大潮おおしお憲司けんじ

大潮おおしお 憲司けんじ
8代だい式しき守もり秀しゅう五ご郎ろう（2010年ねん1月がつ場所ばしょ）
基礎きそ情報じょうほう
四股しこ名めい	波多野はたの → 大潮おおしお 憲司けんじ
本名ほんみょう	波多野はたの 兼二けんじ
生年月日せいねんがっぴ	(1948-01-04) 1948年ねん1月がつ4日にち（76歳さい）
出身しゅっしん	福岡ふくおか県けん八幡やはた市し（現在げんざいの同どう県けん北九州きたきゅうしゅう市し八幡東やはたひがし区く）
身長しんちょう	186cm
体重たいじゅう	143kg
BMI	41.33
所属しょぞく部屋へや	時津風ときつかぜ部屋へや
得意とくい技わざ	左ひだり四よっつ、寄より、突つき
成績せいせき
現在げんざいの番付ばんづけ	引退いんたい
最高さいこう位い	東ひがし小結こむすび
生涯しょうがい戦歴せんれき	964勝しょう927敗はい47休きゅう（156場所ばしょ）
幕内まくうち戦歴せんれき	335勝しょう413敗はい17休きゅう（51場所ばしょ）
優勝ゆうしょう	十両じゅうりょう優勝ゆうしょう3回かい
賞しょう	敢闘かんとう賞しょう1回かい 技能ぎのう賞しょう1回かい
データ
初はつ土俵どひょう	1962年ねん1月がつ場所ばしょ
入幕にゅうまく	1971年ねん9月場所ばしょ
引退いんたい	1988年ねん1月がつ場所ばしょ
引退いんたい後ご	式しき秀しゅう部屋へやの師匠ししょうなど、後進こうしんの力士りきし達たちの指導しどう
備考びこう
金星かなぼし3個こ（輪島わじま1個いっこ、北きたの湖うみ2個こ）
2013年ねん1月がつ3日にち現在げんざい ■テンプレート  ■プロジェクト 相撲すもう

大潮おおしお 憲司けんじ（おおしお けんじ、1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん）1月がつ4日にち - ）は、福岡ふくおか県けん八幡やはた市し（現げん・同どう県けん北九州きたきゅうしゅう市し八幡東やはたひがし区く）出身しゅっしんで時津風ときつかぜ部屋へやに所属しょぞくした大相撲おおずもう力士りきし。本名ほんみょうは波多野はたの 兼二けんじ（はたの けんじ）。最高さいこう位いは東ひがし小結こむすび（1978年ねん1月がつ場所ばしょ）。現役げんえき当時とうじの体格たいかくは186cm、143kg。得意とくい手しゅは左ひだり四よっつ、寄より、突つき。

引退いんたい後ごは年寄としより・式しき守もり秀しゅう五ご郎ろう（通称つうしょう・式しき秀しゅう）を襲名しゅうめいし、1992年ねん（平成へいせい4年ねん）から日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいを停年ていねん（定年ていねん。以下いか同どう）退職たいしょくする2013年ねん（平成へいせい25年ねん）1月がつまで式しき秀しゅう部屋へやの師匠ししょうを務つとめた。

来歴らいれき・人物じんぶつ

幼おさないころに両親りょうしんが離婚りこんし下宿げしゅく屋やで貧乏びんぼうしながら育そだち、いわゆる「おばあちゃん子こ」であった。中学ちゅうがく2年生ねんせいで身長しんちょう182.5cm、体重たいじゅう75kgと学校がっこうでも頭あたま一ひとつ抜ぬけた体格たいかくであった。当時とうじはバスケットボールで活躍かつやくしていたが、たまたま出場しゅつじょうした相撲すもう大会たいかいで優勝ゆうしょうして、これがきっかけとなって粂川くめかわ親方おやかた（元もと前頭まえがしら1・双そうッ龍りゅう）の勧誘かんゆうを受うけた。しかし、当初とうしょは映画えいが『土俵どひょうの鬼おに 若ノ花わかのはな物語ものがたり』（1956年ねん公開こうかい）を見みて、相撲すもう界かいは厳きびしい世界せかいだと感かんじていたので「絶対ぜったいに嫌いやだ」「冗談じょうだんじゃない」と拒絶きょぜつしていた。また女おんなの子こにもてたいので飛行機ひこうきの操縦そうじゅう士しになるという夢ゆめを持もっていた。それでも、祖母そぼにいい家かを建たててあげたいという思おもいが、相撲すもう界かいに入はいることを決意けついさせた。12代だい時津風ときつかぜの部屋へやに正座せいざして入はいり、挨拶あいさつを行おこなった際さい、かなり緊張きんちょうしていたため2018年ねんの時点じてんでは詳くわしくは覚おぼえていないという。ただ、当時とうじの12代だい時津風ときつかぜの身辺しんぺんの世話せわは信頼しんらいしている床山とこやまが行おこなっており、力士りきしの新しん弟子でしが付つくことはなかったといい、それだけ12代だい時津風ときつかぜは近寄ちかよりがたい存在そんざいであったという。12代だい時津風ときつかぜは弟子でしにとって偉大いだいな存在そんざいであり、12代だい時津風ときつかぜがスリッパの音おとや玄関げんかんを開あける音おとを鳴ならしただけで周囲しゅういが静しずまり返かえったという。

そうして時津風ときつかぜ部屋へやへ入門にゅうもんし、1962年ねん1月がつ場所ばしょで初はつ土俵どひょうを踏ふんだ。同期どうきの初はつ土俵どひょう組ぐみには後ごの前頭まえがしら・若わか吉よし葉ようらがいる。新しん弟子でし時代じだいの時津風ときつかぜ部屋へやには部屋へやに70人にんから80人にんが所属しょぞくしており、稽古けいこの時間じかんを確保かくほするために午前ごぜん4時じから稽古けいこ場じょうに下おりていたという。それでも、入門にゅうもん当初とうしょは中学ちゅうがく在学ざいがく中ちゅうであったため、中学ちゅうがく在籍ざいせき当時とうじは学校がっこうを卒業そつぎょうした普通ふつうの力士りきし達たちとは事情じじょうが異ことなっていた。兄弟子あにでし達たちよりも早はやく稽古けいこを切きり上あげ、台所だいどころで女中じょちゅうに朝食ちょうしょくを食たべさせてもらい、上うえからふたをしてぎゅうぎゅうに押おしつぶして汁しるがカバンの中なかからこぼれたドカベンを昼食ちゅうしょくとして持もたされ、墨田すみだ区立くりつ両国りょうこく中学校ちゅうがっこうに通とおった。だが、教員きょういんは事情じじょうが分わかっていたため早はや弁べんしてお腹はらいっぱいになると、居眠いねむりした波多野はたのを大目おおめに見みて、居眠いねむりから起おこしはしなかった。旭あさひ國こくは両国りょうこく中ちゅうでの同級生どうきゅうせいであり、相撲すもうが好すきな旭あさひ國こくは学校がっこうの昼休ひるやすみ中ちゅうであっても「稽古けいこしよう。廊下ろうかでもいいからやろう」と言いってきたが、稽古けいこ嫌きらいな波多野はたのにとってこれは「勘弁かんべんしてくれ」という感かんじであった。

そんな波多野はたのは、自身じしんが付つき人びとを務つとめている北葉きたば山さんの指導しどうを受うけて相撲すもうの素養そようを磨みがき、脇わきが開ひらいてしまうのでどうしたらいいかと助言じょげんを求もとめた時ときは竹たけぼうきを挟はさんで脇わきを締しめて打うつ、鉄砲てっぽうのやり方かたを北葉きたば山さんは教おしえてくれ、さらに「ヒジで体からだの横よこをこするようにして、小指こゆび側がわから当あてていくんだ」「すり足あしも、足あしの親指おやゆびに力ちからを入いれてやると自然しぜんにヒザも曲まがるよ」と、助言じょげんした。波多野はたのは北葉きたば山さんの頭あたまを洗あらう時ときも、「毛け先さきから根本こんぽんへ向むかって、ワキを締しめて洗あらっていくんだ」と、北葉きたば山さんの教おしえを徹底てっていした。波多野はたのは北葉きたば山さんを「稽古けいこ量りょうもすごかったし、研究けんきゅう熱心ねっしんでしたよね」と振ふり返かえっており、幕内まくうち土俵入どひょういりでも北葉きたば山さんはその日ひの土俵どひょうの土どの感触かんしょくを足あしの裏うらで感かんじながらすり足あしで歩あるいたといい、波多野はたのもこれを参考さんこうにした。波多野はたのはこれを知しっていたおかげなのか、現役げんえき中ちゅう勇いさみ足あしで星ほしを拾ひろったことも何なん度どか経験けいけんした。波多野はたのが若わかいころは、12代だい時津風ときつかぜは午前ごぜん10時じごろに稽古けいこ場じょうに下くだり、出稽古でげいこによく訪おとずれた柏戸かしわど、北葉きたば山さん、豊山とよやまで行おこなわれた三さん番ばん稽古けいこで指導しどうを行おこなっていた。12代だい時津風ときつかぜは弟子でし達たちにとって神かみのような存在そんざいなのでこの頃ころになると取的とりてきに胸むねを出だすことは基本きほん的てきに無なかったが、巡業じゅんぎょうで兄弟子あにでしがいない時ときに「あんちゃん、こい」と言いわれて胸むねを借かりたことが2、3度どあった。下したの力士りきしにとっては畏おそれ多おおい存在そんざいなので、波多野はたのにとっても「触さわらせていただいた」という感かんじの夢ゆめのような体験たいけんであった。12代だい時津風ときつかぜを波多野はたのは言葉ことばで何なにかを教おしえる雄弁ゆうべんな人物じんぶつではないとして「てっぽうをやるにしても、師匠ししょうは左右さゆう交互こうごに打うつのではなく、片方かたがたの腕うでは上うえに掲かかげたまま、一方いっぽうの腕うでだけで打うち続つづけるんです。そうすれば自然しぜんにワキが締しまるし、手てと足あしが連動れんどうして体からだ全体ぜんたいを使つかって打うつことができる。当時とうじは、ただ呆然ぼうぜんと見みていただけですが、後々あとあとになって、それが分わかってきたんです」と「言葉ことばで教おしえてもらうのではなく、自分じぶん自身じしんで学まなびなさい」という12代だい時津風ときつかぜの考かんがえ方かたがそこにあったと述のべている。

当初とうしょから道場どうじょうのホープと呼よばれながら出世しゅっせは遅おそく、何なん度ども幕下まくした上位じょういの壁かべに阻はばまれていた。気きが優やさしすぎるのが力士りきしとしての欠点けってんであり、中学ちゅうがく時代じだいに相撲すもう大会たいかいで土俵どひょうの横よこの水みずたまりを指ゆびさして「先生せんせい、ここに投なげ飛とばしたら濡ぬれるじゃないの。止とめようよ」と相撲すもうの先生せんせいに中止ちゅうしを申もうし出でたというエピソードが存在そんざいする。それでも、当時とうじの巡業じゅんぎょうの呼よび物ものである「幕下まくした5人にん抜ぬき」の時津風ときつかぜ部屋へや代表だいひょうに選えらばれた際さいは、兄弟子あにでしの北葉きたば山さんや時じ葉山はやまらに「オイ、負まけたらどうなるか、分わかってるだろうな」と半死半生はんしはんしょうのしごきを仄ほのめかす言葉ことばを受うけたため、必死ひっしに相撲すもうを取とった。

波多野はたのの故郷こきょう、北九州きたきゅうしゅう市しの祖母そぼも下位かい時代じだいの波多野はたのが勝かつと近所きんじょの人ひとに一緒いっしょに喜よろこんでもらえたが、負まけると周囲しゅういが気きを遣やって祖母そぼを避さけたという。幕下まくしたまでは相撲すもうに対たいする真剣しんけんさも比較的ひかくてき薄うすかったが、そうした話はなしを聞きいて尚更なおさら頑張がんばらなくてはならないと感かんじた。そんな波多野はたのが奮起ふんきした決定的けっていてきな出来事できごとは、祖母そぼと師匠ししょう・時津風ときつかぜ（元もと横綱よこづな・双葉ふたば山さん）の死しである。死しそのもの以上いじょうに、「紋付もんつきも着きれないで、出席しゅっせきしている自分じぶんが情なさけなかった」という思おもいが奮起ふんきの理由りゆうとなった。1969年ねん5月がつ場所ばしょからは、既すでに日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいを停年ていねん退職たいしょくしていた同郷どうきょうの大潮おおしお清せい治郎じろう（元もと関脇せきわけ、4代だい陸奥みちのく親方おやかた）に頼たのんで襲名しゅうめいした大潮おおしおの四股しこ名めいで土俵どひょうに上あがることになった。当時とうじ、両国りょうこくの回向えこう院いんの裏うらに住すんでいた清せい治郎じろうに酒さけを持もって挨拶あいさつに行いくと、四股しこ名めいを譲ゆずるように頼たのんだ波多野はたのは「頑張がんばってください」と快こころよい返事へんじをもらった。

実質じっしつ的てきな12代だい時津風ときつかぜの次代じだいである14代だい時津風ときつかぜが師匠ししょうになると、大潮おおしおも厳きびしく指導しどうされた。停年ていねん退職たいしょく後ごに自身じしんで述懐じゅっかいするように、わがままでものぐさで人ひとにすぐに頼たよる面めんがあった大潮おおしおは、目めに余あまるところがあったと判断はんだんされたのか、14代だい時津風ときつかぜから「もっと人ひとの苦労くろうを知しりなさい。自分じぶんのことばかりではなく、人ひとのために動うごきなさい」などと説教せっきょうをされたことがある。14代だい時津風ときつかぜは学生がくせい相撲すもう出身しゅっしん者しゃへの風当かぜあたりが強つよい時代じだいに初はじめて学生がくせい横綱よこづなの肩書かたがきを持もって角界かくかい入いりし、引退いんたい後ごは「角すみ聖きよし・双葉ふたば山さん」として国民こくみん的てきな支持しじを得えていた12代だい時津風ときつかぜの後継こうけいとなった人物じんぶつであっただけに、「大潮おおしお達たちには想像そうぞうできない重圧じゅうあつがあったのだろう」と大潮おおしおは後のちに考察こうさつしている。因ちなみに、現役げんえき時代じだいの14代だい時津風ときつかぜは付つけ人びとへの気前きまえが良よく、大潮おおしおは自分じぶんもその付つけ人びとになりたかったと羨うらやむことがあったという。

その経験けいけんを乗のり越こえながら1969年ねん11月場所ばしょで十じゅう両りょうに昇進しょうしん、1967年ねん5月がつ場所ばしょで十じゅう両りょうに在籍ざいせきして翌よく場所ばしょ幕下まくしたに降格こうかくした若わか乃洲敏さと弥わたる以来いらい、15場所ばしょぶりの福岡ふくおか県けん出身しゅっしんの関取せきとり誕生たんじょうとなった。1971年ねん9月場所ばしょで新しん入幕にゅうまくを果はたした。

大潮おおしおは立合たちあいから激はげしく当あたるか突ついて出でて、左ひだりを差さして一気いっきに寄よる取とり口くちを得意とくいとしたが腰高こしだかのため逆転ぎゃくてんされることも多おおかった。勝かつ時ときは一瞬いっしゅんだが、負まける時ときも土俵どひょう外がいまで派手はでに吹ふっ飛とんでいた。左ひだりを差さして出でる取とり口くちは体からだが自然しぜんに動うごく感かんじで行おこなわれており、ビデオ研究けんきゅうなどで意図いと的てきに身みに付つけたのではないと大潮おおしおは停年ていねん退職たいしょく後ごに話はなしている。幕内まくうち昇進しょうしん後ご、同おなじマンションに住すんでいた旭あさひ國こくには土俵際どひょうぎわで落おちてしまう相撲すもうが多おおいがどうすればいいかと聞きいても、何なん度どかは全まったく教おしえてもらえなかったが、ある時ときちゃんこ屋やで会あった時ときに酒さけが入はいっていた旭あさひ國こくは、「土俵際どひょうぎわでは、ひと腰こし落おとして、右足みぎあしか左足ひだりあしかを半はん歩ほ前まえに出しゅっせ」と教おしえてくれた。これが大潮おおしおの現役げんえき後期こうきの金星きんぼしなどに繋つながった。

入幕にゅうまく後ご、大潮おおしおもしばらくは幕内まくうちと十じゅう両りょうとの往復おうふくを繰くり返かえしたが、若わかノ國こく（最高さいこう位い・前頭まえがしら8枚まい目め）の記録きろくを更新こうしんする10回かい目めの入幕にゅうまくとなった1976年ねん3月がつ場所ばしょからはようやく幕内まくうちに定着ていちゃくし、1977年ねん11月場所ばしょでは前頭まえがしら3枚まい目めの地位ちいで旭あさひ國こく・貴たかノ花はな・若わか三さん杉すぎを破やぶり9勝しょう6敗はいと勝かち越こして技能ぎのう賞しょうを獲得かくとく。1978年ねん1月がつ場所ばしょでは自己じこ最高さいこう位いとなる東ひがし小結こむすびに昇進しょうしんした。1977年ねん11月場所ばしょと1978年ねん1月がつ場所ばしょは2回かい連続れんぞくで押おし出だしで貴たかノ花はなを破やぶっており、自身じしんの持もち味あじを生いかした格好かっこうとなっている。その時とき中継ちゅうけいの解説かいせつをしていた10代二子山ふたごやまは大潮おおしおについて「大潮おおしおはね、あれは何なにか、乗のりうつってますね」と言いっていた。

大潮おおしおは足あしの負傷ふしょうのため、1979年ねん7月がつ場所ばしょでは幕下まくしたまで落おちたがその後ご、節制せっせいと努力どりょくを重かさねて幕内まくうちまで返かえり咲ざいた。当時とうじは家いえに帰かえると、妻つまが幕内まくうち時代じだいよりもさらに良よい料理りょうりを出だしてくれることに奮起ふんきしたという。その一方いっぽう、ちゃらんぽらんが原因げんいんでエレベーター力士りきしに甘あまんじていたと自称じしょうする大潮おおしおに対たいして大潮おおしおの妻つまは、稽古けいこもするのも嫌いやになって引退いんたいしようと思おもっていた大潮おおしおにたいして「あなた、日本一にっぽんいちの勝かち星ぼしまで頑張がんばりなさい。やめるというのなら、土俵どひょうの上うえで死しんできなさい」と叱咤しったし、これに目めが覚さめた大潮おおしおは大だい酒飲さけのみ、ヘビースモーカーであった状態じょうたいから完全かんぜんに禁酒きんしゅ・禁煙きんえんを果はたした。大潮おおしおの妻つまはその誓ちかいを忘わすれないように、大潮おおしおが吸すってきたタバコの分ぶんのカートンをこれ見みよがしに大潮おおしおの寝床ねどこが見みえるところに並ならべた。

以降いこうは二度にどと三さん役やくに復帰ふっきできなかったものの、1982年ねん7月がつ場所ばしょから5場所ばしょ連続れんぞくで横綱よこづなの北きたの湖うみ、大関おおぜきの隆りゅうの里さと、関脇せきわけの若島わかしま津つのいずれかに勝かつなど幕内まくうち上位じょういで健闘けんとうを見みせた。特とくに北きたの湖うみからは2戦せん連続れんぞくで金星きんぼしを獲得かくとくしている。2場所ばしょ連続れんぞくで北きたの湖うみからの金星きんぼしとなった1983年ねん1月がつ場所ばしょ7日にち目めの取組とりくみは、北きたの湖うみに得意とくいの左ひだり差さしを許ゆるしながら右みぎ上手じょうずを引ひき付つけて一気いっきに走はしり、棒立ぼうだちとなった北きたの湖うみを大潮おおしおが寄より切きった、という内容ないようであった。北きたの湖うみから金星きんぼしを奪うばったその2場所ばしょのうちのいずれかでは、まさかの金星きんぼしに勝かった瞬間しゅんかん砂すなかぶりにいた女性じょせいが口くちをあんぐりとさせており、この写真しゃしんは2018年ねん時点じてんでも大潮おおしおが持もっている。

1984年ねん3月がつ場所ばしょでは36歳さい2ヵ月かげつでの再さい入幕にゅうまくを果はたしたが、これは当時とうじ、戦後せんご3位いの年長ねんちょう再さい入幕にゅうまく記録きろくであった。大潮おおしおは同年どうねん5月がつ場所ばしょを最後さいごに幕内まくうちから落おちてからも十じゅう両りょうや幕下まくした上位じょういで相撲すもうを取とり続つづけた。1987年ねんには通算つうさん勝かち星ぼしで北きたの湖うみの成績せいせきを上回うわまわり、歴代れきだい1位いとなった。

1988年ねん1月がつ場所ばしょ後ご、満まん40歳さいで現役げんえきを引退いんたいした。大潮おおしおの通算つうさん出場しゅつじょう1891番ばんは全ぜん大相撲おおずもう力士りきし中ちゅうの第だい1位い、十両じゅうりょう在位ざいい55場所ばしょは歴代れきだい1位いタイ（他たに蜂はち矢や）、幕内まくうち昇進しょうしん13回かいも歴代れきだい1位いの記録きろくである。通算つうさん勝かち星ぼしの964勝しょうは横綱よこづな・白はく鵬ほうの1187勝しょう、大関おおぜき・魁皇かいおうの1047勝しょう、横綱よこづな・千代ちよの富士ふじの1045勝しょうに次つぐ第だい4位いの記録きろくである。なお、通算つうさん黒星くろぼしの927敗はいは旭天鵬きょくてんほうの944敗はい、寺尾てらおの938敗はいに次つぐ第だい3位いである。現役げんえき在位ざいい156場所ばしょは、引退いんたい時じから2008年ねんに栃とち天たかし晃あきら（元もと・十じゅう両りょう）によって更新こうしんされるまで20年間ねんかんに亘わたって歴代れきだい1位いの記録きろくであった。この他ほかにも再さい十じゅう両りょう昇進しょうしんの最年長さいねんちょう記録きろく（39歳さい5ヵ月かげつ）を持もっている。

大潮おおしおは古武士こぶしを思おもわせる揉もみ上あげの長ながい風貌ふうぼうで人気にんきがあり、悲壮ひそう感かんすら漂ただよう立合たちあいの後のちの睨にらみに風格ふうかくがあった。

引退いんたい後ごは年寄としより・錣山を経へて同どう・式しき守もり秀しゅう五ご郎ろう（式しき秀しゅう）を襲名しゅうめいし、1992年ねん3月がつに時津風ときつかぜ部屋へやから独立どくりつして式しき秀しゅう部屋へやを創設そうせつした。創設そうせつの際さいに14代だい時津風ときつかぜからは「いいことだ。お前まえも人ひとの苦労くろうが分わかる人間にんげんになる」と言いわれた。部屋へや創設そうせつ後ご、式しき秀しゅう部屋へやでは14代だい時津風ときつかぜが東京農業大学とうきょうのうぎょうだいがく時代じだいから支ささえとしてきた三さん綱領こうりょうなる道場どうじょう訓くんを提唱ていしょうする習慣しゅうかんを継承けいしょうした。

地元じもと・福岡ふくおかで開催かいさいされる11月場所ばしょ（九州きゅうしゅう場所ばしょ）では出身しゅっしん地ちの北九州きたきゅうしゅう市しに宿舎しゅくしゃを構かまえ、2003年ねんには地元じもと後援こうえん者しゃによって地方ちほう場所ばしょでは珍めずらしい常設じょうせつの宿舎しゅくしゃが設もうけられた。場所ばしょ前後ぜんこうには部屋へやの弟子でしを引ひき連つれ、北九州きたきゅうしゅう市し周辺しゅうへんの福祉ふくし施設しせつを慰問いもんに訪おとずれるなど社会しゃかい貢献こうけんにも尽つくした。現役げんえき時代じだいから式しき秀しゅうや部屋へやに持もち前まえの優やさしさと厳きびしさを活いかして献身けんしん的てきに支ささえてきた大潮おおしおの妻つまは、周囲しゅういの人ひとにとって式しき秀しゅう自身じしんよりも強つよい支持しじを得える存在そんざいであり、妻つまがいなければ力士りきしとしても親方おやかたとしても大潮おおしおは成なりたなかったと大潮おおしおは感謝かんしゃを述のべている。

大潮おおしおの長男ちょうなんも式しき秀しゅう部屋へやへ入門にゅうもんし、「玉たま光こう」の四股しこ名めいで相撲すもうを取とった（最高さいこう位いは東ひがし三さん段だん目め87枚まい目め）が2011年ねん1月がつ場所ばしょを最後さいごに引退いんたいした。2012年ねんには千せん昇のぼるが十じゅう両りょうに昇進しょうしんしたが、これが大潮おおしおが育そだてた唯一ゆいいつの関取せきとりだった。

日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいでは審判しんぱん委員いいんを長ながく務つとめ、65歳さいの誕生たんじょう日びを翌日よくじつに控ひかえた2013年ねん1月がつ3日にち付づけで停年ていねん退職たいしょく。式しき秀しゅう部屋へやは現役げんえき時代じだい、北きたの湖うみ部屋へや（出羽海でわのうみ一門いちもん）に所属しょぞくした元もと前頭まえがしらの北きた桜さくらが継承けいしょうした。

主おもな成績せいせき・記録きろく

• 通算つうさん成績せいせき：964勝しょう927敗はい47休きゅう 勝率しょうりつ.510（最高さいこう位いが関脇せきわけ以下いかの力士りきしとしては最多さいた勝利しょうり数すう）
• 幕内まくうち成績せいせき：335勝しょう413敗はい17休きゅう 勝率しょうりつ.448
• 十じゅう両りょう成績せいせき：436勝しょう359敗はい30休きゅう 勝率しょうりつ.548
• 通算つうさん出場しゅつじょう：1891番ばん（史上しじょう1位い）
• 現役げんえき在位ざいい：157場所ばしょ（当時とうじ史上しじょう1位い、現在げんざいは10位いタイ）
• 幕内まくうち在位ざいい：51場所ばしょ
• 十両じゅうりょう在位ざいい：55場所ばしょ（史上しじょう1位いタイ）
• 三さん役やく在位ざいい：1場所ばしょ（小結こむすび1場所ばしょ）
• 三さん賞しょう：2回かい
  • 敢闘かんとう賞しょう：1回かい (1977年ねん11月場所ばしょ)
  • 技能ぎのう賞しょう：1回かい (1982年ねん11月場所ばしょ)
• 金星かなぼし：3個こ（輪島わじま1個いっこ、北きたの湖うみ2個こ）
• 各かく段だん優勝ゆうしょう
  • 十両じゅうりょう優勝ゆうしょう：3回かい（1971年ねん5月場所ばしょ、1979年ねん1月がつ場所ばしょ、1980年ねん11月場所ばしょ）

場所ばしょ別べつ成績せいせき

大潮おおしお 憲司けんじ

	一いち月がつ場所ばしょ 初場所はつばしょ（東京とうきょう）	三さん月がつ場所ばしょ 春場所はるばしょ（大阪おおさか）	五月ごがつ場所ばしょ 夏場所なつばしょ（東京とうきょう）	七なな月がつ場所ばしょ 名古屋なごや場所ばしょ（愛知あいち）	九月場所くがつばしょ 秋場所あきばしょ（東京とうきょう）	十一月じゅういちがつ場所ばしょ 九州きゅうしゅう場所ばしょ（福岡ふくおか）
1962年ねん （昭和しょうわ37年ねん）	（前ぜん相撲すもう）	東ひがし序ノ口じょのくち21枚まい目め 2–5	東ひがし序ノ口じょのくち11枚まい目め 4–3	西にし序じょ二に段だん72枚まい目め 3–4	西にし序じょ二に段だん76枚まい目め 3–4	西にし序じょ二に段だん77枚まい目め 6–1
1963年ねん （昭和しょうわ38年ねん）	東ひがし序じょ二に段だん24枚まい目め 4–3	東ひがし三さん段だん目め85枚まい目め 3–4	東ひがし序じょ二に段だん10枚まい目め 2–5	東ひがし序じょ二に段だん39枚まい目め 5–2	東ひがし三さん段だん目め92枚まい目め 3–4	東ひがし序じょ二に段だん7枚まい目め 4–3
1964年ねん （昭和しょうわ39年ねん）	西にし三さん段だん目め82枚まい目め 3–4	東ひがし三さん段だん目め87枚まい目め 5–2	西にし三さん段だん目め53枚まい目め 5–2	東ひがし三さん段だん目め24枚まい目め 3–4	西にし三さん段だん目め32枚まい目め 4–3	東ひがし三さん段だん目め19枚まい目め 4–3
1965年ねん （昭和しょうわ40年ねん）	東ひがし三さん段だん目め8枚まい目め 5–2	東ひがし幕下まくした74枚まい目め 3–4	東ひがし幕下まくした80枚まい目め 4–3	西にし幕下まくした76枚まい目め 4–3	西にし幕下まくした69枚まい目め 5–2	東ひがし幕下まくした46枚まい目め 4–3
1966年ねん （昭和しょうわ41年ねん）	西にし幕下まくした41枚まい目め 4–3	西にし幕下まくした38枚まい目め 6–1	西にし幕下まくした15枚まい目め 3–4	西にし幕下まくした17枚まい目め 4–3	東ひがし幕下まくした13枚まい目め 2–5	東ひがし幕下まくした24枚まい目め 3–4
1967年ねん （昭和しょうわ42年ねん）	東ひがし幕下まくした28枚まい目め 3–4	西にし幕下まくした31枚まい目め 4–3	東ひがし幕下まくした31枚まい目め 5–2	西にし幕下まくした17枚まい目め 4–3	東ひがし幕下まくした14枚まい目め 4–3	東ひがし幕下まくした10枚まい目め 4–3
1968年ねん （昭和しょうわ43年ねん）	西にし幕下まくした7枚まい目め 4–3	東ひがし幕下まくした6枚まい目め 4–3	東ひがし幕下まくした2枚まい目め 3–4	東ひがし幕下まくした5枚まい目め 3–4	西にし幕下まくした8枚まい目め 5–2	東ひがし幕下まくした3枚まい目め 4–3
1969年ねん （昭和しょうわ44年ねん）	西にし幕下まくした2枚まい目め 4–3	西にし幕下まくした筆頭ひっとう 4–3	東ひがし幕下まくした筆頭ひっとう 2–5	東ひがし幕下まくした8枚まい目め 5–2	西にし幕下まくした筆頭ひっとう 5–2	東ひがし十じゅう両りょう13枚まい目め 9–6
1970年ねん （昭和しょうわ45年ねん）	西にし十じゅう両りょう8枚まい目め 7–8	西にし十じゅう両りょう10枚まい目め 8–7	東ひがし十じゅう両りょう7枚まい目め 10–5	東ひがし十じゅう両りょう3枚まい目め 5–10	西にし十じゅう両りょう10枚まい目め 8–7	西にし十じゅう両りょう8枚まい目め 8–7
1971年ねん （昭和しょうわ46年ねん）	西にし十じゅう両りょう4枚まい目め 7–8	西にし十じゅう両りょう7枚まい目め 9–6	東ひがし十じゅう両りょう5枚まい目め 優勝ゆうしょう 11–4	東ひがし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 9–6	西前にしまえ頭あたま12枚まい目め 6–9	西にし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 9–6
1972年ねん （昭和しょうわ47年ねん）	西前にしまえ頭あたま11枚まい目め 6–9	東ひがし十じゅう両りょう2枚まい目め 9–6	東ひがし前頭まえがしら12枚まい目め 4–6–5	東ひがし十じゅう両りょう5枚まい目め 休場きゅうじょう 0–0–15	東ひがし張ちょう出いずる十両じゅうりょう5枚まい目め 9–6	西にし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 11–4
1973年ねん （昭和しょうわ48年ねん）	東ひがし前頭まえがしら10枚まい目め 8–7	東ひがし前頭まえがしら7枚まい目め 6–9	西前にしまえ頭あたま11枚まい目め 6–9	東ひがし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 10–5	東ひがし前頭まえがしら11枚まい目め 6–9	西にし十じゅう両りょう2枚まい目め 9–6
1974年ねん （昭和しょうわ49年ねん）	西にし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 10–5	西前にしまえ頭あたま10枚まい目め 6–9	西にし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 7–8	東ひがし十じゅう両りょう4枚まい目め 8–7	東ひがし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 9–6	西前にしまえ頭あたま12枚まい目め 7–8
1975年ねん （昭和しょうわ50年ねん）	西前にしまえ頭あたま14枚まい目め 7–8	西にし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 9–6	東ひがし前頭まえがしら14枚まい目め 7–8	東ひがし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 9–6	西前にしまえ頭あたま10枚まい目め 7–8	西前にしまえ頭あたま11枚まい目め 6–9
1976年ねん （昭和しょうわ51年ねん）	東ひがし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 9–6	東ひがし前頭まえがしら13枚まい目め 10–5	東ひがし前頭まえがしら4枚まい目め 5–10	東ひがし前頭まえがしら9枚まい目め 8–7	西前にしまえ頭あたま7枚まい目め 8–7	西前にしまえ頭あたま3枚まい目め 6–9
1977年ねん （昭和しょうわ52年ねん）	東ひがし前頭まえがしら6枚まい目め 6–9	東ひがし前頭まえがしら10枚まい目め 7–8	東ひがし前頭まえがしら11枚まい目め 9–6	西前にしまえ頭あたま5枚まい目め 8–7	西前にしまえ頭あたま筆頭ひっとう 6–9	東ひがし前頭まえがしら3枚まい目め 9–6 技わざ
1978年ねん （昭和しょうわ53年ねん）	東ひがし小結こむすび 3–12	東ひがし前頭まえがしら6枚まい目め 10–5	東ひがし前頭まえがしら筆頭ひっとう 5–10 ★	東ひがし前頭まえがしら6枚まい目め 5–10	西前にしまえ頭あたま10枚まい目め 7–8	西前にしまえ頭あたま11枚まい目め 5–10
1979年ねん （昭和しょうわ54年ねん）	東ひがし十じゅう両りょう4枚まい目め 優勝ゆうしょう 11–4	西前にしまえ頭あたま11枚まい目め 1–2–12	西にし十じゅう両りょう7枚まい目め 休場きゅうじょう 0–0–15	東ひがし幕下まくした5枚まい目め 4–3	西にし幕下まくした筆頭ひっとう 5–2	西にし十じゅう両りょう13枚まい目め 9–6
1980年ねん （昭和しょうわ55年ねん）	西にし十じゅう両りょう7枚まい目め 8–7	西にし十じゅう両りょう6枚まい目め 8–7	東ひがし十じゅう両りょう5枚まい目め 7–8	東ひがし十じゅう両りょう7枚まい目め 7–8	東ひがし十じゅう両りょう9枚まい目め 10–5	東ひがし十じゅう両りょう3枚まい目め 優勝ゆうしょう 12–3
1981年ねん （昭和しょうわ56年ねん）	西前にしまえ頭あたま10枚まい目め 8–7	西前にしまえ頭あたま6枚まい目め 6–9	西前にしまえ頭あたま8枚まい目め 8–7	東ひがし前頭まえがしら6枚まい目め 7–8	西前にしまえ頭あたま6枚まい目め 7–8	東ひがし前頭まえがしら7枚まい目め 7–8
1982年ねん （昭和しょうわ57年ねん）	東ひがし前頭まえがしら8枚まい目め 8–7	東ひがし前頭まえがしら3枚まい目め 4–11	東ひがし前頭まえがしら10枚まい目め 8–7	東ひがし前頭まえがしら6枚まい目め 8–7	西前にしまえ頭あたま2枚まい目め 4–11 ★	西前にしまえ頭あたま8枚まい目め 10–5 敢
1983年ねん （昭和しょうわ58年ねん）	東ひがし前頭まえがしら筆頭ひっとう 5–10 ★	西前にしまえ頭あたま5枚まい目め 7–8	東ひがし前頭まえがしら6枚まい目め 6–9	東ひがし前頭まえがしら9枚まい目め 7–8	東ひがし前頭まえがしら11枚まい目め 7–8	東ひがし前頭まえがしら12枚まい目め 6–9
1984年ねん （昭和しょうわ59年ねん）	西にし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 10–5	西前にしまえ頭あたま11枚まい目め 7–8	西前にしまえ頭あたま12枚まい目め 5–10	西にし十じゅう両りょう2枚まい目め 8–7	東ひがし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 5–10	東ひがし十じゅう両りょう9枚まい目め 11–4
1985年ねん （昭和しょうわ60年ねん）	西にし十じゅう両りょう3枚まい目め 5–10	東ひがし十じゅう両りょう7枚まい目め 10–5	西にし十じゅう両りょう2枚まい目め 9–6	東ひがし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 4–11	西にし十じゅう両りょう10枚まい目め 7–8	西にし十じゅう両りょう12枚まい目め 8–7
1986年ねん （昭和しょうわ61年ねん）	東ひがし十じゅう両りょう8枚まい目め 7–8	東ひがし十じゅう両りょう10枚まい目め 8–7	東ひがし十じゅう両りょう9枚まい目め 7–8	東ひがし十じゅう両りょう11枚まい目め 7–8	西にし十じゅう両りょう12枚まい目め 9–6	東ひがし十じゅう両りょう8枚まい目め 7–8
1987年ねん （昭和しょうわ62年ねん）	西にし十じゅう両りょう10枚まい目め 6–9	西にし十じゅう両りょう13枚まい目め 6–9	東ひがし幕下まくした3枚まい目め 5–2	西にし十じゅう両りょう12枚まい目め 10–5	西にし十じゅう両りょう6枚まい目め 4–11	西にし十じゅう両りょう13枚まい目め 7–8
1988年ねん （昭和しょうわ63年ねん）	西にし幕下まくした筆頭ひっとう 引退いんたい 2–5–0	x	x	x	x	x
各かく欄らんの数字すうじは、「勝かち-負まけ-休場きゅうじょう」を示しめす。    優勝ゆうしょう 引退いんたい 休場きゅうじょう 十じゅう両りょう 幕下まくした 三さん賞しょう：敢=敢闘かんとう賞しょう、殊こと=殊勲賞しゅくんしょう、技わざ=技能ぎのう賞しょう     その他た：★=金星かなぼし 番付ばんづけ階級かいきゅう：幕内まくうち - 十じゅう両りょう - 幕下まくした - 三さん段だん目め - 序じょ二に段だん - 序ノ口じょのくち 幕内まくうち序列じょれつ：横綱よこづな - 大関おおぜき - 関脇せきわけ - 小結こむすび - 前頭まえがしら（「#数字すうじ」は各位かくい内ないの序列じょれつ）

幕内まくうち対戦たいせん成績せいせき

力士りきし名めい	勝かち数すう	負数ふすう	力士りきし名めい	勝かち数すう	負数ふすう	力士りきし名めい	勝かち数すう	負数ふすう	力士りきし名めい	勝かち数すう	負数ふすう
青葉あおば城じょう	8	12	青葉山あおばやま	6	8	朝あさ潮しお	1	6	朝あさ登とう	0	1
旭あさひ國こく	3	3	旭あさひ富士ふじ	2	1	荒あら勢ぜい	6	7(1)	板井いたい	1	2
巌いわお虎とら	0	1	岩波いわなみ	3	1	巨きょ砲ほう	2	2	大だい錦にしき	7	8
大だいノ海うみ	1	1	大だい乃国(大だいノ国こく)	1	0	大鷲おおわし	8	3	魁輝かいき	6	15
魁さきがけ傑すぐる	4	5	影かげ虎とら	0	1	北きた瀬せ海うみ	7	2	北きたの湖うみ	4	8
騏ノ嵐あらし	0	1	麒麟児きりんじ	2	10	黒瀬川くろせがわ	3	5	黒姫山くろひめさん	6	5
高こう鐵山てつざん	0	1	高こう望のぞむ山さん	4	3	琴きん風ふう	2	7	琴きんヶ嶽だけ	6	0
琴きん千せん歳さい	1	2	琴乃ことの富士ふじ	3	0	琴きん若わか	1	1	金きむ剛つよし	2	5
斉ひとし須	4	1	蔵玉くらだま錦にしき	2	4	逆鉾さかほこ	3	1	佐田さたの海うみ	7	2
嗣子しし鵬おおとり	4(1)	2	白田しらだ山さん	1	2	陣岳じんだけ	0	1	神かみ幸みゆき	4	0
大だい旺	3	2	大だい峩	0	1	大だい豪ごう	1	0	大たいこう	1	1
大だい受	4	2	太ふとし寿山ことぶきやま(大寿だいず山さん)	3	2	大雪おおゆき	1	0	大だい徹てっ	1	1
大だい飛ひ	0	3	大雄たいゆう	0	2	大竜おおたつ川がわ	3	2	隆りゅうの里さと	6	9
貴たかノ花はな	2	3	隆三りゅうぞう杉すぎ	2	1	高見山たかみやま	2	15	多賀たが竜りゅう	5	4
玉たま輝山てらしやま	3	6	玉たまノ富士ふじ	5	6	玉たま龍りゅう	4	2	千代ちよ櫻さくら	3	2
千代ちよの富士ふじ	2	4	出羽でわの花はな	4	5	天龍てんりゅう	2	4	闘たたかえ竜りゅう	3	6
栃とち赤城せきじょう	4	4	栃とち東ひがし	4	8	栃とち勇いさむ	2	0	栃とち王おう山やま	1	1
栃とち司つかさ	0	2	栃とち剣けん	3	2	栃とち光ひかり	3	9	羽黒はぐろ岩いわ	5(1)	8
蜂はち矢や	1	0	播竜山やま	14	5	飛騨ひだ乃花	4	6	福ぶくの花はな	2	7
富士ふじ櫻さくら	12	14	二子ふたご岳だけ	5	4	鳳凰ほうおう	6	2	北きた天佑てんゆう	1	2
北勝海ほくとうみ(保志ほし)	0	2	前まえの山やま	0	1	増ぞう位山くらいやま	4	5	舛田ますだ山さん	6	10
三重みえノ海うみ	2	4	三杉みすぎ磯いそ(東洋とうよう)	5	4	陸奥むつ嵐あらし	5	5	吉きち王おう山やま	1	3(1)
吉きちの谷たに	2	1	義よしノ花はな	1	0	琉王	3	4	龍虎りゅうこ	0	1
若わか獅子しし	7	6	若わか嶋津しまづ(若島わかしま津つ)	3	7	若わか瀬川せかわ	3(1)	1	若浪わかのなみ	1	1
若わかノ海うみ	5	3	若乃花わかのはな(若わか三さん杉すぎ)	1	12	若わかの富士ふじ	0	1	若わか二に瀬せ	3	1
輪島わじま	1	5	鷲羽山わしゅうざん	5	7

※カッコ内ないは勝かち数すう、負数ふすうの中なかに占しめる不戦勝ふせんしょう、不戦敗ふせんぱいの数かず。

改名かいめい歴れき

力士りきし

• 波多野はたの 兼二けんじ（はたの けんじ）1962年ねん3月がつ場所ばしょ - 1969年ねん3月がつ場所ばしょ
• 大潮おおしお 兼けん二に（おおしお けんじ）1969年ねん5月がつ場所ばしょ - 1977年ねん5月がつ場所ばしょ
• 大潮おおしお 憲司けんじ（おおしお けんじ）1977年ねん7月がつ場所ばしょ - 1988年ねん1月がつ場所ばしょ

年寄としより

• 錣山 憲司けんじ（しころやま けんじ）1988年ねん1月がつ24日にち - 1989年ねん9月がつ25日にち
• 式しき守もり 秀しゅう五ご郎ろう（式しき秀しゅう）（しきもり ひでごろう）1989年ねん9月がつ26日にち - 2013年ねん1月がつ3日にち（停年ていねん退職たいしょく）

エピソード

• 『デーモン小暮こぐれのオールナイトニッポン』に大だい徹てっがゲスト出演しゅつえんした際さい、大だい徹てっにリスナーから「車くるまは運転うんてんするのか？」と質問しつもんが寄よせられた。大だい徹てっは「後援こうえん者しゃからクラウンを借かりて、自動車じどうしゃを運転うんてんしている」（現在げんざい、力士りきしの自動車じどうしゃ運転うんてんは禁止きんし）と答こたえたが、デーモン小暮こぐれは「そういえば以前いぜん、首都高しゅとこうで車くるまを走はしっていたら、横よこからクラウンが近ちかづいてきてパッと見みたら大潮おおしおが運転うんてんしていた」と返かえし、大だい徹てっに爆笑ばくしょうされてしまった。
• 両国りょうこく国技こくぎ館かんの土俵どひょうを経験けいけんした元もと力士りきしの年寄としよりで、最初さいしょに停年ていねんを迎むかえた。
• 式しき秀しゅう部屋へやを継承けいしょうした元もと前頭まえがしら・北きた桜さくらは現役げんえき時代じだいの弟弟子おとうとでし・豊ゆたか桜さくら（最高さいこう位い・三さん段だん目め）の長男ちょうなんで入門にゅうもん前まえから交流こうりゅうがあったが、北きた桜さくらが現役げんえき時代じだいに所属しょぞくした北きたの湖うみ部屋へやは出羽海でわのうみ一門いちもんのひとつであり、時津風ときつかぜ一門いちもんの式しき秀しゅう部屋へやを一門いちもんを超こえて継承けいしょうするのは極きわめて異例いれいのことだった。但ただし、北きた桜さくらとは年寄としより名跡みょうせきの譲渡じょうと金きんで揉もめ、2013年ねん末まつに年寄としより名跡みょうせきを相撲すもう協会きょうかいで一括いっかつ管理かんりすることになった際さいには、式しき秀しゅう株かぶの証書しょうしょを北きた桜さくらに協会きょうかいへの提出ていしゅつ期限きげん寸前すんぜんまで譲渡じょうとしないというトラブルが発生はっせいしている。
• 自身じしんが所持しょじしていた通算つうさん勝かち星ぼし第だい1位いの964勝しょうを、1989年ねん9月がつ22日にち（同年どうねん9月がつ場所ばしょ13日にち目め）に千代ちよの富士ふじに抜ぬかれ、それからちょうど20年ねん後ごの2009年ねん9月がつ22日にち（同年どうねん9月がつ場所ばしょ10日にち目め）に魁皇かいおうにも抜ぬかれ、2016年ねん3月がつ20日はつか（同年どうねん3月がつ場所ばしょ8日にち目め）に白はく鵬ほうにも抜ぬかれている。
• 1982年ねん9月がつ場所ばしょ、平幕ひらまくの立場たちば（西前にしまえ頭あたま2枚まい目め）ながら7日にち目めから9日にち目めにかけて、3番ばん連続れんぞくで結むすびの一番いちばんでの横綱よこづな対決たいけつを経験けいけんした。7日にち目めが千代ちよの富士ふじ、8日にち目めが若乃花わかのはな、9日にち目めが北きたの湖うみという過酷かこくな割わりであったが、9日にち目めの北きたの湖うみ戦せんで金星きんぼしを獲得かくとくした。
• 12代だい時津風ときつかぜの次男じなんである龝吉経治つねはるとは同年代どうねんだいなので仲なかが良よく、当時とうじの角界かくかいが未成年みせいねん飲酒いんしゅに対たいして甘あまいという土壌どじょうがあったにせよ未成年みせいねんながら酒さけを飲のみ行いくこともよくあり、そうすると決きまって12代だい時津風ときつかぜの妻つま（新しん弟子でし時代じだい当時とうじの女将おかみ）には怒おこられてしまった。当時とうじの女将おかみからは、2018年ねん時点じてんでも掲額けいがくされている「木き鶏にわとり」という2文字もじが書かかれた書しょは女将おかみ自身じしんが揮毫きごうしたのだと波多野はたのは聞きいた。
• 現役げんえき時代じだいは、年としに1回かい、九州きゅうしゅう場所ばしょの時とき、父ちちの飲のみ代しろのツケを払はらいに行いっていた。
• 停年ていねん退職たいしょく後ご、2010年代ねんだい後半こうはんになって日馬くさま富士ふじの事例じれいを皮切かわきりに噴出ふんしゅつした角界かくかいの暴力ぼうりょく問題もんだいに関かんしては「私わたし自身じしんも現役げんえき時代じだい、深ふかく突つき詰つめて考かんがえていたわけではありませんが、今いまの相撲すもう協会きょうかいにも。そういうことを理解りかいしようとしている人ひとがいるのかと言いわれれば、いないでしょうね」と私見しけんを述のべている。また「今いまの白はく鵬ほうも相撲すもうは決けっして、横綱よこづな相撲すもうと呼よべるものではないでしょう」と、立合たちあいでのエルボースマッシュのようなかち上あげや張はり手てが問題もんだい化かしている白はく鵬ほうに関かんしても思おもうところを述のべている。
• 幼稚園ようちえんの同級生どうきゅうせいに、TOTO元もと社長しゃちょうの木瀬きせ照雄てるおがいた。

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外部がいぶリンク

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