秋あき竜山たつやま

秋あき 竜山たつやま
本名ほんみょう	秋山あきやま（あきやま） 好文よしふみ（よしふみ）
生誕せいたん	(1942-03-13) 1942年ねん3月13日にち 日本にっぽん・静岡しずおか県けん伊東いとう市し
死没しぼつ	(2023-03-06) 2023年ねん3月6日にち（80歳さい没ぼつ） 日本にっぽん・神奈川かながわ県けん相模原さがみはら市し
職業しょくぎょう	漫画まんが家か
活動かつどう期間きかん	1966年ねん - 2023年ねん
ジャンル	ナンセンス漫画まんが 一いちコマ漫画まんが
受賞じゅしょう	#受賞じゅしょう歴れき参照さんしょう
公式こうしきサイト	秋あき竜山たつやまマンガ館かん

秋あき 竜山たつやま（あき りゅうざん、1942年ねん3月13日にち - 2023年ねん3月6日にち）は、日本にっぽんの漫画まんが家か。本名ほんみょう：秋山あきやま 好文よしふみ（あきやま よしふみ）。

略歴りゃくれき

1942年ねん、静岡しずおか県けん田方たがた郡ぐん対島つしま村むら（のちの伊東いとう市し赤沢あかざわ地区ちく）の「半農半漁はんのうはんぎょ」の家いえに長男ちょうなんとして生うまれた。農作業のうさぎょうや漁りょうを手伝てつだいながら、観光かんこうバス駐車ちゅうしゃ場じょうのゴミ捨ごみすて場ばに捨すてられた新聞しんぶん、雑誌ざっし、小説しょうせつ本ほんを拾ひろって物語ものがたりの世界せかいに親したしみ、漫画まんが家かを強つよく志こころざすが、当時とうじの風習ふうしゅう上じょう、長男ちょうなんが家業かぎょうを継つぐ以外いがいの進路しんろを取とることは困難こんなんだったため、夢ゆめを一時いちじ断念だんねんし、伊東いとう市立しりつ対島つしま中学校ちゅうがっこう卒業そつぎょう後ご、村むらの若者わかもの組ぐみに入はいって漁りょうの技術ぎじゅつを学まなび、ブリの定置網ていちあみ漁りょうに従事じゅうじする。

ブリの不漁ふりょうのために赤沢あかざわを離はなれ、出稼でかせぎの網あみ子ことなったのを期きに、空あき時間じかんを利用りようして雑誌ざっしへの漫画まんが投稿とうこうを開始かいし。ペンネームは竜りゅうが好すきだったことから、本名ほんみょうの名字みょうじ「秋山あきやま」の2字じの間あいだに竜りゅうを入いれて「秋あき竜山たつやま」とした。出稼でかせぎの漁場ぎょじょうも減少げんしょうしていたことから、故郷こきょう近ちかくの郵便ゆうびん局きょくに就職しゅうしょくし、電報でんぽうの受付うけつけ、電話でんわ交換こうかん、各種かくしゅの事務じむなどに従事じゅうじしつつ、投稿とうこう活動かつどうを続つづけた。投稿とうこう家かとしては突出とっしゅつした分量ぶんりょうだったとされ、『週刊しゅうかん漫画まんがサンデー』編集へんしゅう長ちょうだった峯みね島とう正行まさゆきは「毎週まいしゅう、部厚ぶあつい〔ママ〕原稿げんこうを（略りゃく）小包こづつみにして」「一いち年ねん以上いじょうもつづいた」「山やまとなった小包こづつみの処分しょぶんにまこと困こまった」と回想かいそうしている。

1965年ねんに『別冊べっさつ週刊しゅうかん漫画まんがTIMES』に投稿とうこうした作品さくひんが掲載けいさいされたのを機きに、プロ漫画まんが家かになることを決意けついし、翌よく1966年ねんに郵便ゆうびん局きょくを退職たいしょくし、上京じょうきょう。1969年ねんから『週刊しゅうかん漫画まんがサンデー』に連載れんさいした『Oh★ジャリーズ』で人気にんきを得えて、少年しょうねん向むけ、大人おとな向むけ両方りょうほうの媒体ばいたいでギャグ作品さくひんを手掛てがけるようになった。1969年ねん頃ごろより、神奈川かながわ県けん相模原さがみはら市しに在住ざいじゅう。

2023年ねん3月がつ6日にち、肺炎はいえんによる心不全しんふぜんのため、相模原さがみはら市しの病院びょういんで死去しきょ。80歳さい没ぼつ。

受賞じゅしょう歴れき

• 1971年ねん 第だい16回かい小学館しょうがくかん漫画まんが賞しょう - 『ギャグおじさん』『親おやバカ天国てんごく』
• 1975年ねん 第だい21回かい文芸春秋ぶんげいしゅんじゅう漫画まんが賞しょう - 『Oh★ジャリーズ』『ノッホホン氏し』
• 1988年ねん 第だい17回かい日本にっぽん漫画まんが家か協会きょうかい賞しょう選考せんこう委員いいん特別とくべつ賞しょう - 『福祉ふくしマンガ・みんないいひと』
• 2006年ねん 第だい35回かい日本にっぽん漫画まんが家か協会きょうかい賞しょう大賞たいしょう - 『秋あき竜山たつやまマンガ通信つうしん』
• 2016年ねん 第だい45回かい日本にっぽん漫画まんが家か協会きょうかい賞しょう文部もんぶ科学かがく大臣だいじん賞しょう - これまで発表はっぴょうしたすべての作品さくひんに対たいし

作風さくふう

• 「『クスッ』と笑わらえる人間にんげんの滑稽こっけいさ」を描えがくことを一貫いっかんした信条しんじょうとしており、「漫画まんがは笑わらえなければ意味いみがない」と主張しゅちょうしている。
• 独学どくがくで漫画まんがの技術ぎじゅつを習得しゅうとくし、先輩せんぱい漫画まんが家かに師事しじした経験けいけんがなかったことで、特異とくいな画風がふうとなった。峯みね島とう正行まさゆきは秋あきの画風がふうを「海外かいがい漫画まんが風ふうでもない、日本にっぽんのナンセンス漫画まんが風ふうでもない、全まったく異様いような、一見いっけん気味ぎみの悪わるいようなまがりくねった、現実離げんじつばなれした人間にんげんを描えがく画風がふう」と評ひょうした。
• 題材だいざいを1種類しゅるいに絞しぼった1コマ漫画まんがを数すう百ひゃくから千作せんさく制作せいさくし、まとまった時点じてんで展覧てんらん会かいを開ひらくことをライフワークとしている。最初さいしょのテーマは孤島ことう漫画まんが（無人島むじんとう漫画まんが）千作せんさくで、1977年ねん6月がつから12月がつにかけて制作せいさくし、翌年よくねんに東京とうきょう・銀座ぎんざで個展こてんを開ひらいたのち、単行本たんこうぼんを刊行かんこうした（後述こうじゅつ）。その後ご、「神様かみさま」「お金かね」「病院びょういん」「監獄かんごく」「テレビ」など、さまざまなテーマで1コマ漫画まんがの制作せいさくを続つづけている。
• 2016年ねんにはミレー、モネ、ピカソ、ドラクロワといった画家がかの作品さくひんをパロディにした作品さくひん展てんを開催かいさいした。

作品さくひん

連載れんさい

• Oh★ジャリーズ（週刊しゅうかん漫画まんがサンデー）
  • Oh★ジャリーズ（実業之日本社じつぎょうのにほんしゃホリデー・コミックス 1970年ねん）
• 親おやバカ天国てんごく（週刊しゅうかん少年しょうねんマガジン）
• ノッホホン氏し（オール読物よみもの）
  • ノッホホン氏し 1 - 3（大陸たいりく書房しょぼう 1980年ねん）
• すってんころりん文章ぶんしょう劇場げきじょう（週刊しゅうかん朝日あさひ）
• あっぱれサン（読売新聞よみうりしんぶん朝刊ちょうかん）
• みんないいひと（相模原さがみはら市し社会しゃかい福祉ふくし協議きょうぎ会かい広報こうほう紙し）
• 秋あき竜山たつやまの東海道とうかいどう中ちゅう膝栗毛ひざくりげ（伊豆いず新聞しんぶん）
• そうずら君くん（伊豆いず新聞しんぶん）
  • そうずら君くん 1 - 2（三さん空そら出版しゅっぱんMiku books 1994 - 1995年ねん）

単行本たんこうぼん・エッセイ等とう

• 竜山たつやまのふざけた世界せかい（朝日あさひソノラマサンコミック 1970年ねん）
• 笑わらわせる天才てんさいたち 憂うき世よは屁へでとばせ（ベストセラーズベストセラーコミックス 1970年ねん）
• 現代げんだい漫画まんが家か自選じせんシリーズ 3 あァ!乱らん痴ち気き人間にんげん（青あお林堂はやしどう 1971年ねん）
• 馬鹿ばかばっかり 気持きもちがラクになる本ほん（ベストブック社しゃBig bird comics 1975年ねん）
• 秋あき竜山たつやまの1千せん枚まい（東京とうきょうスポーツ新聞しんぶん社しゃ 1976年ねん）
• 秋あき竜山たつやまのロビンソンクルーソー 秋あき竜山たつやま孤島ことう漫画まんが1000点てんより（大陸たいりく書房しょぼう 1978年ねん）
  • おーいたすけてくれ 秋あき竜山たつやまの無人島むじんとうまんが1000展てん part1 - 4（旺文社おうぶんしゃ文庫ぶんこ 1981年ねん）
• 利口りこうと馬鹿ばかばっかり（三月書房さんがつしょぼう 1980年ねん）
• 秋あき竜山たつやまの釣つれづれ記き（大陸たいりく書房しょぼう 1980年ねん）
• 笑わらいの真まっ只中ただなか（コンパニオン出版しゅっぱん 1982年ねん）
• アッ!!というまの出来事できごと 珍めずらし日本にっぽん最初さいしょの日ひ（ダイナミックセラーズ 1982年ねん）
• となりの他人たにん 現代げんだい住居じゅうきょ考現学こうげんがく（実業之日本社じつぎょうのにほんしゃ 1983年ねん）
• 竜山たつやまの「この世よは漫画まんがだ」（現代書林げんだいしょりん 1984年ねん）
• 秋あき竜山たつやまの読書どくしょ狂きょう（青あお英えい舎しゃ 1985年ねん）
• 楽たのしみながら読よむ日本国にっぽんこく憲法けんぽう（実業之日本社じつぎょうのにほんしゃ 1985年ねん）
• ぼくの純情じゅんじょうフラフラ東京とうきょう（みずうみ書房しょぼう 1987年ねん）
• 秋あき竜山たつやまの江戸えど川柳せんりゅうと一いち勝負しょうぶ（池田いけだ書店しょてん 1988年ねん）
• 秋あき竜山たつやまのすってんころりん劇場げきじょう（朝日新聞社あさひしんぶんしゃ 1988年ねん）
• 熊くまさん八はちっあんこれがありがてェー般若心経はんにゃしんぎょうだよ!!（海風かいふう社しゃ 1988年ねん）
• 人間にんげんに生うまれてよかった ほのぼの人間にんげんノート（佼成出版社こうせいしゅっぱんしゃダルマブックス 1988年ねん）
• 本屋ほんやで雨宿あまやどり（立たて風ふう書房しょぼう 1988年ねん）
• 楽天らくてん病院びょういん食くっちゃ寝ね（保健同人社ほけんどうじんしゃ 1990年ねん）
• 漫筆まんぴつ・差別さべつ観賞かんしょう 上じょうからの笑わらい、下したからの笑わらい（明石書店あかししょてん 1990年ねん）
• すってんころりん文章ぶんしょう劇場げきじょう（朝日新聞社あさひしんぶんしゃ 1990年ねん）
• どっち向むいてんの? 森もり歩人ほじんグリグリ・グリーン氏しの101日にち（経済けいざい往来おうらい社しゃ 1991年ねん）
• おとぼけ読書どくしょ絵日記えにっき（六興ろっこう出版しゅっぱん 1991年ねん）
• 深海魚しんかいぎょの涙なみだ うれし恥はずかし、母ははの追想ついそう・四よん十じゅう六ろく話わ（佼成出版社こうせいしゅっぱんしゃ 1993年ねん）
• まんが奥おくの細道ほそみち（里さと文ぶん出版しゅっぱんRibunコミック 1994年ねん）
• サウルスのスクランブルド・エッグス 超ちょう珍ちん化か論ろん（三さん空そら出版しゅっぱんMiku books 1994年ねん）
• 禅ぜん語ご十じゅう三さん夜や 公案こうあんコミック（地ち人じん館かん 1995年ねん）
• 無人島むじんとうの快楽かいらく もう会社かいしゃなんかやめてやる（清流せいりゅう出版しゅっぱん 1995年ねん）
• ふりむけばエッセイ（明あきら窓まど出版しゅっぱん 1997年ねん）
• 竜山たつやま漫録 秋あき竜山たつやまの読書どくしょ絵日記えにっき 1 - 2（北きた宋そう社しゃ 1998年ねん）

共著きょうちょ

• はみだし教師きょうしすってんころりん青あお春記はるき（関野せきの俊二しゅんじ コンパニオン出版しゅっぱん 1982年ねん）
• 風ふうもないのに世よの中なかまわる 二人三脚ににんさんきゃくお笑わらい競作きょうさく（春風亭柳昇しゅんぷうていりゅうしょう 明あかり窓まど出版しゅっぱん 1994年ねん）
• 今日きょうは誰だれかの誕生たんじょう日び 漫画まんがと滑稽こっけい短歌たんか（春風亭柳昇しゅんぷうていりゅうしょう 立りつ風ふう書房しょぼう 1996年ねん）

作詞さくし

• ジャンボマックスの唄うた/嘆なげきのマックス（作曲さっきょく:小林こばやし亜あ星ぼし）

関連かんれん項目こうもく

• 静岡しずおか県けん出身しゅっしんの人物じんぶつ一覧いちらん
• 筒井つつい康隆やすたか - 秋あきをモチーフとした文章ぶんしょう「秋あき竜山たつやま讃さん」を発表はっぴょう。『筒井つつい康隆やすたか全集ぜんしゅう 17 七なな瀬せふたたび メタモルフォセス群島ぐんとう』（新潮社しんちょうしゃ、1984年ねん）に収録しゅうろく。

外部がいぶリンク

• 秋あき竜山たつやまマンガ館かん - 公式こうしきブログ