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論理ろんりがく

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モーダスポネンスを用いた推論の図
論理ろんりがくでは、モーダスポネンスのような形式けいしきてき妥当だとう推論すいろん研究けんきゅうする。

論理ろんりがく (ろんりがく、英語えいご: logic) は、ただしい推論すいろん研究けんきゅうである。形式けいしきろん理学りがくおよび形式けいしきろん理学りがくふくまれる。形式けいしき論理ろんりがくは、演繹えんえきてき妥当だとう推論すいろんあるいは論理ろんりてき真理しんり研究けんきゅうである。論証ろんしょう議題ぎだい内容ないようとは無関係むかんけいに、論証ろんしょう構造こうぞうのみにより、前提ぜんていからどのように結論けつろんみちびかれるかを研究けんきゅうする。形式けいしき論理ろんりがくは、形式けいしきてき誤謬ごびゅう批判ひはんてき思考しこう議論ぎろんがくかかわりがある。形式けいしき論理ろんりがく自然しぜん言語げんご記述きじゅつされる論証ろんしょう研究けんきゅうする一方いっぽう形式けいしき論理ろんりがく形式けいしき言語げんごもちいる。かく形式けいしき論理ろんり体系たいけいは、証明しょうめいけい英語えいごばん表現ひょうげんする。論理ろんりがくは、哲学てつがく数学すうがく計算けいさん科学かがく言語げんごがくふくおおくの分野ぶんや中核ちゅうかくをなす。

論理ろんりがくは、前提ぜんてい集合しゅうごうおよび結論けつろんからなる論証ろんしょう研究けんきゅうする。論証ろんしょうれいには、前提ぜんてい今日きょう日曜日にちようびである」および「今日きょう日曜日にちようびであれば、わたしはたらかなくてい」から結論けつろんわたしはたらかなくてい」をみちびくものがある[1]前提ぜんていおよび結論けつろんは、命題めいだいあるいは真理しんり適合てきごうてき言明げんめい表現ひょうげんする。命題めいだい重要じゅうよう側面そくめんは、その内部ないぶ構造こうぞうにある。たとえば、ふくあい命題めいだいは、 (かつ) や (...ならば...) のような論理ろんり語彙ごい接続せつぞくされた単純たんじゅん命題めいだいから構成こうせいされる。単純たんじゅん命題めいだいも、「日曜日にちようび」や「はたらく」のようなかく部分ぶぶん分解ぶんかいできる。命題めいだい真偽しんぎは、通常つうじょう、そのかく部分ぶぶんすべての意味いみ依存いぞんする。ただし、論理ろんりてきしん命題めいだいは、そのかく部分ぶぶん具体ぐたいてき意味いみとは無関係むかんけいに、その論理ろんりてき構造こうぞうのみによってしんであるため、これにてはまらない。

論証ろんしょうには、ただしいものとただしくないものがある。論証ろんしょうは、前提ぜんてい結論けつろん支持しじする場合ばあいただしい。演繹えんえきてき論証ろんしょうは、前提ぜんていしんである場合ばあい結論けつろん必然ひつぜんてきしんであるため、結論けつろん支持しじもっとつよい。一方いっぽう前提ぜんていふくまれないあたらしい情報じょうほうふく結論けつろん帰結きけつする拡充かくじゅうてき論証ろんしょう英語えいごばんでは、同様どうようつよ結論けつろん支持しじ存在そんざいしない。日常にちじょう対話たいわおよび自然しぜん科学かがくられるおおくの論証ろんしょうは、拡充かくじゅうてき論証ろんしょうである。拡充かくじゅうてき論証ろんしょうは、帰納的きのうてき論証ろんしょうおよび遡及そきゅう論証ろんしょう分類ぶんるいされる。帰納的きのうてき論証ろんしょうは、おおくのカラスの個体こたい観察かんさつしてすべてのカラスがくろいと結論けつろんするような、統計とうけいてき一般いっぱんである[2]遡及そきゅう論証ろんしょうは、医者いしゃ患者かんじゃ症状しょうじょうをうまく説明せつめいする診断しんだんくだすような、最良さいりょう説明せつめいへの推論すいろんである[3]ただしい推論すいろん水準すいじゅんたない論証ろんしょうには、おおくの場合ばあい誤謬ごびゅうふくまれる。論理ろんり体系たいけいは、論証ろんしょうただしさを評価ひょうかする理論りろんてき枠組わくぐみである。

論理ろんりがくは、古代こだいから研究けんきゅうされてきた。論理ろんりがく初期しょき成果せいかには、アリストテレスろん理学りがく英語えいごばんストア論理ろんりがく英語えいごばんニヤーヤ学派がくはぼくがある。アリストテレス論理ろんりがくは、三段論法さんだんろんぽう形式けいしき推論すいろん研究けんきゅうする。アリストテレス論理ろんりがくは、ゴットロープ・フレーゲら19世紀せいき後半こうはん数学すうがくしゃ業績ぎょうせき起源きげんとする現代げんだい形式けいしき論理ろんりがくってえられるまで、西洋せいよう主要しゅよう論理ろんり体系たいけいとみなされてきた。今日きょうもっともちいられる論理ろんり体系たいけい古典こてん論理ろんりである。古典こてん論理ろんりは、命題めいだい論理ろんりおよびいちかい述語じゅつご論理ろんりからなる。命題めいだい論理ろんり完全かんぜん命題めいだい論理ろんりてき関係かんけいのみを対象たいしょうとする一方いっぽういちかい述語じゅつご論理ろんりじゅつ数量すうりょうのような命題めいだいかく部分ぶぶん研究けんきゅうする。拡張かくちょう論理ろんりは、古典こてん論理ろんり基礎きそとなる基本きほんてき直感ちょっかんれ、これを形而上学けいじじょうがく倫理りんりがく認識にんしきろんなどのべつ分野ぶんや拡張かくちょうする。一方いっぽう逸脱いつだつ論理ろんり英語えいごばんは、古典こてん論理ろんりもちいられる直感ちょっかん一部いちぶ却下きゃっかし、論理ろんりがく基本きほん法則ほうそくへのべつ説明せつめい提示ていじする。

定義ていぎ[編集へんしゅう]

logic」は、「理性りせい」、「言説げんせつ」、「言語げんご」などの訳語やくごてられるギリシアの「ロゴス」を語源ごげんとする[4]論理ろんりがくは、歴史れきしてきには思考しこう法則ほうそく英語えいごばんあるいはただしい推論すいろん研究けんきゅう定義ていぎされ、推論すいろんあるいは論証ろんしょう観点かんてんから理解りかいされてきた[5]論証ろんしょうは、推論すいろん表現ひょうげんする[6]論証ろんしょうは、前提ぜんてい集合しゅうごうおよび結論けつろんからなる。論理ろんりがくは、論証ろんしょうただしいかどうか、つまり、論証ろんしょう前提ぜんてい結論けつろん支持しじするかどうかを研究けんきゅうする[7]形式けいしきろん理学りがくおよび形式けいしきろん理学りがくはどちらも論証ろんしょうただしさの評価ひょうか対象たいしょうとすることから、このおおまかな論理ろんりがく定義ていぎは、形式けいしきろん理学りがくおよび形式けいしきろん理学りがくふく広義こうぎ論理ろんりがくてはまる[8]形式けいしき論理ろんりがく歴史れきしてきふか研究けんきゅうされてきた論理ろんりがく分野ぶんやであり、一部いちぶ論理ろんり学者がくしゃは、形式けいしきろん理学りがくのみを論理ろんりがく範囲はんいとらえている[9]

形式けいしきろん理学りがく[編集へんしゅう]

形式けいしき論理ろんりがくは、記号きごうろん理学りがくともばれ、数理すうりろん理学りがくひろもちいられる。形式けいしき論理ろんりがくでは、推論すいろん研究けんきゅう形式けいしきてきなアプローチをり、具体ぐたいてき表現ひょうげん抽象ちゅうしょうてき記号きごうえ、論証ろんしょう論理ろんり形式けいしき英語えいごばんをその具体ぐたいてき内容ないようから独立どくりつして研究けんきゅうする。形式けいしき論理ろんりがくは、論証ろんしょう抽象ちゅうしょうてき構造こうぞうのみに注目ちゅうもくし、その具体ぐたいてき内容ないようには注目ちゅうもくしない。このてんで、形式けいしき論理ろんりがく論証ろんしょう抽象ちゅうしょうてき構造こうぞうのみに注目ちゅうもくし、その具体ぐたいてき内容ないよう考慮こうりょしないことから、内容ないよう独立どくりつてきであるといえる[10]

形式けいしき論理ろんりがくは、演繹えんえきてき妥当だとう論証ろんしょう研究けんきゅうする。演繹えんえきてき妥当だとう論証ろんしょうでは、前提ぜんていしんであることが結論けつろんしんであることを保証ほしょうする。これは、前提ぜんていしんであり、かつ、結論けつろんにせであることが不可能ふかのうであるということを[11]妥当だとう論証ろんしょうでは、前提ぜんていおよび結論けつろん論理ろんりてき構造こうぞうは、推論すいろん規則きそくばれる規則きそくしたが[12]たとえば、モーダスポネンスは、「(1) ; (2) であれば ; (3) したがって、」の形式けいしきるあらゆる論証ろんしょうが、めい および 指示しじ対象たいしょうにかかわらず妥当だとうであるという推論すいろん規則きそくである[13]。このてんで、形式けいしき論理ろんりがく妥当だとう推論すいろん研究けんきゅう定義ていぎできる。べつ定義ていぎでは、論理ろんりがく論理ろんりてき真理しんり研究けんきゅうであるとされる[14]命題めいだい真偽しんぎがその命題めいだい論理ろんり語彙ごいのみに依存いぞんする場合ばあい、その命題めいだい論理ろんりてきしんである。論理ろんりてきしん命題めいだいは、言明げんめいこんあめっている; または、こんあめっていない」のように、あらゆる可能かのう世界せかい、および、命題めいだい論理ろんりこう以外いがい要素ようそのあらゆる解釈かいしゃく英語えいごばんのもとでしんである[15]。これらの2つの形式けいしき論理ろんりがく定義ていぎ同一どういつではないが、ふか関連かんれんがある。たとえば、 から への推論すいろん演繹えんえきてき妥当だとうであれば、言明げんめい であれば 」は論理ろんりてき真理しんりである[16]

一階述語論理に変換された英語の文の図
形式けいしき論理ろんりがくでは、自然しぜん言語げんご記述きじゅつされた論証ろんしょう妥当だとうせい評価ひょうかするには、まず論証ろんしょういちかい述語じゅつご論理ろんりなどの形式けいしき言語げんご翻訳ほんやくする必要ひつようがある。このれいでは、文字もじ は「Carmen (カルメン) 」、文字もじ および はそれぞれ「Mexican (メキシコじん) 」および「teacher (教師きょうし) 」をす。記号きごう は「and (かつ) 」を意味いみする。

形式けいしき論理ろんりがくでは、形式けいしき言語げんごもちいて論証ろんしょう記述きじゅつ検討けんとうする[17]形式けいしき言語げんごは、通常つうじょう非常ひじょうすくない語彙ごいおよび厳密げんみつ統語とうご規則きそくつ。統語とうご規則きそくは、記号きごうわせてぶん (well-formed formulaばれる) を定立ていりつする方法ほうほう定義ていぎする[18]。この形式けいしき論理ろんり単純たんじゅんさと厳密げんみつさにより、推論すいろん規則きそく正確せいかく定義ていぎ可能かのうとなる。推論すいろん規則きそくは、論証ろんしょう妥当だとうせい決定けっていする[19]形式けいしき論理ろんりがく形式けいしき言語げんご依存いぞんするため、自然しぜん言語げんご記述きじゅつされた論証ろんしょう直接ちょくせつ研究けんきゅうすることはできない。自然しぜん言語げんご記述きじゅつされた論証ろんしょう妥当だとうせい評価ひょうかするには、まずそれを形式けいしき言語げんご翻訳ほんやくする必要ひつようがある[20]

かく論理ろんり体系たいけいは、妥当だとうとみなす推論すいろん規則きそくもちいる形式けいしき言語げんごてんでそれぞれことなる[21]。19世紀せいき後半こうはんより、おおくのあらたな形式けいしき体系たいけい提案ていあんされてきた。形式けいしき体系たいけい論理ろんり体系たいけいとみなす基準きじゅんには合意ごういがない[22]たとえば、いちかい述語じゅつご論理ろんりのような論理ろんりてき完全かんぜん体系たいけいのみが論理ろんり体系たいけいであるという見解けんかいもある。このため、一部いちぶ論理ろんり学者がくしゃは、高階たかしな述語じゅつご論理ろんり厳密げんみつ論理ろんり体系たいけいとみなさない[23]

形式けいしきろん理学りがく[編集へんしゅう]

広義こうぎでは、論理ろんりがくには形式けいしきろん理学りがくおよび形式けいしき論理ろんりがく両方りょうほうふくまれる[24]形式けいしき論理ろんりがくは、形式けいしきてき基準きじゅんもちいて論証ろんしょうただしさを検討けんとう評価ひょうかする。形式けいしき論理ろんりがくは、おも日常にちじょう対話たいわ注目ちゅうもくする[25]形式けいしき論理ろんりがくは、形式けいしき論理ろんりがく知見ちけん自然しぜん言語げんご記述きじゅつされた論証ろんしょう応用おうようすることが困難こんなんであることが判明はんめいするにつれて、研究けんきゅうすすめられた[26]。このてんで、形式けいしき論理ろんりがくは、形式けいしき論理ろんりがくだけでは解決かいけつできない問題もんだい研究けんきゅうする分野ぶんやであるといえる[27]形式けいしきろん理学りがくおよび形式けいしき論理ろんりがくは、どちらも論証ろんしょうただしさを評価ひょうかし、誤謬ごびゅう判別はんべつするための基準きじゅん提示ていじする[28]

形式けいしき論理ろんりがく定義ていぎとしてはおおくのものが提案ていあんされてきたが、形式けいしき論理ろんりがく厳密げんみつ定義ていぎには合意ごういがない[29]もっと字面じめんてき定義ていぎでは、「形式けいしき」および「形式けいしき」というかたりを、論証ろんしょう記述きじゅつする言語げんごすものとみなす。この定義ていぎでは、形式けいしき論理ろんりがくは、形式けいしき言語げんごあるいは自然しぜん言語げんご記述きじゅつされる論証ろんしょう研究けんきゅうする分野ぶんやとされる[30]形式けいしき論理ろんりがくでは、自然しぜん言語げんご記述きじゅつされた論証ろんしょうは、形式けいしき言語げんご翻訳ほんやくすることで間接かんせつてきにのみ検討けんとうできる一方いっぽう形式けいしき論理ろんりがくでは、そのような論証ろんしょう元々もともと形式けいしき直接ちょくせつ検討けんとうできる[31]。また、この定義ていぎでは、論証ろんしょうとりぶ; トゥイーティーとりである; したがって、トゥイーティーはぶ」は自然しぜん言語げんご記述きじゅつされており、形式けいしき論理ろんりがく検討けんとうされる一方いっぽう形式けいしき言語げんごへの翻訳ほんやく「(1) ; (2) ; (3) 」は形式けいしき論理ろんりがく検討けんとうされる[32]自然しぜん言語げんご表現ひょうげん曖昧あいまいであったり、文脈ぶんみゃく依存いぞんしていたりする場合ばあいがあり、自然しぜん言語げんご記述きじゅつされる論証ろんしょう研究けんきゅうには困難こんなんともな[33]べつ定義ていぎでは、形式けいしき論理ろんりがくは、広義こうぎ議論ぎろん基準きじゅん手順てじゅん規範きはんてき研究けんきゅうとされる。この定義ていぎでは、形式けいしき論理ろんりがくには、議論ぎろんにおける理性りせい役割やくわり批判ひはんてき思考しこう議論ぎろん心理しんりがくかんする問題もんだいふくまれる[34]

また、形式けいしきろん理学りがく演繹えんえきてき論証ろんしょう研究けんきゅう定義ていぎするものもある。この定義ていぎは、形式けいしきろん理学りがく演繹えんえきてき推論すいろん研究けんきゅうする形式けいしき論理ろんりがく対照たいしょうする[35]演繹えんえきてき論証ろんしょうは、結論けつろんがおそらくしんであることをしめすが、結論けつろんしんであることを保証ほしょうしない。演繹えんえきてき論証ろんしょうには、「わたしがこれまでたカラスはすべてくろかった」から「すべてのカラスはくろい」を結論けつろんするような、経験けいけんてき観察かんさつもとづく帰納的きのうてき論証ろんしょうがある[36]

また、形式けいしきろん理学りがく形式けいしきてき誤謬ごびゅう研究けんきゅう定義ていぎするものもある[37]形式けいしきてき誤謬ごびゅうは、論証ろんしょう内容ないようコンテキストあやまりがふくまれるただしくない論証ろんしょうである[38]たとえば、あやまった二分にぶんほうは、考慮こうりょされうる選択肢せんたくし除外じょがいすることで、内容ないようあやまりをおか誤謬ごびゅうである。誤謬ごびゅう「あなたは我々われわれ味方みかたであるか、我々われわれてきである; あなたは我々われわれ味方みかたではない; したがって、我々われわれてきである」は、あやまった二分にぶんほうである[39]一部いちぶ論理ろんり学者がくしゃは、形式けいしきろん理学りがく論証ろんしょうおおまかな形式けいしきのみの研究けんきゅう形式けいしきろん理学りがく実際じっさい論証ろんしょうれい研究けんきゅう定義ていぎする。べつ定義ていぎでは、形式けいしき論理ろんりがくただしい推論すいろんにおける論理ろんり定数ていすう役割やくわりのみの研究けんきゅう形式けいしき論理ろんりがく具体ぐたいてき概念がいねん意味いみ検討けんとうふく研究けんきゅうとされる[40]

概念がいねん[編集へんしゅう]

前提ぜんてい結論けつろん真偽しんぎ[編集へんしゅう]

前提ぜんてい結論けつろん[編集へんしゅう]

前提ぜんていおよび結論けつろんは、推論すいろんおよび論証ろんしょう基本きほんてき部分ぶぶんであり、論理ろんりがくにおいて中核ちゅうかくをなす。妥当だとう推論すいろんあるいはただしい論証ろんしょうでは、前提ぜんていから結論けつろんみちびかれる。つまり、前提ぜんてい結論けつろん支持しじする[41]たとえば、前提ぜんてい火星かせいあかい」および「火星かせい惑星わくせいである」は、結論けつろん火星かせいあか惑星わくせいである」を支持しじする。おおくの論理ろんり体系たいけいでは、前提ぜんていおよび結論けつろん真理しんりにな英語えいごばんでなければならないとされる[41][注釈ちゅうしゃく 1]。これは、前提ぜんていおよび結論けつろん真理しんりたなければならない (しんまたはにせでなければならない) ということをす。現代げんだい哲学てつがくでは、前提ぜんていおよび結論けつろんは、命題めいだいあるいはぶんとみなされる[43]命題めいだいは、ぶん外延がいえんであり、一般いっぱん抽象ちゅうしょうてき対象たいしょうとされる[44]たとえば、英語えいごぶんthe tree is green」は、ドイツぶんder Baum ist grün」とはことなるが、どちらもおな命題めいだい表現ひょうげんする[45]

前提ぜんていおよび結論けつろん命題めいだいせつは、抽象ちゅうしょうてき対象たいしょうへの依存いぞんにより批判ひはんされてきた。たとえば、自然しぜん主義しゅぎ英語えいごばんでは、通常つうじょう抽象ちゅうしょうてき対象たいしょう存在そんざい否定ひていされる。また、命題めいだい同一どういつせい基準きじゅん定義ていぎ困難こんなんせい問題もんだいとする見解けんかいもある[43]。このような異論いろんは、前提ぜんていおよび結論けつろんを、命題めいだいではなくぶん (ほんのページに印刷いんさつされた記号きごうのような具体ぐたいてき言語げんごてき対象たいしょう) とることで回避かいひできる。ただ、この場合ばあいぶんおおくのケースで文脈ぶんみゃく依存いぞんしていて曖昧あいまいであり、論証ろんしょう妥当だとうせいがそのかく部分ぶぶんだけでなく文脈ぶんみゃく解釈かいしゃくにも依存いぞんするというあらたな問題もんだいしょうじる[46]。また、前提ぜんていおよび結論けつろんを、思考しこう判断はんだんのような心理しんりてき観点かんてん理解りかいする方法ほうほうもある。この立場たちば心理しんり主義しゅぎばれる。心理しんり主義しゅぎは、20世紀せいき初頭しょとうにはさかんに議論ぎろんされたが、現在げんざいひろれられていない[47]

内部ないぶ構造こうぞう[編集へんしゅう]

前提ぜんていおよび結論けつろん内部ないぶ構造こうぞうつ。命題めいだいおよびぶん同様どうように、前提ぜんていおよび結論けつろんには単純たんじゅんなものとふくあいてきなものがある[48]ふくあい命題めいだいは、その構成こうせい要素ようそとして、「かつ」や「...であれば...」のような論理ろんり結合けつごう接続せつぞくされたべつ命題めいだいつ。一方いっぽう単純たんじゅん命題めいだい命題めいだいたない。ただし、単純たんじゅん命題めいだいも、たん称名しょうみょう英語えいごばんじゅつなどのふく命題めいだいてき部分ぶぶんつため、内部ないぶ構造こうぞうつとることができる[49][48]たとえば、単純たんじゅん命題めいだい火星かせいあかい」は、述語じゅつごあかい」をたん称名しょうみょう火星かせい」に適用てきようすることで定立ていりつされる。一方いっぽうふくあい命題めいだい火星かせいあかい; かつ、金星かなぼししろい」は、論理ろんり結合けつごう「かつ」で接続せつぞくされた2つの単純たんじゅん命題めいだい定立ていりつされる[49]

命題めいだい真偽しんぎは、すくなくとも部分ぶぶんてきにはその構成こうせい要素ようそ依存いぞんする。真理しんり関数かんすうてき命題めいだい結合けつごう定立ていりつされたふくあい命題めいだいでは、命題めいだい真偽しんぎはそのかく部分ぶぶん真理しんりのみに依存いぞんする[49][50]。ただし、この関係かんけいは、単純たんじゅん命題めいだいおよびそのふく命題めいだいてき部分ぶぶん検討けんとうする場合ばあいにはより複雑ふくざつとなる。単純たんじゅん命題めいだいふく命題めいだいてき部分ぶぶんは、対象たいしょう (または対象たいしょう集合しゅうごう) の指示しじなど、それ自体じたい意味いみ[51]かくふく命題めいだいてき部分ぶぶん構成こうせいする単純たんじゅん命題めいだい真偽しんぎは、それらかく部分ぶぶん現実げんじつとの関係かんけい (かく部分ぶぶん指示しじする対象たいしょうのありよう) に依存いぞんする。この議題ぎだいは、指示しじ理論りろん英語えいごばん研究けんきゅうされる[52]

論理ろんりてき真理しんり[編集へんしゅう]

ふくあい命題めいだいには、そのかく部分ぶぶん具体ぐたいてき意味いみとは無関係むかんけいしんであるものがある[53]たとえば、古典こてん論理ろんりでは、ふくあい命題めいだい火星かせいあかい; または、火星かせいあかくない」は、単純たんじゅん命題めいだい火星かせいあかい」などの命題めいだいかく部分ぶぶん真偽しんぎによらずしんである。この場合ばあい、この真理しんり論理ろんりてき真理しんりばれる[54]命題めいだい真偽しんぎがその命題めいだいふくまれる論理ろんり語彙ごいのみにもとづく場合ばあい、その命題めいだい論理ろんりてきしんであるという。これは、その命題めいだいが、その論理ろんりこう以外いがい部分ぶぶんにいかなる解釈かいしゃく適用てきようしてもしんであるということをす。一部いちぶ様相ようそう論理ろんり体系たいけいでは、このことを命題めいだいがあらゆる可能かのう世界せかいしんであるという[55]一部いちぶ論理ろんり学者がくしゃは、論理ろんりがく論理ろんりてき真理しんり研究けんきゅう定義ていぎする[16]

真理しんりひょう[編集へんしゅう]

論理ろんり結合けつごういや、ふくあい命題めいだいかく部分ぶぶんとその真理しんり依存いぞん関係かんけいしめすのに、真理しんりひょうもちいられる。真理しんりひょうは、かくれつ入力にゅうりょく変数へんすうち、各行かくこうにこれらの変数へんすうりうる真理しんり可能かのうわせをつ。真理しんりしん」・「にせ」の省略しょうりゃくとしては、一般いっぱん記号きごう「T」・「F」あるいは「1」・「0」がもちいられる[56]最初さいしょれつで、入力にゅうりょく変数へんすうのあらゆる可能かのう真理しんりわせが提示ていじされ、のこりのれつで、入力にゅうりょく対応たいおうするかく表現ひょうげん真理しんり提示ていじされる。たとえば、表現ひょうげん では、論理ろんり結合けつごう (かつ) がもちいられる。この論理ろんり結合けつごうは、「昨日きのう日曜日にちようびであった; かつ、昨日きのう晴天せいてんであった」のようなぶん表現ひょうげんするのにもちいることができる。このぶんは、入力にゅうりょく変数へんすう (「昨日きのう日曜日にちようびであった」) および (「昨日きのう晴天せいてんであった」) の両方りょうほうしんである場合ばあいにのみしんであり、それ以外いがい場合ばあいぶん全体ぜんたいにせとなる。その重要じゅうよう論理ろんり結合けつごうには、 (...でない) 、 (または) 、 (...であれば...) 、 (否定ひてい論理ろんりせき) がある[57]。ある条件じょうけん命題めいだい からは、そのぎゃく () 、うら () 、対偶たいぐう () の真理しんりひょうられる。真理しんりひょうは、複数ふくすう命題めいだい結合けつごうもちいたふくあい表現ひょうげんたいしても定義ていぎできる[58]

かく表現ひょうげん真理しんりひょう
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T F F T F T T
F T F T T F T
F F F F T T T

論証ろんしょう推論すいろん[編集へんしゅう]

論理ろんりがく一般いっぱんに、論証ろんしょうあるいは推論すいろんただしさの研究けんきゅう定義ていぎされる[59]論証ろんしょうは、前提ぜんてい集合しゅうごうおよび結論けつろんからなる[60]推論すいろんは、前提ぜんていから結論けつろんみちび過程かていである[43]。ただ、論理ろんりがくでは、「論証ろんしょう」および「推論すいろん」を同義どうぎとみなす場合ばあいもある。論証ろんしょうは、前提ぜんてい結論けつろん支持しじするかによって、ただしいものとただしくないものに分類ぶんるいされる。一方いっぽう前提ぜんていおよび結論けつろんは、それが現実げんじつ沿うかによって真偽しんぎまる。形式けいしき論理ろんりがくでは、論証ろんしょうただしく、かつ、しん前提ぜんていのみをつものを健全けんぜん論証ろんしょうという[61]論証ろんしょうは、単純たんじゅん論証ろんしょうおよび結合けつごう論証ろんしょう分類ぶんるいされる場合ばあいがある。結合けつごう論証ろんしょうは、単純たんじゅん論証ろんしょうつらねて定立ていりつされた論証ろんしょうである。つまり、ある論証ろんしょう結論けつろんが、つづきの論証ろんしょう前提ぜんていとなる。結合けつごう論証ろんしょうただしいためには、これらのつらなった論証ろんしょうのすべてがただしい必要ひつようがある[43]

論理学で用いられる論証関連の用語の図
論理ろんりがくもちいられる論証ろんしょう関連かんれん用語ようご

論証ろんしょうおよび推論すいろんには、ただしいものとただしくないものがある。論証ろんしょうおよび推論すいろんは、前提ぜんてい結論けつろん支持しじする場合ばあいただしい。ただしくない場合ばあい、この支持しじけている。結論けつろん支持しじは、推論すいろん種類しゅるいによってことなる形態けいたい[62]演繹えんえきてき推論すいろんは、もっとつよ支持しじつ。ただし、前提ぜんてい演繹えんえき以外いがい結論けつろん支持しじがあり、演繹えんえき妥当だとうでない論証ろんしょうただしい論証ろんしょうである場合ばあいがある。この場合ばあい帰納的きのうてき推論すいろんまたは拡充かくじゅうてき推論すいろん用語ようごもちいられる[63]演繹えんえきてき論証ろんしょう形式けいしき論理ろんりがく関連かんれんし、拡充かくじゅうてき論証ろんしょう形式けいしき論理ろんりがく関連かんれんする[64]

演繹えんえきてき論証ろんしょう[編集へんしゅう]

演繹えんえきてき妥当だとう論証ろんしょうでは、前提ぜんてい結論けつろん真理しんり保証ほしょうする[11]論証ろんしょう「(1) すべてのカエルは両生類りょうせいるいである; (2) 両生類りょうせいるいねこ存在そんざいしない; (3) したがって、ねこであるカエルは存在そんざいしない」は、演繹えんえきてき妥当だとう論証ろんしょうれいである。演繹えんえきてき妥当だとうせい評価ひょうかでは、前提ぜんてい結論けつろん実際じっさいしんであるかは考慮こうりょしない。したがって、論証ろんしょう「(1) すべてのカエルは哺乳類ほにゅうるいである; (2) 哺乳類ほにゅうるいねこ存在そんざいしない; (3) したがって、ねこであるカエルは存在そんざいしない」も、前提ぜんていから結論けつろん必然ひつぜんてきみちびかれるため、妥当だとうである[65]

アルフレト・タルスキによると、演繹えんえきてき論証ろんしょうつぎの3つの不可欠ふかけつ要素ようそつ。(1) 形式けいしきてきである。つまり、前提ぜんていおよび結論けつろん形式けいしきのみに依存いぞんする。(2) アプリオリである。つまり、評価ひょうか経験けいけん必要ひつようとしない。(3) 様相ようそうてきである。つまり、その条件じょうけんとは無関係むかんけいに、命題めいだい論理ろんりてき必然ひつぜんせいのみにより成立せいりつする[66]

1つ要素ようそ (論証ろんしょう形式けいしきせい) により、演繹えんえきてき推論すいろんは、推論すいろん規則きそく同一どういつされる[67]かく推論すいろん規則きそくは、前提ぜんていおよび結論けつろん形式けいしき (推論すいろん妥当だとうであるための構造こうぞう) を定義ていぎする。どの推論すいろん規則きそくにも適合てきごうしない論証ろんしょうは、演繹えんえきてき妥当だとうでない[68]。モーダスポネンスは、基本きほんてき推論すいろん規則きそくであり、「(1) である; (2) であれば、 である; (3) したがって、 である」の形式けいしき[69]たとえば、あめっていた () 、および、あめるとみちれる () という知識ちしきから、モーダスポネンスをもちいて、今道いまみちれている () という結論けつろん演繹えんえきできる[70]

3つ要素ようそ (論証ろんしょう様相ようそうせい) は、演繹えんえきてき妥当だとう推論すいろん真理しんり保存ほぞんてき (truth-preserving) であり、前提ぜんていしん結論けつろんにせであることが不可能ふかのうであるといいかえることができる[71]。この要素ようそにより、演繹えんえきてき推論すいろんは、前提ぜんてい存在そんざいしないあたらしい情報じょうほうみちびくことがないため、情報じょうほうのない (uninformative) 推論すいろん形容けいようされることがある[72]。ただし、この見解けんかいでは、ほとんどの数学すうがく同様どうよう情報じょうほうがないということになってしまうため、つねにこの見解けんかいれられるわけではない。また、surface informationdepth information区別くべつ導入どうにゅうする見解けんかいもある。ぶんsurface informationは、ぶん明示めいじてき提示ていじする情報じょうほうである。depth informationは、明示めいじてき暗示あんじてきにかかわらず、ぶんふくまれる情報じょうほう全体ぜんたいである。この見解けんかいでは、演繹えんえきてき推論すいろんdepthのレベルでは情報じょうほうのない推論すいろんであるが、surfaceのレベルでは、暗示あんじてき情報じょうほうあきらかにされるため、情報じょうほうてき (informative) であるとされる。情報じょうほうてき推論すいろんには、数学すうがく証明しょうめいなどがある[73]

拡充かくじゅうてき論証ろんしょう[編集へんしゅう]

拡充かくじゅうてき論証ろんしょうは、前提ぜんていふくまれないあたらしい情報じょうほう結論けつろんする論証ろんしょうである。拡充かくじゅうてき論証ろんしょうでは、前提ぜんてい結論けつろんをよりたしからしくする一方いっぽう結論けつろん真理しんり保証ほしょうされない[74]。つまり、前提ぜんていがすべてしんであっても結論けつろんにせである場合ばあいがある。この特徴とくちょうは、非単調ひたんちょうせいおよび棄却ききゃく可能かのうせい英語えいごばんつよ関連かんれんする。つまり、あらたな推論すいろんからられた情報じょうほうをもとに、まえ結論けつろん棄却ききゃくされる場合ばあいがある[75]拡充かくじゅうてき推論すいろんは、おおくの日常にちじょう対話たいわおよび自然しぜん科学かがくにおける論証ろんしょう中核ちゅうかくをなす。拡充かくじゅうてき推論すいろんは、ことなる推論すいろんただしさの基準きじゅんち、無条件むじょうけんただしくないものは存在そんざいしない。拡充かくじゅうてき推論すいろんにおける結論けつろん支持しじは、通常つうじょう段階だんかいられる。つよ拡充かくじゅうてき論証ろんしょうでは、結論けつろん非常ひじょうたしからしいということができ、よわ拡充かくじゅうてき推論すいろんでは、このかくからしさの度合どあいがよわまる。したがって、前提ぜんていによる支持しじよわいがこれを無視むしできない場合ばあいなど、ただしい拡充かくじゅうてき論証ろんしょうただしくない拡充かくじゅうてき論証ろんしょう区別くべつ曖昧あいまいである場合ばあいもある。この特徴とくちょうは、論証ろんしょう妥当だとうなものとそうでないものに厳密げんみつ区別くべつされ、その境界きょうかいせんじょうにあるものが存在そんざいしない演繹えんえきてき論証ろんしょうとは対照たいしょうてきである[76]

拡充かくじゅうてき論証ろんしょう分類ぶんるいもちいられる用語ようごには一貫いっかんせいがない。James Hawthorneら一部いちぶ哲学てつがくしゃは、演繹えんえきてき論証ろんしょう以外いがいのあらゆる論証ろんしょうを「帰納きのう」に分類ぶんるいする[77]一方いっぽう狭義きょうぎでは、帰納的きのうてき論証ろんしょう遡及そきゅう論証ろんしょうとともに、拡充かくじゅうてき論証ろんしょう一種いっしゅかぞえられる[78]。また、Leo Groarkeら一部いちぶ哲学てつがくしゃは、拡充かくじゅうてき論証ろんしょう種類しゅるいとして、さらにconductive argument[注釈ちゅうしゃく 2]げる[79]。この狭義きょうぎ意味いみでは、帰納きのうおも統計とうけいてき一般いっぱんともな論証ろんしょう定義ていぎされる[80]。この場合ばあい特定とくてい規則きそくしめ多数たすう事例じれい観察かんさつ前提ぜんていとし、この規則きそくつね成立せいりつするという一般いっぱん法則ほうそく結論けつろんするものが帰納的きのうてき推論すいろん分類ぶんるいされる[81]たとえば、過去かこ観察かんさつしたゾウのいろ知識ちしきをもとに、「すべてのゾウは灰色はいいろである」と結論けつろんする推論すいろんがこれにたる[78]。また、一般いっぱん法則ほうそくではなく、「わたしがまだていないあるゾウも同様どうよう灰色はいいろである」のように、さらなる事例じれいについての結論けつろん推論すいろんするものも帰納的きのうてき推論すいろんふくまれる[81]。Igor Douvenら一部いちぶ哲学てつがくしゃは、帰納的きのうてき推論すいろん統計とうけいてき一般いっぱんのみにもとづく推論すいろん定義ていぎする。この定義ていぎでは、帰納的きのうてき推論すいろん遡及そきゅう推論すいろん区別くべつされる[78]

逆行ぎゃっこう推論すいろんには、統計とうけいてき一般いっぱんともなわないものもある。いずれの場合ばあいにも、逆行ぎゃっこう推論すいろんでは、前提ぜんていしんであることを結論けつろんがもっともうまく説明せつめいできるということを根拠こんきょに、前提ぜんていから結論けつろん支持しじされる[82]。このてんで、逆行ぎゃっこう推論すいろんは、最良さいりょう説明せつめいへの推論すいろん形容けいようされる[83]早朝そうちょうにキッチンにパンくずのったさらがあるという前提ぜんていから、そのいえ住人じゅうにん夜食やしょくをとったが、つかれて食卓しょくたく片付かたづけなかったと結論けつろんする場合ばあいれいとする。このれいでは、この推論すいろんは、結論けつろん現在げんざいのキッチンの状態じょうたいもっともうまく説明せつめいできるため、正当せいとうされる[78]逆行ぎゃっこう推論すいろんでは、たん結論けつろん前提ぜんてい説明せつめいするというだけでは不十分ふじゅうぶんである。たとえば、「昨晩さくばんはいり、途中とちゅう空腹くうふくかんじたため夜食やしょくをとった」という結論けつろん現在げんざいのキッチンの状態じょうたい説明せつめいできるが、この結論けつろんもっと可能かのうせいたか説明せつめいとはいえないため、正当せいとうされない[82][83]

誤謬ごびゅう[編集へんしゅう]

すべての論証ろんしょうただしい推論すいろん水準すいじゅんたすわけではない。論証ろんしょうただしい推論すいろん水準すいじゅんたない場合ばあい、そのような論証ろんしょう誤謬ごびゅうばれる。誤謬ごびゅう重要じゅうよう側面そくめんは、論証ろんしょう結論けつろんにせであるというてんではなく、結論けつろんいた推論すいろん瑕疵かしがあるというてんにある[84]。したがって、論証ろんしょう今日きょうれている; したがって、クモにはあしが8ほんある」は、結論けつろんしんであっても誤謬ごびゅうである。ジョン・スチュアート・ミル一部いちぶ哲学てつがくしゃは、誤謬ごびゅう要件ようけんとして、「論証ろんしょう一見いっけんただしいようにえること」をくわえた[85]。これにより、実際じっさい誤謬ごびゅうを、たんなる不注意ふちゅういによる推論すいろんあやまりと区別くべつできる[86]

Poster from 1901
Young America's dilemma: かしこ偉大いだいであるべきか、裕福ゆうふくつよくあるべきか? (1901ねんのポスター) 。これは、こりうる事象じしょう除外じょがいする選言せんげんてき前提ぜんていで、形式けいしきてき誤謬ごびゅう一種いっしゅであるあやまった二分にぶんほうれいである。

誤謬ごびゅうは、形式けいしきてき誤謬ごびゅうおよび形式けいしきてき誤謬ごびゅう分類ぶんるいされる[38]形式けいしきてき誤謬ごびゅうでは、論証ろんしょう形式けいしき問題もんだい存在そんざいする。前件ぜんけん否定ひていは、形式けいしきてき誤謬ごびゅう一種いっしゅである[87]。ただし、おおくの種類しゅるい学術がくじゅつてき議論ぎろんされているほとんどの誤謬ごびゅう形式けいしきてき誤謬ごびゅうである。形式けいしきてき誤謬ごびゅうでは、論証ろんしょう内容ないようあるいはコンテキストに問題もんだい存在そんざいする[88]形式けいしきてき誤謬ごびゅうは、さらに曖昧あいまいさの誤謬ごびゅう仮定かてい誤謬ごびゅう関連かんれんせい誤謬ごびゅう分類ぶんるいされる場合ばあいがある。曖昧あいまいさの誤謬ごびゅうでは、「羽毛うもうあかるい; あかるいものがくらいことはありない; したがって、羽毛うもうくらくなることはない」のように、自然しぜん言語げんご曖昧あいまいさがあやまりの原因げんいんとなる。仮定かてい誤謬ごびゅうでは、間違まちがっているか、正当せいとうされない仮定かていふくまれる。関連かんれんせい誤謬ごびゅうでは、前提ぜんてい結論けつろん無関係むかんけいであるため、結論けつろん前提ぜんていにより支持しじされない[89]

定義ていぎてき戦略せんりゃくてき規則きそく[編集へんしゅう]

論理ろんりがくでは、論証ろんしょうただしい、あるいはただしくないための条件じょうけん注目ちゅうもくする。これらの条件じょうけん違反いはんする場合ばあい誤謬ごびゅう存在そんざいする。形式けいしき論理ろんりがくでは、これらの条件じょうけん推論すいろん規則きそく[90]推論すいろん規則きそくは、推論すいろんただしさや許容きょようされる推論すいろん決定けっていする定義ていぎてき規則きそくである。定義ていぎてき規則きそくは、戦略せんりゃくてき規則きそく対比たいひされる。戦略せんりゃくてき規則きそくは、ある前提ぜんてい集合しゅうごうから結論けつろんみちびくために必要ひつよう推論すいろん手順てじゅん決定けっていする。この区別くべつは、論理ろんりがくだけでなく、ゲームにも存在そんざいする。たとえばチェスでは、定義ていぎてき規則きそくが、ビショップななめにのみ移動いどうできるということを規定きていする。一方いっぽう戦略せんりゃくてき規則きそくは、中央ちゅうおう制圧せいあつし、キングまもるなど、ゲームにつために合法ごうほうしゅをどのようにもちいることができるかを規定きていする[91]戦略せんりゃくてき規則きそくは、効率こうりつてき推論すいろん重要じゅうようであり、論理ろんり学者がくしゃ戦略せんりゃくてき規則きそくによりおもきをくべきであると主張しゅちょうされる[90]

形式けいしき体系たいけい[編集へんしゅう]

形式けいしき論理ろんり体系たいけいは、形式けいしき言語げんごおよび公理こうり集合しゅうごうと、これらの公理こうりから推論すいろんおこなうための証明しょうめいけい英語えいごばんからなる[92]論理ろんりがくでは、証明しょうめいなしにれられるぶん公理こうりという。公理こうりは、ぶん正当せいとうもちいられる[93]一部いちぶ論理ろんり学者がくしゃは、形式けいしき言語げんご表現ひょうげん現実げんじつ対象たいしょう関係かんけい規定きていする形式けいしき意味いみろん形式けいしき論理ろんり体系たいけいふくめる[94]。19世紀せいき後半こうはんより、おおくのあらたな形式けいしき体系たいけい提案ていあんされてきた[95]

形式けいしき言語げんごは、アルファベットおよび構文こうぶん規則きそくからなる。アルファベットは、論理ろんりしきもちいられる基本きほんてき記号きごう集合しゅうごうであり、構文こうぶん規則きそくは、これらの記号きごうもちいてwell-formed formulaをだてしきする方法ほうほう規定きていする[96]たとえば、命題めいだい論理ろんり構文こうぶん規則きそくは、 がwell-formed formulaであるが、 は、論理ろんりせき りょうはしこう必要ひつようとするためwell-formed formulaではないということを規定きていする[97]

証明しょうめいけいは、形式けいしき証明しょうめいだてしきするためのかく規則きそくで、かく公理こうりから結論けつろんみちび道具どうぐである。証明しょうめいけい規則きそくは、論理ろんりしき具体ぐたいてき内容ないようから独立どくりつした、論理ろんりしき構文こうぶんてき構造こうぞうてん定義ていぎされる。たとえば、古典こてん論理ろんり規則きそくである論理ろんりせき導入どうにゅうは、前提ぜんてい および から帰結きけつするということを規定きていする。これらの規則きそく順番じゅんばん適用てきようでき、前提ぜんていから結論けつろんるための数学すうがくてき手順てじゅん提示ていじする。自然しぜん演繹えんえきシークエント計算けいさんなど、証明しょうめいけいにはさまざまな種類しゅるいがある[98]

意味いみろんは、形式けいしき言語げんご論理ろんりしきをその外延がいえん写像しゃぞうするための体系たいけいである。おおくの論理ろんり体系たいけいでは、外延がいえん真理しんりである。たとえば、命題めいだい論理ろんり意味いみろんは、 および しんであるときに、しき 外延がいえんしん」をあたえる。意味いみろんてき観点かんてんでは、前提ぜんていしんである場合ばあいつね結論けつろんしんであるとき、前提ぜんてい結論けつろん含意がんいする[99]

論理ろんり体系たいけいは、証明しょうめいけいが、前提ぜんてい集合しゅうごう結論けつろん意味いみろんてき含意がんいする場合ばあい以外いがい結論けつろんみちびけない場合ばあい健全けんぜんであるという。これは、論理ろんり体系たいけい意味いみろん定義ていぎもとづくにせ結論けつろんみちびけないということをす。また、論理ろんり体系たいけいは、その証明しょうめいけい前提ぜんてい含意がんいするすべての結論けつろんみちびくことができる場合ばあい完全かんぜんであるという。これは、論理ろんり体系たいけい意味いみろん定義ていぎもとづくあらゆるしん結論けつろんみちびけるということをす。健全けんぜんかつ完全かんぜん論理ろんり体系たいけいでは、妥当だとうせいおよび含意がんい関係かんけい完全かんぜん一致いっちする[100]

論理ろんり体系たいけい[編集へんしゅう]

論理ろんり体系たいけいは、推論すいろんおよび論証ろんしょうただしさを評価ひょうかするための論理ろんりてき枠組わくぐみである。過去かこ2000ねん以上いじょうあいだ西洋せいようでは、アリストテレスろん理学りがく英語えいごばんもっと重要じゅうよう論理ろんり体系たいけいとみなされてきた[101]が、この分野ぶんやでの近年きんねん発展はってんにより、おおくのあらたな論理ろんり体系たいけい考案こうあんされてきた[102]形式けいしき論理ろんり体系たいけいは、古典こてん論理ろんり拡張かくちょう論理ろんり逸脱いつだつ論理ろんり英語えいごばん分類ぶんるいされる[103]

アリストテレスろん理学りがく[編集へんしゅう]

古典こてん論理ろんり[編集へんしゅう]

古典こてん論理ろんりは、伝統でんとうてき論理ろんりがくやアリストテレス論理ろんりがくとは区別くべつされる。古典こてん論理ろんりには、命題めいだい論理ろんりおよびいちかい述語じゅつご論理ろんりふくまれる。古典こてん論理ろんりは、おおくの論理ろんり学者がくしゃ支持しじする基本きほんてき論理ろんりてき直感ちょっかんもとづいているため、「古典こてん」とばれる[104]古典こてん論理ろんり根拠こんきょとなる直感ちょっかんには、排中律はいちゅうりつじゅう否定ひてい除去じょきょ爆発ばくはつりつ英語えいごばんせい原理げんり英語えいごばんふくまれる[105]古典こてん論理ろんりは、当初とうしょ数学すうがく論証ろんしょう評価ひょうかする目的もくてき考案こうあんされ、その分野ぶんやへの応用おうようすすんだ。古典こてん論理ろんり数学すうがくとくしており、哲学てつがくてき重要じゅうようおおくの分野ぶんや関連かんれんする論理ろんり語彙ごいふくまない。たとえば、必然ひつぜんせい可能かのうせいや、倫理りんりてき義務ぎむ許可きょか概念がいねんは、古典こてん論理ろんりではあつかえない。同様どうように、過去かこ現在げんざい未来みらい関係かんけいも、古典こてん論理ろんりでは記述きじゅつできない[106]。この問題もんだいたいして、拡張かくちょう論理ろんり考案こうあんされた。拡張かくちょう論理ろんりは、古典こてん論理ろんり基本きほんてき直感ちょっかん採用さいようし、あらたな論理ろんり語彙ごい導入どうにゅうすることで、古典こてん論理ろんり拡張かくちょうする。これにより、数学すうがく範囲はんいえる倫理りんりがく認識にんしきろん分野ぶんやで、厳密げんみつ論理ろんりてきアプローチが応用おうようできる[107]

命題めいだい論理ろんり[編集へんしゅう]

命題めいだい論理ろんりは、要素ようそ命題めいだい論理ろんり結合けつごうでつないだしき定立ていりつされる形式けいしき体系たいけいである。たとえば、命題めいだい論理ろんりは、2つの要素ようそ命題めいだい および 論理ろんりせきふくごうしき 表現ひょうげんする。こうおよび述語じゅつご最小さいしょう構成こうせい要素ようそである述語じゅつご論理ろんりとはことなり、命題めいだい論理ろんりは、真理しんり完全かんぜん命題めいだいをそのもっと基本きほんてき構成こうせい要素ようそとみなす[108]。したがって、命題めいだい論理ろんりでは、ふくあい命題めいだいがより単純たんじゅん命題めいだいから構成こうせいされる論理ろんりてき関係かんけい記述きじゅつできるが、命題めいだい内部ないぶ構造こうぞうからられる推論すいろん記述きじゅつすることはできない[109]

いちかい述語じゅつご論理ろんり[編集へんしゅう]

ゴットロープ・フレーゲが導入した全称記号
ゴットロープ・フレーゲは『概念がいねん記法きほう』で、りょう記号きごう概念がいねん図示ずしして導入どうにゅうした。このは、 という判断はんだんしんであることをしめす。

いちかい述語じゅつご論理ろんり命題めいだい論理ろんりおな命題めいだい結合けつごうふくむが、命題めいだい内部ないぶ構造こうぞう記述きじゅつできるてんで、古典こてん論理ろんりとはことなる。いちかい述語じゅつご論理ろんりでは、特定とくてい物体ぶったい指示しじするたんしょうこう属性ぞくせい関係かんけい記述きじゅつする述語じゅつご、「いくつかの」・「すべての」のような概念がいねんあつかりょうもちいられる[110]たとえば、命題めいだい「このカラスはくろい」を表現ひょうげんするには、属性ぞくせいくろい」をあらわすのに述語じゅつご 、カラスをあらわすのにたんしょうこう もちいて、表現ひょうげん る。くろ物体ぶったい存在そんざいするということを表現ひょうげんするには、存在そんざい記号きごう 変数へんすう わせて、命題めいだい る。いちかい述語じゅつご論理ろんりは、このような表現ひょうげんがどのように妥当だとう論証ろんしょう ( から みちび場合ばあいなど) を構成こうせいできるかを決定けっていする推論すいろん規則きそくふく[111]

拡充かくじゅう論理ろんり[編集へんしゅう]

拡充かくじゅう論理ろんりは、古典こてん論理ろんり基本きほん原理げんりれ、形而上学けいじじょうがく倫理りんりがく認識にんしきろんでの応用おうようのため、あらたな記号きごう原理げんり導入どうにゅうする論理ろんり体系たいけいである[112]

様相ようそう論理ろんり[編集へんしゅう]

様相ようそう論理ろんりは、古典こてん論理ろんり拡張かくちょうばんである。真理しんりろんてき様相ようそう論理ろんり (alethic modal logic) とばれる様相ようそう論理ろんり基本きほん形態けいたいでは、対象たいしょう可能かのうであることをしめ 、および、対象たいしょう必然ひつぜんであることをしめ の2つの記号きごう導入どうにゅうされる[113]たとえば、論理ろんりしき ぶん「ソクラテスは銀行ぎんこういんである」をあらわ場合ばあい は、ぶん「ソクラテスが銀行ぎんこういんであることは可能かのうである」をあらわ[114]。これらの記号きごう論理ろんり形式けいしき主義しゅぎふくめるため、様相ようそう論理ろんりは、推論すいろんにおけるこれらの記号きごういを規定きていするあらたな推論すいろん規則きそく導入どうにゅうする。様相ようそう論理ろんり推論すいろん規則きそくひとつは、「対象たいしょう必然ひつぜんであるとき、それは可能かのうである」というものである。つまり、 からみちびかれるということである。要素ようそ論理ろんりほか推論すいろん規則きそくには、「ある命題めいだい必然ひつぜんであるとき、その否定ひてい不可能ふかのうであり、同様どうように、ある命題めいだい否定ひてい不可能ふかのうであるとき、その命題めいだい必然ひつぜんである」というものがある。つまり、同値どうちであるということである[115]

その様相ようそう倫理りんりでもおな記号きごう導入どうにゅうされるが、様相ようそう論理ろんり分野ぶんや応用おうようするため、記号きごうべつ意味いみあたえる。たとえば、義務ぎむ論理ろんりは、倫理りんりがく関連かんれんがあり、義務ぎむおよび許可きょか (ある行為こういしゃがある行為こういをしなければならないか、また、ある行為こういしゃがある行為こういをすることを許可きょかされるか) の概念がいねんあらわ記号きごう導入どうにゅうする。どきしょう論理ろんりにおける様相ようそう演算えんざんは、時制じせい関係かんけい記述きじゅつする。どきしょう論理ろんりでは、「あるときなにかがこった」や「つねなにかがこっている」などを表現ひょうげんできる[116]認識にんしきろんでは、「なにかをる」や「なにかをしんじる」の概念がいねん記述きじゅつするのに認識にんしき論理ろんりもちいられる[117]

高階たかしな述語じゅつご論理ろんり[編集へんしゅう]

高階たかしな述語じゅつご論理ろんりは、様相ようそう演算えんざんではなく、あたらしい形式けいしきりょう導入どうにゅうする[118]りょうは、「すべての」・「いくつかの」などの用語ようご対応たいおうする演算えんざんである。古典こてんいちかい述語じゅつご論理ろんりでは、りょう個体こたいにのみ適用てきようできる。論理ろんりしき (いくつかのりんごはあまい) は、存在そんざい記号きごう 個体こたい変数へんすう 適用てきようするれいである。高階たかしな述語じゅつご論理ろんりでは、述語じゅつごりょうできる。たとえば、メアリーとジョンがある共通きょうつう属性ぞくせいつということを表現ひょうげんするには、論理ろんりしき もちいることができる。このれいでは、存在そんざい記号きごう述語じゅつご変数へんすう 適用てきようされている[119]。この表現ひょうげんりょくにより、数学すうがく理論りろんだてしきがより簡潔かんけつになるため、高階たかしな述語じゅつご論理ろんりとく数学すうがく有用ゆうようである[43]。ただし、そのメタろん理学りがくてき属性ぞくせい存在そんざいろんてき影響えいきょうにより、現在げんざいいちかい述語じゅつご論理ろんりがよりひろもちいられる[120]

逸脱いつだつ論理ろんり[編集へんしゅう]

逸脱いつだつ論理ろんりは、古典こてん論理ろんり基本きほんてき直感ちょっかん一部いちぶ却下きゃっかする論理ろんり体系たいけいである。このため、逸脱いつだつ論理ろんり古典こてん論理ろんりおぎなうものではなく、それをってえるものとかんがえられている。逸脱いつだつ論理ろんりかく論理ろんり体系たいけいは、却下きゃっかする古典こてん論理ろんり直感ちょっかんや、おな問題もんだいたいして提示ていじするべつかいてんでそれぞれことなる[121]

直観ちょっかん主義しゅぎ論理ろんりは、古典こてん論理ろんり簡素かんそした論理ろんり体系たいけいである[122]古典こてん論理ろんりおな記号きごうもちいるが、一部いちぶ推論すいろん規則きそく除外じょがいする。たとえば、じゅう否定ひてい除去じょきょ法則ほうそくでは、「ぶんにせである」がにせ場合ばあい、そのぶんしんであるとされる。つまり、 から 帰結きけつする。この推論すいろんは、古典こてん論理ろんりでは妥当だとうであるが、直感ちょっかん主義しゅぎ論理ろんりでは妥当だとうでない。また、あらゆるぶんについて、そのぶんしんであるか、そのぶん否定ひていしんである (形式けいしきるすべての命題めいだいしんである) と主張しゅちょうする排中律はいちゅうりつも、直感ちょっかん主義しゅぎ論理ろんり存在そんざいしない古典こてん主義しゅぎ直感ちょっかんひとつである[122]。この古典こてん論理ろんりからの逸脱いつだつは、真理しんり証明しょうめいもちいた検証けんしょうによりられるという見解けんかいもとづく。逸脱いつだつ論理ろんりは、「ある対象たいしょう存在そんざい証明しょうめいするには、それを実際じっさいつけたり構成こうせいしたりしなければならない」とする構成こうせい主義しゅぎ数学すうがく分野ぶんやとく重要じゅうようである[123]

多値たち論理ろんりは、すべての命題めいだいしんにせのいずれかであるととするせい原理げんり英語えいごばん却下きゃっかするてんで、古典こてん論理ろんりことなる。ヤン・ウカシェヴィチスティーヴン・コール・クリーネは、ぶん真理しんり不定ふていであることをしめだい3の真理しんり導入どうにゅうした3論理ろんり提唱ていしょうした[124]。3論理ろんりは、言語げんごがく分野ぶんや応用おうようされる。ファジィ論理ろんりは、0から1までの実数じっすうしめされる無限むげんの「真理しんり程度ていど」を多値たち論理ろんりである[125]

矛盾むじゅん許容きょよう論理ろんりは、矛盾むじゅんあつか論理ろんり体系たいけいである。矛盾むじゅん許容きょよう論理ろんりは、爆発ばくはつりつ英語えいごばんけるよう定義ていぎされる。したがって、矛盾むじゅんからあらゆるものが帰結きけつしない[126]矛盾むじゅん許容きょよう論理ろんりは、しんなる矛盾むじゅん存在そんざいするとする矛盾むじゅん主義しゅぎかかわりがある。グレアム・プリーストは、矛盾むじゅん主義しゅぎ現代げんだい重要じゅうよう擁護ようごしゃであり、同様どうよう見解けんかいゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルにもることができる[127]

研究けんきゅう領域りょういき[編集へんしゅう]

論理ろんりがくはさまざまな分野ぶんや研究けんきゅうされている。おおくの場合ばあい論理ろんりがく研究けんきゅうでは、論理ろんりがく形式けいしきてき方法ほうほうろん論理ろんりがく以外いがい分野ぶんや (倫理りんりがく計算けいさん科学かがくなど) への応用おうよう研究けんきゅうする[128]。また、論理ろんりがく自体じたいべつ分野ぶんやでの研究けんきゅう対象たいしょうとなる場合ばあいもある。たとえば、論理ろんり学者がくしゃもちいる基本きほんてき概念がいねんかんする哲学てつがくてき仮定かてい検討けんとうや、数学すうがくてき構造こうぞうもちいた論理ろんりがく解釈かいしゃく分析ぶんせき形式けいしき論理ろんり体系たいけい抽象ちゅうしょうてき特徴とくちょう比較ひかくなどがある[129]

論理ろんりがく哲学てつがく哲学てつがくてき論理ろんりがく[編集へんしゅう]

論理ろんりがく哲学てつがくは、論理ろんりがく範囲はんい性質せいしつ研究けんきゅうする哲学てつがく分野ぶんやである[59]論理ろんりがく基本きほんてき概念がいねん定義ていぎや、これらの概念がいねんかんする形而上学けいじじょうがくてき仮定かていなど、論理ろんりがくあんれられるおおくの仮定かてい研究けんきゅうする[130]。また、論理ろんり体系たいけい分類ぶんるいや、その存在そんざいろんてき問題もんだい研究けんきゅうする。哲学てつがくてき論理ろんりがくは、論理ろんりがく哲学てつがくいち分野ぶんやである。論理ろんりがく方法ほうほうろん形而上学けいじじょうがく倫理りんりがく認識にんしきろんなどの分野ぶんや問題もんだいへの応用おうよう研究けんきゅうする[131]。この応用おうようでは、おも拡充かくじゅう論理ろんり逸脱いつだつ論理ろんり論理ろんり体系たいけいもちいられる[132]

メタろん理学りがく[編集へんしゅう]

メタ論理ろんりがくは、形式けいしき論理ろんり体系たいけい特性とくせい研究けんきゅうする分野ぶんやである。たとえば、あたらしい形式けいしき体系たいけい考案こうあんされたさいに、その論理ろんり体系たいけい証明しょうめい可能かのう論理ろんりしき研究けんきゅうする。また、かく論理ろんりしき証明しょうめい発見はっけんするためのアルゴリズム考案こうあんできるかや、その論理ろんり体系たいけい証明しょうめい可能かのうなあらゆる論理ろんりしきつねしんしきであるかも研究けんきゅうする。また、論理ろんり体系たいけい論理ろんり体系たいけい比較ひかくし、その論理ろんり体系たいけい固有こゆう特性とくせい研究けんきゅうする。メタ論理ろんりがくにおける重要じゅうよう問題もんだいは、構文こうぶんろん意味いみろん関係かんけいである。形式けいしき論理ろんり体系たいけい構文こうぶん規則きそくは、証明しょうめいて、前提ぜんていから結論けつろん演繹えんえきする方法ほうほう定義ていぎする。形式けいしき論理ろんり体系たいけい意味いみろんは、しんであるぶんにせであるぶん定義ていぎする。論証ろんしょう前提ぜんていしん結論けつろんにせであることは不可能ふかのうであるため、形式けいしき論理ろんり体系たいけい意味いみろんは、論証ろんしょう妥当だとうせい決定けっていする。構文こうぶんろん意味いみろん関係かんけいは、あらゆる妥当だとう論証ろんしょう証明しょうめい可能かのうであるかや、あらゆる証明しょうめい可能かのう論証ろんしょう妥当だとうであるかなどの問題もんだい関連かんれんする。また、メタ論理ろんりがくでは、論理ろんり体系たいけい完全かんぜんせい健全けんぜんせい一貫いっかんせい検討けんとうし、論理ろんり体系たいけい決定けってい可能かのうせい表現ひょうげんりょく英語えいごばん研究けんきゅうする。メタ論理ろんり学者がくしゃは、通常つうじょう、メタ論理ろんりがく証明しょうめいてるさい抽象ちゅうしょうてき数学すうがくてき推論すいろんもちいる。これにより、正確せいかく一般いっぱんせいがある結論けつろん到達とうたつすることが可能かのうとなる[133]

数理すうりろん理学りがく[編集へんしゅう]

バートランド・ラッセルの写真
バートランド・ラッセルは、論理ろんりがく分野ぶんやおおきな貢献こうけんのこした[134]

数理すうり論理ろんりがくは、形式けいしきろん理学りがく同義どうぎとしてもちいられる場合ばあいがある。一方いっぽう狭義きょうぎでは、数理すうり論理ろんりがく数学すうがくにおける論理ろんりがく研究けんきゅうす。数理すうり論理ろんりがくおも分野ぶんやには、モデル理論りろん証明しょうめいろん集合しゅうごうろん計算けいさん可能かのうせい理論りろんがある[135]数理すうり論理ろんりがく研究けんきゅうでは、論理ろんりがく形式けいしき体系たいけい数学すうがくてき特性とくせい研究けんきゅうする。また、数学すうがく推論すいろん分析ぶんせきへの論理ろんりがく応用おうようや、論理ろんりがくもとづく数学すうがく基礎きそろん確立かくりつ検討けんとうふくまれる場合ばあいもある[136]。20世紀せいき数理すうり論理ろんりがくでは、後者こうしゃ論理ろんり哲学てつがくしゃゴットロープ・フレーゲアルフレッド・ノース・ホワイトヘッドバートランド・ラッセル論理ろんり主義しゅぎんだおも問題もんだいであった。数学すうがく理論りろんつねしんしきでなければならず、フレーゲらの目的もくてきは、数学すうがく論理ろんりがく還元かんげんすることでこれをしめすことであった。このみは、フレーゲの『算術さんじゅつ基本きほん法則ほうそく』にたいするラッセルのパラドックスヒルベルト・プログラムたいするゲーデルの不完全性ふかんぜんせい定理ていりにより、失敗しっぱいした[137]

集合しゅうごうろんは、ゲオルク・カントール無限むげん研究けんきゅう確立かくりつされ、数理すうり論理ろんりがくにおけるおおくの重要じゅうよう困難こんなん問題もんだいしてきた。たとえば、カントールの定理ていり選択せんたく公理こうり位置付いちづけ、連続れんぞくたい仮説かせつにおける独立どくりつせい問題もんだい巨大きょだい基数きすうかんする議論ぎろんなどがある[138]

計算けいさん可能かのうせい理論りろんは、計算けいさん問題もんだい効率こうりつてき方法ほうほう研究けんきゅうする数理すうり論理ろんりがく分野ぶんやである。たとえば、PたいNP問題もんだいがある。計算けいさん可能かのうせい理論りろん目的もくてきは、アルゴリズムをもちいてある問題もんだいくことができるかを理解りかいすることである。計算けいさん可能かのうせい理論りろんは、チューリングマシンのようなモデルをもちいてこの問題もんだい探究たんきゅうする[139]

計算けいさんろん理学りがく[編集へんしゅう]

トランジスタを用いたANDゲートの図
論理ろんりせき (AND) は、ブール論理ろんりにおける基本きほんてき操作そうさひとつである。論理ろんりせきは、2トランジスタもちいるなど、複数ふくすう方法ほうほう電子でんしてき実装じっそうできる。

計算けいさんろん理学りがくは、コンピュータをもちいた数学すうがく推論すいろんおよび論理ろんりてき形式けいしきせい実装じっそう研究けんきゅうする論理ろんりがくおよび計算けいさん科学かがく分野ぶんやである。この分野ぶんやには、たとえば、推論すいろん規則きそくもちいて人間にんげん仲介ちゅうかいなしに前提ぜんていから結論けつろんへの証明しょうめい構築こうちくする自動じどう定理ていり証明しょうめいうつわなどがふくまれる[140]論理ろんりプログラミング言語げんごは、論理ろんりしきもちいて事実じじつ表現ひょうげんし、これらの事実じじつから推論すいろんおこなうよう設計せっけいされたものである。たとえば、Prologは、述語じゅつご論理ろんりもとづく論理ろんりプログラミング言語げんごである[141]。また、計算けいさん科学かがくでは、論理ろんりがく概念がいねんをコンピューティングにおける問題もんだい応用おうようする。クロード・シャノン業績ぎょうせきは、この分野ぶんや影響えいきょうおおきい。シャノンは、ブール論理ろんりもちいてコンピュータ回路かいろ分析ぶんせき実装じっそうする方法ほうほう考案こうあんした[142]。これは、論理ろんりゲート (1個いっこ以上いじょう入力にゅうりょく1個いっこ出力しゅつりょく電子でんし回路かいろ) で実現じつげんされる。命題めいだい真理しんりは、電圧でんあつおおきさであらわされる。これにより、論理ろんり関数かんすうは、対応たいおうする電圧でんあつ回路かいろ入力にゅうりょくにかけ、出力しゅつりょく電圧でんあつ測定そくていして関数かんすうることでシミュレートすることができる[143]

形式けいしき意味いみろん[編集へんしゅう]

形式けいしき意味いみろんは、論理ろんりがく言語げんごがく言語げんご哲学てつがく分野ぶんやである。意味いみろんは、言語げんご意味いみ研究けんきゅうである。形式けいしき意味いみろんは、記号きごうろん理学りがくおよび数学すうがく形式けいしきてき方法ほうほうもちいて、自然しぜん言語げんご表現ひょうげん意味いみ正確せいかく理論りろん確立かくりつする。形式けいしき意味いみろんでは、通常つうじょう意味いみ真理しんり条件じょうけん英語えいごばん関連かんれんして理解りかいしようとする。つまり、ぶんしんまたはにせである状況じょうきょう研究けんきゅうする。形式けいしき意味いみろん中核ちゅうかくをなす仮定かていは、ふくあい表現ひょうげん意味いみがそのかく部分ぶぶん意味いみおよびわせによって決定けっていされるとする合成ごうせいせい原理げんり英語えいごばんである。この原理げんりでは、たとえば動詞どうし表現ひょうげんあるきながらうたう」の意味いみは、そのかく部分ぶぶんあるきながら」および「うたう」によって決定けっていされる。形式けいしき意味いみろん理論りろんおおくは、モデル理論りろんもちいる。つまり、集合しゅうごうろんもちいてモデルを構築こうちくし、そのモデルの要素ようそ関連かんれんして表現ひょうげん意味いみ解釈かいしゃくする。たとえば、めいあるく」は、歩行ほこうという属性ぞくせいつモデルないのすべての要素ようそ集合しゅうごうとして解釈かいしゃくされる。リチャード・モンタギューバーバラ・パルティー英語えいごばんは、英語えいごにおける研究けんきゅうにより、この分野ぶんや初期しょき影響えいきょうりょくがある論理ろんり学者がくしゃである[144]

論理ろんりがく認識にんしきろん[編集へんしゅう]

論理ろんりがく認識にんしきろんは、論証ろんしょう妥当だとうであることの知識ちしきや、命題めいだい論理ろんりてきしんであることの知識ちしきがどのようにられるかを研究けんきゅうする[145]。これには、モーダスポネンスが妥当だとう推論すいろん規則きそくであることの正当せいとうや、矛盾むじゅんにせであることの正当せいとうかんする問題もんだいふくまれる[146]歴史れきしてき優勢ゆうせいであった見解けんかいは、この論理ろんりてき知識ちしき形態けいたいは、アプリオリ知識ちしき分類ぶんるいされるというものである[147]。つまり、知性ちせいには純粋じゅんすい概念がいねん関係かんけい検討けんとうする特別とくべつ能力のうりょくそなわっており、この能力のうりょく論理ろんりてき真理しんり理解りかいにもつながっているという見解けんかいである[148]同様どうよう見解けんかいに、論理ろんりがく規則きそく言語げんご慣用かんよう英語えいごばん観点かんてんから理解りかいしようとするものがある。この見解けんかいでは、論理ろんりがく法則ほうそく定義ていぎじょうしんであり、 自明じめいである (たん論理ろんり語彙ごい意味いみ表現ひょうげんしているだけである) とされる[149]

ヒラリー・パトナムペネロプ・マディー英語えいごばんふく哲学てつがくしゃは、論理ろんりがくがアプリオリな知識ちしきであることを否定ひていし、論理ろんりてき真理しんり経験けいけんてき世界せかい依存いぞんすると主張しゅちょうする。わせて、論理ろんりがく法則ほうそくは、世界せかい構造こうぞうてき特徴とくちょうから見出みいだされる普遍ふへんてき規則きそくせい記述きじゅつしたものであるとも主張しゅちょうされることがある。この見解けんかいでは、論理ろんりがく法則ほうそくは、基礎きそ科学かがくにおける一般いっぱんせいのある法則ほうそく研究けんきゅうすることでられるとされる。たとえば、量子力学りょうしりきがくられた知見ちけんは、論理ろんりしき 同値どうちであるという古典こてん論理ろんり分配ぶんぱいりつ否定ひていしていると主張しゅちょうされる。この主張しゅちょうは、量子りょうし論理ろんりただしい論理ろんり体系たいけいであり、古典こてん論理ろんりわりとするべきであるというテーゼにもちいることができる[150]

歴史れきし[編集へんしゅう]

Bust of Aristotle
Portrait of Avicenna
Portrait of William of Ockham
Bust showing Gottlob Frege
うえゆき西洋せいよう哲学てつがくいしずえきずいたアリストテレス[151]、アリストテレス論理ろんりがくわりとなるイスラーム哲学てつがくにおける論理ろんりがく英語えいごばん構築こうちくしたイブン・スィーナー[152]。(したくだり中世ちゅうせい学術がくじゅつ思想しそうにおける重要じゅうよう人物じんぶつであるオッカムのウィリアム[153]現代げんだい記号きごう論理ろんりがく創始そうししゃであるゴットロープ・フレーゲ[154]

論理ろんりがくは、古代こだいにそれぞれの文化ぶんか独立どくりつして確立かくりつされた。論理ろんりがく初期しょきにおける重要じゅうよう貢献こうけんは、『オルガノン』および『分析ぶんせきろん前書ぜんしょ』でめい論理ろんり英語えいごばん構築こうちくしたアリストテレスによるものである[155]。アリストテレスは、かりげん三段論法さんだんろんぽう[156]およびどきしょう論理ろんり導入どうにゅうした。また、帰納きのうろん理学りがく[157]や、めい、predicable、三段論法さんだんろんぽう命題めいだいなどのあらたな論理ろんりがく概念がいねん導入どうにゅうした。アリストテレス論理ろんりがくは、古代こだいギリシャ・ローマ時代じだいおよび中世ちゅうせいにおいて、ヨーロッパ・中東ちゅうとうたか評価ひょうかされ、19世紀せいき前半ぜんはんまで西洋せいようひろもちいられた[158]。アリストテレス論理ろんりがくは、その論理ろんりがく発展はってんってえられたが、その知見ちけん現代げんだい論理ろんり体系たいけいにもふくまれている[159]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ ただし、命令めいれい論理ろんりのような一部いちぶ論理ろんり体系たいけいについては、このかぎりでない場合ばあいがある[42]
  2. ^ conductive argumentは、理由りゆう結論けつろん決定的けっていてき支持しじするほど十分じゅうぶんつよいと主張しゅちょうせずに、結論けつろん支持しじすべき理由りゆう提示ていじする論証ろんしょうである。

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推薦すいせん文献ぶんけん[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]