが25本ほん」 ─ 『ドライブ・マイ・カー』（第だい4位い）、『偶然ぐうぜんと想像そうぞう』（第だい4位い）[70]。
  • 映画えいが批評ひひょうサイト『IndieWire』：「2021年ねんのベスト映画えいが50本ほん」 ─ 『ドライブ・マイ・カー』（第だい2位い）、『偶然ぐうぜんと想像そうぞう』（第だい17位い）[71]

語録ごろく[編集へんしゅう]

フィクションとドキュメンタリー[編集へんしゅう]

ジョン・カサヴェテス『こわれゆく女おんな』ポスター（1974年ねん）。濱口はまぐちは、俳優はいゆうからリアルな演技えんぎを引ひき出だすカサヴェテスの手法しゅほうから強つよい影響えいきょうを受うけたと繰くり返かえし語かたっている。
  • 「あらゆる映画えいがはある程度ていどフィクションであり、ある程度ていどドキュメンタリーでもある。どちらも作つくった経験けいけんからすると、純然じゅんぜんたるフィクションも純然じゅんぜんたるドキュメンタリーも存在そんざいしない」[72]
  • 「そもそも映画えいがはつくりものですが、そこに“もうひとつの現実げんじつ”が立たち現あらわれる瞬間しゅんかんを僕ぼくは見みたい」[73]
  • 「俳優はいゆうはカメラの前まえで演技えんぎしている。それは演技えんぎする俳優はいゆうのドキュメンタリーでもある。1回かい限かぎりの何なにかをその都度つどやっている」[74]

演出えんしゅつ[編集へんしゅう]

  • 「伝つたわらないという状況じょうきょうを粛々しゅくしゅくと生いきながら、不意ふいに伝つたわってしまうことがある。それは強烈きょうれつな体験たいけんになる」「（『ドライブ・マイ・カー』の）家か福ぶくとみさきの関係かんけいもそう。互たがいに理解りかいを期待きたいしていない関係かんけい性せいから始はじまって、あるとき、言葉ことばがあふれてしまう。ふと言葉ことばがこぼれる。それを映画えいがでやってみたかった」[74]
  • 「抑揚よくようを捨すて、セリフが身体しんたいの中なかに入はいり込こむまで本読ほんよみを繰くり返かえすリハーサル手法しゅほうは、『ジャン・ルノワールの演技えんぎ指導しどう』という短編たんぺんドキュメンタリーに登場とうじょうするイタリア式しき本読ほんよみを実践じっせんしたものです。『ハッピーアワー』以降いこうも、これができる体制たいせいをどうつくるかがカギでした。この本読ほんよみは、プロの俳優はいゆうにとってもセリフを新鮮しんせんに捉とらえて、自分じぶんのものにしてもらう方法ほうほうになるといまは感かんじています」[73]
  • （『ドライブ・マイ・カー』に登場とうじょうする演出えんしゅつ手法しゅほうについて）「多言たげん語ご演劇えんげきというのは、言葉ことばの意味いみによって相手あいてを理解りかいすることが封ふうじられます。その代かわり相手あいてのボディランゲージであったりとか、相手あいての声こえ、そこからその感かんじられる相手あいての精神せいしん状態じょうたい、そういうものに、よりフォーカスしやすくなる、反応はんのうしやすくなるような気きがしている。これはシンプルにいい演技えんぎと自分じぶんが思おもうことが生うまれてくるやり方かたじゃないかと感かんじています」[55]

『ドライブ・マイ・カー』[編集へんしゅう]

  • ニューヨーク映画えいが祭さい（2021年ねん）での『ドライブ・マイ・カー』北米ほくべいプレミア上映じょうえい後ご、司会しかい者しゃの質問しつもんに答こたえる濱口はまぐち監督かんとく（中央ちゅうおう）。この映画えいが祭さいでの上映じょうえいが大おおきなきっかけとなり、以後いご、同どう作さくはアメリカ国内こくないで主要しゅような映画えいが賞しょうをつぎつぎに受賞じゅしょうしてゆく。
    （劇げき中ちゅうの手話しゅわについて）「神戸こうべ滞在たいざい期きに、〈さがの映像えいぞう祭さい〉という聴覚ちょうかく障害しょうがい者しゃ映像えいぞう祭さいに呼よんでいただく機会きかいがありました。そこで、健けん聴者ちょうしゃは僕ぼくや通訳つうやくの方ほうぐらいで、周まわりの方かたたちは手話しゅわで話はなしている状況じょうきょうに置おかれました。そのときに手話しゅわが「障害しょうがい者しゃの言語げんご」というよりも、単たんに「異い文化ぶんかの言葉ことば」だという印象いんしょうを受うけたんです。そして、やはりより身体しんたい的てきな言語げんごなので、手話しゅわで話はなす姿すがたからは口くち話ばなし以上いじょうに、常つねに生命せいめい力りょくみたいなものが溢あふれている感かんじがしました。それから、いつかは自分じぶんの映画えいがに取とり入いれたいと思おもっていました」[75]
  • （エンディングについて）「あのエンディングさえなければ完璧かんぺきだったのにと言いわれたことがあるんですが、あのエンディングを加くわえた理由りゆうというのは、まあ『完璧かんぺきじゃなくするため』ということだと思おもいます。…もう少すこしだけ破われ目めみたいなものを作つくっておきたかった」[76]「この映画えいがの続編ぞくへんを取とる予定よていというのは全まったくないんですが、紛まぎれ込こんでしまった続編ぞくへんみたいなものだと思おもっておいていただけたらいいと思おもいます。あとは、この映画えいがのタイトルそのものが、このエンディングシーンが何なになのかということの解釈かいしゃくのヒントになっているということだけ、ここでは申もうし上あげておきたいと思おもいます」[77]
  • （広島ひろしまを撮影さつえい地ちに選えらんだことについて）「広島ひろしまは『ヒロシマ』でもあり、そのコノテーションは映画えいがにとって余分よぶんであるかもしれず決断けつだんには若干じゃっかんの勇気ゆうきが必要ひつようだった。ただ、思おもい返かえせば原爆げんばく投下とうかという戦時せんじの大おおきな傷きずから、現在げんざいの復興ふっこうに至いたるまでの歴史れきしこそが、この街まちに我々われわれが受うけ取とった『精神せいしん性せい』を与あたえており、結果けっかとしてこの街まちとこの物語ものがたり全体ぜんたいはどこか響ひびき合あっていた。当初とうしょから広島ひろしまを提案ていあんされていたらこの選択せんたくはできなかったとも思おもう。あらゆる偶然ぐうぜんに助たすけられて、このシナリオ、そして映画えいがはできている」[78]

その他た[編集へんしゅう]

  • （黒澤くろさわ明あきら以来いらいはじめてアメリカのアカデミー賞しょうと世界せかい三さん大だい映画えいが祭さいすべての受賞じゅしょうを果はたした日本人にっぽんじん監督かんとくとなったことについて）「黒澤くろさわ監督かんとくという偉大いだいな監督かんとくを引ひき合あいに出だしてもらえるような状況じょうきょうになったわけですが、申もうし訳わけないような気持きもちというのが正直しょうじきな気持きもち」「なぜなら、内容ないようが違ちがうということ。『羅生門らしょうもん』がベネチア映画えいが祭さい金きん獅子しし賞しょう、『隠かくし砦とりでの三さん悪人あくにん』がベルリン映画えいが祭さい銀ぎん熊ぐま賞しょうで、『影武者かげむしゃ』がカンヌ映画えいが祭さいのパルムドール。しかも『七人しちにんの侍さむらい』もベネチア映画えいが祭さいの銀ぎん獅子しし賞しょうと4つの賞しょうを取とられていて、さらにそのうちの2つは最高さいこう賞しょうであるということで、そこはスケールがまったく違ちがうという気きがします」[3]。

監督かんとく作品さくひん[編集へんしゅう]

出典しゅってん：[18][79]

監督かんとく作品さくひん一覧いちらん
発表はっぴょう年ねん 題名だいめい 上映じょうえい時間じかん 脚本きゃくほん 撮影さつえい 主おもな出演しゅつえん
2001 映画えいがを見みに行いく[80][79] 8分ふん
2002 何なに食くわぬ顔かお[81] 98分ふん（43分ふん[注ちゅう 3]） 濱口はまぐち竜介りゅうすけ 渡辺わたなべ淳あつし、濱口はまぐち竜介りゅうすけ、東辻ひがしつじ賢けん治郎じろう 松井まつい智さとし、岡本おかもと英之ひでゆき、遠藤えんどう郁子いくこ、石井いしい理恵りえ
2005 はじまり 13分ふん 濱口はまぐち竜介りゅうすけ 松本まつもと浩志ひろし 梅田うめだつかさ、花澤はなざわ拓たく巳み、馬場ばば省吾しょうご
Friend of the Night 44分ふん 濱口はまぐち竜介りゅうすけ 濱口はまぐち竜介りゅうすけ、松本まつもと浩志ひろし 土屋つちや裕樹ゆうき、工藤くどう渉わたる、山岡やまおか麻依まい子こ、千葉ちば茜あかね、北浦きたうら正之まさゆき
2006 記憶きおくの香かおり 28分ふん 小林こばやし美香みか 佐々木ささき靖之やすゆき 藤川ふじかわ俊生としお、河井かわい青葉あおば
遊ゆう撃げき[82][83] 17分ふん 濱口はまぐち竜介りゅうすけ 湯澤ゆざわ祐一ゆういち 土屋つちや裕樹ゆうき
2007 SOLARIS 90分ふん 濱口はまぐち竜介りゅうすけ 佐々木ささき靖之やすゆき 松田まつだ賢二けんじ、前田まえだ綾あや花はな、渋川しぶかわ清彦きよひこ
2008 PASSION 115分ふん 濱口はまぐち竜介りゅうすけ 湯澤ゆざわ祐一ゆういち 河井かわい青葉あおば、占部うらべ房子ふさこ、岡本おかもと竜りゅう汰、渋川しぶかわ清彦きよひこ
2009 永遠えいえんに君きみを愛あいす 58分ふん 渡辺わたなべ裕子ゆうこ 青木あおき穣みのる 河井かわい青葉あおば、杉すぎ山彦やまびこ々、岡部おかべ尚しょう
2010 THE DEPTHS 121分ふん 濱口はまぐち竜介りゅうすけ、大浦おおうら光ひかり太ふとし ヤン・グニョン キム・ミンジュン、石田いしだ法嗣ほうし、パク・ソヒ
2011 親密しんみつさ 255分ふん（136分ふん[注ちゅう 4]） 濱口はまぐち竜介りゅうすけ 北川きたがわ喜雄よしお 平野ひらの鈴りん、佐藤さとう亮あきら、伊藤いとう綾子あやこ
なみのおと (*) 142分ふん 北川きたがわ喜雄よしお 田畑たばたヨシ、東ひがしキヌ、鎌田かまた満みつる
2013 なみのこえ 気仙沼けせんぬま (*) 109分ふん 佐々木ささき靖之やすゆき 岩本いわもと秀之ひでゆき、高橋たかはし和江かずえ、大島おおしま幸枝ゆきえ
なみのこえ 新地しんじ町まち (*) 103分ふん 北川きたがわ喜雄よしお 谷たに隆たかし、伏見ふしみ春雄はるお、目黒めぐろ博樹ひろき
うたうひと (*) 120分ふん 北川きたがわ喜雄よしお、佐々木ささき靖之やすゆき、飯岡いいおか幸子さちこ 伊藤いとう正子まさこ、佐々木ささき健けん
不気味ぶきみなものの肌はだに触ふれる[84] 54分ふん 高橋たかはし知とも由ゆかり 佐々木ささき靖之やすゆき 染谷そめや将太しょうた、渋川しぶかわ清彦きよひこ、瀬戸せと夏美なつみ、河井かわい青葉あおば
2015 ハッピーアワー 317分ふん 濱口はまぐち竜介りゅうすけ、野原のはら位い、高橋たかはし知とも由ゆかり 北川きたがわ喜雄よしお 田中たなか幸恵ゆきえ、菊池きくち葉月はづき、三原みはら麻衣子まいこ、川村かわむらりら
2015 Dance with OJ 28分ふん 濱口はまぐち竜介りゅうすけ 濱口はまぐち竜介りゅうすけ
2016 天国てんごくはまだ遠とおい[85] 38分ふん 濱口はまぐち竜介りゅうすけ 北川きたがわ喜雄よしお 岡部おかべ尚しょう、玄げん理り、小川おがわあん
2018 寝ねても覚さめても 119分ふん 濱口はまぐち竜介りゅうすけ、田中たなか幸子さちこ 佐々木ささき靖之やすゆき 唐から田たえりか、東出ひがしで昌あきら大だい、山下やましたリオ、瀬戸せと康史やすし、伊藤いとう沙すな莉
2021 偶然ぐうぜんと想像そうぞう 121分ふん 濱口はまぐち竜介りゅうすけ 飯岡いいおか幸子さちこ 古川ふるかわ琴こと音おん、中島なかじま歩あゆみ、玄げん理り、渋川しぶかわ清彦きよひこ、森もり都みやこ月がつ、甲斐かい翔しょう真しん、占部うらべ房子ふさこ、河井かわい青葉あおば
ドライブ・マイ・カー 179分ふん 濱口はまぐち竜介りゅうすけ、大江おおえ崇たかし允まこと 四宮しのみや秀俊ひでとし 西島にししま秀俊ひでとし、三浦みうら透子とうこ、霧島きりしまれいか、岡田おかだ将すすむ生せい、パク・ユリム
2022 Walden[86] 2分ふん 濱口はまぐち竜介りゅうすけ 濱口はまぐち竜介りゅうすけ
2023 悪あくは存在そんざいしない 106分ふん 濱口はまぐち竜介りゅうすけ 北川きたがわ喜雄よしお ⼤美賀が均ひとし、⻄川玲れい、⼩坂⻯⼠、渋しぶ⾕采郁いく
GIFT[注ちゅう 5] 43分ふん

（＊）酒井さかい耕こうと共同きょうどう監督かんとく

そのほか[編集へんしゅう]

  • 黒沢くろさわ清きよし監督かんとく『スパイの妻つま』（2020年ねん）脚本きゃくほん参加さんか[87]

主おもな受賞じゅしょう[編集へんしゅう]

「ドライブ・マイ・カー (映画えいが)」も参照さんしょう

2013年ねん

  • 山形やまがた国際こくさいドキュメンタリー映画えいが祭さい・スカパー！ IDEHA賞しょう『うたうひと』[88]

2015年ねん

2016年ねん

2018年ねん

2020年ねん

2021年ねん

シルバー・ヒューゴ審査しんさ員いん賞しょう、観客かんきゃく賞しょう（国際こくさい長編ちょうへん映画えいが）『ドライブ・マイ・カー』[96][97]
シルバー・Qヒューゴ賞しょう『偶然ぐうぜんと想像そうぞう』[96][97]

2022年ねん

2023年ねん

関連かんれん書籍しょせき[編集へんしゅう]

  • 濱口はまぐち竜介りゅうすけ・野原のはら位い・高橋たかはし知とも由ゆかり『カメラの前まえで演えんじること』（左右さゆう社しゃ、2015） ISBN 4865281347
  • 是枝これえだ裕和ひろかずほか編へん『映画えいがの言葉ことばを聞きく 早稲田大学わせだだいがく「マスターズ・オブ・シネマ」講義こうぎ録ろく』（フィルムアート社しゃ、2018年ねん3月がつ24日にち） ISBN 4845917106
  • 『ユリイカ 2018年ねん9月がつ号ごう 特集とくしゅう＝濱口はまぐち竜介りゅうすけ』（青土おうづち社しゃ、2018年ねん8月がつ27日にち） ISBN 4791703545
  • ミツヨ・ワダ・マルシアーノ『No nukes : 「ポスト3・11」映画えいがの力ちから・アートの力ちから』 （名古屋大学出版会なごやだいがくしゅっぱんかい、2021）
  • 佐藤さとう元もと状じょう・冨塚とみつか亮平りょうへい編著へんちょ『「ドライブ・マイ・カー」論ろん』（慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく出版しゅっぱん会かい、2023）

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 寛子ひろこの父ちち・真ま激げき（竜介りゅうすけの高祖父こうそふ、前まえ名めい：真澄ますみ）と寅彦とらひこの父ちち・利正としまさは山内やまうち家かを通つうじて相識そうしきであったが、寛子ひろこの兄あに・昶あきら二郎じろう（竜介りゅうすけの曽そ祖父そふ、弁護士べんごし）は寅彦とらひこと高知こうち中学ちゅうがくの同窓どうそうで東京大学とうきょうだいがく（法科ほうか）時代じだいにも交友こうゆうがあり、また昶あきら二郎じろうの妻つま・万寿まんすの兄あに、上村うえむら直ただし親おやも東大とうだい（医学部いがくぶ）出身しゅっしんで、寅彦とらひこと親したしかったため、こうした関係かんけいで結婚けっこんしたのではないかと、喬たかし夫おっとは語かたっている。『寺田てらだ寅彦とらひこ覚書おぼえがき』岩波書店いわなみしょてん、1981年ねん11月27日にち、416頁ぺーじ。 
  2. ^ 本ほん作さくは3本ほんのオムニバス作品さくひんで、全体ぜんたいで7本ほんを製作せいさくする構想こうそうが発表はっぴょうされている。
  3. ^ 劇げき中ちゅうの映画えいがが 43分ぶんのshort versionとして別べつに作つくられている。
  4. ^ 作品さくひん中ちゅうの舞台劇ぶたいげきが136分ぶんのshort versionとして別べつに作つくられている。
  5. ^ 石橋いしばし英子えいこのライブパフォーマンス『GIFT』で使用しようするためのサイレント映像えいぞう。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b Kay2021-12-03T19:44:00+00:00, Jeremy. “‘Drive My Car’ named 2021 New York Film Critics Circle best film” (英語えいご). Screen. 2021年ねん12月17日にち閲覧えつらん。
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  3. ^ a b 壬生みぶ智裕ともひろ (2023年ねん9月がつ12日にち). “ベネチア銀ぎん獅子しし賞しょうの濱口はまぐち竜介りゅうすけ監督かんとく、黒澤くろさわ明あきら監督かんとくとの比較ひかく「申もうし訳わけないような気持きもち」：第だい80回かいベネチア国際こくさい映画えいが祭さい”. シネマトゥデイ (株式会社かぶしきがいしゃシネマトゥデイ). https://www.cinematoday.jp/news/N0138961 2023年ねん9月がつ13日にち閲覧えつらん。 
  4. ^ “濱口はまぐち竜介りゅうすけ - 人物じんぶつ情報じょうほう・関連かんれん映画えいが”. キネマ旬報きねまじゅんぽうWEB. 2024年ねん2月がつ1日にち閲覧えつらん。
  5. ^ 原点げんてんは岐阜ぎふ「柳ケ瀬やながせの映画えいが館かん」米べいアカデミー賞しょう受賞じゅしょう・濱口はまぐち竜介りゅうすけ監督かんとく中日ちゅうにち新聞しんぶん2022年ねん3月がつ28日にち
  6. ^ a b c “濱口はまぐち竜介りゅうすけ監督かんとく 祖父母そふぼ・父ちちが高知こうち市し出身しゅっしん 県内けんない映画えいが関係かんけい者しゃ「アカデミー賞しょう受賞じゅしょうはホームラン級きゅう」 | 高知新聞こうちしんぶん”. www.kochinews.co.jp. 2022年ねん8月がつ12日にち閲覧えつらん。
  7. ^ 「週刊文春しゅうかんぶんしゅん」編集へんしゅう部ぶ (2022年ねん3月がつ30日にち). “祝しゅく！「ドライブ・マイ・カー」 濱口はまぐち監督かんとく“元もと官僚かんりょうの父ちち”が告白こくはく「愛読あいどく書しょは三国志さんごくしだった小学生しょうがくせい時代じだい」”. 週刊文春しゅうかんぶんしゅん 電子でんし版ばん. 2023年ねん9月がつ15日にち閲覧えつらん。
  8. ^ “ダムインタビュー（71）濱口はまぐち達男たつおさんに聞きく「ダムにはまだ可能かのう性せいがあっていろんな利用りようができる」 - ダム便覧びんらん”. damnet.or.jp. 2022年ねん8月がつ12日にち閲覧えつらん。
  9. ^ “濱口はまぐち喬たかし夫おっと展てん”. 高知こうち県立けんりつ文学ぶんがく館かん (2022年ねん4月がつ22日にち). 2022年ねん8月がつ7日にち閲覧えつらん。
  10. ^ “浜口はまぐち家か”. minkei.jakou.com. 2022年ねん8月がつ7日にち閲覧えつらん。
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  13. ^ 玉田たまだ健太けんた (2013年ねん10月がつ22日にち). “No.047 物語ものがたり映画えいがの誕生たんじょう ― 濱口はまぐち竜介りゅうすけ 『何なに食くわぬ顔かお』 （short version） | 総合そうごう文学ぶんがくウェブ情報じょうほう誌し 文学ぶんがく金魚きんぎょ ― 小説しょうせつ・詩し・批評ひひょう・短歌たんか・俳句はいく・音楽おんがく・美術びじゅつ・骨董こっとう・古典こてん・演劇えんげき・映画えいが・TV”. 2021年ねん12月19日にち閲覧えつらん。
  14. ^ 映像えいぞう研究けんきゅう科か修士しゅうし課程かてい映画えいが専攻せんこう監督かんとく領域りょういき（2期き）https://fm.geidai.ac.jp/4294/
  15. ^ “なみのこえ（YIDFF特別とくべつ版ばん）”. 山形やまがた国際こくさいドキュメンタリー映画えいが祭さい (2013年ねん). 2015年ねん5月がつ2日にち閲覧えつらん。
  16. ^ 結城ゆうき, 秀しゅう勇いさむ (2008年ねん5月がつ26日にち). “『PASSION』濱口はまぐち竜介りゅうすけ”. Nobody. 2013年ねん6月がつ15日にち閲覧えつらん。
  17. ^ 石橋いしばし, 今日きょう美び (2009年ねん2月がつ18日にち). “映画えいがに寄よせるたおやかなパッション──濱口はまぐち竜介りゅうすけ監督かんとくインタヴュー”. Flowerwild. 2013年ねん6月がつ15日にち閲覧えつらん。
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  • 括弧かっこ内ないは作品さくひん年度ねんどを示しめす、授賞じゅしょう式しきの年としは翌年よくねん（2月がつ）

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