「キャタピラー 」はこの項目 こうもく へ転送 てんそう されています。
不 ふ 整地 せいち 運搬 うんぱん 車 しゃ の無限 むげん 軌道 きどう
無限 むげん 軌道 きどう (むげんきどう)とは、起動 きどう 輪 わ 、転 うたて 輪 わ 、遊 ゆう 動輪 どうりん (誘導 ゆうどう 輪 わ )を囲 かこ むように一帯 いったい に接続 せつぞく された履 くつ 板 ばん (りはん・りばん)・シュー (Shoe) の環 たまき であり、起動 きどう 輪 わ でそれを動 うご かすことによって不 ふ 整地 せいち での車両 しゃりょう の移動 いどう を可能 かのう にするもので、この種 たね の車両 しゃりょう を装 そう 軌車両 しゃりょう (Tracked Vehicle) と呼 よ び、対 たい して通常 つうじょう のタイヤ車輪 しゃりん を備 そな えた車両 しゃりょう を装 そう 輪 わ 車両 しゃりょう (Wheeled Vehicle, Car etc) と呼 よ ぶ。
無限 むげん 軌道 きどう には、クローラー 、トラックベルト (Trackbelt )、履 くつ 帯 たい (りたい)、キャタピラー (Caterpillar )など、複数 ふくすう の呼 よ び名 な がある。軍事 ぐんじ 用語 ようご では、履 くつ 帯 たい と呼 よ ばれる[1] 。日本 にっぽん の法令 ほうれい 条文 じょうぶん (車両 しゃりょう 制限 せいげん 令 れい 、道路 どうろ 交通 こうつう 法 ほう 施行 しこう 規則 きそく 等 とう )ではキャタピラの変化 へんか したカタピラ という用語 ようご が用 もち いられている(以前 いぜん は履 くつ 帯 たい という用語 ようご が用 もち いられていた)。なお一般 いっぱん によく用 もち いられる「キャタピラー」は米国 べいこく キャタピラー 社 しゃ (Caterpillar Inc. ) の登録 とうろく 商標 しょうひょう である(日本 にっぽん :商標 しょうひょう 登録 とうろく 1863602号 ごう ほか)。
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無限 むげん 軌道 きどう は18世紀 せいき 後半 こうはん から19世紀 せいき にかけて発案 はつあん されてきたが、実用 じつよう 的 てき なものは20世紀 せいき 初頭 しょとう に重量 じゅうりょう のかさむ蒸気 じょうき 機関 きかん を用 もち いたトラクションエンジン の走行 そうこう 部 ぶ として開発 かいはつ された。さらに2度 ど の世界 せかい 大戦 たいせん で戦車 せんしゃ などの軍用 ぐんよう 装 そう 軌車両 しゃりょう の実用 じつよう 化 か と主流 しゅりゅう 化 か を経 へ て発達 はったつ した技術 ぎじゅつ である。他 ほか にも不 ふ 整地 せいち 走破 そうは 能力 のうりょく を要求 ようきゅう される農業 のうぎょう 機械 きかい 、建設 けんせつ 機械 きかい 、雪上 せつじょう 車 しゃ などで用 もち いられている。日本語 にほんご の「無限 むげん 軌道 きどう 」の言葉 ことば の意味 いみ は、軌道 きどう (鉄道 てつどう でのレール )を転 うたて 輪 わ に巻 ま きつけることで、無限 むげん に状態 じょうたい のよいレール上 じょう を走 はし れる機構 きこう という意味 いみ である。
工事 こうじ 現場 げんば や農地 のうち 、砂漠 さばく などの不 ふ 整地 せいち (オフロード )や雪 ゆき 上 うえ などでは、通常 つうじょう の車輪 しゃりん では凹凸 おうとつ に阻 はば まれたり重量 じゅうりょう で地面 じめん にめり込 こ んだりして走行 そうこう が困難 こんなん である。対 たい して無限 むげん 軌道 きどう では車輌 しゃりょう の重量 じゅうりょう が履 くつ 帯 たい 全体 ぜんたい にかかるために接地 せっち 面積 めんせき あたりの圧力 あつりょく (接地 せっち 圧 あつ )が低 ひく くなり、柔 やわ らかい地面 じめん や雪上 せつじょう でも沈 しず み込 こ みにくくなる。また多少 たしょう の起伏 きふく や穴 あな なども履 くつ 帯 たい 越 ご しに転 てん 輪 わ が通 とお るためにスムーズに通行 つうこう できる。強力 きょうりょく な推進 すいしん ・制動 せいどう トルクをかけてもスリップ しにくく、土工 どこう 作業 さぎょう での強 つよ い踏 ふ ん張 ば りや、戦闘 せんとう 車両 しゃりょう の急 きゅう 発進 はっしん ・停止 ていし 、斜面 しゃめん の登攀 とうはん などの機動 きどう 性 せい を得 え られる。
方向 ほうこう 転換 てんかん の方法 ほうほう には、半 はん 装 そう 軌車 のように前部 ぜんぶ の車輪 しゃりん やスキーによって操舵 そうだ するもの、関節 かんせつ 式 しき の前後 ぜんご の車台 しゃだい に短 みじか めの履 くつ 帯 たい を備 そな え、屈折 くっせつ させて操舵 そうだ するもの(アーティキュレート・ステアリング)、そして、操舵 そうだ 機構 きこう を持 も たないスキッドステアと呼 よ ばれる方式 ほうしき がある。スキッドステアは車体 しゃたい 左右 さゆう の履 くつ 帯 たい の回転 かいてん 差 さ により横滑 よこすべ りを起 お こして進行 しんこう 方向 ほうこう を変 か えるもので、曲 ま がりたい側 がわ の履 くつ 帯 たい を完全 かんぜん に停止 ていし させる旋回 せんかい を信 しんじ 地 ち 旋回 せんかい と呼 よ ぶ。もしトランスミッション が対応 たいおう していれば、左右 さゆう の履 くつ 帯 たい を逆 ぎゃく 回転 かいてん させ、その場 ば で旋回 せんかい する超 ちょう 信 しん 地 ち 旋回 せんかい も行 おこな える。昔 むかし は左右 さゆう の履 くつ 帯 たい の回転 かいてん 量 りょう をレバーで直接 ちょくせつ 操作 そうさ して操縦 そうじゅう する物 もの が多 おお かったが、近年 きんねん は自動車 じどうしゃ のステアリングホイール のように丸 まる ハンドル操作 そうさ で操縦 そうじゅう が容易 ようい になっているものも多 おお い。なお、スキッドステアで方向 ほうこう を変 か えるものには、「スキッドステアローダー 」のような装 そう 輪 わ 式 しき 車両 しゃりょう もある。
履 くつ 帯 たい の接地 せっち 長 ちょう が長 なが いほど接地 せっち 圧 あつ が小 ちい さくなり不 ふ 整地 せいち 走破 そうは 能力 のうりょく は増 ま すが、左右 さゆう の履 くつ 帯 たい 間隔 かんかく に対 たい して接地 せっち 長 ちょう が長 なが すぎると横 よこ 方向 ほうこう のグリップ力 りょく が強 つよ すぎて方向 ほうこう 転換 てんかん が困難 こんなん になるため、両者 りょうしゃ の比率 ひりつ は1.1 - 1.8程度 ていど に抑 おさ えられている。
難点 なんてん としては履 くつ 帯 たい を使用 しよう した走行 そうこう 装置 そうち は重量 じゅうりょう がかさみ、車輪 しゃりん に比較 ひかく すると履 くつ 帯 たい そのものを駆動 くどう するために必要 ひつよう な原動機 げんどうき の負荷 ふか が大 おお きいうえに、騒音 そうおん や振動 しんどう も大 おお きい。構造 こうぞう 上 じょう 、履 くつ 帯 たい は固定 こてい されておらず、テンションをかけすぎると過大 かだい 荷重 かじゅう で切断 せつだん のおそれもあるため多少 たしょう の遊 あそ びが持 も たせてあり、高速 こうそく 回転 かいてん すると遠心 えんしん 力 りょく で履 くつ 帯 たい が浮 う き上 あ がってくる。またサスペンションがあるものはその伸縮 しんしゅく で特 とく に不 ふ 整地 せいち 走行 そうこう 時 じ に履 くつ 帯 たい が緩 ゆる みやすく脱落 だつらく につながるため、高速 こうそく ・長距離 ちょうきょり 走行 そうこう は一般 いっぱん 的 てき に困難 こんなん である。ゴム を用 もち いた特殊 とくしゅ な履 くつ 帯 たい を用 もち いない場合 ばあい 、舗装 ほそう 路 ろ では路面 ろめん を傷 いた めたり、接地 せっち 圧 あつ や摩擦 まさつ 係数 けいすう の低 ひく さによって滑走 かっそう してしまうおそれもある。積雪 せきせつ 地 ち や泥濘 でいねい 地 ち での走行 そうこう では、履 くつ 帯 たい にグローサーと呼 よ ばれる装具 そうぐ を付 つ けて下駄 げた やアイゼン のような歯 は を生 は やす場合 ばあい もあり、グローサーは予備 よび 履 くつ 帯 たい と同様 どうよう に車外 しゃがい に架 か 装 そう して携行 けいこう することもある。また履 くつ 帯 たい が一 いち か所 しょ でも破断 はだん してしまうと走行 そうこう 不能 ふのう になり、交換 こうかん 修理 しゅうり や整備 せいび にも多大 ただい な手間 てま を要 よう する。特 とく に軍用 ぐんよう 車輌 しゃりょう では、近年 きんねん の市街 しがい 戦 せん や対 たい テロ戦争 せんそう において戦車 せんしゃ などの装 そう 軌車輌 しゃりょう が地雷 じらい や即席 そくせき 爆発 ばくはつ 装置 そうち (IED)によって損傷 そんしょう を受 う け、本体 ほんたい が無事 ぶじ でも行動 こうどう 不能 ふのう になるケースが多 おお い。
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材質 ざいしつ 、接合 せつごう 方式 ほうしき 、構造 こうぞう により分類 ぶんるい される。走行 そうこう 性能 せいのう においてはダブルブロックダブルピン構造 こうぞう の物 もの が最 もっと も良好 りょうこう であるが、部品 ぶひん 点数 てんすう が多 おお くなるため、現在 げんざい の第 だい 三 さん 世代 せだい 主力 しゅりょく 戦車 せんしゃ では主 おも にシングルブロックダブルピンが用 もち いられている。
ゴムクローラを4組 くみ 用 もち いた関節 かんせつ 式 しき トラクター
通常 つうじょう 、軍用 ぐんよう 車両 しゃりょう や建設 けんせつ 機械 きかい では鉄 てつ の合金 ごうきん でできたピースやリンク等 とう の部品 ぶひん を多数 たすう 連結 れんけつ した金属 きんぞく 製 せい の履 くつ 帯 たい が用 もち いられる。
ゴム製 せい のクローラはミニショベル や不 ふ 整地 せいち 運搬 うんぱん 車 しゃ などの小型 こがた の建設 けんせつ 機械 きかい では金属 きんぞく 製 せい の履 くつ 帯 たい で舗装 ほそう 路面 ろめん を傷付 きずつ ける事 こと を抑止 よくし する目的 もくてき で用 もち いられ、現代 げんだい のトラクター 、コンバイン 等 ひとし の農業 のうぎょう 機械 きかい 、スノーモービル 、装 そう 輪 わ 車両 しゃりょう ベースの改造 かいぞう 車 しゃ や装 そう 輪 わ 車両 しゃりょう への外 そと 付 づ けの履 くつ 帯 たい においてはゴムクローラが一般 いっぱん 的 てき に使用 しよう される。ゴムクローラは輪 わ になったスチール・ワイヤをゴムで被 こうむ って一体 いったい 成型 せいけい して作 つく られており、泥濘 でいねい 地 ち で使用 しよう してもその構造 こうぞう 上 じょう ピンの摩耗 まもう に起因 きいん する履 くつ 帯 たい の伸 の びがないが、ゴムの経年 けいねん 劣化 れっか や鋭利 えいり な岩 いわ などとの接触 せっしょく により亀裂 きれつ や切断 せつだん 箇所 かしょ を生 しょう じる。ゴムクローラは第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 時 どき の米 べい 軍 ぐん ハーフトラック などで大量 たいりょう 生産 せいさん 使用 しよう され実用 じつよう 性 せい を実証 じっしょう し、近年 きんねん でも材質 ざいしつ の改善 かいぜん により一部 いちぶ の軍用 ぐんよう 車輌 しゃりょう でも使 つか われており、静寂 しじま 性 せい ・高速 こうそく 性 せい ・路面 ろめん 保護 ほご などに優 すぐ れている反面 はんめん 、一 いち か所 しょ の破断 はだん でも履 くつ 帯 たい 全体 ぜんたい を交換 こうかん する必要 ひつよう があり、交換 こうかん 作業 さぎょう も転 うたて 輪 わ を外 はず す必要 ひつよう がある。特 とく に戦闘 せんとう 車両 しゃりょう では戦場 せんじょう での応急 おうきゅう 修理 しゅうり が困難 こんなん な点 てん が敬遠 けいえん され、金属 きんぞく 製 せい 履 くつ 帯 たい に近 ちか い扱 あつか いができる分割 ぶんかつ 式 しき のゴム製 せい 履 くつ 帯 たい が研究 けんきゅう されているが、継 つ ぎ手 て 部分 ぶぶん の強度 きょうど などがハードルとなっている。一方 いっぽう で車両 しゃりょう の運用 うんよう 思想 しそう が、野戦 やせん 修理 しゅうり による継 つぎ 戦 せん よりも人命 じんめい 優先 ゆうせん で損傷 そんしょう 車両 しゃりょう の放棄 ほうき も許容 きょよう する方向 ほうこう にシフトしていることを受 う けて、他面 ためん の性能 せいのう で優 まさ るゴム履 くつ 帯 たい の採用 さいよう 機運 きうん も見 み られる。
シングルピン
前後 ぜんご のブロック(シュー)を繋 つな ぐピンが一本 いっぽん だけのもの。シングルブロックならばピンの数 かず とブロックの数 かず は等 ひと しくなる
ダブルピン
前後 ぜんご のブロック(シュー)を繋 つな ぐのにピンを二 に 本 ほん 用 もち いるもの。
ダブルブロック
接地 せっち ブロック(シュー)が左右 さゆう 二 ふた つのピースからなるもの。多 おお くの場合 ばあい 、それに加 くわ えて中央 ちゅうおう にセンターガイドピースを組 く み合 あ わせて使用 しよう される。
シングルブロック
接地 せっち ブロック(シュー)が一 いち 枚 まい だけのもの。多 おお くの場合 ばあい センターガイドも接地 せっち ブロックと一体化 いったいか されている。
ゴム一体 いったい 式 しき
材質 ざいしつ 参照 さんしょう 。
蛇腹 じゃばら 方式 ほうしき
クローラのピンを左右 さゆう にも折 お れ曲 ま がるように接合 はぎあわ した方式 ほうしき 。イギリス のMk.VIIテトラーク軽 けい 戦車 せんしゃ など一部 いちぶ 車両 しゃりょう に使用 しよう された。ステアリング型 がた の装甲車 そうこうしゃ にも巻 ま けるクローラとして開発 かいはつ され、前輪 ぜんりん を左右 さゆう に振 ふ る車輪 しゃりん に同期 どうき させるため、履 くつ 帯 たい 自体 じたい も左右 さゆう に折 お れ曲 ま がるように設計 せっけい されている。
しかし強度 きょうど が劣 おと り許容 きょよう 荷重 かじゅう が低 ひく いため一般 いっぱん 化 か しなかった。
建設 けんせつ 機械 きかい 等 とう
ローラーチェーン のように組 く み上 あ げられたリンクアッセンブリに多数 たすう の履 くつ 板 ばん (シュー)を取 と り付 つ ける方式 ほうしき 。シューの形状 けいじょう は、乾 いぬい 地 ち 用 よう では地面 じめん に食 く い込 こ むように断面 だんめん がT字 じ 型 がた 、泥濘 でいねい 地 ち 湿地 しっち 用 よう では断面 だんめん が三角形 さんかっけい [2] 。また、舗装 ほそう 路 ろ を傷 いた めるのを防 ふせ ぐため、履 くつ 板 ばん 一 いち 枚 まい 一 いち 枚 まい にゴム 製 せい のパッドを装着 そうちゃく する場合 ばあい がある。
大型 おおがた 転 てん 輪 わ
BT戦車 せんしゃ やT-34 、T-54/55 、T-62 など第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 中 なか から戦後 せんご しばらくのソ連 それん 戦車 せんしゃ によく見 み られる転 てん 輪 わ 。イギリスのカヴェナンター 、クルセーダー 、クロムウェル などの巡航 じゅんこう 戦車 せんしゃ や陸上 りくじょう 自衛隊 じえいたい の74式 しき 戦車 せんしゃ でも採用 さいよう された。転 てん 輪 わ 上部 じょうぶ で上側 うわがわ の履 くつ 帯 たい を支 ささ える(LT-38 のように大型 おおがた 転 てん 輪 わ を採用 さいよう しなおかつ上部 じょうぶ 支持 しじ 転 てん 輪 わ も持 も つ車輛 しゃりょう も存在 そんざい する)。高速 こうそく 走行 そうこう 時 じ に有効 ゆうこう とされるが、転 うたて 輪 わ の装着 そうちゃく 数 すう が必然 ひつぜん 的 てき に少 すく なくなり、転 うたて 輪 わ 間 あいだ の幅 はば が大 おお きくなるため不 ふ 整地 せいち 走行 そうこう 性能 せいのう に難 なん がでる。履 くつ 帯 たい 幅 はば の延長 えんちょう などで改善 かいぜん が可能 かのう 。また、高速 こうそく 走行 そうこう 時 じ に上側 うわがわ の履 くつ 帯 たい が振動 しんどう で破損 はそん しやすい。なお、古 ふる い資料 しりょう ではこの転 てん 輪形 りんけい 式 しき を「クリスティー方式 ほうしき 」と呼 よ ぶこともあったが、正確 せいかく にはサスペンション の形式 けいしき を指 さ すもので、転 うたて 綸のサイズや上部 じょうぶ 支持 しじ 転 てん 輪 わ の有無 うむ は無関係 むかんけい である。
小型 こがた 転 てん 輪 わ
戦車 せんしゃ の登場 とうじょう 初期 しょき より存在 そんざい した転 てん 輪 わ 方式 ほうしき 。小 ちい さな転 てん 輪 わ を数多 かずおお く装着 そうちゃく することで、転 うたて 輪 わ 間 あいだ の隙間 すきま を小 ちい さくでき、不 ふ 整地 せいち 走行 そうこう 性能 せいのう が向上 こうじょう する。しかし、速度 そくど 性能 せいのう に限界 げんかい が生 しょう じ、高速度 こうそくど を求 もと める車両 しゃりょう には向 む かない。チャーチル歩兵 ほへい 戦車 せんしゃ が代表 だいひょう 例 れい 。
中型 ちゅうがた 転 てん 輪 わ
大型 おおがた と小型 こがた の良 よ いところを妥協 だきょう してとった大 おお きさの転 てん 輪 わ 。上側 うわがわ の履 くつ 帯 たい を支 ささ えるための小 ちい さな上部 じょうぶ 支持 しじ 転 てん 輪 わ を持 も つ。両者 りょうしゃ の中 なか 間 あいだ 程度 ていど の可 か もなく不可 ふか もない性能 せいのう で、現在 げんざい 主流 しゅりゅう の戦闘 せんとう 車 しゃ 両用 りょうよう 転 てん 輪 わ 形態 けいたい として落 お ち着 つ いている。
挟 はさ み込 こ み転 てん 輪 わ ・千鳥 ちどり 式 しき 転 うたて 輪 わ
大型 おおがた 転 てん 輪 わ と小型 こがた 転 てん 輪 わ の良 よ いところをすべて盛 も り込 こ もうとして開発 かいはつ された。中型 ちゅうがた もしくは大型 おおがた 転 てん 輪 わ を交互 こうご に左右 さゆう 半 はん 重 がさ ねにして配置 はいち したり、一 いち 個 こ と二 に 個 こ を交互 こうご にはさみ重 かさ ね合 あ わせるようにした形態 けいたい の転 てん 輪 わ である。これにより転 てん 輪 わ の間隔 かんかく を小型 こがた 転 てん 輪 わ 並 なみ にし、不 ふ 整地 せいち 性能 せいのう の向上 こうじょう を期待 きたい することができるうえ、高速 こうそく 高 だか 機動 きどう かつ大型 おおがた の車体 しゃたい が製造 せいぞう 可能 かのう な特徴 とくちょう を持 も たせようとした。しかし、破損 はそん した奥 おく の転 てん 輪 わ を交換 こうかん する際 さい に手前 てまえ の無傷 むきず の転 てん 輪 わ も外 はず さなければならないこと、加 くわ えてトーションバー に損傷 そんしょう を受 う けた場合 ばあい 交換 こうかん にはさらに煩雑 はんざつ さが増 ま すこと、細 こま かく入 い り組 く んだ転 てん 輪 わ の隙間 すきま に泥 どろ などが入 はい り込 こ みやすく冬季 とうき には凍結 とうけつ しやすくなるなど、メンテナンス上 じょう 重大 じゅうだい な問題 もんだい があり、なおかつ、接地 せっち 圧 あつ の解消 かいしょう にはそれほどの結果 けっか を出 だ せなかった。第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後期 こうき にドイツが生産 せいさん したパンター中 ちゅう 戦車 せんしゃ やティーガー重 じゅう 戦車 せんしゃ や各種 かくしゅ ハーフトラックで挟 はさ み込 こ み転 てん 輪 わ 、パンターIIやEシリーズで千鳥 ちどり 式 しき 転 うたて 輪 わ が採用 さいよう されたが、大戦 たいせん 終結 しゅうけつ 以後 いご この形式 けいしき を使 つか う車両 しゃりょう で実際 じっさい に製造 せいぞう されたのはフランスのAMX-50 を除 のぞ けばほとんど存在 そんざい しない。(そのAMX-50も最終 さいしゅう 的 てき に戦力 せんりょく 化 か は断念 だんねん されている。)
起動 きどう 輪 わ (スプロケット・ホイール)
動力 どうりょく 軸 じく と繋 つな がっている車輪 しゃりん 。歯車 はぐるま 状 じょう になっていて履 くつ 帯 たい と噛 か みあって動力 どうりょく を伝達 でんたつ する。エンジンが後部 こうぶ にあることにあわせて後端 こうたん が起動 きどう 輪 わ であることが多 おお いが、前 ぜん 端 はし に存在 そんざい する車両 しゃりょう もある。
遊 ゆう 動輪 どうりん (アイドラー・ホイール)
起動 きどう 輪 わ と反対 はんたい 側 がわ の端 はし に位置 いち し、位置 いち を前後 ぜんご させて履 くつ 帯 たい の張 は り具合 ぐあい を調整 ちょうせい する。金属 きんぞく 履 くつ 帯 たい は使用 しよう と共 とも に接続 せつぞく ピンと周辺 しゅうへん の磨耗 まもう により伸 の びてくるため、調整 ちょうせい が必要 ひつよう になる。
誘導 ゆうどう 輪 わ (フロントアイドラ)
前方 ぜんぽう に配置 はいち された遊 ゆう 動輪 どうりん の事 こと をこのように呼 よ ぶことがある。
Lombard Steam Log Hauler(1901年 ねん 特許 とっきょ 取得 しゅとく )
ホルト75型 がた トラクター,1914年 ねん 頃 ごろ
Hornsby製 せい トラクター
1770年代 ねんだい 、リチャード・ロヴェル・エッジワース (英語 えいご 版 ばん ) が原始 げんし 的 てき な無限 むげん 軌道 きどう を設計 せっけい した。1830年代 ねんだい にはポーランド の数学 すうがく 者 しゃ で発明 はつめい 家 か のハーネー=ウロンスキー が同様 どうよう のアイデアを思 おも いついている[3] 。イギリス の博学 はくがく 者 しゃ ジョージ・ケイリー 卿 きょう は無限 むげん 軌道 きどう の特許 とっきょ を取得 しゅとく し、それを「万能 ばんのう 鉄道 てつどう (universal railway)」と呼 よ んだ[注 ちゅう 1] 。1837年 ねん 、ロシア の発明 はつめい 家 か Dmitry Zagryazhsky は「移動 いどう 式 しき 軌道 きどう つき車両 しゃりょう 」を設計 せっけい して同年 どうねん に特許 とっきょ を取得 しゅとく したが、資金 しきん がないために実働 じつどう するプロトタイプを製作 せいさく できず1839年 ねん に特許 とっきょ を取 と り消 け した。一種 いっしゅ の無限 むげん 軌道 きどう を使 つか った蒸気 じょうき 機関 きかん トラクター が1850年代 ねんだい のクリミア戦争 せんそう で西側 にしがわ 勢力 せいりょく に使 つか われていたという報告 ほうこく もある。1846年 ねん 、イギリスの技術 ぎじゅつ 者 しゃ ジェームス・ボイデル[注 ちゅう 2] が無限 むげん 軌道 きどう (endless railway wheel) の特許 とっきょ を取得 しゅとく した。
実用 じつよう 的 てき な無限 むげん 軌道 きどう の車両 しゃりょう であるロンバード蒸気 じょうき 式 しき 木材 もくざい 牽引 けんいん 車 しゃ (英語 えいご 版 ばん ) を発明 はつめい し製作 せいさく したのはアルヴィン・ロンバード (英語 えいご 版 ばん ) で、1901年 ねん に特許 とっきょ を取得 しゅとく した。彼 かれ は同年 どうねん 、メイン州 しゅう ウォータービル で蒸気 じょうき 機関 きかん を動力 どうりょく にした木材 もくざい 牽引 けんいん 車 しゃ を製作 せいさく した。1917年 ねん までに83台 だい を製作 せいさく し、その後 ご 内燃 ないねん 機関 きかん に切 き り替 か え、1934年 ねん にはフェアバンクス・モース 製 せい ディーゼルエンジンを採用 さいよう した。装 そう 軌車両 しゃりょう の商業 しょうぎょう 化 か という意味 いみ ではアルヴィン・ロンバードが疑 うたが いもなく世界 せかい 初 はつ である。ロンバードの蒸気 じょうき 機関 きかん 車 しゃ は、現在 げんざい も実働 じつどう するものが少 すく なくとも1台 だい 存在 そんざい する[4] 。ガソリンで駆動 くどう するものがオーガスタ のメイン州立 しゅうりつ 博物館 はくぶつかん に展示 てんじ されている。
さらに、ロンバードからライセンス供与 きょうよ を受 う けてフェニックス・センチピード (英語 えいご 版 ばん ) が製作 せいさく したものが倍 ばい 以上 いじょう あり、こちらはシリンダーを垂直 すいちょく に配置 はいち していた。1903年 ねん 、ホルト・マニュファクチャリング・カンパニー (英語 えいご 版 ばん ) (以下 いか ホルト社 しゃ )の創業 そうぎょう 者 しゃ であるベンジャミン・ホルト (英語 えいご 版 ばん ) はロンバードに6万 まん ドルを支払 しはら い、ロンバードの特許 とっきょ を使 つか った車両 しゃりょう 製作 せいさく 権 けん を得 え た。ロンバードがカリフォルニア に移住 いじゅう した後 のち もなんらかの合意 ごうい があったと見 み られるが、この権利 けんり 関係 かんけい がどう決着 けっちゃく したのかは定 さだ かではなく、それぞれの記録 きろく に若干 じゃっかん の食 く い違 ちが いもある。
日本 にっぽん では、富山 とやま 出身 しゅっしん の高松 たかまつ 梅治 うめじ が19世紀 せいき 末 まつ 頃 ごろ に無限 むげん 軌道 きどう を考案 こうあん し、明治 めいじ 44年 ねん (1911年 ねん )に欧米 おうべい 8か国 こく に特許 とっきょ 申請 しんせい し、国内 こくない では農 のう 商務省 しょうむしょう の特許 とっきょ を取得 しゅとく した[5] [6] [7] [8] 。
同 おな じ頃 ごろ 、イギリスのリンカンシャー にあった農機具 のうきぐ 会社 かいしゃ のリチャード・ホーンズビー・アンド・ソン (英語 えいご 版 ばん ) 社 しゃ は、1905年 ねん 装 そう 軌車両 しゃりょう の特許 とっきょ を取得 しゅとく し開発 かいはつ を行 おこな っていた。発明 はつめい 者 しゃ は同社 どうしゃ のデビッド・ロバーツ [9] である。その設計 せっけい はそれまでのものとは違 ちが い地面 じめん に接地 せっち したソリや車輪 しゃりん で操舵 そうだ する代 か わりに、履 くつ 帯 たい をロックして操舵 そうだ するようになっていた。ホーンズビーの装 そう 軌車両 りょう は1905年 ねん から1910年 ねん にかけて、砲兵 ほうへい トラクター とすべくイギリス陸軍 りくぐん が試験 しけん 的 てき に用 もち いたが、正式 せいしき 採用 さいよう されなかった。特許 とっきょ はホルトが買 か い取 と った。ホーンズビーの装 そう 軌車両 しゃりょう は履 くつ 帯 たい の操作 そうさ 方式 ほうしき が現代 げんだい の装 そう 軌車両 しゃりょう と基本 きほん 的 てき に同 おな じスキッドステアであり、その動作 どうさ する様 よう を見 み たイギリス軍 ぐん 兵士 へいし が毛虫 けむし (caterpillar) のようだと皮肉 ひにく った。後 のち にホルトは抜 ぬ け目 め なく「キャタピラー」を商標 しょうひょう とした。
合併 がっぺい と名称 めいしょう 変更 へんこう を経 へ てホルト社 しゃ は1925年 ねん にキャタピラー 社 しゃ となった。キャタピラー社 しゃ 製 せい 装 そう 軌車両 りょう は建設 けんせつ 用 よう 車両 しゃりょう や陸戦 りくせん 用 よう 車両 しゃりょう に革命 かくめい を起 お こし、戦闘 せんとう 用 よう 車両 しゃりょう として使 つか われるうちに無限 むげん 軌道 きどう の改良 かいりょう が進 すす んだ。第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 時 とき 、イギリス軍 ぐん やオーストリア・ハンガリー 軍 ぐん がホルトの装 そう 軌車両 しゃりょう を重砲 じゅうほう の牽引 けんいん 用 よう に使 つか い、いくつかの国 くに では戦車 せんしゃ の開発 かいはつ が活発 かっぱつ 化 か した。イギリスが開発 かいはつ した世界 せかい 初 はつ の戦車 せんしゃ であるマーク I 戦車 せんしゃ はホルトの装 そう 軌車両 しゃりょう に着想 ちゃくそう を得 え てはいるが、一 いち から設計 せっけい されていた。しかし、そのすぐ後 のち にフランス やドイツ で開発 かいはつ された戦車 せんしゃ はホルトの装 そう 軌車両 しゃりょう を改造 かいぞう したものだった。
マルダー歩兵 ほへい 戦闘 せんとう 車 しゃ の履 くつ 帯 たい 。 踏面に黒 くろ く見 み える部分 ぶぶん がゴムパッド。
ゴムクローラでは問題 もんだい とはならないが、従来 じゅうらい 型 がた の鉄 てつ クローラで舗装 ほそう 路 ろ を走 はし ると、舗装 ほそう を傷 いた める恐 おそ れがある。また平滑 へいかつ な路面 ろめん ではクローラー踏面との摩擦 まさつ 力 りょく が下 さ がるため、高 たか い速度 そくど での走行 そうこう 中 ちゅう に舵 かじ を切 き るといった場合 ばあい にスリップする恐 おそ れもある。加 くわ えて走 はし るのに必要 ひつよう なエネルギーが大 おお きく、舗装 ほそう 路上 ろじょう では装 そう 輪 わ 車両 しゃりょう に比 くら べると著 いちじる しく燃費 ねんぴ が悪 わる い。さらに公道 こうどう を走 はし るにあたってはクローラで走 はし ること自体 じたい が規制 きせい に抵触 ていしょく する[注 ちゅう 3] 、コストや仕様 しよう 上 じょう の理由 りゆう でナンバーを取得 しゅとく していない、といった場合 ばあい もあり、建設 けんせつ 機械 きかい が移動 いどう する際 さい は、単車 たんしゃ のトラック 又 また は低 てい 床 ゆか 式 しき トレーラー型 かた の重機 じゅうき キャリア に載 の せて運 はこ ぶことになる。
戦車 せんしゃ をはじめとする装 そう 軌式の装甲 そうこう 戦闘 せんとう 車両 しゃりょう も、戦車 せんしゃ 運搬 うんぱん 車 しゃ に搭載 とうさい して移送 いそう することが多 おお い。現在 げんざい は、路面 ろめん を傷 いた めないよう各 かく 履 くつ 板 ばん (シュー)にゴムパッドを着脱 ちゃくだつ できる鉄 てつ 履 くつ 帯 たい が普及 ふきゅう しつつある。履 くつ 板 ばん の形状 けいじょう が違 ちが えば着脱 ちゃくだつ 可能 かのう なゴムパッドの形状 けいじょう も異 こと なり、日本 にっぽん の90式 しき 戦車 せんしゃ の鉄 てつ 履 くつ 帯 たい では各 かく 履 くつ 板 ばん に1個 いっこ ずつ横長 よこなが のゴムパッドが付 つ けられる。路面 ろめん にゴム跡 あと が付 つ くものの、接地 せっち 面 めん がゴムなので舗装 ほそう 路 ろ をあまり傷 いた めず、騒音 そうおん も軽減 けいげん できるため、公道 こうどう などを走行 そうこう する際 さい はゴムパッドの装着 そうちゃく が必須 ひっす となっている。反面 はんめん 、ゴムパッドを付 つ けたままだと不 ふ 整地 せいち 、特 とく にぬかるんだ傾斜地 けいしゃち では滑 すべ りやすくなる。
また、戦車 せんしゃ が配備 はいび されている陸上 りくじょう 自衛隊 じえいたい の一部 いちぶ 駐屯 ちゅうとん 地 ち 近 ちか くの道路 どうろ では、アスファルト の舗装 ほそう を完全 かんぜん に撤去 てっきょ し、コンクリート で舗装 ほそう した公道 こうどう を戦車 せんしゃ が走行 そうこう するといった例 れい もある。
^ The Mechanics' Magazine、1826年 ねん 1月 がつ 28日 にち
^ James Boydell, See en:Charles_Burrell_&_Sons#1848_to_1906:_Growth_with_steam
^ 日本 にっぽん ではたとえば車両 しゃりょう 制限 せいげん 令 れい 第 だい 8条 じょう など。海外 かいがい ではカンボジアの道路 どうろ 交通 こうつう 法 ほう (第 だい 8条 じょう の5を参照 さんしょう されたい)のように、クローラで道路 どうろ を走 はし ることを全面 ぜんめん 的 てき に禁止 きんし している例 れい もある。
主要 しゅよう 記事 きじ 種類 しゅるい 分類 ぶんるい 移動 いどう 研究 けんきゅう 関連 かんれん