黒くろい三連星さんれんせい

機動きどう戦士せんしガンダム > 機動きどう戦士せんしガンダムの登場とうじょう人物じんぶつ ジオン公国こうこく軍ぐん (あ行こう-さ行ぎょう) > 黒くろい三連星さんれんせい

黒くろい三連星さんれんせい（くろいさんれんせい、Black Tri-Stars）は、 アニメ『機動きどう戦士せんしガンダム』に登場とうじょうする架空かくうの部隊ぶたい。ガイア、マッシュおよびオルテガの3名めいからなるモビルスーツ (MS) 小隊しょうたいである。

作中さくちゅうの敵てき側がわ勢力せいりょくであるジオン公国こうこく軍ぐん所属しょぞく。ドムに搭乗とうじょうし、地球ちきゅう連邦れんぽう軍ぐんのガンダムを操あやつる主人公しゅじんこうアムロ・レイを「ジェット・ストリーム・アタック (JSA)」という三位一体さんみいったいの連携れんけい戦法せんぽうで翻弄ほんろうする。

劇げき中ちゅうでも、過去かこのルウム戦役せんえきで連邦れんぽう軍ぐんのレビル将軍しょうぐんを捕虜ほりょにしたことが語かたられるが、その後ごのメカニックデザイン企画きかく『モビルスーツバリエーション (MSV)』などで過去かこの乗じょう機きや経歴けいれきが設定せっていされた。また、漫画まんが・アニメ『機動きどう戦士せんしガンダム THE ORIGIN』では作者さくしゃの安彦やすひこ良和よしかず独自どくじの解釈かいしゃくも加くわえられながら、過去かこからガンダムとの対戦たいせんまで（後者こうしゃは漫画まんが版ばんのみ）の姿すがたが描えがかれた。

設定せってい解説かいせつ

制式せいしき名称めいしょうはジオン公国こうこく軍ぐんのキシリア・ザビ率ひきいる突撃とつげき機動きどう軍ぐん第だい7師団しだん第だい1MS大隊だいたい司令しれい部ぶ付づけ特務とくむ小隊しょうたい。ガイアを中心ちゅうしんに、教導きょうどう機動きどう大隊だいたい第だい2中隊ちゅうたいD小隊しょうたいに在籍ざいせきしていたマッシュとオルテガで構成こうせいされている。ガイアたちは、その能力のうりょくの高たかさから軍ぐん内ないでの立場たちばを優遇ゆうぐうされていたという。教導きょうどう機動きどう大隊だいたいでは ザクIを乗じょう機きとしており、数すう回かいに渡わたりメンバーチェンジがおこなわれる。宇宙うちゅう世紀せいき0079年ねんに勃発ぼっぱつした一いち年ねん戦争せんそう開戦かいせん時じの一いち週間しゅうかん戦争せんそうでは、サイド5方面ほうめん攻略こうりゃく部隊ぶたいに参加さんかし、JSAにより活躍かつやくするが、のちのメンバーは揃そろっていない。同どう部隊ぶたいの作戦さくせんは失敗しっぱいし、サイド3に撤退てったいしている。

続つづくルウム戦役せんえきの直前ちょくぜんよりガイア、マッシュ、オルテガの3人にんに固定こていされる（この当時とうじの乗じょう機きはザクII C型がた）。JSAによって地球ちきゅう連邦れんぽう軍ぐん艦隊かんたいを攻撃こうげきし、その総そう司令しれいであったレビル中将ちゅうじょう（当時とうじ）の座乗ざじょうする旗艦きかんアナンケを撃沈げきちんしたうえ、脱出だっしゅつを図はかろうとする中将ちゅうじょうを捕虜ほりょにする。この功績こうせきによって名なが広ひろく知しられるとともに、ザクII S型がたを与あたえられる。「黒くろい三連星さんれんせい」の異名いみょうは、ザクII S型がた以降いこうの乗じょう機きが黒くろを基調きちょうとしたパーソナル・カラーに塗装とそうされていたことによるとも、着用ちゃくようしていた揃ぞろいのノーマルスーツが黒くろであったことによるとも言いわれる。

3月、乗じょう機きのザクII S型がたのオーバーホールに伴ともない、1週間しゅうかんの後方こうほう勤務きんむを命令めいれいされて古巣ふるすの教導きょうどう機動きどう大隊だいたいの特別とくべつ演習えんしゅうに参加さんか。この際さいには、動態どうたい保存ほぞんされていたかつての愛あい機きのザクIがパーソナル・カラーに再さい塗装とそうされ、教官きょうかん機きとして用意よういされている。その後ご高こう機動きどう型がたザクIIを受領じゅりょうし、7月がつにサイド3宙ちゅう域いきに侵入しんにゅうしてきた連邦れんぽう軍ぐん教皇きょうこう偵察ていさつ艦隊かんたいのマゼラン級きゅう戦艦せんかん1隻せきとセイバーフィッシュの編隊へんたいを殲滅せんめつ。9月下旬げじゅんに月つきのグラナダでMSの重力じゅうりょく下かでの戦闘せんとう訓練くんれんをおこなっている最中さいちゅうに、付近ふきん宙ちゅう域いきで作戦さくせん行動こうどうを展開てんかいする連邦れんぽう軍ぐんパトロール艦隊かんたいの迎撃げいげきに防空ぼうくう隊たいとともに参加さんか、マゼラン級きゅう1隻せき撃沈げきちん、サラミス級きゅう巡洋艦じゅんようかん2隻せき大破たいはのうち2隻せきまでの戦果せんかを挙あげている。

撃墜げきついスコアは艦船かんせん14隻せきであるが、個人こじん単位たんいでは1/3とされて4.6隻せきとなり（個々人ここじんの戦績せんせきは無視むしされている）、ぎりぎり「エース・パイロット」には届とどかない計算けいさんとなる。だが、本人ほんにんたちはあくまでチームとしての戦果せんかをすべてとしており、その点てんに関かんする不満ふまんはなかったという。また、フラナガン機関きかんによる調査ちょうさでは、3名めいともニュータイプの素養そようありとの結果けっかが出でているとも言いわれる。

劇げき中ちゅうでの活躍かつやく

テレビ版ばん第だい24話わで初はつ登場とうじょう。0079年ねん11月に地球ちきゅうのオデッサへ援軍えんぐんとして差さし向むけられ、ドムを与あたえられる。しかし、同月どうげつのオデッサ防衛ぼうえい戦せんにおいて、後方こうほう撹乱かくらんを命めいじられていたホワイトベース (WB) 隊たいと交戦こうせんした結果けっか、ガンダムにJSAを破やぶられてマッシュが戦死せんししたうえ、第だい25話わでの再戦さいせんにおいてガイアとオルテガもガンダムに敗やぶれ、全滅ぜんめつしている。なお、映画えいが『哀あい・戦士せんし編へん』では一いち度どの戦闘せんとうで全滅ぜんめつしている。

機動きどう戦士せんしガンダム THE ORIGIN

漫画まんが・アニメ『機動きどう戦士せんしガンダム THE ORIGIN』（過去かこ編へん）では、兵卒へいそつからのたたき上あげ士官しかん・准じゅん士官しかんとして登場とうじょう。ドズル・ザビが指揮しきするMS開発かいはつ計画けいかくにおいてランバ・ラルとともにテストパイロットとして携たずさわり、宇宙うちゅう世紀せいき初はつのMS同士どうしの戦闘せんとう「雨あめの海うみ会戦かいせん」もガイアたちとシャア・アズナブルによって行おこなわれる。ラルは昇進しょうしんしたガイアたちに会あった際さいに「あの兵隊へいたいやくざどもが士官しかん？」と驚おどろいており、過去かこの素行そこうの悪わるさがうかがえる。ただ、士官しかん学校がっこうを出でていないことがコンプレックスでもあるようで、一時いちじ一いち兵卒へいそつに降格こうかくされながらも功績こうせきにより早々そうそうに再さい任官にんかんされたシャア（士官しかん学校がっこう卒そつ）に対たいし、（オルテガは特とくに）ライバル意識いしきを抱だいており、シャア専用せんようザクの角かくが気きに入いらないと発言はつげんしている。

漫画まんが版ばんの「ジャブロー編へん」においては、中立ちゅうりつ地帯ちたいでアムロたちWBのクルーと生身なまみで対峙たいじする場面ばめんもある。原作げんさくと同様どうようににマッシュを失うしない、「オデッサ編へん」で再さい登場とうじょうした際さいには8機きのドムで編制へんせいされた部隊ぶたいとなっている（MSは3機きで1個いっこ小隊しょうたいであり、これは定数ていすう外がいの変則へんそく的てきな編制へんせいである）。WBの艦載かんさい機き（スレッガー・ロウのコア・ブースターとセイラ・マスのコア・ファイター）出現しゅつげんの報ほうに勇いさんで出撃しゅつげきし、撃墜げきついされたセイラの救援きゅうえんに出動しゅつどうしたアムロのガンダムと遭遇そうぐう。復仇ふっきゅうの念ねんに燃もえて「Wジェット・ストリーム・アタック」（ガイアとオルテガを小隊しょうたい長ちょうにした2方向ほうこうからのJSA）を敢行かんこうするが、ニュータイプとして覚醒かくせいし始はじめたアムロの敵てきではなく、瞬またたく間まに全ぜん機き撃破げきはされる。

その他たの作品さくひん

漫画まんが『機動きどう戦士せんしガンダム0079』では極きわめて高たかい戦闘せんとう能力のうりょくを発揮はっきし、マッシュ戦死せんし後ごのオデッサ戦せんでガンタンクやガンキャノンを修理しゅうり不可能ふかのうなまでに破壊はかい。ガンキャノンの片足かたあしを破壊はかいし撃破げきは寸前すんぜんまで持もち込こむものの、ギリギリのところでのアムロの反撃はんげきとGファイターの後方こうほうからの反撃はんげきを受うけ、一いち歩ほ及およばずに撃破げきはされる。

漫画まんが『機動きどう戦士せんしガンダム MSV-R 宇宙うちゅう世紀せいき英雄えいゆう伝説でんせつ 虹にじ霓のシン・マツナガ』では、レビル将軍しょうぐんの脱出だっしゅつ後ごにその責せめを負おってグラナダに赴任ふにんしてきたシン・マツナガ、ランバ・ラルと反目はんもくし、3対たい3の模擬もぎ戦せんを行おこなう。しかし、月つきを攻撃こうげきしてきた連邦れんぽう軍ぐんに対たいしては協力きょうりょくして迎撃げいげき戦せんを行おこなった。

ゲーム『機動きどう戦士せんしガンダム 戦士せんし達たちの軌跡きせき』では、「もし三連星さんれんせいがWB隊たいに勝利しょうりしていたら」というIFストーリーがあり、「レビルを叩はたけ!!（オデッサ作戦さくせん）」「ジャブロー攻略こうりゃく作戦さくせん」「ルナツー掃討そうとう作戦さくせん」の3つのミッションが用意よういされている。ゲーム『ジオニックフロント 機動きどう戦士せんしガンダム0079』の「闇夜やみよのフェンリル隊たい」メンバー・ニッキ、シャルロッテ、マニング、レンチェフがゲスト出演しゅつえんし、三連星さんれんせいと共ともに任務にんむを遂行すいこうしていく。ジャブローでは同おなじく『ジオニックフロント』よりガンダム6号機ごうき搭乗とうじょうのエイガーも参戦さんせんする。さらに、ルナツーではふたたびアムロが登場とうじょうし、G-3ガンダムを駆かって三連星さんれんせいらに戦たたかいを挑いどむ。

ジェット・ストリーム・アタック

黒くろい三連星さんれんせいが使用しようする攻撃こうげきフォーメーションの名称めいしょうであり、もともとは宇宙うちゅうでの対たい艦船かんせん戦闘せんとう用ように考案こうあんされたものである。三者さんしゃ三さん様ように異ことなるメンバーのパイロット特性とくせいを、最大限さいだいげんに活いかすかたちでフォーメーションが構成こうせいされている。

この技わざの攻撃こうげき手順てじゅんは、まずメンバーそれぞれが搭乗とうじょうしたMSが縦たて一いち列れつに重かさなって並ならび、真正面ましょうめんから対峙たいじした敵てきに1機きのみが向むかっているように見みせかける。そのまま攻撃こうげき対象たいしょうに向むかって接近せっきんし、1機き目めが対象たいしょうに攻撃こうげきを加くわえてすぐに列れつから離はなれ、直後ちょくごに2機き目めが同様どうようの箇所かしょに攻撃こうげきを加くわえる。これを3機き目めまで実行じっこうし、攻撃こうげき対象たいしょうに深手ふかでを負おわせるというものである。もっとも、これは進入しんにゅう角度かくどを選えらんで対たい宙ちゅう砲火ほうかによる被弾ひだん率りつを最小限さいしょうげんに抑おさえられる場合ばあい（ガンダムはこのとき、ビーム・ライフルを携行けいこうしていなかった）のパターンであり、漫画まんが『THE ORIGIN』では他たに複数ふくすうのフォーメーションが存在そんざいする描写びょうしゃがなされている。

こうした時間じかん差さ攻撃こうげきは、ガイアたちの死後しごもMS戦せんにおける古典こてん的てきな戦術せんじゅつ手段しゅだんとして使用しようされている。また、ゲームブック『機動きどう戦士せんしガンダム0080 消きえたガンダムNT』では、サイクロプス隊たいがゲルググやザクといった混成こんせいの機体きたい群ぐんでJSAを行おこなっており、『機動きどう戦士せんしガンダムUC』においてもトリントン基地きち攻撃こうげき作戦さくせんにおいて同様どうようの光景こうけいが見みられた。

アニメ版ばんでの攻撃こうげき

アニメ版ばん第だい24話わでガンダムに対たいしてかけたJSAは2回かいで、その内容ないようは以下いかのとおりである。

• 1回かい目め

1. 先頭せんとうのガイア機きがサーベルで斬きりつける（ガンダムには届とどかず、ガンダムもサーベルを空振からぶりする）→ガイア機きは上うえへ逃にげる
2. 中央ちゅうおうのマッシュ機きが空振からぶりして隙すきを見みせたガンダムをバズーカで砲撃ほうげき（ガンダムは頭あたまを下さげて避さける）→マッシュ機きは左ひだりへすれ違ちがう
3. 最さい後尾こうびのオルテガ機きがさらにバズーカで砲撃ほうげき（ガンダムは頭あたまを下さげて避よけ、バズーカを斬きる）→オルテガ機きは上うえへ逃にげる
4. ふたたびマッシュ機きが背後はいごからバズーカで砲撃ほうげき（ガンダムはジャンプして避さける）

• 2回かい目め

1. ガイア機きが胸部きょうぶ拡散かくさんビームで目めくらましをかける（ガンダムは上うえに逃にげる）
2. マッシュ機きが身みをかがめたガイア機き越ごしにバズーカでガンダムを砲撃ほうげき（ガンダムはガイア機きを踏ふみ台だいにしてジャンプで砲撃ほうげきをかわし、サーベルでマッシュ機きを突つき刺さし、さらに縦たて斬ぎり。これでマッシュ機きは撃破げきはされる）
3. オルテガ機きが上うえに跳とんで斬きりつけようとしたところを、上空じょうくうでミデアに体当たいあたりされる

オルテガ機きは、身みを挺ていして自身じしんを地面じめんに叩たたきつけようとするミデアの操縦そうじゅう席せきめがけてドムの両手りょうてを組くんで打うち下おろし、マチルダ・アジャンごと叩たたき潰つぶして返かえり討うちにするが、マッシュを失うしなったガイアは撤退てったいを命令めいれいしている。

隊員たいいん

ガイア

Gaia / Guyya

声こえ - 政せい宗そう一成いっせい（テレビ版ばん） / 徳丸とくまる完かん（劇場げきじょう版ばん・特別とくべつ版ばん） / 一条いちじょう和かず矢や（THE ORIGIN）

小隊しょうたい長ちょうで、髭面ひげづらの男おとこ。階級かいきゅうは大尉たいい。常つねに攻撃こうげきの先頭せんとうに立たつ役目やくめを担になう。自みずから先駆さきがけて敵てき機きの技量ぎりょうや能力のうりょくを分析ぶんせきし、瞬時しゅんじに有効ゆうこうな手段しゅだんを判断はんだんする。第だい24話わの2回かい目めのJSAで口走くちばしった「おお？ 俺おれを踏ふみ台だいにした!?」という台詞せりふは有名ゆうめいである。第だい25話わでのオデッサ戦せんの最中さいちゅう、オルテガとともに再度さいどガンダムに挑いどむが、オルテガも眼前がんぜんで倒たおされてしまう。怒いかりに燃もえてガンダムをGスカイイージーから蹴落けおとし、上空じょうくうからヒート剣けんを振ふりかぶって襲おそいかかるが、交錯こうさくした際さいにビーム・サーベルで機体きたいを貫つらぬかれ、2人ふたりに詫わびながら戦死せんしする。

劇場げきじょう版ばん第だい2作さく『哀あい・戦士せんし編へん』では、テレビ版ばんよりも早はやくアムロ・レイのニュータイプ描写びょうしゃが現あらわれる関係かんけいで、ガイアが「ニュータイプ」の存在そんざいについてマ・クベに語かたるシーンや、ガンダムとの対戦たいせんではアムロをニュータイプと認知にんちするセリフが追加ついかされ、そこからガイアは2人ふたりにJSAを仕掛しかける旨むねを指示しじする、というように若干じゃっかん変更へんこうされている。また、ハモンのランバ・ラル弔とむらい合戦がっせんと順序じゅんじょが逆転ぎゃくてんしている上うえにホワイトベース隊たいとの戦闘せんとうは2回かいから1回かいに減へらされ、2度目どめのJSAの直後ちょくごにガンダムのビーム・サーベルに貫つらぬかれ戦死せんししている。その最期さいごの台詞せりふも、「たった1機きのモビルスーツに……」に改あらためられている。

『MSV』では「A・ガイア」と表記ひょうきされるが、漫画まんが『THE ORIGIN』では「ミゲル・ガイア」とされている。最後さいごはオルテガがやられたため、半なかば自棄じき気味ぎみにガンダムに一いち騎き討うちを仕掛しかけるも、ひと突とっきを受うけ絶句ぜっくしているところに止とめを刺さされており、原作げんさくとは異ことなり死しに際ぎわの描写びょうしゃもセリフもないまま戦死せんしする。

同どう作さくアニメ版ばんではラルと旧知きゅうちの間柄あいだがらと思おもわせる描写びょうしゃがあり、モビルワーカーの模擬もぎ戦せんの勝敗しょうはいを冷静れいせいに見極みきわめるなどリーダーとしての風格ふうかくが強調きょうちょうされている。

漫画まんが『MS戦記せんき 機動きどう戦士せんしガンダム0079外伝がいでん』では、主人公しゅじんこうフレデリック・ブラウンと地球ちきゅう降下こうか中ちゅうのザンジバル艦内かんないで出会であう。ブラウンがルウム戦役せんえきの生いき残のこりだと知しると好意こうい的てきに扱あつかい、「戦艦せんかんを（共同きょうどうで）1隻せきだけ」というブラウンの戦果せんかに対たいしても「上等じょうとう、上等じょうとう！」と褒ほめたたえ、ドムのコクピットに乗のせてやったりと、好人物こうじんぶつに描えがかれている。その後ごのオデッサ作戦さくせん時点じてんでは既すでに戦死せんしが知しられているらしく、ブラウンが「あの黒くろい三連星さんれんせいや赤あかい彗星すいせいも歯はが立たたなかった白しろいやつ」と言及げんきゅうしている。

マッシュ

Mash / Mush

声こえ - 永井ながい一郎いちろう（テレビ版ばん） / 佐藤さとう正治しょうじ（スーパーロボット大戦たいせんシリーズ） / 戸谷とたに公こう次じ（戦士せんし達たちの軌跡きせき・ガンダムバトルタクティクス） / 水鳥みずとり鐵夫てつお（PERFECT ONE YEAR WAR） / 土屋つちやトシヒデ（THE ORIGIN・ガンダムバーサス）

隻眼せきがんのメンバーで、右みぎのまぶたに縦たてに傷きずがあり開ひらかない。階級かいきゅうは中尉ちゅうい。中距離ちゅうきょり戦闘せんとうを得意とくいとし、傾向けいこうの異ことなるほかの2人ふたりの技能ぎのうを有機ゆうき的てきに連帯れんたいさせる、いわばコンビネーション攻撃こうげきの調整ちょうせい役やくである。第だい24話わで、前述ぜんじゅつの通とおり2回かい目めのJSAの際さいに戦死せんし。第だい25話わではオデッサ防衛ぼうえい戦せんの最中さいちゅうに、ガイアはその冥福めいふくを祈いのりつつ、オルテガとともに弔砲ちょうほうとしてドムのバズーカを空そらへ数すう発はつ打うち上あげる。

台詞せりふはひと言ことだけ（ガイアの「思おもったよりすばやいぞ! いいな!」に応こたえる「おう!」のみ）。映像えいぞうでもガイアやマ・クベの陰かげに隠かくれるかたちで明瞭めいりょうに描えがかれず、ドム搭乗とうじょう後ごもガイアやオルテガにはたびたび入はいるカットインがマッシュにはなかった。

漫画まんが『THE ORIGIN』の「ルウム編へん」では、シャアへのあてつけから嫌味いやみを垂たれるなど、見みた目め通どおりの粗暴そぼうな言動げんどうをとるが、「ジャブロー編へん」では怯おびえるハヤトを見みてオルテガを諫めるなど、歴戦れきせんの勇士ゆうしらしい器うつわの広ひろさを見みせる。

同どう作さくアニメ版ばんではモビルワーカーの模擬もぎ戦せんでラルと渡わたり合あい、互たがいに死しの危険きけんが迫せまった恨うらみで終了しゅうりょう後ごにもラルと殴なぐり合あうほか、「ルウム編へん」では撃沈げきちんされた連邦れんぽう艦隊かんたい旗艦きかんアナンケから退すさ艦かんする乗員じょういんの脱出だっしゅつ艇ていを狙撃そげきするなど、粗暴そぼうな面めんが強調きょうちょうされている。

オルテガ

Ortega / Ortiga

声こえ - 二又ふたまた一成いっせい（テレビ版ばん） / 仲木なかぎ隆司たかし（劇場げきじょう版ばん） / 松本まつもと大まさる（特別とくべつ版ばん） / 松田まつだ健一郎けんいちろう（THE ORIGIN・ガンダムバーサス）

一番いちばんの巨漢きょかん。階級かいきゅうは中尉ちゅうい。コンビネーション攻撃こうげきの「とどめ」の役やくを担になう。第だい25話わでガイアとともに再ふたたびガンダムに挑いどむが、Gスカイイージーに乗のったガンダムにビーム・サーベルで胴体どうたいを横よこに斬きられ戦死せんしする。

劇場げきじょう版ばんではWB隊たいとの戦闘せんとうは2回かいから1回かいに減へらされ、オルテガはガイア機きと組くみ合あったガンダムを狙ねらい停止ていししたところを、上空じょうくうから初陣ういじんであるセイラのコア・ブースターの砲撃ほうげきによって撃破げきはされる。

漫画まんが『THE ORIGIN』では、エリートであるシャアに強つよいライバル心しんをいだいており、ルウム戦役せんえき後ごに自分じぶん達たちよりもシャアがマスメディアでの扱あつかいが良よいことに激高げっこうし、テレビを素手すでで破壊はかいし窓まどから放ひり投なげるなど若干じゃっかん三枚目さんまいめ気味ぎみなキャラとなっている。セリフによれば、ザクの「ツノ」は、元もとはシャアのオリジナルであったらしい。最後さいごはアムロのガンダムに敗やぶれ、先さきに倒たおされたマッシュに対たいし無念むねんの思おもいを洩もらしながら散ちる。

同どう作さくアニメ版ばんでは、モビルワーカーに搭乗とうじょうしガンタンク初期しょき型がたとの模擬もぎ戦せんに臨のぞむ。各部かくぶを損傷そんしょうさせつつも接近せっきん戦せんで見事みごとな操縦そうじゅうを見みせ、これを撃破げきはした。

搭乗とうじょう機体きたい

時期じきによって仕様しようは異ことなるが、いずれも当初とうしょより独自どくじのパーソナル・カラーが施ほどこされているのが特徴とくちょうである。特とくにザクII S型がた以降いこうに採用さいようした黒くろと紫むらさきを基調きちょうとするパターンは、ガイアたちの死後しごもその栄誉えいよを称となえてドムの制式せいしき塗装とそうに採用さいようされているほどである。パーソナル・マークは『MSV』などでは突撃とつげき機動きどう軍ぐんのエンブレムを使用しようしていたとされるが、漫画まんが『THE ORIGIN』では文字通もじどおりの黒くろい三ツ星みつぼしマークがあしらわれている。

• MS-05B ザクI
• MS-06C ザクII C型がた
• MS-06S 指揮しき官かん用ようザクII
• MS-06R-1A 高こう機動きどう型がたザクII
• MS-09 ドム

ルウム戦役せんえきでの搭乗とうじょう機体きたい

ガイアたちがルウム戦役せんえきでレビル将軍しょうぐん捕縛ほばくの際さいに搭乗とうじょうする機体きたいは、各かく媒体ばいたいによってそれぞれ異ことなる解釈かいしゃくがなされている。

• 『ホビージャパン』の別冊べっさつ『HOW TO BUILD GUNDAM』（1981年ねん）ではモデラー勝呂かつろ国弘くにひろのオリジナルによるザク武装ぶそう旧きゅうタイプがそれに当あたるとされた。ザクIとザクIIの中なか間あいだ的てきな機体きたいとされる。
• 『モビルスーツバリエーション（MSV）』（1984年ねん）の設定せっていではザクII C型がたであり、その功績こうせきによりS型がたを受領じゅりょうしたとされる。
• 『サイバーコミックス01』（1988年ねん）掲載けいさいの赤井あかい孝美たかみの漫画まんが『ルウム戦記せんき』では、ザクIであるとされた。パーソナル・カラーで塗装とそうされているように見みえるコマもある。
• 『ギレンの野望やぼう』（1998年ねん4月がつ）のゲーム内ないのムービーでは、ザクIの頭部とうぶをもち、パーソナル・カラーに塗装とそうされたザクIIであるとされた。なお、ゲーム本編ほんぺんでは地球ちきゅう侵攻しんこう作戦さくせん時じにパーソナル・カラーを施ほどこしたザクIに搭乗とうじょうしている。
• ゲーム『SDガンダム GGENERATION』（1998年ねん8月がつ）では、上記じょうき『ギレンの野望やぼう』本編ほんぺん登場とうじょうのザクIであるとされた。この機体きたいはのちに『マスターグレード』（1999年ねん）ほかでキット化かされたが、説明せつめい書しょではルウム戦役せんえき後ごの特別とくべつ演習えんしゅうの際さいに塗装とそうされた機体きたいであるとしている。
• OVA『機動きどう戦士せんしガンダム 第だい08MS小隊しょうたい』の映像えいぞう特典とくてんである「宇宙うちゅう世紀せいき余話よわ」（1999年ねん）では、高こう機動きどう型がたザクIIであるとされた。
• 漫画まんが『GUNDAM LEGACY』（2004年ねん）では、モノクロでしか確認かくにんできないが一般いっぱん塗装とそうと同おなじ塗ぬり分わけで、左肩ひだりかたアーマーのスパイクが取とり外はずされたザクII C型がたであるとされた。なお、その後ご受領じゅりょうするS型がたのパーソナル・カラーはマッシュの提案ていあんによるものとされる。
• 漫画まんが『THE ORIGIN』（2006年ねん）では、高こう機動きどう型がたザクIIであるとされた。ただし、ジョブ・ジョンがルウム戦役せんえきの話はなしをするシーンのイメージカットではザクIになっている。
• 近藤こんどう和久かずひさの漫画まんが『機動きどう戦士せんしガンダム THE MSV ザ・モビルスーツバリエーション』（2011年ねん）でも、高こう機動きどう型がたザクIIであるとされた。
• 漫画まんが『虹にじ霓のシン・マツナガ』（2013年ねん）では、同どう作品さくひんでのちに登場とうじょうするS型がたと同おなじパーソナル・カラーのザクIIであるとされたが、S型がたであるかどうかは不明ふめい。

IFストーリーでの搭乗とうじょう機体きたい

「もしも三連星さんれんせいがホワイトベース隊たいに勝利しょうりしていたら」などというIFストーリーで描えがかれたゲーム作品さくひんでは、以下いかの専用せんよう機きが登場とうじょうする。いずれもドムに準じゅんじた黒くろと紫むらさきのカラーリングで塗装とそうされている。

• MS-09R リック・ドム（ゲーム『戦士せんし達たちの軌跡きせき』）
• MS-14B 高こう機動きどう型がたゲルググ（ゲーム『機動きどう戦士せんしガンダム ギレンの野望やぼう ジオンの系譜けいふ』で初はつ登場とうじょう、ゲルググ量産りょうさん化か計画けいかく実行じっこう時じ）
• MS-15B 高こう機動きどう型がたギャン（ゲーム『機動きどう戦士せんしガンダム ギレンの野望やぼう ジオンの系譜けいふ』で初はつ登場とうじょう、ギャン量産りょうさん化か計画けいかく実行じっこう時じ）

他た作品さくひんや現実げんじつ世界せかいへの影響えいきょう

黒くろい三連星さんれんせいをモチーフにしたキャラクターや演出えんしゅつは漫画まんが、アニメ、ゲーム、CMなどさまざまなメディアで数多かずおおく制作せいさくされている。その多おおくは「黒くろいカラー」「3人組にんぐみ」「三位一体さんみいったい攻撃こうげき」「先鋒せんぽう格かくが相手あいてに踏ふみつけられる」などの共通きょうつう性せいを持もつことが多おおい。ガンダムシリーズでも、『機動きどう戦士せんしガンダムUC』のロンド・ベルの「三連星さんれんせい（トライスター）」、漫画まんが版ばん『機動きどう戦士せんしガンダムNT』のネオ・ジオンの「白しろの三ツ星みつぼし」などが登場とうじょうしている。また、『機動きどう戦士せんしガンダム』の監督かんとくの富野とみの由ゆかり悠ゆう季き自身じしんもセルフパロディに及およんでおり、アニメ『聖戦せいせん士しダンバイン』において「クの国くにの赤あかい三さん騎士きし」と呼よばれる容貌ようぼうも似にせたキャラクターを登場とうじょうさせている。また、サンライズが制作せいさくした『焼やきたて!!ジャぱん』にはガイア、オルティガ、マッシュという容姿ようしも同おなじアニメオリジナルキャラクターが登場とうじょう、イメージシーンではドムに搭乗とうじょうしてノーベルガンダムにJSAを仕掛しかける。

バンダイホビーセンターにある17台だいの射出しゃしゅつ成形せいけい機きはWBを模もした塗装とそうが施ほどこされているが、3台だいのみドムをイメージした塗装とそうとなっている。

2018年ねん平たいら昌あきらオリンピックのノルディック複合のるでぃっくふくごう・個人こじんラージヒルにおいて、前半ぜんはんのジャンプでは渡部わたなべ暁あきら斗とらを下回したまわる4〜6位いだったものの、後半こうはんのクロスカントリーで先頭せんとう交代こうたいを繰くり返かえしスリップストリームを活用かつようすることで渡部わたなべたちを猛追もうついし、結果けっか的てきにメダルを独占どくせんしたドイツチームの3人にん（ヨハネス・ルゼック、ファビアン・リースレ、エリック・フレンツェル）に対たいして、インターネット上じょうで「ドイツの黒くろい三連星さんれんせい」という呼称こしょうが広ひろまり、一部いちぶ報道ほうどうやNHKが新聞しんぶんのテレビ欄らんでこの表現ひょうげんを使用しようした（ドイツチームは黒くろいウェアを着用ちゃくようしていた）。

参考さんこう文献ぶんけん

• 書籍しょせき
  • 皆川みなかわゆか『機動きどう戦士せんしガンダム 公式こうしき百科ひゃっか事典じてん GUNDAM OFFICIALS』講談社こうだんしゃ、2001年ねん3月がつ21日にち。ISBN 4-06-330110-9。 

• プラモデル付属ふぞく説明せつめい書しょ
  • 「MG 1/100 MS-05B ザクI 黒くろい三連星さんれんせい」、バンダイ、1999年ねん5月がつ。 
  • 「MG 1/100 MS-065R-1A ザクII チームカラーバリエーション 黒くろい三連星さんれんせい」、バンダイ、1999年ねん6月がつ。 
  • 「MG 1/100 MS-09 ドム」、バンダイ、1999年ねん6月がつ。 

• ウェブサイト
  • “WORLD - CHARACTOR”. 機動きどう戦士せんしガンダム公式こうしきWeb. 創そう通どおり・サンライズ. 2006年ねん6月がつ10日とおか閲覧えつらん。
  • “CHARACTOR - EPISODE 2（英語えいご版ばん）”. 機動きどう戦士せんしガンダム THE ORIGIN 公式こうしきサイト. 創そう通どおり・サンライズ. 2015年ねん9月がつ18日にち閲覧えつらん。

関連かんれん項目こうもく

• ガンダムシリーズの登場とうじょう人物じんぶつ一覧いちらん