榊原さかきばら仟

さかきばら しげる 榊原さかきばら 仟
生誕せいたん	(1910-10-13) 1910年ねん10月13日にち 福井ふくい県けん福井ふくい市し
死没しぼつ	(1979-09-28) 1979年ねん9月28日にち（68歳さい没ぼつ）
出身しゅっしん校こう	東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく医学部いがくぶ
職業しょくぎょう	医学いがく者しゃ
栄誉えいよ	朝日あさひ賞しょう（1963年ねん） 武田たけだ医学いがく賞しょう（1970年ねん） 紫綬褒章しじゅほうしょう（1971年ねん）

榊原さかきばら 仟（さかきばら しげる、1910年ねん（明治めいじ43年ねん）10月13日にち - 1979年ねん（昭和しょうわ54年ねん）9月28日にち）は、日本にっぽんの医学いがく者しゃ。心臓しんぞう外科げかの世界せかい的てき権威けんいとして知しられた。

人物じんぶつ・生涯しょうがい

福井ふくい県けん福井ふくい市し宝永ほうえい上町うえまちに開業医かいぎょういの四よん男おとことして生うまれ、兄あにに榊原さかきばら亨とおるがいる。幕臣ばくしん・榊原さかきばら職しょく直ただしの後裔こうえいである。

旧制きゅうせい福井ふくい中学ちゅうがく（現げん福井ふくい県立けんりつ藤島ふじしま高等こうとう学校がっこう）を経へて、第だい六ろく高等こうとう学校がっこう時代じだいの1930年ねん（昭和しょうわ5年ねん）、帝みかど大だい生なまであった次兄じけい・周しゅうと上京じょうきょう中ちゅうの母ははが和田わだ倉くら門もん辺あたりでタクシー乗車じょうしゃ中ちゅうに交通こうつう事故じこに遭あい、母ははは頸髄損傷そんしょうが元もとで、周しゅうも間まもなく亡なくなった。その後ご東京とうきょう帝国ていこく大学だいがくに進すすみ医学部いがくぶを卒業そつぎょう。都築つづき正男まさお教授きょうじゅの医学部いがくぶ第だい二に外科げか講座こうざに入局にゅうきょく。大学だいがく同期どうきに、若月わかつき俊一しゅんいち、津川つがわ武一たけいち、近藤こんどう宏ひろし二になど。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅうは軍医ぐんいとしてフィリピン戦線せんせんに従軍じゅうぐんし、1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）には東京帝大とうきょうていだい医学部いがくぶの支援しえんで同仁会どうじんかいが設立せつりつした上海しゃんはい同どう仁じん大学だいがくの教授きょうじゅとして赴任ふにんするが、日本にっぽんの降伏ごうぶく後のちに同大どうだいは接収せっしゅうされたため、46年ねんに帰国きこくし東京帝大とうきょうていだい医学部いがくぶ第だい二に外科げか講座こうざで医局いきょく長ちょうを担になう。50年ねんに東京女子医科大学とうきょうじょしいかだいがく外科げか主任しゅにん教授きょうじゅに就任しゅうにんし、56年ねんには執刀しっとうした心臓しんぞう手術しゅじゅつがTBSラジオで史上しじょう初はつの実況じっきょう中継ちゅうけいが行おこなわれた。

1967年ねん（昭和しょうわ42年ねん）6月がつ、自みずからが発起ほっき人ひととなり財団ざいだん法人ほうじん日本にっぽん心臓しんぞう血圧けつあつ研究けんきゅう振興しんこう会かいを設立せつりつし、日本にっぽん心臓しんぞう血管けっかん外科げか学会がっかい会長かいちょうも務つとめた。73年ねんから76年ねんまで筑波大学つくばだいがく副ふく学長がくちょう。77年ねんに東京とうきょう・代々木よよぎ（新宿しんじゅく駅えき南口みなみぐち）に心臓しんぞう病びょう専せん門もんの榊原さかきばら記念きねん病院びょういんを創設そうせつした。

俳優はいゆうの田宮たみや二郎じろうと交友こうゆうがあり、この縁えんで田宮たみやは東京とうきょう女子じょし医大いだいにある学生がくせい用ようの手術しゅじゅつ見学けんがく室しつに通かよって榊原さかきばらの手術しゅじゅつを見学けんがくした。当時とうじ、フジテレビ本社ほんしゃが東京とうきょう女子じょし医大いだいの隣となりにあった事こともあり、テレビドラマ『白しろい巨きょ塔とう』の収録しゅうろく中ちゅうも田宮たみやは頻繁ひんぱんに同どう見学けんがく室しつに通とおった。この経験けいけんが財前ざいぜん五郎ごろうの役やく作づくりに大おおきく役立やくだったという。

開設かいせつ病院びょういん

• 日本にっぽん心臓しんぞう血圧けつあつ研究所けんきゅうじょ（現げん：東京女子医科大学とうきょうじょしいかだいがく心臓しんぞう病びょうセンター）
• 医療いりょう法人ほうじん福井ふくい心臓しんぞう血圧けつあつセンター/福井ふくい循環じゅんかん器き病院びょういん
• 榊原さかきばら記念きねん病院びょういん

著書ちょしょ

• 榊原さかきばら仟、田口たぐち利八りはち、水上みずかみ達三たつぞう、渡辺わたなべ武たけし『私わたしの履歴りれき書しょ 第だい49集しゅう』日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ、1973年ねん。
  • 緒方おがた知三郎ともさぶろう、冲中重雄しげお、小しょう汀なぎさ利得りとく、坂口さかぐち謹一きんいち郎ろう、榊原さかきばら仟、塚本つかもと憲けん甫はじめ『私わたしの履歴りれき書しょ 文化ぶんか人じん 18』日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ、1984年ねん6月がつ。ISBN 4532030889
• 『心臓しんぞうを語かたる』主婦しゅふの友社ともしゃ、1972年ねん。
  • 『新編しんぺん 心臓しんぞうを語かたる』主婦しゅふの友社ともしゃ、1979年ねん。
• 『心臓しんぞう病びょうの正ただしい知識ちしき』東洋経済新報社とうようけいざいしんぽうしゃ、1974年ねん。
• 『心臓しんぞう外科げか学がく』南江堂なんこうどう、1975年ねん9月がつ。
• 『現代げんだい家庭かてい医学いがく百科ひゃっか』共著きょうちょ、主婦しゅふの友社ともしゃ、1980年ねん。
• 『医いの心しん』中公ちゅうこう文庫ぶんこ、1987年ねん2月がつ。ISBN 4122013992

  榊原さかきばらの執刀しっとうで僧そう帽ぼう弁べん狭窄きょうさく症しょうの手術しゅじゅつを受うけた澤地さわじ久枝くしが「あとがき」を書かいている。

外部がいぶリンク

• ごあいさつ - 榊原さかきばら記念きねん病院びょういん