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MSX - Wikipedia

MSX

1980年代ねんだい提唱ていしょうされたパソコン規格きかく

MSX(エム・エス・エックス)とは、パソコン共通きょうつう規格きかく名称めいしょうである。

1983ねん最初さいしょ規格きかくであるMSX通称つうしょう「MSX1」[1])がべいマイクロソフトアスキーアスキー・メディアワークス)によって8ビット規格きかくとして提唱ていしょうされた。元々もともとは、アスキー・マイクロソフトがわがメーカー独自どくじのハードウェアにわせたマイクロソフトBASICをカスタマイズするかたち移植いしょくしていたが、この方法ほうほうではメーカーならびに機種きしゅ単位たんい互換ごかんせいがないという欠点けってんがあったため、共通きょうつう規格きかくとしてMSXが誕生たんじょうした[2]

1985ねんにはMSX2、1988ねんにはMSX2+、1990ねんには16ビットMSXturboR提唱ていしょうされた。このあいだ世界せかい複数ふくすうのメーカーからMSXの仕様しよう沿ったパソコンが発売はつばいされ、MSXの誕生たんじょうにかかわった西にし和彦かずひこによるとMSX対応たいおう機種きしゅ日本にっぽんやく300まんだい海外かいがいやく100まんだいれたとされている[2]。そのblueMSXようなMSXエミュレーターや、MSX2をFPGA再現さいげんした1チップMSXやMSX2+をFPGAで再現さいげんしたSX1Mini+なども登場とうじょうした。[3]

2023ねんにはMSX0MSX3MSX turboがMSXの権利けんりしゃである西にし和彦かずひこより提唱ていしょうされ、西にし理事りじつとめる特定とくてい営利えいり活動かつどう法人ほうじんIoTメディアラボラトリーによってMSX0の実装じっそうであるMSX0 Stackのクラウドファンディング[4]開始かいしされた。MSX0はMSX2のエミュレーターであり[5]同年どうねん9がつからクラウドファンディングの参加さんかしゃけリターンとして発送はっそうされた[6]

MSXはこれらの総称そうしょうでもある。

 
ソニー「HiT BiT」 HB-75
 
パナソニック FS-A1WX(MSX2+)

日本にっぽん

編集へんしゅう

規格きかく提唱ていしょうもとであるアスキーの創設そうせつしゃ一人ひとりである西にし和彦かずひこが2023ねんのインタビューのなかかたったところによると、NECや日立ひたちといった企業きぎょう自社じしゃ製品せいひんけのBASICの制作せいさくをアスキーに依頼いらいするさい、コマンドの追加ついか特定とくてい周辺しゅうへん機器ききのサポートまでたのまれて大変たいへんだったため、統一とういつした規格きかく制定せいていしてIBM PCと一緒いっしょろうとしたことが、MSX誕生たんじょうのきっかけだったという。とはいえ、16ビットであるIBM PCは当時とうじ価格かかくで1000ドル以上いじょうもしたため、MSXはより安価あんかパソコン決定けっていばんとして位置いちづけられた。[7]

1980年代ねんだい

編集へんしゅう

1980年代ねんだい初頭しょとう日本にっぽん国内こくないにおけるホビーユースのパーソナルコンピューターホビーパソコン)ではおもマイクロソフトしゃBASICインタープリターROMまれ、システムの中心ちゅうしんになっていた。しかし、ハードウェアの設計せっけいおなじプロセッサーをもちいても各々おのおののシステムはおおきくことなり、BASICレベルの互換ごかんせいも、記憶きおく装置そうちあつかいやフォーマット・ハードウェアの仕様しよう性能せいのう差異さい拡張かくちょうによって独自どくじ変更へんこうくわえられ、ぞくにBASICの「方言ほうげん」とばれる互換ごかん部分ぶぶん存在そんざいし、機種きしゅごとにアプリケーションは作成さくせい販売はんばいされていた。

当時とうじマイクロソフトの極東きょくとう担当たんとうふく社長しゃちょうであり、アスキーふく社長しゃちょうだった西にし和彦かずひこ大半たいはん機種きしゅ開発かいはつかかわっていたことから、おおくのメーカーとつながりがあった。そのため、日本電気にほんでんき (NEC)シャープ富士通ふじつうパソコン御三家ごさんけたいして出遅でおくれた家電かでんメーカー大同団結だいどうだんけつ背景はいけいとして、西にし主導しゅどうけんにぎかたちでMSX規格きかく考案こうあんされ、1983ねん6がつ27にち発表はっぴょうされた。ハードウェア規格きかくはスペクトラビデオしゃの「SV-318」と「SV-328」が参考さんこうにされている。当初とうしょ、マイクロソフト社長しゃちょう当時とうじ)のビル・ゲイツは「ソフトウェアに専念せんねんすべき」とのかんがえからMSX規格きかくには反対はんたいだったが、西にし説得せっとくされるかたち承認しょうにん。「MSX」の名称めいしょう発売はつばい当時とうじマイクロソフトの商標しょうひょうだったが、1986ねんのアスキーとの提携ていけい解消かいしょうおり著作ちょさくけんをマイクロソフト、商標しょうひょうけん販売はんばいけん)をアスキーが所有しょゆうすることになった。

MSXの発表はっぴょうかいには参入さんにゅう家電かでんメーカー以外いがいにも家庭かていようパソコン市場いちば参入さんにゅうした経験けいけん企業きぎょう、または参入さんにゅう計画けいかくしていた企業きぎょう参加さんかした。しかし、参入さんにゅうメーカー各社かくしゃ足並あしなみをそろえるため1984ねん発売はつばい時期じき調整ちょうせいしているあいだに、任天堂にんてんどうファミリーコンピュータやセガ・エンタープライゼス(セガSC-3000ひとし競合きょうごう機種きしゅ発売はつばいされ、苦戦くせん予想よそうされた。また、当時とうじ国内こくないパソコン市場いちばシェア1のNECは発売はつばいせず、シャープも海外かいがいでのみ発売はつばいするにとどまった。FM-X発売はつばいした富士通ふじつうも「自社じしゃ製品せいひん競合きょうごうする」といった理由りゆうでMSX市場いちばからは短期間たんきかん撤退てったい。そのため、MSX規格きかくは「弱者じゃくしゃ連合れんごう」などと揶揄やゆされた。

発売はつばい当初とうしょ予定よていより前倒まえだおしされ、主要しゅよう家電かでんメーカーの製品せいひんは1983ねんあきから年末ねんまつまでに出揃でそろった。アスキーは当初とうしょ「1年間ねんかんで70まんだい出荷しゅっか」という強気つよき目標もくひょうかかげ、目標もくひょう達成たっせいできなかったものの、発売はつばいから2ねんきょう経過けいかした1986ねん1がつにはMSXシリーズのそう出荷しゅっか台数だいすうが100まんだい突破とっぱした。当時とうじ国内こくないメーカーせいの8ビットパソコン市場いちばおおきなシェアをゆうしていたNECのPC-8801シリーズが累計るいけい100まんだいキャンペーンを企画きかくしていたが、台数だいすうてき達成たっせい出来でき結果けっかとして実現じつげんしておらず、当時とうじとしてはMSXは“日本にっぽんせいもっとれた8ビットパソコン”として位置いちづけられる。そのも1988ねん年末年始ねんまつねんし商戦しょうせんだけで、FDD内蔵ないぞうがたのMSX2(ソニーのHB-F1XDとパナソニックのFS-A1F)が22まんだいげを記録きろくした[8]

そしてMSX参入さんにゅう各社かくしゃは、他社たしゃ製品せいひん差別さべつはかるべくワープロ動画どうが編集へんしゅうなど様々さまざま機能きのう付加ふかしたMSXパソコンを発売はつばいした。しかしだい部分ぶぶん購入こうにゅうしゃはMSXをたんなるゲームとしかておらず、高機能こうきのうこう価格かかく機種きしゅよりもてい機能きのうてい価格かかく機種きしゅ購入こうにゅうしたため、参入さんにゅう各社かくしゃあいだ価格かかく競争きょうそう勃発ぼっぱつ。また機種きしゅのパソコンとの競争きょうそう熾烈しれつであり、MSX2が発売はつばいされた1980年代ねんだい後半こうはんには16ビットや32ビットCPUを採用さいようした、より高性能こうせいのう機種きしゅ次世代じせだいパソコンや家庭かていようゲームとの販売はんばい競争きょうそうさらされたこともあり、元々もともと参入さんにゅうすくなかった国外こくがいメーカーはMSX2で大半たいはん撤退てったいつぎ規格きかくであるMSX2+の対応たいおう機種きしゅ発売はつばいしたのは日本にっぽんのメーカー3しゃのみとなった。

1990年代ねんだい

編集へんしゅう

1990ねんには販売はんばい台数だいすうぜん世界せかい累計るいけいで400まんだい突破とっぱ[9]かくMSX専門せんもんには「ゆめせてMSX 400まんだい」のキャッチコピーがおどった。

しかし、このころよりMSXを環境かんきょう急速きゅうそく悪化あっかしていき、1990ねん10がつには16ビットCPUを搭載とうさいしたしん規格きかくMSXturboR[注釈ちゅうしゃく 1]がリリースされたものの、参入さんにゅうメーカーは松下電器まつしたでんき1しゃのみとなった。同社どうしゃ機種きしゅ好調こうちょうなセールスを記録きろくし、よく1991ねんまつにもしん機種きしゅ投入とうにゅうしたが、サードパーティーによるMSX商品しょうひんのリリースすう減少げんしょう傾向けいこうにあり、MSX専門せんもん休刊きゅうかん廃刊はいかん相次あいつぎ、『MSX・FAN』 (徳間書店とくましょてんインターメディア) のみが形態けいたいえて発刊はっかんつづけた。

松下電器まつしたでんき1994ねん家庭かていようゲーム3DO REALとIBM PC/AT互換ごかんWOODYを発売はつばい。MSXの開発かいはつ部隊ぶたいは、大半たいはんが3DOの開発かいはつ移行いこうした。同年どうねん最後さいごのMSX規格きかく対応たいおうパソコンである「FS-A1GT」の生産せいさん終了しゅうりょうし、よく1995ねんには出荷しゅっか終了しゅうりょうした。これをもって日本にっぽんでのMSX規格きかく終焉しゅうえんしたと世間せけん一般いっぱんでは解釈かいしゃくされている。

この時期じきにはMicrosoft Windows 95登場とうじょうし、パソコン市場いちば拡大かくだいしてデファクトスタンダードとなりつつあった。MSX以外いがいにもX68000FM TOWNSといった日本にっぽん独自どくじ規格きかくのパソコンが姿すがたしてき、日本にっぽんのパソコン市場いちばはWindows 95が動作どうさするPC/AT互換ごかんおよびPC-98またはその互換ごかんか、あるいはMacintoshへと集約しゅうやくされていき、その一方いっぽうでMSXのコアユーザーによるハード製作せいさくなどの活動かつどう活発かっぱつおこなわれるようになった。有志ゆうし東京とうきょう大阪おおさか名古屋なごや福岡ふくおか札幌さっぽろ倉敷くらしきでイベントやつどいを開催かいさいしたり、パソコン通信つうしんじょうなどでは多数たすうのフリーウェアが公開こうかいされたりした。とく漫画まんが青井あおいやすしけん[注釈ちゅうしゃく 2]東京とうきょう開催かいさいしたイベント「MSXフェスタ」には、日本にっぽん各地かくちだけでなく海外かいがいからのユーザーもあつまった。このほかにもMSX復活ふっかつプロジェクト(MFP)がハードディスクインターフェイスを開発かいはつするなど、もっともMSXの同人どうじん活動かつどうさかんだったのもこの時期じきである。だが最終さいしゅうてきには、それらコアユーザーのおおくもWindowsなどべつ環境かんきょう移行いこうした[14][15]

2000年代ねんだい

編集へんしゅう
 
ワンチップMSX

1990年代ねんだい末期まっきから顕著けんちょになったMSXコアユーザーや同人どうじんサークルによるMSXばなれは、JavaやFlashなど自由じゆうたか環境かんきょう登場とうじょうにより拍車はくしゃがかかっていた。その一方いっぽうMSXを使つかつづけるユーザーもすくなからず存在そんざいしたが、MSXの製造せいぞう・サポートの中止ちゅうしかつハードウェアの老朽ろうきゅうによる問題もんだいかかえ、解決かいけつさくにエミュレーターやFPGAなどがもちいられた。

2000ねん8がつ20日はつか東京とうきょう秋葉原あきはばらのヒロセ無線むせん本社ほんしゃビル5Fにて「MSXでんゆうランド2000」が開催かいさいされ、そのイベントちゅう西にしがMSXの復活ふっかつ計画けいかく発表はっぴょうする[16]2002ねんには商標しょうひょうシステムソフトウェアなどの管理かんりおこな任意にんい団体だんたい「MSXアソシエーション」が発足ほっそくし、公式こうしきエミュレーターMSXPLAYer」も公開こうかいされた。のち従来じゅうらい多数たすうのチップで構成こうせいされていたMSXの機能きのうをひとつのチップに集積しゅうせきした「1chipMSX」が製品せいひんされている。そのほかのエミュレーターとしてはfMSX、ルーMSX、NLMSX、blueMSX、openMSX、WebMSXなどがあり、Windowsやマッキントッシュのほか、PSPニンテンドーDSゲームボーイアドバンスといった携帯けいたいがたゲームや、JavaPocket PCなどプラットフォームじょう動作どうささせることができる。

2006ねんWii価格かかく発表はっぴょうで、旧来きゅうらいのゲームマシン・パソコンで供給きょうきゅうされていたゲームソフトをインターネットじょうからダウンロード販売はんばいする「バーチャルコンソール」へのMSXソフトの投入とうにゅう発表はっぴょうされた。i-revoなどでおおくのMSXゲームの復刻ふっこく実績じっせきゆうするD4エンタープライズ参入さんにゅうしたことによって実現じつげんした。

2007ねん、MSXの商標しょうひょうけん西にし和彦かずひこともに『株式会社かぶしきがいしゃMSXライセンシングコーポレーション』へうつる。日本にっぽんでの商標しょうひょう登録とうろく番号ばんごうだい2709130ごうほか[注釈ちゅうしゃく 3]

 
GR8BITキット

2011ねん、ロシアのAGE Labsがコンピューターの学習がくしゅう目的もくてきとしたGR8BITというMSXキットの発売はつばい発表はっぴょう価格かかくはUS$499(369ユーロ)。また、日本にっぽん株式会社かぶしきがいしゃH&SがこのGR8BITを輸入ゆにゅう販売はんばいすると発表はっぴょうし、価格かかくは2012ねん3がつまつまで4まん2せん5ひゃくえん[17]以降いこうは5まん3000えん[18]送料そうりょう/ぜい/手数料てすうりょうべつ)で販売はんばいしていたが、2015ねんにはドメインが失効しっこうしており、国内こくないでの販売はんばいはされていない。

チップチューンブームとMSX
編集へんしゅう
 
PSG音源おんげん、AY-3-8910A

2000年代ねんだいべつ動向どうこうとして、日本にっぽんでもチップチューンゲームボーイファミリーコンピュータひとしによる音楽おんがく演奏えんそう)ブームがこった。それにともないMSXによる音楽おんがく活動かつどう比較的ひかくてき少数しょうすうではあるがさい活発かっぱつした。かつて1980年代ねんだい後半こうはんから1990年代ねんだい前半ぜんはんごろに、MSXをあつか雑誌ざっし投稿とうこうコーナーやパソコン通信つうしんのフォーラムで、そののチップチューンに相当そうとうする音楽おんがく発表はっぴょうされていた時期じきがあった。しかし発表はっぴょう環境かんきょう衰退すいたい消滅しょうめつにより、どうブームまでのあいだ一時いちじ停滞ていたいしていた。

またエミュレータや1チップMSXの登場とうじょうにより、PSG・FM音源おんげん・SCC互換ごかん音源おんげん、さらにMSX-AUDIOや2のSCC音源おんげん同時どうじ発声はっせいさせた音楽おんがくむかしくらおお発表はっぴょうされるようになった。

2020年代ねんだい

編集へんしゅう

2022ねん9がつ3にち、MSX DEVCON TOKYO 1が開催かいさいされ、MSX0、MSX3、MSX turbo規格きかく西にし和彦かずひこおよ同氏どうし理事りじつとめる特定とくてい営利えいり活動かつどう法人ほうじんIoTメディアラボラトリー発表はっぴょうされた。

2023ねん1がつ13にち、IoTけMSX0規格きかく実装じっそうであるMSX0 Stackのクラウドファンディングが開始かいしされた。

MSXの400まんだい以上いじょう販売はんばい台数だいすうのうち、やく半分はんぶん日本にっぽんのこりの半分はんぶん海外かいがいでの販売はんばいである[19]

MSXは日本にっぽん国内こくないのみならず、オランダブラジル韓国かんこく中心ちゅうしん現地げんち企業きぎょうでも生産せいさんされ、くににも輸出ゆしゅつされた。日本にっぽんでパソコン御三家ごさんけたいして出遅でおくれた家電かでんメーカーがMSXに参入さんにゅうしたのと同様どうように、ブラジルのグラジエンテやオランダのフィリップスといった、Apple IIやZX Spectrumにたいして出遅でおくれた現地げんち大手おおて家電かでんメーカーがMSX規格きかくたよらざるをなかったという事情じじょうもあり、MSXに注力ちゅうりょくしたこれら大手おおて企業きぎょう影響えいきょうりょくつよ諸国しょこくではそれなりに普及ふきゅうした。

MSXは、文字もじキャラクタをROMに記憶きおくせずユーザが生成せいせいすることができ、各国かっこく言語げんご独特どくとく文字もじ柔軟じゅうなん対応たいおうでき、英語えいご以外いがいのマイナーな言語げんご使つか国々くにぐにけにローカライゼーションをするうえで好都合こうつごうなので、英語えいごけん中心ちゅうしんたか評価ひょうかされた[20]用途ようとこくごとにことなり、おも教育きょういく用途ようと使つかわれたくにと、おもにゲームよう使つかわれたくにかれる。アルゼンチンやソヴィエト連邦れんぽう諸国しょこくではおも教育きょういくようコンピュータとしてもちいられた。スペイン、ブラジル、韓国かんこくなどではおもにゲームよう使つかわれ、MSXはグラフィックチップにTMS9918搭載とうさいするなどハードウェア構成こうせいがゲームコレコビジョンマスターシステムとよくておりそれらのゲームが移植いしょくしやすかったてん評価ひょうかされ普及ふきゅうつながることとなった。一方いっぽう英語えいごけんではあまり普及ふきゅうしなかった。

北米ほくべい

編集へんしゅう

北米ほくべいではスペクトラビデオとヤマハのMSXのみ発売はつばいされた。すでに成功せいこうおさめていたコモドール64アタリせいのコンピュータの牙城がじょうくずすにはいたらず、スペクトラルビデオも倒産とうさんした[21][注釈ちゅうしゃく 4]。MSXが発売はつばいされた1984ねん時点じてん価格かかくたいやスペックてき直接的ちょくせつてき競合きょうごう製品せいひんとなったのはコモドールPlus/4とコモドール16であるが、どう時期じき初代しょだいMSXのスペックをはるかに上回うわまわ上位じょうい機種きしゅコモドール64Atari 8ビット・コンピュータなどがてい価格かかく競争きょうそう突入とつにゅう急速きゅうそく普及ふきゅうしたため、ZX Spectrumやコモドール16などどう時期じきしょ外国がいこくでエントリークラスとされたパソコン自体じたいがそれほど普及ふきゅうしなかった。学校がっこうなどで使つかわれる「教育きょういくようコンピュータ」としてもすでにApple IIが存在そんざいしたため普及ふきゅうしなかった。

欧州おうしゅう

編集へんしゅう

当時とうじ欧州おうしゅうのマイコン(パソコン)の市場いちばは、アメリカけいのコモドール64(略称りゃくしょう C64)とイギリスけいシンクレアZX Spectrumがシェアを二分にぶんしており、1984ねんにはさらにイギリスのAmstradしゃからCPC 464発売はつばいされ(300まんだいほどれ)先行せんこうするC64とZX Spectrumのシェアをすこうばうという状況じょうきょうだった。欧州おうしゅう全体ぜんたいではMSXとほぼおなじスペックで値段ねだんやすかったイギリスさんのZX SpectrumのほうがMSXより人気にんきたかく、とくにシンクレアしゃ地元じもとイギリス、コモドールとアタリがつよかったドイツなどではMSXはほとんどれなかった。スペクトラビデオのジェネラル・マネージャーであるスティーブン・チューは、『MSXマガジン』1986ねん8がつごう掲載けいさいされたインタビューのなかで、北米ほくべい同様どうよう欧州おうしゅうにおいてもMSXはゲームマシンとしてめられていたが、オランダのフィリップスにくわえ、日本にっぽんのメーカーが進出しんしゅつしていたため、ゲーム以外いがいへの分野ぶんや対応たいおうはかられつつあるとかたっている[22]一方いっぽうで、フィリップスしゃ地元じもとオランダのほか、イタリア、スペインではMSXは人気にんきがあった。しかしこれらのくにでも、1985ねん発売はつばいのコモドールAmigaAtari STにMSX2は対抗たいこうできず、1980年代ねんだいまつにかけて衰退すいたいしていった。

欧州おうしゅうでの展開てんかいでは、序盤じょばんからテクニカルサポート体制たいせい不備ふび指摘してきされるなど、海外かいがい進出しんしゅつ念頭ねんとういた戦略せんりゃく十分じゅうぶんではなく、一部いちぶ正規せいきひん互換ごかんせい問題もんだいなどで苦戦くせんいられていた[注釈ちゅうしゃく 6][23]

1985ねんにはMSX1の後継こうけい規格きかく・MSX2が誕生たんじょうし、ヨーロッパのほか、共産きょうさんけん南米なんべいにも進出しんしゅつしたが、まもなくプラザ合意ごういによるえんだかによって輸出ゆしゅつ産業さんぎょうとともに窮地きゅうちたされる[23]どう時期じき、アスキーとマイクロソフトの対立たいりつ激化げきかし、翌年よくねん1986ねん2がつ両社りょうしゃ提携ていけい解消かいしょうされたほか、アスキーの上層じょうそうあいだでもMSXのあつかいで対立たいりつきていた[23]。 その結果けっか、MSXはヨーロッパ市場いちばからの撤退てったい余儀よぎなくされた[23]

イギリスではZX Spectrumの人気にんき非常ひじょうたかく、MSXは東芝とうしば現地げんち法人ほうじんおおきな宣伝せんでんをかけたわりにほとんどれなかった。現地げんち企業きぎょうドラゴンデータ英語えいごばん参入さんにゅう表明ひょうめいしていたが、「ドラゴンMSX英語えいごばん」としてられるプロトタイプがいくつかつくられたのみで発売はつばいまえ倒産とうさんした。MSXはZX SpectrumとCPUがおなじだったため、ZX Spectrumようソフトのベタ移植いしょくというかたちでMSXようソフトもそれなりに発売はつばいされているが、MSXではスロットのてやキーバインドなどメーカーごとのこまかい差異さい考慮こうりょする必要ひつようがあり、さらにVDPをかいしたVRAMという構造こうぞう同一どういつのアルゴリズムでの描画びょうが処理しょりには速度そくどてきあしかせとなった(MSX Video access method参照さんしょう)。規格きかくとしてはメモリ16Kだったものの現実げんじつにはメモリ48Kが標準ひょうじゅんだったZX Spectrumにたいし、MSXにはメモリがたった8KBのCasio PV-7現実げんじつ存在そんざいしたこともわる意味いみおおきかった。ヨーロッパでMSXの最低さいていラインとなったフィリップス VG 8000もメモリが16KBしかなく、しかもフィリップスの初期しょきシリーズは正規せいきのMSXを標榜ひょうぼうしながら互換ごかんせい問題もんだい発生はっせいした。また、イギリスには1984ねんに「MSXNET」という会員かいいんせいのコミュニティが発足ほっそくしており、ハードおよびソフトメーカーや報道ほうどう関係かんけいしゃ中心ちゅうしんとした「プロフェッショナル」会員かいいんと、それ以外いがい一般いっぱん会員かいいんかれていたが、『MSXマガジン』1986ねん9がつごうによると大半たいはん前者ぜんしゃだったという[24]

オランダでは現地げんち家電かでん大手おおてフィリップスがMSX販売はんばいしていた[20]。1980年代ねんだいのオランダではMSXはコモドールしゃコモドール64シンクレアしゃZX Spectrumおさえ、もっと人気にんきのあるコンピューター[25]であり、世界せかいてきにもユーザーすうかんがえた場合ばあい日本にっぽんだい2の市場いちばとなった。MSX専門せんもんの「MSX Computer Club Magazine」の定期ていき刊行かんこうは1995ねん12月/1996ねん1がつごうまでつづき、これは日本にっぽんのMSX・FANよりもながい。MSXの商業しょうぎょうてき活動かつどう終息しゅうそくしたのち、1990年代ねんだい以降いこう同人どうじんベースでの活動かつどう、また2000年代ねんだい以降いこうのwebベースでの活動かつどう活発かっぱつであり、世界せかいのMSX情報じょうほう集積しゅうせきとなっているwebサイト「MSX Resource Center [1]」もオランダのサイトである。

スペインではリリースされたMSXようソフトのかず日本にっぽんいでおお[20]、ソフトウェア販売はんばいすうかんがえた場合ばあいには日本にっぽんだい2の市場いちばとなった[26]。リリースされたソフトはほとんどがゲームで、ほかに実用じつようソフトも販売はんばいされており、ワープロなどをふくんだ統合とうごうGUI環境かんきょうの「EASE」まで存在そんざいしていた。EASEはフィリップスしゃせいMSX2標準ひょうじゅん添付てんぷされたため、オランダやイタリアでも愛用あいようしゃおおかった。スペインのMSX市場いちばは1985ねん最盛さいせいむかえ、MSX専門せんもんが3販売はんばいされていたが、1980年代ねんだいまつにかけて衰退すいたいしていった。MSXの商業しょうぎょうてき活動かつどう終息しゅうそくした1989ねん以降いこう同人どうじんによる活動かつどう活発かっぱつになり、やはりおおくのゲームがリリースされたが、著作ちょさくけんてき問題もんだいのある移植いしょくものがおおい。webでは2002ねん設立せつりつ同人どうじんゲームサークルが母体ぼたいとなった Karoshi MSX がコミュニティの総本山そうほんざんにあたり、2003ねんから開催かいさいされている欧州おうしゅうのMSX1ようインディーズゲームコンテストの MSXdev を2011ねんよりいで主宰しゅさいしている。

韓国かんこく

編集へんしゅう
 
韓国かんこく販売はんばいされた、大宇だいう電子でんし「IQ-2000」 CPC-300E(MSX2)

韓国かんこくにおけるMSXは三星電子さんせいでんし金星かなぼし電子でんし大宇だいう電子でんしといった現地げんち大手おおて家電かでんメーカーから発売はつばいされ、Apple IIとシェアを二分にぶんする成功せいこうおさめた。三星電子さんせいでんし金星かなぼし電子でんし早期そうき撤退てったいし、MSX2は大宇だいう電子でんしのみが発売はつばいした。初期しょきのMSXは家庭かていようが3わりだったのにたいし、教育きょういくようが7わりめていた[27]。FDDも周辺しゅうへん機器ききとして発売はつばいされたが、当時とうじとしてはかなり高価こうかだったためにあまり普及ふきゅうしなかった。ただしMSX発売はつばい当時とうじ韓国かんこくはコンピュータプログラムにたいする法的ほうてき保護ほごがなかったことから、コンピュータショップではROMゲームを手数料てすうりょう程度ていどでFDにコピーするサービスをおこなっており、それらの恩恵おんけいけるために高額こうがくなFDDを需要じゅよう多少たしょうあった。

MSXソフトが動作どうさするものの、キーボードがないなど、MSXとしての絶対ぜったい条件じょうけんたしていない互換ごかんとしてのあつかいの家庭かていようゲームZemmix大宇だいう電子でんし)というブランド展開てんかいされており、韓国かんこく人気にんきはくした[20]

また、韓国かんこくでは日本にっぽんせいのゲームソフトが人気にんきあつめていたが、当時とうじ著作ちょさくけんあつかいがいい加減かげんだったため[注釈ちゅうしゃく 7]安価あんか海賊版かいぞくばん市場いちばめていた[28]

1980ねん年代ねんだいには三星電子さんせいでんしにおけるセガ・マスターシステムのライセンス出回でまわり、Zemmixと競合きょうごうハードとなったことで韓国かんこくせいゲーム作品さくひんはMSXとのクロスプラットフォーム作品さくひんめずらしくなかった。1990年代ねんだいには三星電子さんせいでんしにおけるメガドライブのライセンス現代げんだい電子でんしにおけるNintendo Entertainment SystemSuper Nintendo Entertainment Systemのライセンス金星かなぼし電子でんしにおける3DO規格きかくなども発売はつばいされたが、高価こうか次世代じせだい移行いこうできないそう存在そんざいと、Zemmixの普及ふきゅうりつから、きゅう世代せだいであるZemmixの市場いちばなが併存へいそんしたことにより、大宇だいう電子でんしは1995ねんまでZemmixを販売はんばいつづけ、日本にっぽん国外こくがい製品せいひんとしては唯一ゆいいつMSX2+規格きかく対応たいおうしたゲームとしてZemmix Turboを発売はつばいしていた。また、韓国かんこく仕様しようのMSX2はハングル表示ひょうじようのSCREEN9があり、ゲーム雑誌ざっし編集へんしゅうしゃ前田まえだひろは、これが韓国かんこくない普及ふきゅうした一番いちばん理由りゆうではないかと推測すいそくしている[20]

香港ほんこん

編集へんしゅう

香港ほんこんでは、1984ねん時点じてんにおいて香港ほんこんせいのコンピュータが高額こうがくだったことにくわえ、業務ぎょうむようソフト[注釈ちゅうしゃく 8]つくひと企業きぎょうおおく、マイコンようソフトの開発かいはつしゃ少数しょうすうだった[29]。それから2ねんの1986ねんにおいてもMSXはゲームマシンとしてあつかわれていた[30]香港ほんこんでは日本にっぽんせいソフトがテープとして流通りゅうつうしていたが、こちらも著作ちょさくけんあつかいがいい加減かげん[注釈ちゅうしゃく 9]だったため、のパソコンと同様どうようにMSXようソフトの海賊版かいぞくばんられていた[32]他方たほう、『MSXマガジン』1986ねん8がつごうでは香港ほんこん在住ざいじゅう日本人にっぽんじん読者どくしゃはなしとして、違法いほうコピーがおおぶんディスクの普及ふきゅう日本にっぽんよりもすすんだとしている[33]

中南米ちゅうなんべい

編集へんしゅう
 
ブラジルで販売はんばいされた、Gradiente 「Expert」 GPC-1(MSX)

ブラジルでは現地げんち大手おおて家電かでんメーカーのグラジエンテと、シャープのブラジル法人ほうじんシャープ・ド・ブラジルが1986ねんごろより製造せいぞう販売はんばいした[20]Atari 2600代理だいりてんからMSX販売はんばいえた経緯けいいがあるグラジエンテをはじめとして、シャープもMSXをパソコンというより安価あんかなゲーム代替だいたいひんとしてとらえていたようで、MSX2規格きかく発表はっぴょう以後いごにもかかわらず初代しょだいMSXしか販売はんばいされなかった[20]。ブラジルでは国内こくない産業さんぎょう保護ほごのために海外かいがいせいハード・ソフトの輸入ゆにゅう法外ほうがい関税かんぜいをかけて事実じじつじょう禁止きんしする法律ほうりつがあるため(ライセンスを現地げんち生産せいさんすることで関税かんぜい回避かいひできる。または密輸みつゆ違法いほうコピー)、当地とうち流通りゅうつうしたゲームはすべ国内こくないせい販売はんばいされたMSX上記じょうき現地げんち大手おおて家電かでんメーカー2しゃによるものだけだったが、テレビCMをふく積極せっきょくてきなキャンペーンの結果けっか、MSXは発売はつばいから2ねんで10まんだい、トータルで40まんだいだいヒットとなった。

初代しょだいMSXが普及ふきゅう専門せんもんによる情報じょうほう交換こうかんさかんだったブラジルではユーザーコミュニティがMSX2の発売はつばい切望せつぼうしていたが、シャープは1988ねんにMSXから撤退てったい。グラジエンテも1990ねんにはMSXから撤退てったいし、以降いこうはMSX2ではなくファミコンを販売はんばいした。そのため、サードパーティーからMSX2相当そうとうにパワーアップする製品せいひんなどが発売はつばいされ[20]、ユーザーコミュニティによる自主じしゅ制作せいさくさかんとなった。それなりの知識ちしきがあれば、各種かくしゅアップグレードパーツをもちいてMSX2ようのメガROMのゲームを日本にっぽん同様どうようにプレイすることが可能かのうだった[34]。5.25インチフロッピーディスクを流通りゅうつう媒体ばいたいとする独特どくとく同人どうじん文化ぶんか発達はったつした。

アルゼンチンでは地元じもとメーカーのテレマティカが1984ねんにDaewoo MSX DPC-200をベースにしたTalent MSX DPC-200を発売はつばいにはスペクトラビデオやグラジエンテ、東芝とうしば製品せいひんもわずかながら販売はんばいされた。また、アルゼンチンではMSXを「教育きょういくようコンピューター」として学校がっこう教育きょういく国家こっかレベルで導入どうにゅうされたており、学校がっこう教育きょういくなかでMSX-LOGO言語げんごおしえられていた。テレマティカが1987ねん発売はつばいしたMSX2 TPC-310はコマーシャルで「ターボ」のキャッチコピーをりにしていたが、あくまでキャッチコピーじょう文句もんくだけで、実際じっさい普通ふつうのMSX2である。アルゼンチンでのMSXの販売はんばいは1990ねん終息しゅうそくした。

キューバでは東芝とうしばとパナソニックのMSXが1985ねん学校がっこう教育きょういく採用さいようされ、"Intelligent keyboards"の名称めいしょうばれた。ただしパソコンの一般いっぱんへの販売はんばい禁止きんしされていた。

中東ちゅうとう

編集へんしゅう
 
アラビアにローカライズされアラブ諸国しょこく販売はんばいされたSakhr AX-150。YamahaのロゴとSakhr(صخر)のロゴが確認かくにんできる

アラブ諸国しょこくではクウェートの大手おおてSIであるAl Alamiah[注釈ちゅうしゃく 10]日本にっぽんからヤマハや三洋さんようなどのMSX輸入ゆにゅうしており、子会社こがいしゃのSakhrしゃによってアラビアようローカライズをおこな販売はんばいしていた。このようにMSXは、韓国かんこくけではハングルアラブ諸国しょこくけにアラビア文字もじ使つかえる[35]など、現地げんちけに仕様しようをローカライズすることが可能かのうだった。Sakhr AX330はファミコンとMSXのふくごう、Sakhr AX660とSakhr AX990はメガドライブとMSXのふくごうであるが、アル・アラミアはMSXのライセンスをていないため、ハードの詳細しょうさい不明ふめいである。パソコンとゲームふくごうテラドライブなどれいがあるが、1993ねん発売はつばいされたSakhr AX990がMSX2以降いこうではなく初代しょだいMSXとのふくごうなのは、MSXマガジンでも「なぞ」としている[36]。ソフトウェアは、ファーストパーティであるAl Alamiah/Sakhrしゃ本体ほんたいにバンドルしていたもの以外いがいにも、Methaliしゃなど複数ふくすう現地げんちメーカーから供給きょうきゅうされていたが、SakhrはMSXを「教育きょういくようコンピューター」と銘打めいうって販売はんばいしていたため、教育きょういくソフトや教育きょういくゲームがおおい。また、日本にっぽんから輸出ゆしゅつされた作品さくひんにはアラビアのマニュアルがあらたにどうこりされている[35]めずらしいソフトとしては、Al AlamiahがMSXばんコーラン』を販売はんばいしていた。

ソヴィエト連邦れんぽう東側ひがしがわ諸国しょこく

編集へんしゅう

ソ連それんなどの共産きょうさんけんではMSXは学校がっこうなどに多数たすう納入のうにゅうされ、初等しょとう教育きょういく現場げんばでも応用おうようされていた。当時とうじ東側ひがしがわ諸国しょこく政府せいふによって市場いちば統制とうせいされた社会しゃかい主義しゅぎ国家こっかであり、『物資ぶっしすべて、国家こっか人民じんみん供給きょうきゅう配給はいきゅうする』という形態けいたいをとっていたので、資本しほん主義しゅぎ経済けいざいのもとで市場いちば競争きょうそうによってホビーパソコンがおおきな市場いちばきずいた西側にしがわ諸国しょこくとはちがって、東側ひがしがわ諸国しょこくのパソコンは国営こくえい企業きぎょう独占どくせんてき製造せいぞうし、ほとんどが産業さんぎょう用途ようと教育きょういく用途ようとまわされた。一方いっぽう年収ねんしゅうくらいする高価こうかなパソコンを自分じぶん購入こうにゅうしたり、市場いちば存在そんざいするすうひゃくのパーツをあつめてパソコンを文字通もじどお自作じさくする方法ほうほう指南しなんする無線むせんマニア雑誌ざっし存在そんざいした。当時とうじ輸入ゆにゅうパソコンは外貨がいか購入こうにゅう可能かのう公営こうえいショップ(ひがしドイツのインターショップなど)でこう価格かかく販売はんばいされるのが一般いっぱんてきで、一般人いっぱんじん購入こうにゅうするのは現実げんじつてきではなかったが、実際じっさいにはおおくの東側ひがしがわ諸国しょこく西側にしがわ諸国しょこくのパソコン(日本にっぽんせいふくむ)が政府せいふ監視かんしをかいくぐってこっそりとまれており、その流通りゅうつうには不明ふめいてんおおい。

東側ひがしがわ諸国しょこく」とっても、かならずしも国営こくえい企業きぎょう製造せいぞうしたパソコンがメインで普及ふきゅうしたというわけではなく、たとえばチェコスロバキアでは、国営こくえいメーカーが製造せいぞう販売はんばいしたZX Spectrum互換ごかんいで、輸入ゆにゅうパソコンなのになぜか普通ふつう電気でんきてん販売はんばいされていたSharp MZ-800人気にんきたかかったりするなど、くにによって特色とくしょくがある。MSXは、ソ連それんとく教育きょういくようとして普及ふきゅうし、国営こくえいメーカーによる教育きょういくようMSX互換ごかん製造せいぞうこころみがつづけられたり、宇宙うちゅう開発かいはつようとして宇宙うちゅうステーションミール搭載とうさいされるなど、1985ねんごろはおおきな影響えいきょうりょくった。ただしソ連それんでMSXは「学校がっこう使つか教育きょういくようパソコン」のイメージがあったのと、高価こうかだったため、1986ねん以後いごてい価格かかくした国産こくさんエレクトロニカBKシリーズほう家庭かていようとしてはユーザーすうはずっとおおかった。

MSXと冷戦れいせん
編集へんしゅう
 
ソ連それん学校がっこう教育きょういくようネットワークシステムKUVTで採用さいようされた、ヤマハ YIS 503IIR。日本にっぽん市場いちばけYIS 503IIをSECAMのビデオ出力しゅつりょく対応たいおうさせたソ連それん専用せんようモデルで、КУВТのロゴがえる[37]

冷戦れいせん時代じだい西側にしがわ諸国しょこくではコンピューターをふく電子でんし機器きき輸出ゆしゅつたい共産きょうさんけん輸出ゆしゅつ統制とうせい委員いいんかい(ココム)で制限せいげんしており、ソビエト連邦れんぽう中心ちゅうしんとする共産きょうさんけん国々くにぐにでは16ビット以上いじょう高性能こうせいのうコンピューターを西側にしがわから輸入ゆにゅうすることが出来できなかった[38]。そのため、規制きせい対象たいしょうがいとされていた8ビット大量たいりょう輸入ゆにゅうし、またコピーして使用しようしていた。機種きしゅ用途ようとおうじて選別せんべつされていた。

これらのなかにはMSXもふくまれており、とくソ連それんやキューバでは国家こっか教育きょういくプログラムで導入どうにゅうされた。その拡張かくちょうせい互換ごかんせいなどが評価ひょうかされた結果けっか学校がっこう教育きょういくのみならずかく分野ぶんや応用おうようされた。教育きょういくようには独自どくじ簡易かんいネットワークシステムまで構築こうちくして利用りようしていたれいもある[39]

冷戦れいせん終了しゅうりょう前後ぜんこうにはMSX東側ひがしがわ正式せいしき販売はんばいされ、ビデオタイトラーやラベリングのアーキテクチャなどとしても利用りようされた。市場いちば開放かいほうされた時期じきくにによってちがうが、たとえばソ連それん西側にしがわのパソコンが正式せいしき発売はつばいされるのはゴルバチョフ政権せいけんによる1988ねん協同きょうどう組合くみあい(コーポラティヴ)解禁かいきん以降いこうとなる。ソ連それんでは東欧とうおう諸国しょこくより市場いちば開放かいほうそのものがおくれたうえ、ZX Spectrumが4まんルーブル(年収ねんしゅうの13ねんぶん)で販売はんばいされるなど、西側にしがわ旧型きゅうがた輸入ゆにゅうしてこう価格かかく企業きぎょうおおかったので[40]、パソコンの普及ふきゅう東欧とうおう諸国しょこくよりおくれたが、1991ねんにZX Spectrum互換ごかんペンタゴン」がZX Spectrumの心臓しんぞうであるゲートアレイ解析かいせき完了かんりょうすると、きゅうソ連それん地域ちいきでもZX Spectrumの海賊版かいぞくばんであるPentagonのさらに海賊版かいぞくばんメーカーが乱立らんりつして市場いちばくした。

ソ連それんでは1985ねん学校がっこうへのコンピュータ導入どうにゅうプロジェクト「комплекс учебной вычислительной техники」、略称りゃくしょうКУВТ(KUVT)が開始かいしされ、ヤマハのMSXをベースとする教育きょういくようネットワークシステムが「YAMAHA KUVT」としてかく学校がっこう構築こうちくされた(そのため、ソ連それんではMSXは「YAMAHA」(Ямаха)の愛称あいしょうばれる)。ヤマハの機種きしゅもちいたシステムとしては、YIS 805R(先生せんせいがわ)とYIS 503IIR(生徒せいとがわ)が採用さいようされたКУВТと、YIS 128R(先生せんせいがわ)とYIS 503IIIR(生徒せいとがわ)が採用さいようされたКУВТ2存在そんざいする。それぞれ、単純たんじゅん輸入ゆにゅうしたものではなく、ロシアキーボードを搭載とうさいしたソ連それん専用せんようモデルである。1986年度ねんどКУВТ-86では国産こくさんБК-0010Ш採用さいようされるなど、すぐに輸入ゆにゅうから国産こくさんわったため、YISの採用さいようすうは1まん5せんだい程度ていどとされる。教育きょういく映画えいがの『Поехал поезд в Бульзибар』(1986ねん)では、教育きょういく一環いっかんとして教師きょうし監督かんとくもとイーアルカンフー』や『けっきょくみなみ極大きょくだい冒険ぼうけん』をたのしそうにプレイする子供こどもたちの姿すがたえがかれている。

1985ねん当時とうじ、MSX一般いっぱんには販売はんばいされておらず、国産こくさんえども一般人いっぱんじんには購入こうにゅうできないほど高価こうかだったため、当時とうじソ連それん人民じんみんれることのできたコンピュータは、基本きほんてき学校がっこうにあるこのヤマハの教育きょういくようパソコンであり、「YAMAHA」はパソコンの代名詞だいめいしとなった[注釈ちゅうしゃく 11]。ただし導入どうにゅうじょうきょう学校がっこうによるので、MSXを全然ぜんぜんらないひとおおい。また、1980年代ねんだい後半こうはん以降いこうには、ヤマハ以外いがいにも大宇だいう電子でんし東芝とうしばなど、かずすくないながら日本にっぽん韓国かんこくから複数ふくすうのメーカのMSX教育きょういくようとして輸入ゆにゅうされた。

1980年代ねんだい後半こうはんには国産こくさん展開てんかい本格ほんかくてきはじまったこともあり、MSX家庭かていようホビーパソコンとしてはあまり普及ふきゅうしたわけではない。当時とうじ月収げっしゅうが100-150ルーブルのなか、パソコンは1000ルーブルくらいのこう価格かかくのためにほとんど普及ふきゅうしていなかったが、1987ねんごろには国産こくさんのエレクトロニカBKシリーズが650ルーブルまでてい価格かかくしたこともあって、ホビーストけに7まん8000だいげるだいヒットとなり[42]、MSXの家庭かてい普及ふきゅうりつおおきく上回うわまわった。BKシリーズは教育きょういくようパソコンとしてもYAMAHAとならいきおいがあったが、一方いっぽうでMSXのアーキテクチャ自体じたい政府せいふ好評こうひょうで、そのソ連それん教育きょういくようパソコンけにMSX互換ごかん開発かいはつおこなわれた。

ペンザしゅう計算けいさん工場こうじょうが1987ねんにリリースしたПК8000は、MSXアーキテクチャをベースとして開発かいはつおこなわれたが、当時とうじソ連それんはMSXの心臓しんぞうであるZ80互換ごかんプロセッサ、TMS9918互換ごかんビデオプロセッサ、PSG互換ごかん音源おんげん自国じこくないだけで開発かいはつすることができず、MSX規格きかくとの互換ごかんせい限定げんていてきにならざるをなかった。それでもMSX-BASIC互換ごかん目指めざし、GW-BASICを拡張かくちょうしたインタプリタを搭載とうさいした。64Kのだい容量ようりょうRAMなどてんもあったが、場合ばあいによって非常ひじょうおそくなる、あつでんスピーカー(ビープ1おと)、1000ルーブルをえるこう価格かかくなど、わるてんおおく、市場いちばではあまりれられなかった。

1989ねんにリリースされた後継こうけいの「ПК8002『エルフ』」は、MSX2アーキテクチャを目指めざして設計せっけいされたパソコンであり、PSG音源おんげん相当そうとうの3チャネルサウンドなどを搭載とうさいしたが、V9938互換ごかんビデオプロセッサを開発かいはつすることができなかったため、MSX2規格きかくとの互換ごかんせい限定げんていてきにならざるをなかった。それでも教育きょういくようコンピュータとしての導入どうにゅう目指めざして1000だいから2000だい製造せいぞうされ、『ロードファイター』や『ボンバーマン』の移植いしょくなどもおこなわれたが、ソ連それん崩壊ほうかいともな経済けいざい危機ききにより以後いご開発かいはつ中止ちゅうしされた。なお、ПК8002には『PUT UP』(MSXマガジン87ねん10がつごう掲載けいさい)が移植いしょくされており、1987ねん当時とうじソ連それん政府せいふはMマガを購読こうどくしていたとされる。

 
ミール・コアモジュール(1996ねん)。左側ひだりがわの「GENLOCKER」(ゲンロッカー、複数ふくすう機器きき映像えいぞう同期どうきさせる信号しんごう生成せいせいする装置そうち)とかれたしろ機材きざいがHB-G900AP、そのうえにある「VIDEOTIZER」(ビデオタイザー、映像えいぞうをパソコンに装置そうち)とかれた機材きざいがHBI-G900とられる

ソ連それん軌道きどう宇宙船うちゅうせんミールでも、MSX2規格きかく動画どうが編集へんしゅうであるソニーHB-G900AP[注釈ちゅうしゃく 12]られる機材きざい[43]設置せっちされており、1990ねん12月のTBS宇宙うちゅうプロジェクト『日本人にっぽんじんはつ!宇宙うちゅう』にて撮影さつえいされたビデオの編集へんしゅう使用しようされていたことがスポンサーであるソニーの技術ぎじゅつ情報じょうほう特集とくしゅう記事きじとして掲載けいさいされた[44]

音楽おんがく制作せいさくではYAMAHA CX-5が使つかわれ(アルバムのジャケット写真しゃしんやライナーの使用しよう機材きざい紹介しょうかいでよくっている)、アンドレイ・ロジオノフ&ボリスチホミーロフロシアばんソ連それんはつのテクノアルバム『パルス1』(1985ねん)を制作せいさくしている。これは当時とうじソ連それんではテレビのエアロビクス番組ばんぐみ流行はやっており、体操たいそうよう音楽おんがくとしてソビエト連邦れんぽう文化ぶんかしょう要請ようせいにより制作せいさくされたものである。当時とうじソ連それんはアフガン侵攻しんこうによる経済けいざい制裁せいさいちゅうながら、ヤマハがソ連それん教育きょういくプログラム「YAMAHA KUVT」けにMSXの特注とくちゅうモデルを制作せいさくして輸出ゆしゅつするなど、ソ連それん日本にっぽん通商つうしょう比較的ひかくてき活発かっぱつであり、YAMAHA CX-5やRoland TR-909など、西側にしがわとそれほどわらない日本にっぽんせい機材きざい使用しようされていることがアルバムのライナーで紹介しょうかいされている。アルバム『512 kbytes』(1987ねん)のジャケットでは、DTMやアートワークの制作せいさく使つかったYAMAHA YIS 805Rや、EIZOせいのモニターなどの周辺しゅうへん機器きき紹介しょうかいされている(КУВТで導入どうにゅうされたものとおな機材きざい)。アンドレイ・ロジオノフはMSXようゲームも制作せいさくしてリリースしている。こちらも教育きょういくようとしてソ連それん文化ぶんかしょう防衛ぼうえいしょう要請ようせいによってつくられたもので、パッケージにはそのむね記載きさいがある。また、リズムマシンYAMAHA RX15の制御せいぎょにCX-5を使用しようした『Танцы на битом стекле』(1989)を手掛てがけたアレクセイ・ヴィシュニャロシアばんや、CX-5に搭載とうさいされたFM音源おんげんモジュールYAMAHA SFG-05を活用かつようしたНовая Коллекцияなども、MSXを活用かつようしたソ連それんのテクノミュージシャンである。ただし、当時とうじソ連それんにテクノやDTMが存在そんざいしたことが西側にしがわ諸国しょこくられるのは、ソ連それん崩壊ほうかいのことである。

ソ連それん崩壊ほうかいにパソコンやゲーム海賊版かいぞくばんメーカーが乱立らんりつした時期じきには、MSX-DOSと一部いちぶ互換ごかんせいのあるOSを搭載とうさいしたAmstrad CPCベースのMSX互換ごかんАлеста(1993ねん)や、MSX-DOSと一部いちぶ互換ごかんせいのあるOSを搭載とうさいしたZX Spectrum互換ごかんのATMターボ2(1993ねん)など、特殊とくしゅなハードもリリースされた。なお、ソ連それん時代じだいはMSX一般いっぱんには販売はんばいされていないので、MSX所有しょゆうしゃ存在そんざいしないはずだが、YAMAHAせいのキーボードやリズムマシンと一緒いっしょにYAMAHAのMSX使つかっているテクノミュージシャン以外いがい一般人いっぱんじんなかにもなぜか正規せいきのYAMAHAせいMSX所有しょゆうしている熱狂ねっきょうてきなファンもおり、2000年代ねんだい以降いこうにも熱狂ねっきょうてきなファンによる互換ごかん制作せいさくされたり、海賊版かいぞくばんハードの乱立らんりつ時期じき製造せいぞうされた製品せいひんをFPGAを利用りようしてさらに進化しんかさせたハードがリリースされた。

特徴とくちょう

編集へんしゅう

MSXは「子供こどもあたえられる安価あんかなパーソナルコンピューター」「コンピューターの学習がくしゅうつなげられるコンピューターの入門にゅうもん」として構想こうそうされた[45]。その一方いっぽう必要ひつようおうじてシステムを拡張かくちょうすることで本格ほんかくてきなプログラミングや実務じつむ処理しょりにも使つかうことが可能かのうな、総合そうごうてきなホームコンピューターとしても設計せっけいされている。

MZ-700ぴゅうふとしM5JR-100PC-6001RX-78SC-3000など、当時とうじてい価格かかく入門にゅうもんのパソコンとおなさまにテレビやカセットデッキをモニターや記憶きおく装置そうちとして流用りゅうようするようなシステムとなっている。

MSXはたんなる入門にゅうもんがたパソコンとしてのみならず、当時とうじ大人おとなのマニアけゲームハードという側面そくめんをもつ。ときには家電かでんひんとして、ときには楽器がっきとして、ときには当時とうじの「ニューメディア」として分類ぶんるいされる。それは、MSXが松下電器まつしたでんき日本にほんビクターなどのように家電かでんひんのルートで販売はんばいされたり、ヤマハや河合楽器かわいがっきなどの楽器がっきてんのルートで販売はんばいされたり、フィリップスやNTTのキャプテンシステムのようにニューメディアと位置いちづけて販売はんばいされたが、それはおもにゲームとして利用りようされた事情じじょうによる。

またメーカーをえてハードウェアおよびソフトウェア資産しさん利用りようできる統一とういつ規格きかくであり、「オープンアーキテクチャ」のさきがけである。CPU、VDP、メモリーマップ、I/Oマップとうのハードウェア仕様しよう規定きていするレベルにまらず、後述こうじゅつのようなスロット機構きこう採用さいようとシステム(BASICおよびDOS)と密接みっせつ連携れんけいし、機能きのう拡張かくちょう抽象ちゅうしょうになBIOSかいすることを前提ぜんていに、柔軟じゅうなんせい互換ごかんせい維持いじするかたちとなっている。

名称めいしょう由来ゆらい

編集へんしゅう
マイクロソフトせつ
アスキーのふく社長しゃちょうだった西にし和彦かずひこ1984ねんかたったところによれば、由来ゆらいMicroSoft eXりゃくとされる。Xには「eXchangeable」「eXpandable」「eXtended」などの意味いみ含有がんゆうされ、また日本語にほんごやくのときにXは拡張かくちょうせい無限むげんひろがるという意味いみもこめて未知数みちすうのXであるとされている。後年こうねんDirectXActiveXXboxWindows XPXNAなど、マイクロソフトの「X」はこのころからあらわれていると指摘してきするこえもある[46]
松下まつしたとソニーせつ(MSX販売はんばい当時とうじ
MSX2+以降いこう参入さんにゅうメーカーが松下電器産業まつしたでんきさんぎょうパナソニックホールディングス)、ソニー三洋電機さんようでんきと、頭文字かしらもじ軒並のきなみMとSだったことから、そのうちの代表だいひょうかくえるメーカーから「Matsushita(松下まつした)・Sony(ソニー)・Xのりゃくでは?」などと、当時とうじのユーザーや雑誌ざっし編集へんしゅうしゃ冗談じょうだんじりにかたることもあった(三洋電機さんようでんき略称りゃくしょうないふくめることもあった)。この冗談じょうだんは、統一とういつ規格きかくうたいながらもかぎられた会社かいしゃからしかハードが発売はつばいされなくなってしまった状況じょうきょう変化へんか皮肉ひにくったものだった。
同様どうようせつ冗談じょうだんだとことわったうえで、たん家電かでんメーカーの代表だいひょうかく松下電器産業まつしたでんきさんぎょうとソニーであるという趣旨しゅし紹介しょうかいした書籍しょせきもある[47]
松下まつしたとソニーせつ規格きかく発表はっぴょう以前いぜん
おも後年こうねんになってかたられるようになったものとして、規格きかく構想こうそうたしかに「松下まつしたとソニーのMSX」であり、それがのち建前たてまえじょう理由りゆうから「MicroSoftX」に変化へんかした、とのせつ存在そんざいする。書籍しょせきによりかたられるようになったのち当事とうじしゃ当時とうじかえっての公演こうえん発言はつげんをするさい同様どうよう趣旨しゅし内容ないようわれるようになった。
いわく、MSXの初期しょき構想こうそうにはマイクロソフトは関与かんよしておらず、西にし和彦かずひこと、規格きかく推進すいしんやくかつうしたてだった松下電器産業まつしたでんきさんぎょうのパナソニック)の前田まえだはじめたいのイニシャルから、当初とうしょMNXばれていた。だがこの名称めいしょうすで商標しょうひょう登録とうろくされていたため、ソニーがはなしくわわったことでMSXとあらたまった。西にしによると、松下電器産業まつしたでんきさんぎょう企画きかくっていくさいには「MSのMは松下まつした」、ソニー企画きかくっていくさいは「MSのSはソニー」だとってアピールしたとかたっている[48]
しかし日本にっぽんのメーカーが提唱ていしょうする規格きかくにアメリカのMicrosoftが関与かんよするというてん通商産業省つうしょうさんぎょうしょうからクレームがついたことで、松下電器産業まつしたでんきさんぎょうとソニーは前面ぜんめんつわけにいかなかったため、名称めいしょうはそのままに、「マイクロソフトのMSX」と説明せつめいしたという経緯けいいとされる。
このことは書籍しょせき[49]はじめてかれたのち規格きかく発表はっぴょう当初とうしょはマイクロソフトからったとかたった西にし和彦かずひこ同様どうようかたるようになった。2000ねんのイベント「でんゆうランド2000」の講演こうえんかいで、このせつについて質問しつもんされたさいも「そうってもかまわない」とこたえたという。よく2001ねんの「でんゆうランド2001」での前田まえだはじめたい講演こうえんでも、同様どうよう趣旨しゅし発言はつげんがされている。
候補こうほがった名称めいしょう
規格きかく発表はっぴょう以前いぜん段階だんかいでは、MSX前述ぜんじゅつMNXほかに、西にし和彦かずひこからNSX、アスキーからられたASXなどが候補こうほのぼり、商標しょうひょう登録とうろくされた。
 
キヤノンV-20。
みぎ下隅したすみにMSXのロゴマークがえる。

MSX仕様しよう準拠じゅんきょしたハードウェアとソフトウェアにはMSXのロゴマークが付与ふよされた。このMSXマークで「MSXでうごく」とかるように、ホームビデオのVHS参考さんこう発案はつあん・デザインされた。以後いご、MSX2、MSX2+、MSXturboRとMSXがバージョンアップするたびにロゴはつくられ、MSX2からは起動きどう画面がめんにMSXロゴが表示ひょうじされるようになった。公式こうしきMSXエミュレーターの「MSXPLAYer」でもMSXのロゴは踏襲とうしゅうされた。デザインはすべ西にしもとになるアイデアをした。

このロゴマークのついたMSX仕様しようのソフトウェアを発売はつばいするさいロイヤルティー不要ふようだった。これはMSX発表はっぴょう当時とうじ対抗たいこう規格きかくして日本にっぽんソフトバンク(ソフトバンク)のまご正義まさよし西にし和彦かずひこのトップ会談かいだんによって決定けっていされたものである[50][51]

MSX0、MSX3、MSX turboでは従来じゅうらいのロゴマーク踏襲とうしゅうしつつ、やや細身ほそみとなったMSXの文字もじと、ピクセルされた英数字えいすうじわせとなっている。

ハードウェア

編集へんしゅう

後述こうじゅつのスロットによるアドレス空間くうかん拡張かくちょうや、BIOSによるリソース管理かんり仕組しくみの特徴とくちょうは、後継こうけい製品せいひんでもモード切替きりかえらないシームレスな後方こうほう互換ごかんせい実現じつげんや、規格きかく拡張かくちょう寄与きよしている。

MSX1, MSX2, MSX2+は8ビットCPUZ80A相当そうとうのプロセッサを3.579545MHzで使用しよう。MSXturboRはそれにくわえて16ビットCPUのR800搭載とうさいし、システムチップにより排他はいたてきにシステムをになうプロセッサを選択せんたくすることが可能かのうである。

MSX0、MSX3、MSX turboにおいては、MSX1、MSX2、MSX2+、およびMSXturboR(上位じょうい機種きしゅのみ)の下位かい互換ごかん機能きのうまれたマイクロコントローラーやFPGAによる上位じょうい互換ごかん実装じっそうとなっている。

互換ごかんせい維持いじしながらフレキシブルな実装じっそう可能かのうにするため、MSXではZ80のメモリ空間くうかんアドレス空間くうかん)を拡張かくちょうしたバンクと、メモリ管理かんりユニットあいだ性質せいしつスロットばれる仕組しくみがもうけられた[52]

MSXではメモリ空間くうかん[注釈ちゅうしゃく 13]よん分割ぶんかつした「ページ」を単位たんいとして管理かんりし、16KiBごとにリソースをてるようになっている。さらに「スロット」1つたり64KiBの空間くうかんち、標準ひょうじゅんで4つの「プライマリ・スロット」が設定せっていされ、任意にんいのスロットの該当がいとうアドレスのページをメモリ空間くうかん接続せつぞくすることが可能かのうになっている。また、プライマリスロットはさらに4つのセカンダリスロットを拡張かくちょうすることができ、仕様しようじょう最大さいだいで16のスロットシステムに接続せつぞくできるようになっている。したがって仕様しようじょうは16KiB×4ページ×4スロット×4セカンダリスロットで=1MiBのアドレス空間くうかん確保かくほされ、その空間くうかんたいし、ROM、RAM、I/Oをページ単位たんい任意にんいててアクセスするかたちになっている。

プライマリ/セカンダリスロットは基本きほんてきには同等どうとうとされ、おおくの機器ききはどのスロットに挿入そうにゅうしても規格きかくうえではわらず動作どうさする。なお、セカンダリスロットは再帰さいきてき拡張かくちょう想定そうていしていないため、セカンダリスロット拡張かくちょうおこな機器ききは、セカンダリスロットへの接続せつぞく出来できない。かけはひとつのカートリッジであっても、複数ふくすうのデバイスをおさめるために内部ないぶてきにスロット拡張かくちょうをしていたμみゅー・PACKやMSX-DOS2カートリッジ、拡張かくちょうスロットなどの周辺しゅうへん機器ききがこの制限せいげんにあたり、プライマリスロットへの挿入そうにゅう以外いがいでは動作どうさしなかった。

Z80のシステムでありながら、ハードウェアとの接続せつぞくにI/O空間くうかんではなく基本きほんてきメモリーマップドI/O方式ほうしきもちいることが推奨すいしょうされた。アクセスのさいにはBIOSコール(BIOSみルーチン)の時点じてんでスロットえによってメモリ空間くうかんえられ、同時どうじにハードウェアへのてリソースも変更へんこうされることで競合きょうごう回避かいひされた。I/Oアドレス空間くうかんは8ビットとして想定そうてい[注釈ちゅうしゃく 14][53]されており、一部いちぶのアドレスが規格きかくとして予約よやくされている。そとけデバイスとして実装じっそうされる場合ばあい接続せつぞくさきのI/O空間くうかん状態じょうたい不定ふていであるため初期しょきにチェックのうえてるようになっているため、直接ちょくせつハードウェアを初期しょきするような場合ばあいには設計せっけい差異さい考慮こうりょする必要ひつようがある。

これらの仕組しくみを物理ぶつりてき拡張かくちょうする手段しゅだんとして、スロット機構きこう接続せつぞくするコネクター最低さいてい1装備そうびされた。おおくの機種きしゅではしこみこう筐体きょうたい上面うわつら前面ぜんめんなどに配置はいちされていたため、おおくのシステムのように、背面はいめん拡張かくちょうスロットで挿抜したり筐体きょうたいけることなく手軽てがる増設ぞうせつ機器ききえができた。電源でんげん投入とうにゅう着脱ちゃくだつ防止ぼうし機構きこうやホットプラグは規格きかくとしては用意よういされていない。着脱ちゃくだつ電源でんげん機構きこう一部いちぶ機種きしゅにあり、カートリッジが正常せいじょう装着そうちゃくされるとこの機構きこうがキャンセルされ電源でんげんはいるようになっていた。2のスロットは初期しょき一部いちぶ機種きしゅでエクスパンションバスの形状けいじょうつものがあったが(ピン配列はいれつおなじ)、ほどなくしてられなくなった。

メモリーマッパー

編集へんしゅう

「スロット」の仕組しくみは柔軟じゅうなん運用うんよう設計せっけい可能かのうにしたものの、「1つのスロットに4ページ/64KiBをえる空間くうかん配置はいちできない」「ページあいだのアドレス空間くうかん移動いどうさいマッピングができない」といった、Z80に由来ゆらいするメモリー空間くうかん・アドレッシングに依存いぞんした制約せいやくがあった。とくにワークエリアとスタックがかれるページ3のえには若干じゃっかん困難こんなんともない、単純たんじゅんにRAMページをスロットに増設ぞうせつするだけでは増設ぞうせつされたメモリーの有効ゆうこう活用かつようがやや煩雑はんざつなものとならざるをないという事情じじょうがあった。これを改善かいぜんするため、MSX2規格きかく制定せいていにRAMページの拡張かくちょうおこなう“メモリーマッパー”が拡張かくちょう規格きかくとして追加ついかされた。このメモリーマッパーをもちいることで、ページのてにたいする制限せいげん軽減けいげんすることが出来できた。また、のち登場とうじょうしたメガROMの一部いちぶにもメモリーマッパー規格きかく応用おうようし、酷似こくじした仕様しようでROM空間くうかんえや拡張かくちょうおこな製品せいひん登場とうじょうした。ただし、これらは市販しはんアプリケーションもしくはZ80バイナリによって直接ちょくせつ実行じっこうするソフトにかぎられたはなしで、MSX-BASICではメモリ空間くうかん前半ぜんはんにROM、後半こうはんにRAMを固定こていあててその末尾まつび拡張かくちょうようのワークエリア、フックなどを配置はいちしていることもあり、これらのメモリをユーザーエリアとして有効ゆうこう活用かつようする仕組しくみがく、RAMDISKなどのかたち活用かつようするようになっている。

ディスプレイや文字もじ表示ひょうじ関連かんれん規格きかく

編集へんしゅう

MSX1、MSX2およびMSX2+は一般いっぱん家庭かていへの普及ふきゅう目指めざすため、標準ひょうじゅん構成こうせい家庭かていようテレビRF標準ひょうじゅん装備そうび[注釈ちゅうしゃく 15]し、専用せんようモニター必須ひっすとしない仕様しようとなっていた。

これはてい価格かかくたい入門にゅうもんにもられた仕様しようで、文字もじにじみや解像度かいぞうどひくさなどのデメリットもあったが、家庭かていよう電気でんき製品せいひん流用りゅうようできるようにすることでシステムのトータルコストをげる効果こうかがあった。TMS9918Aの出力しゅつりょくがそもそもNTSCであり、初代しょだい規格きかくではRGB出力しゅつりょく製品せいひんかぎられた。

初代しょだい規格きかくのVDPがテキスト表示ひょうじ拡張かくちょうによってグラフィックス処理しょり実現じつげんしていたこともあり、文字もじフォント文字もじキャラクタ)は基本きほん形状けいじょうがシステムROMから初期しょき定義ていぎはされるものの、表示ひょうじ性能せいのう制限せいげん範囲はんい任意にんい形状けいじょういろえが可能かのうPCGとして利用りようすることが可能かのうである。SCREEN0,1,2,4ではすべての文字もじ形状けいじょうをユーザーが自由じゆう定義ていぎして使つかうことが出来でき、SCREEN1,2,4ではBASICのサポートはいもののVDPの画面がめんモードを変更へんこうすることによって1ラインたり任意にんいの2しょくをフォントにてることも可能かのうである。

日本にっぽんけのMSXではPC-6000シリーズ近似きんじしたキャラクターコードを採用さいようしており、特定とくてい漢字かんじ日月じつげつ水木みずききんだい中小ちゅうしょうねん分秒ふんびょうひゃくせんまんえん)や罫線けいせん記号きごうとして定義ていぎされているほか、カタカナにくわえてひらがな標準ひょうじゅん定義ていぎされていた。これらのコードは海外かいがいけMSXではアクセント記号きごうきアルファベット[注釈ちゅうしゃく 16]てられた。なおMSXで半角はんかくひらがなにてられていたコード領域りょういきは、現在げんざいSHIFT JISコードで使用しようされている。MSX1の時点じてんでは半角はんかく文字もじの80カラム(1ぎょう80けた表示ひょうじ不可能ふかのうだった。初代しょだい規格きかく時点じてんでは漢字かんじROMの仕様しようがなく、ワープロなどの実装じっそうともなうハードウェアが独自どくじにアプリケーション依存いぞん実装じっそうされていた。MSX2ではそれらのうち、だい1水準すいじゅんのフォントを東芝とうしば仕様しようのものが表示ひょうじようのBIOSとともにオプションとして定義ていぎされ[54]のちにI/Oマップにも東芝とうしば仕様しようものてられている[55]

コネクター関連かんれん規格きかく

編集へんしゅう

コネクタるいかんしては、おもジョイパッドマウス接続せつぞくようアタリAtari 2600相当そうとうの9ピンコネクター(アタリ仕様しようジョイスティックのもの)が2ボタン仕様しよう拡張かくちょうされて定義ていぎされた。また、オプションでセントロニクス仕様しようの14ピンプリンターインターフェースも搭載とうさいされた。 汎用はんようてき仕様しようのコネクタを採用さいようしたことは、のちに電子でんし工作こうさく接続せつぞく制御せいぎょ用途ようととして重宝ちょうほうされた。上記じょうきのスロットコネクターにかんしては、電子でんし部品ぶひんあつかみせ電子でんし工作こうさくよう汎用はんよう基板きばん入手にゅうしゅできた。

キーボード関連かんれん規格きかく

編集へんしゅう

キーボードはパラレル入力にゅうりょく同時どうじしも可能かのうである。規格きかくうえでは、いくつかの特定とくていの3つのキーのわせは動作どうさ整合せいごうせいはかられた以外いがい、3つ以上いじょうのキーが同時どうじ押下おうかされた場合ばあい入力にゅうりょく整合せいごうせい保証ほしょうされていない。なおセパレートタイプ(つまり本体ほんたいべつの)キーボードは定義ていぎされておらず、キーボードのコネクタは機種きしゅによってことなる。なお日本にっぽんキーボード配列はいれつにはJIS配列はいれつと50おとじゅん配列はいれつ(かな配列はいれつ)の両方りょうほう規格きかくにあり、ワークエリアの設定せってい選択せんたくすることもできた。

ソフトウェア

編集へんしゅう

初期しょきはROMカートリッジ、ならびにカセットテープ。MSX2の後期こうきからはフロッピーディスクにより様々さまざまなソフトウェアが提供ていきょうされた。規格きかくにたいして特徴とくちょうてき実装じっそう下記かきのとおりである。

前述ぜんじゅつのようにBASICやOSのおさめられたシステムROM、ゲームとうのROMカートリッジ、メインメモリなどのRAM、そして各社かくしゃ独自どくじ拡張かくちょうによる周辺しゅうへん機器きき(ハードウェア)などのリソースは「スロット」に接続せつぞくされているが、それを抽象ちゅうしょうし、汎用はんようてき利用りようできるようにしているのがBIOSである。基本きほんてきなBIOSのうち、おも機能きのうはメモリの先頭せんとう部分ぶぶんからジャンプテーブルとして配置はいちされており、システムがZ80のみモード1で構成こうせいされているため、RST命令めいれいせるエントリのうち、RST 00H~28HをBASICがサブルーチンコールに使用しよう。RST 30Hがインタースロット・コール、RST 38Hがハードウェアみにてられている[56]基本きほん機能きのうふくまれない機能きのう、ハードウェアには基本きほんてき拡張かくちょうBIOSならびに対応たいおうしている場合ばあい拡張かくちょうBASICが付随ふずいし、起動きどう初期しょきルーチンをすことでみベクタがワークエリアに登録とうろくされ、システムにまれる。ユーザーは対応たいおうアプリケーションなどではほぼ無意識むいしきに、BASICなどでは必要ひつようおうじてコマンドによる初期しょき有効ゆうこうし、利用りようすることができた[注釈ちゅうしゃく 17]基本きほん仕様しようまれたハードウェアもふくめ、互換ごかんせいをBIOSレベルでのみ保証ほしょうすることによってある程度ていど設計せっけい自由じゆう確保かくほしており、ワープロやテレビなど民生みんせい機器きき同化どうかしたような各社かくしゃ商品しょうひんとしての独自どくじせい発揮はっきするのに寄与きよし、設計せっけい共通きょうつうによりていコスト可能かのうとしたほか、プラグ&インストール&プレイではなく文字通もじどおりのプラグ&プレイ実現じつげんしていた。 ただし、基本きほん仕様しようふくまれるBIOSの実装じっそうはハードウェアにつよ依存いぞんする仕様しようになっており、PSGやVDPなどはBIOSが内部ないぶレジスタをラップするような実装じっそうになっているため後継こうけい製品せいひんなどでも実際じっさいには仕様しよう包含ほうがんしたものを選択せんたくせざるをず、データレコーダの実装じっそうはZ80の実行じっこうクロックにつよ依存いぞんしたかたちでタイミングを波形はけい生成せいせいしているため、みを禁止きんししたうえ、規定きていのクロックでプロセッサが動作どうさすることを要求ようきゅうする仕様しよう[57]となっている。

これらスロットやBIOSなどによる特徴とくちょうてき実装じっそう柔軟じゅうなんせいがあるわりに、ハードウェアの構成こうせい規格きかくとして規定きていされたもの以外いがいでは固定こていされていることは期待きたいできず、初期しょき認識にんしき処理しょりはスロットを検索けんさくする必要ひつようがあるというオーバーヘッドをともなうものとなった。一部いちぶアプリケーションなどでは、特定とくてい構成こうせい期待きたいしたコードになっているためMSX2で動作どうさしなくなったり、実際じっさいには接続せつぞくされているにもかかわらず、その拡張かくちょう機器きき認識にんしきできないなどの互換ごかんせいにつながっている。また、ハードウェアの相違そういかんがえればかなり互換ごかんせい維持いじされているFDDとうの「おな種類しゅるい」のハードウェアであっても、スタック領域りょういきやワークエリアなど、実装じっそうちがいから特定とくてい条件じょうけん動作どうさしないなどの現象げんしょう発生はっせいすることもあった。 またこれらの仕組しくみは、ハードウェアリソースにたいするアクセス自体じたい演算えんざんリソースを必要ひつようとし、「スロット」の実装じっそうにともなうウェイト(wait)の挿入そうにゅうやBIOSコールを経由けいゆするひとしオーバーヘッドは、3.579545MHz動作どうさCPUのZ80におもくのしかかり、パフォーマンスをとす原因げんいんともなった。VDPについては処理しょり速度そくどるため、システムROMの特定とくていのアドレスにかれているからI/Oアドレスを確認かくにんうえ直接ちょくせつ制御せいぎょすることを正式せいしきみとめている[58]

記憶きおく装置そうちから直接ちょくせつ起動きどうするソフトウェアや機種きしゅ固有こゆう内蔵ないぞうソフトをのぞけば、ユーザーの操作そうさ利用りようささえるのがMSX-BASICである。実装じっそうられたマシンモニタは標準ひょうじゅんシステムとしては用意よういされておらず、直接ちょくせつのメモリ操作そうさ実行じっこうではなくDOSないしは、BASICからかたちとなっている。 当時とうじおおくのPCで採用さいようされていたマイクロソフトけい命令めいれいセットをっていたが、変数へんすうめい先頭せんとうから2文字もじのみでgoto命令めいれいなどのさきくだり番号ばんごうのみなど初期しょき実装じっそうちかかたちとなっている反面はんめん浮動ふどう小数点しょうすうてん演算えんざんでは仮数かすうは6けたまたは14けたのBCD[注釈ちゅうしゃく 18]仮想かそう計算けいさんとして実装じっそうしており、システムの規模きぼ速度そくどたいして精度せいどたかいものとなっている。この演算えんざん部分ぶぶんはBASIC以外いがいからのしも可能かのうなようにMath-Packとして外部がいぶからもせる手順てじゅん公開こうかいされている[59]CITEREFMSX-Datapack11991。精度せいどたかいものの相応そうおう演算えんざんコストがたかいため、ゲームなどレスポンスや処理しょり速度そくど重視じゅうしするケースでは変数へんすう整数せいすうとして宣言せんげんすることがTipsとなっていた。

さらにオプションでMSX-DOSばれるCP/Mシステムコール互換ごかんOS導入どうにゅう可能かのうで、これを導入どうにゅうすれば既存きそんのCP/Mアプリケーションのおおくがファイルシステムをコンバートすることによりほぼそのまま動作どうさし、CP/M環境かんきょう利用りよう可能かのうアセンブリ言語げんごC言語げんごPascalCOBOLFORTRANひとし使つかえ、またCP/Mでうご欧文おうぶんワープロおもて計算けいさんひとし実務じつむアプリケーションも実行じっこうできた。 ただし、本体ほんたい安価あんかなMSXでは相対そうたいてきにFDDは高価こうかであり、活用かつようされるようになるのはFDDを内蔵ないぞうした本体ほんたい安価あんか提供ていきょうされるようになったころからである。

初代しょだい規格きかくではその構成こうせい部品ぶひんせん用品ようひんもちいず、その時点じてん市場いちば供給きょうきゅうされていた利用りよう実績じっせき豊富ほうふ既存きそん汎用はんよう半導体はんどうたい製品せいひん採用さいようし、基本きほん仕様しよう安価あんか製造せいぞうできるよう構築こうちくされていた。かくメーカーから発売はつばいされた機種きしゅはほぼローエンド(てい価格かかくたい)だった。 その代償だいしょうで、仕様しよう平凡へいぼんなものとなり、当時とうじおもだったパソコンがこう解像度かいぞうどもとめられていたなかにあって、最大さいだいでも256×192ドットの解像度かいぞうどだったこととわせて「先進せんしんてきでない」と批判ひはんする意見いけんもあった[60]

価格かかくたい汎用はんようせいかじった実装じっそうは、日本にっぽんではファミリーコンピュータ比較ひかくされてしまい、ゲーム専用せんようのファミリーコンピュータのグラフィック性能せいのう比較ひかくしておとっていたので「中途半端ちゅうとはんぱ子供こども玩具おもちゃ」としてられた。

ネットワーク

編集へんしゅう

MSXけの主要しゅよう商用しょうようパソコン通信つうしんサービスとしては、1986ねん12月からアスキーが運営うんえいしたアスキーネットMSX、および松下まつしたグループ(のパナソニックグループ)けいのネットワーク企業きぎょう日本にっぽんテレネット運営うんえいするTHE LINKS(ザ・リンクス)がある。

アスキーネットMSXは、MSXを所有しょゆうしていることが使用しよう条件じょうけんだったが、実際じっさい使つかえるマシンはMSXにかぎらなかった。NHK学園がくえんのパソコンの通信つうしん講座こうざ使つかわれたこともあった[61]

たいして、THE LINKSはMSX専用せんようだった。画像がぞう通信つうしんやゲーム配信はいしんをサポートした独特どくとくのサービスで、対応たいおう機種きしゅをMSXに限定げんてい、モデムも専用せんようソフト搭載とうさいのカートリッジのみとすることにより、のパソコン通信つうしんサービスにはないカラフルなコンテンツの提供ていきょう画像がぞう配信はいしんうごくメールなども実現じつげんしていた。MSXによる日本語にほんご表現ひょうげん特徴とくちょうひとつである半角はんかくひらがなやグラフィック文字もじはJISの規格きかくがいで、機種きしゅによってまったべつのキャラクタが定義ていぎされており、MSXにかぎらず機種きしゅ混在こんざいのパソコン通信つうしんでは使つかわないのが常識じょうしきとなっていたが、THE LINKSはそのぎゃくにJISやシフトJISの2bytes文字もじ日本語にほんごむことができず、1byteのMSX文字もじでコミュニケーションをることになっていた。THE LINKSのためだけの専用せんよう通信つうしんソフトが必要ひつようで、通信つうしんソフトが内蔵ないぞうされたTHE LINKS専用せんようモデムカートリッジがあったほか松下電器産業まつしたでんきさんぎょうのモデムカートリッジに通信つうしんソフトが内蔵ないぞうされていた。

当初とうしょ通信つうしん速度そくど300bpsのモデムカートリッジが発売はつばいされ、のちには1200bpsのものた。MSXturboRが発売はつばいされた時期じきにはパソコン通信つうしんも9600bpsをえる速度そくどのモデムが一般いっぱんし、MSXでもRS-232CカートリッジとPCモデムを使用しようするユーザーがえた。MSX2のなかには本体ほんたいに1200bpsモデムを搭載とうさいした、通信つうしんパソコンとしょうされる機種きしゅもいくつか存在そんざいする。

それ以外いがいにもPC-VANNIFTY-ServeにMSXに関係かんけいするSIGやフォーラムがもうけられた。また、MSXの話題わだいあつかくさBBS全国ぜんこく開設かいせつされており、MSX専門せんもん休刊きゅうかんし、商業しょうぎょうてきにMSXが衰退すいたいしたのち同人どうじん活動かつどうとともにパソコン通信つうしんでの活動かつどうによってつちかわれたコミュニティーがMSXをささえた。パソコン通信つうしん発表はっぴょうされたフリーソフトウェアは、MSX専門せんもんMSX・FAN付録ふろくディスクに収録しゅうろくされたり、ソフトの自動じどう販売はんばいTAKERU販売はんばいされたりもした。

そのにMSXをもちいたネットワークサービスには、囲碁いごのネット対戦たいせん「GO-NET」や株式かぶしき投資とうしなどがあった。

通信つうしんソフトにはアスキーからMSX-TERMが発売はつばいされたが性能せいのうわるさからあまり使用しようされず、フリーソフトウェアのmabTermやRAETERMや松戸まつどタームが使つかわれた。MSXけのネット運営うんえいようホストプログラムはMSXマガジン開発かいはつした「網元あみもとさん」やMHRVなどがおおもちいられた。

周辺しゅうへん機器きき

編集へんしゅう

ROM/RAMカートリッジ

編集へんしゅう
ロムカセット
ページ先頭せんとうかれているヘッダによって、起動きどう初期しょき拡張かくちょうBASICとう)や自動じどう起動きどう(ゲームソフトとう)が可能かのう通常つうじょうマスクROM使用しようされたほか、ソフトベンダーTAKERUようEPROMカートリッジもあった。
メガROM
メモリコントローラを内蔵ないぞうし1メガビット(128KB)以上いじょう容量ようりょう実現じつげんしたカートリッジ。1986ねん4がつにアスキーが仕様しよう制定せいていし、同年どうねん7がつ22にち発売はつばいの『グラディウス』ではつ使用しよう[62]。その長方形ちょうほうけいななめに3つつらねた統一とういつマークがさだめられたが、容量ようりょう基準きじゅんでありコントローラには特殊とくしゅなものをもちいたソフトウェアも存在そんざいする。同様どうようものとく名称めいしょうはついていないものの、ファミコンなどの家庭かていようゲームでもられる。
MegaRAM
ブラジルのMSXマーケットでのみ普及ふきゅうしたカートリッジでDDXとCIELの2しゃから発売はつばいされていた。メガROMのROMの部分ぶぶんをRAMに交換こうかんしたような構造こうぞうをしており、このRAM部分ぶぶんにROMイメージをLOADして使用しようする。ブラジルでは、このMegaRAMが存在そんざいしたからこそMSXが普及ふきゅうしたといわれるほどだいヒットした。もっとも、おも用途ようとは「メガROMからしたゲームを違法いほうコピーして使用しようする」というものであり、カセットテープまたはFDDの形態けいたい流通りゅうつうするメガROMのゲームをロードしてメガRAMにむことで、もとのメガROMのカートリッジとおな動作どうさをさせることができる。
BEE CARD
アダプタカートリッジ「Bee Pack」とわせて使用しようする。セガ・マークIIIマイカード同様どうようのもの。
増設ぞうせつようRAMカートリッジ
MSXの内蔵ないぞうRAMを増設ぞうせつするためのカートリッジ。スロットに直接ちょくせつ接続せつぞくし、メインメモリを増設ぞうせつするカートリッジと、メモリマッパカートリッジがある。前者ぜんしゃは、カシオの「16KB増設ぞうせつRAMカートリッジ」「64KB増設ぞうせつRAMカートリッジ」電子でんし部品ぶひん通販つうはん M.A.D.の「らむまっくす2」[63] ひとしで、おおくは純正じゅんせい拡張かくちょう機器ききとして、しょう容量ようりょうのRAMをつMSXのために用意よういされた。後者こうしゃは、MSXDOS2カートリッジや、テラネットワークシステムの「AddRAM2」、職人しょくにん工房こうぼうの「うっかりくん」[64]、クラシックPC研究けんきゅうかいの「MSX2/2+/turboRよう 16MBメモリー拡張かくちょうカートリッジ(CLPC-MSX16MBRAM)」[65] ひとし
SRAMカートリッジ
MSX1発売はつばい開始かいし当初とうしょは、一般いっぱん家庭かていでの需要じゅよう見込みこんだ、家計かけい簿ソフトなどのデータ保存ほぞんよう発売はつばい、もしくは本体ほんたいどうこりされた。そのおもにゲームデータの保存ほぞんようにシフトした。PAC(パナ・アミューズメント・カートリッジ)、FM-PAC、しん10ばいカートリッジなど。

入力にゅうりょく機器きき

編集へんしゅう
 
キヤノンVJ-200
 
ソニーJS-55
キーボード
キーボードが本体ほんたい分離ぶんりしているマシンよう各社かくしゃ独自どくじ仕様しようもの用意よういされたほか、スロットコネクターやジョイスティック端子たんしかいしてつなぐテンキーパッドが市販しはんされたり、専門せんもん電子でんし工作こうさくコーナーに作例さくれい掲載けいさいされたりした。なお、MSX規格きかくでは「キーボード接続せつぞく専用せんよう標準ひょうじゅん端子たんし」のようなものさだめられていない。
鍵盤けんばん
ヤマハ・SFG-01/05専用せんようものや、MSX-AUDIOよう専用せんようキーボード、FS-MKB1とうがある。
ジョイスティックジョイパッド
8方向ほうこう入力にゅうりょくスティック+しボタン1、2そなえる。当初とうしょきタイプは操縦そうじゅう桿型、手持てもちタイプはスティックきのものおおかったが、徐々じょじょにアーケードゲームがた方向ほうこうボタンきのもの移行いこうし、連射れんしゃ機能きのうなどをそなえたものもある。みぎがボタン、ひだりがレバー(方向ほうこうボタン)のもの主流しゅりゅうであるが、右側みぎがわ操縦そうじゅうボタンになっている製品せいひん存在そんざいする。
ハイパーショット
しボタン2のみ、方向ほうこう入力にゅうりょくし。コナミ「ハイパーオリンピック」「ハイパースポーツ」シリーズ専用せんよう入力にゅうりょく機器きき
ジョイボール
HAL研究所けんきゅうじょせい連射れんしゃモードを搭載とうさいしたボールがたジョイスティック。
アナログジョイスティック
厳密げんみつにはデジタル256段階だんかいのデジタルスティック。電波でんぱ新聞しんぶんしゃX68000ようアフターバーナーよう開発かいはつ販売はんばいし、シャープもいろちがいのものを純正じゅんせいひんとして販売はんばいしている。後継こうけいはコンパクトな設計せっけいとなり、メガドライブとの接続せつぞくにも対応たいおうした。2じくスティック+1じくスティック+しボタン12。BASICマガジンでMSXでの制御せいぎょ方法ほうほうがプログラムつきで記事きじとして公開こうかいされ、一部いちぶ市販しはんソフトでもかく機能きのうとして対応たいおうした。
マウストラックボール
ジョイスティック端子たんし接続せつぞくする。トラックボールはソニー・HAL研究所けんきゅうじょとう発売はつばいのちにマウスとともに正式せいしき規格きかくまれた。規格きかくじょうでのあつかいにはいくふんかの差異さいがあり、マウスようソフトでトラックボールを使つかっても操作そうさできない場合ばあいがある(ぎゃく同様どうよう)。
マウスはMSX規格きかく準拠じゅんきょおなぶつおなじインターフェイスをつPC-8801mkIISR以降いこうのバスマウスや富士通ふじつうFM-TOWNSようとしても使用しようされた。
パドル・タブレット
前者ぜんしゃブロックくずしゲームとうもちいられるダイヤルじょうものでジョイスティック端子たんし1つに最大さいだい6つ接続せつぞくできる。後者こうしゃ透明とうめいいたをペンでタッチするポインティングデバイスでそのタッチパネルペンタブレットちかい。ともにジョイスティック端子たんし接続せつぞくして使用しよう。マウスやトラックボールよりもはやく、MSX1発表はっぴょう当初とうしょから規格きかくれられていたアナログ入力にゅうりょく機器ききである。
ただし、パドルは専門せんもん電子でんし工作こうさくコーナーでつくかた紹介しょうかいされたのみで、メーカーひん存在そんざいしない。タブレットもMSX1初期しょきどう仕様しよう商品しょうひんがいくつかのメーカーから発売はつばいされたのみで、対応たいおうソフトも機器きき付属ふぞくのもの以外いがいほとんどい。turboRではいずれもサポートで、対応たいおうBIOS・関数かんすうしてもかなら固定こていかえる。
ライトペン
三洋さんようのMSX1・WAVY-10[66]とWAVY-11に標準ひょうじゅん添付てんぷ専用せんよう端子たんし接続せつぞく機種きしゅようにカートリッジスロットに接続せつぞくするもの発売はつばいされたが、映像えいぞう出力しゅつりょくをカートリッジに経由けいゆさせる必要ひつようがあったため一部いちぶ機種きしゅでは使用しようできない。MSX2から規格きかくされたが、MSX2以降いこう画面がめんモードに対応たいおうした機器きき発売はつばいされていない。パドルとう同様どうようにturboRではサポート。
光線こうせんじゅう(ライトガン)
PLUS-X ターミネーターレーザー
中東ちゅうとう諸国しょこく流行りゅうこうしたゲームよう光線こうせんじゅう。ジョイスティック端子たんし接続せつぞく対応たいおうソフトも中東ちゅうとう流通りゅうつうしていたMSX1対応たいおうものがほぼそのままられていた。
ガンスティック
スペインの MHT Ingenieros というメーカーによって発売はつばいされていたじゅうがたのコントローラー。ジョイスティックポートに接続せつぞくして使用しよう。MSX以外いがいにもコモドール、SPECTRUM、AMSTRAD、PCにも使用しようできる。発売はつばいもとのスペインでのみ普及ふきゅう。Space Smugglers など10ほんほど対応たいおうゲームが発売はつばいされていた。
マイク
turboRには音声おんせいようもの本体ほんたい付属ふぞく。それ以前いぜんにも(規格きかくでサポートされていたわけではないが)1ビットサンプリングよう市販しはんひん使用しようされた。
「シャウトマッチ」付属ふぞくマイク
ビクター音楽おんがく産業さんぎょうせい同名どうめいゲーム専用せんようもの。ジョイスティック端子たんし接続せつぞく感知かんちできるのは音量おんりょうのみ。

記録きろく装置そうち

編集へんしゅう
 
ブラジル・グラジエンテしゃのMSXでBASICより「call format」の命令めいれい実施じっししたさい表示ひょうじ。5インチ片面かためん(1DD)と両面りょうめん(2DD)が追加ついかされている。
データレコーダー
記録きろく速度そくどは1200bpsと2400bpsを選択せんたくでき、インターフェイス大半たいはん機種きしゅ装備そうび。カシオ PV-7などではオプション、ソニーHB-T600・松下電器産業まつしたでんきさんぎょうFS-A1WSX/MSXturboRでは削除さくじょ一部いちぶ機種きしゅにはカセットデッキが内蔵ないぞうされた。とく日立ひたちMB-H2は、音楽おんがく再生さいせい意識いしきしたステレオ対応たいおうデッキで、あたましや早送はやおくもどしなどデッキの操作そうさ拡張かくちょうBASICでコントロールできた。信号しんごうはコンパクトカセットの音声おんせい信号しんごうとしてあつかわれたため、以下いかのように音声おんせい信号しんごうあつかえるデバイスを流用りゅうようしてデータを記録きろくしたケースもあった。
カセットテープ
FDDのない環境かんきょうでは標準ひょうじゅんてき外部がいぶ記憶きおくメディアとして使つかわれた。し・みの双方そうほう可能かのう。ROMカートリッジの生産せいさんにはある程度ていど資金しきんりょく必要ひつようなため、中小ちゅうしょうソフトメーカーではMSX1時代じだい中心ちゅうしんにゲームなどのソフト供給きょうきゅうメディアでもあった。アイワのデータレコーダーDR-20(ソニー同型どうけいOEMモデルナンバーSDC-600)はテープを倍速ばいそく再生さいせいでき、1200bpsでSAVEしたプログラムやデータを倍速ばいそく再生さいせいにより2400bpsでLOADできた。
レコード
アニメの主題歌しゅだいかとドラマがおさめられたレコード『みゆきメモリアル』(キティレコード)や小久保こくぼたかしの「バウハウスの詩人しじんたち」(ネクサスレコード)に音声おんせいデータとしてMSXようプログラムが収録しゅうろく。それらのデータはMSXよりCLOADすることでめる。また、月刊げっかんPiOのソノシートにMSXようプログラムが収録しゅうろくされたこともあった。
ビデオテープ
データレコーダーとおなじフォーマットで音声おんせい記録きろく日本にっぽん制作せいさくのプロモーションビデオ『ヴァリスクラブ』(日本にっぽんソフトバンク)に特典とくてんとしてMSXようプログラムが収録しゅうろく専用せんようみも可能かのうではあるが実績じっせきほど不明ふめい)。
フロッピーディスクドライブ(3インチ、3.5インチ、5.25インチ)
当初とうしょ日立ひたちなどが3インチ、ソニーなどが3.5インチのドライブを開発かいはつしており、国内こくないでは1984ねん5がつ発売はつばいまえに3.5インチに一本いっぽんされた。インターフェースカートリッジとドライブとの別売べつばい、またはセットで提供ていきょうされた。後年こうねんにはドライブがインターフェースと一体化いったいかした形状けいじょうもの発売はつばい使用しようにはメインメモリーがMSX DISK-BASICで32KB以上いじょうMSX-DOSで64KB以上いじょう、MSX-DOS2では128KB以上いじょう必要ひつよう。MSX2末期まっき以降いこう大半たいはん機種きしゅ内蔵ないぞうされた。
ヨーロッパでは当初とうしょフィリップスが3.5インチ1DDを内蔵ないぞうした安価あんか機種きしゅ市場いちば投入とうにゅうしたため、1DDが普及ふきゅうした。その日本にっぽんおなじく3.5インチ2DDが発売はつばいされた。よって、ヨーロッパのMSXようソフトウェアは3.5インチ1DDで発売はつばいされる割合わりあい日本にっぽんよりもたかい。また、1DDのドライブを2DDにえることもさかんにおこなわれている。
ブラジルではグラジエンテが3.5インチ2DD内蔵ないぞうのMSX1を発売はつばい普及ふきゅうしたが、Apple IIアタリ400/800コモドール64などがさき普及ふきゅうしていたので、それらに接続せつぞくされていた5インチFDDをMSXに接続せつぞくできるようになっていた。また、DDXやCIELなどのメーカーが発売はつばいした拡張かくちょうFDDシステムも3.5インチFDだけでなく、5インチFDもサポートした。よって、ブラジルでは3.5インチ1DD/2DDと5インチ1DD/2DDが並存へいそんする状況じょうきょうとなった。
クイックディスクドライブ
ミツミ電機みつみでんきせいカシオロジテックフィリップスから発売はつばい。3.5インチフロッピーディスクが郵送ゆうそう当時とうじ70えんかかったのにたいし、60えん当時とうじ)の封書ふうしょ郵送ゆうそうできたが、フロッピーディスクの急速きゅうそく普及ふきゅうにより、メリットが消失しょうしつあま普及ふきゅうはしていない。機械きかいでローダをいてROMカートリッジよりも番号ばんごうわかいスロットにせば、ROMカートリッジより優先ゆうせんしてブートされる仕様しよう悪用あくようし、ROMカセットをセットした状態じょうたいで、機械きかいローダをんだクイックディスクから起動きどうし、ROMカセットの内容ないようをクイックディスクにコピーするなどROMカセットのデッドコピーにも使つかわれた。任天堂にんてんどうファミリーコンピュータ ディスクシステムもクイックディスクと技術ぎじゅつてき仕様しようおなじである。
ハードディスクドライブ
SASI規格きかくのインターフェースカートリッジ「MSX HD Interface」が1989ねん7がつにアスキーより市販しはんされた。SASI規格きかくは40MBまでしか利用りようできず、ハードディスクドライブも高価こうかだったため、あまり普及ふきゅうしなかった。しかし、そのオランダの MSX Computer Club Gouda(ハウダ)が販売はんばいしていたNovaxis SCSIをG-SCSIの名称めいしょうでTEAM-PMKが輸入ゆにゅう販売はんばいはじめるとMSXでもハードディスクの普及ふきゅうはじまり、有限ゆうげん会社かいしゃEJがMSX-IDE-INTERFACE[注釈ちゅうしゃく 19]を、職人しょくにん工房こうぼうがMEGA-SCSIを、Sunrise for MSXがSunrise ATA-IDEを開発かいはつ販売はんばいした。
ビデオディスク
MSXでは下記かきの2種類しゅるい規格きかく使用しようできた。
レーザーディスク(Palcom)
CPE(Computer Program Encoded)ディスクとばれ、通常つうじょう映像えいぞうほかにMSXがわからのコントロールプログラムも格納かくのうされていた。アナログ音声おんせいトラックのRチャンネルにデータレコーダーおなじフォーマット(転送てんそう速度そくどは2400bps)で音声おんせい記録きろくされたデータを仕組しくみで、方式ほうしきとしてはスタディボックスちかく、レーザーアクティブによるLD-ROMとはまったことなる。拡張かくちょうBASICのP-BASICでレーザーディスクを制御せいぎょした。パイオニアせいMSXでは標準ひょうじゅんで、他社たしゃMSX1ではオプション機器きき接続せつぞく可能かのう。MSX2以降いこうでは使用しよう不可ふか
対応たいおうソフトとしては、SEGAアストロンベルト」、FUNAIインター・ステラ」、KONAMIバッドランズ」、TAITOコスモスサーキット」、FUNAIエシュズオルンミラとう移植いしょくされたほか、レーザディスクスターファイターズ」などのオリジナルソフトも発売はつばいされた。教育きょういくようソフトウェアとしては、レーザーディスク「スペースディスク」シリーズ(英語えいごばんからの移植いしょくNASA撮影さつえい衛星えいせい画像がぞう検索けんさくソフト)、アイペック「ラスコムメイト」シリーズ(中学生ちゅうがくせい学習がくしゅう教材きょうざいとうがある。
VHD(VHDpc INTER ACTION)
VHD言語げんごという機種きしゅあいだ共通きょうつう言語げんご仕様しよう用意よういされ、中間ちゅうかん言語げんごでVHDディスクにデジタル記録きろくされたプログラムを、MSXがわ用意よういされたインタプリターで実行じっこうする[67]。ただし、実行じっこう速度そくど都合つごうから一部いちぶかく機種きしゅ個別こべつのソフトをディスクと別売べつばい用意よういしたものもある。VHD言語げんごはコードがVHDじょうにある前提ぜんていからユーザー開発かいはつ想定そうていされておらず、自作じさくプログラムでVHDプレイヤーをコントロールする場合ばあいは、(VHD言語げんごではなく)拡張かくちょうBASICを使つか[67]。MSX2規格きかく標準ひょうじゅんしたが、MSX2対応たいおうVHD言語げんごインタプリターはなかった。
対応たいおうソフトはデータイーストサンダーストーム」「ロードブラスター」、タイトータイムギャルとう(いずれもVHD言語げんご対応たいおう)。また、ユーザーがプログラムから制御せいぎょする前提ぜんていで、「ゼビウスマップ」も発売はつばいされた。
CD-ROMドライブ
MSX2の1987ねんごろ東芝とうしばそとがた、ソニーが内蔵ないぞう試作しさくしたという報道ほうどうがあったが、商品しょうひんにはいたらなかった。のちにSCSI/IDE経由けいゆ利用りようできるようになった。

拡張かくちょう音源おんげん

編集へんしゅう

MSXは音源おんげんとしてPSG(AY-3-8910相当そうとうひんっていた。1983ねん当初とうしょはそれでも十分じゅうぶんだったが、のゲームやパソコンが音源おんげん機能きのう強化きょうかするなか、MSXにも対抗たいこうじょう各種かくしゅミュージックシステムが開発かいはつされた。

FM音源おんげん
SFG-01/SFG-05(ヤマハ)
SFG-01は「FM SOUND SYNTHESIZER UNIT」、SFG-05は「FM SOUND SYNTHESIZER UNIT II」。1983ねん発売はつばいされたMSXはつのFM音源おんげんカートリッジ。MSX-AUDIO以降いこうのFM音源おんげんが2オペレータだったのにたいして、より複雑ふくざつ音色ねいろ作成さくせいできる4オペレータのチップを採用さいようし、8こえ再生さいせい可能かのう詳細しょうさい下記かきMIDIインターフェイスのこう参照さんしょう
MSX-AUDIO
MSX-AUDIOは規格きかくめい音源おんげんチップはY8950。日本にっぽんでは1987ねんパナソニックから FS-CA1 MSX AUDIO UNITの名称めいしょう発売はつばいされた。MSX AUDIO UNIT は34,800えん非常ひじょう高価こうかであり、ほとんど普及ふきゅうしなかった。ヨーロッパではフィリップスが NMS-1205 Muziekmodule(ミュージックモジュール)、東芝とうしばが、HX-MU900 MSX MUSIC SYSTEMの名称めいしょう発売はつばい標準ひょうじゅん音源おんげんとして定着ていちゃくした。
MSX-MUSIC
MSX-MUSICは規格きかくめい音源おんげんチップはYM2413。MSX-AUDIOが価格かかくなどから日本にっぽん普及ふきゅうしなかったため、同時どうじ発声はっせいすうおなじだが自作じさく音色ねいろが1こえのみなど安価あんか仕様しようYM2413(OPLL)を採用さいようしたMSX-MUSICが策定さくていされた。拡張かくちょう機器ききとしてはFM Pana Amusement Cartridgeとして1988ねんにパナソニックより7,800えん発売はつばいされているが、初期しょきなどの手順てじゅんはMSX-MUSICがMSX本体ほんたい内蔵ないぞうされている機種きしゅとはことなる。
MSX-AUDIOが標準ひょうじゅん音源おんげんとなったヨーロッパでも、フィリップスがMSX市場いちばより撤退てったいし、MSX-MUSICを搭載とうさいしたMSX2+/turboRがヨーロッパに輸出ゆしゅつされたため、ある程度ていど普及ふきゅうした。
SCC音源おんげん
コナミのMSX2ゲームソフト『スナッチャー』『SDスナッチャー』に拡張かくちょう音源おんげんカートリッジとして付属ふぞく(ゲーム本体ほんたいは2DDディスク)。元々もともとメモリコントローラとしての側面そくめんつSCCにDRAMを64KiB接続せつぞくし、プロテクトをねたゲームのディスクキャッシュとしてもちいている。各々おのおののカートリッジはDRAMのアドレスがことなり、改造かいぞうでは双方そうほう互換ごかんせいはない。のち制御せいぎょ方法ほうほう雑誌ざっしじょう公開こうかいされ、フリーソフトをふく一部いちぶ音楽おんがくソフトで対応たいおうおこなわれた。また、りょう作品さくひん品薄しなうすになると、厳密げんみつには仕様しようことなるSCC内蔵ないぞうROMカートリッジのROMの無効むこうはずし、電源でんげんはいった状態じょうたいでの接続せつぞくなどの方法ほうほうによってもちいられることもあった。
PCM音源おんげん
とーくまん(エミールソフト)
MSXで音声おんせい合成ごうせいたのしめるトーキングマシン。付属ふぞくのマイクをつかって、PCM録音ろくおん再生さいせいができる。サンプリング周波数しゅうはすうは4kHzきろへるつから8kHzきろへるつの5段階だんかい音声おんせいデータはエディターを使つかってエコーなどエフェクト処理しょり、ディスクへのセーブやROMにんで市販しはんの「おしゃべりさん」の音声おんせいROMとしても使用しよう可能かのう内蔵ないぞう拡張かくちょうBASICによって簡単かんたん音声おんせいりのプログラムが作製さくせいできる。
+PCM
A.Hiramatsuという人物じんぶつにより開発かいはつされ、同人どうじんサークルであるフロントラインが販売はんばいしていたハードウェア。MSX本体ほんたいとはべつにPCMを追加ついかすることができる。Mあらため開発かいはつし、フロントラインが販売はんばいしたシューティングゲーム「PLESURE HEARTS」では効果こうかおんに+PCMが使つかわれた。

MIDIインターフェイス

編集へんしゅう

MSXでMIDI使用しようすることができるハードウェアも開発かいはつされた。

SFG-01/SFG-05(ヤマハ)
MIDI-IN/OUT端子たんしほか、FM音源おんげん音源おんげんチップはSFG-01がYM2151、SFG-05はYM2164)、鍵盤けんばん端子たんし搭載とうさい音声おんせい出力しゅつりょくはステレオ。SFG-01は19,800えん、SFG-05は29,800えん。SFG-01はMSXようFDDの仕様しよう決定けっていまえ発売はつばいされ、ワークエリアがMSXようFDDとバッティングしていた。それを変更へんこうしてデータ保存ほぞんさきにフロッピーディスクを指定していできるようにしたものがSFG-05である[68]
「サイドスロット」とばれたヤマハせいMSX独自どくじスロットに接続せつぞくする。一部いちぶ日本にほんビクターせいマシンでも動作どうさ保証ほしょうはないが同様どうよう使用しようできた。ヤマハ以外いがいのMSXでも使用しようできるようアダプターUCN-01が7,800えん発売はつばいされた[69]
SMD-01(ヤマハ)
上記じょうき、SFG-01とどう時期じきに「MIDI Unit」の名称めいしょうで12.800えん発売はつばいされていた[70]。SFGシリーズとのちがいはFM音源おんげん搭載とうさいされていないこと。SFGシリーズとおなじくサイドスロットに接続せつぞくする。
MIDIサウルス(ビッツー
専用せんようソフトどうこり発売はつばいされたMIDIインターフェイス。専用せんようソフトはSCREEN6を使用しようしてVRAM使用しようりょう削減さくげんし、そのぶんをトラックバッファにてていた。ゲームソフトでも、同社どうしゃのファミクルパロディックシリーズが対応たいおうしていた。
演奏えんそう自体じたいはカートリッジ内部ないぶ制御せいぎょようとしてZ80 CPU互換ごかんチップとZ80 CTC,Z80 SIO、Z80 PIO、ほか周辺しゅうへんチップ構成こうせい、バッファメモリを搭載とうさいすることでCPU負荷ふかをかけずに再生さいせいしていたが、その仕様しよう一般いっぱん公開こうかいされなかった。同社どうしゃわせると一般人いっぱんじんでも資料しりょうがもらえたが、MIDIポート直接ちょくせつ入出力にゅうしゅつりょく手順てじゅんだけとなっていた。
MSX-MIDI
turboRのオプション規格きかくひとつ。オプション機器ききとしてはビッツーμみゅーPACKのカートリッジが発売はつばいされており、FS-A1GTにはどう規格きかく対応たいおうしたインターフェイスが内蔵ないぞうされている。拡張かくちょうBASICの利用りようによりBASICからも制御せいぎょができるが、BIOSは定義ていぎされておらず、BASIC以外いがいからは直接ちょくせつハードウェアを制御せいぎょする[71]藤本ふじもと昌利まさとしによって開発かいはつされたMSX MIDI Interface3は規格きかくのうち、FS-A1GT相当そうとうのハードウェアのみを回路かいろとして実装じっそうしたもの。ハードウェア設計せっけい問題もんだいから、一定いっていのCPUパワーを必要ひつようとし、MIDI-IN として使つか場合ばあい機能きのう使つか場合ばあいはturboR相当そうとうのパフォーマンスを必要ひつようとする。りこぼしなどの影響えいきょういよう、MIDI-OUT として使つかうだけなら turboR以外いがいでもソフトウェアがサポートすれば利用りよう可能かのうである。ゲームソフトでは幻影げんえい都市としとグラムキャッツ2、かく機能きのうとして一部いちぶのBGMにたいしてXak -ガゼルのとう-対応たいおうしていた。

これらインテリジェントなものや、スロットにむハードウェアはコストがたかく、規定きていのシリアルデータとしての信号しんごう生成せいせいできれば演奏えんそう可能かのうであるため、汎用はんようインターフェイスとう利用りようしたMIDI出力しゅつりょく方法ほうほうならびに実装じっそうがユーザによっておこなわれている。

プリンター端子たんし(パラレルポート)に接続せつぞくして使用しようするもの
ただMIDI、Dual MIDIなどMSXのプリンター端子たんし(ポート)に接続せつぞくして利用りようする簡易かんいインターフェイス。前者ぜんしゃはソフトウェアてき検出けんしゅつができないものの、抵抗ていこうふたつとコネクターを配線はいせんするのみで完成かんせいし、後者こうしゃはソフトウェアにより存在そんざい検出けんしゅつできるほかプリンターポートの信号しんごう出力しゅつりょくポートへてているため、処理しょりえば最大さいだい8ポートの制御せいぎょ可能かのうとなっている。
ジョイスティック端子たんし使用しようするもの
MSXのジョイスティック端子たんし汎用はんようポート)に接続せつぞくしてMIDI出力しゅつりょくおこなうもの。Acrobat232、Joy Serial、へろへろ5ごうなどが存在そんざいする。
RS-232CインターフェイスとMIDIアダプターを使用しようするもの
RS-232Cに準拠じゅんきょするシリアル信号しんごう前提ぜんていとしたアダプタも流用りゅうよう可能かのうである。おもPC-9800シリーズけとしてられているものを利用りようする。インターフェイスが、RS-232Cに準拠じゅんきょしていない場合ばあい動作どうさしない可能かのうせいもある。またSC-55mkIIなどMIDI楽器がっきがわにもパソコン接続せつぞくよう端子たんし(RS-232Cから接続せつぞくする端子たんし)をち、MIDIアダプターを必要ひつようとしない製品せいひん存在そんざいする。RS-232Cカートリッジにかんしては後述こうじゅつする。

MSX規格きかくのもの、MSXけのもののみ

  • ドットインパクトプリンター
    • ブラザぶらざ工業こうぎょう M-1024X(モノクロ・24ドット、MSXロゴあり)
    • ソニー PRN-M24(モノクロ・24ドット、M-1024XのOEM供給きょうきゅうひん
    • 松下電器産業まつしたでんきさんぎょう FS-P400(モノクロ・24ドット、M-1024XのOEM供給きょうきゅうひん
    • ブラザぶらざ工業こうぎょう M-1024II P/X(モノクロ・24ドット、M-1024X後継こうけいひん背面はいめんのディップスイッチせつかわによりNEC PC-PR101けい互換ごかんプリンターとして使用しよう可能かのう、MSXロゴなし)
    • 東芝とうしば HX-P550(モノクロ)
  • プロッタプリンター
  • 熱転写ねつてんしゃしきサーマルプリンター
    • ソニー HBP-F1(モノクロ)、HBP-F1C(カラー)
    • 松下電器産業まつしたでんきさんぎょう FS-PW1(モノクロ・ワープロソフトづけ)、FS-PK1(モノクロ・JISだい1水準すいじゅん漢字かんじROM搭載とうさい)、FS-PA1(モノクロ)、FS-PC1(カラー・48ドット)
    • カシオ計算機かしおけいさんき MW-24(ワープロソフトを内蔵ないぞうした専用せんようROMカートリッジをかいして接続せつぞく、ワープロソフトからの印刷いんさつのみ可能かのうでありBASICからの利用りようはできない)
    • YAMAHA PN-01 - FS-PC1以外いがいは24ドット
  • 感熱かんねつしきサーマルプリンター
  • インクジェットプリンター
  • レーザープリンター

パソコン通ぱそこんつう信用しんよう

編集へんしゅう
RS-232Cカートリッジ
モデムの接続せつぞくのほか、CP/MのディスクがめないMSX-DOSにソフトをコンバートするための機種きしゅとの接続せつぞくなどにももちいられた。
CT-80NET
ブラジルのグラジエンテしゃより発売はつばいされていたカートリッジで「CARTAO 80 COLUNAS & RS-232C(80カラム&RS-232Cカートリッジ)」とかれている。つまり、RS-232CだけでなくMSX1で80文字もじ実現じつげんする機能きのうっている。80文字もじ実現じつげんするためにV9938を搭載とうさいしている。
ASCII MSX SERIAL-232
職人しょくにん工房こうぼう はるかぜ
モデムカートリッジ
THE LINKSモデム
MSX専用せんようのパソコン通信つうしんサービス"THE LINKS"専用せんようモデム。300bps・半二重はんにじゅうという当時とうじほかのモデムではあまりかけない仕様しようだった。THE LINKS利用りようしゃ事実じじつじょう無償むしょう貸与たいよされていた。

その周辺しゅうへん機器きき

編集へんしゅう
拡張かくちょうスロットユニット
MSX本体ほんたいのプライマリスロットに接続せつぞくして4つのセカンダリスロットを供給きょうきゅうする。各種かくしゅ拡張かくちょう機器きき併用へいようや、複数ふくすうスロットを使つか周辺しゅうへん機器きき使用しようもちいられた。MSX仕様しよう準拠じゅんきょ(MSXマークき)のものが、東芝とうしばHX-E601など複数ふくすうのメーカーから発売はつばい
EX-4(NEOS)
MSXけの製品せいひんだが、厳密げんみつにはMSXの仕様しようたさないため、MSXマークはいていない。
映像えいぞうユニット
MPC-X(三洋電機さんようでんき
同社どうしゃのMSX1、WAVY-11などに接続せつぞくする。MSX2が発表はっぴょうされるまえの1984ねんあき発売はつばい解像度かいぞうど512×204、もしくは256×204ドット。最大さいだいで512しょくちゅう16しょく使用しよう可能かのう。16しょくなら1めん、2しょくなら4めんというようにいろすう解像度かいぞうどてる画面がめんすう変化へんかした。スーパーインポーズ機能きのうと8かい調ちょうのビデオデジタイズ機能きのうき。価格かかくは89,800えん[72]。GDCというLSIを採用さいようしている[73]一時期いちじきのMSXマガジンの表紙ひょうしCGはこの両機りょうきわせで作成さくせいされていた。
HBI-V1(ソニー)
MSX2以降いこうようのビデオデジタイザ。ビデオ映像えいぞうをMSX2のSCREEN8・MSX2+以降いこうのSCREEN10から12までの画像がぞう変換へんかんする。価格かかくは29,800えん
VHDインターフェース(日本にほんビクター)
VHD PC接続せつぞく端子たんしおよびMSX1ようVHD言語げんごインタプリタを搭載とうさい、スーパーインポーズ機能きのうつき。日本にほんビクターせいMSXの独自どくじスロットに接続せつぞくする。ヤマハせいマシンでも同様どうよう使用しよう可能かのう(ただし動作どうさ保証ほしょうし)。のMSXで使用しようする場合ばあいよう専用せんようアダプタ。
拡張かくちょうグラフィックプロセッサER-101(パイオニア)
パイオニアせい以外いがいのMSXにLDプレーヤーを接続せつぞくして使つかうための機器きき。スーパーインポーズ機能きのうつき。MSX2以降いこうでは使用しよう不可ふか
バージョンアップユニット
MSX2バージョンアップアダプタ(NEOS MA-20)
MSX1をMSX2(VRAM 128KB)にバージョンアップすることが出来できる。RAMはよう64KBで、増設ぞうせつでも。MSX2+やturboRに挿入そうにゅうすると、MSX2にバージョンダウンする。メインROMとサブROMはどういちスロットに並存へいそんできないため、メインROMカートリッジとVDP/サブROMカートリッジで2スロット使用しよう。メインROMはサブROMよりもさき初期しょきされる必要ひつようがあるため、メインROMカートリッジのほうをよりわか番号ばんごうのスロットに挿入そうにゅうしないと正常せいじょう動作どうさしない。
μみゅー・PACK(ビッツー)
FS-A1GTで拡張かくちょうされた機能きのうのMSXturboRでも使用しようできるよう用意よういされた。MSX-MIDIと拡張かくちょうマッパーRAMを同時どうじ搭載とうさいどういちスロットに並存へいそんできないマッパーRAMとROMとを1カートリッジないおさめるために、内部ないぶでプライマリ→セカンダリへのスロット拡張かくちょうおこなっており、セカンダリスロットに挿入そうにゅうした場合ばあい動作どうさしない。
日本語にほんご処理しょりカートリッジ
MSX-WriteII(アスキー)
MSX2よう日本語にほんご処理しょりワードプロセッサーソフトでMSX-JE連文節れんぶんせつ変換へんかん機能きのうつき。
HBI-J1(ソニー)
MSX2よう日本語にほんご処理しょりカートリッジ。このカートリッジをすだけでMSX2でも漢字かんじBASICがサポートされる。対応たいおうのワープロソフトは別売べつばい、FDDで供給きょうきゅう
GUI
HALNOTE(HAL研究所けんきゅうじょ
MSX2以降いこうけのMSX-DOSにGUI環境かんきょうオフィススイート機能きのう提供ていきょうするソフト。カートリッジにMSX-JEと漢字かんじROM、キャッシュメモリとなるSRAMを内蔵ないぞうのちにMSXTurboRに標準ひょうじゅん搭載とうさいされたため、対応たいおうアプリケーションはMSXViewでも動作どうさ可能かのう
スキャナ
スキャナ/ハンディプリンターインターフェイス FS-IFA1(松下電器産業まつしたでんきさんぎょう
同社どうしゃのワープロパナワードU1シリーズのハンディスキャナFW-RSU1WとうをMSX2で使用しようする周辺しゅうへん機器きき
ハンディースキャナーMSX2(HAL研究所けんきゅうじょ
モノクロのハンディスキャナー。カートリッジには「HALSCAN」のラベルがられている。
エミュレータ
MSXじょうのプラットフォームを動作どうささせるハードウエア機器ききげる。のプラットフォームでMSXようソフトを動作どうささせるものについては#歴史れきし参照さんしょう
MEGA MSX ADAPTER (tanam)
一部いちぶ店舗てんぽ一般いっぱん販売はんばいされた、MSXじょうSG-1000ようソフトをして動作どうささせる同人どうじん基板きばん[74]

規格きかく提唱ていしょう企業きぎょう賛同さんどうメーカー

編集へんしゅう

MSXに賛同さんどうしたメーカーには「メーカーコード」とばれるIDがられていた。メーカーコードを付与ふよされ1980年代ねんだいから1990年代ねんだいにかけてハードを製造せいぞうした企業きぎょう以下いかにメーカーコードじゅんしるす。

  • 名前なまえうしろに「※」がくのはのちAX規格きかく参入さんにゅうしたメーカー。
ID メーカーめい ブランドめい MSX1 MSX2 MSX2+ MSX
turboR
備考びこう
0   アスキー 規格きかく提唱ていしょう企業きぎょう
1   マイクロソフト
2   キヤノン
3   カシオ計算機かしおけいさんき PV-7やPV-16などてい価格かかくのMSX1を投入とうにゅうした。
4   富士通ふじつう FM-X FM-7注力ちゅうりょくするため、MSXは1機種きしゅ発売はつばいしたのみで早期そうき撤退てったいした。
5   ゼネラル PAXON 富士通ふじつうゼネラル。テレビいち体型たいけいのみ発売はつばい
6   日立製作所ひたちせいさくしょ
7   きょうセラ YASHICAブランドで販売はんばい輸出ゆしゅつのみ。
8   松下電器産業まつしたでんきさんぎょう キングコング(初期しょき
A1(後期こうき
のパナソニック。ナショナル(初期しょき国内こくないけ)・パナソニック(海外かいがいけ・後期こうき国内こくないけ)ブランドで販売はんばい、また河合楽器かわいがっきがKAWAIブランドでOEM販売はんばい(おもに「ニコルのもり」の教材きょうざいとして)した。
9   三菱電機みつびしでんき MSX:Let us(一部いちぶ機種きしゅのみ)
MSX2:Melbrain's
10   NEC 1983ねん6がつ27にち規格きかく発表はっぴょうかいにのみ参加さんかし、「規格きかく賛同さんどうはするが参加さんかはしない」と発言はつげん
11   ヤマハ YIS(AV機器ききブランド)
CX(楽器がっきブランド)
YAMAHAブランドで販売はんばい。1987ねん日本にっぽん楽器がっき製造せいぞうからヤマハに社名しゃめい変更へんこう
12   日本にほんビクター io(一部いちぶ機種きしゅのみ) JVCケンウッド。VictorまたはJVCブランドで販売はんばい
13   フィリップス おも欧州おうしゅう市場いちば販売はんばい
14   パイオニア Palcom レーザーディスクプレーヤー制御せいぎょシステムとして発売はつばい
15   三洋電機さんようでんき WAVY SANYOブランドで販売はんばい三洋電機さんようでんき本体ほんたい直轄ちょっかつとなる以前いぜんは、コンピュータ事業じぎょうはグループ会社かいしゃ三洋電機さんようでんきビジネス機器きき三洋電機さんようでんきとく管掌かんしょうであり、MSX1には三洋電機さんようでんきとく名義めいぎのものが存在そんざいする。
16   シャープ 規格きかく賛同さんどうするもハードを発売はつばいせず。ブラジル支社ししゃ販売はんばいしたさいには、日本にっぽん本社ほんしゃとはべつにメーカーコードを取得しゅとくしている。
17   ソニー HiTBiT
18   Spectravideo 1981ねん設立せつりつ、1988ねん倒産とうさん初代しょだいMSX規格きかく策定さくていまえから、ほぼおな構成こうせいのSV-328というパソコンを販売はんばいしていた。
19   東芝とうしば パソピアIQ
20   ミツミ電機みつみでんき ミツミ本体ほんたいからの発売はつばいはないが、ヤマハやビクターなどにOEM供給きょうきゅうおこなかたちでハードを製造せいぞうした。
21   Telematica Talent スペインではDynadataしゃが、イタリアではFennerしゃ輸入ゆにゅう販売はんばい
22   Gradiente Expert
23   SHARP do Brasil HOTBIT シャープのブラジル現地げんち法人ほうじんであるシャープ・ド・ブラジルと現地げんち子会社こがいしゃのEPCOMが販売はんばい
24   金星かなぼし電子でんし 金星かなぼしファミコン のLGエレクトロニクス。Goldstarブランドで販売はんばい
25   大宇だいう電子でんし 大宇だいうポスコム(パソコン)
Zemmix(ゲーム
Daewooブランドで販売はんばい。ゲームとして発売はつばいされたZemmixの最終さいしゅう形態けいたいであるZemmix Turboは、VDPにV9958をんでいて一部いちぶのMSX2+ソフトが動作どうさする。イタリアではYENOしゃ・Perfectしゃ輸入ゆにゅう販売はんばい
26   三星電子さんせいでんし 三星みつぼしポスコム サムスンの独自どくじ規格きかくであるSPC-1000と並行へいこう販売はんばい。イタリアではFennerしゃ輸入ゆにゅう販売はんばい
備考びこう
  • 同一どういつ機種きしゅであっても、クウェートのAl AlamiahしゃやフランスのYENOしゃなど各国かっこく輸入ゆにゅう業者ぎょうしゃによってカスタマイズされ独自どくじのブランドがけられている場合ばあいがある。
  • 周辺しゅうへん機器ききメーカーとしては、韓国かんこくのZEMINAしゃやブラジルのCIELしゃがある。

広告こうこく

編集へんしゅう

1980年代ねんだい当時とうじパソコンは、一般いっぱんへの普及ふきゅう標榜ひょうぼうしていたため、テレビCMや雑誌ざっし新聞しんぶん広告こうこく知名度ちめいどたか芸能人げいのうじんやキャラクターを起用きようする場合ばあいおおかった。MSXも数々かずかずのキャラクターでの宣伝せんでん展開てんかいしていた。

アスキー
MSXぼうや - 特定とくてい機種きしゅではなく、規格きかくとしてのMSXのマスコットキャラクターとして作成さくせい。MSX1からMSX2初期しょきにかけて雑誌ざっし広告こうこくやアスキー発行はっこうの『MSXマガジン』で使用しようされた。
ソニー
松田まつだ聖子せいこ - MSXだけでなくSMC-777シリーズをふくむソニーのパソコンブランドHiTBiTのイメージキャラクター[75]
三洋電機さんようでんきとく
宮本みやもと武蔵むさし - PHC-30が本体ほんたいのみでROMカートリッジ・カセットテープのりょうメディアが使つかえる機種きしゅだったことから、「二刀流にとうりゅう」がうた文句もんくだった。
三菱電機みつびしでんき
名称めいしょう不明ふめい) - 最初さいしょ機種きしゅ・ML-8000の広告こうこくには、カエルにたオリジナルキャラクタがマスコットとしてもちいられた。同機どうき発売はつばいおこなわれた「おもしろ・ソフト・コンテスト」の告知こくちねた広告こうこくには「三菱みつびしMSXのかわいいキャラクター」との記載きさいのみで、キャラクターめいかれていない。なお、キャラクターイラストには「©CHEWIE NEWGETT COMPANY 1983」とのコピーライト表記ひょうきがされている。
Let usシリーズの広告こうこくでは一般いっぱん女子大じょしだいせい起用きよう以降いこうはCMキャラクターなし。
東芝とうしば
横山よこやまやすし木村きむら一八かずや - MSX以前いぜんパソピアシリーズからの続投ぞくとう。MSX1の初期しょき広告こうこく登場とうじょう[76]
岡田おかだ有希子ゆきこ - MSX1中期ちゅうきからMSX2に起用きよう[77]。1986ねん死去しきょ以降いこう後継こうけいはおらず、同社どうしゃ撤退てったいまではCMキャラクターなし。
日立製作所ひたちせいさくしょ
工藤くどう夕貴ゆき[75] - MB-H1のころつきわりで雑誌ざっし広告こうこく展開てんかいふく姿すがた工藤くどうがパソコンをって色々いろいろなところを闊歩かっぽするシリーズが1年間ねんかんつづいた。以降いこう撤退てったいまでは機種きしゅごと固定こてい写真しゃしん使つかわれた。
松下電器産業まつしたでんきさんぎょうのパナソニック)
キングコング - MSX1およびナショナルブランドで発売はつばいされたMSX2を担当たんとう同社どうしゃMSXマシン自体じたいのブランドめいにも「キングコング」の名称めいしょう使つかわれた[78]
アシュギーネ - MSX2のA1シリーズを担当たんとう。MSX2ようゲームの主人公しゅじんこう使つかわれたほかにボードゲーム[79]神崎かんざきすすむしんさく漫画まんがにもなった。
スパーキー - MSX2+以降いこう担当たんとう。「デザインにルーカスフィルムかかわった、スター・ウォーズ世界せかい住人じゅうにん」というみだった。
富士通ふじつう
タモリ[75] - のFMシリーズからつづけての起用きよう
カシオ計算機かしおけいさんき
佐倉さくらしおり[80][81] - PV-7、PV-16のイメージキャラクター。
山田やまだ邦子くにこ[75] - MX-10のイメージキャラクター。
日本にほんビクター
小泉こいずみ今日子きょうこ[75] - 同社どうしゃMSXが"IO"(イオ)というブランドめい使用しようしたころ起用きようされていた。

専門せんもん

編集へんしゅう
  • MSXマガジンアスキー出版しゅっぱんきょく
    • 1983ねん10がつ創刊そうかん→1992ねん5がつ休刊きゅうかん→1992ねん8がつなつごうムック)」発刊はっかん→2002ねん12月「永久えいきゅう保存ほぞんばん」としてムック形くけいたい復刊ふっかん
  • MSX・FAN徳間書店とくましょてんインターメディア
    • 1987ねん3がつ創刊そうかん→1995ねん7がつ休刊きゅうかん
  • MSX応援おうえんだん大陸たいりく書房しょぼうマイクロデザイン
    • 1987ねん7がつ創刊そうかん→1988ねん9がつ廃刊はいかん。1988ねん5がつごうからはMSX oendanと表記ひょうきした。すべて創刊そうかん月刊げっかん毎月まいつき8にち発売はつばい
  • Oh!HiTBiT日本にっぽんソフトバンク
    • 季刊きかん・1984ねん4がつ創刊そうかん→1986ねん12月休刊きゅうかん創刊そうかんごう題号だいごうのみ、Bが小文字こもじ表記ひょうきになっていた。
      ソニーのパソコンの専門せんもんで、MSX以外いがいにソニー独自どくじマシン・SMCシリーズもあつかっていた。ソニーMSXには独自どくじ拡張かくちょうされている部分ぶぶんすくなかったため、掲載けいさい内容ないよう他社たしゃMSXにもそのまま応用おうようできた。

なお、MSX発売はつばいメーカーの機種きしゅ専門せんもんとしてはOh!FMOh!PASOPIAがあるが、どちらもMSXは発売はつばい紹介しょうかいされた程度ていどあつかいしかされていない。

ディスクマガジン

編集へんしゅう

これら以外いがいにも、ユーザーにより自主じしゅ制作せいさくされたものも存在そんざいする。

派生はせいひん

編集へんしゅう

MSXは単価たんかやすく、またカートリッジスロットからZ80のメモリーバス、アドレスバスをそのまますことが出来できるため、Z80の付随ふずい回路かいろとしてシンプルに設計せっけいでき、拡張かくちょう工作こうさく容易よういである。80けい/Z80けい環境かんきょうでは標準ひょうじゅんともえるCP/M互換ごかんのMSX-DOSという原始げんしてきなOSや開発かいはつ環境かんきょうととのっており、既存きそんのCP/M環境かんきょうやMS-DOS環境かんきょうからのクロス開発かいはつ容易よういだったため、よう制御せいぎょようにもおお流用りゅうようされていた。

一部いちぶ市販しはんビデオタイトラーやビデオテックス(キャプテン)システム、また公共こうきょう施設しせつとう設置せっちされたビデオ端末たんまつ簡易かんいゲームなどにもMSXを流用りゅうようしたハードウェアが内蔵ないぞうされ、稼動かどうしていたれいすくなくない。

とくにビデオタイトラーでは、ソニーのXV-J550/J770/T55Fシリーズや松下電器産業まつしたでんきさんぎょうのVW-KT300などの家庭かていようタイトラーのハードウェア構成こうせいあきらかにMSXを応用おうよう流用りゅうようしたものである。ただし、これらの機種きしゅでは基本きほんはMSXシステムをベースとしていても独自どくじ実装じっそうがなされており、とくにBIOSなどは大幅おおはば簡略かんりゃくされMSXとしての機能きのうのぞめないなど、簡単かんたん加工かこう程度ていどでは汎用はんようのMSXシステムとして使つかうことは不可能ふかのうである。それらのMSXベースのタイトラーは安価あんかなビデオタイトラーとしてはかなり普及ふきゅうしていた時期じきがあり、一時期いちじき企業きぎょうビデオパッケージ、解説かいせつビデオやインディーズAVなどの小規模しょうきぼなビデオ関連かんれん作品さくひんなどにMSXの漢字かんじROMフォントとまったくおなじフォントをもちいたテロップをおおかけることが出来できた。

まなぶくん
MSXをベースに学研がっけん作製さくせいした学習がくしゅうコンピューター。だれでも簡単かんたん操作そうさができるようにパネルタッチしきのキー入力にゅうりょく可能かのう本体ほんたい製造せいぞうおよび修理しゅうり三洋電機さんようでんきおこなっていたがすでにメーカー修理しゅうり受付うけつけ終了しゅうりょうしている[82]
ビデオタイトラー
SONYのXV-J550/XV-J555/XV-J770/XV-T55Fやビクターの漢字かんじビデオタイトラーの中身なかみはMSXだった。基板きばんじょうにカートリッジスロットが存在そんざいするがBIOSとういため、MSXのゲームはうごかない。MSXマウスはそのまま使用しよう可能かのう[83]
SVI-606 MSX GAME ADAPTOR
スペクトラビデオしゃの SVI-318/328/318mkII/328mkII ようのオプションハードウェアでMSX1ようの16KBまでのROMカートリッジが使用しようできる。このアダプターにはジョイスティックポートが用意よういされており、MSXようのコントローラーはアダプターがわのジョイスティックポートに接続せつぞくして使用しようする。

反響はんきょう

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日本にっぽんで300まんだい海外かいがいで100まんだいくらいれたMSXは、1983ねん日経にっけい優秀ゆうしゅう製品せいひんしょう受賞じゅしょうした一方いっぽうでマスコミからはどう世代せだい家庭かていようゲームファミリーコンピュータ比較ひかくされ、「失敗しっぱいしたゲーム」とひょうされることもあった[2]西にし和彦かずひこ著書ちょしょ[2]や2023ねんのインタビュー[7]なかでファミコンと比較ひかくするかたち酷評こくひょうされてつらかったとかえっている。

失敗しっぱいだった」とかたられる理由りゆうかんして西にしは2つげている[2]。1つはMSXの位置いちづけであり、上位じょうい機種きしゅである16ビットはIBMがすで事実じじつじょう標準ひょうじゅんになっており、ゲームである任天堂にんてんどうのファミリーコンピュータはやすかったことで、MSXは存在そんざい意義いぎ発揮はっきすることができなかったてんである[2]。2つはネットワークが不十分ふじゅうぶんであるがゆえに、電話でんわやテレビのように一家いっかいちだい必需ひつじゅひんになれず、ペンや電卓でんたくなどのアナログを代替だいたいすることができなかったてんである[84]

一方いっぽうでMSXが発売はつばいされて10ねん以上いじょうぎたころ、西にしは「MSXがはじめて出会であったコンピュータであり、この出会であいがなければ、コンピュータの仕事しごとをしていない」とかたひと出会であったことで、「MSXは使つかってくれたひとたちの記憶きおくなかきているとおもう」とかたっている[84]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ MSX3という名称めいしょうにはならなかったが、MSX2が発表はっぴょうされた1985ねん前後ぜんごには、Z80互換ごかんの16bitCPUのZ280、VDPはV9948、音源おんげんMSX-AUDIO(Y8950)という内容ないようでMSX3が計画けいかくされていたという資料しりょう存在そんざいしている[10]べつ証言しょうげんでは、コードネームはTryX、CPUはZ80互換ごかん高速こうそくCPU、VDPにはV9978かV9998とナンバリングされたVDPが予定よていされていたが、VDPの開発かいはつおくれから高速こうそくCPUであるR800のみがMSXturboRに搭載とうさいされたとされる[11]後年こうねん開発かいはつされたMSX3[12]とはことなる。そちらはMSX3.1という試作しさくつくられた[13]
  2. ^ のち青井あおい大地だいち改名かいめい
  3. ^ 2013ねん本田技研工業ほんだぎけんこうぎょうオートバイグロム海外かいがいめい:MSX125)を発売はつばいするさい同年どうねん2がつ25にちにMSXライセンシングコーポレーションがオートバイの商標しょうひょうとして登録とうろく5717616で「MSX」を出願しゅつがんした。
  4. ^ スペクトラビデオのジェネラル・マネージャーであるスティーブン・チューは、『MSXマガジン』1986ねん8がつごう掲載けいさいされたインタビューのなか北米ほくべいにおけるMSXはゲームマシンとしてのイメージがつよすぎるとはなしており、アタリなどのホビーパソコンに追従ついしょうしつつも、娯楽ごらくとしてのゲームが頭打あたまうちになっているため不利ふり状況じょうきょうたされているとかたっている[22]。また、この時点じてん同社どうしゃはMSX2ようパソコンの発売はつばい予定よていはないとしていた[22]
  5. ^ どうちょ著者ちょしゃであるトム佐藤さとうは、マイクロソフト社員しゃいんとして欧州おうしゅうでのMSX2の普及ふきゅうたずさわった人物じんぶつである。
  6. ^ アスキーによる『マイクロソフト戦記せんき世界せかい標準ひょうじゅんつくられかた―』(ちょ:トム佐藤さとう[注釈ちゅうしゃく 5])の紹介しょうかい記事きじなかでは、本来ほんらいならマイクロソフトがMSXソフト開発かいはつキットをヨーロッパで発売はつばいすべきだったと指摘してきされている[23]。また、どうちょでは佐藤さとう自身じしんがアスキーがわに「マイクロソフトが信頼しんらいできないのなら、アスキーがイギリスに拠点きょてんいてはどうか」と説得せっとくしたものの失敗しっぱいわったことがかたられている[23]
  7. ^ 『MSXマガジン』1986ねん8がつごうでは「著作ちょさくけんほうがまだないので(さ来年らいねんの7がつ施行しこう予定よてい)[攻略こうりゃく]」としるされている[28]
  8. ^ 原文げんぶんでは「オフコンミニコンクラスのソフト」と表現ひょうげんされている[29]
  9. ^ 『MSXマガジン』1986ねん10がつごう記事きじでは著作ちょさくけんほうがないとしるされている[31]
  10. ^ 『MSXマガジン』1987ねん4がつごうでは、日本にっぽん代理だいりてんである「アララミヤ・ジャパン」についても言及げんきゅうしている[35]
  11. ^ のちにWikipediaのサーバーで使つかわれているnginx制作せいさくすることになる、カザフ・ソビエト社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわこくまれのイーゴリ・シソエフИгорь Сысоев)は、 nginxのユーザーかいのために2014ねん来日らいにちしたさいに、学校がっこう日本にっぽんの「YAMAHA」に出会であったことがきっかけでコンピュータサイエンスのみちすすんだことを公言こうげんした[41]
  12. ^ HB-G900シリーズは、日本にっぽんではソニーせいMSXのさい上位じょうい機種きしゅとして「HitBit PRO」の愛称あいしょうで1986ねん発売はつばいされたSONY HB-F900シリーズの欧州おうしゅうばんである。「AVクリエイター」の愛称あいしょう販売はんばいされた周辺しゅうへん機器ききのHBI-F900とわせることで、家庭かていでスーパーインポーズやモザイク処理しょりなど「プロみ」のビデオ編集へんしゅうができることがウリであり、HB-F900の本体ほんたい価格かかくが148,000えん、「AVクリエイター」も64,800えんとビデオ編集へんしゅうとしては安価あんかなことから、日本にっぽんでも結婚式けっこんしき運動会うんどうかいなどの用途ようと重宝ちょうほうされた(なおソニーは業務ぎょうむようビデオ編集へんしゅうとして「SMCシリーズ」とべつのラインがあり、業務ぎょうむよう宇宙うちゅう開発かいはつようとしてMSX使つかうことは本来ほんらい想定そうていされていない)。
  13. ^ Z80はI/O専用せんようのアドレス空間くうかん用意よういされているため明示めいじてきにメモリ空間くうかん表記ひょうきする。
  14. ^ Z80は制限せいげんきで16bitのI/Oアドレス空間くうかん確保かくほすることが可能かのう仕様しようとなっている。
  15. ^ 設計せっけい当時とうじコンポジット映像えいぞう入力にゅうりょく対応たいおうのテレビの普及ふきゅうりつひくかったため。
  16. ^ たとえばフランス語ふらんすごアルファベットのÉ, é、À, È, Ù, à, è, ù ,Â, Ê, Î, Ô, Û, â, ê, î, ô, û , Ë
  17. ^ 基本きほんてきにはユーザーがcall命令めいれいなどにより初期しょきみをおこなう。起動きどう無条件むじょうけんまれ、明示めいじてきはなしたいときに操作そうさおこなうFDDや、特定とくていアプリケーションからの直接ちょくせつ制御せいぎょ前提ぜんてい汎用はんようのサポートを提供ていきょうしないSRAMカートリッジやSCCカートリッジが実装じっそうとしては例外れいがいである。
  18. ^ リリース時期じきからIEEE 754とは互換ごかんのフォーマットである。
  19. ^ ただし、販売はんばいについてはおおくのトラブルをんだ。

出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
MSXマガジン
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  • 『MSXマガジン』1987ねん4がつごう、アスキー、1986ねん10がつ1にち 
  • 『MSX MAGAZINE 永久えいきゅう保存ほぞんばん』アスキー、2002ねん12月24にちISBN 978-4756142108 
  • 『MSX MAGAZINE 永久えいきゅう保存ほぞんばん2』アスキー、2003ねん12月3にちISBN 978-4756143747 
  • 『MSX MAGAZINE 永久えいきゅう保存ほぞんばん3』アスキー、2005ねん5がつ12にちISBN 978-4756146182 
その
  • 「ASCII 1983ねん8がつごうだい7かんだい8ごう、アスキー出版しゅっぱん、1983ねん8がつ1にち 
  • 「ASCII 1983ねん11がつごうだい7かんだい11ごう、アスキー出版しゅっぱん、1983ねん11月1にち 
  • 「MSXスーパーAV活用かつようほう パソコンでつく映像えいぞう音楽おんがく」、アスキー、1986ねん8がつ 
  • 『パソコンだい図鑑ずかん84 徹底てってい納得なっとくパソコンガイド』渡辺わたなべしげる講談社こうだんしゃ、1983ねん9がつ25にちISBN 4-06-200580-8 
  • すみみや二郎じろう『MSXパソコン比較ひかくだい図鑑ずかん ぜん機種きしゅぜんソフト徹底てっていガイド』学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ、1984ねん4がつ1にちISBN 978-4051010447 
  • 平田ひらた渥美あつみ『パソコンでVHDをたのしむほん工学こうがくしゃ、1985ねん12月5にちISBN 978-4-87593-070-9 
  • 藤田ふじた洋一よういち『ビギナー必読ひつどく MSXウルトラ活用かつようじゅつ』ナツメしゃ、1986ねん1がつISBN 978-4816305627 
  • 鎗田やりた竜一りゅういち宮崎みやざきあきら清水しみずしん佐志さし『MSX2テクニカル・ハンドブック』アスキー、1986ねん4がつ5にちISBN 978-4871481946 
  • 野比のびいにしえ『アスキー 新人しんじんるい企業きぎょう誕生たんじょう文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、1988ねん10がつ15にちISBN 978-4163426709 
  • 『MSX-Datapack Volume 1』アスキー、1991ねん2がつ1にち 
  • 『MSX-Datapack Volume 2』アスキー、1991ねん2がつ1にち 
  • 滝田たきた誠一郎せいいちろう電脳でんのうのサムライたち-西にし和彦かずひことその時代じだい実業之日本社じつぎょうのにほんしゃ、1997ねん2がつ1にちISBN 978-4408102535 
  • トム佐藤さとう『マイクロソフト戦記せんき 世界せかい標準ひょうじゅんつくられかた新潮社しんちょうしゃ新潮しんちょう新書しんしょ〉、2009ねん1がつ20日はつかISBN 978-4106102981 
  • 前田まえだひろ『MSXパーフェクトカタログ』ジーウォーク、2020ねん5がつ28にちISBN 978-4-86717-028-1 
  • 竹内たけうちあきら、湯浅ゆあさたかし安田やすだわれふとし『MSXホームコンピュータ読本とくほん』(1984ねん、アスキー) - 表紙ひょうしには「OFFICIAL MSX HANDBOOK」。「MicrosoftX」の記述きじゅつや、メーカーの参入さんにゅうしるされた「MSX月報げっぽう」など。
  • 小林こばやしおさむきょう西にし和彦かずひこひらめまご正義せいぎのバネ-日本にっぽん起業きぎょうひかりかげ』(1998ねん光文社こうぶんしゃ

関連かんれん項目こうもく

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MSXを音楽おんがく芸術げいじゅつ活動かつどうれたおも人々ひとびと

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