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レタス

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
萵苣ちさから転送てんそう
レタス
レタス
分類ぶんるい
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ Angiosperms
階級かいきゅうなし : 真正しんしょうそう子葉しようるい Eudicots
階級かいきゅうなし : キクるい Asterids
: キク Asterales
: キク Asteraceae
ぞく : アキノノゲシぞく Lactuca
たね : チシャ L. sativa
学名がくめい
Lactuca sativa L.
和名わみょう
チシャ
英名えいめい
Lettuce
下位かい分類ぶんるい変種へんしゅ
  • 本文ほんぶん参照さんしょう

レタスえい: Lettuce、学名がくめい: Lactuca sativa)は、地中海ちちゅうかい沿岸えんがん西にしアジア原産げんさんキクアキノノゲシぞくいちねんくさまたはねんくさ野菜やさいとして利用りようされる。品種ひんしゅおおく、くものとかないもの、くき食用しょくようにするものなどがある。

名称めいしょう

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和名わみょうは、チシャ萵苣ちさ[1]古名こみょうを「ちさ」といい、「ちちそう」(ちちくさ)のりゃくとされる[2]

一般いっぱんてきわれる日本にっぽんめいレタス英名えいめい「lettuce」からられたもので[2]、その語源ごげんラテン語らてんごで「牛乳ぎゅうにゅう」というかたり 「Lac」 である。和名わみょうともに、レタスのくちからしろ液体えきたいもとづきけられたである[3][2]

形態けいたい

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レタスは生育せいいく初期しょきくき非常ひじょうみじかく、ロゼット形成けいせいする。野菜やさいことなり、高温こうおん条件じょうけんつづくと開花かいかのためにくき伸張しんちょうふんえださせる。この現象げんしょう抽苔う。レタスでは一般いっぱんにち平均へいきん温度おんど積算せきさんが1,700〜2,500℃でしん伸張しんちょうはじめる。開花かいかには、くき伸張しんちょうふんえださせ、直径ちょっけい1cm程度ていど黄色きいろタンポポちいさくしたようなはなをそのさきける。なお、開花かいか時間じかん非常ひじょうみじかく、あさの1〜2あいだ程度ていどしかかない。食用しょくようにするさいは、抽苔がこるまえ収穫しゅうかくしなければならない。

栽培さいばい

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レタスは比較的ひかくてき栽培さいばいしやすい野菜やさいであるが、高温こうおんきら性質せいしつで、栽培さいばい適温てきおんは15 - 20発芽はつが適温てきおん15 - 20とされている[4][5]。21えるとレタスのたね休眠きゅうみん状態じょうたいになり、発芽はつがしにくくなる[1]栽培さいばい期間きかんたまレタスがやく2かげつ[6]、リーフレタスはやく1かげつ[5]、リーフレタスのほうが栽培さいばい期間きかんみじかそだてやすい[4]真夏まなつ真冬まふゆのぞいた春秋しゅんじゅうすずしいぶし栽培さいばいすることができ、「はるまき」で晩秋ばんしゅうから初夏しょか収穫しゅうかくするか、「なつまき」でたねをまいて晩秋ばんしゅうから初冬しょとう収穫しゅうかくする[4][1]栽培さいばいてきしたレタスは肥料ひりょうおおこの性質せいしつがあり[1]土壌どじょう酸度さんどpH 6.0 - 6.5で、まえ堆肥たいひ化成かせい肥料ひりょう全面ぜんめん施肥せひおこなっておく[5]はたけ栽培さいばいでは、うねたかくしてみずはけをよくしておおほどこ[4]連作れんさくきらい、おな土地とちでは栽培さいばいを1 - 2ねんあけるようにする[6]

はるまき」の場合ばあいはそのままたねをまき、「なつまき」の場合ばあいは1にち吸水きゅうすいさせてから2にちほど冷蔵れいぞうして、たねやすことで休眠きゅうみん打破だはさせてからたねをまく[1]たねひかりがないと発芽はつがしないため、育苗いくびょうばこ育苗いくびょうポットみずやりをしてらしたたねをばらまき、あるいはすじまきにして、覆土ふくどおこなわずにかるさえる程度ていどにする[4][1]はたけ直接ちょくせつまくと、あめたねがながされてしまったり、アリってかれてしまうことがある[4]たねまき1週間しゅうかんほどで発芽はつがし、水切みずぎれすると生育せいいく不良ふりょう要因よういんとなるため、みずやりの管理かんりおこな[4]育苗いくびょうばこ播種はしゅしたものは、ほんるころに1、2ほんずつポットげする[1]。ばらまきしたものは成長せいちょうするとってくるため、あいだしながらそだて、最終さいしゅうてきほん4 - 5まいになったらなえを1ほんだけのこ[4]

はたけはあらかじめ元肥もとごえほどこしておき、たかくしたうねなえを30 cm間隔かんかく定植ていしょくし、は2週間しゅうかんに1かい程度ていど定期ていきてき肥料ひりょうあたえていく[7][8]うねおおほどこすことによって、あめによるどろかえりでよごれたり、病気びょうきにかかることを予防よぼうする効果こうか[8]なえあきえでそだてるときは、適期てっき(8がつ下旬げじゅん - 9がつ)よりもはやけてしまうと、高温こうおん長日ちょうじつ気温きおんたか日照ひでりながい)条件じょうけんにより花茎かけいばす「とうち」がこってしまい、食味しょくみちるばかりではなく、結球けっきゅうせいレタスでは結球けっきゅうこらなくなる[9]

が10まい以上いじょうになると収穫しゅうかくできるようになるので、かぶごと収穫しゅうかくする[7]。リーフレタスは、ながさ20 - 25 cm、かぶ直径ちょっけい30 cmくらいが収穫しゅうかく目安めやすとなり、かぶごとるか外側そとがわからって収穫しゅうかくする[8]たまレタスは、けから50 - 60にち収穫しゅうかく目安めやすで、結球けっきゅうしたうえからさわってみたときに、しっかりまって適度てきど弾力だんりょくていれば収穫しゅうかくてきした状態じょうたいである[9][10]はん結球けっきゅうレタス(コスレタス)は品種ひんしゅにもよるが、たかさ20 - 30 cmで、中央ちゅうおうはじめるころが収穫しゅうかく時期じきである[9]くきレタスは、かぶたかさが30 - 50 cmに成長せいちょうしたらぎわからくきって収穫しゅうかくする[11]

病虫害びょうちゅうがいに、アブラムシヨトウムシがついたり、きんかくびょう軟腐びょう[ちゅう 1]にかかる場合ばあいがある[5]。レタスは高温こうおん多湿たしつ苦手にがてとするため、はるまきレタスは梅雨つゆあめたると病気びょうきやすくなる[1]なつまきレタスは、発芽はつががうまくいけば病気びょうき心配しんぱいすくない[1]

近年きんねんでは野菜やさい工場こうじょうによるだい規模きぼ生産せいさんおこなわれている[13]

コンパニオンプランツ

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また、キクのレタスは、キャベツハクサイなどのアブラナ野菜やさいくらべると病害虫びょうがいちゅう心配しんぱいすくなく、アブラナ野菜やさいコンパニオンプランツとしてえるのもよい[1]。レタスとキャベツは、ともに冷涼れいりょう生育せいいく環境かんきょうこのむのでこんうえいている[10]。アブラナ害虫がいちゅうふせぐだけでなく、たがいに雑草ざっそう抑制よくせいする効果こうかにもつながる[10]

利用りよう

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レタス(green leaf, raw)
100 gあたりの栄養えいよう
エネルギー 62 kJ (15 kcal)
2.87 g
糖類とうるい 0.78 g
食物しょくもつ繊維せんい 1.3 g
0.15 g
飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん 0.02 g
一価いっか飽和ほうわ 0.006 g
あたい飽和ほうわ 0.082 g
1.36 g
ビタミン
ビタミンA相当そうとうりょう
(46%)
370 µg
(41%)
4443 µg
1730 µg
チアミン (B1)
(6%)
0.07 mg
リボフラビン (B2)
(7%)
0.08 mg
ナイアシン (B3)
(3%)
0.375 mg
パントテンさん (B5)
(3%)
0.134 mg
ビタミンB6
(7%)
0.09 mg
葉酸ようさん (B9)
(10%)
38 µg
ビタミンB12
(0%)
0 µg
コリン
(3%)
13.6 mg
ビタミンC
(11%)
9.2 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ビタミンE
(1%)
0.22 mg
ビタミンK
(120%)
126.3 µg
ミネラル
ナトリウム
(2%)
28 mg
カリウム
(4%)
194 mg
カルシウム
(4%)
36 mg
マグネシウム
(4%)
13 mg
リン
(4%)
29 mg
鉄分てつぶん
(7%)
0.86 mg
亜鉛あえん
(2%)
0.18 mg
マンガン
(12%)
0.25 mg
セレン
(1%)
0.6 µg
成分せいぶん
水分すいぶん 94.98 g
%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける
成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI割合わりあい
出典しゅってん: USDA栄養えいようデータベース英語えいご

地中海ちちゅうかい沿岸えんがん地方ちほうから西にしアジア野生やせいしゅもとになった野菜やさい[3]紀元前きげんぜん6世紀せいきよりアケメネスあさペルシア栽培さいばいはじめられ、古代こだいギリシャでは媚薬びやく・催淫やくとしてひろしょくされた[14]中国ちゅうごくて、日本にっぽんへは平安へいあん時代じだい渡来とらいしたともいわれている[15]。8世紀せいきには「萵苣ちさ」(わきょ)の記録きろくがあり、平安へいあん時代じだい後期こうき以降いこうは「ちしゃ」とよばれるようになった[15][3]日本にっぽんおおくの地域ちいきでは、萵苣ちさ(カキヂシャ)がふるくから食用しょくようされており(大和やまと野菜やさい#ちしゃ)、1697ねん出版しゅっぱんの『農業のうぎょう全書ぜんしょ』にも栽培さいばい品種ひんしゅ調理ちょうりほうなどがしるされている。現在げんざいおお出回でまわっているたまレタスは明治めいじ時代じだい以降いこうつたわったといわれ、戦後せんごしょく文化ぶんか洋風ようふうともなって1970年代ねんだいからひろ普及ふきゅうした[15]

現代げんだい市場いちばにはたまレタス、リーフレタス、サラダ菜さらだななど様々さまざまあるが、日本にっぽんにおいてはクリスプヘッドがたたまレタスおも流通りゅうつうしている。

食材しょくざいとしてのおもしゅんは、はるなつレタスが4 - 7がつ秋冬あきふゆレタスでは11 - 12月といわれている[15]たまレタスは、あわ緑色みどりいろでつやがありくきくち変色へんしょくがないものが新鮮しんせんであるが、きがかたくしまっておもみがあるものやくきふといものは収穫しゅうかくぎて苦味にがみしゅっていたり、あつくかたくなっている[15][3]

水分すいぶんが95%以上いじょうおおく、瑞々みずみずしいしょくかんたのしめるサラダよう野菜やさいとして定着ていちゃくしているが、いたぶつスープにするなど加熱かねつ調理ちょうりでも使つかわれる[15]みそしるおでんものおひたしチャーハンなど、諸々もろもろ調理ちょうりされかく家庭かていから料理りょうりてんひろもちいられている食材しょくざいである。加熱かねつすることによって独特どくとく苦味にがみよわまるとともに旨味うまみす。

欧米おうべいでは部分ぶぶんおもサラダハンバーガータコスなどに利用りよう生食なましょくするが、フランスではソテーにすることもある。中国ちゅうごくなどでは中華ちゅうかいため、なべ料理りょうり、クリームなど加熱かねつ調理ちょうりすることがおおく、だけでなくくき重要じゅうよう食材しょくざいとなる。朝鮮ちょうせん料理りょうりではカッティングレタス(きぢしゃ)をサンチュとんでにくつつんでべる[2]

栄養えいよう

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野菜やさいとしては水分すいぶんおお栄養えいよう成分せいぶんすくないほうで、100グラム (g) あたりの熱量ねつりょうは12キロカロリー (kcal) ほどである[15]微量びりょう栄養素えいようそは、ビタミンEカリウムカルシウムてつ食物しょくもつ繊維せんい葉緑素ようりょくそなどがふくまれ、レタスの品種ひんしゅによってふくまれるりょうちがいがられる[15][3]緑色みどりいろいところには、βべーた-カロテンビタミンCカルシウムおおふくまれている[15]たまレタスは緑色みどりいろをしたそとのほうが栄養えいようたか[15]。リーフレタスは、たまレタスにくらべると栄養えいようたかく、カロテンりょうやく10ばいほどおおふくまれている[5]

調理ちょうり

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生食なましょくするときは、シャキッとしたしょくかんたのしめるようにするため、冷水れいすいけてから使つかうのが一般いっぱんてきである[16]。これはふくまれるムチンペクチンが、あたたまるとやわらかくなり、えるとかたくなる性質せいしつ利用りようしたもので、水分すいぶんうことで瑞々みずみずしさも回復かいふくする[16]。しかし、みずにつけすぎると水溶すいようせい栄養分えいようぶん同時どうじながしてしまうため、レタスが乾燥かんそうしないようにらしたペーパーなどにつつんで冷蔵れいぞうする方法ほうほうおこなわれる[16]線切せんぎりするとき以外いがいは、使つか直前ちょくぜんちいさくでちぎるのが一般いっぱんてきで、くち酸化さんか極力きょくりょくらす効果こうかしょくかんやドレッシングのあじ馴染なじみをよくするための工夫くふうでもある[16][3]。レタスをいためるときは強火つよび手早てばやくすると、ざわりはそこなわれない[2]。ステムレタス(くきぢしゃ)は、くきうすって生食なましょくするほか、味噌みそけにしてきもののあしらいに使つかわれる[2]

保存ほぞん

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レタスは収穫しゅうかく呼吸こきゅうをしてエネルギーを消費しょうひしているため、これを最小限さいしょうげんおさえるために低温ていおん冷蔵れいぞうする必要ひつようがある[17]常温じょうおんのレタスの場合ばあいでは、収穫しゅうかく1週間しゅうかんにはビタミンCりょう半減はんげんするといわれている[17]使つかいきれなかったレタスは、湿しめらした新聞紙しんぶんしつつんだり、らしたペーパータオルをいた保存ほぞん容器ようきれて冷蔵れいぞう保存ほぞんすると、しなびることをふせいで2 - 3にちほど状態じょうたい保持ほじできる[16]たまレタスは、しん爪楊枝つまようじなどをして成長せいちょうてん切断せつだんすることをおこなうと、より長持ながもちする[6]

効果こうか

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新鮮しんせんなレタスをるとしろ乳状にゅうじょうにが液体えきたい滲出しんしゅつするが、これはサポニン物質ぶっしつといい、ポリフェノールラクチュシンなど、多様たよう成分せいぶんである[3][17]なつバテ食欲しょくよく不振ふしんや、肝臓かんぞう腎臓じんぞうはたらきをたすけるはたらきがあるといわれている[3]。これが空気くうきれると酸化さんかして茶色ちゃいろくなるが、腐敗ふはいしているわけではない[3]。リーフレタスなどの紫色むらさきいろ赤色あかいろは、ポリフェノールの一種いっしゅアントシアニンによるもので、こう酸化さんか作用さよう期待きたいされている[8]

鎮静ちんせい作用さようのあるセスキテルペノイドラクチュコピクリンがわずかにふくまれており、レタスには「かる鎮静ちんせい作用さよう睡眠すいみん促進そくしん」の効果こうかがあるとぞくわれているが[15][9]ほんしゅには効果こうか期待きたいできるほどのりょうふくまれていない。多少たしょう効果こうか期待きたいするのであれば、部分ぶぶんではく、ったときにしろ乳状にゅうじょう液体えきたいしんにが部分ぶぶんで、一般いっぱん流通りゅうつうひんではりょうおおくない。19世紀せいきごろまで鎮静ちんせいざいとして利用りようされていたのは、ほんしゅではなく同属どうぞくのワイルドレタスである(レタスにたもの参照さんしょう)。俗説ぞくせつで「たまレタスを4ぶんの1程度ていどべるとねむくなる」とわれ、絵本えほんフロプシーのこどもたち』の記述きじゅつをアイデアに『発掘はっくつ!あるあるだい事典じてんない実験じっけん結果けっか捏造ねつぞうされた。捏造ねつぞう理由りゆうは「元々もともとラクチュコピクリン含有がんゆうりょうすくないほんしゅ水分すいぶんおおなま状態じょうたい使用しようしたため、どんなに大量たいりょう投与とうよしても意図いとどおりの結果けっかられなかったから」である。韓国かんこくでは仕事しごとまえ職業しょくぎょうドライバーがべてはいけないものとしてられている。2019ねん改良かいりょう品種ひんしゅであるフッカランくろなつあきらレタスには、一般いっぱんレタス(1gたり0.03mg)にくらべて124ばい(1gたり3.74mg)のラクチュシン多量たりょうふくまれ、睡眠すいみん緊張きんちょう緩和かんわ効果こうかがある。

分類ぶんるい

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レタスは、いて結球けっきゅうするタイプのたまレタスだけではなく、結球けっきゅうしないタイプのリーフレタスのバリエーションが多数たすうあり[3]、その特徴とくちょうによりつぎ種類しゅるいけられる。

ヘッドレタス (たまレタス品種ひんしゅ)

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たまレタス。一般いっぱんにレタスとよばれている。

ヘッドレタス (L. s. var. capitata) は、別名べつめいタマヂシャたまぢしゃ)[2]ともよばれている結球けっきゅうせいレタス。地中海ちちゅうかい沿岸えんがんから中近東ちゅうきんとうあたりが原産げんさんといわれる[6]。クリスプヘッドがたとバターヘッドがた細分さいぶんすることができる[2]。クリスプヘッドがた一般いっぱんてき結球けっきゅうせいのレタスとして普及ふきゅうしているものであり、レタスといえば日本にっぽんでは通常つうじょうこれを[2]。クリスプ (crisp) とは、「新鮮しんせんでぱりぱりした、かりかりした」という意味いみであり、そのとおざわりがよい。バターヘッドがたは、日本にっぽんでは一般いっぱんてきにサラダナ(サラダ菜さらだな)の名称めいしょうかよっている[2]キャベツのようなかたちのクリスプヘッドがたとはちがい、結球けっきゅうゆるい。

  • たまレタス - 日本にっぽんではもっともポピュラーなまるくレタスで、たんにレタスとよばれている。和名わみょうは「たまぢしゃ」で、クリスプレタスともいう[18]あわ緑色みどりいろで、水分すいぶんおお歯切はぎれがいのが特徴とくちょう[16]生食なましょくするほかいたぶつやスープなどに使つかわれる[3]
  • サラダ菜さらだな - がゆるく結球けっきゅうする品種ひんしゅで、緑色みどりいろくてあつみがあってやわらかい。ざわりがしんなりしていてたまレタスよりも風味ふうみく、ビタミン・ミネラルがおお[18]加熱かねつ調理ちょうりには不向ふむきで、料理りょうりわせやサンドイッチによく使つかわれる[16][19]
  • バターレタス(ミニレタス) - たまレタスを小型こがた改良かいりょうした品種ひんしゅサラダ菜さらだなているが、はややあつ緑色みどりいろ中心ちゅうしんのほうは緑色みどりいろあざやか。外側そとがわはやわらかいが、ざわりはたまレタスにちか[2]

リーフレタス (レタス品種ひんしゅ)

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リーフレタスには、緑色みどりいろのものやアントシアニンに由来ゆらいして赤色あかいろびるものがある。

リーフレタス (L. s. var. crispa) は、別名べつめいハヂシャぢしゃ)[2]チリメンヂシャともよばれている結球けっきゅうレタス。地中海ちちゅうかい沿岸えんがん原産げんさんといわれる[5]欧米おうべいでは、日本にっぽんにおいての青菜あおなのように使つかわれる。緑色みどりいろものもあるが、サニーレタスのようにアントシアニン発現はつげんし、赤色あかいろびる品種ひんしゅもある。いろかたちちがいを料理りょうりかす[18]

  • サニーレタス - リーフレタスの代表だいひょうしゅで、表面ひょうめん波打なみうっていて、さきすこちぢれてあか茶色ちゃいろになるのが特徴とくちょう。カロテンが豊富ほうふはやわらかく、食味しょくみ苦味にがみすくなくクセがない[16][19]。「サニーレタス」の名称めいしょう品種ひんしゅめいではなく、昭和しょうわ40年代ねんだいにつけられた商品しょうひんめいである[18]
  • グリーンリーフグリーンカール) - おおきな全体ぜんたいてきにフリルじょうちぢれてカールしている[16][19]
  • フリルレタス - さきがフリルじょうにギザギザがあるのが特徴とくちょうはややあつみがあり、シャキシャキしたしょくかんがある[19]
  • オークリーフレタス - フランス原産げんさんのリーフレタスの一種いっしゅで、おおきい特徴とくちょうあるかたち緑色みどりいろ[19]
  • しまちしゃさい(しまちしゃな) - おも沖縄おきなわ栽培さいばいされている。にくあつ緑色みどりいろく、サラダのほか加熱かねつ調理ちょうり[3]沖縄おきなわではサラダより、味噌汁みそしるあぶらいためでべられている[20]
  • プリーツレタス - こまかいひだ(プリーツ)がたくさんあるのが特徴とくちょうで、うすくやわらかい。みがこまかいほど良質りょうしつとされる[2]
カッティングレタス

カッティングレタス (L. s. var. crispa) は、別名べつめいカキヂシャきぢしゃ)[2]カキチシャ[20]ともよばれる。分類ぶんるいじょうはリーフレタスのなかふくまれるが、中国ちゅうごくに7世紀せいきごろ導入どうにゅうされ、日本にっぽんにもおなごろから奈良なら時代じだいにかけて導入どうにゅうされ、もっともふるたね成長せいちょうするにしたがい、しもき(収穫しゅうかく)ながら食用しょくようとし、このためにきぢしゃとばれる。日本にっぽんでも食用しょくようとしてきたがおおくの場合ばあい生食なましょくせず、でておひたし味噌和みそあえなどにして消費しょうひしてきた。山口やまぐちけん西部せいぶきゅう長州ちょうしゅうはん)では、ほぐしたざかなまたは煮干にぼししなどと酢味噌すみそえた郷土きょうど料理りょうりちしゃなます(ちしゃもみ)」がある。生食なましょくでは、焼肉やきにくなどをつつんでべるつつさい朝鮮ちょうせん サンチュ[2]、チマサンチュ[20])として韓国かんこくしきにくてんなどでられる[19]

ちレタス

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ロメインレタス

ちレタス (L. s. var. longifolia) は、別名べつめいタチヂシャちぢしゃ、たて萵苣ちさ[2]ともよばれている結球けっきゅうせいレタス。ヘッドレタスのようにややつぶれたたまではなく、白菜はくさいのようにたけたか球状きゅうじょうになる。シーザーサラダでは本来ほんらいこの種類しゅるいもちい、アメリカでは、レタスのやく3わりがこの種類しゅるい日本にっぽんでの栽培さいばい流通りゅうつう外食がいしょく産業さんぎょう中食ちゅうじき産業さんぎょうけが中心ちゅうしんで、まだすくない。また中国ちゅうごく南部なんぶ台湾たいわん常食じょうしょくされるあぶらむぎさいもタチヂシャの一種いっしゅである。

  • コスレタスロメインレタス) - ギリシアのゲ海げかいコスとう原産げんさんで、ヨーロッパやアメリカでひろまったレタス。和名わみょうは「ちぢしゃ」。ゆるく結球けっきゅうして、葉柄ようへいふとく、ちょう楕円だえんがたさきたいらでおおきくかため。かすかな甘味あまみ苦味にがみがあり、シーザーサラダによく使つかわれる[16][18][19]

ステムレタス (くきレタス)

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ステムレタス(くきレタス)

ステムレタス (L. s. var. angustana) は、別名べつめいクキヂシャくきぢしゃ)、くきレタスアスパラガスレタス[11]ともよばれる。中近東ちゅうきんとう内陸ないりくからしょうアジア原産げんさんといわれる[11]。ステム (stem) とは「くき」を意味いみし、そのとおくき食用しょくようとするレタスで、一般いっぱんてきにレタスのくきロゼットじょうであるのにたいし、ステムレタスのくきは30 cmほどにまで成長せいちょうする。日本にっぽんでは乾燥かんそうしたものをみずもどしてもの加工かこうした「やまクラゲ」の名前なまえほう有名ゆうめいである。また、かわいてうす生食なましょくするほか、煮物にものいたぶつ使つかわれる[2][19]中国ちゅうごくでは、せいくきいたぶつ使つかう。

たねあいだ交配こうはいしゅ

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  • マロンレタス - サニーレタスサラダ菜さらだな交配こうはいしゅたまチシャの一種いっしゅで、はサニーレタスにさきあか紫色むらさきいろでややちぢみ、かたちはサニーレタスとおな[19][2]ざわりと食味しょくみもサニーレタスとサラダ菜さらだななかあいだてきあじわい[2]
  • シルクレタス - エンダイブとリーフレタスの交配こうはいしゅさきあかっぽく、たまレタスよりも食物しょくもつ繊維せんいやビタミンるい豊富ほうふ[19]
  • ピンクロッサ - エンダイブとサニーレタスの交配こうはいしゅさきこまかくちぢれてピンク色ぴんくいろびた赤褐色せきかっしょくをしている。ざわりがく、加熱かねつ調理ちょうりにも[2]

レタスにているものの生物せいぶつがくじょうにおいて関係かんけいのない植物しょくぶつ

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逸話いつわ

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  • レタスだけを使つかったサラダを英語えいごで「ハネムーンサラダ」とう。Lettuce only、もしくはLettuce alone(レタスだけ)の発音はつおんをLet us onlyやLet us alone(わたしたちだけにして)にけたものである。
  • ジョン・スタインベック小説しょうせつエデンのひがし』には、主人公しゅじんこうちち・アダムがレタスをこおり冷却れいきゃく保存ほぞんして輸送ゆそうする「コールドチェーン事業じぎょう挑戦ちょうせんする場面ばめんえがかれている。
  • 古典こてん落語らくご演目えんもくなつ医者いしゃ』は、なつ往診おうしんかう医者いしゃ大蛇おろちんだところはらうち下剤げざい使つかわれてはらこわすというすじで、「なつ医者いしゃ(チシャ)ははらさわる」と地口じぐちとす。

脚注きゃくちゅう

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 細菌さいきん由来ゆらいする病気びょうきで、ぎわから茶色ちゃいろ変色へんしょくして軟化なんかし、やがて腐敗ふはいする[12]

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c d e f g h i j 金子かねこよしとう 2012, p. 150.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 講談社こうだんしゃへん 2013, p. 19.
  3. ^ a b c d e f g h i j k l 猪股いのまた慶子けいこ監修かんしゅう 成美せいびどう出版しゅっぱん編集へんしゅうへん 2012, p. 54.
  4. ^ a b c d e f g h 主婦しゅふ友社ともしゃへん 2011, p. 150.
  5. ^ a b c d e f 藤田ふじたさとし監修かんしゅう NHK出版しゅっぱんへん 2019, p. 170.
  6. ^ a b c d 藤田ふじたさとし監修かんしゅう NHK出版しゅっぱんへん 2019, p. 172.
  7. ^ a b 主婦しゅふ友社ともしゃへん 2011, p. 151.
  8. ^ a b c d 藤田ふじたさとし監修かんしゅう NHK出版しゅっぱんへん 2019, p. 171.
  9. ^ a b c d 藤田ふじたさとし監修かんしゅう NHK出版しゅっぱんへん 2019, p. 173.
  10. ^ a b c 金子かねこよしとう 2012, p. 151.
  11. ^ a b c 藤田ふじたさとし監修かんしゅう NHK出版しゅっぱんへん 2019, p. 174.
  12. ^ 藤田ふじたさとし監修かんしゅう NHK出版しゅっぱんへん 2019, p. 1241.
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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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