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江藤えとう慎一しんいち

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
江藤えとう 慎一しんいち
中日ちゅうにち時代じだい（1959年ねん）
基本きほん情報じょうほう
国籍こくせき 日本の旗 日本にっぽん
出身しゅっしん地ち 熊本くまもと県けん山鹿やまが市し
生年月日せいねんがっぴ (1937-10-06) 1937年ねん10月6日にち
没ぼつ年月日ねんがっぴ (2008-02-28) 2008年ねん2月がつ28日にち（70歳さい没ぼつ）
身長しんちょう
体重たいじゅう		 178 cm
80 kg
選手せんしゅ情報じょうほう
投球とうきゅう・打席だせき 右みぎ投とう右みぎ打だ
ポジション 外野がいや手しゅ、一塁いちるい手しゅ、捕手ほしゅ
プロ入いり 1959年ねん
初はつ出場しゅつじょう 1959年ねん4月がつ11日にち
最終さいしゅう出場しゅつじょう 1976年ねん8月がつ14日にち
経歴けいれき（括弧かっこ内ないはプロチーム在籍ざいせき年度ねんど）
選手せんしゅ歴れき
監督かんとく歴れき
野球やきゅう殿堂でんどう（日本にっぽん）
殿堂でんどう表彰ひょうしょう者しゃ
選出せんしゅつ年ねん 2010年ねん
選出せんしゅつ方法ほうほう 競技きょうぎ者しゃ表彰ひょうしょう
この表ひょうについて

江藤えとう 慎一しんいち（えとう しんいち、1937年ねん10月6日にち - 2008年ねん2月がつ28日にち）は、熊本くまもと県けん山鹿やまが市し出身しゅっしん[1]（福岡ふくおか県けん北九州きたきゅうしゅう市し生うまれ）のプロ野球やきゅう選手せんしゅ（捕手ほしゅ、内野ないや手しゅ、外野がいや手しゅ）・監督かんとく、解説かいせつ者しゃ。

前妻ぜんさいは元もと宝塚歌劇団たからづかかげきだん44期生きせいの瀬戸せとみちる[2]。次女じじょのはやせ翔しょう馬ば[3]は74期生きせい。プロ野球やきゅう選手せんしゅ、コーチ、慶大けいだいの監督かんとくを務つとめた江藤えとう省三しょうぞうは実弟じってい。

経歴けいれき

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プロ入いりまで

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北九州きたきゅうしゅうで生うまれたが、太平洋戦争たいへいようせんそうによる集団しゅうだん疎開そかいで各地かくちを転々てんてんとし、幼少ようしょう時じより新聞しんぶん配達はいたつやアイスキャンディー売うりなどで家計かけいを助たすけていた[1]。八幡やはた製鐵せいてつで外野がいや手しゅを務つとめていた父ちちから野球やきゅうを教おそわり、捕手ほしゅとなる。小学しょうがく4年ねん次じの1947年ねんに母ははの郷里きょうりである山鹿やまがへ引ひっ越こす。中学ちゅうがく進学しんがく後ごの1950年ねんから本格ほんかく的てきに野球やきゅうを始はじめ、4番ばん・捕手ほしゅとして県けん大会たいかいに出場しゅつじょうするなど活躍かつやくした。

中学ちゅうがく卒業そつぎょう後ごの1953年ねんに熊本くまもと商業しょうぎょう高校こうこうへ進学しんがくし、1年ねん次じの同年どうねん秋あきからレギュラーとしてチームを引ひっ張ぱる。3年ねん次じの1955年ねんには夏なつの甲子園こうしえん県けん予選よせんで、西園寺さいおんじ昭夫あきおを擁ようする熊本工くまもとこうに敗やぶれ、甲子園こうしえんには出場しゅつじょうできなかった。

1956年ねんに高校こうこうを卒業そつぎょうすると、江藤えとうは野球やきゅうで身みを立たてようとしたが就職しゅうしょく口こうがなく[4]、日にち鉄てつ二に瀬せの濃こ人じん渉わたる監督かんとくを訪たずねた[4]。濃こ人じんはどうせ使つかい物ものにならないだろうと思おもい、形式けいしき的てきなテストだけやって追おい返かえすつもりだったが、ファイトがありいい体からだつきをしていたことを評価ひょうか[5]。新規しんき採用さいようは既すでに終おわっていたところを、濃こ人じんは会社かいしゃに臨時りんじ雇やといでの採用さいようを掛かけ合あい、江藤えとうはテスト入団にゅうだんを果はたした[4]。入社にゅうしゃ後ごは毎日まいにち長時間ちょうじかんの肉体にくたい労働ろうどうをこなしたあと、練習れんしゅうに参加さんか。濃こ人じんからは「野球やきゅうで身みを立たてなければお前まえは横道よこみちにそれてしまう。どっちがいいんだ」と言いわれながら目茶苦茶めちゃくちゃしごかれ、江藤えとうはこれに応こたえて厳きびしい練習れんしゅうに耐たえたという。江藤えとうは後年こうねん「濃こ人じんさんに巡めぐり会あっていなかったら、今いまここにはいなかっただろう。それだけは自信じしんを持もって言いえる」と語かたっている[6]。江藤えとうは入社にゅうしゃ直後ちょくごは右みぎ方向ほうこうしか打球だきゅうが飛とばなかったが、濃こ人じんの指導しどうによりきちっとしたスイングを身みに付つけた（チームメイトの古こ葉は毅あつしによる）[7]。1956年ねんから1958年ねんまで都市とし対抗たいこうに3年ねん連続れんぞく出場しゅつじょうを果はたし、1957年ねんの大会たいかいでは1回戦かいせんで鐘かね化かカネカロンと対戦たいせんして決勝けっしょう本塁打ほんるいだを放はなつ。この試合しあいでチームメイトの村上むらかみ峻たかし介かいとバッテリーを組くみ、大会たいかい史上しじょう初はつの完全かんぜん試合しあいをアシスト。1958年ねんの大会たいかいはエース・井い洋雄ひろおの好投こうとうもあって決勝けっしょう進出しんしゅつを果はたすが、日本石油にほんせきゆに敗やぶれる。同年どうねんの産業さんぎょう対抗たいこうでは決勝けっしょうで日本にっぽんビールを降くだし、チームを初はつ優勝ゆうしょうに導みちびいた[8]。他たの同僚どうりょうには吉田よしだ勝かつ豊ゆたかがいた。

中日ちゅうにち時代じだい

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1959年ねんに強肩きょうけん・強打きょうだの捕手ほしゅとして中日ちゅうにちドラゴンズへ入団にゅうだんしたが、後のちに古こ葉はは「江藤えとうは私わたしと一緒いっしょの広島ひろしまに入団にゅうだんすると思おもっていたが、中日ちゅうにちは広島ひろしまの2倍ばい以上いじょうの契約けいやくを提示ていじしたため江藤えとうは中日ちゅうにちに入団にゅうだんした」と述のべている[9]。契約けいやく金きん500万まん円えん、月給げっきゅう10万まん円えんであった。当時とうじの中日ちゅうにちは吉沢よしざわ岳男たけおが正せい捕手ほしゅとしての地位ちいを確立かくりつしていたため、杉下すぎした茂しげる監督かんとくは前年ぜんねん引退いんたいした西沢にしざわ道夫みちおが守まもっていた一塁いちるいへと江藤えとうをコンバート、最終さいしゅう的てきに外野がいやを守まもらせる構想こうそうもあった[10]。4月15日にちの巨人きょじん戦たたかえ（後楽園こうらくえん）では、1-4で3点てん差さを追おう9回かい表ひょうに伊藤いとう芳明よしあきからプロ入いり12打席だせき目めで初はつ本塁打ほんるいだとなる2ラン本塁打ほんるいだを放はなつ[11]。杉下すぎしたは江藤えとうを全ぜん130試合しあいに起用きようし[10]、その内うち125試合しあいは一塁いちるい手しゅとしての出場しゅつじょうであった。新人しんじんながら森もり徹とおるの後のちの5番ばんを打うち[10]、打率だりつ.281・15本塁打ほんるいだ・84打点だてんの好成績こうせいせきを挙あげたが、31本塁打ほんるいだを放はなった桑田くわた武たけし（大洋たいよう）がいたため、新人しんじん王おうは逃のがした。

1961年ねんには外野がいや手しゅを兼かねたが、初はつの20本塁打ほんるいだを達成たっせいしてベストナインにも選出せんしゅつされる。1962年ねんには吉沢よしざわの移籍いせきによって再度さいど捕手ほしゅに回まわり、森もり徹とおるの移籍いせきで4番ばんも務つとめるようになるが、7月がつ10日とおかの巨人きょじん戦せん（中日ちゅうにち）では判定はんていへの不信ふしん感かんから審判しんぱんを殴打おうだしている。

1963年ねんからは左翼さよく手しゅとして確実かくじつ性せいのあるバッティングで年々ねんねん数字すうじを上あげ、同年どうねんは打率だりつ.290・25本塁打ほんるいだ・70打点だてんで2度目どめのベストナインに入はいる。6月18日にちの国鉄こくてつ戦たたかえ（後楽園こうらくえん）では、当時とうじの日本にっぽん記録きろくである310勝しょうを目前もくぜんとした先発せんぱつの金田かねだ正一しょういちに、6回かいを終おわりわずか2安打あんだと大だい記録きろくを達成たっせいされそうなムードであった。しかし、7回かい表ひょうに2-2と同点どうてんに追おいついたところで、江藤えとうが金田かねだのカーブを左翼さよく席せきへ叩たたき込こむ満塁まんるい本塁打ほんるいだで一気いっきに勝かち越こし、6-3で逆転ぎゃくてん勝利しょうり。江藤えとうは試合しあい後ごの毎日新聞まいにちしんぶんのインタビューに「（打うった球たまが）カーブだった。ボックスに入はいった時とき、カネさんがとても気きにしていると思おもい、打うてるという予よ感かんがした。もちろんねらっていたんだ」とハキハキ答こたえている[11]。8月がつ25日にちの巨人きょじん戦せん（中日ちゅうにち）では6回かい雨天うてんコールドゲーム（6-6で引ひき分わけ）に抗議こうぎし、試合しあい終了しゅうりょう宣告せんこく後ごも雨あめの中なかで一いち人にんだけレフトの守備しゅび位置いちに立たち続つづけた。試合しあいは成立せいりつしており2本塁打ほんるいだも記録きろくに残のこるので引ひき上あげるようコーチに諭さとされるが、江藤えとうは「勝かたなければ意味いみがない」と引ひき上あげず、杉浦すぎうら清きよし監督かんとくになだめられてようやくダッグアウトに戻もどった。

1964年ねん・1965年ねんには2年ねん連続れんぞくで首位しゅい打者だしゃを獲得かくとく。1964年ねんは王おう貞治さだはるが本塁打ほんるいだ・打点だてんの成績せいせきでぶっちぎりのトップを走はしり、9月がつ初はじめ時点じてんで首位しゅい打者だしゃにも立たっていたため「戦後せんご初はつの三冠王さんかんおうもあるのではないか」と大おおいに騒さわがれていた。この状況じょうきょうに大おおいに燃もえた江藤えとうは「絶対ぜったいに首位しゅい打者だしゃは渡わたさない」とばかりに闘志とうしをむき出だしにし、ショートへ深ふかいゴロを打ぶてば決けっして速はやくない足あしで一塁いちるいへ全力ぜんりょく疾走しっそうしてヘッドスライディングで飛とび込こむなど、とにかく一本いっぽんでも多おおく安打あんだを放はなって打率だりつを稼かせごうとする。その執念しゅうねんが身みを結むすんだのか、9月9日にちの巨人きょじん戦せん（後楽園こうらくえん）で高橋たかはし明あきらから二塁打にるいだと21号ごう本塁打ほんるいだを放はなって逆転ぎゃくてんに成功せいこう。一いち度どは王おうに逆転ぎゃくてんを許ゆるしたものの、9月23日にちに王おうが江藤えとうの打率だりつを逆転ぎゃくてんできなかったため首位しゅい打者だしゃが確定かくていし、打率だりつ.323で自身じしん初はつの打撃だげきタイトルを獲得かくとく。1965年ねんは4月がつに肉離にくばなれを起おこして連続れんぞく試合しあい出場しゅつじょう記録きろくが809試合しあいでストップするが、前年ぜんねん同様どうように本塁打ほんるいだ・打点だてんのトップを走はしっていた王おうに三冠王さんかんおうは達成たっせいさせないとばかりに打率だりつを上あげ、2年ねん連続れんぞくで首位しゅい打者だしゃに輝かがやくとともに王おうの三冠王さんかんおうを阻止そしした。ON砲ほうがそろって現役げんえきであった1959年ねんから1974年ねんの16年間ねんかんのセ・リーグにおいて、2年ねん連続れんぞくで打撃だげきタイトルを獲得かくとくしたON以外いがいの選手せんしゅは江藤えとうだけである。

1967年ねん・1968年ねんには34・36本塁打ほんるいだと長打ちょうだ力りょくも発揮はっきしたが、首位しゅい打者だしゃ以外いがいでは王おうにかなわなかった。1969年ねん新あらたに監督かんとくに就任しゅうにんした水原みずはら茂しげるに対たいし、選手せんしゅを代表だいひょうして叱責しっせきの厳きびしさに抗議こうぎしたことで怒いかりに触ふれる[12]。結局けっきょく、同年どうねんのシーズンオフに水原みずはらの構想こうそう外がいとなって球団きゅうだんからトレードを通告つうこくされた。このトレードに対たいして中日ちゅうにちファンは強つよく反対はんたいし、球団きゅうだんへの抗議こうぎ電話でんわはもちろん署名しょめい運動うんどうまで起おこったが、球団きゅうだん側がわは水原みずはらの意志いしを優先ゆうせんした。水原みずはらが監督かんとく就任しゅうにん発表はっぴょう時じに中京ちゅうきょう財界ざいかいの要人ようじんらを従したがえてきたこともあって、水原みずはらに対たいして江藤えとうの立場たちばが弱よわかったともいわれている[13]。トレード通告つうこくに対たいして江藤えとうは「中日ちゅうにちの江藤えとうで終おわりたい」とトレードを拒否きょひ。江藤えとうは水原みずはらの自邸じていを訪問ほうもんして中日ちゅうにち残留ざんりゅうを直訴じきそしたともされるが[14]、江藤えとうの訴うったえは容いれられず、12月26日にちには任意にんい引退いんたいに追おい込こまれてしまった[15]。

ロッテ時代じだい

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1970年ねんに濃こ人じんがロッテオリオンズの監督かんとくに就任しゅうにんすると、江藤えとうを引ひき取とるべく中日ちゅうにちと交渉こうしょう。6月4日にちに形式けいしき上じょうは川畑かわはた和人かずととの交換こうかんトレードの形かたちを取とって、江藤えとうは現役げんえき復帰ふっきを果はたした[15]。6月17日にちの対たい東映とうえい戦せんで代打だいだで初はつ出場しゅつじょうすると、7月がつからは先発せんぱつでも起用きようされるようになる。8月15日にちの西鉄にしてつ戦たたかえ（平和へいわ台だい）では、2回かい表ひょうに左翼さよく席せき最さい上段じょうだんに突つき刺ささる先制せんせいのソロ本塁打ほんるいだ、7回かい表ひょうにはまたも左翼さよくへのダメ押だめおしソロ本塁打ほんるいだを放はなっている[16]。途中とちゅう加入かにゅうながらシーズンでは11本塁打ほんるいだ、31打点だてんを記録きろくし、10年ねんぶりのロッテのリーグ優勝ゆうしょうに貢献こうけん。巨人きょじんとの日本にっぽんシリーズでは第だい5戦せん（東京とうきょう）で高橋たかはし一三かずみから先制せんせい1号ごう2ラン本塁打ほんるいだを放はなっている。

1971年ねんには榎本えのもと喜八きはちに代かわり一塁いちるい手しゅに定着ていちゃくし、開幕かいまくから四よん番ばん打者だしゃとして起用きようされて3度目どめの首位しゅい打者だしゃを獲得かくとく、史上しじょう初はつのセ・パ両りょうリーグ首位しゅい打者だしゃとなる[17]。これは2011年ねんに内川うちかわ聖一せいいちが記録きろくするまで、40年ねんの長ちょうきに亘わたって江藤えとうのみの記録きろくであった[18]。自身じしんの誕生たんじょう日びである10月がつ6日にちに行おこなわれたシーズン最終さいしゅう戦せんの南海なんかい戦せん（東京とうきょう）で首位しゅい打者だしゃが確定かくていしたが、翌よく7日にちにオーナーの中村なかむら長ちょう芳かおるから大洋たいようへのトレードを通告つうこくされる[17]。当初とうしょはロッテ側がわが江藤えとう・成田なりた文男ふみおの2人ふたりと平松ひらまつ政次まさじとのトレードを申もうし込こんだが大洋たいよう側がわに断ことわられたため、江藤えとうと野村のむら収おさむの1対たい1交換こうかんという形かたちで交渉こうしょうが成立せいりつした[17]。シーズン途中とちゅうに濃こ人じんが放棄ほうき試合しあいを起おこして前半ぜんはん戦せんで二に軍ぐん監督かんとくに降格こうかくされ（シーズン終了しゅうりょう後ごスカウトに転出てんしゅつ）、後半こうはん戦せんから後任こうにんに守備しゅび・走塁そうるいを重視じゅうしする二に軍ぐん監督かんとくの大沢おおさわ啓二けいじが昇格しょうかく（一軍いちぐん・二に軍ぐんの監督かんとくを入いれ替かえ）したためのトレードであった[1]。

大洋たいよう時代じだい

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移籍いせき後ごは左翼さよく手しゅとしてシピン・松原まつばら誠まこととクリーンアップを組くんで中心ちゅうしん打者だしゃとして実績じっせきを残のこすが、投手とうしゅ陣じんの弱よわさもあってチームは3年ねん連続れんぞく5位いに終おわる。

1972年ねん8月がつ6日にちのヤクルト戦たたかえ（川崎かわさき）ではストライクの判定はんていに激昂げっこうし、主審しゅしんに蹴けりを何なん度ども入いれて退場たいじょう。1973年ねん6月28日にちの巨人きょじん戦せん（川崎かわさき）では無死むし一いち、二塁にるいから土井どい正三しょうさんが犠打ぎだ、これを三塁手さんるいしゅのクリート・ボイヤーが悪あく送球そうきゅうし1点てんを先制せんせい、更さらに満塁まんるいから末次すえつぐ民夫たみおの犠飛ぎひでもう1点てんを追加ついかした。大洋たいよう打線だせんは先発せんぱつの堀内ほりうち恒夫つねおから毎回まいかい走者そうしゃを出だしながら得点とくてんをあげられなかったが、7回かい裏うらに江尻えじり亮あきらの適時てきじ打だで1点てんを返かえし、8回かい裏うらにシピンが遊撃手ゆうげきしゅの上田うえだ武司たけしのグラブをはじく安打あんだで出塁しゅつるい、1死後しごに江藤えとうが堀内ほりうちの外角がいかくストレートをバックスクリーンへと運はこぶ2ラン本塁打ほんるいだで逆転ぎゃくてん。その後ごを4番手ばんての山下やました律夫りつおが抑おさえて3-2と、山下やましたは約やく1年ねんぶりの勝利しょうりを手てにした。逆転ぎゃくてん2ランを放はなった江藤えとうはホームインの直前ちょくぜんにベンチ前まえで両手りょうて、片足かたあしをあげピョンと跳とび上あがる得意とくいのポーズを披露ひろうし、試合しあい後ごに『あのケースではヤマは張はれんよ。ただ無心むしん、これだよ。ひっかけずに中堅ちゅうけん方向ほうこうへバットを押おし出だすように振ふったので、打うった瞬間しゅんかん入はいると思おもった』と会心かいしんの一打いちだを話はなした。バックスクリーン入いりの本塁打ほんるいだには、賞金しょうきん30万まん円えんと1年ねん分ぶんの清涼飲料水せいりょういんりょうすいが出でた[16]。

太平洋たいへいよう選手せんしゅ兼任けんにん監督かんとく時代じだい

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1975年ねんに河原かわはら明あきらとの交換こうかんトレードにより、太平洋たいへいようクラブライオンズへプレイングマネージャーとして移籍いせき。これは、シーズン終了しゅうりょう後ごに監督かんとくに昇格しょうかくした秋山あきやま登のぼるが「使つかいにくい選手せんしゅ」として放出ほうしゅつを決きめると、江藤えとうが熊本くまもと商しょうの出身しゅっしんで福岡ふくおかのノンプロ・日にち鉄てつ二に瀬せにいた地縁ちえんを考慮こうりょして「太平洋たいへいようなら引ひき受うけてくれるのでは」と、当時とうじ福岡ふくおかを本拠ほんきょとしていた太平洋たいへいように話はなしを持もち掛かけたことが発端ほったんである[19]。一方いっぽうの太平洋たいへいよう側がわにも、稲尾いなお和久かずひさの後任こうにんとして大沢おおさわの就任しゅうにんが9分ふん9厘りん決きまりかけていたのを[注ちゅう 1]「かつての西鉄にしてつのような荒々あらあらしい野武士のぶし野球やきゅうを」と中村なかむら長ちょう芳かおるオーナーが一転いってんして、江藤えとうに白羽しらはの矢やを立たてた事情じじょうがあり、監督かんとく兼任けんにんでの獲得かくとくとなった。球団きゅうだん運営うんえい会社かいしゃである福岡ふくおか野球やきゅうの経営けいえい難なんにより、用意よういされた住居じゅうきょは6畳じょう一いち間あいだのアパートであったが、「俺おれは野球やきゅうが出来できればええんじゃい」と意いに介かいさなかったという。

1974年ねん11月に江藤えとうを送おくり出だす大洋たいようは中部なかべ謙吉けんきちオーナー同席どうせきの記者きしゃ会見かいけんを行おこない、トレードというより太平洋たいへいよう監督かんとく就任しゅうにんの挨拶あいさつという内容ないようの新天地しんてんちにかける抱負ほうふを延々えんえんと述のべた。太平洋たいへいようも中村なかむらオーナーが同席どうせきして福岡ふくおか市内しないのホテルで記者きしゃ会見かいけんを行おこなうが、地元じもと記者きしゃクラブが「福岡ふくおかでまず新しん監督かんとくの発表はっぴょうをして、そのあと東京とうきょうでやろうというのならまだしも、先さきに東京とうきょうでやるとは」と激怒げきどし、中村なかむらに抗議こうぎ文ぶんを突つき付つけて記者きしゃ会見かいけんをボイコットした[19]。

江藤えとうは「クビになってはじめて、みんな後悔こうかいする」と、一いち度どは自分じぶんも実業じつぎょう家かを目指めざしてユニホームを脱ぬいだ経験けいけんから、広島ひろしまを自由じゆう契約けいやくとなった国貞くにさだ泰たい汎ひろしの後悔こうかいぶりを目めにつけ、1975年ねん春はる早々そうそうにテストして採用さいよう。江藤えとうはヤクルトの東条とうじょう文博ふみひろにも「まとめて面倒めんどうを見みるか」と声こえをかけ、東条とうじょうと国貞くにさだは「チャンスを与あたえられたオレたちは、ほんのひと握にぎりの幸しあわせものさ」と二人ふたりで口くちを揃そろえた。この二に人にん以外いがいにも「もう一度いちど野球やきゅうをやりたい」という自由じゆう契約けいやく選手せんしゅを集あつめて行おこなわれるテストを行おこない、東条とうじょうは不ふ合格ごうかくに終おわったが、国貞くにさだのほか木原きはら義隆よしたか・西沢にしざわ正次まさつぐ・松林しょうりん茂しげるが広島ひろしまから太平洋たいへいように移籍いせきしている。

また、かつて営いとなんでいた料理りょうり屋やによく飲のみに来きていた関係かんけいで交流こうりゅうがあった米川よねかわ泰夫やすおを一軍いちぐん投手とうしゅコーチに招聘しょうへい[20]し、大洋たいようからは打撃だげき投手とうしゅ兼けん通訳つうやくの古賀こが英彦ひでひこを連つれてきて、古賀こがは一軍いちぐん投手とうしゅコーチ補佐ほさに就任しゅうにん。

在任ざいにん中ちゅうはユニフォームの後うしろポケットにバットを突つき刺さすというスタイルで注目ちゅうもくを集あつめ、ファイト剥むきだしのプレーと首脳しゅのう陣じんにも思おもったことを口くちに出だす江藤えとうは、投手とうしゅ出身しゅっしんで選手せんしゅを長ながい目めで見みて育そだてようとする前任ぜんにんの稲尾いなおのカラーを一掃いっそうすべく、力ちからのある強打きょうだ線せんで打うち勝かつ野球やきゅうを標榜ひょうぼう[21]。トレードで日本にほんハムから白はく仁ひとし天てん、近鉄きんてつから土井どい正博まさひろのスラッガーを獲得かくとく。このシーズンのライオンズ打線だせんには山賊さんぞく打線だせんの異名いみょうが付つけられた。ひと癖くせもふた癖へきもある個性こせい派はぞろいのチームは派手はでに打うち勝かつゲームがあるかと思おもえば、打うてないときは全まったくお手上てあげという大雑把おおざっぱな野球やきゅうであったが、低迷ていめいするライオンズの現状げんじょうを打うち破やぶるのではないかという期待きたいをファンに抱いだかせた[21]。6月1日にちのロッテ戦せん（川崎かわさき）で水谷みずたに則のり博はくから球界きゅうかい史上しじょう初はつの全ぜん球団きゅうだんから本塁打ほんるいだを、9月6日にちの近鉄きんてつ戦せん（藤井寺ふじいでら）では通算つうさん2000安打あんだを達成たっせい。翌よく7日にち付づけのスポニチ東京とうきょう版ばんの2面めんの最さい下段げだんに罫線けいせんで囲かこまれた記事きじは10行ぎょう程度ていどであり、江藤えとうは「記録きろくよりも勝かてばチームは5割わりだった。勝かちたかった」と一言ひとことだけ談話だんわを残のこしている[21]。個性こせい重視じゅうしは個人こじん成績せいせきに表あらわれ、東尾ひがしお修おさむが最多さいた勝しょう、移籍いせき組ぐみの土井どいが本塁打ほんるいだ王おう、白しろが首位しゅい打者だしゃを獲得かくとく。タイトルを獲えらせるために、白しろや土井どいの打順だじゅんをいじるだけでなく、欠場けつじょうもさせた。東尾ひがしおに関かんしては連投れんとうをさせ、勝かてそうな試合しあいはリリーフで登板とうばんさせ、白星しろぼしを稼かせいだ。「タイトルを獲えれば選手せんしゅとして責任せきにんが芽生めばえる。それがチームの強化きょうかに繋つながる」というのが江藤えとうの持論じろんであった[21]。チーム成績せいせきは前期ぜんき2位い・後期こうき4位いの通算つうさん3位いで、球団きゅうだんが福岡ふくおか野球やきゅうの経営けいえいに移うつってから初はつのAクラス入いりとなる成績せいせきを上あげた。

土井どいは「江藤えとうさんは門限もんげんなんか言いわんし、やりやすいチームでした」と述のべている[22]。江藤えとうは「来年らいねんも山賊さんぞく野球やきゅうで大だい暴あばれしてペナントに挑戦ちょうせんする」とやる気き満々まんまんであったが、打撃だげき3部門ぶもんに2人ふたり、最多さいた勝しょうと計けい3人にんも主要しゅようタイトルを3人にんも獲得かくとくし、西鉄にしてつから西武せいぶへの過渡かと期きの太平洋たいへいよう・クラウン時代じだいで唯一ゆいいつのAクラス入いりも借金しゃっきん4で、江藤えとうの采配さいはいにはフロントも「優勝ゆうしょうもしていないのに個人こじんタイトルばかり獲えらせて・・・。契約けいやく更改こうかいがゾッとする経営けいえい者しゃ泣なかせの監督かんとくだ」と顔かおをしかめた。借金しゃっきんがかさみ、給料きゅうりょうの遅配ちはいもあった当時とうじの太平洋たいへいようにとって、江藤えとうの山賊さんぞく軍団ぐんだんは迷惑めいわくな存在そんざいになっていた[21]。太平洋たいへいようは前述ぜんじゅつの大沢おおさわへの再度さいどの打診だしんを行おこなうが、大沢おおさわは日本にほんハム監督かんとく就任しゅうにんが決きまる。そこで、一旦いったんは江藤えとうの留任りゅうにんが決きまったが、同年どうねん12月がつにフロントはレオ・ドローチャーを招聘しょうへいする構想こうそうに切きり替かえたことで監督かんとくを解任かいにん。ドローチャーから前向まえむきな返事へんじをもらうと、江藤えとうは打撃だげきコーチ兼けん選手せんしゅに格下かくさげとなるが、「やはり一いち選手せんしゅの方ほうがワシは向むいている」と年末ねんまつになって太平洋たいへいようを退団たいだん[21]。江藤えとうの退任たいにんに伴ともなって米べい川かわも1年ねんでコーチを辞任じにん[23]。その後ご、結局けっきょくドローチャーは体調たいちょう不良ふりょうで来日らいにちせずに契約けいやくを破棄はきしたため、後任こうにん監督かんとくにはヘッドコーチの鬼頭おにがしら政一まさかずが昇格しょうかくした。

在任ざいにん中ちゅうに竹之内たけのうち雅史まさしとベンチ裏うらで口論こうろんを繰くり広ひろげるなど、チーム内ないに団結だんけつ力りょくは生うまれなかった[24]。竹之内たけのうちは後のちに「次つぎの監督かんとく江藤えとうさんだったけど、見みると聞きくとじゃ大だい違ちがい。豪快ごうかいな人ひとに見みえるよね?それが繊細せんさいな人ひとでね、気きが小ちいさいし。この人ひとと俺おれ、一回いっかいケンカしたことあるんだよ。それが、監督かんとくのほうから謝あやまってきた。普通ふつうだったら、選手せんしゅの立場たちばから言いうとクビって言いわれても仕方しかたないようなケンカやったのに。そういう意味いみじゃ、懐ふところ深ふかったのかもしれないね。」[25]と振ふり返かえっている。

春はるのオープン戦せんで長崎ながさき県けん諫早いさはやに行いった時ときには若わかい選手せんしゅを集あつめて打撃だげき理論りろんを講義こうぎし、大田おおた卓司たくしは理解りかいできず「できません」と言いってしまったが、江藤えとうは「お前まえ、いらない」と言いって使つかわなかった[26]。

がらっぱちで熱あつすぎる性格せいかくで、試合しあいで選手せんしゅがちょっとしたミスを犯おかしてもコーチを呼よんで蹴飛けとばしたりした。伊原いはら春樹はるきはキャンプで右みぎ膝ひざを痛いためながらも我慢がまんしてプレーしていたが、限界げんかいに達たっし、江藤えとうのスタイルとも合あわないこともあり、球団きゅうだん上層じょうそう部ぶに「トレードに出だしてください」と直訴じきそしている[27]。

ロッテ復帰ふっき

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1976年ねん、金田かねだ正一しょういち監督かんとくの「プロとしての生いきざまを若わかい選手せんしゅに見みてもらいたい」との誘さそいでロッテに復帰ふっき[28]。金田かねだは記者きしゃに獲得かくとくの理由りゆうを聞きかれた際さい、「江藤えとうに男おとこの花道かどうを飾かざらせてやる」と言いっている[29]。妻子さいしを博多はかたに残のこして四畳半よじょうはんの合宿がっしゅく所しょ住すまいを選えらび、大好だいすきな酒さけも断ことわったほか、猛烈もうれつな走はしり込こみなどで13kgの減量げんりょうに成功せいこう[29]。キャンプ地ち・鹿児島かごしまの天文てんもん館かんにあるマムシのエキス入いりラーメンを食たべて耐たいえ[28]、ジム・ラフィーバーも食たべてスタミナを付つけている[29]。

ペナントレースに突入とつにゅうすると、4月がつ4日にちの日本にほんハム戦たたかえ（後楽園こうらくえん）で高橋たかはしから先制せんせいの1号ごう2ラン本塁打ほんるいだを放はなち、チームの初はつ勝利しょうりに貢献こうけん。翌よく5日にちには野村のむらから逆転ぎゃくてんの2号ごうソロ本塁打ほんるいだ、14日にちの近鉄きんてつ戦せん（後楽園こうらくえん）では井本いもと隆たかしから決勝けっしょうの3号ごうソロ本塁打ほんるいだを放はなつ。17日にちの太平洋たいへいよう戦せん（宮城みやぎ）では初回しょかいに関本せきもと四よん十じゅう四よんから先制せんせい打だを放はなつなど、ロッテが4月がつに挙あげた11勝しょう中ちゅう5勝しょうは江藤えとうの活躍かつやくによるものであった。5月には打率だりつが3割わりを超こえ、金田かねだも「予想よそう以上いじょう。持もっている技術ぎじゅつが違ちがうで。江藤えとうさまさまや」と上機嫌じょうきげんになったが、6月がつになると右みぎ肘ひじの古傷ふるきずにより成績せいせきは急降下きゅうこうか[28]。治療ちりょうに通とおったものの良よくなることはなく、後期こうきが始はじまるとほとんど出番でばんが無なくなる[28]。7月がつ7日にちの太平洋たいへいよう戦せん（平和へいわ台だい）で石井いしい茂雄しげおから最後さいごの本塁打ほんるいだ、8月がつ13日にちの太平洋たいへいよう戦せん（平和へいわ台だい）で最後さいごの安打あんだ、翌よく14日にちが現役げんえき最終さいしゅう出場しゅつじょうとなった。シーズン途中とちゅうに金田かねだがコーチ補佐ほさの肩書かたがきを付つけようとしたが、「ワシはコーチをやる前まえにアメリカの本場ほんばで打撃だげき術じゅつをガムシャラに勉強べんきょうしたい」[29]と言いって拒否きょひし[30]、現役げんえきを引退いんたい。

引退いんたい後ご

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引退いんたい後ごは1977年ねんから東京とうきょう12チャンネル→テレビ東京てれびとうきょう「○曜ナイター→戦国せんごくナイター」、ラジオ関東かんとう「バッチリナイター」解説かいせつ者しゃを務つとめた。

江藤えとうは「引退いんたい後ごは中日新聞ちゅうにちしんぶんの記者きしゃになりたい」と考かんがえていたこともあり、野球やきゅうを言語げんご化かして伝つたえることについては、前向まえむきに捉とらえていたが、テレビ局てれびきょくやスポンサーとの付つき合あいが好すきになれず、解説かいせつ者しゃ時代じだいは悶々もんもんとしていた[31]。江藤えとうは常々つねづね「わしはこの仕事しごとは嫌きらいや」と放言ほうげんし、「どれだけ事前じぜんに取材しゅざいして現場げんばに臨のぞんでも不ふ勉強べんきょうなアナウンサーが台だいなしにするんや。売うり出だしたい選手せんしゅを推おしてくるんじゃが、わしは野球やきゅうについては絶対ぜったいに嘘うそは言いえん」と言いっていたほか、「新人しんじん選手せんしゅの評価ひょうかや順位じゅんい予想よそうについて節ふしを曲まげてまでコメントを出だすのは、嫌いやで仕方しかたがない」と親したしい人物じんぶつに漏もらしていた[31]。

この間あいだの1977年ねんに映画えいが『野球やきゅう狂きょうの詩し』に解説かいせつ者しゃ役やくで出演しゅつえんして野球やきゅう技術ぎじゅつ指導しどうを担当たんとうしたほか、少年しょうねん野球やきゅうの指導しどうにも取組とりくみ、1978年ねんには少年しょうねん野球やきゅうや草くさ野球やきゅうを中心ちゅうしんにした野球やきゅう雑誌ざっし『熱球ねっきゅう』を発行はっこう[32]。さらに、1980年ねん9月には熊本日日新聞社くまもとにちにちしんぶんしゃの後援こうえんを受うけて、熊本くまもと市しの少年しょうねん野球やきゅう選手せんしゅ30名めい余あまりを率ひきいてブラジル遠征えんせいを実施じっし。帰国きこく後ご、世界せかい少年しょうねん野球やきゅう協会きょうかい（現在げんざいの少年しょうねん軟式なんしき野球やきゅう国際こくさい交流こうりゅう協会きょうかい）の理事りじとして有志ゆうしを募つのり社団しゃだん法人ほうじん認可にんかの準備じゅんびに取とりかかるが、乱脈らんみゃくに過すぎて経済けいざい的てきに行いき詰づまり、江藤えとうは理事りじを辞任じにんした[33][34]。

1985年ねん4月がつからは「日本一にっぽんいちの富士山ふじさんの下したで日本一にっぽんいちになる」と決きめ[35]、静岡しずおか県けん田方たがた郡ぐん天城湯ケ島あまぎゆがしま町まちに日本にっぽん野球やきゅう体育たいいく学校がっこう（通称つうしょう「江藤えとう塾じゅく」）を設立せつりつ[36]。最初さいしょは天城湯ケ島あまぎゆがしま町まちに野球やきゅう場じょうが建設けんせつされることになり、浄蓮じょうれんの滝たき観光かんこう協会きょうかいの肝きも入いりで野球やきゅうと観光かんこうをセットにしたボールパーク旅館りょかんなどの着想ちゃくそうがあったが、球場きゅうじょう建設けんせつのアドバイザーをしていた江藤えとうは太陽たいようが沈しずむ方角ほうがくとホームベースの向むきについてなど、事こと細こまかく助言じょげん。そのうちに「ここで野球やきゅうの学校がっこうをやりたい」と思おもい至いたった[31]ほか、少年しょうねん野球やきゅうの指導しどうを続つづけ、先述せんじゅつの少年しょうねん野球やきゅうのブラジル遠征えんせいなどを行おこなっているうちにあまりに閉塞へいそく的てきな日本にっぽんの育成いくせい状じょう況きょうに憤いきどおりを感かんじていた[31]。

天城あまぎの球場きゅうじょうが竣工しゅんこうすると、江藤えとうは観光かんこう協会きょうかいの協力きょうりょくを得えて、営業えいぎょうを止とめる予定よていになっていた『りん泉いずみ』という旅館りょかんを寮りょうとして借かり受うけ[31]、後のちに合宿がっしゅく所しょは「百錬ひゃくれん寮りょう」と名付なづけられた。野球やきゅう場じょうについてはその管理かんりをすることで、使用しようも許ゆるされ、練習れんしゅうをする場所ばしょと寝泊ねとまりする施設しせつを確保かくほすると、雑誌ざっしや新聞しんぶんに「日本にっぽん野球やきゅう体育たいいく学校がっこうが開校かいこうします!」という広告こうこくを打うって入校にゅうこうする選手せんしゅを募集ぼしゅう[31]。学校がっこう法人ほうじん化かを目指めざし、教務きょうむ部長ぶちょうに文部省もんぶしょうOBを据すえて授業じゅぎょうカリキュラムを作成さくせい。申請しんせい書類しょるいも準備じゅんびしていたが、初年度しょねんどは学生がくせいが23名めいしか集あつまらず、申請しんせい資格しかくは在籍ざいせき学生がくせい数すうが40名めい以上いじょうなので、申請しんせいは見送みおくられた[31]。任意にんい団体だんたいのままであったが、1985年ねん4月がつ10日とおかには、湯ゆヶ島町しままちの講堂こうどうを借かりて、堂々どうどうとした開校かいこう式しきが行おこなわれた[31]。集あつまった生徒せいと達たちは、15歳さいから23歳さいまで、様々さまざまな背景はいけいを背負せおっていた。中学ちゅうがくは卒業そつぎょうしたものの高校こうこうには行いかず、けれど野球やきゅうはしたいという者ものから、特待とくたい生せいで大学だいがくに入はいったが、寮りょうやグラウンドでの体罰たいばつに耐たえかねて、退すさ部ぶをして学校がっこうを追おわれた者もの、関東かんとうの高校こうこうで1年ねん時じに遊ゆう撃げきのレギュラーで甲子園こうしえんに出場しゅつじょうするも、上級生じょうきゅうせいに妬ねたまれて殴なぐり合あいになり、それが原因げんいんでグレて暴走ぼうそう族ぞくに入はいり、交番こうばんを襲おそって退学たいがくになった人物じんぶつもいた[31]。

野球やきゅうの指導しどうはアマチュアの指導しどう者しゃ資格しかくを取とっていた土屋つちや弘光ひろみつが行おこなってくれたが、これは江藤えとうの拘かかわりで、古ふるい野球やきゅう道どうを排はいし、ドジャース帰かえりの土屋つちやに世界せかいの先端せんたんをいくベースボールを教おしえてもらうという試こころみであった[31]。土屋つちやは技術ぎじゅつも戦術せんじゅつも丁寧ていねいに指導しどうしていってくれたが、野球やきゅうを教おしえる以上いじょうは、本場ほんばアメリカのメソッドを必かならず常つねに意識いしきした[31]。江藤えとうは校長こうちょうとして寮りょうやグラウンドにおける暴力ぼうりょくによる指導しどうの禁止きんしを徹底てっていし、コーチにも絶対ぜったいに手てを上あげるな、と厳命げんめいしていた。生徒せいとには意見いけんがあれば、たとえ年上としうえの者ものであっても、たとえどんなに地位ちいが上うえの者ものであってもはっきりと述のべろ、とことあるごとに伝つたえた[31]。開校かいこうして3ヶ月かげつほど経たった頃ころ、講義こうぎに目黒めぐろ高校こうこうラグビー部ぶ監督かんとくの梅木うめき恒明つねあきを招まねいたことがあった。徹底てっていしたスパルタ指導しどうで知しられていた梅木うめきは講演こうえんでも自身じしんの軍隊ぐんたい式しき指導しどうの効果こうかを語かたり、緊張きんちょう感かんを持もたせるためとして、「私わたしは夜中よなかでも集合しゅうごうをかけて、10秒びょう以内いないに起おきてこない生徒せいとはゲンコツで殴なぐります。人ひとは身体しんたいで覚おぼえるものです」と逸話いつわも話はなした[31]。梅木うめきの講義こうぎの最中さいちゅうは大おおきな緊張きんちょうが走はしったが、質疑しつぎ応答おうとうの時間じかんになり、最年長さいねんちょうの生徒せいとが声こえを上あげた。その生徒せいとは福岡ふくおかから来きた生徒せいとで、九州産業大学きゅうしゅうさんぎょうだいがく野球やきゅう部ぶを半年はんとしで辞やめていた。梅木うめきに「先生せんせいのお考かんがえはそうかもしれませんが、暴力ぼうりょくは大だい反対はんたいです。ボクは先輩せんぱいに殴なぐられて、野球やきゅうに嫌気いやけがさしました。犬いぬ畜生ちくしょうとして扱あつかうのではなく、人間にんげんとして扱あつかってほしいと思おもうのです」と語かたり、江藤えとうはこれを聞きいて自分じぶんの考かんがえが浸透しんとうしていることの嬉うれしさを噛かみ締しめた[31]。江藤えとうは著書ちょしょで「人ひとはよくうちの学校がっこうを戸塚とつかヨットスクールと間違まちがえる。落おちこぼればかりを集あつめて、暴力ぼうりょくで生徒せいとをつなぎとめる。親おやの手てに負おえない子こばかりの収容しゅうよう所しょ、それがヨットと野球やきゅうを取とりちがえたと思おもわれがちである。こっちはいい迷惑めいわくである。私わたしらの学校がっこうはあくまでもプロの技術ぎじゅつを求もとめる集団しゅうだんでなくてはいけないのだ。野球やきゅうの技術ぎじゅつもあることながら、本当ほんとうの野球やきゅうの知識ちしきをおぼえさせなくてはいけないのだ。それには力ちからづくで教おしえ込こんだところで何なんの役やくにも立たたないのだ」と書かいており、現役げんえき時代じだいの豪快ごうかいなイメージから、江藤えとうが問題もんだいを起おこした不良ふりょう少年しょうねんたちを野球やきゅうにおける鉄拳てっけん制裁せいさいで更生こうせいさせていると勝手かってに目めされていた[31]。

学生がくせい23人にんの中なかには、1988年ねんに阪神はんしんへテスト入団にゅうだんしたプロ入いり第だい1号ごうの竹たけ峰みね丈たけ太郎たろう[37]や、野球やきゅうブラジル代表だいひょう投手とうしゅ・ダニエル・ミサキの父ちちであるマルセル・ミサキが含ふくまれていた。

午前ごぜん中ちゅうの座ざ学がくの授業じゅぎょうでは、江藤えとうの人脈じんみゃくを活いかして、幾いく人にんもの選手せんしゅやOBが講義こうぎに来きたが、巨人きょじんのファームディレクターであった弟おとうとの省三しょうぞう、メジャー挑戦ちょうせんから帰国きこくした江夏えなつ豊ゆたかが僅わずか2ヶ月かげつ後ごに湯ケ島ゆがしままで来きてくれた[38]。江夏えなつが講義こうぎした後のちは、寮りょうの赤あか電話でんわの前まえに行列ぎょうれつができた。それぞれに訳わけがあって入学にゅうがくした選手せんしゅ達たちが、親おやや親類しんるい、友人ゆうじん達たちに感動かんどうを伝つたえるために殺到さっとうした[38]。

同年どうねんの暮くれには元もとサッカー日本にっぽん代表だいひょうの釜本かまもと邦茂くにしげが講演こうえんに訪おとずれ、流ながれで野球やきゅう場じょうでバッティングをしてみることになった釜本かまもとはプロ志望しぼうの投手とうしゅと対戦たいせん[39]。1球きゅう目めは空振からぶりで、2球きゅう目めはかすってファウルし、目めが慣なれた3球きゅう目めに左翼さよくのフェンスを越こえる本塁打ほんるいだを放はなつ。江藤えとうは目めを丸まるくして「あんた、もし野球やきゅうをやっていたら王おう、長嶋ながしまクラスになっていたよ」と言いった[39][40]。

1986年ねんからは同校どうこうのクラブチーム「天城あまぎベースボールクラブ」が社会しゃかい人じんクラブチームとして登録とうろくされ、公式こうしき戦せんの参加さんかが許ゆるされた[38]。学校がっこう自体じたいはまだ生徒せいと数すうが23名めいで、学校がっこう法人ほうじん申請しんせい基準きじゅんの40名めいに達たっしておらず任意にんい団体だんたいのままであり、寮りょうは古ふるい旅館りょかんを転用てんようしたもので、環境かんきょうは劣悪れつあくと言いえた[38]。試合しあいは、中央大学ちゅうおうだいがく、国士舘大学こくしかんだいがくといった東都とうと大学だいがく野球やきゅうリーグのチームやスリーボンド、ヨークベニマルなどの社会しゃかい人じんチームと行おこなわれ[38]、同年どうねんの全日本ぜんにほんクラブ野球やきゅう選手権せんしゅけん大会たいかいに初はつ出場しゅつじょう。1991年ねんには監督かんとくに岡嶋おかじま博治ひろじを招聘しょうへいし、5年ねんぶり2度目どめの出場しゅつじょうとなった同年どうねんのクラブ選手権せんしゅけんで初はつ優勝ゆうしょうを果はたす。江藤えとう自身じしんはアマチュア指導しどう資格しかくを持もっていなかったが、野球やきゅう連盟れんめいの承認しょうにんを受うけて顧問こもんという立場たちばでベンチ入いりし、さらにはクラブ運営うんえいでも積極せっきょく的てきな動うごきを見みせた[41]。1992年ねんにはヤオハンと業務ぎょうむ提携ていけいし、チーム名めいを「ヤオハンジャパン硬式こうしき野球やきゅう部ぶ」に改称かいしょう。江藤えとうは、ヤオハンのオーナー一族いちぞくに「社名しゃめい変更へんこうにあたって宣伝せんでん広告こうこくで新聞しんぶん各紙かくしに1億おく円えん出だすなら、同おなじ静岡しずおかの野球やきゅうチームに投資とうしされませんか」と説とき、ヤオハンはこの提携ていけいを受うけ入いれた[41]。クラブ登録とうろくから企業きぎょう登録とうろくへ変更へんこうし、選手せんしゅ強化きょうかを進すすめていった結果けっか、1994年ねんには都市とし対抗たいこう野球やきゅう大会たいかいに初はつ出場しゅつじょうする。1回戦かいせんでいすゞ自動車ずじどうしゃを敗はいるも、2回戦かいせんで本田技研ほんだぎけん鈴鹿すずかに敗退はいたいした。トップバッターとしてチームを牽引けんいんした大西おおにし崇之たかゆきが江藤えとうの古巣ふるすである中日ちゅうにち入いりし、1995年ねんからは監督かんとくが岡嶋おかじまから加藤かとう和幸かずゆきコーチに交代こうたい[41]。同年どうねんの静岡しずおか予選よせんを全敗ぜんぱいしてしまうが、江藤えとうはここで動うごき、ロッテ時代じだいの盟友めいゆうであった木き樽だる正明まさあきや野球やきゅう殿堂でんどう入いりした広岡ひろおか達朗たつろうが指導しどうに来きてくれた[41]。木き樽だるも広岡ひろおかも縦たてに落おちるスライダーを操あやつる岡本おかもと真しん也に目めをかけて熱心ねっしんにピッチングを教おしえるなど、立たて直なおした成果せいかが出でて、1997年ねんには3年ねんぶり2回かい目めの出場しゅつじょうを果はたす[41]。

江藤えとうのパイプから、広岡ひろおか、江夏えなつといった面々めんめんが指導しどうに来きてくれたが、特とくに広岡ひろおかは頻繁ひんぱんに訪問ほうもんしてくれては、内野ないや手しゅ出身しゅっしんであるにも関かかわらず投手とうしゅの技術ぎじゅつについて詳細しょうさいに教おしえてくれた[35]。講義こうぎの時間じかんは江藤えとう自みずからが教壇きょうだんに立たち、『ドジャースの戦法せんぽう』も必読ひつどくで、『攻撃こうげきの際さいは、常つねに1、3塁るいにして続つづけていけ』と教おしえた[35]。攻撃こうげき時じは1、3塁るいを続つづけ、守備しゅびの際さいには作つくらせないようにするという定石じょうせきは落合おちあい博満ひろみつも同様どうようであった[35]。

「プロはいいぞ」と事ことあるごとに自分じぶんの体験たいけんを語かたって聞きかせてモチベーションを上あげたほか、企業きぎょうスポーツでも実力じつりょくが給料きゅうりょうに反映はんえいされるべきと考かんがえ、ヤオハンに掛かけ合あって、選手せんしゅには年功序列ねんこうじょれつではなく野球やきゅうの技量ぎりょうで給料きゅうりょうが支払しはらわれるようになっていた[35]。結果けっかを出だして20代だいでも月つきに50万まん貰もらっている野手やしゅもおり、これらの環境かんきょう整備せいびもまたプロ志向しこうの考かんがえからであった[35]。

岡本おかもとは冬場ふゆばもストイックに練習れんしゅうに打うち込こんだことで投なげるボールは見違みちがえるように球速きゅうそくが上あがり、エースに上のぼり詰つめた[35]。

都市とし対抗たいこう終了しゅうりょう後ご、秋季しゅうき練習れんしゅうに移行いこうしようとしていた9月に親会社おやがいしゃが倒産とうさんして活動かつどうを休止きゅうし[41]。江藤えとうはチームを受うけてくれる企業きぎょうを探さがしに奔走ほんそう[41]し、1998年ねんからはアムウェイと業務ぎょうむ提携ていけいしたうえでクラブチーム「アムウェイ・レッドソックス」として再さい出発しゅっぱつ。冠かんむりに企業きぎょう名めいがついたが、スポンサー料りょうは年間ねんかん500万まん円えんしかなかった。アムウェイ側がわはトップの江藤えとうを筆頭ひっとうにした自社じしゃの会員かいいん拡大かくだいを期待きたいしたが、人間にんげん関係かんけいをビジネスにすることが大嫌だいきらいであった江藤えとうは頑がんとして断ことわり、ネーミングライツ以上いじょうのことはしなかった[41]。江藤えとうが企業きぎょうチームを探さがすというのを信しんじて、選手せんしゅは休業きゅうぎょう補償ほしょうをもらい、アルバイトをしながら[41]プレー。同年どうねんのクラブ選手権せんしゅけんで7年ねんぶり2度目どめの優勝ゆうしょうを達成たっせいし、MVPは捕手ほしゅの貝塚かいづか茂夫しげおが獲得かくとくするが、この時ときは女子じょし選手せんしゅの松本まつもと彩乃あやのが決勝けっしょうのウイニングボールを掴つかんでいた[41]。江藤えとうは以前いぜんより女子じょし野球やきゅうの普及ふきゅうにも注力ちゅうりょくをし、クラブチームに変かわったことを前向まえむきに捉とらえて、レッドソックスに女子じょし選手せんしゅも登録とうろくすることを考かんがえついた[41]。スポンサー企業きぎょう獲得かくとくに奔走ほんそうする一方いっぽうで、「沼津ぬまづで女子じょし野球やきゅうをやりませんか」という新聞しんぶん広告こうこくを打うつと、全国ぜんこくから、10名めい以上いじょうの選手せんしゅがテストを受うけにやって来きた。天城あまぎドームで行おこなわれたセレクションの結果けっか、このうちの4人にんを選手せんしゅ採用さいようし、春先はるさきから試合しあいに参加さんかさせていた。松本まつもとは女子じょし野球やきゅう部ぶのある金沢学院大学かなざわがくいんだいがくのOGであった[41]。1999年ねんからはマルハンがスポンサーに付つく動うごきもあったが立たち消ぎえになり、江藤えとうの奔走ほんそうも空むなしく、チームは同年どうねん限かぎりで活動かつどうを終了しゅうりょう[41]。

講義こうぎの時間じかんは技術ぎじゅつ論ろんや野球やきゅう論ろんを徹底的てっていてきに教おしえ、チームがヤオハン→アムウェイと変かわっても『天城あまぎベースボールスクール』と墨すみで記しるした木製もくせいの手作てづくり感かん満載まんさいの看板かんばんは、寮りょうの入いり口くちから絶対ぜったい外はずさなかった[35]。

その他たの活動かつどうでは1993年ねんから岐阜ぎふ県けんスポーツ少年しょうねん団だん指導しどう員いんに終身しゅうしんしたほか、ブラジルでの野球やきゅう指導しどうやオーストラリアの野球やきゅうプロ化かにも尽力じんりょく。2001年ねんには自由じゆう連合れんごうの候補こうほとして第だい19回かい参議院さんぎいん議員ぎいん通常つうじょう選挙せんきょに比例ひれい代表だいひょう区くから出馬しゅつばするも落選らくせん。駿河台大学するがだいだいがく非常勤ひじょうきん講師こうし、特定とくてい非ひ営利えいり活動かつどう法人ほうじんワールドベースボールアカデミー理事りじ長ちょうも務つとめた。

省三しょうぞうが臨時りんじコーチを務つとめる三菱自動車みつびしじどうしゃ岡崎おかざきを数すう回かい指導しどうしたこともあったが、江藤えとうがある選手せんしゅに打撃だげきを教おしえているすぐ横よこで、選手せんしゅ同士どうしが揉もめて喧嘩けんかを始はじめてしまったことがあった。江藤えとうは日にち鉄てつ二に瀬せで濃こ人じんのスパルタ野球やきゅうを経験けいけんしていたが、その江藤えとうに「オレが教おしえている横よこで、殴なぐり合あいしているヤツがいる。こりゃ、すごいチームだな」と驚おどろかせるほど、その頃ころの三菱自動車みつびしじどうしゃ岡崎おかざきは血気けっき盛さかんな選手せんしゅの集あつまりであった[42]。

2003年ねん夏なつ頃ごろに脳のう梗塞こうそくで倒たおれて入院にゅういん、以後いごは寝ねたきりの生活せいかつであった。弟おとうとの省三しょうぞうによれば、入院にゅういんしてからは球界きゅうかい関係かんけい者しゃの見舞みまいを断ことわり続つづけて、親族しんぞくのみの訪問ほうもんだけ受うけ入いれていたとのことである。2008年ねん2月がつ28日にち午後ごご3時じ38分ふん、肝臓かんぞう癌がんのため東京とうきょう都内とないの病院びょういんで死去しきょ。葬儀そうぎ・告別こくべつ式しきは東京とうきょう都と桐ケ谷きりがや斎場さいじょうで行おこなわれた。葬儀そうぎ委員いいん長ちょうは渋沢しぶさわ良一りょういち元もとセ・リーグ事務じむ局長きょくちょう。喪主もしゅは三さん女じょが務つとめた。70歳さい没ぼつ。2010年ねん、野球やきゅう殿堂でんどう入はいり。

選手せんしゅとしての特徴とくちょう

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  • 背番号せばんごう8を長ながく背負せおったことから「エイトマン」の愛称あいしょうで呼よばれたほか、闘志とうし溢あふれる打撃だげきフォームや豪快ごうかいなスイングに、一塁いちるいへのヘッドスライディングなど、常つねに全力ぜんりょくを出だし切きるプレースタイルで「闘将とうしょう」と呼よばれた。
  • 「丁寧ていねいに打うつこと、特とくに最終さいしゅう打席だせきを大切たいせつに」をモットーに相手あいてチームの先発せんぱつローテーションを1ヶ月かげつ先さきまで予測よそくし、過去かこ数すう年間ねんかんのデータと付つき合あわせ、実践じっせん的てきバッティングを予習よしゅうするという細心さいしんにして根気こんき強つよい研究けんきゅうによる自信じしんに裏付うらづけられたバッティングであった[43]。
  • 球たまを捉とらえに行いくが下半身かはんしんは残のこり、踏ふみ込こんで半身はんしんに構かまえるとアウトコースが甘あまくなるため、外そとに逃にげる球たまでもバットの芯しんに当あたった。それを右手みぎてを返かえさないでヘッドを左中間さちゅうかんに持もって行いったが、打球だきゅうもまさに弾丸だんがんライナーで、遊撃手ゆうげきしゅが取とれると思おもってジャンプした球たまが加速かそくしてそのまま左翼さよく席せきに突つき刺ささったこともあった[44]。
  • 捕手ほしゅ出身しゅっしんで外野がいや守備しゅびは得意とくいとは言いえなかったが、強肩きょうけんには定評ていひょうがあり、1969年ねんには15補殺ほさつを記録きろくしている。

人物じんぶつ

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  • 日にち鉄てつ二瀬ふたせ時代じだい、江藤えとうは「自分じぶんは高校こうこうまでだったから3人にんの弟おとうとは大学だいがくを出だす」と月給げっきゅう11000円えんのうち、2/3の8000円えんを学費がくひとして実家じっかに送金そうきんしていた。また、中日ちゅうにち入団にゅうだん後ごも最初さいしょの給料きゅうりょうを全額ぜんがく実家じっかに送金そうきんしたが、あとで生活せいかつ費ひがないことに気きづき、5000円えんだけ送おくり返かえしてもらったという[5][45]。
  • 中日ちゅうにちの球団きゅうだん職員しょくいんを57年ねんに渡わたって務つとめあげた足あし木き敏郎としおは「野球やきゅう選手せんしゅに欠落けつらくしがちな社会しゃかい常識じょうしきもしっかり持もち合あわせた人ひとでした。マネージャーという立場たちば上じょう、江藤えとうからよく電話でんわがかかってきましたが、応対おうたいは実じつにていねいでした。『もしもし、足あし木きさんのお宅たくでしょうか。江藤えとうでございます」と名乗なのったあと、必かならず「いつもお世話せわになっております』と続つづけるのです」と振ふり返かえっており、他たの選手せんしゅは名乗なのると同時どうじに要件ようけんを話はなし出だすが、江藤えとうだけはベテランになっても年俸ねんぽうが上あがっても御礼おれいの言葉ことばが必かならずついた。容姿ようしや言動げんどうからは想像そうぞうできない繊細せんさいさや誠実せいじつを併あわせ持もっており、引退いんたい後ごも試合しあいのチケットなどを手配てはいすると必かならず毛筆もうひつで書かいた達筆たっぴつの礼状れいじょうが送おくられてきた。しかもそれらは書しょの作品さくひんの域いきに達たっしていたという[44]。
  • ギター演奏えんそうも得意とくいであり、メキシコのラテンソング「ラ・マラゲーニャ」というスペイン語ごの曲きょくを中なかでも得意とくいとした。物真似ものまねもうまく、大河内おおこうち傳次郎でんじろうの丹下たんげ左ひだり膳ぜんは宴席えんせきが最高さいこうに盛もり上あがった[44]。
  • 引退いんたい後ごは周囲しゅういの人間にんげんに野球やきゅうの学校がっこうとか、独立どくりつリーグとか、アメリカのマイナーリーグの選手せんしゅの育そだて方かたとかを熱心ねっしんに話はなしていたため、当時とうじは「夢見ゆめみる慎まきちゃん」というあだ名ながついた。省三しょうぞうは「だけど今いまは、もうそれが全部ぜんぶ実現じつげんしているじゃないですか。プロを目指めざす選手せんしゅ育成いくせいのチームやアイランドリーグやBCリーグもしっかりある。昔むかし、もしあの人ひとに財力ざいりょくがあって、もう少すこし理解りかい者しゃがいてうまくいったら、もっと早はやく、この環境かんきょうは整ととのっていたんじゃないでしょうか。」と振ふり返かえっている[44]。
  • 大西おおにし崇之たかゆきは「僕ぼくは高校こうこうを転校てんこうしたし、大学だいがくも中退ちゅうたいという波乱はらんに富とんだ野球やきゅう半生はんせいでしたが、天城あまぎにいたあの時代じだいにプロの野球やきゅう選手せんしゅとしての土台どだいを築きずいてもらいました。江藤えとうさんは気性きしょうが激はげしいイメージで語かたられているかもしれませんが、僕ぼくは厳きびしいとか、怖こわいとか思おもったことは一いち度どもないですよ。"親父おやじ"といつも呼よんでいました」と振ふり返かえっており、中日ちゅうにちでの現役げんえき時代じだい、神宮じんぐうでの試合しあい前まえに解説かいせつの仕事しごとでグランドに降おりていた江藤えとうを見みかけた星野ほしの仙せん一いち監督かんとくが「おい、大西おおにし!お前まえがプロに入いれたのはあの人ひとのおかげやろ。挨拶あいさつしてこい」と声こえをかけてきたこともあった[44]。
  • 落合おちあい博満ひろみつがロッテから中日ちゅうにちに移籍いせきした1年ねん目めの1987年ねん、江藤えとうと広野ひろの功いさお（1984年ねん - 1986年ねんに打撃だげきコーチとして落合おちあいを指導しどう）には心しんを許ゆるし、報道陣ほうどうじんシャットアウトの打撃だげき練習れんしゅう場じょうに入いれていた[46]。
  • 2001年ねん2月がつには大西おおにしと岡本おかもと、ヤオハン時代じだい二に人にんの教おしえ子ごを訪たずねにキャンプ先さきのホテルに現あらわれた[35]。昼食ちゅうしょくの時間じかんに「飯めし食くおう」と言いって、昼間ひるまにホテルの1階かいの選手せんしゅ全員ぜんいんが通とおるところで、いきなりビール大だいジョッキを注文ちゅうもん[35]。岡本おかもとは後のちに「ああ中日ちゅうにちはやっぱりこの人ひとのホームなんだなと思おもいました」と振ふり返かえっている[35]。

詳細しょうさい情報じょうほう

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年度ねんど別べつ打撃だげき成績せいせき

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年とし

度ど		 球たま

団だん		 試ためし

合ごう		 打だ

席せき		 打だ

数かず		 得とく

点てん		 安やす

打だ		 二に
塁るい
打だ		 三さん
塁るい
打だ		 本ほん
塁るい
打だ		 塁るい

打だ		 打だ

点てん		 盗ぬすめ

塁るい		 盗ぬすめ
塁るい
死し		 犠

打だ		 犠

飛ひ		 四よん

球たま		 敬けい

遠とお		 死し

球たま		 三さん

振ふ		 併
殺ころせ
打だ		 打だ

率りつ		 出で
塁るい
率りつ		 長なが
打だ
率りつ		 O
P
S
1959 中日ちゅうにち 130 529 495 52 139 19 3 15 209 84 13 12 0 4 27 5 3 58 9 .281 .319 .422 .742
1960 130 474 429 48 108 19 2 14 173 61 7 11 0 4 36 5 5 49 8 .252 .314 .403 .718
1961 130 540 480 50 128 17 1 20 207 77 4 8 4 8 46 6 2 48 10 .267 .328 .431 .760
1962 133 562 493 74 142 13 0 23 224 61 4 4 1 5 60 5 3 61 4 .288 .365 .454 .820
1963 140 583 510 72 148 26 0 25 249 70 12 7 0 5 61 13 7 50 9 .290 .370 .488 .859
1964 140 527 468 57 151 21 0 21 235 72 5 1 0 6 47 6 6 43 13 .323 .387 .502 .889
1965 129 529 443 75 149 22 2 29 262 74 6 3 0 2 81 18 3 36 13 .336 .440 .591 1.032
1966 102 413 364 51 117 16 1 26 213 91 1 1 0 2 43 15 4 30 9 .321 .397 .585 .982
1967 132 553 481 85 133 20 1 34 257 78 6 6 0 4 64 14 4 49 9 .277 .363 .534 .898
1968 131 535 487 80 147 29 1 36 286 93 7 3 0 2 40 5 6 59 12 .302 .361 .587 .948
1969 119 497 436 51 122 20 2 25 221 84 1 3 0 6 51 9 4 52 10 .280 .356 .507 .863
1970 ロッテ 72 181 146 21 42 4 0 11 79 31 1 1 0 3 30 3 2 23 6 .288 .409 .541 .950
1971 114 446 389 57 131 8 1 25 216 91 3 1 0 6 49 5 2 41 15 .337 .408 .555 .963
1972 大洋たいよう 103 309 276 37 69 9 0 18 132 51 0 0 0 2 29 3 2 35 8 .250 .324 .478 .802
1973 111 405 365 30 103 7 0 15 155 44 2 3 0 1 38 5 1 33 20 .282 .351 .425 .775
1974 111 403 378 34 110 11 0 16 169 67 3 0 0 1 24 1 0 30 13 .291 .333 .447 .780
1975 太平洋たいへいよう 88 324 302 28 69 11 1 8 106 36 2 1 0 2 17 0 3 31 12 .228 .275 .351 .626
1976 ロッテ 69 237 214 22 49 2 0 6 69 24 1 2 0 4 18 0 1 24 6 .229 .287 .322 .609
通算つうさん：18年ねん 2084 8047 7156 924 2057 274 15 367 3462 1189 78 67 5 67 761 118 58 752 186 .287 .358 .484 .841
  • 各かく年度ねんどの太字ふとじはリーグ最高さいこう

年度ねんど別べつ監督かんとく成績せいせき

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年度ねんど チーム 順位じゅんい 試合しあい 勝利しょうり 敗戦はいせん 引分ひきわけ 勝率しょうりつ ゲーム差さ チーム
本塁打ほんるいだ		 チーム
打率だりつ		 チーム
防御ぼうぎょ率りつ		 年齢ねんれい
1975年ねん 太平洋たいへいよう 3位い 130 58 62 10 .483 2位い・4位い 135 .261 3.73 38歳さい
  • 1975年ねんから1996年ねんまでは130試合しあい制せい
  • 1973年ねんから1982年ねんまでは前ぜん後期こうき制せいのため、ゲーム差さ欄らんは前期ぜんき、後期こうき順位じゅんいの順じゅんに表示ひょうじ

タイトル

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表彰ひょうしょう

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記録きろく

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初はつ記録きろく
節目ふしめの記録きろく
  • 100本塁打ほんるいだ：1964年ねん4月がつ5日にち、対たい阪神はんしんタイガース2回戦かいせん（中日ちゅうにちスタヂアム）、9回かい裏うらに村山むらやま実みのるから左ひだり越えつソロ ※史上しじょう35人にん目め
  • 150本塁打ほんるいだ：1966年ねん5月がつ3日にち、対たい読売よみうりジャイアンツ4回戦かいせん（後楽園こうらくえん球場きゅうじょう）、1回かい表ひょうに中村なかむら稔みのるから左ひだり越えつ先制せんせい決勝けっしょう2ラン ※史上しじょう21人にん目め
  • 1000安打あんだ：1966年ねん6月がつ26日にち、対たい大洋たいようホエールズ11回戦かいせん（川崎球場かわさききゅうじょう）、6回かい表ひょうに平岡ひらおか一郎いちろうから中前ちゅうぜん安打あんだ ※史上しじょう24人にん目め
  • 1000試合しあい出場しゅつじょう：1966年ねん8月がつ4日にち、対たい読売よみうりジャイアンツ16回戦かいせん（中日ちゅうにちスタヂアム）、4番ばん・左翼さよく手しゅで先発せんぱつ出場しゅつじょう ※史上しじょう114人にん目め
  • 200本塁打ほんるいだ：1967年ねん9月がつ19日にち、対たい読売よみうりジャイアンツ21回戦かいせん（後楽園こうらくえん球場きゅうじょう）、7回かい表ひょうに中村なかむら稔みのるから左ひだり越こし3ラン ※史上しじょう15人にん目め
  • 250本塁打ほんるいだ：1969年ねん5月がつ25日にち、対たい読売よみうりジャイアンツ6回戦かいせん（中日ちゅうにちスタヂアム）、3回かい裏うらに高橋たかはし一三かずみから左ひだり越こし3ラン ※史上しじょう7人にん目め
  • 1500安打あんだ：1970年ねん8月がつ16日にち、対たい西鉄にしてつライオンズ18回戦かいせん（小倉おぐら球場きゅうじょう）、4回かい表ひょうに後藤ごとう清きよしから三塁さんるい内野ないや安打あんだ ※史上しじょう26人にん目め
  • 1500試合しあい出場しゅつじょう：1971年ねん4月がつ29日にち、対たい南海なんかいホークス4回戦かいせん（大阪おおさか球場きゅうじょう）、4番ばん・一塁いちるい手しゅで先発せんぱつ出場しゅつじょう ※史上しじょう37人にん目め
  • 300本塁打ほんるいだ：1971年ねん8月がつ5日にち、対たい東映とうえいフライヤーズ17回戦かいせん（東京とうきょうスタジアム）、2回かい裏うらに柳田やなぎだ豊ゆたかから先制せんせいソロ ※史上しじょう6人にん目め
  • 1000打点だてん：1972年ねん7月がつ16日にち、対たい広島東洋ひろしまとうようカープ16回戦かいせん（青森あおもり県営けんえい野球やきゅう場じょう）、9回かい裏うらに大石おおいし弥太郎やたろうから右前みぎまえ適時てきじ打だ ※史上しじょう9人にん目め
  • 3000塁打るいだ：1973年ねん5月がつ26日にち、対たい読売よみうりジャイアンツ7回戦かいせん（川崎球場かわさききゅうじょう）、4回かい裏うらに関本せきもと四よん十じゅう四よんから右前みぎまえ安打あんだ ※史上しじょう9人にん目め
  • 350本塁打ほんるいだ：1974年ねん9月がつ23日にち、対たいヤクルトスワローズ23回戦かいせん（川崎球場かわさききゅうじょう）、4回かい裏うらに松岡まつおか弘ひろしからソロ ※史上しじょう6人にん目め
  • 2000試合しあい出場しゅつじょう：1975年ねん8月がつ27日にち、対たい日本にっぽんハムファイターズ後期こうき11回戦かいせん（平和へいわ台だい球場きゅうじょう）、5番ばん・指名しめい打者だしゃで先発せんぱつ出場しゅつじょう ※史上しじょう10人にん目め
  • 2000安打あんだ：1975年ねん9月がつ6日にち、対たい近鉄きんてつバファローズ後期こうき7回戦かいせん（藤井寺ふじいでら球場きゅうじょう）、9回かい表ひょうに柳田やなぎだ豊ゆたかから右翼うよく線せん二塁打にるいだ ※史上しじょう9人にん目め
その他たの記録きろく

背番号せばんごう

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  • 8（1959年ねん - 1969年ねん、1972年ねん - 1974年ねん）
  • 12（1970年ねん - 1971年ねん、1975年ねん - 1976年ねん）

関連かんれん情報じょうほう

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出演しゅつえん番組ばんぐみ

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主おもな著書ちょしょ

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  • 闘将とうしょう 火ひと燃もえて～山賊さんぞく軍団ぐんだんを率ひきいる男おとこの履歴りれき書しょ～（1975年ねん、鷹たか書房しょぼう）
  • はばたけ少年しょうねん野球やきゅう～950万まん球児きゅうじの青空あおぞら学校がっこう～（1982年ねん、広済堂こうさいどう）
  • 野球やきゅうは根性こんじょうやない（1986年ねん、大和やまと書房しょぼう）

関連かんれん書籍しょせき　

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脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 大沢おおさわがロッテの監督かんとくだった時代じだいの経営けいえい陣じんが、球団きゅうだん運営うんえい会社かいしゃだった福岡ふくおか野球やきゅうの経営けいえいにあたっていた。太平洋たいへいようは江藤えとうの解任かいにん後ごにも再度さいど大沢おおさわに打診だしんして決きまりかけていたが、結果けっか的てきに日本にほんハムの監督かんとくに就任しゅうにんした。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c 『ベースボールマガジン 2013年ねん9月がつ号ごう 「黄金おうごんルーキーの肖像しょうぞう 野球やきゅう職人しょくにんニックネームが語かたる個性こせい派は群像ぐんぞう 江藤えとう慎一しんいち 「闘将とうしょう」』ベべースボすぼール・マガジン社るまがじんしゃ、30–33頁ぺーじ頁ぺーじ。 
  2. ^ 木村きむら元彦もとひこ (2022年ねん3月がつ10日とおか). “権藤ごんどう博ひろしが語かたる、王おう貞治さだはると江藤えとう慎一しんいちとの打撃だげきの共通きょうつう点てん。「生いき残のこるために変化へんかを恐おそれない」”. web Sportiva. 集英社しゅうえいしゃ. 2022年ねん4月がつ13日にち閲覧えつらん。
  3. ^ 薮下やぶした哲司てつし『宝塚歌劇たからづかかげき支局しきょく 1』青あお弓ゆみ社しゃ、2005年ねん10月がつ19日にち、147頁ぺーじ。ISBN 4-7872-7203-9。 
  4. ^ a b c 越智おち正ただし典てん「ネット裏うら」『九州きゅうしゅうスポーツ』2015年ねん3月がつ19日にち付づけ
  5. ^ a b 『プロ野球やきゅうを創つくった名めい選手せんしゅ・異色いしょく選手せんしゅ400人にん』338-339頁ぺーじ
  6. ^ 『プロ野球やきゅう三国志さんごくし』131頁ぺーじ
  7. ^ スポーツニッポン、古こ葉は竹ちく識の我わが道みち(7)、2016年ねん11月7日にち
  8. ^ 「日本にっぽん社会しゃかい人じん野球やきゅう協会きょうかい十じゅう年ねんの歩あゆみ」日本にっぽん社会しゃかい人じん野球やきゅう協会きょうかい 1959年ねん
  9. ^ スポーツニッポン、古こ葉は竹ちく識の我わが道みち(8)、2016年ねん11月8日にち
  10. ^ a b c 杉下すぎした茂しげる著ちょ『伝つたえるII：プロ野球やきゅう 努力どりょくの神様かみさまたち』（中日新聞社ちゅうにちしんぶんしゃ、2013年ねん11月）ISBN 9784806206590、P227－228
  11. ^ a b 江藤えとう慎一しんいち、全ぜん本塁打ほんるいだ一覧いちらん（前編ぜんぺん・1959～1967）｜本塁打ほんるいだ大全たいぜん
  12. ^ 『プロ野球やきゅうトレード光こうと陰かげ』58頁ぺーじ
  13. ^ 『プロ野球やきゅうトレード光こうと陰かげ』60-61頁ぺーじ
  14. ^ 『プロ野球やきゅうトレード光こうと陰かげ』65頁ぺーじ
  15. ^ a b 『プロ野球やきゅうトレード光こうと陰かげ』60頁ぺーじ
  16. ^ a b 江藤えとう慎一しんいち、全ぜん本塁打ほんるいだ一覧いちらん（後編こうへん・1968～1976、その他た）｜本塁打ほんるいだ大全たいぜん
  17. ^ a b c “【10月がつ６日にち】1971年ねん（昭あきら46）“闘将とうしょう”江藤えとう慎一しんいち、両りょうリーグ首位しゅい打者だしゃ確定かくてい 誕生たんじょう日びに非情ひじょう通告つうこく”. スポーツニッポン (2007年ねん10月がつ6日にち). 2012年ねん9月がつ12日にち閲覧えつらん。
  18. ^ “内川うちかわ、規定きてい打席だせき到達とうたつ…40年ねんぶり両りょうリーグ首位しゅい打者だしゃ当とう確かく”. スポすぽーツニッポン新聞社つにっぽんしんぶんしゃ (2011年ねん10月がつ14日にち). 2017年ねん12月24日にち閲覧えつらん。
  19. ^ a b 別冊べっさつ週刊しゅうかんベースボール冬季とうき号ごう『プロ野球やきゅうトレード史しII』、124ページ、ベべースボすぼール・マガジン社るまがじんしゃ、1991年ねん12月31日にち発行はっこう。
  20. ^ 近藤こんどう唯ゆい之これ『背番号せばんごうの消きえた人生じんせい―栄光えいこうの名めい選手せんしゅはいま……』新潮しんちょう文庫ぶんこ、1985年ねん11月1日にち、ISBN 4101322031、317頁ぺーじ
  21. ^ a b c d e f 【９月がつ６日にち】1975年ねん（昭あきら50）“山賊さんぞく”の親分おやぶん江藤えとう慎一しんいち　注目ちゅうもくされなかった2000本ほん安打あんだ
  22. ^ 週刊しゅうかんベースボール、2014年ねん6月がつ23日にち、P75、ベべースボすぼール・マガジン社るまがじんしゃ。
  23. ^ 『ライオンズ60年ねん史し―獅子ししの記憶きおくー「西鉄にしてつ」から「埼玉さいたま西武せいぶ」まで』ベべースボすぼール・マガジン社るまがじんしゃ、2010年ねん5月1日にち、ISBN 4583616856、121頁ぺーじ
  24. ^ 『野球やきゅう小僧こぞう 6月がつ号ごう 2012』白夜書房びゃくやしょぼう、p.209
  25. ^ 『九州きゅうしゅうライオンズ激闘げきとう史し―1950ー1978 (B・B MOOK 1123)』ベべースボすぼール・マガジン社るまがじんしゃ、2014年ねん、91頁ぺーじ。 
  26. ^ 週刊しゅうかんベースボール2023年ねん10月がつ23日にち号ごう、シリーズ連載れんさい『レジェンドを訪たずねる 昭和しょうわ世代せだいのい残いのこし 大田おおた卓司たくし・2』60頁ぺーじ
  27. ^ ベースボールマガジン2020年ねん6月がつ号ごう、伊原いはら春樹はるきの球界きゅうかい回顧かいこ録ろく第だい38回かい、追憶ついおくは回まわる右腕うわんとともに。回顧かいこテーマ、現役げんえき時代じだいの監督かんとく、95頁ぺーじ
  28. ^ a b c d 【８月がつ29日にち】1976年ねん(昭あきら51)　闘将とうしょう江藤えとう慎一しんいち　事実じじつ上じょう引退いんたい「コイツか言いうこと聞きいてくれん」
  29. ^ a b c d 週刊しゅうかんベースボール別冊べっさつ新緑しんりょく号ごう「[シリーズ]よみがえる1970年代ねんだいのプロ野球やきゅう PART.3 1976年ねん編へん」、2022年ねん3月31日にち、B09VTVWGBR、p56
  30. ^ 「週刊しゅうかんベースボール」1976年ねん9月がつ13日にち号ごう
  31. ^ a b c d e f g h i j k l m n o コーチには「絶対ぜったいに手てを上あげるな」昭和しょうわの時代じだいに暴力ぼうりょく禁止きんしを徹底てってい　江藤えとう慎一しんいちは日本にっぽん初はつの野球やきゅう学校がっこうを設立せつりつした
  32. ^ 『背番号せばんごうの消きえた人生じんせい』50-51頁ぺーじ
  33. ^ 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん 少年しょうねん軟式なんしき野球やきゅう国際こくさい交流こうりゅう協会きょうかい 沿革えんかく
  34. ^ 『プロ野球やきゅう三国志さんごくし』133頁ぺーじ
  35. ^ a b c d e f g h i j k 「落合おちあい博満ひろみつ監督かんとくと驚おどろくほど似にたような指導しどうを受うけた」江藤えとう慎一しんいちが最後さいごにプロに送おくり出だした岡本おかもと真しん也がその人柄ひとがらと特別とくべつな思おもいを語かたる
  36. ^ 野球やきゅう学校がっこう | 中日ちゅうにち映画えいが社しゃ
  37. ^ 猛虎もうこ人国記じんこくき（６０）～島根しまね県けん～ 苦労くろうも明あかるく乗のり越こえた福間ふくま納おさむ
  38. ^ a b c d e 江藤えとう慎一しんいちが野球やきゅう学校がっこうで教おしえていたこと 落合おちあい博満ひろみつは「あいつほど練習れんしゅうした奴やつはいない」 イチローは「トップが残のこっているからええんや」
  39. ^ a b 【私わたしの失敗しっぱい（１）】釜本かまもと邦茂くにしげ、サッカー選えらんだばかりに逃のがした？国民こくみん栄誉えいよ賞しょう
  40. ^ 第だい3回かい 釜本かまもと邦茂くにしげ（3）ボールを叩たたく力ちからを基礎きそに着実ちゃくじつに力ちからを蓄たくわえた大学だいがく時代じだい
  41. ^ a b c d e f g h i j k l m 江藤えとう慎一しんいちの晩年ばんねんはスポンサー探さがしに奔走ほんそう 所属しょぞく選手せんしゅの売うり込こみのため朝あさ６時半じはんにスカウトに電話でんわをかけ続つづけた
  42. ^ 堀井ほりい哲也てつや「エンジョイベースボールの真実しんじつ 球だま縁えんに導みちびかれた波瀾万丈はらんばんじょうの野球やきゅう道どう」ベべースボすぼール・マガジン社るまがじんしゃ、ISBN 4583114281、2021年ねん12月28日にち、p125-126
  43. ^ 江藤えとう 慎一しんいち | 日本にっぽんプロ野球やきゅう名球会めいきゅうかい
  44. ^ a b c d e 王おう貞治さだはるが「特別とくべつな存在そんざいだった」と讃たたえる男おとこ。江藤えとう慎一しんいちは史上しじょう初はじめて両りょうリーグで首位しゅい打者だしゃとなった
  45. ^ 「闘将とうしょう」セ・パで首位しゅい打者だしゃ　故こ・江藤えとう慎一しんいち氏し（野球やきゅう殿堂でんどう・エキスパート部門ぶもん） 朝日新聞あさひしんぶん
  46. ^ 梅田うめだ香子きょうこ 🇺🇸新刊しんかん「ヒトラーと握手あくしゅした日本にっぽんの少女しょうじょ 稲田いなだ悦子えつこ伝でん」

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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業績ぎょうせき
野球やきゅう殿堂でんどう表彰ひょうしょう者しゃ
競技きょうぎ者しゃ表彰ひょうしょう
1960年代ねんだい
1970年代ねんだい
1980年代ねんだい
1990年代ねんだい
2000年代ねんだい
プレーヤー
2000年代ねんだい
2010年代ねんだい
2020年代ねんだい
エキスパート
2000年代ねんだい
2010年代ねんだい
2020年代ねんだい
特別とくべつ表彰ひょうしょう
1950年代ねんだい
1960年代ねんだい
1970年代ねんだい
1980年代ねんだい
1990年代ねんだい
2000年代ねんだい
2010年代ねんだい
2020年代ねんだい
新しん世紀せいき
2000年代ねんだい
投手とうしゅ
打者だしゃ
1950年代ねんだい
1960年代ねんだい
1970年代ねんだい
1980年代ねんだい
1990年代ねんだい
2000年代ねんだい
2010年代ねんだい
2020年代ねんだい
1950年代ねんだい
1960年代ねんだい
1970年代ねんだい
1980年代ねんだい
1990年代ねんだい
2000年代ねんだい
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セントラル・リーグ ベストナイン（6回かい）
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