周防すおう正行まさゆき

すお まさゆき 周防すおう 正行まさゆき
第だい32回かい東京国際映画祭とうきょうこくさいえいがさいにて
生年月日せいねんがっぴ	(1956-10-29) 1956年ねん10月29日にち（67歳さい）
出生しゅっしょう地ち	日本にっぽん・東京とうきょう都と目黒めぐろ区く
職業しょくぎょう	映画えいが監督かんとく、脚本きゃくほん家か
ジャンル	映画えいが
活動かつどう期間きかん	1982年ねん -
配偶はいぐう者しゃ	草刈くさかり民代たみよ（1996年ねん-）
著名ちょめいな家族かぞく	従兄じゅうけい：周防すおう義和よしかず
主おもな作品さくひん
『ファンシイダンス』（1989年ねん） 『シコふんじゃった。』（1991年ねん） 『Shall we ダンス?』（1996年ねん） 『それでもボクはやってない』（2007年ねん） 『終おわりの信託しんたく』（2012年ねん） 『舞妓まいこはレディ』（2014年ねん）
受賞じゅしょう 放送ほうそう映画えいが批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょう 外国がいこく語ご映画えいが賞しょう 1997年ねん『Shall we ダンス?』 日本にっぽんアカデミー賞しょう 最優秀さいゆうしゅう監督かんとく賞しょう 1993年ねん『シコふんじゃった』 1997年ねん『Shall we ダンス?』 最優秀さいゆうしゅう脚本きゃくほん賞しょう 1992年ねん『シコふんじゃった』 1996年ねん『Shall we ダンス?』 ブルーリボン賞しょう 監督かんとく賞しょう 1993年ねん『シコふんじゃった』 2008年ねん『それでもボクはやってない』 その他たの賞しょう 日本にっぽん映画えいが監督かんとく協会きょうかい新人しんじん賞しょう 1991年ねん『シコふんじゃった』 藤本ふじもと賞しょう 1991年ねん『シコふんじゃった』 2006年ねん『それでもボクはやってない』 ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞しょう 外国がいこく語ご映画えいが賞しょう 1996年ねん『Shall we ダンス?』 ロンドン映画えいが批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょう 外国がいこく語ご映画えいが賞しょう 1998年ねん『Shall we ダンス?』 シカゴ映画えいが批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょう 外国がいこく語ご映画えいが賞しょう 1996年ねん『Shall we ダンス?』 フロリダ映画えいが批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょう 外国がいこく語ご映画えいが賞しょう 1996年ねん『Shall we ダンス?』 ラスベガス映画えいが批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょう 外国がいこく語ご映画えいが賞しょう 1996年ねん『Shall we ダンス?』 サテライト賞しょう 外国がいこく語ご映画えいが賞しょう 1996年ねん『Shall we ダンス?』 山路やまじふみ子こ映画えいが賞しょう 2012年ねん『終おわりの信託しんたく』
備考びこう
紫綬褒章しじゅほうしょう（2016年ねん）

周防すおう 正行まさゆき（すお まさゆき、1956年ねん10月29日にち - ）は、日本にっぽんの映画えいが監督かんとく、脚本きゃくほん家か。太田出版おおたしゅっぱん監査かんさ役やく。

来歴らいれき

生おい立たち

東京とうきょう都と目黒めぐろ区くに生うまれ、その後ご神奈川かながわ県けん川崎かわさき市しで過すごす。幼少ようしょう時じは野球やきゅう好すきで、野球やきゅうをするために中学ちゅうがくはわざわざ遠方えんぽうの武蔵工業大学むさしこうぎょうだいがく附属ふぞく中学校ちゅうがっこう・高等こうとう学校がっこうに進学しんがくした。しかし中学ちゅうがく2年生ねんせいの時ときに肘ひじを痛いためて野球やきゅうの道みちは断念だんねんした。高校こうこう卒業そつぎょう後ごに2年間ねんかん浪人ろうにん生活せいかつを送おくる。

大学だいがく時代じだいに映画えいがを志こころざす

1981年ねん、立教大学りっきょうだいがく文学部ぶんがくぶ仏文ふつぶん科か在学ざいがく中ちゅうに、非常勤ひじょうきん講師こうしとして来きていた蓮實はすみ重彦しげひこの講義こうぎ「映画えいが表現ひょうげん論ろん」に出会であい、卒業そつぎょう後ご映画えいが監督かんとくを目めざす。学生がくせい時代じだいは、バイトで金かねを貯ためては独自どくじに8ミリ映画えいが作づくりをする日々ひびを送おくった。

当時とうじ映画えいが界かいは斜陽しゃよう産業さんぎょうで映画えいが会社かいしゃの社員しゃいん採用さいよう試験しけんがなかったが、そんな状況じょうきょうでもピンク映画えいがが作品さくひんを量産りょうさんしていたことから、周防すおうはどうにかその撮影さつえい現場げんばに入はいる方法ほうほうはないかと思案しあんしていた。大学だいがく4年生ねんせいの頃ころとある劇団げきだんの女優じょゆうの紹介しょうかいで運うん良よく高橋たかはし伴ばん明あきらと知しり合あい、「助監督じょかんとくにして下ください」と頼たのんで承諾しょうだくをもらった。

ピンク映画えいがの制作せいさく

その後ごイメージフォーラム映像えいぞう研究所けんきゅうじょに進すすみながら、高橋たかはし・若松わかまつ孝二こうじ・井筒いづつ和幸かずゆきといった監督かんとくのもとで助監督じょかんとくとして修行しゅぎょうを積つむ。

ピンク映画えいがの制作せいさくに携たずさわり、5年ねん後ごの1984年ねんに小津おつ安あん二郎じろうへのオマージュを含ふくんだピンク映画えいが『変態へんたい家族かぞく 兄貴あにきの嫁よめさん』で監督かんとくデビュー。この作品さくひんでは、好すきだった小津おつ安あん二郎じろうのカメラワークを再現さいげん、同どう監督かんとくへのオマージュに終始しゅうししたことが功こうを奏そうして、『朝日新聞あさひしんぶん』で蓮實はすみがその年としのベスト5にあげた。

これがピンク映画えいが以外いがいの業界ぎょうかい人じんにも作品さくひんを見みてもらえるきっかけとなり、ピンク映画えいが以外いがいの映像えいぞう製作せいさくの仕事しごとを依頼いらいされるようになった。その後ごはカラオケビデオなど色々いろいろな映像えいぞう制作せいさくで経験けいけんを積つんだ。

「ファンシイダンス」「シコふんじゃった。」で注目ちゅうもく

その後ご、矢島やじま周平しゅうへい名義めいぎにてピンク映画えいがにかかわるが、1989年ねんの『ファンシイダンス』で高たかい評価ひょうかを得えたことから、一般いっぱん映画えいがに進出しんしゅつすることになる。

1992年ねん公開こうかいの『シコふんじゃった。』で高たかい評価ひょうかを獲得かくとくし、興行こうぎょう的てき成功せいこうと共ともに国内こくないの映画えいが賞しょうを総そうなめにすると、同年どうねんには山路やまじふみ子こ文化ぶんか財団ざいだん特別とくべつ賞しょうも受賞じゅしょう。翌年よくねんにはアルタミラピクチャーズの設立せつりつに参加さんか。

「Shall we ダンス?」が記録きろく的てきな大だいヒット

1996年ねんに公開こうかいされた『Shall we ダンス?』では、それまではマイナーだった社交しゃこうダンスの人気にんきに火ひをつけ、記録きろく的てきなヒットと共ともに再ふたたび国内こくないの映画えいが賞しょうを総そうなめにする。この作品さくひんの成功せいこうにより、映画えいが監督かんとくしての名声めいせいを確固かっこのものとした。

また同どう作さくにおいて、アメリカの配給はいきゅう会社かいしゃミラマックスの元もと、北米ほくべいでも公開こうかいされると日本にっぽん映画えいがとしては異例いれいの成功せいこうも収おさめ、放送ほうそう映画えいが批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょうやナショナル・ボード・オブ・レビュー賞しょうなどの全米ぜんべい各地かくちの映画えいが賞しょうで外国がいこく語ご映画えいが賞しょうを受賞じゅしょうした（ただし、アカデミー外国がいこく語ご映画えいが賞しょうには日本にっぽん代表だいひょうとしては選出せんしゅつされず、その他たの部門ぶもんでのノミネートもならなかった）。

また、翌年よくねん7月がつには、そのミラマックスと、以後いごの映画えいが製作せいさくに関かんするファーストルック契約けいやくを結むすぶ（現在げんざいは失効しっこう）。

2000年代ねんだい

2007年ねんに太田出版おおたしゅっぱんの監査かんさ役やくに就任しゅうにん。映画えいが『マルサの女おんな』のメイキングビデオの演出えんしゅつを行おこなった関係かんけいで、伊丹いたみ十三じゅうざ監督かんとくの名前なまえを冠かんした伊丹いたみ十じゅう三さん賞しょうの選考せんこう委員いいんを務つとめている。

2008年ねん、『それでもボクはやってない』が2007年度ねんどキネマ旬報きねまじゅんぽうベスト・テン日本にっぽん映画えいが部門ぶもんの1位いに選えらばれる。2009年ねん、草刈くさかり民代たみよとともに第だい2回かいプラチナ夫婦ふうふアワードを受賞じゅしょう。

2010年代ねんだい

2011年ねん6月がつに発足ほっそくした『新しん時代じだいの刑事けいじ司法しほう制度せいど特別とくべつ部会ぶかい』の委員いいんに選えらばれ、「取とり調しらべの全面ぜんめん可視かし化か」「証拠しょうこの全面ぜんめん開示かいじ」「人質ひとじち司法しほう改善かいぜんすること」を主張しゅちょう。

2013年ねん、『終おわりの信託しんたく』で毎日まいにち映画えいがコンクール日本にっぽん映画えいが大賞たいしょうを受賞じゅしょうした。翌よく2014年ねん、山路やまじふみ子こ映画えいが賞しょうにおいて第だい31回かい文化ぶんか賞しょうを受賞じゅしょうした。

2016年ねん、春はるの紫綬褒章しじゅほうしょうを受章じゅしょう。

2018年ねん3月13日にちより、立教大学りっきょうだいがく相撲すもう部ぶの名誉めいよ監督かんとくに就任しゅうにんしている。

その他た

好すきな映画えいが監督かんとくは小津おつ安あん二郎じろう。「もし小津おつ監督かんとくの存命ぞんめい時じに会あえていたとしても、憧あこがれすぎてそばに行いけないほど緊張きんちょうしたと思おもう」と語かたっている。

個人こじん的てきに印象いんしょうに残のこっている俳優はいゆうとして笠智りゅうち衆しゅうを挙あげている。大学だいがく時代じだいから「年としを取とったら笠智りゅうち衆しゅうのような年寄としよりになりたい」と思おもっているとのこと。「マルサの女おんな2」のメイキングビデオの演出えんしゅつを務つとめた周防すおうは、本編ほんぺんに出演しゅつえんした笠かさをメイキング映像えいぞうとしてどうしても撮とりたくなり、メイキングのカメラマンに頼たのんで自みずからビデオカメラで撮影さつえいさせてもらった。

本人ほんにん曰いわく「子供こどもの頃ころから周まわりの人ひとに喜よろこんでもらったり笑わらってもらえることが自分じぶんの幸しあわせ。その笑わらいのコツを学まなんできたことが映画えいが監督かんとくをやる上じょうで役やくに立たっている」とのこと。

「Shall we ダンス？」のアメリカのキャンペーンの時ときに、有名ゆうめい女優じょゆうのローレン・バコールやライザ・ミネリとダンスし感激かんげきした。

幼少ようしょうの頃ころの野球やきゅう好すきから、現在げんざいでも東京とうきょうヤクルトスワローズの熱狂ねっきょう的てきファンである。また幼少ようしょう時じは、野球やきゅう選手せんしゅに興味きょうみを持もつと同時どうじに寿司すし屋やにも憧あこがれていた。

作品さくひん

監督かんとく

映画えいが

• 変態へんたい家族かぞく 兄貴あにきの嫁よめさん（1984年ねん）
• マルサの女おんなをマルサする（1987年ねん）
• マルサの女おんなIIをマルサする（1988年ねん）
• ファンシイダンス（1989年ねん）
• シコふんじゃった。（1991年ねん）
• Shall we ダンス?（1996年ねん）
• それでもボクはやってない（2007年ねん）
• ダンシング・チャップリン（2011年ねん）
• 終おわりの信託しんたく（2012年ねん）
• 舞妓まいこはレディ（2014年ねん）
• カツベン!（2019年ねん）

テレビドラマ

• サラリーマン教室きょうしつ 係長かかりちょうは楽たのしいな（1986年ねん）

オリジナルビデオ

• 大だい災難さいなん（1995年ねん）

ミュージックビデオ

• 有頂天うちょうてん「カラフルメリィが降ふった日ひ」（1990年ねん）

製作せいさく

• がんばっていきまっしょい（1998年ねん）

出演しゅつえん

• 神田かんだ川がわ淫乱いんらん戦争せんそう（1983年ねん） - マンションの管理人かんりにん 役やく
• お墓はかと離婚りこん（1993年ねん）
• 119（1994年ねん） - 波なみ楽らく里さと駐在ちゅうざい所しょ巡査じゅんさ 役やく
• 東京とうきょう日和びより（1997年ねん） - 郵便ゆうびん屋や 役やく

著書ちょしょ

小説しょうせつ

• シコふんじゃった。（1991年ねん12月、太田出版おおたしゅっぱん）
• Shall we ダンス?（1996年ねん9月がつ、幻冬舎げんとうしゃ）

エッセイ・ノンフィクション

• 『Shall weダンス?』アメリカを行いく（1998年ねん2月がつ、太田出版おおたしゅっぱん）
• スタジアムへ行いこう!―周防すおう正行まさゆきのスポーツ観かん戦記せんき（2000年ねん9月がつ、角川書店かどかわしょてん）
• インド待まち（2001年ねん3月がつ、集英社しゅうえいしゃ）
• アメリカ人じんが作つくった『Shall we dance?』（2005年ねん4月がつ、太田出版おおたしゅっぱん）
• それでもボクはやってない―日本にっぽんの刑事けいじ裁判さいばん、まだまだ疑問ぎもんあり!（2007年ねん1月がつ、幻冬舎げんとうしゃ）
• 周防すおう正行まさゆきのバレエ入門にゅうもん（2011年ねん4月がつ、太田出版おおたしゅっぱん）
• それでもボクは会議かいぎで闘たたかう―ドキュメント刑事けいじ司法しほう改革かいかく（2015年ねん4月がつ、岩波書店いわなみしょてん）

対談たいだん・インタビュー・寄稿きこう

• 古田ふるた式しき（2001年ねん5月がつ、太田出版おおたしゅっぱん） - 古田ふるた敦あつし也との共著きょうちょ
• ファンの皆様みなさまおめでとうございます（2002年ねん4月がつ、大だい巧たくみ社しゃ） - 若松わかまつ勉つとむとの共著きょうちょ
• 「なぜ小しょう津つだったのか」-『小津おつ安あん二郎じろう 大全たいぜん』（2019年ねん3月がつ 朝日新聞あさひしんぶん出版しゅっぱん）収録しゅうろく

受賞じゅしょう歴れき

• カツベン!（2019年度ねんど）
  • 第だい43回かい日本にっぽんアカデミー賞しょう優秀ゆうしゅう監督かんとく賞しょう

メディア出演しゅつえん

• ETV特集とくしゅう「生誕せいたん120年ねん・没後ぼつご60年ねん 小津おつ安やす二に郎ろうは生いきている」（2023年ねん12月2日にち、NHK Eテレ）

外部がいぶリンク

• Masayuki Suo - IMDb（英語えいご）
• 周防すおう正行まさゆき - 日本にっぽん映画えいがデータベース
• 周防すおう正行まさゆき - allcinema
• 周防すおう正行まさゆき - KINENOTE