矛盾
伝統 的 論理 学 で、二 つの概念 または命題 が一定 の事象 を同一 の観点 から同時 に、一方 が肯定 し他方 が否定 する場合 の両者 の関係 。命題 論 理学 で、複 合 命題 からなる論理 式 の各 要素 命題 にいかなる真理 値 を与 えても必 ず偽 となる式 。
ドイツの
故事 「矛 と盾 」
『
楚 人 に盾 と矛 とを鬻 ぐ者 有 り。を 之 めて 誉 曰 はく、「が 吾 盾 の堅 きこと、く 能 すなきなり。」と。 陥 、 又 其 の矛 を誉 めて曰はく、「が 吾 矛 のなること、 利 物 に於 いて陥 さざるきなり。」と。 無 ひと曰はく、「 或 子 の矛 を以 て、子 の盾 を陥 さば。」と。 何 如其 の人 応 ふることはざるなり。[2] 能
楚 の国 の人 で盾 と矛 を売 る者 がいた。この人 はこれを誉 めて「私 の盾 は頑丈 で、貫 くことのできるものはない」と言 った。また、矛 を誉 めて「私 の矛 は鋭 くて、どんなものでも突 き通 すことができる」と言 った。ある人 が「あなたの矛 でその盾 を突 き通 したらどうなるのですか」といった。商人 は答 えることができなかった[2]。
儒家 批判 における矛盾
「
訳語
論理 学 における矛盾
まず
(
命題 ¬φ を仮定 して矛盾 が導 けたら命題 φ を推論 できる
と
弁証法 における矛盾
ドイツ
- ある
物 が運動 するのは、それが今 ここにあり、他 の瞬間 にはあそこにあるためばかりでなく、同一 の瞬間 にここにあるともここになく、同 じ場所 に存在 するとともに、存在 しないためでもある。運動 は存在 する矛盾 そのものである、ということになるのだ[注 2]。
とした。マルクス
エンゲルスは、
何 かある事物 が対立 を背負 っているとすれば、それは自己 自身 と矛盾 しているわけで、そのものの思想 的 表現 も同様 である。たとえばある事物 が、あくまでも同一 でありながら、しかも同時 に不断 に変化 していることと、それ自身 に「持続 」と「変化 」との対立 をもっていることは一 つの矛盾 である。
として、「
矛盾 と人間 の認識
敵対 的 矛盾 と調和 的 矛盾
マルクスとエンゲルスは「
これに
科学 理論 の交代 における矛盾 の役割
パラダイム
脚注
注釈
- ^ 1900
年代 の中国 の翻訳 家 ・厳 復 は「相 滅 」と訳 している[5]。 - ^ ニュートンが
近代 科学 の力学 を造 りあげることができたのは、「力 と運動 の矛盾 (力 によって運動 が生 じ、運動 によって力 が克服 される過程 )」を乗 り越 えるために、微分 と積分 法 を自 ら作 りだすことに成功 したからである[11]。 - ^
実際 、共産 主義 政権 のもとで誕生 したソビエト連邦 (現 :ロシア)は政府 や経済 の活動 が停滞 し、政府 の厳 しい管理 体制 下 で生 じた経済 の失敗 で崩壊 した[20]。 - ^ たとえば、
天動説 に対 してコペルニクスが地動説 を提唱 したとき、新 しいデータは何 も関与 していなかった。一般 の常識 としてはコペルニクスは子供 じみた天動説 を批判 し、観測 に基 づく実証 的 な地動説 を提唱 したのだということになっている。しかしコペルニクスが新 しい観測 事実 を持 っていたわけではないし、当時 の天動説 は観測 データに基 づいた十分 に実証 的 な理論 だった。コペルニクスは当時 の天動説 に深刻 な矛盾 を見 たのである。例 えばコペルニクスは「天動説 は地球 が動 くと破壊 されることを心配 したが、なぜ同 じことを地球 よりはるかに大 きく速 く「回転 する天 」に心配 しないのか」と指摘 した。また、天動説 の計算 は確 かに「惑星 が地球 から見 える方向 」はそれなりの予想 精度 を持 って示 すことができる。しかし、それを「惑星 の明 るさの変化 」にも当 てはめようとすると矛盾 が生 じる。コペルニクスは天動説 では惑星 の見 える方向 と、その惑星 の明 るさの変化 (彼 はそれを惑星 の地球 からの距離 の変化 と見 た)は両立 できないことを、深刻 な矛盾 と見 た[24]。 - ^
板倉 は自身 の「理論 の交代 における矛盾 の役割 」の研究 結果 から、「理論 選択 の基準 はその単純 性 にある」とする「マッハ主義 」(エルンスト・マッハに始 まる実証 主義 的 認識 論 の立場 をいう。物質 や精神 を実体 とする考 えに強 く反対 し、科学 の目的 は観察 された事実 を記述 することのみにあるとし、仮想 的 原子 などを考 えることは全 く非 科学 的 であると主張 した。)を批判 した[28]。また、基本 理論 の交代 が理論 外 の新 事実 の発見 や他 の理論 の影響 で引 き起 こされるという「機械 論 」も科学 史 の現実 に合 わないとした[29]。さらに、理論 は事実 に合 わせて変化 するという「実証 主義 」を、「天動説 は事実 に合 わせるという点 では十分 実証 的 だった。コペルニクス説 がこの点 で優 れていたわけではない」として否定 した[29]。また、プトレマイオスとコペルニクスは座標 変換 に過 ぎず、「どっちもどっち」というような「相対 主義 」は旧 理論 の内部 矛盾 に着目 することによって乗 り越 えることができると主張 した[30]。
出典
- ^ a b goo
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参考 文献
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