倒産とうさん

倒産とうさん（とうさん）とは、明確めいかくな定義ていぎはないが、概おおむね、個人こじんや法人ほうじんなどの経済けいざい主体しゅたいが経済けいざい的てきに破綻はたんして弁済べんさい期きにある債務さいむを一般いっぱん的てきに弁済べんさいできなくなり、経済けいざい活動かつどうをそのまま続つづけることが不可能ふかのうになること（あるいはそのような恐おそれが生しょうじること）をいう。

法人ほうじんの場合ばあいは、経営けいえい破綻はたん（けいえいはたん）ともいう。なお、一いち社しゃの企業きぎょうが倒産とうさんすることにより、関連かんれん会社かいしゃや取引とりひき企業きぎょうが連鎖れんさ的てきに倒産とうさんすることを連鎖れんさ倒産とうさん（れんさとうさん）という。

また、日本にっぽんにおいては「会社かいしゃが潰つぶせれる」・「あの会社かいしゃは潰つぶれた」などの俗ぞく的てきな表現ひょうげんもある。

倒産とうさん状態じょうたいになった経済けいざい主体しゅたいによる、債権さいけん者しゃへの弁済べんさいのための処理しょりないし手続てつづきを、倒産とうさん処理しょりないし倒産とうさん（処理しょり）手続てつづきといい、私的してき・法的ほうてきの区別くべつと清算せいさん型がた・再建さいけん型がたの区別くべつとがある。

法的ほうてき倒産とうさん手続てつづきには、日本にっぽんの場合ばあい、破産はさん・会社かいしゃ更生こうせい・民事みんじ再生さいせいなどがある。倒産とうさん手続てつづきは、債権さいけん者しゃから申もうし立たてられる場合ばあいと債務さいむ者しゃ（倒産とうさん者しゃ）自身じしんが申もうし立たてる場合ばあいのほか、特殊とくしゅなケースとして監督かんとく当局とうきょくの申立もうしたてによって開始かいしすることもある。

歴史れきし

西洋せいよう

旧約きゅうやく聖書せいしょとユダヤ教きょう聖典せいてんにおいては、モーセの律りつ法ほうが、聖きよし年ねん（ヨベルの年とし）が50年ねんごとに訪おとずれ、天てんの命令めいれいにより、ユダヤ人じんの間あいだですべての債務さいむが除のぞかれ、すべての債務さいむ奴隷どれいは自由じゆうの身みになると定さだめている。さらに、聖書せいしょの申さる命いのち記き15:1-2では、債務さいむ免除めんじょのヘブライ（ユダヤ）法ほうを見みることができ、そこでは7年ねんごとに債務さいむを免除めんじょすることを命めいじている。

古代こだいギリシアでは、倒産とうさん（破産はさん）というものは存在そんざいしなかった。もし父ちちが債務さいむを負おい（都市としで生うまれた成年せいねん男子だんしのみが市民しみんとなることができたので、法的ほうてきに財産ざいさんの所有しょゆう者しゃとなるのは「父ちち」であった。）、それを支払しはらうことができなくなれば、彼かれの全ぜん家族かぞく（妻つま・子こども・使用人しようにん）は、債権さいけん者しゃが彼かれらの労働ろうどうによって損失そんしつを取とり戻もどすまでの間あいだ、債務さいむ奴隷どれいとされた。古代こだいギリシアの多おおくの都市とし国家こっかでは、債務さいむ奴隷どれいとなる期間きかんを5年間ねんかんに限かぎっており、また債務さいむ奴隷どれいは生命せいめいと手足てあしについては保護ほごされていた。これは通常つうじょうの奴隷どれいには与あたえられていない保護ほごであった。ただし、債務さいむ者しゃの使用人しようにんについては債権さいけん者しゃがその一線いっせんを超こえることもあり、新あたらしい主人しゅじんに死しぬまで仕つかえさせられることも多おおかった。そのような場合ばあい、労働ろうどう条件じょうけんは以前いぜんよりずっと過酷かこくであるのが普通ふつうであった。

英語えいごの bankruptcy という単語たんごは、古代こだいラテン語らてんごのbancus（台たい、テーブル）とruptus（壊こわれた）から生成せいせいされた。bank（銀行ぎんこう）はもともとは台だいのことを指さしている。昔むかしの銀行ぎんこう家かたちは、公おおやけの場所ばしょ、市場いちばや定期ていき市しなどで、台だいを持もち、そこでお金かねを徴収ちょうしゅうしたり為替かわせ手形てがたを書かいたりしていた。そのため、銀行ぎんこう家かが破綻はたんすると、彼かれはその台だいを壊こわし、公衆こうしゅうに、台たいの所有しょゆう者しゃはもはや事業じぎょうを続つづける状況じょうきょうにはなくなったということを知しらせた。この慣行かんこうはイタリアでよく行おこなわれており、bankruptという単語たんごはイタリア語ごのbanco rotto（broken bank）に由来ゆらいすると言いわれている。しかし、フランス語ふらんすごのbanque（テーブル）とroute（痕跡こんせき・足跡あしあと）から来きているとする人ひともいる。これは、以前いぜんは地面じめんに固定こていされていたが今いまはなくなってしまったテーブルの、地面じめんに残のこった跡あとの隠喩いんゆである。このように考かんがえる人ひとは、破産はさん者しゃの起源きげんは、古代こだいローマの mensarii や argentarii に遡さかのぼるとする。彼かれらは公おおやけの場所ばしょに tabernae や mensae という持もち場ばを持もっており、夜逃よにげをするときや委託いたくされたお金かねを持もって逃にげるときには、自分じぶんの持もち場ばの痕跡こんせきだけを跡あとに残のこして行いった。

英えい米べい法ほう上じょう、債務さいむの免除めんじょを伴ともなう破産はさん制度せいどが導入どうにゅうされたのは、1705年ねんのアン女王じょおう時代じだいの制定せいてい法ほうにおいてであり、そこでは、支払しはらい不能ふのうとなった債務さいむについては、可能かのうな限かぎりの支払しはらいをするための資産しさんを集あつめるのに協力きょうりょくした破産はさん者しゃに対たいする報奨ほうしょうとして、免除めんじょが与あたえられた。

東ひがしアジア

東ひがしアジアでも、破産はさんについての記録きろくが残のこっている。チンギス・ハーン法典ほうてんには、3回かい破産はさんをした者ものに死刑しけいを科かすとの規定きていがあった。

現代げんだい

現代げんだいの倒産とうさん法制ほうせいや事業じぎょうの債務さいむ整理せいりは、清算せいさん及および支払しはらい不能ふのうになった者ものの排除はいじょよりも、経済けいざい的てき困窮こんきゅうに陥おちいった債務さいむ者しゃを財政ざいせい的てき・組織そしき的てきに再建さいけんし、事業じぎょうの更生こうせいと継続けいぞくを許ゆるすことに重点じゅうてんが置おかれてきている。

日本にっぽん

概要がいよう

法学ほうがく上じょうの文面ぶんめんでも破産はさんや民事みんじ再生さいせいなどのいわゆる法的ほうてき倒産とうさん手続てつづきを総称そうしょうする概念がいねんとして「倒産とうさん」の文言もんごんを用もちいることがあるが、法令ほうれい上じょうに定義ていぎある語かたりではない。明治めいじ時代じだいに、フランス語ふらんすごの faillite の訳語やくごとして「破産はさん」あるいは「倒産とうさん」の語かたりが用もちいられたが、法令ほうれい上じょう「破産はさん」の語かたりが用もちいられるようになったとされている。

日常にちじょう用語ようごとしては経営けいえいが行いき詰づまり会社かいしゃがなくなる、といった限定げんてい的てきなニュアンスで使つかわれる場合ばあいもあるが、倒産とうさんの対象たいしょうとなる経済けいざい主体しゅたいは会社かいしゃだけではなく個人こじん（自然人しぜんじん）も含ふくまれる。また、会社かいしゃを含ふくむ法人ほうじんが経済けいざい主体しゅたいの場合ばあいであっても、再生さいせい型がたの倒産とうさん手続てつづきがあることから、必かならずしも法人ほうじんがなくなるとは限かぎらない。

1990年代ねんだい後半こうはん以降いこう、会社かいしゃの倒産とうさんについての新聞しんぶんなどの報道ほうどうでは、「経営けいえい破綻はたん」（または単たんに「破綻はたん」）という言葉ことばが使つかわれることが多おおい。日常にちじょう用語ようごで「（会社かいしゃが）つぶれる」というのも倒産とうさんとほぼ同おなじ意味いみで使つかわれる。

どの時点じてんで倒産とうさんと評価ひょうかするかについて、明確めいかくな基準きじゅんはないが、東京商工とうきょうしょうこうリサーチでは、次つぎのような状況じょうきょうになった場合ばあいに企業きぎょうの「倒産とうさん」と表現ひょうげんしている。帝国ていこくデータバンクでも同様どうようの基準きじゅんを用もちいている。

• 6月以内いないに2回かい目めの手形てがた不渡ふわたりを出だし、銀行ぎんこう取引とりひき停止ていし処分しょぶんを受うけたとき
• 裁判所さいばんしょに以下いかの法的ほうてき整理せいり手続てつづきの申立もうしたてをしたとき
  • 会社かいしゃ更生こうせい法ほうに基もとづく会社かいしゃ更生こうせい手続てつづき
  • 民事みんじ再生さいせい法ほうに基もとづく再生さいせい手続てつづき
  • 破産はさん手続てつづき
  • 特別とくべつ清算せいさん
• 任意にんい整理せいり（私的してき整理せいり、内うち整理せいり）を開始かいししたとき

法的ほうてき倒産とうさん手続てつづきによらず、債権さいけん者しゃとの話はなし合あいにより債務さいむ整理せいりを図はかる方法ほうほうである。

また、雇用こよう保険ほけんの特定とくてい受給じゅきゅう資格しかく者しゃの「倒産とうさん」等とうにより離職りしょくした者ものの定義ていぎは

1. 倒産とうさん（破産はさん、民事みんじ再生さいせい、会社かいしゃ更生こうせい等とうの各かく倒産とうさん手続てつづきの申立もうしたて又または手形てがた取引とりひきの停止ていし等とう） に伴ともない離職りしょくした者もの
2. 事業じぎょう所しょにおいて大量たいりょう雇用こよう変動へんどうの場合ばあい （1か月げつに30人にん以上いじょうの離職りしょくを予定よてい） の届出とどけでが されたため離職りしょくした者もの及および当該とうがい事業じぎょう主ぬしに雇用こようされる被ひ保険ほけん者しゃの3分ぶんの1を超こえる者ものが 離職りしょくしたため離職りしょくした者もの
3. 事業じぎょう所しょの廃止はいし （事業じぎょう活動かつどう停止ていし後ご再開さいかいの見込みこみのない場合ばあいを含ふくむ。）に伴ともない離職りしょくした者もの
4. 事業じぎょう所しょの移転いてんにより、 通勤つうきんすることが困難こんなんとなったため離職りしょくした者もの

とある。上記じょうき 1. と 3. （任意にんい整理せいり）が東京商工とうきょうしょうこうリサーチや帝国ていこくデータバンクでの倒産とうさんの定義ていぎに相当そうとうする。

毎月まいつき中頃なかごろ、マスメディアを通つうじて前月ぜんげつ倒産とうさん件数けんすう（4月がつは前年度ぜんねんど倒産とうさん件数けんすうも）が発表はっぴょうされるが、これは東京商工とうきょうしょうこうリサーチと帝国ていこくデータバンクがマスコミ各社かくしゃに行いったプレスリリースを基もとにしている。帝国ていこくデータバンクは、手形てがたを使用しようしない商しょう習慣しゅうかんの拡大かくだいや、個人こじん情報じょうほう保護ほご法ほうの施行しこうなどの理由りゆうにより情報じょうほう収集しゅうしゅうが困難こんなんになったとして、2005年ねんに倒産とうさん集計しゅうけいの基準きじゅんから「銀行ぎんこう取引とりひき停止ていし処分しょぶん」を削除さくじょした。東京商工とうきょうしょうこうリサーチは独自どくじの情報じょうほう網もうを通つうじての取材しゅざい活動かつどうによれば、「銀行ぎんこう取引とりひき停止ていし処分しょぶん」の集計しゅうけいも可能かのうとして、これを維持いじした。このため、従来じゅうらいの統計とうけいとの整合せいごう性せいを持もつ倒産とうさん件数けんすうは、東京商工とうきょうしょうこうリサーチ発表はっぴょうによるもののみである。

なお、日本にっぽん国内こくないの地方ちほう公共こうきょう団体だんたいにおいて財政ざいせいが行いき詰づまった場合ばあい、地方ちほう財政ざいせい再建さいけん促進そくしん特別とくべつ措置そち法ほう（再建さいけん法ほう）に基もとづき、自治体じちたいが財政ざいせい再建さいけん団体だんたいの指定していを申請しんせいし許可きょかを受うけることがある。これを指さして「自治体じちたいの倒産とうさん」と表現ひょうげんすることがある。

事実じじつ上じょうの倒産とうさん

経済けいざい主体しゅたいが企業きぎょうである場合ばあい、 手形てがたや小切手こぎっての1回かい目めの不渡ふわたりから6か月げつ以内いないに2回かい目めの不渡ふわたりを出だした場合ばあい、銀行ぎんこう取引とりひき停止ていし処分しょぶんとなる。こうなると、すべての銀行ぎんこうにおいて当座とうざ取引とりひきおよび貸付かしつけを受うけることが不可能ふかのうになるため、企業きぎょうの資金繰しきんぐりは断たたれる。このような状態じょうたいをして事実じじつ上じょうの倒産とうさんと呼よぶ。

このような場合ばあいでも、法人ほうじんの解散かいさん事由じゆう（破産はさん手続てつづきの開始かいし等とう）が生しょうじたわけではないから、法人ほうじんとしての存続そんぞくは否定ひていされたものではないが、多おおくの場合ばあい、法的ほうてき倒産とうさん処理しょり手続てつづきまたは任意にんい的てき倒産とうさん処理しょり（私的してき整理せいり）に移行いこうすることから、当該とうがい時点じてんにおいて「事実じじつ上じょう」というい方いかたを用もちいる。また、帝国ていこくデータバンクなどの信用しんよう調査ちょうさ会社かいしゃでは、企業きぎょうが事業じぎょう停止ていししかつ事後じご処理しょりを弁護士べんごしに一任いちにんした時点じてんで事実じじつ上じょうの倒産とうさん（この時点じてんで倒産とうさん集計しゅうけいには入はいらないが破産はさん手続てつづきに入はいることがほぼ確実かくじつなため）として倒産とうさん情報じょうほうを出だしている。

なお、かつて新聞しんぶんなどでは、再建さいけん型がたの法的ほうてき倒産とうさん処理しょり手続てつづき（下した節ぶし参照さんしょう）に着手ちゃくしゅした場合ばあいでも「事実じじつ上じょうの倒産とうさん」という言葉ことばを使用しようしていたが、近年きんねんでは「事実じじつ上じょうの倒産とうさん」ではなく、「経営けいえい破綻はたん」という言葉ことばを使用しようする場合ばあいが多おおくなっている（前述ぜんじゅつ）。

法的ほうてき倒産とうさん処理しょり手続てつづき

裁判所さいばんしょの監督かんとくの下したで行おこなわれる倒産とうさん処理しょり手続てつづきであり、この文脈ぶんみゃくでは、「倒産とうさん」は経済けいざい主体しゅたいが経済けいざい的てきに完全かんぜんに破綻はたんした場合ばあいのみならず、破綻はたんするおそれがある場合ばあいをも含ふくめて理解りかいするのが一般いっぱん的てきである。大おおまかに分類ぶんるいすると、清算せいさん型がたと再建さいけん型がたに分わかれる。

清算せいさん型がたは、倒産とうさん状態じょうたいになった債務さいむ者しゃの財産ざいさんを換価かんかして債権さいけん者しゃに可能かのうな限かぎり弁済べんさいすることを目的もくてきとする制度せいどであり、債務さいむ者しゃが法人ほうじんである場合ばあいにはその存続そんぞく・再建さいけんを予定よていしないのに対たいし、再建さいけん型がたは、倒産とうさん状態じょうたいになった債務さいむ者しゃの財産ざいさんを直ただちに換価かんか・分配ぶんぱいすることは必かならずしも予定よていされず、債権さいけん者しゃらの権利けんりを変更へんこう（債務さいむの減免げんめん、期限きげんの猶予ゆうよ＝分割ぶんかつ弁済べんさいなど）したうえで、現有げんゆう財産ざいさんを基礎きそにして収益しゅうえきを上あげ、権利けんり変更へんこう後ごの債務さいむについて弁済べんさいすること等とうにより、債務さいむ者しゃの事業じぎょう又または経済けいざい生活せいかつの経済けいざい的てき再生さいせいを目的もくてきとする制度せいどであるとされている。

もっとも、両者りょうしゃの差異さいは相対そうたい的てきなものであることに注意ちゅういが必要ひつようである。清算せいさん型がたに位置いちづけられる破産はさん手続てつづきは、これに付随ふずいする免責めんせき手続てつづきの存在そんざいにより、いわゆる個人こじん破産はさん（消費しょうひ者しゃ破産はさん）の場面ばめんでは再建さいけん型がたとして事実じじつ上じょう機能きのうしていることがほとんどであり、再建さいけん型がたに位置いちづけられる民事みんじ再生さいせい手続てつづき又または会社かいしゃ更生こうせい手続てつづきにおいて、清算せいさんを目的もくてきとした再生さいせい計画けいかく案あん又または更生こうせい計画けいかく案あんが作成さくせいされることもある。

また、金融きんゆう機関きかん等とうの特殊とくしゅな業態ぎょうたいについては、法的ほうてき倒産とうさん処理しょり手続てつづき以外いがいに、特別とくべつ法ほう（金融きんゆう機関きかん等とうの更生こうせい手続てつづきの特例とくれい等とうに関かんする法律ほうりつ）に基もとづく破綻はたん処理しょりが予定よていされているものがある。

清算せいさん型がた手続てつづき

破産はさん手続てつづき

破産はさん法ほう（平成へいせい16年ねん法律ほうりつ第だい75号ごう）により規律きりつされる手続てつづきであり、裁判所さいばんしょが選任せんにんした破産はさん管財かんざい人じんが支払しはらい不能ふのう又または債務さいむ超過ちょうかの状態じょうたいにある者ものの財産ざいさんを清算せいさんすることを目的もくてきとした手続てつづきである。もっとも、消費しょうひ者しゃ破産はさんの急増きゅうぞうにより、個人こじんが破産はさんを申もうし立たてる場合ばあいは、破産はさん手続てつづき開始かいしの決定けっていはしつつも手続てつづき費用ひようの不足ふそくを理由りゆうに破産はさん管財かんざい人じんを選任せんにんしないことが多おおく（同時どうじ廃止はいし）、その結果けっか、財産ざいさんの換価かんか・清算せいさんではなく、専もっぱら免責めんせきを得えるために手続てつづきが利用りようされることが多おおい。

破産はさん者しゃを更生こうせいさせ、人間にんげんに値あたいする生活せいかつを営いとなむ権利けんりを保障ほしょうすることも必要ひつようであり、さらに、もし免責めんせきを認みとめないとすれば、債務さいむ者しゃは概がいして資産しさん状態じょうたいの悪化あっかを隠かくし、最悪さいあくの事態じたいにまで持もちこむ結果けっかとなって、却かえって債権さいけん者しゃを害がいする場合ばあいが少すくなくないから、免責めんせきは債権さいけん者しゃにとっても最悪さいあくの事態じたいをさける所以ゆえんである。これらの点てんから見みて、免責めんせきの規定きていは、公共こうきょうの福祉ふくしのため憲法けんぽう上じょう許ゆるされた必要ひつようかつ合理ごうり的てきな財産ざいさん権けんの制限せいげんである。

特別とくべつ清算せいさん手続てつづき

会社かいしゃ法ほう（平成へいせい17年ねん法律ほうりつ第だい86号ごう）第だい2編へん第だい9章しょう第だい2節せつ第だい1款により規律きりつされる手続てつづきであり、解散かいさんして清算せいさん手続てつづきに入はいった株式会社かぶしきがいしゃ（特例とくれい有限ゆうげん会社かいしゃは不可ふか）について、清算せいさんの遂行すいこうに著いちじるしい支障ししょうを来きたす事情じじょうがある場合ばあいや、債務さいむ超過ちょうかの疑うたがいがある場合ばあいに、清算せいさん人じんが裁判所さいばんしょの監督かんとくの下したで清算せいさんを行おこなう手続てつづきである。会社かいしゃ法ほうに組くみ込こまれている手続てつづきであり独立どくりつした法典ほうてんが存在そんざいしないが、倒産とうさん四よん法制ほうせいの一ひとつとして位置いちづけられている。破産はさん手続てつづきと異ことなり、原則げんそくとして従前じゅうぜんの清算せいさん人じんがそのまま清算せいさん手続てつづきを行おこなう。

再建さいけん型がた手続てつづき

民事みんじ再生さいせい手続てつづき

民事みんじ再生さいせい法ほう（平成へいせい11年ねん法律ほうりつ第だい225号ごう）により規律きりつされる手続てつづきであり、経済けいざい的てきに窮境きゅうきょうにある者ものについて、債権さいけん者しゃの多数たすうの同意どういを得えてかつ裁判所さいばんしょの認可にんかを受うけた再生さいせい計画けいかくを定さだめること等とうにより、事業じぎょう又または経済けいざい生活せいかつの再生さいせいを図はかることを目的もくてきとする手続てつづきである。和議わぎ法ほう（大正たいしょう11年ねん法律ほうりつ第だい72号ごう）により規律きりつされていた和議わぎ手続てつづきに代かわるものとして設もうけられた（民事みんじ再生さいせい法ほうの制定せいていに伴ともない和議わぎ法ほうは廃止はいし）。民事みんじ再生さいせい手続てつづきの対象たいしょうとなる経済けいざい主体しゅたいは特とくに限定げんていされていないが、個人こじんが手続てつづきを利用りようしやすくするために、小規模しょうきぼ個人こじん再生さいせい及および給与きゅうよ所得しょとく者しゃ等とう再生さいせいに関かんする特とく則そく（個人こじん再生さいせい手続てつづき）が設もうけられている。

会社かいしゃ更生こうせい手続てつづき

会社かいしゃ更生こうせい法ほう（平成へいせい14年ねん法律ほうりつ第だい154号ごう）により規律きりつされる手続てつづきであり、窮境きゅうきょうにある株式会社かぶしきがいしゃ（特例とくれい有限ゆうげん会社かいしゃを含ふくむ）について、裁判所さいばんしょの監督かんとくの下したに、裁判所さいばんしょが選任せんにんした更生こうせい管財かんざい人じんを中心ちゅうしんとして債権さいけん者しゃや株主かぶぬしその他たの利害りがい関係かんけい人じんの利害りがいを調整ちょうせいし、株式会社かぶしきがいしゃの事業じぎょうの維持いじ更生こうせいを図はかることを目的もくてきとする手続てつづきである。

協同きょうどう組織そしき金融きんゆう機関きかんの更生こうせい手続てつづき

金融きんゆう機関きかん等とうの更生こうせい手続てつづきの特例とくれい等とうに関かんする法律ほうりつにより規律きりつされる手続てつづきであり、信用しんよう協同きょうどう組合くみあい、信用金庫しんようきんこまたは労働ろうどう金庫きんこを対象たいしょうとする。

相互そうご会社かいしゃの更生こうせい手続てつづき

金融きんゆう機関きかん等とうの更生こうせい手続てつづきの特例とくれい等とうに関かんする法律ほうりつにより規律きりつされる手続てつづきであり、相互そうご会社かいしゃを対象たいしょうとする。

特定とくてい調停ちょうてい手続てつづき

特定とくてい債務さいむ等とうの調整ちょうせいの促進そくしんのための特定とくてい調停ちょうていに関かんする法律ほうりつ（平成へいせい11年ねん法律ほうりつ第だい158号ごう）により規律きりつされる手続てつづきであり、支払しはらい不能ふのうに陥おちいる恐おそれのある者ものの経済けいざい的てき再生さいせいを資しするための調停ちょうてい手続てつづきとして、民事みんじ調停ちょうてい法ほう（昭和しょうわ26年ねん法律ほうりつ第だい222号ごう）の特例とくれいとして設もうけられた手続てつづきである。いわゆる倒産とうさん処理しょり手続てつづきのカテゴリーには含ふくまれないことが多おおいが、現実げんじつ的てきには、消費しょうひ者しゃ破産はさんを回避かいひするために利用りようされることが多おおいため、倒産とうさん処理しょり手続てつづきとして把握はあくされる場合ばあいもある。

（会社かいしゃ整理せいり手続てつづき）

商法しょうほう旧きゅう第だい2編へん第だい4章しょう第だい7節せつにより規律きりつされていた手続てつづきであり、支払しはらい不能ふのう又または債務さいむ超過ちょうかに陥おちいるおそれがある株式会社かぶしきがいしゃについて、裁判所さいばんしょの監督かんとくの下したに、利害りがい関係かんけい者しゃの協力きょうりょくを得えて整理せいり案あんをまとめ、会社かいしゃの維持いじを図はかる手続てつづきである。債権さいけん者しゃの多数決たすうけつ制度せいどが採とられていない等ひとしの問題もんだいがあることや、民事みんじ再生さいせい法ほうの制定せいていにより利用りよう価値かちが激減げきげんしたこともあり、会社かいしゃ法ほうの施行しこうに伴ともない廃止はいしされた。

任意にんい的てき倒産とうさん処理しょり

債務さいむ者しゃが債権さいけん者しゃらと任意にんいに協議きょうぎして財産ざいさん関係かんけいを処理しょりすることをいう。法的ほうてき倒産とうさん手続てつづきとは異ことなり、債権さいけん者しゃと債務さいむ者しゃの当事とうじ者しゃ間あいだでの合意ごういに基もとづいて債権さいけんを処理しょりするものである。

大別たいべつして、法令ほうれいまたは業界ぎょうかい団体だんたい等とうのガイドラインに準拠じゅんきょして行おこなわれる準則じゅんそく型がた私的してき整理せいり（例れいとしてADR一般いっぱんや、自然しぜん災害さいがい債務さいむ整理せいりガイドラインなど）と、債権さいけん者しゃ及および債務さいむ者しゃが（多おおくの場合ばあい代理人だいりにん弁護士べんごしを介かいして）全まったくの任意にんいに交渉こうしょうを行おこなう純粋じゅんすい私的してき整理せいりに分類ぶんるいされることが多おおい。

債務さいむ者しゃが個人こじんである場合ばあいには経済けいざい的てき再生さいせいを目的もくてきとすることになるが、法人ほうじんである場合ばあいには清算せいさんを目的もくてきとすることも再生さいせいを目的もくてきとすることもある。債権さいけん者しゃが消費しょうひ者しゃ金融きんゆう、クレジット会社かいしゃ、銀行ぎんこうなどの場合ばあいは、債務さいむ者しゃ本人ほんにんが任意にんい整理せいりをしようとしても債権さいけん者しゃがこれを相手あいてにすることは少すくないため、通常つうじょうは弁護士べんごしや認定にんてい司法しほう書士しょしなどに依頼いらいすることになる。債権さいけん者しゃらが消費しょうひ者しゃ金融きんゆうの場合ばあい、約定やくじょう利息りそくを利息りそく制限せいげん法ほうに引ひきなおすことで債務さいむ額がくを減額げんがくし、また36回かいから60回かい程度ていどの分割払ぶんかつばらいで和解わかいすることによって債務さいむを整理せいりすることが多おおい。

純粋じゅんすい私的してき整理せいり（任意にんい整理せいり・内うち整理せいり）

純粋じゅんすい私的してき整理せいりでは、法的ほうてき倒産とうさん処理しょり手続てつづきと異ことなり公おおやけの機関きかんによる監督かんとくがないため、時間じかん的てき・経済けいざい的てきに有利ゆうりともいえるが、整理せいり案あんに反対はんたいする債権さいけん者しゃを拘束こうそくする手段しゅだんがないことや、不ふ平等びょうどうな整理せいり案あんが作つくられる可能かのう性せいが高たかいなど不正ふせいが行おこなわれやすい弊害へいがいもある。複数ふくすうの金融きんゆう機関きかんが関与かんよする私的してき整理せいり手続てつづきにおいては、私的してき整理せいりを実現じつげんするためには、主導しゅどう権けんを握にぎる主要しゅよう貸付かしつけを行おこなった金融きんゆう機関きかん（メインバンク）が、他たの金融きんゆう機関きかんの貸付かしつけを実質じっしつ的てき肩代かたがわりを余儀よぎなくされる「メイン寄よせ」の問題もんだいがあることが、私的してき整理せいり手続てつづきによる債務さいむ整理せいりの利用りようの障害しょうがいとなる問題もんだいがある。

準則じゅんそく型がた私的してき整理せいり

準則じゅんそく型がた私的してき整理せいりでは、各かく準則じゅんそくは対象たいしょうとなる債権さいけん者しゃに対たいし事実じじつ上じょうの拘束こうそく力りょく（所管しょかん官庁かんちょう又または業界ぎょうかい団体だんたいとしての監督かんとく権限けんげんを背景はいけいとするものなど）を有ゆうすることがほとんどであるうえ、準則じゅんそくによっては弁護士べんごし・税理士ぜいりし・公認こうにん会計士かいけいし等とうの専門せんもん家かが関与かんよする体制たいせいが整備せいびされているため、上記じょうきのような問題もんだいは生しょうじづらい。他方たほう、対象たいしょうとなる債権さいけん者しゃの範囲はんいに制限せいげんがある（例たとえば、自然しぜん災害さいがい債務さいむ整理せいりガイドラインは原則げんそくとして金融きんゆう機関きかんのみが対象たいしょうとなり、債務さいむ者しゃが自営業じえいぎょう者しゃであっても取引とりひき債権さいけん者しゃは対象たいしょうとすることができない。同どうガイドライン3.(2)本文ほんぶん。）など、一定いっていの限界げんかいがある。

2001年ねん9月がつに私的してき整理せいりに関かんするガイドライン委員いいん会かいが作成さくせいした「私的してき整理せいりに関かんするガイドライン」を参照さんしょう。

産業さんぎょう活力かつりょくの再生さいせい及および産業さんぎょう活動かつどうの革新かくしんに関かんする特別とくべつ措置そち法ほう所定しょていの特定とくてい認証にんしょう紛争ふんそう解決かいけつ手続てつづき（事業じぎょう再生さいせいADR手続てつづき）

準則じゅんそく型がた私的してき整理せいりの一種いっしゅである。特定とくてい認証にんしょう紛争ふんそう解決かいけつ事業じぎょう者しゃである事業じぎょう再生さいせい実務じつむ家か協会きょうかいがその運営うんえいを担になっている。

詳細しょうさいは事業じぎょう再生さいせいADRの項目こうもくを参照さんしょう。

日本にっぽんで特とくに負債ふさい額がくの大おおきかった倒産とうさん

• デフォルトでは負債ふさい額がくの降順こうじゅんに配列はいれつ。ただし金融きんゆう機関きかんについては、監督かんとく当局とうきょくによる経営けいえい破綻はたん認定にんてい後ごに、預金よきんや契約けいやくの解約かいやくにより負債ふさい総額そうがくが減少げんしょうするため基準きじゅん日びをいつにするかで負債ふさい額がくは大おおきく変化へんかする。

社名しゃめい	倒産とうさん年月としつき	負債ふさい額がく	業種ぎょうしゅ	倒産とうさん形態けいたい
きようえいせいめいほけん/協栄生命保険きょうえいせいめいほけん	2000年ねん10月がつ	45297-4兆ちょう5297億おく円えん	04-生保せいほ/生命せいめい保険ほけん業ごう	更生こうせい特例とくれい法ほう
にほんちようきしんようきんこう/日本長期信用銀行にっぽんちょうきしんようぎんこう	1998年ねん10月がつ	36000-約やく3兆ちょう6000億おく円えん	01-銀行ぎんこう/長期ちょうき信用しんよう銀行ぎんこう	金融きんゆう再生さいせい法ほうによる 特別とくべつ公的こうてき管理かんり（一時いちじ国有こくゆう化か）
やまいちしようけん/山一證券やまいちしょうけん	1997年ねん11月	35085-3兆ちょう5085億おく円えん	04-証券しょうけん/証券しょうけん業ぎょう	破産はさん
りいまんふらさあす/リーマン・ブラザーズ証券しょうけん （日本にっぽん法人ほうじん）	2008年ねん09月がつ	34000-約やく3兆ちょう4000億おく円えん	04-証券しょうけん/証券しょうけん業ぎょう	民事みんじ再生さいせい法ほう
にほんさいけんしんようきんこう/日本債券信用銀行にっぽんさいけんしんようぎんこう	1998年ねん12月	32000-約やく3兆ちょう2000億おく円えん	01-銀行ぎんこう/長期ちょうき信用しんよう銀行ぎんこう	金融きんゆう再生さいせい法ほうによる 特別とくべつ公的こうてき管理かんり（一時いちじ国有こくゆう化か）
ちよたせいめいほけん/千代田生命保険ちよだせいめいほけん	2000年ねん10月がつ	29366-2兆ちょう9366億おく円えん	04-生保せいほ/生命せいめい保険ほけん業ぎょう	更生こうせい特例とくれい法ほう
ほつかいとうたくしよくきんこう/北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう	1997年ねん11月	23433-2兆ちょう3433億おく円えん	01-銀行ぎんこう/都市とし銀行ぎんこう	解散かいさん、営業えいぎょう譲渡じょうと
にほんりいす/日本にっぽんリース	1998年ねん09月	21803-2兆ちょう1803億おく円えん	03-金融きんゆう・リース/各種かくしゅリース・金融きんゆう	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
まいかる/マイカル	2001年ねん9月がつ	15482-1兆ちょう5482億おく円えん	07-総合そうごう/総合そうごう小売こうり業ぎょう	民事みんじ再生さいせい法ほう
にほんこうくういんたあなしよなる/日本航空にほんこうくうインターナショナル	2010年ねん01月がつ	15279-1兆ちょう5279億おく円えん	09-他た/空そら運うん	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
たかた/タカタ	2017年ねん06月がつ	15024-約やく1兆ちょう5024億おく円えん	08-製造せいぞう/製造せいぞう業ぎょう	民事みんじ再生さいせい法ほう
くらうんりいしんく/クラウン・リーシング	1997年ねん04月がつ	11874-1兆ちょう1874億おく円えん	03-金融きんゆう・リース/総合そうごうリース業ぎょう	破産はさん
まれりほーるでぃんぐすく/マレリホールディングス	2022年ねん06月がつ	11330-1兆ちょう1330億おく円えん	08-製造せいぞう/製造せいぞう業ぎょう	民事みんじ再生さいせい法ほう
きつしんようくみあい/木津きづ信用組合しんようくみあい	1995年ねん08月がつ	10044-1兆ちょう44億おく円えん	01-銀行ぎんこう/信用しんよう協同きょうどう組合くみあい	整理せいり回収かいしゅう機構きこうに営業えいぎょう譲渡じょうと
にちえいふあいなんす/日榮にちえいファイナンス	1996年ねん10月がつ	10000-1兆ちょう円えん	03-金融きんゆう・リース/住宅じゅうたく金融きんゆう保証ほしょう	商法しょうほうによる会社かいしゃ整理せいり
とうきようせいめいほけん/東京生命保険とうきょうせいめいほけん	2001年ねん3月がつ	09802-9802億おく円えん	04-生保せいほ/生命せいめい保険ほけん業ぎょう	更生こうせい特例とくれい法ほう
らいふ/ライフ	2000年ねん05月	09663-9663億おく円えん	03-金融きんゆう・リース/信販しんぱん・クレジット	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
すえのこうさん/末野すえの興産こうさん	1996年ねん11月	07160-7160億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	破産はさん
そこう/そごう	2000年ねん07月がつ	06891-6891億おく円えん	07-総合そうごう/百貨店ひゃっかてん業ごう	民事みんじ再生さいせい法ほう
にほんこうくう/日本航空にほんこうくう	2010年ねん01月がつ	06715-6715億おく円えん	09-他た/空そら運うん	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
とうしよく/東食とうしょく	1997年ねん12月	06194-約やく6397億おく円えん	07-商社しょうしゃ/食品しょくひん商社しょうしゃ	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
にほんしんこうきんこう/日本にっぽん振興しんこう銀行ぎんこう	2010年ねん09月	06194-約やく6194億おく円えん	01-銀行ぎんこう/銀行ぎんこう業ぎょう	民事みんじ再生さいせい法ほう
にほんとおたるふあいなんす/日本にっぽんトータルファイナンス	1997年ねん04月がつ	06180-6180億おく円えん	03-金融きんゆう・リース/総合そうごうリース業ぎょう	破産はさん
たくきんほしよう/たくぎん保証ほしょう	1998年ねん03月がつ	06100-6100億おく円えん	03-金融きんゆう・リース/各種かくしゅリース・金融きんゆう	破産はさん
むらもとけんせつ/村本建設むらもとけんせつ	1993年ねん11月	05900-5900億おく円えん	06-ゼネコン/ゼネコン	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
あさふたてもの/麻布あざぶ建物たてもの	2007年ねん6月がつ	05648-5648億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
にほんひるふろしえくと/日本にほんビルプロヂェクト	2000年ねん6月がつ	05648-5648億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	民事みんじ再生さいせい法ほう
いんたありいす/インターリース	2000年ねん11月	05600-5600億おく円えん	03-金融きんゆう・リース/各種かくしゅリース・金融きんゆう	特別とくべつ清算せいさん
たくきんていとうしようけん/たくぎん抵当ていとう証券しょうけん	1997年ねん11月	05391-5391億おく円えん	04-証券しょうけん/証券しょうけん業ぎょう	破産はさん
さんこうきせん/三光さんこう汽船きせん	1985年ねん8月がつ	05200-5200億おく円えん	09-他た/海運かいうん	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
にほんもおけえし/日本にっぽんモーゲージ	1994年ねん10月がつ	05185-5185億おく円えん	03-金融きんゆう・リース/不動産ふどうさん担保たんぽローン	特別とくべつ清算せいさん
せいようかんきようかいはつ/西洋せいよう環境かんきょう開発かいはつ	2000年ねん07月がつ	05175-5175億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	特別とくべつ清算せいさん
とうかいこうきよう/東海興業とうかいこうぎょう	1997年ねん7月がつ	05110-5110億おく円えん	06-ゼネコン/ゼネコン	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
えぬいいていい/エヌーイーディー	1999年ねん03月がつ	05100-5100億おく円えん	03-金融きんゆう・リース/ベンチャーキャピタル	特別とくべつ清算せいさん
かふとてこむ/カブトデコム	2013年ねん04月がつ	05061-5061億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	特別とくべつ清算せいさん
はなそにつくふらすまていす/パナソニック プラズマディスプレイ	2016年ねん11月	05000-5000億おく円えん	08-製造せいぞう/製造せいぞう業ぎょう	特別とくべつ清算せいさん
えすていていかいはつ/エスティティ開発かいはつ	2002年ねん10月がつ	04922-4922億おく円えん	06-不動産ふどうさん/ゴルフ場じょう経営けいえい	民事みんじ再生さいせい
あほろりいす/アポロリース	1999年ねん03月がつ	04900-4900億おく円えん	03-金融きんゆう・リース/賃貸ちんたい・リース	特別とくべつ清算せいさん
いあいいいんたあなしよなる/イ・アイ・イ・インターナショナル	2000年ねん06月がつ	04764-4764億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	破産はさん
にほんらんていつく/日本にほんランディック	1999年ねん05月	04708-4708億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん	特別とくべつ清算せいさん
ひえいさんきよう/飛ひ栄さかえ産業さんぎょう	2000年ねん08月がつ	04500-4500億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん	特別とくべつ清算せいさん
さとうこうきよう/佐藤さとう工業こうぎょう	2002年ねん03月がつ	04499-4499億おく円えん	06-ゼネコン/ゼネコン	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
えるひいた/エルピーダメモリ	2012年ねん02月がつ	04480-約やく4480億おく円えん	08-製造せいぞう/製造せいぞう業ぎょう	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
たけふし/武富士たけふじ	2010年ねん09月	04336-約やく4336億おく円えん	02-貸金かしきん/消費しょうひ者しゃ金融きんゆう業ごう	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
あくらほくしよう/安やす愚ぐ楽らく牧場ぼくじょう	2011年ねん08月がつ	04331-約やく4331億おく円えん	09-他た/オーナー制度せいど畜産ちくさん業ぎょう	民事みんじ再生さいせい法ほう
たいいちこおほれえしよん/第一だいいちコーポレーション	1998年ねん06月がつ	04135-4135億おく円えん	03-金融きんゆう・リース/不動産ふどうさん担保たんぽローン	特別とくべつ清算せいさん
たいせいかさいかいしようほけん/大成火災海上保険たいせいかさいかいじょうほけん	2001年ねん11月	04131-4131億おく円えん	04-生保せいほ/損害そんがい保険ほけん業ぎょう	更生こうせい特例とくれい法ほう
にほんこくとかいはつ/日本にっぽん国土こくど開発かいはつ	1998年ねん12月	04067-4067億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
めくみかわ/恵めぐみ川がわ	1991年ねん08月がつ	04100-4100億おく円えん	07-総合そうごう/料亭りょうてい	任意にんい整理せいり
あおきけんせつ/青木建設あおきけんせつ	2001年ねん12月	03900-3900億おく円えん	06-ゼネコン/ゼネコン	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
にほんしんようふあいなんすさあひす/日本にっぽん信用しんようファイナンスサービス	1997年ねん04月がつ	03784-3784億おく円えん	03-金融きんゆう・リース/総合そうごうリース業ぎょう	破産はさん
さんようしようけん/三洋証券さんようしょうけん	1997年ねん11月	03736-3736億おく円えん	04-証券しょうけん/証券しょうけん業ぎょう	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
ひようきんふあくたあ/兵へい銀ぎんファクター	1995年ねん11月	03692-3692億おく円えん	02-貸金かしきん/債券さいけん保証ほしょう	特別とくべつ清算せいさん
あさひしゆうけん/朝日あさひ住じゅう建けん	2003年ねん09月	03600-約やく3600億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	破産はさん
ええしいりあるえすてえと/エー・シー・リアルエステート （旧きゅうフジタ）	2005年ねん11月	03526-3526億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん	民事みんじ再生さいせい法ほう
えすえふしいしい/SFCG	2009年ねん02月がつ	03380-3380億おく円えん	02-貸金かしきん/事業じぎょう者しゃ向むけ貸金かしきん業ぎょう	民事みんじ再生さいせい法ほう→破産はさん
やまいちとちたてもの/山一やまいち土地とち建物たてもの	1997年ねん12月	03350-3350億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	破産はさん
えすこりいす/エスコリース	2001年ねん05月	03350-3350億おく円えん	02-貸金かしきん/事業じぎょう者しゃ向むけ貸金かしきん業ぎょう	破産はさん
はしふいつくもおけえし/パシフィックモーゲージ	2001年ねん11月	03339-3339億おく円えん	02-貸金かしきん/不動産ふどうさん担保たんぽ貸付かしつけ	破産はさん
にほんこるふしんこう/日本にっぽんゴルフ振興しんこう	2003年ねん2月がつ	03322-3322億おく円えん	06-不動産ふどうさん/ゴルフ場じょう経営けいえい	民事みんじ再生さいせい法ほう
くらひす/クラヴィス	2012年ねん07月がつ	03268-3268億おく円えん	02-貸金かしきん/消費しょうひ者しゃ金融きんゆう業ごう	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
あさひとしかいはつ/アサヒ都市とし開発かいはつ	1999年ねん03月がつ	03226-約やく3226億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	破産はさん
ちさん/地産ちさん	2002年ねん08月がつ	03207-3207億おく円えん	06-不動産ふどうさん/ゴルフ場じょう経営けいえい	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
えすていていこおほれえしよん/エスティティコーポレーション	2003年ねん02月がつ	03131-3131億おく円えん	06-不動産ふどうさん/ゴルフ場じょう経営けいえい	民事みんじ再生さいせい法ほう
しやはんせきゆかいはつ/ジャパン石油せきゆ開発かいはつ	2003年ねん3月がつ	03077-3077億おく円えん	07-総合そうごう/油田ゆでん開発かいはつ	民事みんじ再生さいせい法ほう
なかさきや/長崎屋ながさきや	2000年ねん02月がつ	03039-3039億おく円えん	07-総合そうごう/総合そうごう小売こうり業ぎょう	民事みんじ再生さいせい法ほう
にちほうしん/日貿信にちぼうしん	2000年ねん04月がつ	02899-2899億おく円えん	02-貸金かしきん/事業じぎょう者しゃ向むけ貸金かしきん業ぎょう	民事みんじ再生さいせい法ほう
につとうこうきよう/日東にっとう興業こうぎょう	2002年ねん07月がつ	02867-2867億おく円えん	06-不動産ふどうさん/ゴルフ場じょう経営けいえい	民事みんじ再生さいせい法ほう
まるこお/マルコー	1991年ねん8月がつ	02858-2858億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
ふえにつくすりそおと/フェニックスリゾート	2001年ねん02月がつ	02762-2762億おく円えん	06-不動産ふどうさん/第だい三さんセクター	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
しまのうちとちたてもの/島之内しまのうち土地とち建物たてもの	1995年ねん03月がつ	02725-2725億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	任意にんい整理せいり
たいにほんとほく/大日本土木だいにほんどぼく	2002年ねん07月がつ	02712-2712億おく円えん	06-ゼネコン/ゼネコン	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
おさひる/長ちょうビル	1999年ねん04月がつ	02700-約やく2700億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん	特別とくべつ清算せいさん
たいわせいめいほけん/大和生命保険やまとせいめいほけん	2008年ねん10月がつ	02695-2695億おく円えん	04-生保せいほ/生命せいめい保険ほけん業ぎょう	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
ふああすとくれしつと/ファーストクレジット	2002年ねん03月がつ	02605-2605億おく円えん	03-金融きんゆう・リース/不動産ふどうさん担保たんぽ融資ゆうし	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
ああはんこおほれえしよん/アーバン・コーポレーション	2008年ねん8月がつ	02558-2558億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	民事みんじ再生さいせい法ほう
おおくらしようし/大倉商事おおくらしょうじ	1998年ねん07月がつ	02528-約やく2528億おく円えん	07-商社しょうしゃ/商社しょうしゃ	自己じこ破産はさん
ろふろ/ロプロ	2009年ねん11月	02500-約やく2500億おく円えん	02-貸金かしきん/事業じぎょう者しゃ向むけ貸金かしきん業ぎょう	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
えるとしかいはつ/エル都市とし開発かいはつ	1999年ねん06月がつ	02419-2419億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん	特別とくべつ清算せいさん
つつきほうせき/都築つづき紡績ぼうせき	2003年ねん11月	02418-約やく2418億おく円えん	08-製造せいぞう/製造せいぞう業ぎょう	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
しやはんらいふ/ジャパンライフ	2017年ねん12月	02405-2405億おく円えん	09-他た/卸おろし・販売はんばい	銀行ぎんこう取引とりひき停止ていし
ひようきんりいす/兵へい銀ぎんリース	1995年ねん09月	02341-2341億おく円えん	03-金融きんゆう・リース/賃貸ちんたい・リース	特別とくべつ清算せいさん
やまてこおほれえしよん/山手やまてコーポレーション	1998年ねん03月がつ	02300-約やく2300億おく円えん	03-金融きんゆう・リース/不動産ふどうさん担保たんぽローン	特別とくべつ清算せいさん
はうすてんほす/ハウステンボス	2003年ねん02月がつ	02289-2289億おく円えん	06-不動産ふどうさん/観光かんこう	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
にいかたてつこう/新潟鐵工所にいがたてっこうじょ	2001年ねん11月	02270-約やく2270億おく円えん	08-製造せいぞう/製造せいぞう業ぎょう	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
えふああるいい/エフ・アール・イー	2007年ねん01月がつ	02223-2223億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	破産はさん
ひようこふあいなんす/兵庫ひょうごファイナンス	1995年ねん09月	02172-2172億おく円えん	02-貸金かしきん/ 事業じぎょう者しゃ向むけ貸金かしきん業ぎょう	特別とくべつ清算せいさん
もりもとくみ/森本組もりもとぐみ	2003年ねん10月がつ	02513-2153億おく円えん	06-ゼネコン/ゼネコン	民事みんじ再生さいせい法ほう
ことふきや/壽屋ことぶきや	2001年ねん12月	02126-2126億おく円えん	07-総合そうごう/総合そうごう小売こうり業ぎょう	民事みんじ再生さいせい法ほう
すほおつしんこう/スポーツ振興しんこう	2002年ねん02月がつ	02109-2109億おく円えん	06-不動産ふどうさん/ゴルフ場じょう経営けいえい	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
ういるこむ/ウィルコム	2010年ねん02月がつ	02060-2060億おく円えん	09-他た/通信つうしん業ぎょう（PHS事業じぎょう）	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
みたこうきよう/三田工業みたこうぎょう	1998年ねん08月がつ	02057-約やく2057億おく円えん	08-製造せいぞう/製造せいぞう業ぎょう	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
しんこお/シンコー	2005年ねん02月がつ	02020-2020億おく円えん	06-不動産ふどうさん/ゴルフ場じょう経営けいえい	民事みんじ再生さいせい法ほう
ふしひる/フジビル	1999年ねん03月がつ	02000-約やく2000億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん	特別とくべつ清算せいさん
こうしまちとちたてもの/麹こうじ町まち土地とち建物たてもの	2003年ねん11月	02000-約やく2000億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	破産はさん
にほんそうこうちしよ/日本にっぽん綜合そうごう地所じしょ	2009年ねん02月がつ	01975-1975億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
むつおかわはらかいはつ/むつ小川原おがわはら開発かいはつ	2000年ねん09月	01852-1852億おく円えん	06-不動産ふどうさん/第だい三さんセクター	特別とくべつ清算せいさん
ふしかんとりい/富士ふじカントリー	2004年ねん12月	01800-約やく1800億おく円えん	06-不動産ふどうさん/ゴルフ場じょう経営けいえい	特別とくべつ清算せいさん
たたけんせつ/多田建設ただけんせつ	1997年ねん07月がつ	01714-1714億おく円えん	06-ゼネコン/ゼネコン	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
えぬえすあある/エヌ・エス・アール （旧きゅう 山やま万まんアーバンフロント）	2014年ねん02月がつ	01650-1650億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん	破産はさん
はしふいつくほおるていんくす/パシフィックホールディングス	2009年ねん03月がつ	01636-1636億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん投資とうし	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
やおはんしやはん/ヤオハンジャパン	1997年ねん09月	01614-1614億おく円えん	07-総合そうごう/総合そうごう小売こうり業ぎょう	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
たいとこうきよう/大だい都と工業こうぎょう	1997年ねん08月がつ	01592-1592億おく円えん	06-ゼネコン/ゼネコン	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
こうしん/興人こうじん	1975年ねん08月がつ	01480-1480億おく円えん	08-製造せいぞう/合成ごうせい繊維せんい・パルプ 不動産ふどうさん開発かいはつ	会社かいしゃ更生こうせい法ほう →更生こうせい終結しゅうけつ
しよいんとこおほれえしよん/ジョイント・コーポレーション	2009年ねん05月	01476-1476億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん開発かいはつ	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
とうきようりんかいふくとしんけんせつ/東京とうきょう臨海りんかい副ふく都心としん建設けんせつ	2006年ねん05月	01440-約やく1440億おく円えん	06-不動産ふどうさん/第だい三さんセクター	民事みんじ再生さいせい法ほう
とまこまいとうふかいはつ/苫小牧とまこまい東部とうぶ開発かいはつ	1999年ねん09月	01423-1423億おく円えん	06-不動産ふどうさん/第だい三さんセクター	特別とくべつ清算せいさん
ひようこくれしつとさあひす/兵庫ひょうごクレジットサービス	1995年ねん08月がつ	01403-1403億おく円えん	02-貸金かしきん/ 貸金かしきん業ぎょう	民事みんじ再生さいせい法ほう
あなふきこうむてん/穴吹工務店あなぶきこうむてん	2009年ねん11月	01400-1400億おく円えん	06-不動産ふどうさん/不動産ふどうさん マンション建設けんせつ・販売はんばい	会社かいしゃ更生こうせい法ほう
えいたいさんきよう/永大産業えいだいさんぎょう	1978年ねん02月がつ	01350-1350億おく円えん	08-製造せいぞう/合板ごうはん製造せいぞう	会社かいしゃ更生こうせい法ほう →更生こうせい終結しゅうけつ
はやしはら/林原はやしばら	2011年ねん02月がつ	01277-1277億おく円えん	08-製造せいぞう/医薬品いやくひん・食品しょくひん原料げんりょう製造せいぞう	事業じぎょう再生さいせいADR手続てつづき →会社かいしゃ更生こうせい法ほう
あしあたいへいようとれえとせんたあ/アジア太平洋トレあじあたいへいようとれードセンタどせんたー	2003年ねん06月がつ	01263-約やく1263億おく円えん	06-不動産ふどうさん/第だい三さんセクター	特定とくてい調停ちょうてい
おおさわしようかい/大沢おおさわ商会しょうかい	1984年ねん02月がつ	01250-1250億おく円えん	07-総合そうごう/総合そうごう商社しょうしゃ	会社かいしゃ更生こうせい法ほう →更生こうせい終結しゅうけつ
たいいちちゆうおうきせん/第一中央汽船だいいちちゅうおうきせん	2015年ねん10月がつ	01197-1197億おく円えん	09-他た/海運かいうん	民事みんじ再生さいせい法ほう
たけしはちいきかいはつ/竹たけ芝しば地域ちいき開発かいはつ	2006年ねん05月	01190-約やく1190億おく円えん	06-不動産ふどうさん/第だい三さんセクター	民事みんじ再生さいせい法ほう
とうきようてれほおとせんたあ/東京とうきょうテレポートセンター	2006年ねん05月	01170-約やく1170億おく円えん	06-不動産ふどうさん/第だい三さんセクター	民事みんじ再生さいせい法ほう
りつかあ/リッカー	1984年ねん07月がつ	01100-1100億おく円えん	08-製造せいぞう/ミシン製造せいぞう	和議わぎ→会社かいしゃ更生こうせい法ほう →更生こうせい終結しゅうけつ
えむていえいそうていす/MT映像えいぞうディスプレイ	2019年ねん02月がつ	01050-1050億おく円えん	08-製造せいぞう/製造せいぞう業ぎょう	特別とくべつ清算せいさん
あしかかきんこう/足利銀行あしかがぎんこう	2003年ねん10月がつ	01023-1023億おく円えん	01-銀行ぎんこう/地方銀行ちほうぎんこう	特別とくべつ危機きき管理かんり銀行ぎんこう指定してい →一時いちじ国有こくゆう化か
あたかさんきよう/安宅あたか産業さんぎょう	1977年ねん10月がつ	01000-1000億おく円えん以上いじょう	07-総合そうごう/総合そうごう商社しょうしゃ	吸収きゅうしゅう合併がっぺい

カナダ

カナダにおける倒産とうさんは、破産はさん・支払しはらい不能ふのう法ほう（Bankruptcy and Insolvency Act）という連邦れんぽう法ほうにより定さだめられており、企業きぎょうと個人こじんの双方そうほうに適用てきようされる。連邦れんぽう政府せいふの破産はさん監督かんとく局きょく（Superintendent of Bankruptcy）が、倒産とうさん手続てつづきが公正こうせいかつ秩序ちつじょ立たって執行しっこうされるようにする責任せきにんを負おっている。破産はさん管財かんざい人じんが破産はさん財団ざいだんを管理かんりする。

管財かんざい人じんの職務しょくむ

管財かんざい人じんは、次つぎのような職務しょくむを負おっている。

• 詐欺さぎ的てきな優先ゆうせん弁済べんさい権けんや否認ひにんの対象たいしょうとなる取引とりひきがないか記録きろくを調査ちょうさすること。
• 債権さいけん者しゃ集会しゅうかいを主宰しゅさいすること。
• 免除めんじょの対象たいしょうとなるもの以外いがいの資産しさんを売却ばいきゃくすること。
• 破産はさん者しゃの免責めんせきに異議いぎを申もうし立たてること。
• 債権さいけん者しゃに資金しきんを配分はいぶんすること。

債権さいけん者しゃ集会しゅうかい

債権さいけん者しゃは、債権さいけん者しゃ集会しゅうかいに出席しゅっせきすることにより手続てつづきに参加さんかする。管財かんざい人じんが招集しょうしゅうする第だい1回かい債権さいけん者しゃ集会しゅうかいは、次つぎのような目的もくてきを持もっている。

• 破産はさん者しゃの問題もんだいを検討けんとうすること。
• 管財かんざい人じんの任命にんめいを承認しょうにんするか、別べつの管財かんざい人じんをもって代かえること。
• 検査けんさ人じんを任命にんめいすること。
• 資産しさんの管理かんりに関かんして債権さいけん者しゃが妥当だとうと考かんがえる指示しじを管財かんざい人じんに与あたえること。

消費しょうひ者しゃ提案ていあん

カナダでは、個人こじんは、破産はさんの代かわりに、消費しょうひ者しゃ提案ていあん（consumer proposal）を申もうし立たてることができる。消費しょうひ者しゃ提案ていあんは、債務さいむ者しゃと債権さいけん者しゃらとの間あいだでの交渉こうしょうによる解決かいけつである。

典型てんけい的てきな消費しょうひ者しゃ提案ていあんは、債務さいむ者しゃが最長さいちょうで5年間ねんかん、毎月まいつき支払しはらいを行おこない、資金しきんを債権さいけん者しゃらに配分はいぶんするというものである。ほとんどの提案ていあんは債務さいむの総額そうがくよりも支払しはらい額がくを少すくなくすることを求もとめるものだが、ほとんどのケースで、債権さいけん者しゃらは取引とりひきに応おうじる。なぜなら、そうしなければ、次つぎの選択肢せんたくしは個人こじん破産はさんであり、その場合ばあい債権さいけん者しゃらの受うけ取とる金額きんがくは更さらに少すくなくなるからである。債権さいけん者しゃらは、消費しょうひ者しゃ提案ていあんを受うけ入いれるか拒否きょひするかの選択せんたくに45日間にちかんの猶予ゆうよ期間きかんがある。一度いちど提案ていあんが受うけ入いれられると、債務さいむ者しゃは提案ていあん執行しっこう者しゃに毎月まいつき支払しはらいを行おこない、債権さいけん者しゃらはそれ以上いじょうの訴訟そしょうや執行しっこうを行おこなうことができなくなる。提案ていあんが拒否きょひされた場合ばあいは、債務さいむ者しゃは個人こじん破産はさんの宣言せんげんをするほか選択肢せんたくしがないこともある。

消費しょうひ者しゃ提案ていあんを行おこなえるのは、債務さいむ額がくが5000ドルを超こえ、7万まん5000ドルまで（主しゅたる居住きょじゅう地ちの抵当ていとう権けんを含ふくまない）の場合ばあいに限かぎられる。債務さいむ額がくが7万まん5000ドルを超こえる場合ばあい、破産はさん・支払しはらい不能ふのう法ほう第だい3編へん第だい1部ぶの下したに提案ていあんを申もうし立たてなければならない。提案ていあん執行しっこう者しゃの補助ほじょが必要ひつようである。提案ていあん執行しっこう者しゃは、破産はさん管財かんざい人じんの資格しかくを持もった者ものがなるのが一般いっぱん的てきであるが、破産はさん監督かんとく局きょくが他たの人ひとを執行しっこう者しゃに任命にんめいすることもできる。

2006年ねんにおいて、カナダでは9万まん8450件けんの個人こじんからの支払しはらい不能ふのうの申立もうしたてがあった。うち7万まん9218件けんが破産はさん、1万まん9232件けんが消費しょうひ者しゃ提案ていあんである。

ヨーロッパ

2004年ねんには、ヨーロッパ各国かっこくで倒産とうさんの増加ぞうか率りつが今いままでにない高たかい数字すうじに上のぼった。フランスでは、会社かいしゃの倒産とうさん率りつが4％以上いじょう増加ぞうかし、オーストリアでは10％以上いじょう、ギリシアでは20％以上いじょうも増加ぞうかした。しかし、公的こうてきな倒産とうさん件数けんすうの統計とうけいは実態じったいを十分じゅうぶんに説明せつめいするものではない。公的こうてき統計とうけいは倒産とうさん件数けんすうを示しめしているだけで、各かく倒産とうさん案件あんけんの重要じゅうよう度どを示しめすものではない。したがって、倒産とうさん件数けんすうの増加ぞうかは、必かならずしも経済けいざい全体ぜんたいにとっての不良ふりょう債権さいけん化か率りつが増加ぞうかしたことを意味いみしない。

返済へんさいに問題もんだいが生しょうじたり回収かいしゅう不能ふのうになったりするのと、企業きぎょうが実際じっさいに破産はさんを宣言せんげんするのには時間じかん的てきなずれがある。多おおくの場合ばあい、信用しんようで商品しょうひんを納品のうひんしてから、それに対たいする破産はさん手続てつづきが始はじまるまでの間あいだに数すうか月げつないし数すう年ねんかかることもある。

法的ほうてき側面そくめんや、税金ぜいきんの関係かんけい、あるいは文化ぶんか的てき側面そくめんによっても、上記じょうきの説明せつめいは更さらに歪ゆがめられている。国際こくさい的てきな比較ひかくにおいては特とくにそうである。例たとえば、オーストリアでは、2004年ねんにおける全ぜん倒産とうさん手続てつづきの半分はんぶん以上いじょうは、未み払はらい額がくの一部いちぶを清算せいさんするための資金しきん不足ふそくのため、手続てつづきが開始かいしされない。スペインでは、一定いっていの種類しゅるいの事業じぎょうに対たいして倒産とうさん手続てつづきを開始かいしすることは経済けいざい的てきに割わりに合あわないため、倒産とうさん件数けんすうは非常ひじょうに少すくない。比較ひかくすると、フランスでは、2004年ねんに4万まん件けん以上いじょうの倒産とうさん手続てつづきが開始かいしされたが、スペインでは600件けん未満みまんである。その一方いっぽうで、フランスの不良ふりょう債権さいけん化か率りつは1.3％なのに対たいしスペインでは2.6％である。

個人こじんの倒産とうさん件数けんすうも、全体ぜんたい像ぞうを示しめすものではない。倒産とうさん手続てつづきの申立もうしたてを決意けついするのは、負債ふさい額がくの膨ふくらんだごく一部いちぶの世帯せたいに限かぎられる。これは、破産はさん宣告せんこくの不名誉ふめいよと、職業しょくぎょう上じょう不利益ふりえきを被こうむるおそれがあるためである。

オランダ

オランダの倒産とうさん法制ほうせいは、オランダ倒産とうさん法ほう (Faillissementswet) によって規律きりつされている。同どう法ほうは、三みっつの異ことなる法的ほうてき手続てつづきを定さだめている。第だい一いちは破産はさん (Faillissement) であり、その目的もくてきは債務さいむ者しゃの資産しさんを清算せいさんすることである。破産はさん手続てつづきは個人こじんと会社かいしゃの双方そうほうに適用てきようされる。倒産とうさん法ほうにおける第だい二にの法的ほうてき手続てつづきは、Surseanceというものである。これは会社かいしゃにのみ適用てきようされ、その目的もくてきは会社かいしゃの債権さいけん者しゃらとの間あいだの合意ごういを実現じつげんすることである。第だい三さんはSchuldsaneringというもので、これは個人こじんのみを対象たいしょうとしている。

イギリス

イギリスでは、狭義きょうぎの法的ほうてき意味いみにおける破産はさん (bankruptcy) は、個人こじんとパートナーシップのみに関係かんけいする。会社かいしゃやその他たの企業きぎょうは、違ちがう名称めいしょうの法的ほうてき倒産とうさん手続てつづきが用もちいられる。清算せいさん (liquidation) と財産ざいさん管理かんり（administration――財産ざいさん管理かんり命令めいれい (administration order) 及および管財かんざい人じん財産ざいさん管理かんり (administrative receivership)）である。しかし、「破産はさん (bankruptcy)」という言葉ことばがメディアや日常にちじょう会話かいわの中なかで会社かいしゃについて用もちいられることは多おおい。スコットランドにおける破産はさん手続てつづきはSequestrationと呼よばれる。

破産はさん管財かんざい人じんは、公務員こうむいんである公的こうてき破産はさん管財かんざい人じん (Official Receiver) か、資格しかくを持もった倒産とうさん弁護士べんごしでなければならない。

2002年ねん企業きぎょう法ほう (Enterprise Act 2002) が制定せいていされてからは、イギリスの破産はさん手続てつづきは通常つうじょう12か月げつもかからない。公的こうてき破産はさん管財かんざい人じんが裁判所さいばんしょに、調査ちょうさが完全かんぜんに行おこなわれたことを保証ほしょうした場合ばあいは、それより短みじかいこともある。

イギリス政府せいふによる破産はさんの枠組わくぐみの自由じゆう化かにより、破産はさん件数けんすうが増加ぞうかすることが見込みこまれている。これは政府せいふの当初とうしょの統計とうけいにより裏付うらづけられていると見みられる。

イングランドとウェールズでは、2005年ねん第だい4四半期しはんきに2万まん0461件けんの個人こじん倒産とうさんがあった（季き節ぶし調整ちょうせいされた値ね）。これは、前まえの四半期しはんきよりも15.0％の増加ぞうか、前年ぜんねん同どう時期じきよりも36.8％の増加ぞうかである。このうち、1万まん3501件けんが破産はさんであり、前まえの四半期しはんきよりも15.9％の増加ぞうか、前年ぜんねん同どう時期じきよりも37.6％の増加ぞうかである。6960件けんは個人こじん任意にんい的てき債務さいむ整理せいり手続てつづき (IVA) であり、前ぜん四半期しはんきよりも23.9％増ぞう、前年ぜんねん同どう時期じきよりも117.1％増ぞうである。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおいては、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく憲法けんぽう1条じょう8節せつ4項こうにより、倒産とうさん（bankruptcy）は連邦れんぽう法ほうの管轄かんかつとされており、同どう条項じょうこうによれば、連邦れんぽう議会ぎかいは「合衆国がっしゅうこく全域ぜんいきにおける倒産とうさんに関かんする統一とういつ法ほう」を制定せいていすることが認みとめられている。bankruptcyとの用語ようごであるが、ここでは再建さいけん型がた手続てつづきを含ふくむものと解ほぐされている。連邦れんぽう議会ぎかいは、倒産とうさんに関かんする制定せいてい法ほうとして、倒産とうさん法ほう（Bankruptcy Code, 合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい11編へん）を定さだめている。連邦れんぽう法ほうが規定きていしていない点てんや、明示めいじ的てきに州法しゅうほうに譲ゆずっている点てんについては、州法しゅうほうの定さだめにより連邦れんぽう法ほうが一部いちぶ修正しゅうせいされている。

倒産とうさん事件じけんは、必かならず連邦れんぽう倒産とうさん裁判所さいばんしょ（連邦れんぽう地方裁判所ちほうさいばんしょに付設ふせつされる）に申もうし立たてられるが、倒産とうさん事件じけんは、特とくに債権さいけんの有効ゆうこう性せいや自由じゆう財産ざいさんに関かんしては、州法しゅうほうによることが多おおい。したがって、多おおくの倒産とうさん事件じけんにおいては州法しゅうほうが大おおきな役割やくわりを果はたしており、州しゅう境さかいを超こえて倒産とうさん法ほうを一般いっぱん化かすることはできないことが多おおい。

連邦れんぽう倒産とうさん法ほうの手続てつづき

合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい11編へんに置おかれた倒産とうさん法ほうの下したでは、次つぎの6種類しゅるいの手続てつづきがある。

• 連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい7章しょう

個人こじん及および企業きぎょうの基本きほん的てきな清算せいさん手続てつづき（破産はさん手続てつづき）を定さだめるもの。

• 連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい9章しょう

地方自治体ちほうじちたいの倒産とうさん手続てつづき。

• 連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい11章しょう

更生こうせい・再建さいけん手続てつづき。主おもに債務さいむ者しゃが企業きぎょうの場合ばあいに用もちいられるが、負債ふさい・資産しさん額がくの大おおきい個人こじんに利用りようされることもある。

• 連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい12章しょう

家族かぞく経営けいえいの農家のうか及および漁師りょうしのための再生さいせい手続てつづき。

• 連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい13章しょう

決きまった収入しゅうにゅう源げんのある個人こじんのための、支払しはらい計画けいかくを立たてる再生さいせい手続てつづき。

• 連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい15章しょう

国際こくさい的てきな倒産とうさん事件じけんの処理しょりについて定さだめるもの。

個人こじんの倒産とうさんに際さいして最もっともよく用もちいられるのが、清算せいさん型がたの第だい7章しょう及および再建さいけん型がたの第だい13章しょうである。アメリカの個人こじんによる全ぜん倒産とうさん申立もうしたてて件数けんすうのうち実じつに65％が、第だい7章しょうによるものである。会社かいしゃその他たの企業きぎょうは第だい7章しょう又または再建さいけん型がたでは第だい11章しょうに基もとづいて申立もうしたてをすることが多おおい。

第だい7章しょうでは、債務さいむ者しゃは、自由じゆう財産ざいさんとなるもの以外いがいの財産ざいさんを破産はさん管財かんざい人じんに引ひき渡わたし、破産はさん管財かんざい人じんがそれを換価かんかして、その売上うりあげ金きんを無む担保たんぽ債権さいけん者しゃに配当はいとうする。その代かわりに、債務さいむ者しゃは債務さいむの一部いちぶの免責めんせきを得える。ただし、債務さいむ者しゃが一定いっていの類型るいけいの不適切ふてきせつな行動こうどう（財産ざいさん状況じょうきょうに関かんする資料しりょうを隠かくすなど）をとった場合ばあいには、免責めんせきは与あたえられない。また、一定いっていの債務さいむ（配偶はいぐう者しゃ及および子この扶養ふよう料りょう、学生がくせいローン、一定いっていの税金ぜいきんなど）については、債務さいむ者しゃが一般いっぱん的てきな免責めんせきを得えた場合ばあいであっても免責めんせきされない。経済けいざい的てきに破綻はたんした個人こじんは、多おおくの場合ばあい、自由じゆう財産ざいさん（衣服いふく、生活せいかつ必需ひつじゅ品ひん、中古ちゅうこ車しゃなど）しか所有しょゆうしておらず、その場合ばあいは破産はさん管財かんざい人じんに財産ざいさんを引ひき渡わたす必要ひつようはない。自由じゆう財産ざいさんとすることができる財産ざいさんの額がくは、州しゅうによって異ことなる。第だい7章しょうによる救済きゅうさいは、8年間ねんかんに1回かいだけしか使つかうことができない。一般いっぱん的てきに、担保たんぽ権けん者しゃの担保たんぽ物件ぶっけんに対たいする権利けんりは、債務さいむの免責めんせきが行おこなわれても存続そんぞくする。例たとえば、債務さいむ者しゃが自動車じどうしゃを引ひき渡わたすという合意ごういや債務さいむの「再さい確認かくにん」が行おこなわれなくても、債務さいむ者しゃの自動車じどうしゃに対たいする担保たんぽ物権ぶっけんを有ゆうする債権さいけん者しゃは、債務さいむ者しゃの債務さいむが免責めんせきになったとしてもその自動車じどうしゃを引ひき揚あげることができる。

第だい13章しょうの手続てつづきでは、債務さいむ者しゃはすべての財産ざいさんの所有しょゆう権けんや占有せんゆう権けんを失うしなわないが、通常つうじょう3年間ねんかんから5年間ねんかんにわたり、将来しょうらいの収入しゅうにゅうの一部いちぶを債権さいけん者しゃへの返済へんさいに当あてなければならない。返済へんさい額がくや返済へんさい計画けいかくの期間きかんは、債務さいむ者しゃの財産ざいさんの価値かちや債務さいむ者しゃの収入しゅうにゅう・支出ししゅつなどの要素ようそによって変かわる。担保たんぽ権けん者しゃは、無む担保たんぽ債権さいけん者しゃよりも多おおく返済へんさいを受うけることができる。

第だい11章しょうの手続てつづきでは、債務さいむ者しゃは財産ざいさんの所有しょゆう権けんと占有せんゆう権けんを失うしなわず、債務さいむ者しゃ占有せんゆう型がた (DIP) 手続てつづきとも呼よばれる。占有せんゆうを継続けいぞくする債務さいむ者しゃが、日々ひびの事業じぎょうの運営うんえいを行おこなう一方いっぽう、債権さいけん者しゃらと債務さいむ者しゃは、連邦れんぽう倒産とうさん裁判所さいばんしょとともに、交渉こうしょうを重かさね、再建さいけん計画けいかくを完成かんせいさせるべく共同きょうどう作業さぎょうを行おこなう。一定いっていの条件じょうけん（債権さいけん者しゃ間あいだの公正こうせい、一定いっていの債権さいけん者しゃの優先ゆうせんなど）を満みたすと、提案ていあんされた再建さいけん計画けいかくに対たいする債権さいけん者しゃらの投票とうひょうを行おこなうことができる。再建さいけん計画けいかくが承認しょうにんされると、債務さいむ者しゃは経営けいえいと、承認しょうにんされた再建さいけん計画けいかくに従したがった債務さいむの弁済べんさいを続つづける。もし一定いってい以上いじょうの多数たすうの債権さいけん者しゃが承認しょうにんの投票とうひょうを行おこなわなかった場合ばあいは、裁判所さいばんしょから、計画けいかくを承認しょうにんするための追加ついか的てきな条件じょうけんが課かされることがある。

破産はさん濫用らんよう防止ぼうし・消費しょうひ者しゃ保護ほご法ほう

2005年ねんの破産はさん濫用らんよう防止ぼうし・消費しょうひ者しゃ保護ほご法ほう（BAPCPA）は、連邦れんぽう倒産とうさん法ほうを大おおきく修正しゅうせいするものであった。BAPCPAの多おおくの規定きていは、消費しょうひ者しゃ金融きんゆう業者ぎょうしゃから強つよく支持しじされ、同時どうじに多おおくの消費しょうひ者しゃ保護ほご論ろん者しゃ、倒産とうさん法ほう学者がくしゃ、倒産とうさん事件じけんを担当たんとうする裁判官さいばんかん・弁護士べんごしから強つよい反対はんたいを受うけた。BAPCPAは、連邦れんぽう議会ぎかいにおける8年間ねんかんにわたる議論ぎろんの末すえに制定せいていされたものである。同どう法ほうの多おおくの規定きていは、2005年ねん10月がつ17日にちに施行しこうされた。法律ほうりつへの署名しょめいに当あたり、ジョージ・W・ブッシュ大統領だいとうりょうは次つぎのように述のべた。

新法しんぽうの下したでは、返済へんさいする能力のうりょくのあるアメリカ国民こくみんは、少すくなくともその債務さいむの一部いちぶを返済へんさいすることが求もとめられる。州しゅうの中位ちゅうい収入しゅうにゅうよりも低ひくい国民こくみんは、債務さいむの返済へんさいは求もとめられない。新法しんぽうにより、何なん度ども申立もうしたてをしている者ものは、最もっとも寛容かんような破産はさんの恩恵おんけいを濫用らんようすることが難むずかしくなるであろう。全ぜん債務さいむの帳消ちょうけしを求もとめる債務さいむ者しゃは、これからは再度さいどの申立もうしたてをするまでに前回ぜんかいの破産はさんから8年間ねんかん待またなければならない。新法しんぽうにより、我々われわれは、破産はさんの濫用らんよう者しゃたちにどうすれば制度せいどを悪用あくようできるかを教おしえて金かねもうけをしている破産はさん工場こうじょうの連中れんちゅうを取とり締しまることができる。

個人こじん破産はさん法ほうに加くわえられた多おおくの変更へんこうの中なかで、BAPCPAは、「資力しりょく基準きじゅん」を導入どうにゅうした。これは、債務さいむのほとんどが消費しょうひ者しゃ負債ふさいである、多おおくの経済けいざい的てきに破綻はたんした個人こじん債務さいむ者しゃにとって、連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい7章しょうの救済きゅうさい資格しかくを得えることをより難むずかしくしようとするものであった。しかし、その意図いととは反対はんたいに、資力しりょく基準きじゅんはしばしば債務さいむ者しゃが免責めんせきを得えることを簡単かんたんにする結果けっかを生うんでいる。資力しりょく基準きじゅんのため、又または連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい7章しょうでは担保たんぽ付つき債権さいけん（抵当ていとう権けんや自動車じどうしゃローン）の延滞えんたいに対たいする完全かんぜんな解決かいけつができないために、債務さいむ者しゃが連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい7章しょうの救済きゅうさい資格しかくを得えられない場合ばあいであっても、債務さいむ者しゃは依然いぜんとして連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい13章しょうによる救済きゅうさいを求もとめることができるのである。第だい13章しょうによる再建さいけん計画けいかくは一般いっぱんの無む担保たんぽ債権さいけん（クレジットカード利用りよう代金だいきんや医療いりょう費ひ）に対たいする返済へんさいを要求ようきゅうしないことが多おおい。

また、BAPCPAは、破産はさんの救済きゅうさいを求もとめる個人こじんに、破産はさんの申立もうしたてをする前まえに、認可にんかを受うけた相談そうだん機関きかんに債務さいむ内容ないようの相談そうだんをすること、第だい7章しょう又または第だい13章しょうによる免責めんせきを受うける前まえに、認可にんかを受うけた機関きかんで家計かけいのやり繰くりについての教育きょういくを受うけることを要求ようきゅうしている。この債務さいむ相談そうだん要件ようけんの実施じっし状じょう況きょうについての研究けんきゅうによれば、債務さいむ相談そうだん要件ようけんは、相談そうだんを受うける債務さいむ者しゃにとってはほとんど実益じつえきがないことが示しめされている。多おおくの債務さいむ者しゃにとって、唯一ゆいいつの現実げんじつ的てきな選択肢せんたくしは、倒産とうさん法ほうによる救済きゅうさいを求もとめることしかないからである。

参考さんこう文献ぶんけん

• Scott A. Sandage (2005). Born Losers: A History of Failure in America. Harvard University Press 

関連かんれん項目こうもく

• 融資ゆうし
• 負債ふさい
• 手形てがた・小切手こぎって
• 決済けっさい
• 不渡ふわたり
• 貸倒かしだおれ-貸かし倒たおせ引当ひきあて金きん
• SAF2002モデル
• 未み払はらい賃金ちんぎんの立替たてかえ払はらい事業じぎょう

  使用しよう者しゃが倒産とうさんした場合ばあいに、未払みはらいの賃金ちんぎん、退職たいしょく金きんの一部いちぶを政府せいふが立替払たてかえばらいする制度せいど。倒産とうさんの定義ていぎが上記じょうきと異ことなる。

• 帝国ていこくデータバンク
• 東京とうきょう経済けいざい
• 東京商工とうきょうしょうこうリサーチ
• 放漫ほうまん経営けいえい
• 黒字くろじ倒産とうさん
• 倒産とうさん隔離かくり
• 創造そうぞう的てき破壊はかい

外部がいぶリンク

• 倒産とうさんの定義ていぎ - 帝国ていこくデータバンク
• 倒産とうさんとは… - 東京商工とうきょうしょうこうリサーチ
• 倒産とうさんとは? 倒産とうさんの定義ていぎ - 東京商工とうきょうしょうこうリサーチ
• 『倒産とうさん』 - コトバンク
• 『破産はさん』 - コトバンク