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『イヴの総て』(イヴのすべて、原題:All About Eve )は、1950年公開のアメリカ映画。監督はジョセフ・L・マンキーウィッツ。
実在の女優エリザベート・ベルクナーをモデルとした、メアリー・オアの1946年の短編小説 "The Wisdom of Eve" を原作としている。
ブロードウェイの裏側を見事に描ききり、アカデミー賞では、作品賞をはじめとして6部門で受賞。カンヌ国際映画祭でも審査員特別賞と女優賞を受賞した。
監督のマンキーウィッツは脚本も担当。前年のアカデミー賞において『三人の妻への手紙』に続いてアカデミー監督賞と脚本賞を受賞。2年連続で4つのアカデミー賞を一人の人間が獲得したのは後にも先にもマンキーウィッツただ一人である。
当初、マーゴ役はクローデット・コルベールが演じる予定だったが、怪我のために降板。スーザン・ヘイワードやマレーネ・ディートリヒ、バーバラ・スタンウィックの名前も挙がったが、脚本を読んで気に入ったベティ・デイヴィスが演じ、彼女の代表作となった。
チャンスを狙う新人女優役として、無名時代のマリリン・モンローが出演。後のモンローのブレイクとリンクする作品として、今日では極めて重要視されている。
『青春の抗議』、『黒蘭の女』に続いて3度目のオスカー受賞かと言われたデイヴィスだが、共演のアン・バクスターが所属会社フォックスの力を借りて主演女優賞にノミネートされ、結局、票が二つに割れたことで、二人とも受賞は叶わなかった(受賞はジュディ・ホリデイ)。
1970年にブロードウェイミュージカルとなり『アプローズ(英語版)』(「拍手喝采」の意味)のタイトルで公演された。この作品は1970年のトニー賞最優秀作品賞をはじめ主要5部門を受賞。 初演のマーゴ役はローレン・バコールで、ミュージカル初出演でありながら主演女優賞を獲得したが、映画でイヴ役を演じたアン・バクスターがわずか1年でマーゴ役を引き継ぎ、実際の配役の上でも追う者と追われる者のドラマがあった。1972年には劇団四季により日本で公演されている。
アメリカ演劇界最高の栄誉であるセイラ・シドンス賞が、新進女優イヴ・ハリントンに与えられた。満場の拍手のうち、イヴの本当の姿を知る数人だけは、複雑な表情で彼女の受賞を見守るのだった…。
田舎から出てきた女優志望のイヴは、ブロードウェイの大女優のマーゴの付き人となる。自分の大ファンだというイヴに目をかけるマーゴだったが、イヴは次第に本性を表してゆき、批評家やマーゴの周りにいる人々に取り入ってゆく。ある日、出るはずの舞台に間に合わなかったマーゴの代役として出演するチャンスをつかみ、イヴは批評家たちから絶賛される。これを皮切りに、劇作家や有名批評家に巧く取り入り、マーゴまでも踏み台にしてスター女優へのし上がっていく。
- テレビ東京版初回放送:2000年3月12日『20世紀名作シネマ』(13:00-15:55)※20世紀フォックス正規盤DVD・BDに収録、ノーカット。
- NET版初回放送:1970年3月15日『日曜洋画劇場』
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