機動きどう戦士せんしガンダムF91

機動きどう戦士せんしガンダムF91
MOBILE SUIT GUNDAM Formula 91
監督かんとく	富野とみの由ゆかり悠ゆう季き
脚本きゃくほん	伊東いとう恒久つねひさ 富野とみの由ゆかり悠ゆう季き
製作せいさく	山浦やまうら栄二えいじ
出演しゅつえん者しゃ	辻谷つじたに耕史こうじ 冬ふゆ馬うま由美ゆみ 前田まえだ昌明まさあき
音楽おんがく	門倉かどくら聡さとし
主題歌しゅだいか	森口もりぐち博子ひろこ「ETERNAL WIND〜ほほえみは光ひかる風ふうの中なか〜」
撮影さつえい	奥井おくい敦あつし
編集へんしゅう	布施ふせ由美子ゆみこ 野尻のじり由紀子ゆきこ 安藤あんどう洋子ようこ
製作せいさく会社かいしゃ	サンライズ
配給はいきゅう	松竹しょうちく
公開こうかい	1991年ねん3月16日にち
上映じょうえい時間じかん	115分ふん（劇場げきじょう公開こうかい版ばん） 120分ふん（完全かんぜん版ばん）
製作せいさく国こく	日本にっぽん
言語げんご	日本語にほんご

『機動きどう戦士せんしガンダムF91』（きどうせんしガンダム フォーミュラ ナインティワン、MOBILE SUIT GUNDAM Formula 91）は、1991年ねん3月16日にちに松竹しょうちく系けいで劇場げきじょう公開こうかいされたガンダムシリーズのアニメーション映画えいが。略称りゃくしょうは「F91（エフきゅうじゅういち）」。キャッチコピーは「目覚めざめよ宇宙うちゅう。" ガンダム "新しん時代じだい-第だい一いち章しょう」、「ガンダムは、新あらたなる宇宙うちゅうへ…」、「人ひとは、いつ戦争せんそうを忘わすれることができるのか？」。同時どうじ上映じょうえいは『武者むしゃ・騎士きし・コマンド SDガンダム緊急きんきゅう出撃しゅつげき』。2020年ねん10月2日にちには「ガンダム映像えいぞう新しん体験たいけんTOUR」として『機動きどう戦士せんしガンダムF91 完全かんぜん版ばん』が4DX上映じょうえいされた。

作品さくひん解説かいせつ

本ほん作さくは『機動きどう戦士せんしガンダム』の映画えいが化か10周年しゅうねんを記念きねんして制作せいさくされた劇場げきじょう用ようオリジナル作品さくひんである。サンライズとしては劇場げきじょう用よう単独たんどく作さくとして作つくった2作さく目めのガンダム作品さくひんとなる。サンライズの劇場げきじょう用ようアニメとしては初はじめてビスタサイズの動画どうが用紙ようしで作画さくがされた作品さくひんであり、これ以前いぜんの同社どうしゃの劇場げきじょう用ようアニメはすべて通常つうじょうサイズの動画どうが用紙ようしの上下じょうげを切きってビスタサイズの縦横じゅうおう比ひに合あわせて作画さくがされていた。

『ファーストガンダム』から始はじまったアムロ・レイとシャア・アズナブルを中心ちゅうしんとしたストーリーラインは前作ぜんさく『機動きどう戦士せんしガンダム 逆襲ぎゃくしゅうのシャア』で幕まくを閉とじたことにより、本ほん作さくは新あらたな時代じだいと人物じんぶつによる新しんガンダムシリーズの立たち上あげを目指めざして企画きかくされた。時代じだい設定せっていは一いち年ねん戦争せんそうから40年ねん以上いじょう、第だい二に次じネオ・ジオン抗争こうそうからは約やく30年ねんの年月としつきが経過けいかした宇宙うちゅう世紀せいき0123年ねんが舞台ぶたいである。それまでのシリーズに登場とうじょうした人物じんぶつは登場とうじょうしないが、『逆襲ぎゃくしゅうのシャア』等とうに登場とうじょうした一部いちぶのMSや艦船かんせんは引ひき続つづき登場とうじょうする。

「新しん時代じだいのガンダム」として企画きかくされた作品さくひんで、企画きかくには初はじめからバンダイのホビー事業じぎょう部ぶが関与かんよしていた。もともとはTVシリーズとしてやるという話はなしもあり、監督かんとくの富野とみの由ゆかり悠ゆう季きはそのつもりで考かんがえていたが、バンダイなどとの話はなし合あいの結果けっか、劇場げきじょう作品さくひんということに決きまった。そして『機動きどう戦士せんしガンダム』の劇場げきじょう公開こうかい10周年しゅうねんに合あわせ、そのテレビシリーズ用ようの構想こうそうの序盤じょばん1クール分ぶんにあたるストーリーを劇場げきじょう用よう完全かんぜん新作しんさくとして映像えいぞう化かしたものが本ほん作さくである。ただし、作品さくひんとして短期間たんきかんで消きえてしまっては困こまるので、ゲームを作つくったり並行へいこうして模型もけい企画きかく『機動きどう戦士せんしガンダムF90』を展開てんかいしたりした。当時とうじのサンライズ社長しゃちょう山浦やまうら栄二えいじからも「今いままで10年ねん来きたんだから、この先さき10年ねん持もつものにしよう」という話はなしが出でた。

タイトルにある「F」は「Formula（フォーミュラ）」の頭文字かしらもじであり、この単語たんごには「公式こうしき」という意味いみのほかに「基準きじゅん」という意味いみも含ふくまれているので、「ガンダムの新しん基準きじゅんを作つくる」という意味いみでタイトルとガンダムの名前なまえには『ガンダムF91』と付つけられることになった。

前作ぜんさくのシャアとアムロの対決たいけつで「ニュータイプ」に関かんしては一応いちおうの決着けっちゃくがついたとされ、作品さくひん発表はっぴょうに際さいし本ほん作さくの物語ものがたりの主題しゅだいは「家族かぞく論ろん」であると富野とみのは述のべた。難解なんかいだった前作ぜんさく『逆襲ぎゃくしゅうのシャア』に対たいし、富野とみのによると本ほん作さくは「解わかりやすさ」に重点じゅうてんを置おいている。主人公しゅじんこうも解わかりやすいヒーローになり、物語ものがたりもハッピーエンドになった。『逆襲ぎゃくしゅうのシャア』ではニュータイプ論ろんがテーマだったが、本ほん作さくは「家族かぞくの問題もんだい」という非常ひじょうに身近みぢかなテーマになっており、新しん世代せだいの観客かんきゃくには解わかりやすくなっている。この結果けっか、富野とみのは本ほん作さくを「ストーリー的てきには成功せいこう」としている。

『ガンダム』以来いらい久々ひさびさに富野とみのとの話はなし合あいにより作つくられたMSは、従来じゅうらいから大おおきく変かわったことにより賛否さんぴが分わかれた。

バンダイから発売はつばいされた『ガンダムF91』のプラモデルでは、当時とうじの先端せんたん技術ぎじゅつである「システムインジェクション」が採用さいようされた。これは多色たしょく成型せいけいにより1枚まいのランナーに複数ふくすうの色いろのパーツを納おさめ、模型もけい製作せいさくにおけるハードルを下さげるためであり、若年じゃくねん層そうへの配慮はいりょである。

劇場げきじょう公開こうかい後ご、『機動きどう戦士せんしガンダムF91 完全かんぜん版ばん』（ディレクターズ・カット版はん）が制作せいさくされている。これは製作せいさくの遅おくれが発生はっせいした事ことによる作画さくがの乱みだれを直なおすため、本編ほんぺんフィルムの一部いちぶカット修正しゅうせい、約やく5分ぶんの新作しんさくカットを追加ついか等とうの再さい編集へんしゅうおよび音声おんせいの再さいダビングが行おこなわれてビデオ販売はんばいされた物ものである。

企画きかく書しょには「F91の続編ぞくへんは絶対ぜったいに制作せいさくします」と記しるされていたが、テレビシリーズにおける続編ぞくへんは諸般しょはんの事情じじょうで2022年ねん現在げんざいも作つくられておらず、1993年ねんにはそれに替かわる形かたちで、本ほん作さくからさらに30年ねん後ごを描えがいたテレビシリーズ『機動きどう戦士せんしVガンダム』の放映ほうえいが開始かいしされた。本ほん作さくのその後ごは富野とみの原作げんさくによる漫画まんが『機動きどう戦士せんしクロスボーン・ガンダム』である程度ていど描えがかれている。本ほん作さく以降いこうもガンダムシリーズでは劇場げきじょうアニメーションが公開こうかいされているが、いずれもテレビシリーズやOVA作品さくひんを再さい編集へんしゅうし、新作しんさくカットを追加ついかしたものである。完全かんぜん新作しんさくの劇場げきじょうアニメーションは、2010年ねん公開こうかいの『劇場げきじょう版ばん 機動きどう戦士せんしガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』まで19年間ねんかん制作せいさくされなかった。

制作せいさく

本ほん企画きかくは1988年ねんから1989年ねんの間あいだ、元号げんごうをまたいで始はじまり、1990年ねん1月がつにはほぼ形かたちがまとまって制作せいさくに入はいった。

『機動きどう戦士せんしガンダムΖぜーたΖぜーた』まではSF考証こうしょう専せん門もんの担当たんとう者しゃがいたが、今回こんかいはSFというより家族かぞく話ばなし、また兵器へいき物ぶつでありながらロボット物ぶつでもあるので、マンガ的てき発想はっそうを持もてる人ひとに協力きょうりょくしてもらおうということになり、漫画まんが家かのためにミリタリーやSF考証こうしょうを行おこなっている西野にしの公平こうへいの参加さんかが決きまった。西野にしのからはMSの編隊へんたい構成こうせいや集団しゅうだん戦せんのアイデア、バグ、「分身ぶんしん」の原案げんあんとなった多重たじゅう装甲そうこうの「十二単じゅうにひとえガンダム」などが提案ていあんされた。

1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）2月がつ、「平成へいせいガンダム」の開発かいはつがスタート。メインの流ながれを汲くむガンダム企画きかくだが、富野とみの監督かんとくとの基本きほん設定せってい作業さぎょうとは別べつに、メカ（MSのみ）のデザイン原案げんあんという形かたちでプレ企画きかくがスタート。

4月がつ、具体ぐたい的てきなミーティングがスタート。これまでとは全まったく異ことなる時代じだい設定せっていと舞台ぶたいの作品さくひんとなることが確定かくてい。この頃ころにはすでにメカは大河原おおかわら邦男くにお、キャラクターは安彦やすひこ良和よしかずだろうという話はなしが出でていた。

5月、企画きかく作業さぎょうは具体ぐたい的てきな実現じつげんに向むけての段階だんかいに入はいる。新あたらしい世界せかい観かんや敵てき、キャラクターなどを富野とみの監督かんとくのメモから出でて来きた文章ぶんしょうをもとにまたメモを作つくるという作業さぎょうが続つづく。

8月がつ、貴族きぞく主義しゅぎとクロスボーン・バンガード、そしてコスモ・バビロニアという世界せかい観かんが提案ていあんされ、主人公しゅじんこうのシーブックやベラという名前なまえもすでに出でていた。大河原おおがわらと安彦やすひこの参加さんかが正式せいしき決定けってい。TVシリーズなら9月がつまでに設定せっていが上あがっている必要ひつようがあるということで本格ほんかく的てきなメカデザインが始はじまる。

9月、映画えいがかTVシリーズか決きまらないまま作業さぎょうに入はいり、とりあえずTVシリーズに備そなえた企画きかく書しょが書かかれる。

10月、TVシリーズ構成こうせい案あん（13話わまで）が完成かんせいするが、スケジュール的てきに1990年ねん4月がつスタートのテレビは無理むりということになった。10月中旬ちゅうじゅんに映画えいがで行いくことが決きまり、まだ話はなしの途中とちゅうの構成こうせい案あんのラストだけを切きりのいいように監督かんとくがいじってそのまま劇場げきじょう版ばんの第だい1次じプロットに転用てんようした。

1990年ねん1月がつ、映画えいがの企画きかく書しょが作成さくせいされ、シナリオが完成かんせいしないまま富野とみの監督かんとくが絵えコンテを描えがき始はじめる。

デザイン

サンライズから「F91は（機動きどう戦士せんしガンダムの）旧きゅうスタッフで作つくって欲ほしい」という要望ようぼうが出でていたこともあり、メカニックデザイナーには大河原おおかわら邦男くにお、キャラクターデザイナーには安彦やすひこ良和よしかずが選えらばれた。富野とみの由ゆかり悠ゆう季きとともに『ガンダム』の象徴しょうちょう的てき存在そんざいとも言いえる両りょう名なが久々ひさびさに顔かおを揃そろえている。

メカに関かんしては、時代じだい設定せっていが一新いっしんされて全まったく新あたらしいMS観かんを築きずく必要ひつようが出でてきたので、新しんシリーズの第だい1章しょうであるということも含ふくめ、「その時代じだいのベースになるデザインを作つくってもらうならやはり大河原おおかわら邦男くにおだろう」ということになった。キャラクターに関かんしても、元もとはTVシリーズということもあってとにかく登場とうじょう人物じんぶつが多おおいため、「これだけ多おおくの人物じんぶつを描えがき分わけ、しかも魅力みりょく的てきに見みせてくれるのは安彦やすひこしかいない」ということで安彦やすひこ良和よしかずに決きまった。安彦やすひこは当初とうしょ、あまり乗のり気きでなかったが、きちんと打うち合あわせをして話はなし作づくりに関かかわれるのなら、という条件じょうけん付つきで引ひき受うけた。また安彦やすひこは、本ほん作さくを最後さいごにアニメ製作せいさくの仕事しごとから退しりぞいた。

本ほん作品さくひんでは、MSのデザインにはモビルスーツの小型こがた化かなど、新あらたな要素ようそが数多かずおおく投入とうにゅうされている。MSの全ぜん高こうは15メートルにダウンサイジングされ、人ひととモビルスーツの芝居しばいをより緊密きんみつにする取とり組くみがなされている。また、新あたらしいガンダムのデザインには「分身ぶんしん」や「人ひとの顔かお」というテーマがあり、そのギミックも取とり入いれられている。

主人公しゅじんこう機きであるガンダムF91は、「原点げんてん回帰かいき」であったνにゅーガンダムに対たいし、いかにもガンダムらしい頭部とうぶと白しろを基調きちょうとした赤あか青あお黄きのトリコロールのカラーリング以外いがい、ガンダム的てきな記号きごうを極力きょくりょく廃はいしたデザインとなっている。当初とうしょのデザインはあまりに「ガンダムらしい」イメージだったため、富野とみの監督かんとくから「もっとチャレンジングなものにしたい」という要望ようぼうが出でた。そこで大河原おおがわらは、当時とうじ注目ちゅうもくを集あつめていたF1レースなどのフォーミュラカーのようなイメージでデザインを描えがき、そのデザインがガンダムF91となった。一方いっぽう、それまで進すすめていたデザインは模型もけい企画きかくの『機動きどう戦士せんしガンダムF90』という形かたちでプラモデルで展開てんかいすることになった。

敵てき方かたのクロスボーン・バンガードのMSは、「コスモ・バビロニアのMS」ということから富野とみの監督かんとくに「古代こだいバビロニア」をモチーフとすることを提案ていあんされた。大河原おおがわらは、歴史れきし上じょうバビロンがあったチグリス・ユーフラテス川がわ周辺しゅうへんの民族みんぞく衣装いしょうなどを全すべて調しらべ、そこからインスピレーションを得えて「モノアイ」に代かわるデザインとして「ゴーグル」にたどり着ついた。TVシリーズ化かも視野しやに入いれていたので敵てきMSに関かんしてもキッチリと作つくり込こもうという方針ほうしんだったため、偵察ていさつ型がた、格闘かくとう型がた、攻撃こうげき型がたの3種類しゅるいを作つくり、そしてそれを指揮しき官かん用ようと一般いっぱん用ように分わけて全部ぜんぶで6種類しゅるいのデザインを完成かんせいさせた。

カラーリングに関かんしては、スタッフの共通きょうつう認識にんしきとして「ガンダムは白しろい機体きたいにしよう」というのがあり、大河原おおかわらもそのイメージでデザインを進すすめた。最終さいしゅう的てきにはバンダイからの要望ようぼうで青あおが入はいったが、「白しろを基調きちょうに」というのは変かわらなかった。クロスボーン・バンガードの機体きたい色しょくは色いろ指定してい担当たんとうが決きめたが、機体きたいのイメージカラーの延長えんちょうで単色たんしょくになった。また当時とうじはデジタルペインティングではなく手て塗ぬりだったので、多数たすうの色いろを揃そろえたり塗ぬり分わけたりするのが大変たいへんだったということもある。

大河原おおかわらは通常つうじょう作画さくがの手間てまを考かんがえて線せんを少すくなくすることに注意ちゅういしているが、本ほん作さくでは劇場げきじょう作品さくひんということもあり、サンライズ側がわから「線せん減へらしはあとでやるから、敵てき味方みかたすべて出来できるだけ細こまかくディテールを入いれてくれ」との指定していがあった。大河原おおがわらは細こまかいディテールを書かき込こむ一方いっぽうで、シルエットだけで機体きたいの違ちがいが見分みわけられるようにもデザインしている。

デザイン作業さぎょうの終盤しゅうばんに大河原おおがわらが髄ずい膜まく炎えんを患わずらって入院にゅういんしてしまい、当時とうじサンライズ企画きかく室しつ所属しょぞくだった石垣いしがき純じゅん哉がジェガンのリメイクやバグとラフレシアのラフ案あんを描えがき、後者こうしゃ2点てんは退院たいいんした大河原おおかわらがクリンナップした。

新あらたにメカをデザインする人手ひとでも時間じかんも足たりないため、艦船かんせんなどは旧来きゅうらいのものを流用りゅうようし、細部さいぶのすり合あわせのためにディテーラーとしてサンライズ所属しょぞくの中沢なかざわ数すう宣せんが参加さんかした。

評価ひょうか

庵あん野の秀明ひであき

アニメーション作家さっかで映画えいが監督かんとくの庵あん野の秀明ひであきは、本ほん作さくを「変へんな映画えいが」であると評ひょうし、最大さいだいの失敗しっぱいは、日頃ひごろからサンライズのアニメーターを信用しんようしていなかった富野とみの由ゆかり悠ゆう季きが、本ほん作さくに限かぎっては彼かれらを信用しんようしてしまい、拙つたない演出えんしゅつ描写びょうしゃを露呈ろていしてしまったことだとしている。一方いっぽうで登場とうじょう人物じんぶつの設定せってい造形ぞうけいについては評価ひょうかしており、特とくにカロッゾ・ロナが後悔こうかいの念ねんから鉄てつ仮面かめんとして振ふる舞まう描写びょうしゃについては、日本にっぽんの恥はじの文化ぶんかが色濃いろこく反映はんえいされていると指摘してきしている。

幾いく原はら邦彦くにひこ

アニメーション監督かんとくで音楽おんがくプロデューサーの幾いく原はら邦彦くにひこは、安彦やすひこ良和よしかずのキャラクターデザインが表層ひょうそう的てきに完璧かんぺき過すぎて、作品さくひんとしてのバランスが取とれておらず、逆ぎゃくに気持きもちが悪わるいと語かたり、鉄てつ仮面かめんとして振ふる舞まうカロッゾ・ロナについては、顔かおを隠かくした制作せいさく当時とうじの富野とみの由ゆかり悠ゆう季きであるとして、家族かぞくやスタッフに対たいして後悔こうかいや謝罪しゃざいの念ねんを抱いだく一方いっぽうで、暴力ぼうりょくは当然とうぜんの如ごとく振ふるうという二に面めん性せいの本音ほんねが見みえるとしている。また、主人公しゅじんこうが他者たしゃに依存いぞんしない人間にんげんである点てんにも注目ちゅうもくして、制作せいさく当時とうじの富野とみの由ゆかり悠ゆう季きが「若わかい才能さいのうに打うちのめされたい欲求よっきゅう」と「打うちのめされた自分じぶんがグレードアップして返かえり咲ざきたい欲求よっきゅう」を抱かかえていたと指摘してきし、物語ものがたりの最後さいごで、カロッゾの娘むすめであるヒロインと主人公しゅじんこうを再会さいかいさせて、カロッゾにとっての疑似ぎじ的てきな養子ようし関係かんけいを演出えんしゅつさせたことから、若わかい才能さいのうにガンダムを任まかせつつ、富野とみの自身じしんは楽らくをしてガンダムを創つくろうとする図式ずしきが見みえると述のべている。

押井おしい守まもる

映画えいが監督かんとくでアニメーション演出えんしゅつ家かの押井おしい守まもるは、富野とみの由ゆかり悠ゆう季きがもう一度いちど、若者わかものの世界せかいに降おりてモノづくりしようと斟酌しんしゃくした結果けっか、見事みごとに失敗しっぱいした作品さくひんであるとして、富野とみのが制作せいさく側がわの女性じょせいスタッフから、「頭あたまで考かんがえた少年しょうねんでしかない」と批判ひはんされた内幕うちまくも明あかした上うえで、迎合げいごうした部分ぶぶんのせいで、作品さくひんのパワー自体じたいもぬるくなっていると酷評こくひょうしている。

物語ものがたり

大おおきな戦乱せんらんも無なく平和へいわな世界せかい、人類じんるいはその大半たいはんが地球ちきゅうから月つきまでの軌道きどうに設置せっちされたスペースコロニーに移住いじゅうし、地球ちきゅう連邦れんぽう政府せいふという国家こっかの枠組わくぐみを超こえた全ぜん地球ちきゅう規模きぼの組織そしきに統治とうちされていた。

しかし、長引ながびく平和へいわの間あいだに、敵対てきたい勢力せいりょくがいなくなった地球ちきゅう連邦れんぽう政府せいふは腐敗ふはいの一途いっとをたどり、政府せいふは地球ちきゅうに住すむ民間みんかん人じんを摘発てきはつし、宇宙うちゅうへ締しめ出だししていた。政府せいふ高官こうかんは特権とっけん階級かいきゅうの専横せんおうにより地球ちきゅうに当然とうぜんのように住すみ続つづけ、地球ちきゅう環境かんきょうは悪化あっかする一いち方ぽうであった。これに対たいしブッホ・コンツェルンの総帥そうすい、マイッツァー・ロナは「人ひとの上うえに立たつべき者ものは、人々ひとびとの規範きはんとなるような高貴こうきな精神せいしんを持もつ者ものでなければならない」とする思想しそう「コスモ貴族きぞく主義しゅぎ」を掲かかげ、堕落だらくの温床おんしょうとなる既得きとく権益けんえきを排除はいじょした能力のうりょく重視じゅうしの階級かいきゅう制度せいどによって社会しゃかいを立たて直なおすために、地球ちきゅう連邦れんぽう政府せいふの打倒だとうを画策かくさくし、秘密裏ひみつりに軍事ぐんじ組織そしき クロスボーン・バンガード（C・V）を設立せつりつしていた。

宇宙うちゅう世紀せいき0123年ねん3月がつ、ロナ家か一族いちぞくの鉄てつ仮面かめん、ドレル・ロナに率ひきいられた武装ぶそう集団しゅうだんは、フロンティアサイドの新興しんこうスペースコロニー「フロンティアIV」を急襲きゅうしゅうする。連邦れんぽう軍ぐんのMS部隊ぶたいは迎撃げいげきするがまるで歯はが立たたず、いたずらに戦火せんかを拡大かくだいさせるだけであった。

街まちを覆おおう戦火せんかと混乱こんらんと容赦ようしゃない死しの中なかで、フロンティア学園がくえんの生徒せいとであるシーブック・アノーと妹いもうとのリィズは、襲撃しゅうげきから避難ひなんするために友人ゆうじん達たちとともにシェルターへ避難ひなんしようとする。ガンタンクR-44に乗のり込こみ逃走とうそうの末すえコロニーを脱出だっしゅつするが、同行どうこうしていた内うちの一人ひとり セシリー・フェアチャイルドはC・Vに連つれ去さられてしまう。セシリーの素顔すがおはマイッツァーの生いき別わかれの孫娘まごむすめベラ・ロナだった。

シーブック達たちは近隣きんりんのコロニー「フロンティアI」にたどり着つき、地球ちきゅう連邦れんぽう軍ぐんの宇宙うちゅう練習れんしゅう艦かんスペース・アークに保護ほごされる。艦内かんないにはガンダムF91と名付なづけられた整備せいび中ちゅうのMS（モビルスーツ）があった。

一方いっぽう、C・Vに占領せんりょうされたフロンティアIVではコスモ貴族きぞく主義しゅぎの実現じつげんのための国家こっか「コスモ・バビロニア」の建国けんこくが宣言せんげんされ、セシリーはコスモ・バビロニアの象徴しょうちょうとして祭まつり上あげられることになる。

そして、F91に乗のって反攻はんこうするシーブックと、専用せんようMSビギナ・ギナを与あたえられたセシリーは、戦場せんじょうで対峙たいじ（たいじ）する。

登場とうじょう人物じんぶつ

主要しゅよう人物じんぶつはそれぞれの項こう、それ以外いがいは「機動きどう戦士せんしガンダムF91の登場とうじょう人物じんぶつ」を参照さんしょう

地球ちきゅう連邦れんぽう軍ぐん（民間みんかん人じん、レジスタンス含ふくむ）

• シーブック・アノー （声こえ - 辻谷つじたに耕史こうじ）
• セシリー・フェアチャイルド（ベラ・ロナ） （声こえ - 冬ふゆ馬うま由美ゆみ）
• アーサー・ユング （声こえ - 松野まつの太紀たいき）
• アンナマリー・ブルージュ （声こえ - 神代かみしろ知衣ちえ）
• エルム夫人ふじん （声こえ - 峰みねあつ子こ）
• クリス （声こえ - 遠藤えんどう章あきら史し）
• グルス・エラス （声こえ - 竹村たけむら拓たく）
• ケーン・ソン （声こえ - 佐藤さとう浩之ひろゆき）
• コズモ・エーゲス（コズミック） （声こえ - 渡部わたなべ猛たけし）
• コチュン・ハイン （声こえ - 吉田よしだ古奈美こなみ）
• サム・エルグ （声こえ - 高戸たかど靖広やすひろ）
• ジェシカ・ングロ （声こえ - 天野あまの由梨ゆり）
• ジョージ・アズマ （声こえ - 西村にしむら智博ともひろ）
• ストアスト長官ちょうかん （声こえ - 池田いけだ勝まさる）
• ドロシー・ムーア （声こえ - 折笠おりかさ愛あい）
• ドワイト・カムリ （声こえ - 子安こやす武人たけひと）
• ナント・ルース （声こえ - 大友おおとも龍三郎りゅうさぶろう）
• バルド中尉ちゅうい （声こえ - 若本わかもと規夫のりお）
• ビルギット・ピリヨ （声こえ - 塩屋しおや翼つばさ）
• ベルトー・ロドリゲス （声こえ - 伊倉いくら一恵かずえ）
• マヌエラ・パノパ （声こえ - 鈴木すずきみえ）
• ミゲン・マウジン （声こえ - 神代かみしろ知衣ちえ）
• ミンミ・エディット （声こえ - 千原ちはら江理子えりこ）
• モニカ・アノー （声こえ - 荘司しょうじ美代子みよこ）
• リア・マリーバ （声こえ - 小林こばやし優子ゆうこ）
• リィズ・アノー （声こえ - 池本いけもと小百合さゆり）
• レアリー・エドベリ艦長かんちょう代行だいこう （声こえ - 横尾よこおまり）
• レズリー・アノー （声こえ - 寺島てらしま幹夫みきお）
• ローバー （声こえ - 田口たぐち昂のぼる）
• ロイ・ユング （声こえ - 大木おおき民夫たみお）

クロスボーン・バンガード

• ザビーネ・シャル （声こえ - 梁田やなだ清之きよゆき）
• カロッゾ・ロナ（鉄てつ仮面かめん） （声こえ - 前田まえだ昌明まさあき）
• シオ・フェアチャイルド （声こえ - 大木おおき民夫たみお）
• ジレ・クリューガー大佐たいさ （声こえ - 小林こばやし清志きよし）
• ドレル・ロナ （声こえ - 草尾くさお毅あつし）
• ナーイ・フレッチェン （声こえ - 上村うえむら典子のりこ）
• ナディア・ロナ （声こえ - 坪井つぼい章子あきこ）
• ボブルス （声こえ - 稲葉いなば実みのる）
• マイッツァー・ロナ （声こえ - 高杉たかすぎ哲あきら平たいら）

登場とうじょう兵器へいき

「宇宙うちゅう世紀せいきの登場とうじょう機動きどう兵器へいき一覧いちらん#機動きどう戦士せんしガンダムF91」を参照さんしょう

「ガンダムシリーズの登場とうじょう艦船かんせん及およびその他たの兵器へいき一覧いちらん#機動きどう戦士せんしガンダムF91」を参照さんしょう

本ほん作さくに登場とうじょうするモビルスーツ（MS）の特徴とくちょうとして、従来じゅうらいより小型こがた化かしていることがあげられる。『逆襲ぎゃくしゅうのシャア』でのMSは大型おおがた化かしており、初代しょだいガンダムの頭頂とうちょう高だかは約やく18mだったのに対たいし、νにゅーガンダムは22mに達たっしていたが、本ほん作さくのMSは約やく15m程度ていどと大幅おおはばに小型こがた化かされている。

設定せってい上じょうはMSが大型おおがた・肥大ひだい化かしたことによる運用うんよう面めんでの不備ふびが出でてきたことによるコストダウンのためとされている。

アニメの演出えんしゅつ面めんの理由りゆうとして、富野とみのは「一番いちばん大おおきな理由りゆうとしては、模型もけいにしたときに、同どうスケールで縮ちぢめた人間にんげんのモデルとからめやすい、ジオラマなどの情景じょうけいが組くみやすいという点てんにあります」と『聖戦せいせん士しダンバイン』のロボットが小型こがた化かされたのとほぼ同様どうようの理由りゆうを述のべている。富野とみの自身じしんは10m以下いかのサイズまで小型こがた化かしたかったが、結局けっきょく商品しょうひん展開てんかいの都合つごうで15m程度ていどに収おさまった。

また、プラモデルなどの商品しょうひんのコストダウンも目的もくてきであった。しかし、実際じっさいには従来じゅうらいのスタンダードである1/144スケールサイズに「1/100」の看板かんばんが付ついたに過すぎず、ボールジョイント型がたポリキャップや色いろプラ技術ぎじゅつ、二に重じゅう関節かんせつなどの本格ほんかく導入どうにゅうもあり、スタンダードスケールの価格かかくはむしろ上あがった。

この設定せっていは従来じゅうらいのファンから受うけ入いれられず、特とくに模型もけいファンからの不満ふまんの声こえが多おおかった。また、映像えいぞう演出えんしゅつ的てきにも中途半端ちゅうとはんぱであり「人間にんげんのモデルとからめやすい」メリットは発揮はっきされづらかった。そのため、次つぎ作さく『機動きどう戦士せんしVガンダム』は基本きほん的てきに15mサイズだが、敵てき側がわMSの中なかには第だい1期きMSサイズの新型しんがた機きも登場とうじょうした。また、それ以降いこうに製作せいさくされた『機動きどう武闘ぶとう伝でんGガンダム』から『新しん機動きどう戦記せんきガンダムW』までは16.7m程度ていどで設定せっていされ、富野とみのが監督かんとくを務つとめた『∀ガンダム』以降いこうは再ふたたび20mサイズとなっている。

スタッフ

• 原案げんあん - 矢立やたて肇はじめ
• 原作げんさく・監督かんとく - 富野とみの由ゆかり悠ゆう季き
• 脚本きゃくほん - 伊東いとう恒久つねひさ、富野とみの由ゆかり悠ゆう季き
• 演出えんしゅつ - 杉島すぎしま邦久くにひさ
• レイアウト - 北原きたはら健雄たけお
• 美術びじゅつ - 池田いけだ繁美しげみ
• 撮影さつえい - 奥井おくい敦あつし
• 編集へんしゅう - 布施ふせ由美子ゆみこ、野尻のじり由紀子ゆきこ、安藤あんどう洋子ようこ
• 編集へんしゅう協力きょうりょく - 森田もりた編集へんしゅう室しつ
• 作画さくが監督かんとく - 北原きたはら健雄たけお、村瀬むらせ修おさむ功いさお、小林こばやし利充としみつ
• 音楽おんがく - 門倉かどくら聡さとし
• 音響おんきょう - 藤野ふじの貞義さだよし
• キャラクターデザイン - 安彦やすひこ良和よしかず
• メカニカルデザイン - 大河原おおかわら邦男くにお
• 設定せってい協力きょうりょく - 西野にしの公平こうへい
• デザイン協力きょうりょく - 石垣いしがき純じゅん哉
• ディテールサポート - 中沢なかざわ数すう宣せん（RED）
• プロデューサー - 中川なかがわ宏ひろし徳とく
• 企画きかく・製作せいさく - サンライズ
• 製作せいさく - 山浦やまうら栄二えいじ
• 制作せいさく委員いいん会かい
  • 松竹しょうちく - 奥山おくやま和由かずよし、創そう通どおりエージェンシー - 那須なす雄治ゆうじ
  • 名古屋なごやテレビ - 木谷きたに忠ただし、バンダイ - 山科やましな誠まこと
  • サンライズ - 伊藤いとう昌あきら憲けん

主題歌しゅだいか

テーマ曲きょく「ETERNAL WIND〜ほほえみは光ひかる風ふうの中なか〜」

作詞さくし - 西脇にしわき唯ゆい / 作曲さっきょく - 西脇にしわき唯ゆい、緒いとぐち里さと原はら洋子ようこ / 編曲へんきょく - 門倉かどくら聡さとし / 唄うた - 森口もりぐち博子ひろこ

イメージ曲きょく「君きみを見みつめて -The time I'm seeing you-」

作詞さくし - 井い荻おぎ麟、茂しげ村むら泰彦やすひこ / 作曲さっきょく - 茂しげ村むら泰彦やすひこ / 編曲へんきょく - 門倉かどくら聡さとし / 唄うた - 森口もりぐち博子ひろこ

元々もともとは「君きみを見みつめて」がテーマ曲きょくで「ETERNAL WIND」は挿入歌そうにゅうかの予定よていだったが、富野とみの由ゆかり悠ゆう季きの意向いこうにより変更へんこうされ、「ETERNAL WIND」は挿入歌そうにゅうかとしても使用しようされたままテーマ曲きょくとなり、「君きみを見みつめて」はイメージソングという扱あつかいとなった。プロモーションフィルムでは「君きみを見みつめて」が使用しようされている。森口もりぐちはデビュー曲きょくである『Ζぜーた』後期こうき主題歌しゅだいか「水みずの星ほしへ愛あいをこめて」以来いらいのガンダム主題歌しゅだいかになる。この曲きょくは森口もりぐちにとって自身じしん最大さいだいのヒット曲きょくとなり、『紅白こうはく歌合戦うたがっせん』の初はつ出演しゅつえんも果はたした。

また、公開こうかい当時とうじにはそれぞれの曲きょくを使用しようした数種類すうしゅるいのCMが放映ほうえいされていた。

ホームメディア

各種かくしゅあるテープメディア・ディスクメディアは、全すべてバンダイナムコアーツ（2018年ねん3月がつ末まつまではバンダイビジュアル）から発売はつばい。

映画えいがの前売まえうり券けんには特典とくてんとしてテレフォンカードやプラモデル（『BB戦士せんし ガンダムF91 チケットスペシャル』。のちに発売はつばいされた通常つうじょう版ばんとは別物べつもの）、『機動きどう戦士せんしガンダム0083 STARDUST MEMORY』第だい1話わのビデオが付属ふぞくしたセットもあった。

劇場げきじょう公開こうかい後ご、本編ほんぺんフィルム全ぜん8ロール中ちゅう1から6ロールの一部いちぶカット修正しゅうせい、7・8ロールに約やく5分ぶんの新作しんさくカットを追加ついかして再さい編集へんしゅうおよび音声おんせいの再さいダビングしたディレクターズカット版ばん『機動きどう戦士せんしガンダムF91 完全かんぜん版ばん』がビデオ販売はんばいされた。

• DVD 『機動きどう戦士せんしガンダムF91』（1枚まい組ぐみ、2001年ねん3月がつ25日にち発売はつばい）

『劇場げきじょう公開こうかい版ばん』と『完全かんぜん版ばん』の両方りょうほうが収録しゅうろくされている（DVDソフトの『劇場げきじょう公開こうかい版ばん』は、1から6ロールが『完全かんぜん版ばん』であり、厳密げんみつな意味いみで『劇場げきじょう公開こうかい版ばん』と同どう内容ないようのDVDは存在そんざいしない）。

• Blu-ray 『機動きどう戦士せんしガンダムF91 初回しょかい限定げんてい版ばん・通常つうじょう版ばん』 (1枚まい組ぐみ、2011年ねん6月がつ24日にち発売はつばい)

• Ultra HD Blu-ray&Blu-ray『機動きどう戦士せんしガンダムF91 4KリマスターBOX』(2枚まい組ぐみ、2018年ねん6月がつ22日にち発売はつばい)

Ultra HD Blu-rayと同おなじ4Kマスターを使用しようしたBlu-rayを同どう梱こりした2枚まい組ぐみBOX仕様しよう。音声おんせい特典とくてんとして、オリジナルのドルビーサラウンド音声おんせい成分せいぶんを分解ぶんかい・再さい配置はいちし、低音ていおん成分せいぶんを追加ついかした「4.1ch アドサラウンド」音声おんせいをUltra HD Blu-ray、Blu-rayの両方りょうほうに収録しゅうろく。

映像えいぞう配信はいしん

2020年ねん5月がつ22日にちにYouTubeガンダムチャンネルで登録とうろく者しゃ50万まん人にん突破とっぱを記念きねんして24時じ間あいだ限定げんていでイベント配信はいしんされた。冒頭ぼうとうと最後さいごに森口もりぐち博子ひろこのビデオメッセージも配信はいしんされている。同年どうねん11月がつ6日にちにもMETAL BUILD ガンダムF91 CHRONICLE WHITE Ver.商品しょうひん化か記念きねんとして48時じ間あいだ限定げんてい配信はいしんされている。

関連かんれん作品さくひん

小説しょうせつ

機動きどう戦士せんしガンダムF91 クロスボーン・バンガード

• 上巻じょうかん：ISBN 978-4-04-410134-3
• 下巻げかん：ISBN 978-4-04-410135-0

全ぜん2巻かんの小説しょうせつが富野とみの由ゆかり悠ゆう季きにより執筆しっぴつされ、角川書店かどかわしょてん（角川かどかわスニーカー文庫ぶんこ）より刊行かんこうされている。表紙ひょうしイラストと挿絵さしえは美樹みき本もと晴彦はるひこが担当たんとう。

上巻じょうかんの3/4程度ていどは劇場げきじょう版ばんの物語ものがたりより過去かこのエピソードであり、クロスボーン・バンガードの母体ぼたいであるブッホ・コンツェルンやロナ家かの成なり立たちからマイッツァー・ロナが挙兵きょへいに至いたる経緯けいい、ハイスクール時代じだいのシーブックとセシリーの出会であいなどについて詳くわしく語かたられている。また、劇場げきじょう版ばんの物語ものがたりの始はじまりであるC・VのフロンティアIVへの侵攻しんこう以降いこうのストーリーでも、劇場げきじょう版ばんでは細こまかく説明せつめいされていない設定せっていや各かく登場とうじょう人物じんぶつの心理しんり描写びょうしゃなどが描えがかれており、より深ふかく作品さくひんを理解りかいできる内容ないようとなっている。なお、物語ものがたりの展開てんかいは劇場げきじょう版ばんとは大おおまかな流ながれは変かわらないものの、設定せっていの一部いちぶや終盤しゅうばんの展開てんかいが異ことなる。

コミック

機動きどう戦士せんしガンダムF91

劇場げきじょう公開こうかいに合あわせて講談社こうだんしゃの少年しょうねん向むけ漫画まんが雑誌ざっし『コミックボンボン』の1991年ねん1月がつ号ごうから同年どうねん5月がつ号ごうに連載れんさいされた漫画まんが作品さくひん。作画さくがは井上いのうえ大助だいすけ。

少年しょうねん漫画まんがとしてかなり大おおきくアレンジされており、劇場げきじょう版ばんでは実直じっちょくな好こう青年せいねんであるシーブックの性格せいかくや口調くちょうがかなり乱暴らんぼうなものになっている。

単行本たんこうぼんは1991年ねん5月がつにボンボンKCで発売はつばいされた後のち、2000年ねんに大だい都と社しゃから『機動きどう戦士せんしガンダム0080』（著ちょ：池原いけはらしげと）とカップリング収録しゅうろくで復刻ふっこくされている。

機動きどう戦士せんしガンダムF91〈番外ばんがい編へん〉シーブックの騎士きし道どう物語ものがたり

作画さくがは上記じょうきコミックと同おなじく井上いのうえ大助だいすけ。ガンダムマガジンNo.5、No.6に掲載けいさい。

機動きどう戦士せんしガンダムF90

詳細しょうさいは「機動きどう戦士せんしガンダムF90」を参照さんしょう

『F91』での小型こがたMS展開てんかいの露払つゆはらいとして1990年ねんより展開てんかいしたプラモデルを中心ちゅうしんとするメディアミックス企画きかく。ガンダムF90の登場とうじょうに関連かんれんして、作品さくひん世界せかいでの小型こがたMSの誕生たんじょうの経緯けいいについて設定せっていされ、ガンダムF90を主役しゅやく機きとした複数ふくすうの物語ものがたりが展開てんかいされる。

「サイバーコミックス」および「SDクラブ」に連載れんさいされた漫画まんがの物語ものがたりは『F91』の3年ねん前まえ。地球ちきゅう連邦れんぽう軍ぐんとジオン公国こうこく軍ぐんの残党ざんとうの戦たたかいが描えがかれる。

ゲームとしては後述こうじゅつの『機動きどう戦士せんしガンダムF91 フォーミュラー戦記せんき0122』が発表はっぴょうされている。

機動きどう戦士せんしガンダム シルエットフォーミュラ91

詳細しょうさいは「機動きどう戦士せんしガンダム シルエットフォーミュラ91」を参照さんしょう

1992年ねんより発表はっぴょうされた、プラモデル、小説しょうせつ、漫画まんがによるメディアミックス企画きかく。ガンダムF91の技術ぎじゅつを盗用とうようした機体きたいであるシルエットガンダムなどが設定せっていされている。物語ものがたりの舞台ぶたいは『F91』の1か月げつ前まえ。シルエットガンダムの実じつ動どう試験しけん中ちゅうにおけるクロスボーン・バンガードとの遭遇そうぐうと、そこから始はじまる一連いちれんの事件じけんについて描えがかれる。

機動きどう戦士せんしクロスボーン・ガンダム

詳細しょうさいは「機動きどう戦士せんしクロスボーン・ガンダム」を参照さんしょう

1994年ねんから1997年ねんに『月刊げっかん少年しょうねんエース』に連載れんさいされた、長谷川はせがわ裕一ひろいち著ちょの漫画まんが作品さくひん。『F91』の10年ねん後ご、コスモ・バビロニアが既すでに崩壊ほうかいした後のちの時代じだいを舞台ぶたいとしている。宇宙うちゅう海賊かいぞくとして再興さいこうしたクロスボーン・バンガードの木星もくせい帝国ていこくとの戦たたかいが描えがかれる。

機動きどう戦士せんしガンダムF91プリクエル

作画さくがはおおのじゅんじ。『月刊げっかんガンダムエース』2020年ねん3月がつ号ごうより連載れんさいされている。映画えいがの前日ぜんじつ譚たんを描えがく。小説しょうせつ版ばんをベースとしているが、本ほん作さく独自どくじのエピソードも描えがかれ、時とき系列けいれつは一定いっていしていない。

• 富野とみの由ゆかり悠ゆう季き（原作げんさく） / おおのじゅんじ（作画さくが）、KADOKAWA〈角川かどかわコミックス・エース〉、既刊きかん5巻かん（2023年ねん8月がつ25日にち現在げんざい）
  1. 2020年ねん9月がつ24日にち発売はつばい、ISBN 978-4-04-109894-3
  2. 2021年ねん3月がつ26日にち発売はつばい、ISBN 978-4-04-109894-3
  3. 2021年ねん11月26日にち発売はつばい、ISBN 978-4-04-112102-3
  4. 2022年ねん10月がつ26日にち発売はつばい、ISBN 978-4-04-113144-2
  5. 2023年ねん8月がつ25日にち発売はつばい、ISBN 978-4-04-114165-6

ゲーム

機動きどう戦士せんしガンダムF91 フォーミュラー戦記せんき0122

詳細しょうさいは「機動きどう戦士せんしガンダムF91 フォーミュラー戦記せんき0122」を参照さんしょう

劇場げきじょう公開こうかい後ごの1991年ねん夏なつに発売はつばいされた、スーパーファミコン用ようのゲームソフト。「SFC版ばんF91」「ゲーム版ばんF91」のように呼称こしょうされる場合ばあいも多おおいが、実際じっさいには前述ぜんじゅつの『F90』の展開てんかい上じょうで発表はっぴょうされた外伝がいでん作品さくひんであり、登場とうじょう人物じんぶつが異ことなるほか、登場とうじょうMSも一部いちぶが共通きょうつうするのみである。ガンダムF90の装備そうびとしてガンダムF91の試験しけんのためのVタイプなどが登場とうじょうしている。物語ものがたりの舞台ぶたいは『F91』の1年ねん前まえ。ジオン公国こうこく軍ぐんの残党ざんとうの壊滅かいめつと、その裏うらでのクロスボーン・バンガードの暗躍あんやくが描えがかれる。

機動きどう戦士せんしガンダム クライマックスU.C.

詳細しょうさいは「機動きどう戦士せんしガンダム クライマックスU.C.」を参照さんしょう

2006年ねんに発売はつばいされた、PlayStation 2用ようのゲームソフト。ガンダムシリーズの映像えいぞう作品さくひんの1つとして『F91』が収録しゅうろくされている。SDガンダム作品さくひん以外いがいで初はじめて『F91』のシナリオが再現さいげんされているほか、ゲームのエンディング曲きょくとして『F91』のテーマ曲きょくである『ETERNAL WIND』が使用しようされている。

また、漫画まんが版ばん『機動きどう戦士せんしガンダム クライマックスU.C. 紡つむがれし血統けっとう』は『F91』の時間じかん軸じくでの物語ものがたりと、『機動きどう戦士せんしガンダム』から『逆襲ぎゃくしゅうのシャア』までの時間じかん軸じくでの物語ものがたりを並行へいこうする構成こうせいとなっている。

F91パーフェクト3

バンプレストが製造せいぞうしたアーケード用ようメダルゲーム。頭部とうぶ・胴体どうたい・脚あし部ぶの縦たて3列れつのスロットを揃そろえて作中さくちゅうに登場とうじょうしたMSを完成かんせいさせるとメダルが払はらい戻もどされる。なお、頭部とうぶと胴体どうたい、胴体どうたいと脚あし部ぶのみが揃そろった場合ばあいは投入とうにゅうしたメダルが払はらい戻もどされる。

その他た

F91-MSV（機動きどう戦士せんしガンダムF91モビルスーツバリエーション）

『F91』の作品さくひん世界せかいのモビルスーツ(MS)のデザインや設定せっていを行おこなう企画きかく（モビルスーツバリエーション）。メカニックデザインは『F91』と同様どうように大河原おおかわら邦男くにおが担当たんとう。複数ふくすうの雑誌ざっし、情報じょうほう誌しなどで展開てんかいされた。

バンダイ発刊はっかんの模型もけい雑誌ざっし『B-CLUB』では、本ほん作さくの劇場げきじょう公開こうかいに先駆さきがけて、ガンダムF91のベースとなったMS、ガンダムF90に関連かんれんする企画きかくが発表はっぴょうされた。この企画きかくは後述こうじゅつの『機動きどう戦士せんしガンダムF90』へと発展はってんしており、主おもにガンダムF90のバリエーションと関連かんれん作品さくひんに登場とうじょうするMSが同どう企画きかくのMSとして分類ぶんるいされる。

また、『F91』の劇場げきじょう公開こうかいに合あわせて講談社こうだんしゃよりガンダムシリーズ専せん門もんの漫画まんが雑誌ざっし『ガンダムマガジン』が発刊はっかんされ、アニメ作品さくひん中ちゅうに登場とうじょうしたMSの重じゅう装備そうび型がたなどのバリエーションが発表はっぴょうされている。狭義きょうぎの「F91-MSV」はこの企画きかくを指さす。

その他た、前述ぜんじゅつの『機動きどう戦士せんしガンダム シルエットフォーミュラ91』も企画きかく当初とうしょは「F91-MSV」のタイトルで発表はっぴょうされている。

外部がいぶリンク

• 機動きどう戦士せんしガンダムF91 公式こうしきweb
• サンライズ公式こうしきWeb
• 機動きどう戦士せんしガンダムF91 特集とくしゅうページ
• 機動きどう戦士せんしガンダムF91 - allcinema
• 機動きどう戦士せんしガンダムF91 - KINENOTE
• 機動きどう戦士せんしガンダムF91 - MOVIE WALKER PRESS
• 機動きどう戦士せんしガンダムF91 - 映画えいが.com
• MOBILE SUIT GUNDAM Formula 91 - オールムービー（英語えいご）
• MOBILE SUIT GUNDAM Formula 91 - IMDb（英語えいご）