言論げんろん統制とうせい

言論げんろん統制とうせい（げんろんとうせい）とは、公権力こうけんりょくが検閲けんえつ制度せいどなどの手段しゅだんを用もちいて、言論げんろん・表現ひょうげんを制限せいげんすること^[1]^[2]。規制きせいの対象たいしょうや方法ほうほうは様々さまざまである。マスメディアが対象たいしょうとなることが多おおいが、集会しゅうかい、デモ行進こうしん、個人こじんの会話かいわまで規制きせいされることもある^[2]。言論げんろん弾だん圧あつとも^[3]。

概要がいよう編集へんしゅう

言論げんろん統制とうせいは主おもに対たい国内こくないに流布るふする利敵りてき情報じょうほう、例たとえば国家こっか政策せいさくへの批判ひはん、治安ちあん・風紀ふうきを乱みだす主義しゅぎ思想しそう、国家こっか機密きみつ、暴動ぼうどう・扇動せんどうなどが、出版しゅっぱん・報道ほうどう・流布るふされないように調査ちょうさや検閲けんえつを行おこない、必要ひつように応おうじてこれらの情報じょうほうを操作そうさ・管理かんり・抑制よくせいすることである。テレビ、新聞しんぶん、ラジオ、映画えいが、学校がっこう教育きょういくなどが情報じょうほう統制とうせい、世論せろん操作そうさに使つかわれることが多おおく、インターネットの普及ふきゅう以降いこうはインターネット上うえ（代表だいひょう例れい：SNS、ブログなど）でも用もちいられていることがある^[4]。

戦時せんじ下したには、言論げんろんの自由じゆう、報道ほうどうの自由じゆうをうたう民主みんしゅ主義しゅぎ国こくであっても少すくなからず言論げんろん統制とうせいを行おこなう場合ばあいが多おおい。アメリカ大使館あめりかたいしかんでも、アメリカ政府せいふが1940年代ねんだい末すえに「力ちからによる政府せいふ転覆てんぷく(暴力ぼうりょく革命かくめい)」の提唱ていしょうや主張しゅちょう拡散かくさん、謀議ぼうぎを行おこなった米国べいこく共産党きょうさんとうの指導しどう者しゃを起訴きそしている例れいを紹介しょうかいしている^[5]。

戦前せんぜん・戦中せんちゅうの日本にっぽんでは公権力こうけんりょくによる統制とうせいは受動じゅどう的てきであり、都市とし部ぶの官かん公吏こうり、教員きょういん、会社かいしゃ員いんなどに代表だいひょうされる投書とうしょ階級かいきゅう(新中しんなか間あいだ層そう)や消費しょうひ者しゃ市民しみんといった民意みんいが主体しゅたいとなって、逆ぎゃくに検閲けんえつ当局とうきょくに対たいして娯楽ごらくなどの言論げんろん統制とうせいが甘あまいと批判ひはん・規制きせい要求ようきゅうが度々たびたび見みられた^[6]^[7]^[8]^[9]^[10]。検閲けんえつ官かんは職しょくを去さる際さいに「これからは検閲けんえつがなくなるので、今いままで我々われわれが制限せいげんしていた以上いじょうの一般いっぱん大衆たいしゅうの批判ひはんがまともに来くる。だから勉強べんきょうしなければ駄目だめですよ」であった。実際じっさいに、テレビ番組ばんぐみや楽曲がっきょくについて、一部いちぶの声こえ高層こうそうは新聞しんぶんやテレビ局てれびきょくに抗議こうぎの投書とうしょやツイートをするが、多数たすうの人ひとが娯楽ごらくとして享受きょうじゅしている状況じょうきょうが珍めずらしくない^[10]。

実例じつれい編集へんしゅう

民主みんしゅ主義しゅぎ国家こっかとされる国くにでも、国家こっかによる言論げんろん統制とうせいが行おこなわれている、ないしは行おこなわれることがある。国家こっかが言論げんろん統制とうせいに直接ちょくせつ関与かんよしなくても、与党よとうの有力ゆうりょく政治せいじ家かが個人こじん的てきに多おおくのメディア企業きぎょうの経営けいえい権けんを掌握しょうあくし、あるいはメディア経営けいえい者しゃと結むすびつき、言論げんろんへの影響えいきょう力りょくを及およぼすいわゆる汚職おしょくによる場合ばあいがある^[11]。

ドイツではヒトラーを礼れい讃さんしたり、ナチスの意匠いしょうや出版しゅっぱん物ぶつを流布るふすると民衆みんしゅう扇動せんどう罪ざい（ドイツ刑法けいほう第だい130条じょう）で違法いほうとされている。これは「戦たたかう民主みんしゅ主義しゅぎ」（民主みんしゅ主義しゅぎを否定ひていすることを認みとめない民主みんしゅ主義しゅぎ）と呼よばれている。

アメリカなどの自由じゆう主義しゅぎ諸国しょこくでも戦時せんじあるいは国家こっか機密きみつにおいては行政ぎょうせい命令めいれい第だい12065号ごう（国家こっか安全あんぜん保障ほしょう情報じょうほう）によりアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく情報じょうほう安全あんぜん保障ほしょう監督かんとく局きょく等ひとしによる情報じょうほうの機密きみつ化かは当然とうぜんのように行おこなわれる。

韓国かんこくでは国家こっか保安ほあん法ほうにより、法的ほうてきに共産きょうさん主義しゅぎの宣伝せんでんや共産きょうさん主義しゅぎ運動うんどうを支持しじする言論げんろんは禁止きんしされている。

日本にっぽん編集へんしゅう

江戸えど時代じだいの日本にっぽんでは出版しゅっぱんには届出とどけでが必要ひつようであり、これに違反いはんした者ものは罰ばっせられた。例たとえば1855年ねんに仮名垣魯文かながきろぶんの『安政あんせい見聞けんぶん誌し』を出だした版元はんもとと共著きょうちょ者しゃの一いち筆ぴつ庵あん英寿ひでとしは手鎖てじょうとなった（ただし、魯文は無む署名しょめいであったため筆禍ひっかを免まぬかれた）。

明治めいじ以降いこうの日本にっぽんでは出版しゅっぱん法ほう、新聞紙しんぶんし法ほうなどにより検閲けんえつが行おこなわれた。共産きょうさん主義しゅぎ・無む政府せいふ主義しゅぎの宣伝せんでん・煽動せんどう、皇室こうしつ批判ひはん、日本にっぽんの植民しょくみん地ち（朝鮮ちょうせん・台湾たいわんなど）独立どくりつ運動うんどうの煽動せんどう、人工じんこう妊娠にんしん中絶ちゅうぜつの方法ほうほうの紹介しょうかいなどは禁止きんしされた。要塞ようさい地帯ちたいや軍港ぐんこうなどの地理ちり記述きじゅつ、写真しゃしんなども発行はっこう禁止きんしの対象たいしょうとなった。戦時せんじ体制たいせい下したの日本にっぽんでは、出版しゅっぱん法ほう、新聞紙しんぶんし法ほう、国家こっか総動員そうどういん法ほうなどをよりどころにした言論げんろん統制とうせいが情報じょうほう局きょくや特別とくべつ高等こうとう警察けいさつを中心ちゅうしんに行おこなわれた（安寧あんねい秩序ちつじょ紊乱びんらんに関かかわる発禁はっきん命令めいれい権けん者しゃは内務ないむ大臣だいじん）。

詳細しょうさいは「日本にっぽんにおける検閲けんえつ#大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう制定せいてい後ご」および「戦前せんぜん・戦中せんちゅう期き日本にっぽんの言論げんろん弾圧だんあつ (年表ねんぴょう)」を参照さんしょう

映画えいが関連かんれんは観覧かんらんに供きょうされるものが検閲けんえつの対象たいしょうとなり、1917年ねん（大正たいしょう6年ねん）の「活動かつどう写眞しゃしん興行こうぎょう取締とりしまり規則きそく」（警視けいし庁ちょう令れい第だい12号ごう）、1922年ねん（大正たいしょう11年ねん）7月がつの警視庁けいしちょう令れい15号ごう、1925年ねん（大正たいしょう14年ねん）3月がつの内務省ないむしょう令れい10号ごうを経へて、内容ないよう以外いがいにも、上映じょうえい尺じゃく数すうの上限じょうげんや上映じょうえい期間きかんが定さだめられた。戦時せんじ体制たいせい下したの1939年ねん（昭和しょうわ14年ねん）には、より拘束こうそく力りょくの強つよい「映画えいが法ほう」が制定せいていされ、国くに（軍ぐん）の意向いこうに沿そった作品さくひんづくり、製作せいさく本数ほんすう、映画えいが関係かんけい者しゃ全すべての「技能ぎのう審査しんさ」などが義務付ぎむづけられ、脚本きゃくほんなど、製作せいさく段階だんかいからの検閲けんえつも可能かのうとなった。

詳細しょうさいは「日本にっぽんにおける検閲けんえつ#フィルム」および「映画えいが法ほう」を参照さんしょう

戦後せんごは日本国にっぽんこく憲法けんぽうに言論げんろんの自由じゆうを保障ほしょうすると明記めいきされたが、プレスコードなどGHQ（連合れんごう国軍こくぐん最高さいこう司令しれい官かん総そう司令しれい部ぶ）による言論げんろん統制とうせい・弾圧だんあつは占領せんりょう解除かいじょまで行おこなわれた。

詳細しょうさいは「日本にっぽんにおける検閲けんえつ#連合れんごう国軍こくぐん占領せんりょう下か」を参照さんしょう

現在げんざい、日本にっぽんでは憲法けんぽう上じょう、言論げんろんの自由じゆうが保障ほしょうされているが、報道ほうどう機関きかんの自主じしゅ規制きせいという形かたちで「菊きくタブー」や「鶴づるタブー」など言論げんろんの禁忌きんき（報道ほうどうできないこと）が少すくなからずあり、また教科書きょうかしょ検定けんていや有害ゆうがい図書としょ指定してい、わいせつ物ぶつ頒布はんぷ罪ざいなど事実じじつ上じょうの検閲けんえつに近ちかいという議論ぎろんを抱かかえる問題もんだいも存在そんざいしている。

詳細しょうさいは「日本にっぽんにおける検閲けんえつ#日本国にっぽんこく憲法けんぽう制定せいてい後ご」および「報道ほうどうにおけるタブー」を参照さんしょう

公安こうあん警察けいさつや公安調査庁こうあんちょうさちょうは、憲法けんぽう違反いはん・違法いほうな情報じょうほう収集しゅうしゅう活動かつどうを行おこなっているとして、その廃止はいしを求もとめる政党せいとうや個人こじんもある^[12]。

最近さいきんでは人権じんけん擁護ようご法案ほうあんが言論げんろん統制とうせいにつながる可能かのう性せいがあるとして議論ぎろんを呼よんでいる。また、児童じどうポルノ法ほうの改正かいせい案あんに盛もり込こまれていた、実写じっしゃを伴ともなわない創作そうさく物ぶつの規制きせい、及および児童じどうポルノの単純たんじゅん所有しょゆうの処罰しょばつについても、「人権じんけんの侵害しんがいや表現ひょうげんの自由じゆうの萎縮いしゅくにつながりかねず」、「捜査そうさ当局とうきょくの恣意しい的てきな捜査そうさを招まねく危険きけんがある」として日本にっぽん共産党きょうさんとう等ひとしは「慎重しんちょうであるべき」としていた^[13]。その後ご、2014年ねん6月がつの法ほう改正かいせいで児童じどうポルノ法ほうに単純たんじゅん所持しょじの禁止きんしが盛もり込こまれたが、創作そうさく物ぶつの規制きせいにつながる付則ふそくについては法案ほうあんから削除さくじょされた^[14]。

また、特定とくてい秘密ひみつ保護ほご法ほうなどが言論げんろん統制とうせいになるという声こえもあるが、これに関かんしては「国益こくえきを損そこねる情報じょうほうは守まもるべき」などと、推進すいしんしている声こえもあれば、「国民こくみんの知しる権利けんりが損そこなわれる」などと、賛否さんぴ両論りょうろんである。

中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく編集へんしゅう

中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくにおいて言論げんろんの自由じゆうは存在そんざいせず、反はん政府せいふ言論げんろんは厳きびしく取とり締しまられている。

詳細しょうさいは「中国ちゅうごくにおける検閲けんえつ」を参照さんしょう

外国がいこくメディアに対たいする抑圧よくあつもあり、1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）に「日にち中ちゅう双方そうほうの新聞しんぶん記者きしゃ交換こうかんに関かんするメモ」（別名べつめい：日にち中ちゅう記者きしゃ交換こうかん協定きょうてい）が締結ていけつされ、1968年ねん（昭和しょうわ43年ねん）に「日にち中ちゅう関係かんけいの政治せいじ三さん原則げんそく」が確認かくにんされた。「日にち中ちゅう関係かんけいの政治せいじ三さん原則げんそく」とは、「1．中国ちゅうごくを敵視てきししない、2．二ふたつの中国ちゅうごくの立場たちばに立たたない、3．日にち中ちゅう国交こっこう正常せいじょう化かを妨さまたげない」であり、日にち中ちゅう記者きしゃが記者きしゃ交換こうかんするにあたって守まもるべき原則げんそくとされた^[15]。当時とうじ北京ぺきんに常駐じょうちゅう記者きしゃをおいていた朝日新聞あさひしんぶん、読売新聞よみうりしんぶん、毎日新聞まいにちしんぶん、NHKなどはこの文書ぶんしょを承認しょうにんした^{[要よう出典しゅってん]}。産経新聞さんけいしんぶんはこの協定きょうていに反発はんぱつし、傘下さんかのフジテレビを含ふくめて特派とくは員いんをすべて引ひき上あげた^[16] 。

詳細しょうさいは「日にち中ちゅう双方そうほうの新聞しんぶん記者きしゃ交換こうかんに関かんするメモ#1968年ねんの修正しゅうせい」および「産経新聞さんけいしんぶん#中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく(北京ぺきん)」を参照さんしょう

「北京ぺきんメディアセンター#NHKとの関係かんけい」も参照さんしょう

その後ご、「日にち中ちゅう双方そうほうの新聞しんぶん記者きしゃ交換こうかんに関かんするメモ」は日にち中ちゅう国交こっこう正常せいじょう化か後ごの1973年ねんに廃止はいしされ、その後ごに結むすばれた「日にち中ちゅう両国りょうこく政府せいふ間あいだの記者きしゃ交換こうかんに関かんする交換こうかん公文こうぶん」は報道ほうどうを規制きせいするような条項じょうこうは含ふくまれていない。そのため、この公文こうぶんを以って報道ほうどう機関きかんの国外こくがい退去たいきょを求もとめることはできない。

そもそも「日にち中ちゅう双方そうほうの新聞しんぶん記者きしゃ交換こうかんに関かんするメモ」およびその後ごの「日にち中ちゅう両国りょうこく政府せいふ間あいだの記者きしゃ交換こうかんに関かんする交換こうかん公文こうぶん」は国家こっか間あいだでの取とりきめであり特定とくてい社しゃが協定きょうていを結むすんだり結むすばなかったりできるものではなく、実際じっさいに先述せんじゅつの産経新聞さんけいしんぶん社しゃも「日にち中ちゅう両国りょうこく政府せいふ間あいだの記者きしゃ交換こうかんに関かんする交換こうかん公文こうぶん」に基もとづいて1998年ねん（平成へいせい10年ねん）に北京ぺきんで中国ちゅうごく総局そうきょくを復活ふっかつさせている。

なお、諜報ちょうほう活動かつどう等ひとしの明確めいかくな敵対てきたい行為こういの発覚はっかく以外いがいではほとんど実行じっこうされたことはないものの、協定きょうていの有無うむに限かぎらず全すべての主権しゅけん国家こっかは記者きしゃの滞在たいざい許可きょかを取とり消けし国外こくがいに追放ついほうすることが可能かのうである。

詳細しょうさいは「産経新聞さんけいしんぶんソウル支局しきょく長ちょう名誉めいよ毀損きそん起訴きそ事件じけん#経緯けいい」および「産経新聞さんけいしんぶんの報道ほうどう#議論ぎろんを呼よんだ報道ほうどう」を参照さんしょう

文化ぶんか大だい革命かくめいの時期じきには外国がいこくメディアが次々つぎつぎと中国ちゅうごくから追放ついほうされ、日本にっぽんの報道ほうどう機関きかんも容共ようきょう的てきな朝日新聞あさひしんぶんを除のぞきすべて追放ついほうされた。その後ご、他たの日本にっぽんの報道ほうどう各社かくしゃも中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくへの再さい入国にゅうこくを許ゆるされた。

ネット検閲けんえつも激はげしく、Googleはこれに反発はんぱつし、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくから撤収てっしゅうした^[17]。

詳細しょうさいは「中国ちゅうごくのネット検閲けんえつ#最近さいきんの動うごき」および「グレート・ファイアウォール#確認かくにんされた検閲けんえつ対象たいしょうのウェブサイトリスト」を参照さんしょう

2011年ねん1月がつに中国ちゅうごく記者きしゃ協会きょうかいの党とう組ぐみ書記しょきは、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくで最近さいきん、経済けいざいや人々ひとびとの生活せいかつに関連かんれんした虚偽きょぎ報道ほうどうが多おおすぎると指摘してきした^[18]。また中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく政府せいふはインターネット上じょうの活動かつどうの監視かんしを強化きょうかするなか、専門せんもん家かから成なるサイバー軍隊ぐんたいを結成けっせいして、世論せろんを操作そうさし、プロパガンダを世界せかいに拡散かくさんしている^[19]。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく編集へんしゅう

アメリカはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく憲法けんぽう修正しゅうせい第だい1条じょうに検閲けんえつの禁止きんしを掲かかげている。これは議会ぎかいも大統領だいとうりょうも遵守じゅんしゅしなければならない。ただし、公式こうしきには認みとめていないが、アメリカ国家こっか安全あんぜん保障ほしょう局きょくが「エシュロン」を用もちいて、全ぜん世界せかいの電気でんき通信つうしんの内容ないようを傍受ぼうじゅ（＝盗聴とうちょう）しているといわれている。2013年ねんには実際じっさいにエドワード・スノーデンの暴露ばくろによりPRISM (監視かんしプログラム)の存在そんざいが明あきらかになった。

アメリカには上うえからの検閲けんえつはないがコード(code)と呼よばれる報道ほうどうの自主じしゅ規制きせいがある。アメリカでは、強制きょうせい的てきな方法ほうほうでなく、大衆たいしゅうの意識いしきに直接ちょくせつ訴うったえる「誘導ゆうどう型がた」の方法ほうほうがとられている。

これらの規制きせいが、特定とくていの宗教しゅうきょう観かんや倫理りんり観かんなどを前提ぜんていとしていることが指摘してきされている（例たとえば人工じんこう妊娠にんしん中絶ちゅうぜつ反対はんたいなど）。大手おおてのマスメディアが独占どくせん資本しほんであることや、常つねに名誉めいよ毀損きそんなどの訴訟そしょうを起おこされる危険きけんを抱かかえているという事情じじょうもある。また、情報じょうほうの受うけ手てのメディア・リテラシー（情報じょうほうを評価ひょうか・識別しきべつする能力のうりょく）の問題もんだいもある。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅうは、日本にっぽん軍ぐんのアメリカ本土ほんど空襲くうしゅうや風船ふうせん爆ばく弾だんなど自国じこくが大おおきな損害そんがいを受うけた作戦さくせんにおいて、自じ国民こくみんを消沈しょうちんさせる恐おそれがあるためにマスコミなどに報道ほうどう管制かんせいが敷しかれた。

現代げんだいヨーロッパ編集へんしゅう

EUにおけるロシア系けいメディアの排除はいじょの例れい：ツイッター

2022年ねんロシアのウクライナ侵攻しんこうのロシアの制裁せいさいの一環いっかんとして、ロシア公営こうえいの世界せかい的てきメディのRTとロシア政府せいふ系けいメディアスプートニクについて、EU圏内けんないでの放送ほうそうや配信はいしんを禁止きんしした^[20]。同どうメディアのツイッターアカウントの投稿とうこうも閲覧えつらんできなくなっている。

韓国かんこく編集へんしゅう

韓国かんこくのインターネットでは従来じゅうらいから親しん北きた・従したがえ北きたなど北朝鮮きたちょうせんを利りする可能かのう性せいのある書かき込こみは禁止きんしされてきたが、李明博イミョンバク政権せいけん以降いこうは親日しんにち的てきな書かき込こみに対たいしてもネット検閲けんえつが行おこなわれている。大統領だいとうりょう直属ちょくぞく機関きかんである大韓民国だいかんみんこく放送ほうそう通信つうしん委員いいん会かいが、親日しんにち的てきな発言はつげんをするウェブサイトとブログを強制きょうせい的てきに削除さくじょやアクセス禁止きんしをし、言論げんろん統制とうせいを行おこなっている^[21]。さらに、反復はんぷくして同おなじ文章ぶんしょうを掲載けいさいしたユーザには、強制きょうせい的てきな利用りよう解約かいやく措置そちを取とるなど、親日しんにち的てきな言論げんろんを発言はつげんするユーザには大変たいへん厳きびしい言論げんろん統制とうせいを行おこなっている^[22]。

詳細しょうさいは「韓国かんこくのインターネット#問題もんだい点てん」および「報道ほうどうの自由じゆう#韓国かんこく」を参照さんしょう