ナチス・ドイツによる略奪とは、第三帝国時代のヨーロッパ諸国でナチス・ドイツの職員が組織的に行った略奪であり、盗まれた物には美術品やその他の品物があった。戦時中に大部分の略奪品が取得され、特には芸術保護の名目によって、1933年から第2次世界大戦の終結まで略奪が行われた。金、銀、通貨に加えて、絵画、陶磁器、書籍、宗教財宝などの文化的な物品が盗まれた。これらの物品のほとんどは、戦争直後に、同盟国に代わって、Monuments, Fine Arts, and Archives program(MFAA)の職員により回収されたが、その多くは未だ失われている。正当な所有者、その家族、またはそれぞれの国に物品を最終的に返却することを目的として、未だにあるナチスの略奪品を特定する国際的な努力が行われている。
ロナルド・W・ツヴァイグ(英語版)著、寺尾信昭訳『ホロコーストと国家の略奪―ブダペスト発「黄金列車」のゆくえ』みすず書房、2008年。(原書 Zweig, Ronald W (2002), The Gold Train: The Destruction of the Jews and the Looting of Hungary, William Morrow)
リン・H・ニコラス(英語版)著、高橋早苗訳『ヨーロッパの略奪:ナチス・ドイツ占領下における美術品の運命(英語版)』白水社、2020年。(原書 Nicholas, Lynn H. (1994), The Rape of Europa: The Fate of Europe's Treasures in the Third Reich and the Second World War, Knopf)