成瀬なるせ巳喜男みきお

なるせ みきお 成瀬なるせ 巳喜男みきお
生年月日せいねんがっぴ	(1905-08-20) 1905年ねん8月がつ20日はつか
没ぼつ年月日ねんがっぴ	(1969-07-02) 1969年ねん7月がつ2日にち（63歳さい没ぼつ）
出生しゅっしょう地ち	日本にっぽん・東京とうきょう府ふ四谷よつや （現げん：東京とうきょう都と新宿しんじゅく区く）
職業しょくぎょう	映画えいが監督かんとく
配偶はいぐう者しゃ	千葉ちば早智子さちこ （1937年ねん - 1940年ねん）
受賞じゅしょう ブルーリボン賞しょう 監督かんとく賞しょう 1952年ねん『稲妻いなづま』『おかあさん』 その他たの賞しょう 毎日まいにち映画えいがコンクール 監督かんとく賞しょう 1951年ねん『めし』 1955年ねん『浮雲うきぐも』

成瀬なるせ 巳喜男みきお（なるせ みきお、1905年ねん8月がつ20日はつか - 1969年ねん7月がつ2日にち）は、日本にっぽんの映画えいが監督かんとく。東京とうきょう府ふ（現げん東京とうきょう都と）四谷よつや出身しゅっしん。

経歴けいれき

成瀬なるせは1905年ねん8月がつ20日はつか、東京とうきょう都と四谷よつや区く谷町たにまちに縫箔ぬいはく職人しょくにんで、大名だいみょう成瀬なるせ氏し一族いちぞくである士族しぞくの父ちち・利三としみつと母はは・きなの間あいだに二男じなん一いち女じょの次男じなんとして生うまれた。生うまれたのが巳み年とし、巳みの月つき、巳みの日ひだったので「巳喜男みきお」と名付なづけられた。

鮫さめヶ橋きょう尋常じんじょう小学校しょうがっこうを卒業そつぎょう後ご、もともと家いえが貧まずしかったため、早はやく腕うでに職しょくをつけようと工手こうしゅ学校がっこう（現げん工学院大学こうがくいんだいがく）に入はいるが、父ちちが亡なくなって家計かけいが逼迫ひっぱくしたことで中退ちゅうたいした。1920年ねん、知人ちじんの紹介しょうかいで松竹しょうちく蒲田かまた撮影さつえい所しょに小道具こどうぐ係がかりとして入社にゅうしゃする。1922年ねん頃ころから池田いけだ義信よしのぶの助監督じょかんとくにつく。しかし、なかなか監督かんとくには昇進しょうしん出来できず、後ごから入社にゅうしゃした小津おつ安あん二郎じろうや清水しみず宏ひろしらが入社にゅうしゃして3・4年ねんで監督かんとくに昇進しょうしんする中なか、成瀬なるせもまだ五ご所しょ平之ひらの助すけの下したで指示しじを受うけており、都合つごう10年ねんもの下積したづみ時代じだいを過すごした。

1930年ねん、成瀬なるせは城戸きど四郎しろうが赤穂あかほ春雄はるお名義めいぎでシナリオを書かいた短篇たんぺんナンセンス喜劇きげき映画えいが『チャンバラ夫婦ふうふ』で監督かんとくデビューを果はたす。最初さいしょは短篇たんぺんのドタバタ喜劇きげきを手てがけていたが、1931年ねんの『腰弁こしべん頑張がんばれ』で認みとめられる。その後ご長篇ちょうへん作品さくひんも手てがけていき、1932年ねんの『蝕むしばめる春はる』でキネマ旬報きねまじゅんぽうベストテン第だい6位いに選えらばれ、期待きたいの若手わかて監督かんとくとして注目ちゅうもくされた。翌よく1933年ねんには『君きみと別わかれて』『夜よごとの夢ゆめ』を発表はっぴょうし、両りょう作さくともキネマ旬報きねまじゅんぽうベストテンに選えらばれて高たかい評価ひょうかを得える。

しかし監督かんとくに昇格しょうかくしても個室こしつも与あたえられず、他たの助監督じょかんとくたちとの大部屋おおべや暮くらしが続つづいた。しかも他たの監督かんとくたちが拒こばんだ脚本きゃくほんで映画えいがを撮とらされ、「これを撮とったら、次つぎは好すきなのを撮とらせてやる」という約束やくそくも何なん度ども反故ほごにされた。そこへ成瀬なるせは東宝とうほうの前身ぜんしんであるPCLから引ひき抜ぬきの話はなしが入はいり、移籍いせきを決心けっしんする。それを知しった小津おつ安あん二郎じろうは「それも良いし」と日記にっきに書かいている。また成瀬なるせはこの時期じき、後ごの東宝とうほうで成瀬なるせの映画えいがを多数たすう製作せいさくすることになる藤本ふじもと真澄ますみとも知しりあうことになる。

1934年ねん、成瀬なるせは助監督じょかんとくの山本やまもと薩夫とともにPCLに移籍いせきして、初はつトーキー映画えいが『乙女おとめごころ三さん人にん姉妹しまい』（1935年ねん）を監督かんとくする。 次ついで監督かんとくを手掛てがけた、中野なかの実みのるの戯曲ぎきょく『女優じょゆうと詩人しじん』では無残むざんな失敗しっぱいを喫きっしたとの評価ひょうかを受うけも、3作さく目めの『妻つまよ薔薇ばらのやうに』（1935年ねん）では批評ひひょう家かから高たかい評価ひょうかを受うけて『キネマ旬報きねまじゅんぽう』ベスト1に選えらばれる。この作品さくひんは“Kimiko”という英えい題だいで1937年ねんにニューヨークで封切ふうぎられ、アメリカで興行こうぎょう上映じょうえいされた初はつの日本にっぽん映画えいがとなった。のちに『女優じょゆうと詩人しじん』『妻つまよ薔薇ばらのやうに』の主演しゅえん女優じょゆうの千葉ちば早智子さちこと1937年ねんに結婚けっこんして長男ちょうなんの隆司たかしが生うまれるが、3年ねん後ごの1940年ねんに離婚りこんした。一人ひとり息子むすこの隆司たかしは千葉ちばが引ひき取とって育そだてた。

大佛だいぶつ次郎じろう原作げんさくの『雪崩なだれ』（1937年ねん）では黒澤くろさわ明あきらが助監督じょかんとくを務つとめる。黒澤くろさわの自伝じでんには、「成瀬なるせさんにしても、物足ものたりない仕事しごとだったと思おもうが、それでも、私わたしには得える所ところが多おおかった。」の記載きさいがある。戦時せんじ下かでは『鶴づる八はち鶴次郎つるじろう』『歌うた行燈あんどん』『芝居しばい道どう』など「芸道げいどうもの」というジャンルで冴さえを見みせる。

戦争せんそう直後ちょくごは民主みんしゅ主義しゅぎ路線ろせん映画えいが『浦島うらしま太郎たろうの後裔こうえい』『俺おれもお前まえも』『春はるの目めざめ』といった映画えいがの監督かんとくを余儀よぎなくされる。同どう時期じきに東宝とうほう争議そうぎによって東宝とうほう撮影さつえい所しょの機能きのうが麻痺まひしたため、成瀬なるせも山本やまもと嘉次郎かじろう、黒澤くろさわ、谷口たにぐち千せん吉きちらと共ともに東宝とうほうを離はなれ、映画えいが芸術げいじゅつ協会きょうかいを設立せつりつ、フリーの立場たちばで東宝とうほう、新しん東宝とうほう、松竹しょうちく、大映だいえいなどで監督かんとくすることになる。

1951年ねん、林はやし芙美子ふみこ原作げんさく、原はら節子せつこと上原うえはら謙けん主演しゅえんの『めし』が高たかい評価ひょうかを受うけた。東宝とうほう復帰ふっき後ごの1955年ねんに監督かんとくした『浮雲うきぐも』は一般いっぱんに成瀬なるせの最高さいこう傑作けっさくとされている。

成瀬なるせは、林はやし原作げんさくの『稲妻いなづま』『妻つま』『晩ばん菊きく』『浮雲うきぐも』『放浪ほうろう記き』をはじめとして川端かわばた康成やすなり原作げんさくの『舞姫まいひめ』『山やまの音おと』、室生むろう犀星さいせい原作げんさくの『あにいもうと』『杏あんずっ子こ』といった純文学じゅんぶんがく作品さくひんから、石坂いしざか洋次郎ようじろう原作げんさくの『まごころ』『石いし中ちゅう先生せんせい行状ぎょうじょう記き』『くちづけ』といった大衆たいしゅう作品さくひんまで幅広はばひろいジャンルにわたる文芸ぶんげい映画えいがを中心ちゅうしんに、人間にんげんの細ささやかな情感じょうかんを何気なにげないやりとりで描えがききった。

成瀬なるせの遺作いさくは1967年ねん、司つかさ葉子ようこ、加山かやま雄三ゆうぞう主演しゅえんの『乱みだれ雲くも』であった。1969年ねん、成瀬なるせは直腸ちょくちょう癌がんのため63歳さいで没ぼっした。墓所はかしょは世田谷せたがや区く円光寺えんこうじ。なお、成瀬なるせは闘病とうびょう中ちゅうに見舞みまいに訪おとずれた高峰たかみね秀子ひでこに「白一色はくいっしょくの幕まくを背せにして高峰たかみね秀子ひでこが一人ひとり芝居しばいをする」という奇抜きばつな作品さくひんの構想こうそうを語かたったが、ついに実現じつげんしなかった。これについては、成瀬なるせと多おおくの作品さくひんでコンビを組くんだ名めいカメラマンの玉井たまい正夫まさおが後年こうねんのインタビューで、「その発言はつげんは、成瀬なるせさんが死しぬ間際まぎわに弱気よわきになっていたからこそ出でた言葉ことばですよ。成瀬なるせさんは、高峰たかみね秀子ひでこを個人こじん的てきには好すきではなかったですよ」という発言はつげんをしている。

成瀬なるせの生誕せいたん100周年しゅうねんにあたる2005年ねんには、DVDボックスのリリースや関連かんれん書籍しょせきの出版しゅっぱん、各地かくちの名画めいが座ざでの特集とくしゅう上映じょうえいなどが行おこなわれた。

作風さくふう

成瀬なるせは女性じょせい映画えいがの名手めいしゅとして知しられており、とくに高峰たかみね秀子ひでことのコンビによる多数たすうの作品さくひんを手てがける。また、小津おつ映画えいがによって神話しんわ化かされた原はらを『めし』『驟雨しゅうう』で起用きようし、市井しせいに生いきる飾かざらない妻つまの姿すがたを生いき生いきと演えんじさせた。

また幸田こうだ文あやが原作げんさくの『流ながれる』では高峰こうほうのほか、田中たなか絹代きぬよ、杉村すぎむら春子はるこ、山田やまだ五十鈴いすず、岡田おかだ茉莉子まりこ、中北なかきた千枝子ちえこ、そしてサイレント映画えいが女優じょゆうの大だい女優じょゆうである栗島くりしますみ子こが共演きょうえんを果はたしている。

他たに戦前せんぜんでは水みず久保くぼ澄子すみこ・忍しのぶ節子せつこ・入江いりえたか子こ・岡田おかだ嘉子よしこ、戦後せんごでは若山わかやまセツ子せつこ・杉すぎ葉子ようこ・久我くが美子よしこ・高峰たかみね三枝子みえこ・木暮こぐれ実千代みちよ・香川かがわ京子きょうこ・淡島あわしま千景ちかげ・新珠あらたま三千代みちよ・草笛くさぶえ光子こうし・有馬ありま稲子いねこ・団だん令子れいこ・水野みずの久美くみ・淡路あわじ恵子けいこ・司つかさ葉子ようこ・星ほし由里子ゆりこといった女優じょゆうが彼かれの映画えいがで輝かがやきを放はなっている。

スター男優だんゆうの意外いがいな起用きようにも長たけており、三船みふね敏郎としおも『石いし中ちゅう先生せんせい行状ぎょうじょう記き』『妻つまの心しん』で黒澤くろさわ映画えいがで見みせる男性だんせい的てき魅力みりょくとは異ことなる側面そくめんを見みせ、三さん國連こくれん太郎たろうは『夫婦ふうふ』『妻つま』で奇妙きみょうな味あじわいを残のこした。戦前せんぜんの松竹しょうちくのスターである上原うえはら謙けんも『めし』以降いこうの諸しょ作さくで、山村やまむら聰さとしとともに飾かざらない中年ちゅうねん男性だんせいの姿すがたを手堅てがたく演えんじ続つづけた。晩年ばんねんの『乱みだれる』と『乱みだれ雲くも』では、『若わか大将たいしょう』シリーズで人気にんき絶頂ぜっちょうだったスター加山かやまから繊細せんさいな演技えんぎを引ひき出だしたことも特筆とくひつに値あたいする。

また、小林こばやし桂樹けいじゅに殺人さつじん犯はんとして主役しゅやくを務つとめさせたり（『女おんなの中なかにいる他人たにん』）、その風貌ふうぼうから篤実とくじつ、凡庸ぼんような性格せいかくの役回やくまわりが多おおい加か東大とうだい介かいに結婚けっこん詐欺さぎ師し（『女おんなが階段かいだんを上のぼる時とき』）や若わかい女おんなと駆かけ落おちを繰くり返かえす亭主ていしゅ（『女おんなの座ざ』）を演えんじさせるなど、名めい脇役わきやくとして知しられる俳優はいゆうについても意外いがいな一いち面めんを引ひき出だしている。

数かずは少すくないが、『まごころ』『秀子ひでこの車掌しゃしょうさん』『なつかしの顔かお』『秋あき立たちぬ』など子こどもを主人公しゅじんこうとした情感じょうかん豊ゆたかな佳作かさくも手てがけている。特とくに『秋あき立たちぬ』は、主人公しゅじんこうに成瀬なるせ本人ほんにんの幼少ようしょう時代じだいが重かさねられているという意味いみでも、貴重きちょうな作品さくひんである。

成瀬なるせの映画えいがを支ささえていたのは東宝とうほうの映画えいが撮影さつえい所しょの優秀ゆうしゅうな人材じんざいによるところも大おおきく、それは美術びじゅつ監督かんとくを務つとめた中古ちゅうこ智さとしによる『成瀬なるせ巳喜男みきおの設計せっけい』に詳くわしい。成瀬なるせは美術びじゅつに中古ちゅうこ、撮影さつえいに玉井たまい正夫まさお、照明しょうめいに石井いしい長四郎ちょうしろう、録音ろくおんに下永しもなが尚なお、音楽おんがくに斎藤さいとう一郎いちろう、といった「成瀬なるせ組ぐみ」と呼よばれた固定こていスタッフでの作業さぎょうを好このみ、また彼かれらもそれぞれの持もつ一流いちりゅう以上いじょうの技術ぎじゅつで成瀬なるせのもとを支ささえた。脚本きゃくほんには水木みずき洋子ようこが多おおくの作品さくひんで貢献こうけんしている。

また成瀬なるせは非常ひじょうに時代じだい性せいを意識いしきした監督かんとくであり、作中さくちゅうにさりげなく当時とうじの世相せそうを盛もり込こむことが多おおかった。一いち例れいとして『乱みだれる』での個人こじん商店しょうてんとスーパーマーケットとの価格かかく競争きょうそうや、『妻つまとして女おんなとして』で妻つまや家族かぞくが「三種さんしゅの神器じんぎ」を欲ほしがるシーン、などがある。こうした設定せっていが伏線ふくせんとして、話はなしの本筋ほんすじに活いかされることも多おおい。

一方いっぽう、戦後せんごの作品さくひんでは街頭がいとうシーンでチンドン屋やが登場とうじょうすることが非常ひじょうに多おおい。ほとんどは話はなしに絡からむことがなく（『めし』でわずかに登場とうじょう人物じんぶつが言及げんきゅうする程度ていどである）BGMとしての意味合いみあいも兼かねていたが、成瀬なるせ自身じしんが特とくに好このんで取とり上あげていたと言いわれている。

成瀬なるせの映画えいがで国内外こくないがいを問とわず最もっとも高たかい評価ひょうかを受うけているのは『浮雲うきぐも』であるが、『浮雲うきぐも』はその重おもい雰囲気ふんいき、こってりとした画が調ちょうなどが成瀬なるせ作品さくひんとして異質いしつであり、『浮雲うきぐも』をして代表だいひょう作さくとするべきではないという意見いけんもある。成瀬なるせも『浮雲うきぐも』を自身じしんの最高さいこう傑作けっさくとは見みなしていなかったといわれている。

成瀬なるせはスタッフには慕したわれていたが、無口むくちな性格せいかくで付つき合あいをほとんど持もたなかった。情趣じょうしゅに富とんだやるせない作風さくふうのため、姓名せいめいをもじって「ヤルセナキオ」とあだ名なされた。成瀬なるせの下したで助監督じょかんとくの経験けいけんをし、自身じしんも成瀬なるせ映画えいがのファンであった石井いしい輝男てるおも成瀬なるせのことを大学だいがく教授きょうじゅのような物静ものしずかな人ひとと語かたっている。

映画えいが撮影さつえいは几帳面きちょうめんにおこなわれ（ただし撮影さつえいの段取だんどり、コンテニュイティは誰だれにも見みせず）、撮影さつえい予定よてい日数にっすう以内いないに必かならず納おさめ、また毎日まいにちの監督かんとくの作業さぎょう時間じかんは朝あさの9時じから夕方ゆうがたの4時じ45分ふんであり、近ちかくのレストランの定席じょうせきでコップ酒しゅを口くちにすると5時じの撮影さつえい所しょのサイレンが鳴なる、という撮とり方かただった。『秋あき立たちぬ』で助監督じょかんとくを務つとめた中野なかの昭あきら慶けいは、成瀬なるせの演出えんしゅつは即そく編集へんしゅうできるものとなっており、フィルムに無駄むだがなく勉強べんきょうになったと語かたっている。

評価ひょうか

成瀬なるせは国内こくないでは生前せいぜんから一定いっていの評価ひょうかを得えていたが、それは個性こせい的てきな映画えいが作家さっかというより、むしろ職人しょくにん監督かんとくとしてであった。

成瀬なるせに関かんしては、後のちに松竹まつたけ社長しゃちょうとなる蒲田かまた撮影さつえい所しょの城戸きど四郎しろう所長しょちょうが「小津おつは二に人にんいらない」と言いったという伝説でんせつがある。その小津おつは成瀬なるせが監督かんとくした『浮雲うきぐも』を「俺おれにはできないシャシンだ」と賛さんしている。また溝口みぞぐち健二けんじは「あの人ひとのシャシンはうまいことはうまいが、いつもキンタマが有ありませんね」と評ひょうしている。

かつて教おしえを受うけた石井いしい輝男てるおは不肖ふしょうの弟子でしと自みずから認みとめているが、「映画えいがは映画えいが館かんで上映じょうえいされる数すう週間しゅうかんだけの命いのちである」とする成瀬なるせの姿勢しせいに敬意けいいを払はらっていた。

黒澤くろさわ明あきらも自伝じでんの中なかで自身じしんが助監督じょかんとくについた『雪崩なだれ』の撮影さつえいでの成瀬なるせについて、撮影さつえい中ちゅうの時間じかんの使つかい方かたなど全まったく無駄むだが無なく「なにもかも自分じぶんでやってしまうので、助監督じょかんとくは手持てもち無沙汰ぶさただった」と振ふり返かえっている。また、成瀬なるせの監督かんとくとしての仕事しごと振ぶりについても「映画えいがのエキスパート」「その腕前うでまえの確たしかな事ことは、比類ひるいがない」と評ひょうしている。黒澤くろさわのスクリプターとして多おおくの黒澤くろさわ作品さくひんに参加さんかしている野上のかみ照代てるよは「黒澤くろさわさんが一番いちばん尊敬そんけいしてたのは間違まちがいなく成瀬なるせさん」と自著じちょに書かいている。

成瀬なるせの国際こくさい的てき名声めいせいが高たかまったのは死しから10年ねん以上いじょうもたってからで、川かわ喜多きたかしこのような熱心ねっしんな映画えいがファンの尽力じんりょくにより1983年ねんのロカルノ国際こくさい映画えいが祭さいで特集とくしゅう上映じょうえいプログラムが組くまれて以降いこうである。その後ご、1988年ねんでは香港ほんこん国際こくさい映画えいが祭さいで、1998年ねんにはサン・セバスティアン国際こくさい映画えいが祭さいで特集とくしゅう上映じょうえいが組くまれた。フランス映画えいが誌し『カイエ・デュ・シネマ』は、成瀬なるせのことを小津おつ、溝口みぞぐち、黒澤くろさわに次つぐ日本にっぽんの「第だい4の巨匠きょしょう」と讃たたえた。

1990年ねんには成瀬なるせの映画えいがの美術びじゅつを多数たすう担当たんとうした中古ちゅうこ智さとしと蓮實はすみ重彦しげひことのインタビュー『成瀬なるせ巳喜男みきおの設計せっけい』が筑摩書房ちくましょぼうから刊行かんこうされる。ジャン・ピエール・リモザン、レオス・カラックス、ダニエル・シュミット、エドワード・ヤンといった映画えいが監督かんとくたちが成瀬なるせに敬意けいいを表あらわしている。シュミットはドキュメンタリー映画えいが『書かかれた顔かお』で『晩ばん菊きく』の一部いちぶを引用いんようし、主演しゅえんの杉村すぎむらへのインタビューを果はたした。

成瀬なるせの系統けいとう的てきな評価ひょうかに関かんしては、長ながく「戦中せんちゅう戦後せんごにスランプの時期じきがあったが、『めし』を契機けいきに復活ふっかつを果はたし女性じょせい映画えいがの名手めいしゅとなった」とする意見いけんが支配しはい的てきであった。しかし、近年きんねんは戦中せんちゅう作品さくひんを中心ちゅうしんに評価ひょうかが向上こうじょうしつつある。

監督かんとく作品さくひん

1953年ねんまでの作品さくひんは著作ちょさく権けんの保護ほご期間きかんが完全かんぜんに終了しゅうりょうした（公開こうかい後ご50年ねんと監督かんとく死後しご38年ねんの両方りょうほうを満みたす）と考かんがえられている。このためいくつかの作品さくひんが、格安かくやすDVDで発売はつばいされている。

公開こうかい年ねん	作品さくひん名めい	製作せいさく / 配給はいきゅう	脚本きゃくほん、脚色きゃくしょく（原作げんさく）	主おもな出演しゅつえん者しゃ	上映じょうえい時間じかんほか
1930年ねん	チャンバラ夫婦ふうふ	松竹まつたけ蒲田かまた	赤穂あかほ春雄はるお	吉谷よしたに久雄ひさお、吉川よしかわ満子みつこ、青木あおき富夫とみお、若葉わかば信子のぶこ	白黒しろくろ サイレント
	純情じゅんじょう	松竹まつたけ蒲田かまた	水島みずしまあやめ	高尾たかお光子みつこ、小しょう藤田ふじた正一しょういち、武田たけだ春郎はるお、高松たかまつ栄子えいこ、月岡つきおか初子はつこ	白黒しろくろ サイレント
	不景気ふけいき時代じだい	松竹まつたけ蒲田かまた	柳井やない隆雄たかお	斎藤さいとう達雄たつお、青木あおき富夫とみお、坂本さかもと武たけし、小林こばやし十じゅう九きゅう二に、川崎かわさき弘子ひろこ	白黒しろくろ サイレント
	愛あいは力ちからだ	松竹まつたけ蒲田かまた	柳井やない隆雄たかお	木村きむら健児けんじ、結城ゆうき一朗いちろう、高松たかまつ栄子えいこ、関せき時男ときお、武田たけだ春郎はるお、川崎かわさき弘子ひろこ、井沢いざわ新一郎しんいちろう、毛利もうり輝夫てるお、龍田たつた静江しずえ、坂本さかもと武たけし、吉川よしかわ満子みつこ	白黒しろくろ サイレント
	押切おしきり新婚しんこん記き	松竹まつたけ蒲田かまた	池田いけだ忠雄ただお	毛利もうり輝夫てるお、吉谷よしたに久雄ひさお、大国おおくに一郎いちろう、酒井さかい啓之ひろゆき輔、松葉まつばみどり、青山あおやま万里子まりこ	白黒しろくろ サイレント
1931年ねん	ねえ興奮こうふんしちゃいやよ	松竹まつたけ蒲田かまた	池田いけだ忠雄ただお	横尾よこお泥海どろうみ男おとこ、吉川よしかわ英えい蘭らん、原はら純子じゅんこ、関せき時男ときお、若水わかみず照子てるこ	白黒しろくろ サイレント
	二に階かいの悲鳴ひめい	松竹まつたけ蒲田かまた	成瀬なるせ巳喜男みきお	吉谷よしたに久雄ひさお、若葉わかば信子のぶこ、山口やまぐち勇いさむ、藤松ふじまつ正太郎しょうたろう、藤見ふじみときわ	白黒しろくろ サイレント
	腰弁こしべん頑張がんばれ	松竹まつたけ蒲田かまた	成瀬なるせ巳喜男みきお	山口やまぐち勇いさむ、浪花なにわ友子ゆうこ、加藤かとう精一せいいち、明山めいさん静江しずえ、菅原すがわら秀雄ひでお、関せき時男ときお	白黒しろくろ サイレント
	浮気うわきは汽車きしゃに乗のって	松竹まつたけ蒲田かまた	成瀬なるせ巳喜男みきお	山口やまぐち勇いさむ、浪花なにわ友子ゆうこ、葉山はやま正雄まさお、金井かない光義みつよし、高松たかまつ栄子えいこ、加藤かとう精一せいいち、吉川よしかわ英えい蘭らん、若水わかみず照子てるこ	白黒しろくろ サイレント
	髭ひげの力ちから	松竹まつたけ蒲田かまた	成瀬なるせ巳喜男みきお	宮島みやじま健一けんいち、浪花なにわ友子ゆうこ、突貫とっかん小僧こぞう、谷たに麗うらら光こう、酒井さかい啓之ひろゆき輔	白黒しろくろ サイレント
	隣となりの屋根やねの下した	松竹まつたけ蒲田かまた	木村きむら義勇よしたけ	小倉おぐら繁しげる、浪花なにわ友子ゆうこ、一木いちき歓、清川きよかわ好子よしこ、坂本さかもと武たけし	白黒しろくろ サイレント
1932年ねん	女おんなは袂たもとを御ご用心ようじん	松竹まつたけ蒲田かまた	成瀬なるせ巳喜男みきお	大山おおやま健二けんじ、小倉おぐら繁しげる、兵藤ひょうどう静枝しずえ、仲なか英之助えいのすけ、光ひかり川がわ京子きょうこ	白黒しろくろ サイレント
	青空あおぞらに泣なく	松竹まつたけ蒲田かまた	水島みずしまあやめ	菅原すがわら秀雄ひでお、高尾たかお光子みつこ、突貫とっかん小僧こぞう、野寺のでら正一しょういち、富士ふじ龍子りゅうこ、小林こばやし十じゅう九きゅう二に	白黒しろくろ サイレント
	偉えらくなれ	松竹まつたけ蒲田かまた	成瀬なるせ巳喜男みきお	小倉おぐら繁しげる、浪花なにわ友子ゆうこ、突貫とっかん小僧こぞう、曾我そが修おさむ、谷たに麗うらら光こう、葉山はやま正雄まさお	白黒しろくろ サイレント
	チョコレートガール	松竹まつたけ蒲田かまた	永見ながみ隆二りゅうじ	水みず久保くぼ澄子すみこ、富士ふじ龍子りゅうこ、突貫とっかん小僧こぞう、結城ゆうき一朗いちろう、新井あらい淳あつし、加賀かが晃二こうじ、大山おおやま健二けんじ、小倉おぐら繁しげる	白黒しろくろ サイレント
	生なさぬ仲なか	松竹まつたけ蒲田かまた	野田のだ高梧こうご（原作げんさく・柳川やながわ春葉しゅんよう）	奈良なら真しん養やしなえ、筑波つくば雪子ゆきこ、小島こじま寿子ひさこ、葛城かつらぎ文子ふみこ、岡おか譲二じょうじ、岡田おかだ嘉子よしこ、結城ゆうき一朗いちろう、阿部あべ正三郎しょうざぶろう、突貫とっかん小僧こぞう	白黒しろくろ サイレント
	菓子かしのある東京とうきょう風景ふうけい	（明治製菓めいじせいか）		（委託いたく宣伝せんでん映画えいが）	白黒しろくろ サイレント
1933年ねん	君きみと別わかれて	松竹まつたけ蒲田かまた	成瀬なるせ巳喜男みきお	吉川よしかわ満子みつこ、磯野いその秋雄あきお、水みず久保くぼ澄子すみこ、河村かわむら黎はじむ吉きち、富士ふじ龍子りゅうこ、藤田ふじた陽子ようこ、突貫とっかん小僧こぞう、関口せきぐち小太郎こたろう、若宮わかみや満みつる、小しょう藤田ふじた正一しょういち、新井あらい淳あつし、飯田いいだ蝶子ちょうこ	白黒しろくろ サイレント
	夜よごとの夢ゆめ	松竹まつたけ蒲田かまた	池田いけだ忠雄ただお	栗島くりしますみ子こ、小島こじま照子てるこ、斎藤さいとう達雄たつお、新井あらい淳あつし、吉川よしかわ満子みつこ、坂本さかもと武たけし、大山おおやま健二けんじ、小倉おぐら繁しげる、飯田いいだ蝶子ちょうこ	白黒しろくろ サイレント
	僕ぼくの丸髷まるまげ	松竹まつたけ蒲田かまた	斎藤さいとう良輔りょうすけ	藤井ふじい貢みつぐ、水みず久保くぼ澄子すみこ、新井あらい淳あつし、野村のむら秋生あきお、香取かとり千代子ちよこ、日守ひもり新一しんいち、谷たに麗うらら光こう、大国おおくに一朗いちろう	白黒しろくろ サイレント
	双眸そうぼう	松竹まつたけ蒲田かまた	柳井やない隆雄たかお	岩田いわた祐吉ゆうきち、田中たなか絹代きぬよ、逢初夢子ゆめこ、藤井ふじい貢みつぐ、岡おか譲二じょうじ、日守ひもり新一しんいち、新井あらい淳あつし、奈良なら真しん養やしなえ	白黒しろくろ サイレント
	謹賀きんが新年しんねん	松竹まつたけ蒲田かまた	（新年しんねん挨拶あいさつ）	大谷おおや竹次郎たけじろう（松竹しょうちく社長しゃちょう）、城戸きど四郎しろう（蒲田かまた撮影さつえい所しょ所長しょちょう）、蒲田かまた撮影さつえい所しょ専属せんぞく俳優はいゆう一同いちどう	白黒しろくろ
1934年ねん	限かぎりなき舗道ほどう	松竹まつたけ蒲田かまた	池田いけだ富三とみぞう（原作げんさく・北村きたむら小松こまつ）	忍しのぶ節子せつこ、磯野いその秋雄あきお、山内やまうち光ひかり、若葉わかば信子のぶこ、葛城かつらぎ文子ふみこ、日守ひもり新一しんいち、香取かとり千代子ちよこ、結城ゆうき一朗いちろう、井上いのうえ雪子ゆきこ、松園まつぞの富士子ふじこ、谷たに麗うらら光こう、突貫とっかん小僧こぞう、坂本さかもと武たけし	白黒しろくろ サイレント
1935年ねん	乙女おとめごころ三さん人にん姉妹しまい	PCL	成瀬なるせ巳喜男みきお	細川ほそかわちか子こ、堤つつみ真佐子まさこ、梅園うめぞの竜子りゅうこ、林はやし千歳ちとせ、松本まつもと千里せんり、三條さんじょう正子まさこ、松本まつもと万里ばんり代だい、大川おおかわ平八郎へいはちろう、滝沢たきざわ脩おさむ	白黒しろくろ
	女優じょゆうと詩人しじん	PCL	永見ながみ柳やなぎ二に（原作げんさく・中野なかの実みのる）	宇留木き浩ひろし、千葉ちば早智子さちこ、藤原ふじわら釜がま足あし、戸田とだ春子はるこ、三さん遊ゆう亭てい金きん馬ば、佐伯さえき秀男ひでお、神田かんだ千鶴子ちづこ	白黒しろくろ
	妻つまよ薔薇ばらのやうに	PCL	成瀬なるせ巳喜男みきお	千葉ちば早智子さちこ、丸山まるやま定夫さだお、英えい百合子ゆりこ、伊藤いとう智子さとこ、堀越ほりこし節子せつこ、藤原ふじわら釜がま足あし、細川ほそかわちか子こ、大川おおかわ平八郎へいはちろう、伊東いとう薫かおる	白黒しろくろ
	サーカス五ご人組にんぐみ	PCL	伊馬いま鵜平うへい 永見ながみ柳やなぎ二に（原作げんさく・古川緑波ふるかわろっぱ）	堤つつみ真佐子まさこ、梅園うめぞの龍子りゅうこ、大川おおかわ平八郎へいはちろう、宇留木き浩ひろし、藤原ふじわら釜がま足あし、リキー宮川みやがわ、御ご橋はし公こう、丸山まるやま定夫さだお、三条さんじょう正子まさこ、森野もりの鍛冶たんや哉、清川きよかわ虹にじ子こ、加賀かが晃二こうじ	白黒しろくろ
	噂うわさの娘むすめ	PCL	成瀬なるせ巳喜男みきお	汐見しおみ洋ひろし、御ご橋はし公こう、千葉ちば早智子さちこ、藤原ふじわら釜がま足あし、大川おおかわ平八郎へいはちろう	白黒しろくろ
1936年ねん	桃中軒とうちゅうけん雲右衛門くもえもん	PCL	成瀬なるせ巳喜男みきお（原作げんさく・真山まやま青果せいか）	月形つきがた龍之介りゅうのすけ、細川ほそかわちか子こ、千葉ちば早智子さちこ、藤原ふじわら釜がま足あし、伊藤いとう薫かおる、三島みしま雅夫まさお、市川いちかわ朝ちょう太郎たろう、小杉こすぎ義男よしお、御ご橋はし公こう、伊達だて信しん	白黒しろくろ
	君きみと行いく路みち	PCL	成瀬なるせ巳喜男みきお（原作げんさく・三宅みやけ由岐子ゆきこ）	大川おおかわ平八郎へいはちろう、佐伯さえき秀男ひでお、清川きよかわ玉枝たまえ、藤原ふじわら釜がま足あし、高尾たかお光子みつこ、山懸やまがた直ただし代だい、堤つつみ真佐子まさこ	白黒しろくろ
	朝あさの並木なみき路ろ	PCL	成瀬なるせ巳喜男みきお	千葉ちば早智子さちこ、御ご橋はし公こう、山口やまぐちミサヲ、清川きよかわ玉枝たまえ、大川おおかわ平八郎へいはちろう、三島みしま雅夫まさお、赤木あかぎ蘭子らんこ、伊達だて里子さとこ、清川きよかわ虹にじ子こ、夏目なつめ初子はつこ、小沢おざわ栄太郎えいたろう	白黒しろくろ
1937年ねん	女人にょにん哀愁あいしゅう	PCL、東宝とうほう 入江いりえプロ	成瀬なるせ巳喜男みきお 田中たなか千せん禾夫	入江いりえたか子こ、堤つつみ真佐子まさこ、沢さわ蘭子らんこ、清川きよかわ玉枝たまえ、初瀬はつせ浪子なみこ、伊藤いとう薫かおる、御ご橋はし公こう、佐伯さえき秀男ひでお、北沢きたざわ彪ぴょう、大川おおかわ平八郎へいはちろう	白黒しろくろ
	雪崩なだれ	PCL、東宝とうほう	成瀬なるせ巳喜男みきお（原作げんさく・大佛だいぶつ次郎じろう）	佐伯さえき秀男ひでお、江戸川えどがわ蘭子らんこ、霧きり立たちのぼる、汐見しおみ洋ひろし、英えい百合子ゆりこ、丸山まるやま定夫さだお、三島みしま雅夫まさお、生方うぶかた明あきら	白黒しろくろ
	禍福かふく 前まえ篇へん	PCL、東宝とうほう	岩崎いわさき文隆ふみたか（原作げんさく・菊池きくち寛ひろし）	高田たかだ稔みのる、入江いりえたか子こ、竹久たけひさ千恵子ちえこ、逢初夢子ゆめこ、大川おおかわ平八郎へいはちろう	白黒しろくろ
	禍福かふく 後ご篇へん	PCL、東宝とうほう	岩崎いわさき文隆ふみたか（原作げんさく・菊池きくち寛ひろし）	高田たかだ稔みのる、入江いりえたか子こ、竹久たけひさ千恵子ちえこ、逢初夢子ゆめこ、大川おおかわ平八郎へいはちろう、北林きたばやし谷たに栄さかえ、清川きよかわ虹にじ子こ	白黒しろくろ
1938年ねん	鶴づる八はち鶴次郎つるじろう	東宝とうほう	成瀬なるせ巳喜男みきお（原作げんさく・川口かわぐち松太郎まつたろう）	長谷川はせがわ一夫かずお、山田やまだ五十鈴いすず、藤原ふじわら釜がま足あし、大川おおかわ平八郎へいはちろう、三島みしま雅夫まさお、横山よこやま運平うんぺい、中村なかむら健けん峯みね、柳谷やなぎや寛ひろし、山形やまがた凡平、福地ふくち悟朗ごろう	白黒しろくろ
1939年ねん	はたらく一家いっか	東宝とうほう	成瀬なるせ巳喜男みきお（原作げんさく・徳永とくなが直ただし）	徳川とくがわ夢ゆめ声ごえ、本間ほんま敦子あつこ、生方うぶかた明あきら、伊東いとう薫かおる、南みなみ青あお吉きち、平田ひらた武たけし、阪ばん東あずま精一郎せいいちろう、若葉わかば喜世子きよこ、大日方おびなた伝つたえ	白黒しろくろ
	まごころ	東宝とうほう	成瀬なるせ巳喜男みきお（原作げんさく・石坂いしざか洋次郎ようじろう）	高田たかだ稔みのる、村瀬むらせ幸子さちこ、悦えつちゃん、入江いりえたか子こ、加藤かとう照子てるこ、藤間とうま房子ふさこ、清川きよかわ荘司しょうじ	白黒しろくろ
1940年ねん	旅役者たびやくしゃ	東宝とうほう	成瀬なるせ巳喜男みきお（原作げんさく・宇井うい無む愁）	藤原ふじわら鶏太けいた、柳谷やなぎや寛ひろし、高勢たかせ実み乗じょう、清川きよかわ荘司しょうじ、御ご橋はし公こう、深見ふかみ泰三たいぞう、中村なかむら是ただし好こう、山根やまね寿子ひさこ、清川きよかわ玉枝たまえ、伊勢いせ杉子すぎこ	白黒しろくろ
1941年ねん	なつかしの顔かお	東宝とうほう	成瀬なるせ巳喜男みきお	馬野うまの都みやこ留子とめこ、花井はない蘭子らんこ、小高おだかたかし、清川きよかわ荘司しょうじ、原はら純じゅん彦、沢井さわい一郎いちろう、小高おだかまさる、榊さかき田た敬二けいじ	白黒しろくろ
	上海しゃんはいの月つき	東宝とうほう	山形やまがた雄ゆう策さく	山田やまだ五十鈴いすず、汪洋おうよう、里見さとみ藍子あいこ、大川おおかわ平八郎へいはちろう、佐伯さえき秀男ひでお、清川きよかわ荘司しょうじ、真木まき順じゅん、大日方おびなた伝つたえ	白黒しろくろ
	秀子ひでこの車掌しゃしょうさん	東宝とうほう	成瀬なるせ巳喜男みきお（原作げんさく・井伏いぶせ鱒二ますじ）	高峰たかみね秀子ひでこ、藤原ふじわら鶏太けいた、夏川なつかわ大二郎だいじろう、清川きよかわ玉枝たまえ、勝見かつみ庸太郎ようたろう、未み鮫さめ洲しゅう	白黒しろくろ
1942年ねん	母ははは死しなず	東宝とうほう	猪俣いのまた勝人まさと	菅井すがい一郎いちろう、入江いりえたか子こ、斎藤さいとう英雄ひでお、小高おだかまさる、藤原ふじわら鶏太けいた、沢村さわむら貞子さだこ、轟とどろき夕起子ゆきこ、小高おだかたかし、鳥羽とば陽之助ようのすけ、清水しみず将夫まさお	白黒しろくろ
1943年ねん	歌うた行燈あんどん	東宝とうほう	久保田くぼた万太郎まんたろう（原作げんさく・泉いずみ鏡花きょうか）	花柳はなやぎ章太郎しょうたろう、柳やなぎ永二郎えいじろう、大矢おおや市次郎いちじろう、伊い志井しい寛ひろし、山田やまだ五十鈴いすず、瀬戸せと英一ひでかず、村田むらた正雄まさお、南みなみ一郎いちろう、吉岡よしおか啓あきら太郎たろう	白黒しろくろ
1944年ねん	愉たのしき哉人生せい	東宝とうほう	成瀬なるせ巳喜男みきお	柳家やなぎや金かね語ご楼ろう、山根やまね寿子ひさこ、中村なかむらメイコ、横山よこやまエンタツ、花岡はなおか菊子きくこ、渡辺わたなべ篤あつし、清川きよかわ玉枝たまえ、小高おだかたかし、鳥羽とば陽之助ようのすけ、三條さんじょう利とし喜き江こう、清川きよかわ荘司しょうじ	白黒しろくろ
	芝居しばい道どう	東宝とうほう	八はち住じゅう利雄としお	古川緑波ふるかわろっぱ、長谷川はせがわ一夫かずお、進藤しんどう英太郎えいたろう、阪ばん東橘ひがしたちばな之の助じょ、清川きよかわ荘司しょうじ、志村しむら喬たかし、大倉おおくら文雄ふみお、鬼頭おにがしら善一郎ぜんいちろう、鳥羽とば陽之助ようのすけ、山田やまだ五十鈴いすず	白黒しろくろ
1945年ねん	勝利しょうりの日ひまで	東宝とうほう	サトウ・ ハチロー	徳川とくがわ夢ゆめ声ごえ、古川緑波ふるかわろっぱ、高峰たかみね秀子ひでこ、山田やまだ五十鈴いすず、榎本えのもと健一けんいち、花菱はなびしアチャコ、横山よこやまエンタツ、市丸いちまる	白黒しろくろ
	三さん十じゅう三さん間あいだ堂どう通とおし矢や物語ものがたり	東宝とうほう	小国おぐに英雄ひでお	長谷川はせがわ一夫かずお、田中たなか絹代きぬよ、市川いちかわ扇おうぎ升ます、河野こうの秋あき武たけし、葛城かつらぎ文子ふみこ、田中たなか春男はるお、横山よこやま運平うんぺい、清川きよかわ玉枝たまえ、林はやし喜美子きみこ、三谷みたに幸子さちこ	白黒しろくろ
1946年ねん	浦島うらしま太郎たろうの後裔こうえい	東宝とうほう	八木やぎ隆一郎りゅういちろう	藤田ふじた進すすむ、中村なかむら伸郎のぶお、杉村すぎむら春子はるこ、高峰たかみね秀子ひでこ、三さん津田つだ健けん、山根やまね寿子ひさこ、菅井すがい一郎いちろう、龍りゅう岡おか晋すすむ、宮口みやぐち精二せいじ	白黒しろくろ
	俺おれもお前まえも	東宝とうほう 吉本よしもとプロ	成瀬なるせ巳喜男みきお	横山よこやまエンタツ、山根やまね寿子ひさこ、河野こうの糸子いとこ、落合おちあい富子とみこ、水谷みずたに史郎しろう、花菱はなびしアチャコ、田中たなか筆ふで子こ、篠原しのはら実みのる、菅井すがい一郎いちろう	白黒しろくろ
1947年ねん	四よっつの恋こいの物語ものがたり 第だい二に話わ　別わかれも愉たのし	東宝とうほう	小国おぐに英雄ひでお	木暮こぐれ実千代みちよ、沼崎ぬまざき勲いさお、英えい百合子ゆりこ、菅井すがい一郎いちろう、小林こばやし十じゅう九きゅう二に、竹久たけひさ千恵子ちえこ	白黒しろくろ
	春はるの目めざめ	東宝とうほう	八はち住じゅう利雄としお 成瀬なるせ巳喜男みきお	石黒いしぐろ達也たつや、杉村すぎむら春子はるこ、久我くが美子よしこ、志村しむら喬たかし、英えい百合子ゆりこ、壬生みぶ享子きょうこ、杉すぎ裕之ひろゆき、飯田いいだ蝶子ちょうこ	白黒しろくろ
1949年ねん	不良ふりょう少女しょうじょ	東横映画とうよこえいが 松竹しょうちく	成瀬なるせ巳喜男みきお	小杉こすぎ勇いさむ、吉川よしかわ満子みつこ、星ほし美千子みちこ、森もり雅之まさゆき、喜多川きたがわ千鶴ちづる、久我くが美子よしこ	白黒しろくろ
1950年ねん	石いし中ちゅう先生せんせい行状ぎょうじょう記き	新しん東宝とうほう 藤本ふじもとプロ	八木やぎ隆一郎りゅういちろう （原作げんさく・石坂いしざか洋次郎ようじろう）	宮田みやた重雄しげお、渡辺わたなべ篤あつし、進藤しんどう英太郎えいたろう、藤原ふじわら釜がま足あし、出雲いずも八重子やえこ、杉すぎ葉子ようこ、池部いけべ良りょう、三船みふね敏郎としお、飯田いいだ蝶子ちょうこ、若山わかやまセツ子せつこ、中北なかきた千枝子ちえこ	白黒しろくろ
	怒いかりの街まち	東宝とうほう 田中たなかプロ	成瀬なるせ巳喜男みきお 西にし亀ひさし元もと貞さだ	宇野うの重吉しげよし、原はら保美やすみ、東山ひがしやま千栄子ちえこ、村瀬むらせ幸子さちこ、若山わかやまセツ子せつこ、浜田はまだ百合ゆり、久我くが美子よしこ、志村しむら喬たかし、岸きし輝子てるこ、木村きむら功いさお、菅井すがい一郎いちろう	白黒しろくろ
	白しろい野獣やじゅう	東宝とうほう 田中たなかプロ	成瀬なるせ巳喜男みきお、西にし亀ひさし元もと貞さだ	山村やまむら聰さとし、飯野いいの公子きみこ、三浦みうら光子みつこ、北林きたばやし谷たに栄さかえ、木き匠たくみ久美子くみこ、登山とざん晴子はるこ、千せん石せき規子のりこ、岡田おかだ英次えいじ、中北なかきた千枝子ちえこ	白黒しろくろ
	薔薇ばら合戦かっせん	松竹しょうちく京都きょうと 映画えいが芸術げいじゅつ協会きょうかい	西にし亀ひさし元もと貞さだ （原作げんさく・丹羽にわ文雄ふみお）	三宅みやけ邦子くにこ、若山わかやまセツ子せつこ、桂木かつらぎ洋子ようこ、鶴田つるた浩二こうじ、安部あべ徹とおる、永田ながた光男みつお、若杉わかすぎ曜子ようこ、大坂おおさか志郎しろう、仁科にしな周しゅう芳かおる、進藤しんどう英太郎えいたろう	白黒しろくろ
1951年ねん	銀座ぎんざ化粧けしょう	伊藤いとうプロ 新しん東宝とうほう	岸きし松雄まつお （原作げんさく・井上いのうえ友一郎ともいちろう）	田中たなか絹代きぬよ、西久保にしくぼ好こう汎ひろし、花井はない蘭子らんこ、小杉こすぎ義男よしお、東野とうの英治郎えいじろう、津つ路ろ清子きよこ、香川かがわ京子きょうこ	白黒しろくろ
	舞姫まいひめ	東宝とうほう	新藤しんどう兼人かねと （原作げんさく・川端かわばた康成やすなり）	山村やまむら聰さとし、高峰たかみね三枝子みえこ、片山かたやま明彦あきひこ、岡田おかだ茉莉子まりこ、二本柳にほんやなぎ寛ひろし、見明みみょう凡太郎ろう、木村きむら功いさお、大谷おおや伶子れいこ、大川おおかわ平八郎へいはちろう、沢村さわむら貞子さだこ	白黒しろくろ
	めし	東宝とうほう	井手いで俊郎としお 田中たなか澄江すみえ （原作げんさく・林はやし芙美子ふみこ）	上原うえはら謙けん、原はら節子せつこ、島崎しまざき雪子ゆきこ、杉すぎ葉子ようこ、風見かざみ章子あきこ、杉村すぎむら春子はるこ、花井はない蘭子らんこ、二本柳にほんやなぎ寛ひろし、小林こばやし桂樹けいじゅ、大泉おおいずみ滉ひろし、進藤しんどう英太郎えいたろう、田中たなか春男はるお	白黒しろくろ
1952年ねん	お国くにと五平ごへい	東宝とうほう	八はち住じゅう利雄としお（原作げんさく・谷崎たにざき潤一郎じゅんいちろう）	木暮こぐれ実千代みちよ、大谷おおや友右衛門ともえもん、山村やまむら聰さとし、田崎たさき潤じゅん、三好みよし栄子えいこ、広瀬ひろせ嘉子よしこ、津つ路ろ京子きょうこ、柳谷やなぎや寛ひろし、藤原ふじわら釜がま足あし	白黒しろくろ
	おかあさん	新しん東宝とうほう	水木みずき洋子ようこ	田中たなか絹代きぬよ、香川かがわ京子きょうこ、三島みしま雅夫まさお、中北なかきた千枝子ちえこ、榎並えなみ啓子けいこ、片山かたやま明彦あきひこ、岡田おかだ英次えいじ、加か東大とうだい介かい	白黒しろくろ
	稲妻いなづま	大映だいえい	田中たなか澄江すみえ（原作げんさく・林はやし芙美子ふみこ）	高峰たかみね秀子ひでこ、三浦みうら光子みつこ、村田むらた知英子ちえこ、植村うえむら謙二郎けんじろう、香川かがわ京子きょうこ、根上ねあがり淳あつし、小沢おざわ栄太郎えいたろう、浦辺うらべ粂子くめこ、中北なかきた千枝子ちえこ	白黒しろくろ
1953年ねん	夫婦ふうふ	東宝とうほう	井手いで俊郎としお 水木みずき洋子ようこ	上原うえはら謙けん、杉すぎ葉子ようこ、三さん國連こくれん太郎たろう、小林こばやし桂樹けいじゅ、藤原ふじわら釜がま足あし、滝たき花はな久子ひさこ、岡田おかだ茉莉子まりこ、豊島としま美智子みちこ、木き匠たくみマユリ、田代たしろ百合子ゆりこ、三好みよし栄子えいこ、三條さんじょう利とし喜き江こう、中北なかきた千枝子ちえこ	白黒しろくろ
	妻つま	東宝とうほう	井手いで俊郎としお （原作げんさく・林はやし芙美子ふみこ）	上原うえはら謙けん、高峰たかみね三枝子みえこ、丹に阿弥あみ谷津やづ子こ、高杉たかすぎ早苗さなえ、中北なかきた千枝子ちえこ、伊豆いず肇はじめ、新珠あらたま三千代みちよ、三さん國連こくれん太郎たろう	白黒しろくろ
	あにいもうと	大映だいえい	水木みずき洋子ようこ（原作げんさく・室生むろう犀星さいせい）	京きょうマチ子まちこ、森もり雅之まさゆき、久我くが美子よしこ、堀ほり雄二ゆうじ、船越ふなこし英二えいじ、山本やまもと礼三れいぞう郎ろう、浦辺うらべ粂子くめこ、潮うしお万太郎まんたろう	白黒しろくろ
1954年ねん	山やまの音おと	東宝とうほう	水木みずき洋子ようこ（原作げんさく・川端かわばた康成やすなり）	原はら節子せつこ、上原うえはら謙けん、山村やまむら聰さとし、長岡ながおか輝子てるこ、杉すぎ葉子ようこ、丹に阿弥あみ谷津やづ子こ、中北なかきた千枝子ちえこ、金子かねこ信雄のぶお、角すみ梨枝子りえこ、十朱とあけ久雄ひさお	白黒しろくろ
	晩ばん菊きく	東宝とうほう	田中たなか澄江すみえ 井手いで俊郎としお （原作げんさく・林はやし芙美子ふみこ）	杉村すぎむら春子はるこ、沢村さわむら貞子さだこ、細川ほそかわちか子こ、望月もちづき優子ゆうこ、上原うえはら謙けん、小泉こいずみ博ひろし、有馬ありま稲子いねこ、見明みみょう凡太郎ろう、沢村さわむら宗之むねゆき助すけ、加か東大とうだい介かい	白黒しろくろ
1955年ねん	浮雲うきぐも	東宝とうほう	水木みずき洋子ようこ（原作げんさく・林はやし芙美子ふみこ）	高峰たかみね秀子ひでこ、森もり雅之まさゆき、中北なかきた千枝子ちえこ、岡田おかだ茉莉子まりこ、山形やまがた勲いさお、加か東大とうだい介かい、木き匠たくみマユリ、千石せんごく規子のりこ、村上むらかみ冬樹ふゆき、大川おおかわ平八郎へいはちろう、金子かねこ信雄のぶお	白黒しろくろ
	くちづけ　第だい三さん話わ	東宝とうほう	松山まつやま善よし三さん（原作げんさく・石坂いしざか洋次郎ようじろう）	上原うえはら謙けん、高峰たかみね秀子ひでこ、中村なかむらメイ子こ、小林こばやし桂樹けいじゅ、伊豆いず肇はじめ、長岡ながおか輝子てるこ、堺さかい左千夫さちお	白黒しろくろ
1956年ねん	驟雨しゅうう	東宝とうほう	水木みずき洋子ようこ（原作げんさく・岸田きしだ国士くにお）	佐野さの周二しゅうじ、原はら節子せつこ、香川かがわ京子きょうこ、小林こばやし桂樹けいじゅ、根岸ねぎし明美あけみ、恩田おんだ清きよし二郎じろう、加か東大とうだい介かい、堤つつみ康久やすひさ、堺さかい左千夫さちお、松尾まつお文人もんと	白黒しろくろ
	妻つまの心しん	東宝とうほう	井手いで俊郎としお	三好みよし栄子えいこ、千秋ちあき実みのる、中北なかきた千枝子ちえこ、松山まつやま奈津子なつこ、小林こばやし桂樹けいじゅ、高峰たかみね秀子ひでこ、根岸ねぎし明美あけみ、田中たなか春男はるお、花井はない蘭子らんこ、杉すぎ葉子ようこ、三船みふね敏郎としお	白黒しろくろ
	流ながれる	東宝とうほう	田中たなか澄江すみえ 井手いで俊郎としお（原作げんさく・幸田こうだ文あや）	田中たなか絹代きぬよ、山田やまだ五十鈴いすず、高峰たかみね秀子ひでこ、岡田おかだ茉莉子まりこ、杉村すぎむら春子はるこ、栗島くりしますみ子こ、中北なかきた千枝子ちえこ、賀が原はら夏子なつこ、宮口みやぐち精二せいじ、加か東大とうだい介かい、中村なかむら伸郎のぶお、仲谷なかたに昇のぼる	白黒しろくろ
1957年ねん	あらくれ	東宝とうほう	水木みずき洋子ようこ（原作げんさく・徳田とくた秋声しゅうせい）	高峰たかみね秀子ひでこ、上原うえはら謙けん、森もり雅之まさゆき、加か東大とうだい介かい、仲代なかだい達矢たつや、東野とうの英治郎えいじろう、岸きし輝子てるこ、宮口みやぐち精二せいじ、中北なかきた千枝子ちえこ、坂本さかもと武たけし、本間ほんま文子ふみこ	白黒しろくろ
1958年ねん	杏あんずっ子こ	東宝とうほう	田中たなか澄江すみえ 成瀬なるせ巳喜男みきお （原作げんさく・室生むろう犀星さいせい）	山村やまむら聰さとし、夏川なつかわ静江しずえ、香川かがわ京子きょうこ、太刀川たちかわ洋一よういち、木村きむら功いさお、中北なかきた千枝子ちえこ、三井みつい美奈みな、藤木ふじき悠ゆう、土屋つちや嘉男よしお、中村なかむら伸郎のぶお、小林こばやし桂樹けいじゅ、加か東大とうだい介かい	白黒しろくろ
	鰯雲いわしぐも	東宝とうほう	橋本はしもと忍しのぶ （原作げんさく・和田わだ傳つたえ）	淡島あわしま千景ちかげ、飯田いいだ蝶子ちょうこ、新珠あらたま三千代みちよ、司つかさ葉子ようこ、木村きむら功いさお、中村なかむら鴈治郎がんじろう、小林こばやし桂樹けいじゅ、加か東大とうだい介かい、杉村すぎむら春子はるこ、清川きよかわ虹にじ子こ、大塚おおつか国夫くにお	カラー
1959年ねん	コタンの口笛くちぶえ	東宝とうほう	橋本はしもと忍しのぶ（原作げんさく・石森いしもり延男のぶお）	森もり雅之まさゆき、久保くぼ賢けん、幸田こうだ良子りょうこ、宝田たからだ明あきら、久保くぼ明あきら、三好みよし栄子えいこ、水野みずの久美くみ、志村しむら喬たかし、山茶花さざんか究きわむ、田島たじま義文よしふみ、土屋つちや嘉男よしお	カラー
1960年ねん	女おんなが階段かいだんを上のぼる時とき	東宝とうほう	菊きく島しま隆三りゅうぞう	高峰たかみね秀子ひでこ、森もり雅之まさゆき、団だん令子れいこ、仲代なかだい達矢たつや、加か東大とうだい介かい、中村なかむら鴈治郎がんじろう、小沢おざわ栄太郎えいたろう、淡路あわじ恵子けいこ、山茶花さざんか究きわむ、多々良たたら純じゅん、藤木ふじき悠ゆう	白黒しろくろ
	娘むすめ・妻つま・母はは	東宝とうほう	井手いで俊郎としお 松山まつやま善よし三さん	三さん益えき愛子あいこ、原はら節子せつこ、森もり雅之まさゆき、高峰たかみね秀子ひでこ、宝田たからだ明あきら、団だん令子れいこ、草笛くさぶえ光子こうし、小泉こいずみ博ひろし、淡路あわじ恵子けいこ、加か東大とうだい介かい、仲代なかだい達矢たつや、上原うえはら謙けん、杉村すぎむら春子はるこ、太刀川たちかわ寛ひろし、中北なかきた千枝子ちえこ、北きたあけみ、笠智りゅうち衆しゅう	カラー
	夜よるの流ながれ	東宝とうほう	井手いで俊郎としお 松山まつやま善よし三さん	司つかさ葉子ようこ、山田やまだ五十鈴いすず、宝田たからだ明あきら、三橋みつはし達也たつや、白川しらかわ由美ゆみ、水谷みずたに良重よしえ、草笛くさぶえ光子こうし、三さん益えき愛子あいこ、越路こしじ吹雪ふぶき、志村しむら喬たかし、星ほし由里子ゆりこ	カラー 川島かわしま雄三ゆうぞうとの共同きょうどう監督かんとく
	秋あき立たちぬ	東宝とうほう	笠原かさはら良三りょうぞう	乙羽おとわ信子のぶこ、夏木なつき陽介ようすけ、原はら知佐子ちさこ、加か東大とうだい介かい、河津かわづ清三郎せいさぶろう、大沢おおさわ健三郎けんざぶろう、藤原ふじわら釜がま足あし、賀が原はら夏子なつこ、一木いちき双葉ふたば、菅井すがいきん、藤間とうま紫むらさき	白黒しろくろ
1961年ねん	妻つまとして女おんなとして	東宝とうほう	井手いで俊郎としお 松山まつやま善よし三さん	高峰たかみね秀子ひでこ、淡島あわしま千景ちかげ、森もり雅之まさゆき、星ほし由里子ゆりこ、仲代なかだい達矢たつや、水野みずの久美くみ、淡路あわじ恵子けいこ、飯田いいだ蝶子ちょうこ、丹に阿弥あみ谷津やづ子こ、中北なかきた千枝子ちえこ	カラー
1962年ねん	女おんなの座ざ	東宝とうほう	井手いで俊郎としお 松山まつやま善よし三さん	笠智りゅうち衆しゅう、高峰たかみね秀子ひでこ、司つかさ葉子ようこ、星ほし由里子ゆりこ、淡路あわじ恵子けいこ、草笛くさぶえ光子こうし、三さん益えき愛子あいこ、杉村すぎむら春子はるこ、北きたあけみ、丹に阿弥あみ谷津やづ子こ、宝田たからだ明あきら、団だん令子れいこ、三橋みつはし達也たつや、小林こばやし桂樹けいじゅ、夏木なつき陽介ようすけ	白黒しろくろ
	放浪ほうろう記き	東宝とうほう 宝塚たからづか映画えいが	井手いで俊郎としお 田中たなか澄江すみえ （原作げんさく・林はやし芙美子ふみこ）	高峰たかみね秀子ひでこ、田中たなか絹代きぬよ、宝田たからだ明あきら、加か東大とうだい介かい、小林こばやし桂樹けいじゅ、草笛くさぶえ光子こうし、仲谷なかたに昇のぼる、伊藤いとう雄つよし之これ助すけ、加藤かとう武たけし、文ぶん野の朋子ともこ、多々良たたら純じゅん	白黒しろくろ
1963年ねん	女おんなの歴史れきし	東宝とうほう	笠原かさはら良三りょうぞう	高峰たかみね秀子ひでこ、宝田たからだ明あきら、山やま﨑努、星ほし由里子ゆりこ、賀が原はら夏子なつこ、仲代なかだい達矢たつや、淡路あわじ恵子けいこ、草笛くさぶえ光子こうし、加か東大とうだい介かい、藤原ふじわら釜がま足あし、中北なかきた千枝子ちえこ	白黒しろくろ
1964年ねん	乱みだれる	東宝とうほう	松山まつやま善よし三さん	高峰たかみね秀子ひでこ、加山かやま雄三ゆうぞう、草笛くさぶえ光子こうし、白川しらかわ由美ゆみ、三さん益えき愛子あいこ、浜はま美枝みえ、藤木ふじき悠ゆう、北村きたむら和夫かずお、十朱とあけ久雄ひさお、柳谷やなぎや寛ひろし、佐田さた豊ゆたか、中北なかきた千枝子ちえこ	白黒しろくろ
1966年ねん	女おんなの中なかにいる他人たにん	東宝とうほう	井手いで俊郎としお	小林こばやし桂樹けいじゅ、新珠あらたま三千代みちよ、長岡ながおか輝子てるこ、三橋みつはし達也たつや、若林わかばやし映子えいこ、草笛くさぶえ光子こうし、稲葉いなば義男よしお、加か東大とうだい介かい、黒沢くろさわ年男としお、藤木ふじき悠ゆう	白黒しろくろ
	ひき逃にげ	東宝とうほう	松山まつやま善よし三さん	高峰たかみね秀子ひでこ、司つかさ葉子ようこ、黒沢くろさわ年男としお、小沢おざわ栄太郎えいたろう、加か東大とうだい介かい、中山なかやま仁ひとし、賀が原はら夏子なつこ、浦辺うらべ粂子くめこ、稲葉いなば義男よしお、加藤かとう武たけし、土屋つちや嘉男よしお	白黒しろくろ
1967年ねん	乱みだれ雲くも	東宝とうほう	山田やまだ信夫しのぶ	加山かやま雄三ゆうぞう、司つかさ葉子ようこ、草笛くさぶえ光子こうし、森もり光子みつこ、浜はま美枝みえ、加か東大とうだい介かい、土屋つちや嘉男よしお、藤木ふじき悠ゆう、中丸なかまる忠雄ただお、中村なかむら伸郎のぶお、村上むらかみ冬樹ふゆき、清水元しみずもと、左ひだり卜ぼく全ぜん	カラー

その他たの映像えいぞう作品さくひん

• 化粧けしょう雪ゆき（1940年ねん2月がつ14日にち公開こうかい、石田いしだ民三たみぞう監督かんとく、東宝とうほう映画えいが） - 原作げんさく
• そよ風かぜ父ちちと共ともに（1940年ねん4月がつ24日にち公開こうかい、山本やまもと薩夫監督かんとく、東宝とうほう映画えいが） - 脚本きゃくほん
• 秘ひめたる覚悟かくご（1943年ねん11月18日にち公開こうかい、滝沢たきざわ英輔えいすけ監督かんとく、東宝とうほう映画えいが） - 脚本きゃくほん
• 恋こいにめざめる頃ころ（1969年ねん3月29日にち公開こうかい、浅野あさの正雄まさお監督かんとく、東宝とうほう） - 脚本きゃくほん

関連かんれん文献ぶんけん

• 『成瀬なるせ巳喜男みきおの世界せかい』 神保じんぼう町まちシアター叢書そうしょ1、小学館しょうがくかん、2009年ねん7月がつ
• 榎並えなみ重行しげゆき 『異い貌の成瀬なるせ巳喜男みきお 映画えいがにおける生態せいたい心理しんり学がくの創発そうはつ』 洋よう泉いずみ社しゃ、2008年ねん
• 片岡かたおか義男よしお 『映画えいがの中なかの昭和しょうわ30年代ねんだい 成瀬なるせ巳喜男みきおが描えがいたあの時代じだいと生活せいかつ』 草くさ思おもえ社しゃ、2007年ねん
• 平ひら能のう哲也てつや編へん 『成瀬なるせ巳喜男みきおを観みる』 ワイズ出版しゅっぱん、2005年ねん、※各かく関係かんけい者しゃインタビュー
• 村川むらかわ英すぐる編へん 『成瀬なるせ巳喜男みきお演出えんしゅつ術じゅつ 役者やくしゃが語かたる演技えんぎの現場げんば』 ワイズ出版しゅっぱん、1997年ねん／ワイズ出版しゅっぱん映画えいが文庫ぶんこ、2022年ねん
• 阿部あべ嘉昭よしあき 『成瀬なるせ巳喜男みきお 映画えいがの女性じょせい性せい』 河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ、2005年ねん
• 『成瀬なるせ巳喜男みきおと映画えいがの中なかの女優じょゆうたち 生誕せいたん百ひゃく年ねん特別とくべつ記念きねん出版しゅっぱん』 ぴあ、2005年ねん。※写真しゃしん集しゅうほか
• スザンネ・シェアマン 『成瀬なるせ巳喜男みきお 日常にちじょうのきらめき』 キネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ、1997年ねん。※著者ちょしゃは日本にっぽん在住ざいじゅうオーストリア人じん女性じょせい映画えいが研究けんきゅう家か。
• 田中たなか眞澄ますみほか編へん 『映画えいが読本とくほん 成瀬なるせ巳喜男みきお 透すきとおるメロドラマの波なみ光こうよ』 フィルムアート社しゃ、1995年ねん
• 蓮實はすみ重彦しげひこ・山根やまね貞男さだお編へん 『成瀬なるせ巳喜男みきおの世界せかいへ』 リュミエール叢書そうしょ、筑摩書房ちくましょぼう。2005年ねん
• 中古ちゅうこ智さとし・蓮實はすみ重彦しげひこ著ちょ 『成瀬なるせ巳喜男みきおの設計せっけい　美術びじゅつ監督かんとくは回想かいそうする』 リュミエール叢書そうしょ、筑摩書房ちくましょぼう、1990年ねん
• 川本かわもと三郎さぶろう 『成瀬なるせ巳喜男みきお 映画えいがの面影おもかげ』 新潮しんちょう選書せんしょ、2014年ねん、ISBN 9784106037603

関連かんれん項目こうもく

• 岸田きしだ國士くにお -『驟雨しゅうう』を映画えいが化か
• 伊丹いたみ万作まんさく
• 斎藤さいとう寅次郎とらじろう
• 山中やまなか貞雄さだお
• 豊田とよだ四郎しろう

外部がいぶリンク

• 成瀬なるせ巳喜男みきお - allcinema
• 成瀬なるせ巳喜男みきお - KINENOTE
• 成瀬なるせ巳喜男みきお - 日本にっぽん映画えいがデータベース
• Mikio Naruse - IMDb（英語えいご）