田淵たぶち幸一こういち

田淵たぶち 幸一こういち

楽天らくてんコーチ時代じだい（2011年ねん3月がつ9日にち）
基本きほん情報じょうほう
国籍こくせき	日本にっぽん
出身しゅっしん地ち	東京とうきょう都と豊島としま区く
生年月日せいねんがっぴ	(1946-09-24) 1946年ねん9月24日にち（77歳さい）
身長しんちょう 体重たいじゅう	186 cm 90 kg
選手せんしゅ情報じょうほう
投球とうきゅう・打席だせき	右みぎ投とう右みぎ打だ
ポジション	捕手ほしゅ、一塁いちるい手しゅ、指名しめい打者だしゃ
プロ入いり	1968年ねん ドラフト1位い
初はつ出場しゅつじょう	1969年ねん4月がつ12日にち
最終さいしゅう出場しゅつじょう	1984年ねん9月がつ29日にち
経歴けいれき（括弧かっこ内ないはプロチーム在籍ざいせき年度ねんど）
選手せんしゅ歴れき
法政大学ほうせいだいがく第一高等学校だいちこうとうがっこう 法政大学ほうせいだいがく 阪神はんしんタイガース (1969 - 1978) 西武せいぶライオンズ (1979 - 1984)
監督かんとく・コーチ歴れき
福岡ふくおかダイエーホークス (1990 - 1992) 阪神はんしんタイガース (2002 - 2003) 東北とうほく楽天らくてんゴールデンイーグルス (2011 - 2012)
野球やきゅう殿堂でんどう（日本にっぽん） 殿堂でんどう表彰ひょうしょう者しゃ
選出せんしゅつ年ねん	2020年ねん
得票とくひょう率りつ	80.7%（135票ひょう中ちゅう108票ひょう）
選出せんしゅつ方法ほうほう	エキスパート表彰ひょうしょう
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田淵たぶち 幸一こういち（たぶち こういち、1946年ねん9月24日にち - ）は、東京とうきょう都と豊島としま区く出身しゅっしんの元もとプロ野球やきゅう選手せんしゅ（捕手ほしゅ、内野ないや手しゅ）・指導しどう者しゃ（監督かんとく、コーチ）、野球やきゅう解説かいせつ者しゃ、野球やきゅう評論ひょうろん家か、タレント。阪神はんしんタイガースOB会かい会長かいちょう（第だい6代だい）。

株式会社かぶしきがいしゃタブチエンタープライズ所属しょぞく（生島いくしま企画きかく室しつにも業務ぎょうむ提携ていけいで在籍ざいせき）。ニックネームは「ブチ」「ブッちゃん」「タブタ」「オッサン（東尾ひがしお修おさむが使用しよう）」。3代目だいめミスタータイガースとも称しょうされる。

現役げんえき時代じだいは阪神はんしんタイガースの主砲しゅほうとして活躍かつやくし、1979年ねんに移籍いせきした西武せいぶライオンズではチームの2年ねん連続れんぞくリーグ優勝ゆうしょう・日本一にっぽんいちに貢献こうけんした。引退いんたい後ごは福岡ふくおかダイエーホークス監督かんとく、阪神はんしん・楽天らくてんのコーチを歴任れきにん。また、北京ぺきんオリンピック野球やきゅう日本にっぽん代表だいひょうヘッド兼けん打撃だげきコーチも務つとめた。

妻つまは元もと女優じょゆう・タレントのジャネット八田はった（八田はった有加ゆか）で、長男ちょうなんはフジテレビアナウンサーの田淵たぶち裕章ひろあき。次男じなんは元もと俳優はいゆうの田淵たぶち帝みかど次じ。

経歴けいれき

プロ入いり前まえ

父親ちちおやが毎日新聞社まいにちしんぶんしゃの山形やまがた地区ちく販売はんばい担当たんとうをしていたとき、当地とうち寒河江さがえ市しで農業のうぎょうを営いとなむ母ははの家いえに新聞しんぶん販売はんばいで訪おとずれ、知しり合あい、上京じょうきょうして結婚けっこんし幸一こういちが生うまれた。父親ちちおやが毎日新聞社まいにちしんぶんしゃに勤つとめていたこともあり、裕福ゆうふくな家庭かていで生うまれ育そだった。両親りょうしんと姉あねの4人にん家族かぞく。豊島としま区立くりつ高田たかだ中学校ちゅうがっこう（現げん・豊島としま区立くりつ千登世ちとせ橋きょう中学校ちゅうがっこう）在学ざいがく中ちゅうに野球やきゅうを始はじめ、2年生ねんせいには五ご番ばん打者だしゃとなる。

法政大学ほうせいだいがく第一高等学校だいちこうとうがっこうに進学しんがく。1年生ねんせい時じの秋季しゅうき東京とうきょう都と高等こうとう学校がっこう野球やきゅう大会たいかいでは正せい捕手ほしゅとして準決勝じゅんけっしょうに進出しんしゅつするが、日大にちだい一いち高だかに7回かい日没にちぼつコールド負まけを喫きっし、選抜せんばつ大会たいかい出場しゅつじょうを逃のがす。3年生ねんせいの時ときの全国ぜんこく高等こうとう学校がっこう野球やきゅう選手権せんしゅけん東京とうきょう大会たいかいでは準々じゅんじゅん決勝けっしょうまで進すすむが、日大にちだい二に高だかに9回かいサヨナラ負まけを喫きっし、全国ぜんこく選手権せんしゅけん出場しゅつじょうには届とどかなかった。

1965年ねん4月がつに法政大学ほうせいだいがく経済学部けいざいがくぶに進学しんがく。1年生ねんせいの春はるから東京とうきょう六ろく大学だいがく野球やきゅうリーグに出場しゅつじょう。同年どうねんにはマニラで開催かいさいされた第だい6回かいアジア野球やきゅう選手権せんしゅけん大会たいかい日本にっぽん代表だいひょう（東京とうきょう六ろく大学だいがく選抜せんばつチームが派遣はけん）に選出せんしゅつされ、日本にっぽんの優勝ゆうしょうに貢献こうけんした。この時ときの正せい捕手ほしゅは早大そうだいの大塚おおつか弥わたる寿男としおだったが、2年ねん後ごの同どう大会たいかいでは中心ちゅうしん打者だしゃとして完全かんぜん優勝ゆうしょうを飾かざっている。山中やまなか正ただし竹ちくらとバッテリーを組くみ、在学ざいがく中ちゅう3度どのリーグ優勝ゆうしょうを経験けいけん。リーグ通算つうさん97試合しあい出場しゅつじょう、342打数だすう94安打あんだ、打率だりつ.275、78打点だてん。ベストナイン3回かい選出せんしゅつ（4年ねんの1968年ねん秋季しゅうきは早大そうだい阿野あの鉱こう二にが選出せんしゅつされ自身じしんはベストナイン特別とくべつ賞しょう）。山本やまもと浩二こうじ・富田とみた勝まさると共ともに「法政ほうせい三羽烏さんばがらす」と呼よばれ、3年生ねんせいの春はるにそれまでの本塁打ほんるいだリーグ通算つうさん記録きろく（8本ほん）を早々そうそうと更新こうしん、通算つうさんで22本塁打ほんるいだまで伸のばし、1997年ねんに慶大けいだい・高橋たかはし由ゆかり伸しんに破やぶられるまでリーグ記録きろくだった。なお、高橋たかはしに新しん記録きろくとなる23本ほん目めの本塁打ほんるいだを打うたれた投手とうしゅが、田淵たぶちの母校ぼこう・法政大学ほうせいだいがく所属しょぞくで後のちにプロでも田淵たぶちと同おなじ阪神はんしんタイガースに入団にゅうだんすることになる安藤あんどう優ゆう也である。安藤あんどうは法政大学ほうせいだいがく野球やきゅう部ぶの新年しんねん会かいで田淵たぶちに「お前まえ、とんでもないことをしてくれたな」と言いわれ、以後いご安藤あんどうは田淵たぶちへの謝罪しゃざいを込こめてお中元ちゅうげんやお歳暮せいぼを贈おくっているという。

1968年度ねんどドラフト会議かいぎにて阪神はんしんタイガースから1位い指名しめいを受うけ、入団にゅうだん。ドラフト会議かいぎ前まえには巨人きょじんの指名しめいが確実視かくじつしされ本人ほんにんもそれを望のぞんでいたとされたが、山本やまもと浩二こうじや関西かんさい出身しゅっしんの富田とみたを指名しめいすると噂うわさされていた阪神はんしんが、「在京ざいきょうならまだしも関西かんさい球団きゅうだんはちょっと……」という田淵たぶちを1位い指名しめいした。ドラフト前まえに巨人きょじん関係かんけい者しゃと会食かいしょくし、「君きみには背番号せばんごう2を用意よういしている」と言いわれ感激かんげきしたが、ドラフト指名しめいがこのような結果けっかになってしまい、落胆らくたんした。一方いっぽう、諦あきらめきれない巨人きょじん側がわも、田淵たぶちを一いち度ど阪神はんしんに入団にゅうだんさせ後のちに巨きょ人じんへ移籍いせきさせる「三角さんかくトレード」を提案ていあん、また密ひそかに田淵たぶちとの会談かいだんを画策かくさくしたが、阪神はんしん側がわはトレードを拒否きょひ。巨人きょじん入いりが絶望ぜつぼう的てきとなり田淵たぶちは阪神はんしんと契約けいやくした。阪神はんしん側がわから指名しめい前まえの挨拶あいさつは一切いっさいなかった。

ドラフト指名しめい後ごの記者きしゃ会見かいけんで、母親ははおやが田淵たぶちを「ボクちゃん」と呼よんでいることが発覚はっかくし、記者きしゃたちの度肝どぎもを抜ぬいた。

プロ入いり後ご

阪神はんしん入団にゅうだん後ごはオープン戦せんで本塁打ほんるいだを2本ほん放はなち、強肩きょうけん、強打きょうだの捕手ほしゅとして1年ねん目めからレギュラーに定着ていちゃく。22本塁打ほんるいだを放はなち、捕手ほしゅとして初はじめての新人しんじん王おうを受賞じゅしょうした。新人しんじんでのシーズン22本塁打ほんるいだは2021年ねんに佐藤さとう輝明てるあきが並ならぶまで球団きゅうだん記録きろくであった。

2年ねん目めの1970年ねんは8月がつ上旬じょうじゅんには20本塁打ほんるいだに到達とうたつするなど、ハイペースで本塁打ほんるいだを量産りょうさんする。しかし、8月がつ26日にちの対たい広島ひろしま戦せんで外そと木場きば義郎よしおから左ひだりこめかみに死球しきゅうを受うけ昏倒こんとう。耳みみからの出血しゅっけつもありすぐさま救急きゅうきゅう車しゃで病院びょういんに搬送はんそうされ、以降いこうのシーズンを棒ぼうに振ふった。このときのケガは「田淵たぶちの体質たいしつがこれで全すべて変かわってしまった」と言いわれるほど大おおきなもので、翌年よくねん以降いこうまで尾おを引ひき、入団にゅうだん当時とうじ「もやし」「キリン」のあだ名なをつけられるほどやせていたが、だんだんと太ふとりだしてしまったとされる。一方いっぽうで、田淵たぶち自身じしんに死球しきゅうの瞬間しゅんかんの記憶きおくが残のこっておらず、死球しきゅう後遺症こういしょうとしての内角ないかく球だま恐怖症きょうふしょうにはならなかったという。

1971年ねんは死球しきゅう禍かも癒いえてオープン戦せんから快調かいちょうに本塁打ほんるいだを打うつが、3月がつ末まつに風邪かぜをこじらせて急性きゅうせい腎じん炎えんを発症はっしょうし、入院にゅういん加療かりょうを行おこなう。6月17日にちの大洋たいよう戦せんから戦列せんれつに復帰ふっきするが、まだ入院にゅういん中ちゅうでしばらく病院びょういんから球場きゅうじょうに通かよい、23日にちにようやく退院たいいんした。この年としは大事だいじを取とって、主おもに一塁いちるいまたは外野がいやに回まわり、捕手ほしゅとしての出場しゅつじょうは1試合しあいに留とどまった。

この頃ころより打撃だげきフォームを一本いっぽん足あし打だ法ほうにしてから飛ひ距離きょりが伸のび始はじめ、1972年ねんには34本塁打ほんるいだを記録きろくした。江夏えなつ豊ゆたかとのコンビは「黄金おうごんバッテリー」と呼よばれた。

1973年ねん4月がつから5月がつにかけて、巨人きょじんを相手あいてに同どう一いちカード7打数だすう連続れんぞく本塁打ほんるいだという記録きろくを作つくっている。

同どう一いちカード7打数だすう連続れんぞく本塁打ほんるいだ

	日付ひづけ	球場きゅうじょう	相手あいて投手とうしゅ	イニング	内訳うちわけ
1	4月がつ26日にち	後楽園こうらくえん	関本せきもと四よん十じゅう四よん	6回かい	左翼さよく3ラン
2	〃	〃	菅原すがわら勝まさる矢や	8回かい	左翼さよく4号ごう3ラン
3	〃	〃	〃	9回かい	5号ごう3ラン
4	5月9日にち	甲子園こうしえん	高橋たかはし善正よしまさ	2回かい	左翼さよく9号ごうソロ
―	〃	〃	〃	4回かい	死球しきゅう
5	〃	〃	〃	7回かい	左翼さよく10号ごう2ラン
6	〃	〃	〃	9回かい	中堅ちゅうけん11号ごうソロ
7	5月がつ10日とおか	甲子園こうしえん	高橋たかはし一三かずみ	1回かい	左翼さよく12号ごう2ラン

同年どうねん9月がつ9日にちの対たいヤクルト25回戦かいせんで、ヤクルトの安田やすだ猛たけしが続つづけていた連続れんぞくイニング無な四死球ししきゅうのプロ野球やきゅう新しん記録きろくの更新こうしんを81で止とめる。安田やすだは7月がつ17日にちの対たい阪神はんしん15回戦かいせん、8回かい表ひょう一死いっし二塁にるいで田淵たぶちを敬遠けいえんで歩あるかせたのを最後さいごにその試合しあいの9回かいから無む四死球ししきゅうを続つづけ、1950年ねんの白木しらき義よし一郎いちろうの74を破やぶって記録きろくを更新こうしんしていたが、この試合しあい、2-2の9回かい二死にし二塁にるいで田淵たぶちを敬遠けいえんしたことによりその記録きろくが止とまった。

1974年ねんに父親ちちおやが他界たかい。当日とうじつ試合しあい前まえに知しらせの電報でんぽうを受うけ取とり、監督かんとく・金田かねだ正ただし泰やすしも「試合しあいを気きにせんと帰かえったれ」と田淵たぶちを気遣きづかったが、それらを振ふり切きってあえて出場しゅつじょうし、平松ひらまつ政次まさじから本塁打ほんるいだを2発はつ放はなった。

1975年ねんには王おう貞治さだはるの14年ねん連続れんぞく本塁打ほんるいだ王おうを阻止そしする43本塁打ほんるいだを打うち、初はつタイトルを獲得かくとくした。この前年ぜんねん、田淵たぶちは自己じこ最多さいたの45本塁打ほんるいだ（自身じしん初はつのシーズン40本塁打ほんるいだ）を放はなちながらも4本ほん差さで本塁打ほんるいだ王おうを逃のがしていたが、1975年ねんは怪我けがで出遅でおくれた王おうを尻目しりめに開幕かいまくから打うちまくり、最終さいしゅう的てきに王おうに10本ほん差さをつけてタイトルを獲得かくとくした。死球しきゅうを受うけ、左手ひだりてをまともに使つかえない状況じょうきょうで右手みぎてだけを使つかい、打うった本塁打ほんるいだも含ふくまれている。

1978年ねん11月15日にちの深夜しんやに大阪おおさか梅田うめだのホテル阪神はんしんにて、クラウンライターライオンズから生うまれ変かわったばかりの西武せいぶライオンズにトレード通告つうこくされる。阪神はんしんから田淵たぶち・古沢ふるさわ憲司けんじの2人ふたり、クラウンから真弓まゆみ明信あきのぶ・竹之内たけのうち雅史まさし・若菜わかな嘉晴よしはる・竹田たけだ和史かずしの4人にんという大型おおがたトレードであった。

このトレードは深夜しんやに呼よび出だされて通告つうこくされるという異例いれいのものであり、田淵たぶちにとっても不満ふまんは大おおきかった。球団きゅうだん側がわの「今度こんど行いく西武せいぶの根本こんぽん監督かんとくは良よい監督かんとくだから、行おこなってよく勉強べんきょうして来こい」という説得せっとくに対たいし、「じゃあ、（阪神はんしんの）ブレイザー監督かんとくは良よい監督かんとくではないんですか?」とい返いかえしたという。その後ごもテレビのインタビューで不満ふまんをぶちまけるなど、すったもんだの末すえにようやく決着けっちゃくした。

阪神はんしん在籍ざいせき10シーズンで4番ばん打者だしゃとしての出場しゅつじょう数すう812試合しあい（チーム歴代れきだい3位い）本塁打ほんるいだ247本ほん（チーム歴代れきだい1位い）574打点だてん（チーム歴代れきだい3位い）と、3代目だいめミスタータイガースと呼よぶに相応ふさわしい成績せいせきを残のこした。

西武せいぶで体からだを鍛きたえ直なおし、1980年ねんに一塁いちるい手しゅに転向てんこう、指名しめい打者だしゃでも活躍かつやくした。5年ねんぶりとなる40本塁打ほんるいだ以上いじょう（43本塁打ほんるいだ）を記録きろく（西武せいぶ球団きゅうだん史上しじょう初はつの40本塁打ほんるいだでもある）。1982年ねん・1983年ねんには阪神はんしん時代じだいに成なしえなかったリーグ優勝ゆうしょうと日本一にっぽんいちも経験けいけんした。1983年ねんには5月8日にち対たいロッテ戦せんで3年ねんぶりの盗塁とうるいに成功せいこうし、7月がつ10日とおか（チーム67試合しあい目め）までに29本塁打ほんるいだを放はなち、当時とうじのシーズン最多さいた本塁打ほんるいだ記録きろく（55本ほん）更新こうしんとセ・パ両りょうリーグ本塁打ほんるいだ王おう獲得かくとくが期待きたいされたが、13日にちの近鉄きんてつ戦せんで柳田やなぎだ豊ゆたかから死球しきゅうを受うけ左ひだり手首てくび骨折こっせつにより長期ちょうき欠場けつじょう。復帰ふっきはシーズン終盤しゅうばんの10月がつ4日にちとなった。1983年ねんの日本にっぽんシリーズでは第だい1戦せんで江川えがわ卓たくから3ランを放はなつと、第だい5戦せんでは日本にっぽんシリーズ29イニング連続れんぞく無む失点しってん中ちゅうであった西本にしもと聖きよしを攻略こうりゃくするために野球やきゅう人生じんせいで初はじめてバットを短みじかく持もって打席だせきに立たち、本塁打ほんるいだにするなどの活躍かつやくをし、このシリーズの優秀ゆうしゅう選手せんしゅ賞しょうを受賞じゅしょうした。1984年ねん9月23日にち現役げんえき引退いんたいを表明ひょうめい。9月29日にち、西宮にしのみや球場きゅうじょうの対たい阪急はんきゅう戦せんが現役げんえき最終さいしゅう試合しあいとなり、試合しあい後ごに胴上どうあげされた。この試合しあいでは阪急はんきゅうの応援おうえん演奏えんそうをおこなう阪急百貨店はんきゅうひゃっかてん吹奏楽すいそうがく団だんの「ラッパ隊たい」が、田淵たぶちのために「六甲ろっこうおろし」を奏かなでて贈おくった。後述こうじゅつにもあるように怪我けがや病気びょうきの多おおさで有名ゆうめいでもあったが一番いちばんの決きめ手ては花粉かふん症しょうによる病状びょうじょうが引退いんたいの決きめ手てと言いわれている。

引退いんたい後ご

楽天らくてんコーチ時代じだい。左ひだりが田淵たぶち（2011年ねん8月がつ30日にち、こまちスタジアムにて）
右みぎは当時とうじの監督かんとく・星野ほしの仙せん一いち

引退いんたい後ごの1985年ねんから5年間ねんかん、TBS（テレビ・ラジオ）の解説かいせつ者しゃを務つとめる。1985年ねんオフに西武せいぶの監督かんとく広岡ひろおか達朗たつろうが解任かいにん。後任こうにん監督かんとくにオーナーの堤つつみ義明よしあきの希望きぼうで田淵たぶちの名前なまえが挙あがり球団きゅうだんフロントは参謀さんぼう役やくに前年ぜんねん退団たいだんしていた森もり昌彦まさひこを充あてようと考かんがえたが、森もりは首くびを縦たてに振ふらず田淵たぶちの監督かんとく起用きようを断念だんねん、森もりが西武せいぶの監督かんとくに就任しゅうにんした。

1987年ねんオフに阪神はんしんの監督かんとく吉田よしだ義男よしおが解任かいにん。後ごを継ついだ新しん監督かんとく村山むらやま実みのるからヘッド兼けん打撃だげきコーチ就任しゅうにんを依頼いらいされたが、過去かこにトレードに出だされた際さいの球団きゅうだんの不手際ふてぎわもあり、復帰ふっきを断ことわった（村山むらやまの希望きぼうとは裏腹うらはらに阪神球団はんしんきゅうだんは田淵たぶちの復帰ふっきを望のぞんでいなかった）。田淵たぶちは「村山むらやまタイガースなら帰かえるが阪神はんしんタイガースへなら帰かえりたくない」と述のべた。

1990年ねんにダイエーの監督かんとくに就任しゅうにん。ヘッドコーチに黒田くろだ正ただし宏ひろし（法大ほうだいの1年ねん後輩こうはい捕手ほしゅ）、打撃だげきコーチに大田おおた卓司たくし、スコアラーに豊倉とよくら孝治こうじと西武せいぶOBを招聘しょうへい（しょうへい）した（黒田くろだはホークスOBでもある。また大田おおた・豊倉とよくらは西武せいぶの前身ぜんしんで福岡ふくおかに本拠ほんきょを置おいていた西鉄にしてつ→太平洋たいへいよう→クラウンに在籍ざいせき経験けいけんがある）。選手せんしゅ補強ほきょうでは就任しゅうにん間あいだもないドラフト会議かいぎで嘗かつての自身じしんと同おなじく巨人きょじんを熱望ねつぼうする元木もとき大介だいすけを野茂のも英雄ひでおの外はずれ1位いで指名しめいしたが入団にゅうだんには至いたらず。西武せいぶ時代じだい同僚どうりょうの杉本すぎもと正ただし、広橋ひろはし公こう寿ことぶき（福岡ふくおか出身しゅっしん）を懇意こんいの星野ほしの監督かんとく率ひきいる中日ちゅうにちからトレードで獲得かくとく。西武せいぶ式しきの練習れんしゅうを取とり入いれ、「俺おれはいくら阪神はんしんでホームランを打うっても優勝ゆうしょうできなかったけど、西武せいぶの広岡ひろおか野球やきゅうで二に度どの優勝ゆうしょうを味あじわった。やはり緻密ちみつじゃないと勝かてないんだ。」、監督かんとく就任しゅうにん後ごの秋あきのキャンプでは二言目ふたことめには「西武せいぶでは〜」、「広岡ひろおかさんは〜」と言いったという。1年ねん目めはチーム順位じゅんい・打率だりつ、本塁打ほんるいだ、得点とくてん、失点しってん、防御ぼうぎょ率りつはすべてリーグ最下位さいかいに終おわった。85敗はい、勝率しょうりつ.325は2リーグ制せい以降いこうの球団きゅうだんのワースト記録きろく。1年ねん目めは早々そうそうに竹之内たけのうち雅史まさし打撃だげきコーチ（現役げんえき時代じだいのトレード相手あいて）は意見いけんが合あわずに退団たいだん、中西なかにし邦之くにゆき投手とうしゅコーチは成績せいせき不振ふしんのため休養きゅうよう、また、トニー・バナザード、ウィリー・アップショー両りょう外国がいこく人じん選手せんしゅとの確執かくしつを残のこすなど、人事じんじ面めんで大おおきなトラブルが相次あいついだ。10月28日にちにはセレクション会議かいぎ（12球団きゅうだんが一堂いちどうに会かいするトレード会議かいぎ）に参加さんかするに当あたって、「ウチは金銭きんせんならいいが、交換こうかんトレードとなると苦くるしいね。交換こうかんできる選手せんしゅがいない。その点てん、浩二こうじ（広島ひろしま・山本やまもと監督かんとく）とこはいいよな。長嶋ながしまや長内おさないがリストに入はいっているらしい。2人ふたりとも他たのチームならレギュラークラスだ」と発言はつげん。他た球団きゅうだんのトレード要員よういんを漏洩ろうえいしたため、広島ひろしまの松田まつだオーナー代行だいこうが激怒げきどし、ダイエー球団きゅうだんから厳重げんじゅう注意ちゅうい、減俸げんぽう10％の処分しょぶんを科かされた。1991年ねんは権藤ごんどう博ひろしを投手とうしゅコーチに招しょうへい、門田かどた博光ひろみつが復帰ふっきしたほか古巣ふるす・阪神はんしんとの大型おおがたトレードで獲得かくとくした池田いけだ親ちかし興きょう（法大ほうだいの後輩こうはい）がストッパーで再起さいき、大野おおの久ひさは盗塁とうるい王おうとなるが5位い、1992年ねんは4位いと順位じゅんいこそ上あがったものの、長ながい低迷ていめいから脱だっすることはできずに解任かいにんされた。なお、後述こうじゅつの長男ちょうなん・裕章ひろあきによると、この3年間ねんかん、東京とうきょうの自宅じたくには生なま卵たまごや自転車じてんしゃが投なげ込こまれたり、裕章ひろあき自身じしんもこの子供こどもの頃ころに父親ちちおやのことでからかわれるなど、田淵たぶち家かは大変たいへんだったということである。そして、後任こうにんとして根本ねもと陸夫むつおが監督かんとくに就任しゅうにんした。1993年ねんから2001年ねんまでは、再ふたたびTBSの解説かいせつ者しゃを務つとめる。

2001年ねん12月がつ20日はつかには親友しんゆうである星野ほしの仙せん一いちの阪神はんしん監督かんとく就任しゅうにんに伴ともない、古巣ふるす・阪神はんしんのチーフ打撃だげきコーチに就任しゅうにん。自身じしんにとっては24年ねんぶりの阪神はんしん復帰ふっきとなった。背番号せばんごうは88。翌よく2003年ねんのリーグ優勝ゆうしょうに大おおきく貢献こうけんする。「うねり打だ法ほう」と称しょうした打撃だげき理論りろんで濱中はまなかおさむ・関本せきもと健太郎けんたろうなどを育成いくせいする。星野ほしのは著書ちょしょの中なかで「うねり打だ法ほう、3割わり打線だせんだ、と終始しゅうし注目ちゅうもくを集あつめてきた通とおり、大型おおがた、小型こがたのバッターをミックスして、上手うまく振ふり分わけて、ポイントを一ひとつも外はずさないで攻撃こうげき態勢たいせいを作つくってくれた。和田わだとオマリーの協力きょうりょくを得えながら3人にんで、弱よわい打線だせんのレベルを一気いっきに引ひき上あげてくれたのである」と記しるしている。その反面はんめん、成績せいせきが振ふるわない選手せんしゅや見込みこみがない選手せんしゅに対たいしては早々そうそうに見限みかぎるシビアな側面そくめんもあった。デリック・ホワイトの成績せいせき不振ふしんに対たいしては「もう（あいつに）直接ちょくせつ教おしえる事ことはない。後ごは本人ほんにん次第しだいで頑張がんばってもらうだけだから」と「戦力せんりょく外がい」の烙印らくいんを押おし、後のちにホワイトの解雇かいこにつながったが、「ホワイトに骨折こっせつが判明はんめいし、試合しあいに出でられる状態じょうたいではないのにベンチに入はいって声こえを出だしていた姿すがたに感激かんげきして、おそらく解雇かいこになるだろうホワイトの幸運こううんを祈いのった」と自著じちょに記しるしている。

普段ふだんは対等たいとうの友達ともだち感覚かんかくで付つき合あっていたが、ユニフォームを着きればベンチでも「どうしますか、代かえますか」と常つねに敬語けいごで接せっし、遠征えんせい先さきで連つれ立だって食事しょくじに出でると、必かならずホテルに宿泊しゅくはくしている和田わだへの土産みやげだといって寿司すしやお好このみ焼やきを包つつませた。

星野ほしのが記者きしゃ団だんを相手あいてに昼食ちゅうしょくをとっていると、午前ごぜん中ちゅうから蒸むし暑あつい神宮じんぐうの室内しつない練習れんしゅう場じょうで特訓とっくんを見みてきた田淵たぶちが茹ゆでダコのようになって引ひきあげて来きたこともあったほか、星野ほしのがベンチから練習れんしゅうを見みている時ときに雨あめの中なかで突つっ立たてってバッティングケージにしがみつき、打者だしゃの至近しきん距離きょりで、軸じく回転かいてんで打うっているか、コンパクトなスイングがしっかりできているかをチェックするため、キャッチャーマスクとプロテクターを付つけて現あらわれたこともあった。

田淵たぶちのような専任せんにんコーチ経験けいけんのない監督かんとく経験けいけん者しゃが、監督かんとく退任たいにん後ごにヘッドコーチ以外いがいのコーチに就ついた例れいは、中西なかにし太ふとし、杉下すぎした茂しげるなど兼任けんにん監督かんとくだったケースが大半たいはんで、田淵たぶちのケースは珍めずらしい例れいである。田淵たぶち自身じしんは、星野ほしのの下したでコーチを務つとめていた頃ころから「俺おれは監督かんとくに向むいていない、せいぜいヘッドコーチまでだ」とたびたび周囲しゅういに漏もらしていた。2003年ねんオフ、星野ほしのが健康けんこう上じょうの理由りゆうから監督かんとくを勇退ゆうたいした際さいには、「俺おれは監督かんとくと一蓮托生いちれんたくしょう」と自身じしんも10月がつ31日にちに退団たいだんした。また、同年どうねんオフに、星野ほしのの推薦すいせんで後任こうにん監督かんとく候補こうほに挙あがったが、本人ほんにんは固辞こじした。

2004年ねん、三さんたびTBS解説かいせつ者しゃとして復帰ふっき。TBS時代じだいは、いずれもスポーツニッポン評論ひょうろん家かとの兼務けんむである。2007年ねん1月がつ29日にち、星野ほしのが北京ぺきん五輪ごりん日本にっぽん代表だいひょう監督かんとくに就任しゅうにん、再ふたたび星野ほしのの下したでヘッド兼けん打撃だげきコーチとなる。この時とき、星野ほしのからコーチ就任しゅうにんを依頼いらいされた際さいの言葉ことばは「行いくぞ」だけであった。結果けっかは振ふるわず4位いに終おわり、チーム打率だりつ.233は決勝けっしょうトーナメントに出場しゅつじょうした4カ国かこくの中なかで最低さいていの成績せいせきで長打ちょうだ力りょく.362は打率だりつと共ともにワーストであった。

2009年ねん秋あき、阪神はんしんタイガースOB会かいの第だい6代だい会長かいちょうに就任しゅうにんしたが、わずか1年ねんで辞任じにんしている。2011年ねんからは星野ほしのが監督かんとくに就任しゅうにんした東北とうほく楽天らくてんゴールデンイーグルスのヘッド兼けん打撃だげきコーチに就任しゅうにん（星野ほしのが球団きゅうだんに田淵たぶちのコーチ招聘しょうへいを要請ようせい）。阪神はんしん、北京ぺきん五輪ごりん日本にっぽん代表だいひょうに続つづき、楽天らくてんでも星野ほしのをサポートすることになった。しかし、チームの極度きょくどの打撃だげき不振ふしんから6月がつ5日にち付づけで打撃だげきコーチ職しょくを解任かいにん。ヘッドコーチ専任せんにんとなり、翌よく2012年ねんもヘッドコーチを務つとめたが、同年どうねんシーズン終了しゅうりょうを以って解任かいにんとなった。

2013年ねんには、TBSテレビ（復帰ふっき後ごは2013年ねんのみ地上波ちじょうは中継ちゅうけいへの出演しゅつえんなし、2014年ねんより地上波ちじょうは中継ちゅうけいにも復帰ふっき）・ラジオの野球やきゅう解説かいせつ者しゃ・スポーツニッポンの野球やきゅう評論ひょうろん家かへ復帰ふっきし、タレントとしても復帰ふっきした。しかし2018年ねんからはTBSラジオが野球やきゅう中継ちゅうけいから撤退てったいしたため、BS-TBSやTBSチャンネルの野球やきゅう解説かいせつ者しゃの傍かたわら、阪神はんしんOBとして在ざい阪ばん放送ほうそう局きょく（朝日放送あさひほうそうテレビ・朝日放送あさひほうそうラジオ・テレビ大阪てれびおおさか・サンテレビ）のゲスト解説かいせつ者しゃとしても活動かつどうしている。

2020年ねん1月がつ14日にち、野球やきゅう殿堂でんどう入はいり（エキスパート表彰ひょうしょう）が発表はっぴょうされた。同年どうねん8月がつ18日にち、東京とうきょうドームホテルにおいて殿堂でんどう表彰ひょうしょう式しきが執とり行おこなわれた。

プレースタイル

打撃だげき

飛ひ距離きょりの長ながさ、大おおきく美うつくしい放物線ほうぶつせんを描えがくホームランの軌道きどうから「ホームラン・アーチスト（“アーティスト”とホームランを示しめす“アーチ”を合あわせた造語ぞうご）」と呼よばれていた。落合おちあい博満ひろみつも「本当ほんとうのホームランバッターは田淵たぶちさんと秋山あきやま幸二こうじだけ」と認みとめていた。特とくに外角がいかく球だまに強つよかったが、この長打ちょうだ力りょくには田淵たぶちの左腕さわんが右腕うわんより3cmあまり長ながかったことも影響えいきょうしたとされる。これを発見はっけんしたのは、新人しんじん時代じだいに田淵たぶちのスーツを仕立したてた洋服ようふく屋やであった。ただし、晩年ばんねんは、この腕うでの長ながさが原因げんいんで思おもうような打撃だげきができなかったという。

毎年まいとし多おおくの四球しきゅうを選えらぶ選せん球だま眼めも武器ぶきの一ひとつ。通算つうさん本塁打ほんるいだ474本ほんは歴代れきだい11位い（2023年ねんシーズン終了しゅうりょう時点じてん）の記録きろくであるが、田淵たぶちの特筆とくひつすべき点てんとして、本塁打ほんるいだ1本ほんを打うつのに要ようする打数だすうの少すくなさが挙あげられる。2023年ねんシーズン終了しゅうりょう時点じてんで通算つうさん300本塁打ほんるいだを記録きろくした選手せんしゅは45人にんいるが、田淵たぶちの本塁打ほんるいだ率りつ（打数だすうを本塁打ほんるいだで割わった数字すうじ＝本塁打ほんるいだ1本ほんを打うつのに要ようする打数だすう）は王おう貞治さだはるに次ついで2番目ばんめに少すくない。

300本塁打ほんるいだ以上いじょうで本塁打ほんるいだ率りつが15以下いかの選手せんしゅ（2023年度ねんどシーズン終了しゅうりょう時点じてん）

名前なまえ	本塁打ほんるいだ	試合しあい数すう	打数だすう	本塁打ほんるいだ率りつ
王おう貞治さだはる	868	2831	9250	10.66
田淵たぶち幸一こういち	474	1739	5881	12.41
ウラディミール・バレンティン	301	1104	3759	12.49
アレックス・カブレラ	357	1239	4510	12.63
タフィ・ローズ	464	1674	6274	13.52
松井まつい秀喜ひでき	332	1268	4572	13.77
長池ながいけ徳二とくじ	338	1449	4872	14.41
中村なかむら剛つよし也	471	2042	6976	14.81
清原きよはら和博かずひろ	525	2338	7814	14.88
落合おちあい博満ひろみつ	510	2236	7627	14.95

※カブレラは300本塁打ほんるいだ到達とうたつ時点じてんでの本塁打ほんるいだ率りつは田淵たぶちを上回うわまわっていたが、その後ごのペースダウンにより最終さいしゅう的てきには田淵たぶちを下回したまわる数字すうじで引退いんたいした。

特とくに1983年ねんには、故障こしょうで82試合しあいしか出場しゅつじょうしていないにも拘かかわらず30本塁打ほんるいだを打うっており、プロ野球やきゅうでは初はじめて「規定きてい打席だせきに未み到達とうたつで30本塁打ほんるいだ」を記録きろくした選手せんしゅとなった。この記録きろくは2023年ねんシーズン終了しゅうりょう時点じてんで田淵たぶちを含ふくめて6人にんが記録きろくしているが、田淵たぶち以外いがいはいずれも外国がいこく人じん選手せんしゅによるものである。

本塁打ほんるいだに目覚めざめたきっかけは高校こうこう3年ねんの時ときにかぜで練習れんしゅうを3日にち休やすんだ病やみ上あがりの合宿がっしゅくであった。この時とき、体調たいちょうが完全かんぜんに戻もどっておらず、体からだにあまり力りょくが入はいらなかったが、打撃だげき練習れんしゅうでは打球だきゅうは思おもった以上いじょうによく飛とんで行いった。この時ときに「打撃だげきは力ちからではない」「ボールとバットが当あたる場所ばしょさえ合あえばボールは飛とぶ」と悟さとり、このことがきっかけで滞空たいくう時間じかんの長ながい独特どくとくな放物線ほうぶつせんを描えがく本塁打ほんるいだを打うてるようになったという。

デビューは対たい大洋たいよう戦せんでの江夏えなつ豊ゆたかの代打だいだ。平松ひらまつ政次まさじと対戦たいせんし、シュートに手てが出でず三振さんしんだった。これ以後いごシュートを極端きょくたんに意識いしきするようになり、若わかい頃ころの田淵たぶちは本塁打ほんるいだを打うつと球たま種しゅが何なにであろうと取材しゅざいには「打うったのはシュート」と答こたえていた。取材しゅざいしたスポーツ記者きしゃはこれだけで記事きじを書かかなければならず苦労くろうしたという。なお、デビュー戦せんではグリップの位置いちが高たかかったが、翌日よくじつからは下さげるように改あらためた。

1983年ねんの日本にっぽんシリーズ（西武せいぶ×巨人きょじん）第だい2戦せん（西武せいぶ球場きゅうじょう）で、巨人きょじん投手とうしゅの西本にしもと聖きよしの内角ないかくへ鋭するどく曲まがるシュートに対たいして凡打ぼんだの山やまを築きずいた。このため、第だい5戦せん（後楽園こうらくえん球場きゅうじょう）で西本にしもとが再ふたたび先発せんぱつした際さいには、西本にしもとのシュート対策たいさくとして自分じぶんのバットのグリップエンド部分ぶぶんにテープを巻まいて太ふとくし、バットコントロールをしやすくすることを企図きとしたという。その結果けっか、第だい5戦せんの4回かい表ひょうに西本にしもとのシュートを捉とらえ左翼さよくポールに当あてる本塁打ほんるいだを放はなっている。

対たい巨人きょじん戦せんに強つよい打者だしゃであり、巨人きょじんがV9を達成たっせいした1973年ねんには、シーズン37本塁打ほんるいだのうち16本ほんを巨人きょじん戦せんで放はなっている。また同どうシーズンには1試合しあい3本塁打ほんるいだを2度ど記録きろくしているが、2度どとも巨人きょじん戦せんである。また、巨人きょじん戦せんで5試合しあい連続れんぞくで9本塁打ほんるいだ、7打数だすう連続れんぞく本塁打ほんるいだ（前述ぜんじゅつ）を記録きろく。優勝ゆうしょう争あらそいをしていた10月がつ10日とおかの巨人きょじん戦せんでは2-5の劣勢れっせいをひっくり返かえす逆転ぎゃくてん満塁まんるい本塁打ほんるいだを放はなった。しかし、翌日よくじつの巨人きょじん戦せんは一いち度どは7-0とリードしながら江夏えなつがKOされ、10-10の引ひき分わけ。これは田淵たぶちにとってプロ入いり初はつの満塁まんるい本塁打ほんるいだだった。残のこり3試合しあいでマジック1だったにもかかわらず広島ひろしま、中日ちゅうにちに連敗れんぱい、巨人きょじんとの最終さいしゅう決戦けっせん（10月がつ22日にち、甲子園こうしえん）にも敗やぶれ、優勝ゆうしょうはならなかった。後のちに本人ほんにんも「このとき優勝ゆうしょうしていれば自分じぶんの野球やきゅう人生じんせいは変かわっていた」と語かたっている。

打撃だげきに対たいする姿勢しせいも天才てんさい肌はだであった。西武せいぶ時代じだいに同僚どうりょうだった野村のむら克也かつやが、大だい鏡かがみの前まえで素振そぶりもせずただ構かまえをチェックしている田淵たぶちを見みつけ、何なにをしているのかと聞きくと「僕ぼくは構かまえさえ決きまれば打うてるんです」と答こたえた。野村のむらは「構かまえは確たしかに大事だいじだが、いい構かまえだけでさあ何なんでも来こいというのは田淵たぶちだけや」と呆あきれたという。

いしいひさいちの『がんばれ!!タブチくん!!』では、極きわめて短たん足あしで「ドタドタ」と重おもそうに走はしる様子ようすが描えがかれ、「絶対ぜったいに不可能ふかのうなことの例たとえ」として「タブラン（田淵たぶちのランニングホームランの略りゃく）」という言葉ことばが出でてくるが、星野ほしのによれば法大ほうだい時代じだいの田淵たぶちは俊足しゅんそくであった。長嶋ながしま茂雄しげおの六ろく大学だいがく記録きろくに迫せまっていた時とき、ランニングホームランで達成たっせいしそうになり「失礼しつれいだ」という理由りゆうで三塁さんるいで止とまったこともある。プロ生活せいかつではランニングホームランは一いち度どもなく、盗塁とうるいも18個こしか記録きろくしていない。また、球界きゅうかい屈指くっしの長足ちょうそくでもあったが、それゆえにバッティングフォームの重心じゅうしんが高たかく、確実かくじつ性せいに欠かけるとの指摘してきもされていた。江夏えなつは「田淵たぶちほど、何なにもしない、何なにも考かんがえないでホームランを打うった男おとこを知しらない。オレがいままで見みた野球やきゅう選手せんしゅのなかで、天才てんさいと呼よべるのはただ一人ひとり、田淵たぶち幸一こういちだけや」と述のべている。西武せいぶ時代じだい監督かんとくだった広岡ひろおか達朗たつろうは「あれには注文ちゅうもんをつけても仕方しかたがない。ホームランさえ打うってくれたらそれで十分じゅうぶんだ」と述のべている。

長打ちょうだ力りょくのある選手せんしゅに多おおめの傾向けいこうがあるとされる三振さんしんだが、田淵たぶちは三振さんしんの少すくない選手せんしゅであり、1シーズンに100以上いじょうの三振さんしんを記録きろくしたことは一いち度どもない。公式こうしき戦せんにおける犠打ぎだはゼロである。

本塁打ほんるいだ数すうの割わりに安打あんだ数すうが比較的ひかくてきながらも少すくないことが特徴とくちょうでもあり、日本にっぽん球界きゅうかいにおいて、通算つうさん400本塁打ほんるいだ以上いじょうを放はなちながら2000本ほん安打あんだに到達とうたつしなかった日本人にっぽんじん選手せんしゅは田淵たぶちと山崎やまざき武司たけしの2人ふたりだけである（外国がいこく人じん選手せんしゅを含ふくめるとタフィ・ローズを加くわえて3人にんとなる）。

阪神はんしん時代じだいと西武せいぶ時代じだいに1回かいずつ4者しゃ連続れんぞく本塁打ほんるいだに絡からんだ。

年月日ねんがっぴ	相手あいて	球場きゅうじょう	回かい	相手あいて投手とうしゅ	1人ひとり目め	2人ふたり目め	3人にん目め	4人にん目め
1976年ねん9月がつ19日にち	広島ひろしま20回戦かいせん	甲子園こうしえん	6	永えい本もと裕章ひろあき	中村なかむら勝広かつひろ	掛かけ布ぬの雅之まさゆき	ラインバック	田淵たぶち幸一こういち
1983年ねん6月がつ28日にち	ロッテ14回戦かいせん	西武せいぶ	3	仁科にしな時成ときなり	立花たちばな義よし家か	スティーブ	田淵たぶち幸一こういち	大田おおた卓志たかし

守備しゅび

若わかい頃ころは巨きょ体たいながら捕手ほしゅとしての動うごきは俊敏しゅんびんで、大学だいがく時代じだいには俊足しゅんそくの高田たかだ繁しげるとの対決たいけつが見みせ場ばであった。プロ入いりしてからもボールを受うけてから二塁にるいに投なげるまでの速はやさはトップクラスで、加くわえて強肩きょうけんでもあり、20代だいの頃ころは盗塁とうるい阻止そし率りつ4割わり以上いじょうを記録きろくしている。1977年ねん7月がつ13日にちの大洋たいよう戦せんで田村たむら政雄まさおから死球しきゅうを受うけて右手みぎて親指おやゆびを骨折こっせつし、この影響えいきょうで入団にゅうだん5年ねん目めまで5割わり以上いじょうの盗塁とうるい阻止そし率りつを誇ほこっていた肩かたが衰おとろえていた。

しかし、既すんで述じゅつの外そと木場きばから受うけた死球しきゅうの影響えいきょうにより聴力ちょうりょくの低下ていかや体質たいしつ変化へんか（肥満ひまん）のためにプレーが緩慢かんまんになっていったと言いわれる。よく挙あげられるのは、阪神はんしん時代じだいに何なんでもないキャッチャーフライを見失みうしない、落球らっきゅうしたというプレーである。また、当時とうじの阪神はんしんには辻つじ佳けい紀き・辻つじ恭彦やすひこなど守備しゅびの得意とくいな捕手ほしゅがいたこともあり、怪我けがをして以降いこうは一塁いちるいや外野がいやでも出場しゅつじょう、西武せいぶに移籍いせき後ごは主おもに指名しめい打者だしゃとして出場しゅつじょうしていた。江夏えなつ豊ゆたかによると、田淵たぶちが捕手ほしゅとして大成たいせいできなかった要因よういんは大雑把おおざっぱな神経しんけいにあるという。

その他た

一般いっぱんに曲者くせものぞろいとされる捕手ほしゅの中なかでは珍めずらしい、非常ひじょうに大だいらかな人物じんぶつである。江夏えなつ豊ゆたかもその人間にんげん性せいについて「ブチほど純粋じゅんすいで裏表うらおもてのない人間にんげんはいない」と述のべている。目めが合あって一言ひとことでも挨拶あいさつしてしまうと途端とたんに相手あいてが敵てきとは思おもえなくなり、まともな勝負しょうぶができなくなってしまうため、試合しあい前まえに対戦たいせん相手あいての選手せんしゅとできるだけ目めを合あわせないようにしていた、「当あたると痛いたい」のでインコースギリギリに投なげて打者だしゃを威嚇いかくするようなサインは絶対ぜったいに出ださなかった（江本えもと孟紀たけのりによる）、コーチに「サインが盗ぬすまれているから隠かくせ」と言いわれても「そんなこすっからいことする人じんいません」と取とり合あわなかったなど、人ひとの良よさを示しめす逸話いつわは枚挙まいきょに暇ひまがない。また、サイン盗ぬすみは卑怯ひきょうなやり方かたとして絶対ぜったいに使つかおうとせず、正々堂々せいせいどうどうと勝負しょうぶすることを常つねとしていた。

野村のむら克也かつやは現役げんえきの頃ころから「捕手ほしゅとしての田淵たぶち」を疑問ぎもん視しし、野村のむらは「捕手ほしゅ出身しゅっしん者しゃが監督かんとくになって駄目だめだった例れい」として田淵たぶちの名なをよく挙あげており、数すう多おおくの著書ちょしょで田淵たぶちの捕手ほしゅや指導しどう者しゃとしての能力のうりょくを酷評こくひょうしている。

1975年ねん頃ごろの阪神はんしんは田淵たぶちに限かぎらず、江夏えなつ、和田わだ徹とおる、遠井とい吾郎ごろうなど力士りきしのような肥満ひまん体型たいけいの選手せんしゅが目立めだっていたため、「相撲すもう部屋へや」と揶揄やゆ（やゆ）されていた。このようなことから同年どうねん、中川なかがわ卓たく爾なんじが東京教育大学とうきょうきょういくだいがくより引ひき抜ぬかれてトレーニングコーチに就任しゅうにんした。

『がんばれ!!タブチくん!!』

1977年ねんから、入団にゅうだん当時とうじに比くらべ太ふとってしまった田淵たぶちをモチーフとした漫画まんが『がんばれ!!タブチくん!!』（いしいひさいち作さく）が連載れんさいされ、単行本たんこうぼんがベストセラーになった。漫画まんがの中なかではタブチの良よきパートナーとしてヤクルトの安田やすだ猛たけし（実生活じっせいかつでは東京とうきょう六ろく大学だいがく以来いらいの好敵手こうてきしゅである）や大矢おおや明彦あきひこ、また当時とうじヤクルトの監督かんとくで後のちに西武せいぶの監督かんとくに就任しゅうにんする広岡ひろおか達朗たつろうもキャラクターとして登場とうじょう、1979年ねんには映画えいがにもなった。

『がんばれ!!タブチくん!!』に出でてくる夫人ふじん・ミヨコは、前ぜん夫人ふじんがモデルである。田淵たぶち本人ほんにんは最初さいしょ知しらなかったが、家庭かてい内ないのネタは前ぜん夫人ふじんが情報じょうほう源げんであったことをテレビ番組ばんぐみ内ないで語かたっている。自身じしんをネタにされているにもかかわらず田淵たぶち自身じしんこの漫画まんがの大だいファンで、いつも読よんでは大笑おおわらいしていたという。NHK教育きょういくテレビ『YOU』（1984年ねん）に出演しゅつえんした際さいには「マンガまで書かいて応援おうえんしてくれるなんて嬉うれしい。作者さくしゃに会あってお礼れいが言いいたい」とまで語かたっている。

また、タレントのダンカンが江夏えなつから直接ちょくせつ聞きいた話はなしとして、劇場げきじょうアニメ化かされた際さいに江夏えなつと2人ふたりで鑑賞かんしょうに行いった際さい、「自分じぶんをモデルにした映画えいがだと言いうから観かんに来きてみたら、お客きゃくさんが全然ぜんぜん入はいっていな〜いじゃないか!」と内容ないようではなく観客かんきゃくの入いりの少すくなさを怒おこっていたという。この言葉ことばに江夏えなつは「ま、昼間ひるまやから仕方しかたないやろ。夜よるやったら満席まんせきやでぇ」と慰なぐさめたという（DVD-BOX同どう梱こりの解説かいせつ書しょより） 。

なおYouTubeプロ野球やきゅうOBクラブ公式こうしきチャンネルで2021年ねんに江夏えなつと田淵たぶちの対談たいだんが行おこなわれた際さい、「タブチくん」の映画えいがを江夏えなつと観みたという上記じょうきの話はなしの真相しんそうを確認かくにんしたところ、田淵たぶちはそもそもその映画えいがを観みていないと完全かんぜんに否定ひていし、江夏えなつと共々ともども呆あきれていた。

田淵たぶちが現役げんえき引退いんたい（1984年ねん）した翌年よくねんの1985年ねん1月がつ9日にち、『球界きゅうかいのスーパー・ヒーロー引退いんたいに捧ささぐ!』という副題ふくだいで、劇場げきじょう第だい1作さく目めが日本にほんテレビ『水曜すいようロードショー』で記念きねん放送ほうそうされた。

現げん夫人ふじんは野球やきゅうにはまったく興味きょうみがなく、この漫画まんがで田淵たぶちの存在そんざいを初はじめて知しった。その結果けっかとして彼女かのじょと結婚けっこんできたので、田淵たぶち自身じしんは「この漫画まんがには不満ふまんなどなく、むしろ感謝かんしゃしている」と、後年こうねんテレビ番組ばんぐみ内ないで語かたっている。

2020年ねん1月がつに田淵たぶちが野球やきゅう殿堂でんどう入いりを果はたした際さいにコメントを求もとめられたいしいは、「タブチくんのコメント」として「殿堂でんどう入いりは当然とうぜんと思おもいます。もう2度どと足あしを引ひっ張ぱったりしません。おめでとうございます」と祝福しゅくふくした。

家族かぞく・親類しんるい・交友こうゆう関係かんけい

1975年ねん1月がつに離婚りこん歴れきのある一般いっぱん女性じょせいと結婚けっこん。スター選手せんしゅの姉ねえさん女房にょうぼうとして注目ちゅうもくの的まととなった夫人ふじんはマスメディアにも度々たびたび取とり上あげられたが、1981年ねん1月がつに協議きょうぎ離婚りこん。その際さいに、金田かねだ正一しょういちら後援こうえん者しゃによる協議きょうぎ会かいが実施じっしされるなど、泥沼どろぬま離婚りこん劇げきがマスコミで大おおきな話題わだいとなった。

1981年ねん5月がつに女優じょゆうのジャネット八田はった（八田はった有加ゆか）と再婚さいこん。いわゆるできちゃった結婚けっこんであり、田淵たぶちは当時とうじバツイチで年齢ねんれいも35歳さいであったため話題わだいを呼よんだ。2人ふたりの間あいだに2男なんがあり、長男ちょうなんはフジテレビアナウンサーの田淵たぶち裕章ひろあき。

江本えもと孟紀たけのりは法政大学ほうせいだいがくの1学年がくねん後輩こうはいで、江本えもとの阪神はんしん移籍いせき後ごは学生がくせい時代じだい以来いらいのバッテリーを組くんだ。古沢ふるさわ憲司けんじを含ふくむ3人にんでよく一緒いっしょに行動こうどうし、田淵たぶちが西武せいぶへのトレードを伝つたえられるために呼よび出だされた日ひにも3人にんでゴルフをし、場所ばしょを変かえて球団きゅうだんの再建さいけん策さくを話はなし合あっていたという。

星野ほしの仙せん一いち、山本やまもと浩二こうじとは親友しんゆうである。もともと大学だいがく時代じだい、広島ひろしまの田舎いなかから出でてきた山本やまもとに田淵たぶちが東京とうきょうを案内あんないしたのがきっかけ。この2人ふたりと富田とみたの三羽烏さんばがらすがあまりに仲なかがいいので、星野ほしのが嫉妬しっとして割わって入はいってきた。現役げんえき時代じだい、広島ひろしま遠征えんせい時じには、敵てき味方みかたに分わかれているにもかかわらず山本やまもとと一緒いっしょに食事しょくじをしたり、山本やまもとの家いえに遊あそびに行いったりしていたという。

田淵たぶち自身じしんは公私こうし混同こんどうを避さけるため、阪神はんしんコーチ時代じだいは星野ほしのとの友達ともだち関係かんけいを捨すてて一線いっせんを画かくした。しかし、星野ほしのを取とり上あげた日本にほんテレビ系けい『スーパーテレビ』では、3人にんの会食かいしょく・裏話うらばなしも飛とび出だす談笑だんしょうが放送ほうそうされており、この中なかでは完全かんぜんに友達ともだち関係かんけいであった。阪神はんしんコーチ退任たいにん時じの会見かいけんでは「ようやくこれからは前まえみたいに"仙せんちゃん"と呼よんで、普通ふつうに話はなしができるよ」と発言はつげんした。2018年ねんの正月しょうがつに星野ほしのから田淵たぶちへ宛あてられたメールの文末ぶんまつには「いつもありがとう!」と綴つづられていて、星野ほしのからこのような感謝かんしゃの言葉ことばを直接ちょくせつもらったことはおろか文面ぶんめんでも見みたことがなかった田淵たぶちはまさかとは思おもっていたが、星野ほしのの訃報ふほうが入はいったのはこの3日にち後ごのことであった。

『がんばれ!!タブチくん!!』がアニメ映画えいが化かされた際さいに主人公しゅじんこう・タブチの声こえを演えんじた西田にしだ敏行としゆきとは、西田にしだ自身じしんが阪神はんしんファンであることもあって親交しんこうを深ふかめ、その縁えんで西田にしだが「局長きょくちょう」を務つとめた時期じきの朝日放送あさひほうそうの『探偵たんてい!ナイトスクープ』に田淵たぶちも番組ばんぐみ顧問こもんとして不定期ふていきに出演しゅつえんしていた。また、西田にしだが主演しゅえんの映画えいが『釣つりバカ日誌にっし』シリーズへの出演しゅつえんを田淵たぶちに依頼いらいしたこともあるが、実現じつげんしないままシリーズが終了しゅうりょうした。

アクシデント

以下いかに記しるす通とおり、田淵たぶちは、毎年まいとしのように大おおきなケガや病気びょうきに見舞みまわれていた。

• 1969年ねん：左ひだり肘ひじ打撲だぼく
• 1970年ねん：腰痛ようつう、右みぎ足首あしくび捻挫ねんざ、左側ひだりがわ頭部とうぶ死球しきゅう（前述ぜんじゅつ。この影響えいきょうで左ひだり耳みみが難聴なんちょうである）
• 1971年ねん：急性きゅうせい腎臓炎じんぞうえん、左ひだり手首てくび・左足ひだりあし打撲だぼく
• 1972年ねん：左ひだり手首てくび打撲だぼく、頭部とうぶ打撲だぼく
• 1973年ねん：急性きゅうせい腰こし筋すじ痛つう（3回かい）
• 1974年ねん：左手ひだりて関節かんせつ挫傷ざしょう、左ひだり前腕ぜんわん打撲だぼく、右みぎ肘ひじ関節かんせつ挫傷ざしょう
• 1975年ねん：右足みぎあし挫傷ざしょう
• 1976年ねん：右みぎ膝ひざ打撲だぼく、左側ひだりがわ頭部とうぶ打撲だぼく
• 1977年ねん：左ひだり肘ひじ痛つう、右手みぎて親指おやゆび骨折こっせつ
• 1978年ねん：腰痛ようつう
• 1979年ねん：アキレス腱あきれすけん痛つう
• 1980年ねん：前ぜん頭部とうぶ打撲だぼく、右みぎ膝ひざ打撲だぼく
• 1981年ねん：右みぎ膝ひざ打撲だぼく（2回かい）
• 1983年ねん：左手ひだりて尺じゃく骨こつ下端かたん骨折こっせつ
• 1984年ねん：花粉かふん症しょう（本人ほんにん曰いわく、「花粉かふん症しょうが騒さわがれる以前いぜん（1970年代ねんだい以前いぜん）から春先はるさきは風邪かぜのような症状しょうじょうがあり、春はるの田淵たぶちは調子ちょうしが悪わるいと言いわれていた」）

ケガのせいでタイトルを棒ぼうに振ふったシーズンも多おおく、また、腎臓炎じんぞうえん治療ちりょうの際さいの投薬とうやく治療ちりょうが原因げんいんで太ふとるようになったと言いわれる。全ぜん試合しあい出場しゅつじょうは1975年ねん、1976年ねんの2度どしか記録きろくできなかった。王おうの連続れんぞくシーズン本塁打ほんるいだ王おうをストップしたのは田淵たぶちだが、王おうは田淵たぶちについて「瞬間しゅんかん的てき爆発ばくはつ力りょくという点てんではすごかったと思おもうけど、何なにしろ怪我けがが多おおかったからね。（タイトル争あらそいの上うえでは）怪我けがらしい怪我けがをほとんどしない山本やまもと浩二こうじや衣笠きぬがさのほうが不気味ぶきみだったね」と語かたっている。

詳細しょうさい情報じょうほう

年度ねんど別べつ打撃だげき成績せいせき

年とし 度ど	球たま 団だん	試ためし 合ごう	打だ 席せき	打だ 数かず	得とく 点てん	安やす 打だ	二に 塁るい 打だ	三さん 塁るい 打だ	本ほん 塁るい 打だ	塁るい 打だ	打だ 点てん	盗ぬすめ 塁るい	盗ぬすめ 塁るい 死し	犠 打だ	犠 飛ひ	四よん 球たま	敬けい 遠とお	死し 球たま	三さん 振ふ	併 殺ころせ 打だ	打だ 率りつ	出で 塁るい 率りつ	長なが 打だ 率りつ	O P S
1969	阪神はんしん	117	412	359	47	81	15	1	22	164	56	1	6	0	2	42	1	9	98	12	.226	.320	.457	.777
1970		89	355	316	40	77	11	0	21	151	40	1	2	0	0	32	3	7	74	6	.244	.327	.478	.805
1971		80	329	276	34	63	5	0	18	122	45	2	2	0	2	45	3	6	68	8	.228	.347	.442	.789
1972		128	533	469	71	121	16	2	34	243	82	2	1	0	3	55	14	6	91	12	.258	.341	.518	.860
1973		119	499	398	77	102	6	0	37	219	90	0	2	0	7	85	24	9	69	16	.256	.393	.550	.943
1974		129	529	407	83	113	14	0	45	262	95	2	2	0	4	102	28	16	67	13	.278	.437	.644	1.080
1975		130	531	426	79	129	14	4	43	280	90	2	2	0	2	88	25	15	64	18	.303	.437	.657	1.094
1976		130	515	440	82	122	14	0	39	253	89	1	0	0	2	65	8	8	56	12	.277	.379	.575	.954
1977		102	381	341	48	89	11	0	23	169	59	2	0	0	2	32	4	6	40	11	.261	.333	.496	.829
1978		117	467	413	64	119	8	0	38	241	89	1	2	0	2	44	5	8	50	9	.288	.366	.584	.950
1979	西武せいぶ	107	429	382	59	100	14	2	27	199	69	0	1	0	4	33	1	10	54	9	.262	.333	.521	.854
1980		123	507	440	75	117	9	1	43	257	97	3	3	0	5	49	3	13	79	13	.266	.353	.584	.937
1981		86	330	283	31	70	3	1	15	120	49	0	0	0	3	40	2	4	39	11	.247	.345	.424	.769
1982		114	386	340	43	74	8	0	25	157	59	0	1	0	3	40	1	3	51	6	.218	.303	.462	.765
1983		82	349	300	56	88	11	0	30	189	71	1	0	0	1	43	2	5	31	5	.293	.390	.630	1.020
1984		86	323	291	20	67	8	1	14	119	55	0	0	0	1	28	1	3	41	15	.230	.303	.409	.712
通算つうさん：16年ねん		1739	6875	5881	909	1532	167	12	474	3145	1135	18	24	0	43	823	125	128	972	176	.260	.361	.535	.896

• 各かく年度ねんどの太字ふとじはリーグ最高さいこう

年度ねんど別べつ守備しゅび成績せいせき

年とし 度ど	球たま 団だん	捕手ほしゅ
		試ためし 合ごう	企くわだて 図ず 数かず	許もと 盗ぬすめ 塁るい	盗ぬすめ 塁るい 刺とげ	阻 止とめ 率りつ
1969	阪神はんしん	82	58	27	31	.534
1970		88	67	30	37	.552
1971		1	0	0	0	-
1972		114	109	50	59	.541
1973		114	79	38	41	.519
1974		123	96	60	36	.375
1975		128	109	65	44	.376
1976		118	74	46	28	.378
1977		71	65	49	16	.246
1978		79	65	44	21	.323
1979	西武せいぶ	25	45	34	11	.244
1984		1	0	0	0	-
通算つうさん		944	767	443	324	.422

• 太字ふとじ年ねんはダイヤモンドグラブ賞しょうの受賞じゅしょう

年度ねんど別べつ監督かんとく成績せいせき

年度ねんど	球団きゅうだん	順位じゅんい	試合しあい	勝利しょうり	敗戦はいせん	引分ひきわけ	勝率しょうりつ	ゲーム差さ	チーム 本塁打ほんるいだ	チーム 打率だりつ	チーム 防御ぼうぎょ率りつ	年齢ねんれい
1990年ねん	ダイエー	6位い	130	41	85	4	.325	40.0	116	.251	5.56	44歳さい
1991年ねん		5位い	130	53	73	4	.421	29.0	152	.253	4.74	45歳さい
1992年ねん		4位い	130	57	72	1	.442	24.0	139	.258	4.60	46歳さい
通算つうさん：3年ねん			390	151	230	9	.396	Bクラス3回かい

※1990年ねんから1996年ねんまでは130試合しあい制せい

タイトル

• 本塁打ほんるいだ王おう：1回かい（1975年ねん）

表彰ひょうしょう

• 新人しんじん王おう（1969年ねん）
• ベストナイン：5回かい（1972年ねん - 1976年ねん）
• ダイヤモンドグラブ賞しょう：2回かい（1973年ねん - 1974年ねん）
• 正力しょうりき松太郎まつたろう賞しょう：1回かい（1983年ねん）※選手せんしゅとして表彰ひょうしょう
• 日本にっぽんシリーズ優秀ゆうしゅう選手せんしゅ賞しょう：1回かい（1983年ねん）
• パ・リーグプレーオフ優秀ゆうしゅう選手せんしゅ賞しょう：1回かい（1982年ねん）
• 月間げっかんMVP：2回かい（1975年ねん4月がつ、1983年ねん5月がつ）
• 野球やきゅう殿堂でんどうエキスパート部門ぶもん（2020年ねん）

記録きろく

初はつ記録きろく

• 初はつ出場しゅつじょう：1969年ねん4月がつ12日にち、対たい大洋たいようホエールズ1回戦かいせん（阪神はんしん甲子園こうしえん球場きゅうじょう）、9回かい裏うらに江夏えなつ豊ゆたかの代打だいだで出場しゅつじょう
• 初はつ打席だせき：同上どうじょう、9回かい裏うらに平松ひらまつ政次まさじの前まえに三振さんしん
• 初はつ先発せんぱつ出場しゅつじょう：1969年ねん4月がつ13日にち、対たい大洋たいようホエールズ3回戦かいせん（阪神はんしん甲子園こうしえん球場きゅうじょう）、7番ばん・捕手ほしゅで先発せんぱつ出場しゅつじょう
• 初はつ安打あんだ・初はつ本塁打ほんるいだ・初はつ打点だてん：同上どうじょう、6回かい裏うらに池田いけだ重喜しげよしから左ひだり越えつソロ
• 初はつ4番ばん：1970年ねん4月がつ26日にち、対たい広島東洋ひろしまとうようカープ3回戦かいせん（広島ひろしま市民しみん球場きゅうじょう）

節目ふしめの記録きろく

• 100本塁打ほんるいだ：1973年ねん4月がつ26日にち、対たい読売よみうりジャイアンツ3回戦かいせん（後楽園こうらくえん球場きゅうじょう）、9回かい表ひょうに菅原すがわら勝まさる矢やから左ひだり越こし3ラン ※史上しじょう75人にん目め
• 150本塁打ほんるいだ：1974年ねん6月がつ15日にち、対たいヤクルトスワローズ9回戦かいせん（明治めいじ神宮球場じんぐうきゅうじょう）、9回かい表ひょうに浅野あさの啓司けいじから左ひだり越えつ同点どうてんソロ ※史上しじょう37人にん目め
• 200本塁打ほんるいだ：1975年ねん6月がつ19日にち、対たい中日ちゅうにちドラゴンズ13回戦かいせん（中日ちゅうにちスタヂアム）、7回かい表ひょうに松本まつもと幸みゆき行ぎょうから中越なかごえソロ ※史上しじょう21人にん目め
• 250本塁打ほんるいだ：1976年ねん9月がつ14日にち、対たい読売よみうりジャイアンツ9回戦かいせん（後楽園こうらくえん球場きゅうじょう）、1回かい表ひょうに加藤かとう初はじめから左ひだり越こし3ラン ※史上しじょう12人にん目め
• 1000試合しあい出場しゅつじょう：1977年ねん8月がつ31日にち、対たいヤクルトスワローズ23回戦かいせん（明治めいじ神宮じんぐう野球やきゅう場じょう）、4番ばん・一塁いちるい手しゅで先発せんぱつ出場しゅつじょう ※史上しじょう195人にん目め
• 300本塁打ほんるいだ：1978年ねん6月がつ5日にち、対たいヤクルトスワローズ8回戦かいせん（明治めいじ神宮じんぐう野球やきゅう場じょう）、5回かい表ひょうに井原いはら慎まき一朗いちろうから左ひだり越えつソロ ※史上しじょう10人にん目め
• 1000安打あんだ：1978年ねん8月がつ17日にち、対たい広島東洋ひろしまとうようカープ22回戦かいせん（広島ひろしま市民しみん球場きゅうじょう）、9回かい表ひょうに松原まつばら明夫あきおから中前ちゅうぜん安打あんだ
• 350本塁打ほんるいだ：1980年ねん4月がつ29日にち、対たいロッテオリオンズ前期ぜんき5回戦かいせん（宮城みやぎ球場きゅうじょう）、1回かい表ひょうに仁科にしな時成ときなりから左ひだり越えつ先制せんせい2ラン ※史上しじょう9人にん目め
• 400本塁打ほんるいだ：1981年ねん9月がつ6日にち、対たいロッテオリオンズ後期こうき10回戦かいせん（西武せいぶライオンズ球場きゅうじょう）、9回かい裏うらに村田むらた兆ちょう治ちから左ひだり越こし2ラン ※史上しじょう7人にん目め
• 1500試合しあい出場しゅつじょう：1982年ねん6月がつ1日にち、対たい日本にっぽんハムファイターズ前期ぜんき9回戦かいせん（後楽園こうらくえん球場きゅうじょう）、5番ばん・指名しめい打者だしゃで先発せんぱつ出場しゅつじょう ※史上しじょう71人にん目め
• 1000打点だてん：1982年ねん9月がつ14日にち、対たい近鉄きんてつバファローズ後期こうき8回戦かいせん（日生にっせい球場きゅうじょう）、3回かい表ひょうに井本いもと隆たかしから中前ちゅうぜん適時てきじ打だ ※史上しじょう16人にん目め
• 450本塁打ほんるいだ：1983年ねん6月がつ11日にち、対たい日本にっぽんハムファイターズ10回戦かいせん（後楽園こうらくえん球場きゅうじょう）、6回かい表ひょうに佐藤さとう誠一せいいちから左ひだり越こし2ラン ※史上しじょう6人にん目め
• 3000塁打るいだ：1983年ねん7月がつ2日にち、対たい近鉄きんてつバファローズ12回戦かいせん（西武せいぶライオンズ球場きゅうじょう）、4回かい裏うらに山村やまむら達也たつやから左中間さちゅうかんへ2ラン ※史上しじょう23人にん目め
• 1500安打あんだ：1984年ねん5月がつ11日にち、対たい近鉄きんてつバファローズ6回戦かいせん（西武せいぶライオンズ球場きゅうじょう）、5回かい裏うらに鈴木すずき啓示けいじから投手とうしゅ前ぜん内野ないや安打あんだ ※史上しじょう48人にん目め

その他たの記録きろく

• 4打数だすう連続れんぞく本塁打ほんるいだ：1973年ねん5月がつ9日にち - 5月がつ10日とおか ※史上しじょう5人にん目め、歴代れきだい2位いタイ
• 13打席だせき連続れんぞく出塁しゅつるい：1974年ねん8月がつ6日にち - 8月がつ8日にち
• 3イニング連続れんぞく本塁打ほんるいだ：1976年ねん8月がつ25日にち、対たい広島東洋ひろしまとうようカープ戦せん（阪神はんしん甲子園こうしえん球場きゅうじょう）、6回かいから8回かいにかけてソロ、ソロ、2ラン ※史上しじょう4人にん目め
• 通算つうさん0犠打ぎだ ※通算つうさん6875打席だせきでの記録きろくは史上しじょう3番目ばんめの多おおさ、日本人にっぽんじん史上しじょう最多さいた
• 通算つうさん125敬遠けいえん ※リーグ最多さいた敬遠けいえんを記録きろくしていない選手せんしゅの中なかでは歴代れきだい最多さいた
• オールスターゲーム出場しゅつじょう：11回かい（1969年ねん - 1976年ねん、1978年ねん、1979年ねん、1984年ねん）

背番号せばんごう

• 22（1969年ねん - 1984年ねん）
• 81（1990年ねん - 1992年ねん）
• 88（2002年ねん - 2003年ねん、2011年ねん - 2012年ねん）

関連かんれん情報じょうほう

歌うた

• 六むっつの星ほし（1976年ねん5月がつ1日にち発売はつばい、メインボーカルは細川ほそかわたかし）

王おう貞治さだはる・山本やまもと浩二こうじ・星野ほしの仙せん一いち・平松ひらまつ政次まさじ・松岡まつおか弘ひろしと共ともにバックコーラスを担当たんとう

出演しゅつえん

野球やきゅう中継ちゅうけい（テレビ）

• SAMURAI BASEBALL（2013年ねんのみTBSニュースバード・BS-TBS向むけのみ出演しゅつえん、2014年ねんより地上波ちじょうは中継ちゅうけいに復帰ふっき）
• サンテレビボックス席せき（2015年ねんよりゲスト出演しゅつえん）

野球やきゅう中継ちゅうけい（ラジオ）

• TBSラジオ エキサイトベースボール（自社じしゃでの放送ほうそうとネットワーク配信はいしんは2017年ねんまで。2018年ねんからはDeNA主催しゅさいゲームのJRN系列けいれつ局きょく向むけ裏うら送おくりのみ継続けいぞく）
• 文化放送ぶんかほうそうライオンズナイター（2018年ねん - 。西武せいぶOBとしてゲスト出演しゅつえん）
• RKBエキサイトホークス（2017年ねんまではTBSラジオ制作せいさくの、2018年ねんからはニッポン放送にっぽんほうそう制作せいさくの裏うら送おくり分ぶんに出演しゅつえん）
• MBSベースボールパーク（MBSラジオがJRN担当たんとうとなる月つき・金曜きんようにゲストとして出演しゅつえんがあった。他たにTBSからの裏うら送おくりやネット受うけもあり）
• ABCフレッシュアップベースボール（ABCラジオがJRN担当たんとうとなる火ひ - 木き・土ど・日曜にちようにゲスト出演しゅつえんがあった。他たにTBSからの裏うら送おくりやネット受うけもあり）

この他ほか、TBSラジオからの系列けいれつ各局かくきょく向むけの裏うら送おくり中継ちゅうけいも担当たんとう。楽天らくてんコーチ就任しゅうにん以前いぜんは、RCC向むけのDeNAまたは巨人きょじん主催しゅさい広島ひろしま戦たたかえ（Veryカープ! RCCカープナイター／カープデーゲーム中継ちゅうけい）以外いがいへの裏うら送おくり中継ちゅうけいへの出演しゅつえんは少すくなかったが、2013年ねんの復帰ふっき後ごは逆ぎゃくにパ・リーグの試合しあいの裏うら送おくりの出演しゅつえん機会きかいが多おおくなっている。

バラエティなど

• YOU（1985年ねん4月がつ - 8月がつ、NHK教育きょういく）司会しかいの三田みた寛子ひろこのパートナーとして数すう回かい出演しゅつえん
• 探偵たんてい!ナイトスクープ
• 生島いくしまヒロシのおはよう一直線いっちょくせん
• オールスター感謝かんしゃ祭さい

コマーシャル

• 小西こにし六ろく・サクラカラー100年ねんプリント（ジャネット八田はった他た家族かぞく全員ぜんいんで参加さんか）

漫画まんが・アニメ関連かんれん

• 男おとこどアホウ甲子園こうしえん（阪神はんしん選手せんしゅ時代じだいは同僚どうりょう）
• 野球やきゅう狂きょうの詩し（アニメでは、声こえ - 田中たなか崇たかし〈現げん：銀河万丈ぎんがばんじょう〉で、水原みずはら勇気ゆうきのドリームボールと対決たいけつする）
• あぶさん（漫画まんが連載れんさい時じは選手せんしゅとして、またダイエー時代じだいは監督かんとく）

テレビドラマ

• エプロンおばさん 第だい2話わ（1983年ねん1月がつ17日にち、フジテレビ）

出演しゅつえん映画えいが

• ミスター・ルーキー - ABCの野球やきゅう中継ちゅうけい解説かいせつ者しゃとして出演しゅつえん。

田淵たぶちをモデルとした人物じんぶつが登場とうじょうする作品さくひん

• がんばれ!!タブチくん!! - いしいひさいち原作げんさくの漫画まんが。主人公しゅじんこうのタブチコーイチは、選手せんしゅ時代じだいの田淵たぶちがモデルとなっている。

参考さんこう文献ぶんけん

• テリー伊藤いとう『お笑わらいプロ野球やきゅう殿堂でんどう ダメ監督かんとく列伝れつでん』光文社こうぶんしゃ〈知恵ちえの森もり文庫ぶんこ〉、2004年ねん。ISBN 4-334-78325-2。 
• 河村かわむら英文ひでふみ『これでいいのかダイエー野球やきゅう』葦あし書房しょぼう、1991年ねん。OCLC 674351949。 
• 『ホークス九州きゅうしゅう20年ねん史し 1989-2008』ベべースボすぼール・マガジン社るまがじんしゃ〈B.B.MOOK 553, スポーツシリーズ No.427〉、2008年ねん。ISBN 978-4-583-61543-1。 
• 『炎ほのおのエース－ザトペック投とう法ほうの栄光えいこう』ベべースボすぼール・マガジン社るまがじんしゃ、1993年ねん

関連かんれん項目こうもく

• 東京とうきょう都と出身しゅっしんの人物じんぶつ一覧いちらん
• 法政大学ほうせいだいがくの人物じんぶつ一覧いちらん
• 阪神はんしんタイガースの選手せんしゅ一覧いちらん
• 埼玉さいたま西武せいぶライオンズの選手せんしゅ一覧いちらん
• ビーンボール#頭部とうぶ死球しきゅうによる事故じこ

外部がいぶリンク

• 個人こじん年度ねんど別べつ成績せいせき 田淵たぶち幸一こういち - NPB.jp 日本にっぽん野球やきゅう機構きこう
• 選手せんしゅの各国かっこく通算つうさん成績せいせき Baseball-Reference (Japan)