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プラット・アンド・ホイットニー F135

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

F135は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく航空こうくうようエンジンメーカー、プラット・アンド・ホイットニー開発かいはつした戦闘せんとうようジェットエンジンである。ロッキード・マーティン開発かいはつしたF-35 ライトニング II搭載とうさいされるアフターバーナー装備そうびターボファンエンジンであり、通常つうじょう離着陸りちゃくりくがた (CTOL)、短距離たんきょり離陸りりく垂直すいちょく着陸ちゃくりくがた (STOVL)、艦載かんさいかた (CATOBAR) と3機種きしゅ予定よていされているF-35のそれぞれに対応たいおうする派生はせいがたエンジンが用意よういされる予定よていである。

F-35の推進すいしんシステムは2000ねんX-32X-35実証じっしょうされた[注釈ちゅうしゃく 1][1]

開発かいはつ[編集へんしゅう]

プラット・アンド・ホイットニーは、ほんエンジンより以前いぜんF-22 ラプターようとしてF119開発かいはつしていた。F135は、このF119をもと開発かいはつされた。F135はF119のコアと、JSFようあらたなコンポーネントを統合とうごうしたもので、F119とことなり、かく1だんずつだったこうあつ低圧ていあつタービンのうち低圧ていあつタービンが2だんになっている。

F135は2じくしきのターボファンエンジンで、6段式だんしきだかあつ圧縮あっしゅくを1段式だんしきだかあつタービンで駆動くどうするこうあつ圧縮あっしゅくじく、3段式だんしき低圧ていあつ圧縮あっしゅくを2段式だんしき低圧ていあつタービンで駆動くどうする低圧ていあつじくから構成こうせいされる。F119と同様どうようこうあつ圧縮あっしゅく・タービンじく低圧ていあつ圧縮あっしゅく・タービンじくぎゃく回転かいてんする同軸どうじく反転はんてん形式けいしきである。

F135は整備せいび簡便かんべんになること主眼しゅがんをおいて設計せっけいされている。そのためF119にくらべて部品ぶひん点数てんすうやく40%削減さくげんされており、すべての部品ぶひん通常つうじょう使用しようする6種類しゅるい工具こうぐ脱着だっちゃく交換こうかんできるように設計せっけいされているので、支援しえん設備せつびが50%すくなくてむ。くわえて、自己じこ診断しんだん機能きのうそなえているため整備せいび補給ほきゅう部品ぶひん管理かんり容易よういになっている。

F135を搭載とうさいした最初さいしょのF-35の試験しけん飛行ひこうは2008ねん6がつ11にちにF-35B(STOVL) 試験しけんBF-1によっておこなわれ、水平すいへい飛行ひこう成功せいこうしている。2010ねん3がつ18にちにBF-1は、垂直すいちょく飛行ひこう成功せいこうした[注釈ちゅうしゃく 2]初期しょき生産せいさんされるF-35シリーズには、すべてF135が搭載とうさいされる予定よていである。

当初とうしょGE・アビエーションしゃロールス・ロイスが、F-35シリーズようべつのエンジンであるF136開発かいはつ[1]配備はいび計画けいかくへの冗長じょうちょうせい予定よていであったが、F136は2011ねん12月2にち開発かいはつ中止ちゅうしされたためF-35のエンジンはF135のみとなった。F135を搭載とうさいしたF-35Bは、2015ねん8がつ初期しょき作戦さくせん能力のうりょく獲得かくとく宣言せんげんされ、世界せかい各国かっこく実際じっさい任務にんむこととなる。

P&W F135 チーム[編集へんしゅう]

プラット・アンド・ホイットニー
しゅ契約けいやくしゃ、メインエンジン、システム統括とうかつ
ロールス・ロイス
STOVLもちい垂直すいちょく浮揚ふようシステムのリフトファン
ハミルトン・スタンダード
電子でんししきエンジン制御せいぎょ装置そうち、エンジン監視かんし装置そうち外装がいそう燃料ねんりょう系統けいとう、アクチュエーター、PMAG、ギアボックス

形式けいしき[編集へんしゅう]

F135-PW-100[編集へんしゅう]

F-35A使用しようされる通常つうじょう離着陸りちゃくりく (CTOL) がたである。基本きほんがた

F135-PW-600[編集へんしゅう]

F135-PW-600

F-35B使用しようされる短距離たんきょり離陸りりく垂直すいちょく着陸ちゃくりく (STOVL) がたである。前方ぜんぽう垂直すいちょく上昇じょうしょうようのリフトファンをそなえ、垂直すいちょく着陸ちゃくりくはエンジンノズルがした偏向へんこうするという特徴とくちょうつ。滑走かっそういためるおそれがあるためノズルの偏向へんこうにアフターバーナーを使用しようすることはできず、同時どうじにドライ最大さいだい推力すいりょく制限せいげんされる。リフトファンは本体ほんたいからびるクラッチかいして駆動くどうする。

インレット直径ちょっけい1.17m、エンジン最大さいだいみち1.27m、リフトファンみち1.30m、全長ぜんちょう9.37m(リフトファンをふくむ)である。

F135-PW-400[編集へんしゅう]

F-35C使用しようされる艦載かんさい (CV) がたである。塩害えんがい対策たいさくほどこされている[1]

仕様しよう[編集へんしゅう]

試験しけんちゅうのF135
F135-100・F135-400[2]
形式けいしき アフターバーナーきターボファンエンジン
全長ぜんちょう 5.59 m
直径ちょっけい 最大さいだい117 cm、ファンインレット109 cm
重量じゅうりょう 1,701 kg(3,750 lbs)
圧縮あっしゅく 3だんじくりゅう低圧ていあつ圧縮あっしゅく ・6だんじくりゅうだかあつ圧縮あっしゅく
燃焼ねんしょう アニュラがた
タービン 1だんだかあつ・2だん低圧ていあつタービン
タービン入口いりくち温度おんど 3,600 °F (1,980 °C; 2,260 K)
推力すいりょく
  • ミリタリー推力すいりょく 28,000 lbf(128.1 kN)
  • 最大さいだい推力すいりょく 43,000 lbf(191.35 kN)
圧縮あっしゅく 28
燃料ねんりょう消費しょうひりつ 0.886 lb/(hr·lbf) or 25,0 g/kN·s (w/o afterburner)
バイパス 0.57
推力すいりょく重量じゅうりょう
  • ドライ 7.467
  • A/B使用しよう 11.467
F135-600[3]
形式けいしき アフターバーナーきターボファンエンジン+ターボシャフト(リフトファン)
全長ぜんちょう 937.3 cm
直径ちょっけい 最大さいだい116.8 cm 、ファンインレット109.2 cm 、リフトファンインレット134.6 cm
推力すいりょく
  • STO 40,740 lbs(181.2 kN)
  • ホバー推力すいりょく 40,650 lbs(180.8 kN)
    • メインエンジン 18,680 lbs(83.1 kN)
    • リフトファン 18,680 lbs(83.1 kN)
    • ロールポスト 3,290 lbs(14,6 kN)

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 計画けいかくではF-35はF-16 ファイティング・ファルコンハリアーBAe シーハリアーAV-8B ハリアーIIF/A-18A-D ホーネットえる予定よていである。。
  2. ^ F-35は2016ねんから量産りょうさん開始かいしされる予定よていとされ、それらはアメリカ空軍くうぐん海軍かいぐん海兵かいへいたいイギリス空軍くうぐん海軍かいぐんなどをはじめ世界せかい国々くにぐに運用うんようされる予定よていである。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c 「F-X候補こうほ F-35の先進せんしんせい」『航空こうくうファン』2010ねん1がつごう
  2. ^ Engine for F-35A Conventional Take Off and Landing (CTOL)
  3. ^ Power for F-35B Short Take Off and Vertical Landing (STOVL)

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

  • Pratt & Whitney F135 page - プラット・アンド・ホイットニー公式こうしきサイト英語えいご
  • F135 gallery英語えいご
  • F135 ENGINE (PDF) - プラット・アンド・ホイットニー公式こうしき資料しりょう英語えいご