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P-3 (航空機こうくうき)

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P3Cから転送てんそう

P3V / P-3 オライオン

海上自衛隊のP-3C

海上かいじょう自衛隊じえいたいのP-3C

ロッキード P-3は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく航空機こうくうきメーカーロッキードしゃげんロッキード・マーティンしゃ)が、自社じしゃターボプロップしき旅客機りょかくきL-188 エレクトラ」を原型げんけいとして開発かいはつしたターボプロップしき哨戒しょうかい

愛称あいしょうは「Orion」。日本にっぽんではその英語えいごみから「オライオン」とするものがおお[1][2]Orionとはギリシア神話しんわ登場とうじょうするオリオンとなった狩人かりゅうどにちなむ。

はつ飛行ひこうから60ねん以上いじょう経過けいかしているものの、アップデートかさねつつ、アメリカ海軍かいぐん海上かいじょう自衛隊じえいたいなど各国かっこくぐん航空こうくうたいアメリカ沿岸えんがん警備けいびたいなど国境警備隊こっきょうけいびたいほか気象きしょう観測かんそく消防しょうぼうなど軍事ぐんじようなどにも転用てんようされ20以上いじょうくに運用うんようされているベストセラーである。

概要がいよう

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開発かいはつ経緯けいい

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P-3(りょうはし)とP-2(中央ちゅうおうの2)の比較ひかく

アメリカ海軍かいぐんは、ロッキード P2V ネプチューンのち命名めいめい規則きそく改正かいせいで「P-2」となる)を1947ねんから主力しゅりょくたいせん哨戒しょうかいとし、エンジンのかわそうなどによりアップデートをおこなっていたが、1950年代ねんだいには積載せきさいりょう限界げんかいちかくなり探知たんち機材きざい武装ぶそう追加ついかむずかしくなっていた。また機内きない大型おおがた探知たんち機材きざい圧迫あっぱくされ探知たんち機材きざいはっするねつ空調くうちょういつかず居住きょじゅうせい悪化あっかするなど、長時間ちょうじかん任務にんむ飛行ひこうにおいて多数たすう問題もんだいてん指摘してきされていた。このため将来しょうらい機材きざい更新こうしん見越みこした後継こうけい要求ようきゅうされた。

アメリカ海軍かいぐん1957ねん8がつ提示ていじした次期じき主力しゅりょくたいせん哨戒しょうかいは、SOSUSにより探知たんちされたてき潜水せんすいかんおぼしき音響おんきょう信号しんごう急行きゅうこうしてソノブイ磁気じき探知たんちによる識別しきべつおこない、魚雷ぎょらい爆雷ばくらい使用しようして、潜在せんざい海域かいいきから殲滅せんめつすることを主眼しゅがんとしていた。そのため、

  • 地上ちじょう潜水艦せんすいかん探知たんち分析ぶんせきシステム設備せつび接続せつぞくしてその情報じょうほう利用りようできる高度こうど情報じょうほう通信つうしん能力のうりょくつこと
  • 余裕よゆうのあるへいそうおよ捜索そうさく探査たんさ装備そうび搭載とうさい能力のうりょくつこと
  • 探知たんちした目標もくひょう存在そんざいする海域かいいきたいして即座そくざ急行きゅうこうできる高速こうそく飛行ひこう能力のうりょくつこと
  • 長距離ちょうきょり広範囲こうはんい探査たんさ捜索そうさくするための充分じゅうぶん航続こうぞく距離きょり連続れんぞく飛行ひこう時間じかんつこと
  • 長距離ちょうきょり長時間ちょうじかん飛行ひこう無理むりなくおこなえるたか居住きょじゅうせいつこと
  • 資材しざい共通きょうつうのため、ジェット燃料ねんりょう使用しようするエンジン(ターボプロップエンジンなど)を搭載とうさいすること

もとめられた。

なお後継こうけい登場とうじょうまでのつなぎとしてP-2の導入どうにゅうこくでは改修かいしゅうがテストされていたが、おおくのくにでは試験しけんとしての運用うんようにとどまった。例外れいがいてき日本にっぽんでは後継こうけい選定せんていおくれたため、機体きたい拡大かくだいやターボプロップエンジンへのかわそうおこなったP-2JをP-3C導入どうにゅうまで主力しゅりょくとして運用うんようしていた。

開発かいはつ

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原型げんけい YP3V-1(1958ねん
アメリカ海軍かいぐんでテストちゅうのYP3V-1(1961ねん8がつ

海軍かいぐん要求ようきゅうおうじ、ロッキードしゃ1957ねん4がつはつ飛行ひこうしたばかりのターボプロップエンジン4はつ搭載とうさい旅客機りょかくきL-188 エレクトラ改造かいぞうがた提案ていあんし、1958ねん4がつにP2Vにつづ採用さいよう決定けっていした。L-188を改造かいぞうした原型げんけいYP3V-1命名めいめい規則きそく変更へんこうによりYP-3A改名かいめい)は1958ねん8がつ19にちすすむそらしたものの、原型げんけいL-188の構造こうぞうてき欠陥けっかん起因きいんする連続れんぞく事故じこ計画けいかく大幅おおはば遅延ちえんし、1962ねん8がつより P-3A としてアメリカ海軍かいぐんへの配備はいびがようやく開始かいしされた。

P-3Aはたい潜水せんすいかんせんよう機材きざい前作ぜんさくP-2たいせん哨戒しょうかいとほぼ同様どうようだったが、機内きない容積ようせき速度そくど距離きょり向上こうじょうしたために、実質じっしつてきたい潜水せんすいかん能力のうりょく向上こうじょうしている。また、エンジンを強化きょうかしたP-3B配備はいび1965ねんより開始かいしされた。

つづ性能せいのう向上こうじょうがたP-3Cは、1968ねん原型げんけいYP-3Cはつ飛行ひこうし、1969ねんより部隊ぶたい配備はいびされた。向上こうじょうてんおもに、潜水せんすいかん探知たんちようソノブイ・システム、センサー、レーダー、データ処理しょりようのコンピュータの能力のうりょく向上こうじょうがたへのかわそうである。これによりP-3は開発かいはつしゅ目的もくてきであった地上ちじょう設備せつびとリンクされた高度こうど潜水せんすいかん捜索そうさく評定ひょうじょう能力のうりょくつことになった。この潜水せんすいかん探知たんちようシステムは順次じゅんじ近代きんだいされており、改修かいしゅう世代せだいによりアップデートI〜IVに区別くべつされる。最新さいしんのアップデートでは、水上すいじょう監視かんし能力のうりょく向上こうじょうはかられ、洋上ようじょう監視かんし機器ききかわそうのほか、マーベリックミサイル運用うんよう可能かのうとなっている。また導入どうにゅうこくにより独自どくじのアップデートをほどこすこともあり多数たすうのバリエーションが発生はっせいした。

1980年代ねんだい後半こうはんには、P-3のさらなる改良かいりょうがたとして、アメリカでP-7計画けいかくされたが、これはキャンセルされた。1991ねんいち生産せいさん終了しゅうりょうしたがもなく韓国かんこくけにあらたな生産せいさんラインがもうけられ、1995ねん同国どうこくへのわたしをって生産せいさん終了しゅうりょう。アメリカ海軍かいぐん後継こうけいにはボーイングP-8A ポセイドン開発かいはつされ、正式せいしき採用さいようされた。

特徴とくちょう

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性能せいのう

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P-3はあつかいやすい飛行ひこう特性とくせいくわえ、STOLせい長時間ちょうじかん滞空たいくう性能せいのうなど任務にんむ必要ひつよう性能せいのう確保かくほした。また、P-2より大型おおがたかつ出自しゅつじ旅客機りょかくきであることからかがまずに機内きない移動いどうできるなど居住きょじゅうせい向上こうじょう複雑ふくざつした近代きんだいてき探知たんち機材きざい追加ついか積載せきさいできる余裕よゆうまれた。このため輸送ゆそうとして活用かつようするくにもある。また完全かんぜんあずかあつ構造こうぞう[3]と、メインの操縦そうじゅう系統けいとう油圧ゆあつされたことで乗員じょういん負担ふたん大幅おおはば軽減けいげんされた。しかしどうつばさ大型おおがたしたことで予備よびけい操縦そうじゅうさく非常ひじょうおもくなったという[3]。また航空こうくうおおくはそとえず横向よこむきにすわるためものになりやすいという[4]

旅客機りょかくきベースの機体きたい多数たすう探知たんち機材きざい武装ぶそう搭載とうさいしているが、エンジンをははL-188のアリソン501-D13(3750馬力ばりき)からT56-A-14(4600馬力ばりき)へかわそうしたことで最高さいこうそく加速かそくりょく向上こうじょうしており、P-3を操縦そうじゅうした印象いんしょうを『戦車せんしゃ[5]』や『アメしゃ[4]』とひょうするパイロットもいる。機動きどうせいたかく、鹿屋かのや航空こうくう基地きち開催かいさいされる『エアーメモリアルinかのや』では低空ていくうでのきゅう旋回せんかい披露ひろうするのが恒例こうれいとなっている。

機体きたい強度きょうど耐久たいきゅうせいたかく、電子でんし偵察ていさつがたのEP-3EとJ-8II戦闘せんとう重量じゅうりょうやく9トン)が空中くうちゅう衝突しょうとつしたさいには、J-8IIは墜落ついらくしたもののEP-3Eは至近しきん飛行場ひこうじょう着陸ちゃくりく(海南かいなんとう事件じけん)、気象きしょう観測かんそくがたのWP-3Dはハリケーン観測かんそくなかにトラブルで3ばんエンジンが故障こしょうしながら観測かんそく続行ぞっこう観測かんそく終了しゅうりょうにハリケーンから脱出だっしゅつ無事ぶじ帰還きかんしたこともある(1989ねんアメリカ海洋かいよう大気たいきちょうP-3エンジン喪失そうしつ事故じこ[5]

長時間ちょうじかん滞空たいくうするさいはエンジンの出力しゅつりょくしぼり、のこりの燃料ねんりょういち定値ていちまでたびにエンジンを1ばんひだり外側そとがわ)→4ばんみぎ外側そとがわ)のじゅん停止ていしプロペラかくをフルフェザー(ブレードめんむかかくがゼロ揚力ようりょくかく)にしてロイター飛行ひこうおこなう。理論りろんじょうはエンジン1でも飛行ひこう可能かのうだが、海上かいじょう自衛隊じえいたいはじおおくのくにでは安全あんぜんのため停止ていしは1ばんと4ばんのみとしている[6]。また1ばんと4ばん停止ていしした双発そうはつ状態じょうたいでは安定あんていせい低下ていか機体きたい後部こうぶれやすくなるという[4]

P2V-7はレシプロエンジンであるため燃料ねんりょう混合こんごうそらもえ手動しゅどう調整ちょうせいするなどのテクニックを駆使くしすれば20時間じかん以上いじょう滞空たいくう可能かのうとされるが[6]、P-3は混合こんごうおおきく変更へんこうできないターボプロップエンジンであるため、搭乗とうじょういん経験けいけんかんなどにたよ種々しゅじゅ有効ゆうこうなテクニックは使つかえなくなった。しかし予備よび燃料ねんりょうのこしたままでも操縦そうじゅう技量ぎりょう関係かんけいなく15時間じかん以上いじょう滞空たいくう可能かのうとされる[6]。アメリカ海軍かいぐんでは空中くうちゅう給油きゅうゆ対応たいおうさせるため、改造かいぞうによる試験しけんおこなわれていたが正式せいしき採用さいよう見送みおくられた。なお後継こうけいP-8標準ひょうじゅんでフライングブーム方式ほうしき空中くうちゅう給油きゅうゆ対応たいおうしている。

構造こうぞう

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基本きほんてきにはL-188から旅客機りょかくきとしての装備そうび撤去てっきょしてたいせん哨戒しょうかいとしての各種かくしゅ装備そうび搭載とうさいしたものだが、開発かいはつたっては胴体どうたいあらためて設計せっけいされており、には磁気じき探知たんち装置そうち (MAD) を先端せんたんおさめたブーム(ぼう)がけるため形状けいじょう変更へんこうされたほか機首きしゅ若干じゃっかんなじられた。これらの形状けいじょう変更へんこうハードポイント設置せっち対応たいおうするため主翼しゅよくさい設計せっけいされ、つばさ平面へいめんがた変更へんこうされた。

ハードポイント主翼しゅよくつばさはしがわに3箇所かしょ胴体どうたいがわに2箇所かしょもうけられた。基本きほんてきつばさはしがわミサイル胴体どうたいがわESMデータ・リンクひとし電子でんしせんポッド、カメラポッドをける。なお重量じゅうりょう制限せいげんがあるためつばさはしがわは2箇所かしょのみ使用しようする。前部ぜんぶ胴体どうたいウェポンベイ設置せっちされたことで魚雷ぎょらい爆雷ばくらい機雷きらい運用うんよう可能かのう

操縦そうじゅうせき原型げんけいおなじくアナログ計器けいき中心ちゅうしんであるが、戦術せんじゅつ航空こうくうからの指示しじなどの戦術せんじゅつ情報じょうほうや、目標もくひょうかうさい最適さいてき旋回せんかいかくなど飛行ひこう補助ほじょ情報じょうほう表示ひょうじする画面がめん中央ちゅうおう左寄ひだりより(機長きちょうせきがわ)に設置せっちされている[3]オートパイロット操縦そうじゅうめると姿勢しせいたもったまま高度こうど維持いじするという、原型げんけい開発かいはつされた時代じだいのシステムがそのまま搭載とうさいされている。計器けいき着陸ちゃくりく装置そうち連動れんどうしスロットルも自動じどう調整ちょうせいする高度こうどなシステムが軍用ぐんようにもひろまったのちも、グラスコックピット導入どうにゅうしたくにすくなく、おおくはアビオニクスのアップデートでまるがただった画面がめん四角形しかっけい変更へんこうしたり、計器けいきるい液晶えきしょうディスプレイ変更へんこうするなど限定げんていてき改修かいしゅうにとどまっている。これは航空こうくう機関きかん航法こうほう、レーダーいん同乗どうじょうするためパイロットは操縦そうじゅう集中しゅうちゅうできることにくわえ、哨戒しょうかい飛行ひこうでは高度こうど変更へんこう旋回せんかいかえすため、オートパイロットは高度こうど旋回せんかいかく維持いじするだけのタイプがいているためである[3]

機内きない後部こうぶにはキッチンやトイレ併設へいせつしたひかしつ用意よういされ、長時間ちょうじかん任務にんむ飛行ひこうでも乗員じょういん負荷ふか軽減けいげんされている。簡易かんいベッドはアメリカ海軍かいぐん冷戦れいせん時代じだいっていた長時間ちょうじかん哨戒しょうかいそなえた装備そうびであるため冷戦れいせん終結しゅうけつ不要ふようとなっており、海上かいじょう自衛隊じえいたいでは荷物にもつだなとして使つかっていた[7]。なお電磁波でんじは探知たんち機器きき磁気じき探知たんち影響えいきょうあたえるため通常つうじょう電磁でんじ調理ちょうり内部ないぶめず、弁当べんとうなどをあたためるさい電磁波でんじは対策たいさくほどこされた電熱でんねつヒーターなどを利用りようする。

開発かいはつ当初とうしょ、P-3に要求ようきゅうされていたのはたいせん哨戒しょうかいであるが、機材きざいのアップデートにより海洋かいよう監視かんし救難きゅうなん活動かつどう支援しえんなど海上かいじょうでの任務にんむ全般ぜんぱん対応たいおうできる汎用はんようせい獲得かくとくしたことから、海上かいじょう自衛隊じえいたいのように分類ぶんるいたいせん哨戒しょうかいから哨戒しょうかい変更へんこうするくにもある。本来ほんらい艦船かんせん探索たんさくするためにもちいられるESM能力のうりょく情報じょうほう収集しゅうしゅう活動かつどうにも有用ゆうようであり、ズーニー・ロケットだん装填そうてんしたLAU-10D/aや対応たいおうするそら対地たいちミサイル装備そうびすれば小型こがた艦船かんせん沿岸えんがん施設しせつへの攻撃こうげき可能かのうになる。湾岸わんがん戦争せんそう以降いこうはアップデートされた機材きざいかして攻撃こうげき誘導ゆうどう沿岸えんがん偵察ていさつにも使つかわれている。おおくのくにでは海上かいじょうのみで運用うんようおこなっているが、陸上りくじょうでの任務にんむ使用しようされたこともあり、アフガニスタン紛争ふんそうではオーストラリア空軍くうぐん所属しょぞく内陸ないりくこくであるアフガニスタン情報じょうほう収集しゅうしゅう活動かつどうようとして派遣はけんされた。

搭乗とうじょういん編成へんせい

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海上かいじょう自衛隊じえいたいのP-3Cでは11めい基本きほんとし、任務にんむにより最小さいしょう5めい (UP-3C)、最大さいだい15めい (EP-3) としている。他国たこくでもほぼ同等どうとうである。

オペレーターせきは、P-3Bまでは機内きない左側ひだりがわ集中しゅうちゅうして配置はいちされていたが、P-3Cでは一部いちぶ右側みぎがわ移動いどうしている。

PIC(指揮しき操縦そうじゅう機長きちょう)とCo-Pilot(ふく操縦そうじゅう)の2めい
リザーブとしてもう一人ひとりふくみさお操縦そうじゅう (3rd-Pilot) が搭乗とうじょうすることもある。
2人ふたり体制たいせい
指揮しき操縦そうじゅうより戦術せんじゅつ航空こうくうのほうが先任せんにんである場合ばあいには機長きちょう任務にんむ機長きちょう)としての職責しょくせきたす。
P-3BまではNAV(機上きじょう航法こうほういん)とRDO(機上きじょう通信員つうしんいん)にわかれていたがP-3Cでは統合とうごうされた。
2人ふたり体制たいせい
P-3Bまでは2人ふたり体制たいせいだったがP-3Cでは1人ひとりになった。
アメリカ海軍かいぐんではIFTに統合とうごうされ廃止はいし

よわい延長えんちょう

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はつ飛行ひこうから50ねん以上いじょう経過けいかおおくの機体きたい老朽ろうきゅうしているが、予算よさん都合つごうP-8P-1ひとし新型しんがた即座そくざ導入どうにゅうできないくにおおいため、ロッキード・マーティンでは継続けいぞく運用うんようのぞむユーザーけによわい延長えんちょうプログラム『P-3 Mid-Life Upgrade Program (MLU)』を提供ていきょうしている。

内容ないよう設計せっけい見直みなおしたしん設計せっけいつばさとの交換こうかんモスボールされた機体きたいからした状態じょうたい部品ぶひんたい腐食ふしょくせい部品ぶひんとの交換こうかんなどである[8]つばさ交換こうかんにより整備せいびコストが低減ていげんされるとともに、耐食性たいしょくせいが5ばい強化きょうかされることで寿命じゅみょうが20ねんから25ねん延長えんちょうされる[9]

ニュージーランド空軍くうぐんはP-8へ導入どうにゅうまでのつなぎとしてMLUを導入どうにゅうしたところメンテナンスにかかる時間じかんが58%減少げんしょう[10]中古ちゅうこ導入どうにゅうしていたチリ海軍かいぐんは15000あいだ延長えんちょう可能かのうとしている[11]

派生はせいがた

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P-3はその機体きたい構造こうぞう優秀ゆうしゅうさ、搭載とうさいりょうおおさから多数たすう派生はせいがた存在そんざいし、国軍こくぐんから購入こうにゅうした中古ちゅうこ改造かいぞうしたり、官公庁かんこうちょう民間みんかん航空こうくう会社かいしゃ中古ちゅうこ活用かつようするれいおおい。

初期しょき生産せいさんがた
アメリカ海軍かいぐんけに157製造せいぞう退役たいえきにはアメリカの官公庁かんこうちょう民間みんかんはらげられるか試験しけん改造かいぞうされている。
- TACNAVMOD[ちゅう 1]
予備よびやく部隊ぶたいのP-3AをP-3C相当そうとう改修かいしゅうしたもの。
TP-3A
たいせん装備そうび除去じょきょした練習れんしゅうかた。12改造かいぞう
UP-3A
たいせん装備そうび除去じょきょした汎用はんよう輸送ゆそうかた。38改造かいぞうされた。
VP-3A
たいせん装備そうびなどを除去じょきょ座席ざせき追加ついかした人員じんいん輸送ゆそうがた海軍かいぐん高官こうかんなどVIP移動いどう利用りよう。P-3Aより2気象きしょう観測かんそくようのWP-3Aより3改造かいぞうされた。
P-3AM
グラスコックピット導入どうにゅうなどの近代きんだいおこなったのち、ブラジル空軍くうぐんわたされたP-3A。
P-3ACH
チリ海軍かいぐんけに近代きんだい改修かいしゅうされたP-3A。4導入どうにゅうし、2電子でんし戦機せんき改修かいしゅう[11]
P-3T
タイ海軍かいぐんけ。2一部いちぶたいせん装備そうび除去じょきょ汎用はんよう輸送ゆそうUP-3Tへ改造かいぞうされた。
エンジンを強化きょうかしたかた1965ねん配備はいび開始かいし。144製造せいぞう
- TACNAVMOD
P-3Aのものとおなじだが、こちらはさらにP-3CアップデートII相当そうとうへの改修かいしゅうおこなわれた。
P-3K
ニュージーランド空軍くうぐんのP-3B改修かいしゅうがた。5製造せいぞう
P-3K2
グラスコックピット導入どうにゅうなど近代きんだいおこなったP-3K。
P-3CK
大韓民国だいかんみんこく海軍かいぐん国内こくないでP-3Bを改修かいしゅう。P-3Cと平行へいこうして運用うんよう
TAP-3B
オーストラリア空軍くうぐんにて余剰よじょうとなったP-3Bを転用てんようした訓練くんれん輸送ゆそうがた
P-3N
ノルウェー空軍くうぐんのP-3B改修かいしゅうがた。2製造せいぞう
P-3P
きゅうオーストラリア空軍くうぐんのP-3Bをポルトガル空軍くうぐんけにP-3CアップデートII相当そうとう向上こうじょうさせたもの。6改造かいぞう

後部こうぶ胴体どうたいにソノブイ発射はっしゃこうを48増設ぞうせつし、たい潜水せんすいかんせん機材きざい向上こうじょうさせたかた1969ねん配備はいび開始かいし各種かくしゅ改良かいりょうがた(アップデート)もあわせて365製造せいぞう

アメリカ海軍かいぐんではP-8の配備はいび開始かいしにより売却ばいきゃくモスボールはじまっているが、おおくのくにではいま主力しゅりょく哨戒しょうかいである。

-アップデートI
コンピュータを更新こうしんさせたかた。31製造せいぞう
-アップデートII
赤外線せきがいせん探知たんちシステム搭載とうさいハープーンたいかんミサイル運用うんよう可能かのうにしたかた1977ねん配備はいび開始かいし。44製造せいぞう
-アップデートII.5
航法こうほう通信つうしん能力のうりょく向上こうじょう1981ねん配備はいび開始かいし。37製造せいぞう
-アップデートIII
音響おんきょう信号しんごう処理しょり能力のうりょく向上こうじょう1984ねん配備はいび開始かいし
-アップデートIV
計画けいかくのみ。
-AIP[ちゅう 2]
たい水上すいじょう艦艇かんてい監視かんし能力のうりょく向上こうじょう衛星えいせい通信つうしんようアンテナをそなえた機体きたいはAIP+とばれる。
-BMUP[ちゅう 3]
アップデートII/II.5の機体きたいにアップデートIIIにじゅんじた能力のうりょく付与ふよしたもの。
-ARTR[ちゅう 4]
2011ねん1がつよりわたし。P-8Aとの技術ぎじゅつギャップをめるための機体きたいで、ソノブイ信号しんごう受信じゅしん解析かいせき能力のうりょくを10ばい増加ぞうか新型しんがたのコンピューターやC4Iシステムリンク 16装備そうびする。けい74導入どうにゅう予定よてい
-CUP[ちゅう 5]
オランダ海軍かいぐんにおけるP-3C改修かいしゅうがたどう海軍かいぐんからの退役たいえきともないドイツとポルトガルへ売却ばいきゃくされている。
P-3F
P-3CにP-3A/B相当そうとう電子でんし機器きき搭載とうさいし、空中くうちゅう給油きゅうゆ受油機能きのう追加ついか装備そうびした帝政ていせいイラン空軍くうぐん機体きたい1975ねんに6製造せいぞう
P-3W
オーストラリア空軍くうぐんにおけるアップデートII.5仕様しよう呼称こしょう。P-3C共々ともどもAP-3Cに改修かいしゅうされる。
AP-3C
オーストラリア空軍くうぐんにおけるP-3C改修かいしゅうがた

電子でんし戦機せんき

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詳細しょうさいは、Lockheed EP-3英語えいごばん参照さんしょう

EP-3A
電子でんし偵察ていさつ試作しさく。7改造かいぞう
EP-3B
電子でんしせん訓練くんれんのちにEP-3Eに改造かいぞう
P-3AEW&C センチネル
1980年代ねんだいはじめに発表はっぴょうされた早期そうき警戒けいかいかた。アメリカ税関ぜいかんにおいて麻薬まやく密輸みつゆ取締とりしまよう使用しようちゅう。P-3Bの余剰よじょうグラマン E-2 ホークアイようのAN/APS-125レーダーと電子でんし機材きざい搭載とうさいしたもの。そらりょく試作しさくは1984ねん6がつ14にち飛行ひこう
EP-3C
EP-3AをP-3C相当そうとう改修かいしゅう
EP-3E アリエス (Aries)
電子でんしせん偵察ていさつ。12改造かいぞう
EP-3E アリエスII (Aries II)
SIGINT電子でんし信号しんごう偵察ていさつ2001ねん海南かいなんとう近海きんかい中国ちゅうごく軍機ぐんき衝突しょうとつ海南かいなんとう事件じけん)したのはこのタイプ)12改造かいぞう
EP-3J
アメリカ海軍かいぐんけの電子でんしせん訓練くんれん支援しえん。2改造かいぞうされた。

試験しけん

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RP-3
海洋かいよう科学かがく開発かいはつ飛行ひこうたい (Oceanographic Development Squadron) けにP-3Aから2改造かいぞう順次じゅんじP-3B、P-3C相当そうとう改修かいしゅう
RP-3D EI COYOTE
データ収集しゅうしゅう計画けいかく「Project Seascan」よう改造かいぞうされた能力のうりょく試験しけん。RP-3から1改修かいしゅう
1973ねんにはアメリカ海軍かいぐんはつ砲塔ほうとうがた装甲そうこうかんであるモニター残骸ざんがい発見はっけんした。
RP-3D Roadrunner
MAD装置そうち最適さいてきデータ収集しゅうしゅう試験しけん「Project Magnet」のためRP-3から1改修かいしゅう
機体きたいめいにちなみノーズアートにはルーニー・テューンズのキャラクターであるロードランナーが左側ひだりがわえがかれている。
試験しけん終了しゅうりょうデビスモンサン空軍くうぐん基地きちでモスボールされている。
NP-3
べい海軍かいぐん研究所けんきゅうじょ (US Naval Research Laboratory) け。P-3Aから改造かいぞう順次じゅんじP-3B、P-3C相当そうとう改修かいしゅう
テレメトリーシステム (EATS) や気象きしょう観測かんそく (BAMEX) の研究けんきゅうなどに利用りよう研究けんきゅう終了しゅうりょう海軍かいぐんテストパイロット学校がっこう訓練くんれん転用てんようされたのち、モスボール。
CP-140 オーロラ (Aurora)
カナダ空軍くうぐんけ。S-3 ヴァイキングおなたいせん機材きざい搭載とうさいした派生はせいがた。18製造せいぞう
CP-140A アークツゥルス (Arcturus)
カナダ空軍くうぐんけ。たいせん装備そうび搭載とうさいせず、訓練くんれんおよび海洋かいよう監視かんし任務にんむもちいられている。3製造せいぞう

川崎重工業かわさきじゅうこうぎょうせい

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川崎重工業かわさきじゅうこうぎょうライセンス生産せいさんしたアップデートII.5相当そうとうのP-3C。

すべ海上かいじょう自衛隊じえいたいけで、合計ごうけい98製造せいぞうした。この98くわえて、海上かいじょう自衛隊じえいたいにはアップデートII.5の3がFMSにより完成かんせい状態じょうたい納入のうにゅうされている。

P-3C
アップデートII.5
最初さいしょ生産せいさんがた。66製造せいぞう
アップデートIII
追加ついか生産せいさんとアップデートII.5から改修かいしゅうされた機体きたいふくぜん32
EP-3
電子でんしせんデータ収集しゅうしゅう電子でんし情報じょうほう偵察ていさつ)。5製造せいぞう。MADブームをろし、胴体どうたい前部ぜんぶ下面かめん胴体どうたい上面うわつらレドーム増設ぞうせつされている。センサーとして、電子でんしせんデータ収集しゅうしゅう装置そうち装備そうび乗員じょういん10めいだい31航空こうくうぐんだい81航空こうくうたい配備はいび
OP-3C
画像がぞうデータ収集しゅうしゅう画像がぞう情報じょうほう偵察ていさつ)。5改造かいぞう。MADブームをろし、胴体どうたい前部ぜんぶ下面かめんにレドームが増設ぞうせつされている。センサーとして、SLAR(がわかた画像がぞう監視かんしレーダー)またはLOROP(長距離ちょうきょり監視かんしセンサー)を装備そうび乗員じょういん10めいだい31航空こうくうぐんだい81航空こうくうたい配備はいび
UP-3C
試験しけん評価ひょうか。1製造せいぞう乗員じょういん5めい厚木航空基地あつぎこうくうきちだい51航空こうくうたい配備はいび
UP-3D
電子でんしせん訓練くんれん支援しえん。3製造せいぞう。MADブームをろし、胴体どうたい上面うわつらに2ヶ所かしょ胴体どうたい下面かめんに2ヶ所かしょのレドームを増設ぞうせつ乗員じょういん8めい艦艇かんていたいする電子でんしせん訓練くんれんと、必要ひつようおう標的ひょうてき曳航えいこうチャフ散布さんぷおこなう。だい31航空こうくうぐんだい81航空こうくうたい配備はいび

政府せいふ機関きかん民間みんかん

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WP-3A
たいせん装備そうび除去じょきょ気象きしょう観測かんそくよう機材きざい搭載とうさいした機体きたい胴体どうたい前部ぜんぶ下部かぶのウェポンベイを廃止はいしし、気象きしょうレーダーを搭載とうさいしている。ソノブイ投下とうかこう海洋かいよう観測かんそく機器きき投下とうかするのに利用りようされている。
アメリカ海軍かいぐんから購入こうにゅうしたP-3Aを4改造かいぞう
WP-3D
WP-3Aから2改造かいぞう
アメリカ海洋かいよう大気たいききょく (NOAA) 所属しょぞく気象きしょう観測かんそくハリケーン・ハンターとして運用うんようちゅう
P-3-LRT
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく税関ぜいかん国境こっきょう警備けいびきょくけ。国境こっきょう付近ふきんでの麻薬まやく密輸みつゆ不法ふほう入国にゅうこく取締とりしまよう一時いちじ使用しよう。アメリカ海軍かいぐんから購入こうにゅうしたP-3Aを4改造かいぞう
LRTはLong Range Trackerのりゃく
Aero Union P-3A Orion
民間みんかん航空こうくう会社かいしゃエアロユニオン英語えいごばんがアメリカ海軍かいぐんからP-3Aを購入こうにゅうし、やま火事かじ空中くうちゅう消火しょうかおこな消火しょうか活動かつどうよう改造かいぞうした機体きたい通称つうしょうエア・タンカー

計画けいかく

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P-3G オライオンII(P-7)
全面ぜんめん近代きんだいがた。エンジンかわそう新型しんがたプロペラブレードの導入どうにゅう主翼しゅよく拡大かくだい、MADブームの位置いち変更へんこう、ペイロードの増大ぞうだいアビオニクス更新こうしんなど。P-7名称めいしょう変更へんこうし、1989ねんからぜん規模きぼ開発かいはつはいるも1990ねん開発かいはつ中止ちゅうし
P-3H
P-3G (P-7) 計画けいかく簡略かんりゃくした近代きんだい改修かいしゅうがた。P-3CアップデートIVを主翼しゅよくおよびエンジン/プロペラブレードのみP-3Gのものに変更へんこうしたもの。提案ていあんのみ。

運用うんようこく

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現在げんざい運用うんようこく

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採用さいようこく(2010ねん

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく

アメリカ海軍かいぐんのほか、アメリカ税関ぜいかんなどでも哨戒しょうかいよう少数しょうすう導入どうにゅう
2020ねん5がつ28にちだい40哨戒しょうかい飛行ひこうたい(VP-40)「ファイティング・マーリンズ」がP-3Cオライオンから後継こうけいP-8Aポセイドンへの機種きしゅ転換てんかん完了かんりょうしたと発表はっぴょうし、これによって哨戒しょうかい飛行ひこうたいすべてP-8Aへ移行いこうした。
一部いちぶ他国たこく売却ばいきゃくされている。

アルゼンチンの旗 アルゼンチン

アルゼンチン海軍かいぐんがP-3Bを6採用さいようした。機体きたい寿命じゅみょうちかづいたため、2019ねん12月19にちにアメリカから中古ちゅうこのP-3Cを提供ていきょうされることが発表はっぴょうされた。機体きたい無償むしょう供与きょうよされ、空輸くうゆ整備せいび補修ほしゅう費用ひよう7,803まんドルをアルゼンチンが負担ふたんする[12]とされたが、費用ひようたかすぎることから断念だんねんされている。

イランの旗 イラン

イラン空軍くうぐんイラン革命かくめいまえにP-3Fを6購入こうにゅう。2009ねん現在げんざい帳簿ちょうぼじょうでは3運用うんようちゅうとなっているが、飛行ひこうする姿すがた確認かくにんされているのは2だけである。たいせん機材きざいたいかんミサイルランチャーをはずして海洋かいよう監視かんしとして使用しようされている。独特どくとく青色あおいろ迷彩めいさい塗装とそう機体きたいで、ホルムズ海峡かいきょう付近ふきんでは、タンカーひとしからもよく目撃もくげきされている。

オーストラリアの旗 オーストラリア

オーストラリア空軍くうぐん

カナダの旗 カナダ

カナダ空軍くうぐん

ギリシャの旗 ギリシャ

ギリシャ空軍くうぐん

大韓民国の旗 韓国かんこく

韓国かんこく海軍かいぐん

中華民国の旗 中華民国ちゅうかみんこく台湾たいわん

中華民国ちゅうかみんこく空軍くうぐん。12部隊ぶたい編成へんせい式典しきてんを2017ねん12月1にち実施じっし[13]

 チリ

チリ海軍かいぐんがP-3ACHを2運用うんようする。2018ねんにカナダのIMPしゃ近代きんだい改修かいしゅうはいり、主翼しゅよく交換こうかん機体きたい構造こうぞう検査けんさ補修ほしゅうを3,600まんドルでおこなった[12]

ドイツの旗 ドイツ

ドイツ海軍かいぐん。オランダよりP-3Cを8購入こうにゅう

ニュージーランドの旗 ニュージーランド

ニュージーランド空軍くうぐんがP-3Kを5購入こうにゅうした。ぜんP-3K2に改良かいりょうされている。2018ねん以降いこう朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく北朝鮮きたちょうせん)の国連こくれん安保理あんぽり決議けつぎ違反いはんの「監視かんしのため、嘉手納かでな基地きち根拠地こんきょち国連こくれんぐん地位ちい協定きょうていもとづくかん飛行ひこうおこなっている[14]

 ノルウェー

ノルウェー空軍くうぐん

パキスタンの旗 パキスタン

パキスタン海軍かいぐん

ブラジルの旗 ブラジル

ブラジル空軍くうぐん

ポルトガルの旗 ポルトガル

ポルトガル空軍くうぐん。オランダからP-3Cを購入こうにゅうしたため、P-3Pは退役たいえきずみ

日本の旗 日本にっぽん

海上かいじょう自衛隊じえいたいほん記事きじ日本にっぽんにおける採用さいよう運用うんようふし詳述しょうじゅつ

過去かこ運用うんようこく

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オランダの旗 オランダ

オランダ海軍かいぐん。ドイツとポルトガルに売却ばいきゃく

スペインの旗 スペイン

スペイン空軍くうぐん

タイ王国の旗 タイ

タイ海軍かいぐん

日本にっぽんにおける採用さいよう運用うんよう

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国内こくない開発かいはつ白紙はくし還元かんげん

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P-2J量産りょうさん決定けってい直前ちょくぜん1967ねん初頭しょとうから、その開発かいはつ生産せいさん担当たんとうする川崎重工業かわさきじゅうこうぎょうは、すでにその後継こうけいについて独自どくじ研究けんきゅう開発かいはつ開始かいししていた[15]。また運用うんようがわである海上かいじょう幕僚監部ばくりょうかんぶも、1968ねんごろから基礎きそてき検討けんとう開始かいししていた[16]うみまくでは、P-3C搭載とうさい画期的かっきてきたいせんせんシステム(A-NEWシステム)の情報じょうほう入手にゅうしゅし、これをP-2J搭載とうさい導入どうにゅうしたいとかんがえて、1968ねんにはこめ軍事ぐんじ顧問こもんだんMAAG-J)にたいして資料しりょう提供ていきょう要請ようせいしていたが、1969ねん4がつ現時点げんじてんではこれを拒否きょひするむね回答かいとうがあった[16]。また1968ねんには、欧米おうべい各国かっこくにおけるたいせん哨戒しょうかいおよ搭載とうさい装備そうび品等ひんとうについての調査ちょうさだん派遣はけんされていたが、これらの調査ちょうさ検討けんとう結果けっかまえて、海上かいじょう自衛隊じえいたいとしては、次期じきたいせんは、搭載とうさい装備そうびひんふくめて日本にっぽん自主じしゅてき開発かいはつする方策ほうさくについて調査ちょうさ研究けんきゅうする必要ひつようがあることを認識にんしきするにいたった[16]

防衛庁ぼうえいちょう次期じきたいせん(PX-L)の国内こくない開発かいはつ着手ちゃくしゅする決心けっしんかため、昭和しょうわ46ねん以降いこう毎年まいとしのように基本きほん設計せっけいのための予算よさんんでいたが、技術ぎじゅつ調査ちょうさ研究けんきゅうのみがみとめられる状態じょうたいつづいており、今度こんどこそ本格ほんかくてき開発かいはつ開始かいしされるものと期待きたいしていただい4防衛ぼうえいりょく整備せいび計画けいかく閣議かくぎ決定けってい直前ちょくぜんには、ぎゃく国産こくさん方針ほうしん白紙はくし還元かんげん決定けっていされた[16]。その従来じゅうらいから検討けんとうされてきた国産こくさん開発かいはつ現存げんそんとう改造かいぞうくわえて、国産こくさん機体きたいにアメリカせいのシステムを搭載とうさいするという折衷せっちゅうあんについても検討けんとうすすめられた[16]。しかし海自かいじとしては、現用げんよう減耗げんもう考慮こうりょするとおそくとも1980ねんないし1981ねんごろまでには次期じきたいせん部隊ぶたい配備はいび開始かいししなければならないとかんがえており、このような計画けいかく遅延ちえんけて、なんらかのかたち外国がいこく導入どうにゅうはからざるをないものとかんがえるにいたった[16]

いちはP-3Cのたいにちリリースを拒絶きょぜつしたアメリカがわも、増強ぞうきょうつづソビエト連邦れんぽう潜水せんすいかん戦力せんりょく対抗たいこうする必要ひつようから、海上かいじょう自衛隊じえいたいたいせんせん能力のうりょく向上こうじょうさせてその一翼いちよくになわせることを構想こうそうするようになっており、1972ねんなつには、ニクソン大統領だいとうりょうキッシンジャー国務こくむ長官ちょうかんにより、P-3Cのたいにちリリースが主張しゅちょうされるようになっていた[17]。1973ねん7がつにはP-3Cのたいにちリリースが可能かのうであることが日本にっぽんがわつたえられ、9月には岩国いわくに航空こうくう基地きちにおいてP-3Cのデモフライトがおこなわれており、航空こうくう集団しゅうだん司令しれいかん現場げんば隊員たいいんなどの視察しさつだん搭乗とうじょうしてシステムにれ、その性能せいのうふか感銘かんめいけていた[18]。しかしアメリカがわは、P-3Cのシステムは機体きたい一体いったいでなければリリースしない方針ほうしんであった[16]。ほぼどう世代せだい艦上かんじょう哨戒しょうかいであるS-3A搭載とうさいシステムであれば、カナダのCP-140ようとして単体たんたい輸出ゆしゅつされた前例ぜんれいがあり、期待きたいされたものの[18]、これはP-3Cのシステムとくらべるとおおきくおとったものであった[19]

P-3Cの採用さいよう調達ちょうたつ開始かいし

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導入どうにゅう当初とうしょ塗装とそうである二色にしき迷彩めいさい海上かいじょう自衛隊じえいたいのP-3C(2001ねん演習えんしゅうのためハワイに展開てんかいしたさい撮影さつえい

うみまくでは、1975ねん5月から6がつにかけて防衛ぼうえいふく部長ぶちょうまいし、P-3Cの導入どうにゅうについての実地じっち調査ちょうさおこなった[16]。しかしこのようにP-3Cの導入どうにゅうへとかたむいていた最中さいちゅうの1976ねん2がつ4にちアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく上院じょういん外交がいこう委員いいんかい国籍こくせき企業きぎょうしょう委員いいんかいチャーチ委員いいんかい)での証言しょうげん発端ほったんとしてロッキード事件じけん発生はっせいした[16]。これはロッキードしゃ旅客機りょかくき工作こうさくのため外国がいこく政府せいふ関係かんけいしゃ贈賄ぞうわいをしたというものであるが、P-3Cもロッキードしゃせいであったうえに、田中たなか首相しゅしょうニクソン大統領だいとうりょう航空機こうくうき購入こうにゅう約束やくそくした日米にちべい首脳しゅのう会談かいだんおこなわれたのが1972ねんで、上記じょうき白紙はくし還元かんげん時期じきてき符合ふごうすることもあって、関連かんれんうたがわれた[20][ちゅう 6]

この事態じたいけて、うみまく事実じじつ関係かんけい調査ちょうさ関係かんけい資料しりょう作成さくせい司法しほう当局とうきょくふく部内ぶないがいへの説明せつめい報道ほうどう関係かんけいしゃへの対応たいおうなどで長期間ちょうきかんにわたって忙殺ぼうさつされ、一般いっぱん業務ぎょうむにもおおきな影響えいきょうをもたらした[16]調査ちょうさ過程かていで、ロッキードしゃコーチャンふく社長しゃちょう英語えいごばん証言しょうげんにより、同社どうしゃ丸紅まるべにとのあいだでP-3Cについて手数料てすうりょう115まんドルの契約けいやくがあったことや[ちゅう 7]田中たなか首相しゅしょう支払しはらわれた5おくえん旅客機りょかくきというよりP-3Cのみを見据みすえたものであったこと[22]閣僚かくりょう高官こうかんとの接触せっしょくなどもあきらかになった[20]。しかし海上かいじょう自衛隊じえいたいにおいては、たいにちリリースが許可きょかされた直後ちょくごにコーチャンふく社長しゃちょううみまくちょう表敬ひょうけい訪問ほうもんしたという以上いじょうはたらきかけはなかったことが判明はんめいした[18]。むしろ国会こっかいでの討議とうぎ過程かていで、次期じきたいせん必要ひつようせいそのものはひろ理解りかいされるようになり、かえって導入どうにゅうかぜとなった部分ぶぶんもあったという[20]

こうして、防衛庁ぼうえいちょう1977ねん8がつ24にちちょうにおいて、昭和しょうわ62ねんまつまでにP-3C 45ライセンス生産せいさんにより取得しゅとくすることと、53年度ねんど予算よさん概算がいさん要求ようきゅうにP-3Cの購入こうにゅう費用ひようなどを計上けいじょうすることを内定ないていした。これらの内容ないようは12月の国防こくぼう会議かいぎにおいて承認しょうにんされ、P-3Cの導入どうにゅう決定けっていされた[16][15]

当初とうしょ昭和しょうわ53年度ねんどでは有償ゆうしょう軍事ぐんじ援助えんじょ調達ちょうたつ(FMS)3とライセンス生産せいさん7取得しゅとく計画けいかくされたが、予算よさんされたのはFMS3とライセンス生産せいさん7となった[23]。まずアメリカで製造せいぞうされるFMSわたされることになり、1981ねん2がつジャクソンビル航空こうくう基地きち (NAS Jacksonville根拠地こんきょちくP-3Cまい訓練くんれんたい編成へんせいされた[23]。また上記じょうきとおり、P-3Cでは地上ちじょう設備せつびとリンクすることで高度こうどたいせんせん能力のうりょく実現じつげんしていることから、これらの地上ちじょう施設しせつ要員よういん先行せんこうして1980ねんよりまい訓練くんれんはいっていた[23]。1981ねん4がつ29にちに1号機ごうき受領じゅりょうしたのを皮切かわきりに、7がつまでに3わたしをけて教育きょういく訓練くんれん使用しようしたのち、12月25にちにはこれらの機体きたい厚木航空基地あつぎこうくうきちへと空輸くうゆされて、だい51航空こうくうたいへと装備そうびえされた[23]。また1982ねん5がつ26にちには、川崎重工かわさきじゅうこう岐阜ぎふ工場こうじょうにおいてライセンス生産せいさん1号機ごうき通算つうさん4号機ごうき)がわたされた[23]以後いご国産こくさんりつ順次じゅんじ向上こうじょうしており[23]機体きたい川崎重工かわさきじゅうこう、エンジンは石川島播磨いしかわじまはりま重工じゅうこう、プロペラは住友すみとも精密せいみつ搭載とうさい電子でんし機器ききとうかく担当たんとう会社かいしゃ契約けいやくおこなわれた[24]

体制たいせい整備せいび配備はいび進展しんてん

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てい視認しにんせい単色たんしょく迷彩めいさいほどこされた海上かいじょう自衛隊じえいたいのP-3C
垂直すいちょく尾翼びよく部隊ぶたいマークは廃止はいしされ、国籍こくせき表示ひょうじ小型こがたされている
2005ねん 小牧こまき基地きちにて)

1982ねん3がつ31にちには最初さいしょ航空こうくうたい潜水せんすいかん作戦さくせんセンター (ASWOC) が厚木航空基地あつぎこうくうきち配備はいびされた[23]。そして1983ねん3がつ30にちだい4航空こうくうぐんにおいてP-3C 6人員じんいんやく130めいをもってだい6航空こうくうたい新編しんぺんされ、はつのP-3C部隊ぶたいとなるとともに、やく90めい要員よういんとともにASWOCがどうぐん移管いかんされた[23]同隊どうたいすで部隊ぶたい配備はいび時点じてん有事ゆうじ即応そくおう体制たいせい整備せいびしており、その威力いりょくは、同年どうねん海上かいじょう自衛隊じえいたい演習えんしゅう(58うみえんじ)において遺憾いかんなく発揮はっきされた[23]。この演習えんしゅうでは、潜水せんすい艦隊かんたいまった予期よきしない探知たんち事象じしょう多発たはつしておおきな衝撃しょうげきあたえ、潜水せんすいかん放射ほうしゃ雑音ざつおん低減ていげん努力どりょく傾注けいちゅうしていく契機けいきにもなった[23]

海自かいじのP-3Cは、初号しょごうから5045号機ごうき昭和しょうわ63年度ねんど就役しゅうえき)まではべい海軍かいぐんのP-3C アップデートIIとおな形態けいたいであったが、その逐次ちくじ改善かいぜんおこなってきた。そのおもなものは、つぎのとおりである[23]

  • 昭和しょうわ63年度ねんど就役しゅうえきの5046号機ごうきから、捜索そうさくレーダー・しんぎゃくさがせ装置そうち・ロジックユニットのかわそうとう
  • 平成へいせい2年度ねんど就役しゅうえきの5061号機ごうきから、ディジタルした自動じどう操縦そうじゅう装置そうち改善かいぜん
  • 平成へいせい3年度ねんど就役しゅうえきの5070号機ごうきから、しん音響おんきょう処理しょり装置そうち・ロジックユニットをかわそう
  • 平成へいせい5年度ねんど就役しゅうえきの5089号機ごうきから、衛星えいせい通信つうしん装置そうち装備そうび
  • 平成へいせい6年度ねんど就役しゅうえきの5097号機ごうきから、アンチ・スキッド・システムを装備そうび
  • 平成へいせい8年度ねんど就役しゅうえきの5100号機ごうきから、しん戦術せんじゅつデータ処理しょり装置そうちぎゃくさがせ装置そうちかわそうおよ衛星えいせい航法こうほう装置そうち装備そうび

1997ねん平成へいせい9ねん)9がつ17にち最終さいしゅうごう(5101号機ごうき)が完成かんせいし、岐阜ぎふ工場こうじょうにおいて完納かんのうしき実施じっしされた[23][ちゅう 8]

ASWOCについても、最初さいしょのシステムは地上ちじょうけるコンテナ・タイプであったが、それ以降いこうのASWOCは地下ちかつくられ、こうこらえせいたかめられた[23]。なお、最初さいしょのASWOCは、昭和しょうわ63年度ねんど厚木航空基地あつぎこうくうきちから鹿屋かのや航空こうくう基地きち移転いてんされた[23]。また滑走かっそうについては、ほん重量じゅうりょう車輪しゃりん構造こうぞう関係かんけいから、現用げんよう滑走かっそううえやく33センチかさげする必要ひつようしょうじたので、昭和しょうわ59・60年度ねんど八戸はちのへ航空こうくう基地きち昭和しょうわ60-62年度ねんど下総しもうさ航空こうくう基地きち昭和しょうわ63-平成へいせいもと年度ねんど鹿屋かのや航空こうくう基地きち滑走かっそうのかさげをおこなった[23]。なお、厚木あつぎ那覇なは岩国いわくにかく航空こうくう基地きち滑走かっそうは、滑走かっそうあつみが十分じゅうぶん満足まんぞくしていたのでかさげの工事こうじおこなわなかった[23]。さらに、P-3Cがかく航空こうくう基地きち配備はいびされるのにともない、必要ひつようとする格納庫かくのうこ逐次ちくじ整備せいびされていった[23]

海上かいじょう自衛隊じえいたいでは1998ねん平成へいせい10ねんごろからP-3Cの機種きしゅ呼称こしょうを「たいせん哨戒しょうかい」から「哨戒しょうかい」へと変更へんこうしており、たい潜水せんすいかん一辺倒いっぺんとうだった体制たいせい改善かいぜんし、不審ふしんせん対策たいさく東シナ海ひがししなかいガスたいする監視かんし強化きょうか主要しゅよう任務にんむげられている。また、2000ねん平成へいせい12ねん)からはアメリカ海軍かいぐんにあわせしろ灰色はいいろ二色にしきけにノーズをくろとした洋上ようじょう迷彩めいさいあらため、あきら灰色はいいろ単色たんしょくてい視認しにんせい塗装とそう適用てきようされた。訓練くんれん視認しにんせい向上こうじょうのため主翼しゅよくはし蛍光けいこうオレンジに塗装とそうしている(空自くうじT-4おなじ)。派生はせいがたは、EP-3・OP-3Cはてい視認しにんせい塗装とそう、UP-3C・UP-3Dはきゅう塗装とそうである[25]

2023ねん3がつまつ時点じてん海上かいじょう自衛隊じえいたいのP-3C保有ほゆうすうは35である[26]。また、余剰よじょう改修かいしゅうして転用てんようし、老朽ろうきゅうすすYS-11各種かくしゅ任務にんむがたえる計画けいかくもあった。初期しょき導入どうにゅう機体きたいから国産こくさんのターボファン4はつP-1更新こうしんされるほか、現用げんよう一部いちぶよわい延伸えんしん措置そちおこない、6ねん程度ていど延伸えんしんする計画けいかく予定よていしている。

日本にっぽん国内こくないでのP-3の修理しゅうり川崎重工かわさきじゅうこうからの下請したうけで日本にっぽん飛行機ひこうきおこなっており、海上かいじょう自衛隊じえいたいだけでなくアメリカ海軍かいぐん修理しゅうり厚木航空基地あつぎこうくうきち隣接りんせつする航空機こうくうき整備せいび事業じぎょうおこなっている。

配備はいび基地きち

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編隊へんたいむ3のP-3C

八戸はちのへ航空こうくう基地きち

下総しもうさ航空こうくう基地きち

厚木航空基地あつぎこうくうきち

岩国いわくに航空こうくう基地きち

  • だい31航空こうくうぐん - だい81航空こうくうたい (EP-3(電子でんしせんデータ収集しゅうしゅう)/OP-3C(画像がぞうデータ収集しゅうしゅう)/UP-3D(電子でんしせん訓練くんれん支援しえん))

那覇なは航空こうくう基地きち

日本にっぽんでの改造かいぞう改良かいりょう

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1986ねん昭和しょうわ61ねんごろ、P-3Cを母体ぼたいに、E-2CおなじAN/APS-138レーダーを搭載とうさいして早期そうき警戒けいかい能力のうりょく付与ふよし、さらにAN/AWG-9レーダー・火器かき管制かんせい装置そうちAIM-54 フェニックス12はつ装備そうびした機材きざい船団せんだん防空ぼうくうおこなうという「空中くうちゅう巡洋艦じゅんようかん」ともしょうされる大型おおがた戦闘せんとう構想こうそう検討けんとうされていた[27][28][29]が、防空ぼうくう範囲はんいざいそら空域くういき周辺しゅうへんかぎられ、作戦さくせん柔軟じゅうなんせい迅速じんそくせいとぼしく、護衛ごえい艦隊かんたい都合つごうわせて一体いったい運用うんようできないといった理由りゆうから早々そうそう検討けんとう対象たいしょうから除外じょがいされた[30]

冷戦れいせん終結しゅうけつによる哨戒しょうかい作戦さくせん減少げんしょうともない、20程度ていど実働じつどう任務にんむから削減さくげんされることになり、そのうち5画像がぞう情報じょうほう収集しゅうしゅうOP-3C独自どくじ改造かいぞうされた。また、1991ねん平成へいせい3ねん)から1998ねん平成へいせい10ねん)にかけて、P-3Cをベースにした電子でんしせんデータ収集しゅうしゅうEP-3に5が、1994ねん平成へいせい6ねん)に装備そうび試験しけんUP-3Cに1が、1998ねんから2000ねん平成へいせい12ねん)にかけて電子でんしせん訓練くんれん支援しえんUP-3Dに3改造かいぞう製造せいぞうされた。

一方いっぽう哨戒しょうかいとしての運用うんよう継続けいぞくしている機体きたいについても改造かいぞうおこなわれ、衛星えいせい通信つうしん装置そうち合成ごうせい開口かいこうレーダー、画像がぞう伝送でんそう装置そうち、ミサイル警報けいほう装置そうちGPS対応たいおう電子でんし海図かいず表示ひょうじ装置そうちAIS:自動じどう船舶せんぱく識別しきべつ装置そうち次世代じせだいデータリンクなどの追加ついか装備そうびによって、年々ねんねん能力のうりょく向上こうじょうはかっている[24]

他国たこくへの売却ばいきゃく

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P-1へのえで余剰よじょう発生はっせいするP-3Cを他国たこく移転いてんすることが計画けいかくされており、いくつかのくに協議きょうぎされている。

南シナ海みなみしなかいでの監視かんし能力のうりょく強化きょうかはかりたいフィリピンは当初とうしょP-3Cを希望きぼうしていたが、のち運用うんよう高度こうど能力のうりょく必要ひつようとし維持いじたかいP-3Cにわり、よりあつかやす維持いじやすTC-90変更へんこうとなった[31]

マレーシアには南シナ海みなみしなかいでの同国どうこく監視かんし能力のうりょく向上こうじょう後押あとおしし、海洋かいよう進出しんしゅつする中国ちゅうごくをけんせいするねらいでP-3Cの無償むしょう供与きょうよ提案ていあんしている。導入どうにゅう希望きぼうはマレーシアがちかけたという。この場合ばあい修理しゅうりしてわたすが潜水せんすいかん探知たんちよう高性能こうせいのうレーダーなどは防衛ぼうえい機密きみつたる可能かのうせいがあるためはず予定よていだという[32][33]

後継こうけい

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P-3Cの後継こうけいとなるP-8A(ひだり)とP-1(みぎ

はつ飛行ひこうから50ねん以上いじょう経過けいかし、装備そうび近代きんだい改修かいしゅうかえしているものの、機体きたい老朽ろうきゅうによる寿命じゅみょう後継こうけいとなる予定よていだったP-3Gのあんえたことから、2000年代ねんだいはい後継こうけい導入どうにゅう計画けいかく各国かっこくすすめられている。アメリカ海軍かいぐんボーイング737改造かいぞうしたP-8が2013ねんから正式せいしき運用うんよう開始かいしした。海上かいじょう自衛隊じえいたい2009ねんから初期しょき導入どうにゅうしたP-3Cの退役たいえきはじまり、2015ねんから独自どくじ開発かいはつしたP-1正式せいしき運用うんよう開始かいしした[34]

このほかにはエアバスA319ベースの『A319 MPA』を、ATRATR 72ベースの『ATR 72 ASW』を提案ていあんしている[35]

性能せいのう主要しゅようしょもと (P-3C UD-II)

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出典しゅってん: [36], [37]

しょもと

性能せいのう

  • 最大さいだい速度そくど: 761.2km/h=M0.62 (411kts)
  • 巡航じゅんこう速度そくど: 607.5km/h=M0.49 (328kts)
  • 航続こうぞく距離きょり: 3,645 nmi (6,751 km)
    (※Mk.46×4はつ、AGM-84A×4はつ搭載とうさい
  • 実用じつよう上昇じょうしょう限度げんど: 28,300フィート (8,600 m)
  • 離陸りりく滑走かっそう距離きょり: 4,660 ft (1,420 m)
    (※Mk.46×4はつ、AGM-84A×4はつ搭載とうさい


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おも装備そうびひん

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顧客こきゃくわせた機内きない設備せつび変更へんこう更新こうしん考慮こうりょした旅客機りょかくきをベースとしていることから追加ついか更新こうしん容易よういであるため、戦術せんじゅつデータ・リンクミサイル警報けいほう装置そうちなど開発かいはつ当初とうしょ考慮こうりょされていなかった装備そうび追加ついか容易よういなことから、導入どうにゅうこく運用うんようわせた装備そうび随時ずいじ導入どうにゅう更新こうしんしており多数たすうのバリエーションが存在そんざいする。

おもたいせん哨戒しょうかいとの比較ひかく

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おもたいせん哨戒しょうかい比較ひかくひょう
アメリカ合衆国の旗P-3C[36][37] ソビエト連邦の旗Il-38[39] フランスの旗アトランティック アメリカ合衆国の旗P-8[40] 日本の旗P-1
画像がぞう
全長ぜんちょう 35.6 m 39.60 m[39] 31.75 m 39.5 m 38 m
全幅ぜんぷく 30.4 m 37.42 m[39] 36.30 m 37.6 m 35.4 m
ぜんこう 10.3 m 10.16 m[39] 11.33 m 12.83 m 12.1 m
発動はつどう T56A-14×4 イフチェンコ AI-20M×4[39] タイン RTy.20 Mk 21×2 CFM56-7B×2 F7-10×4
ターボプロップ ターボファン
最大さいだい離陸りりく重量じゅうりょう 63.4 t 66 t[39] 44.5 t 85.8 t 79.7 t
実用じつよう上昇じょうしょう限度げんど 8,600 m 10,000 m[39] 10,000 m 12,500 m 13,520 m
巡航じゅんこう速度そくど 607.5 km/h 不明ふめい 556 km/h 810 km/h 833 km/h
航続こうぞく距離きょり 6,751 km 7,500 km[39] 9,000 km 8,300 km[41] 8,000 km
戦闘せんとう行動こうどう半径はんけい 4,410 km 不明ふめい 不明ふめい 3,700 km[42] 不明ふめい
最大さいだい滞空たいくう時間じかん 15あいだ 13あいだ[39] 不明ふめい 10あいだ[43] 不明ふめい
乗員じょういん 5-15めい 7-8めい[39] 12めい 9めい 11めい
運用うんよう開始かいし 1962ねん8がつ 1971ねん 1965ねん 2013ねん3がつ
運用うんようじょうきょう 現役げんえき
採用さいようこく 20 2 5 6 1

事故じこ

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  • 1972ねん7がつ
ロタ海軍かいぐん基地きちからシチリアとうシニョネッラ海軍かいぐん航空こうくう基地きち英語えいごばんへとかっていたVP-44所属しょぞくのP-3は、ジブラルタル海峡かいきょう通過つうかちゅうモロッコ国内こくないやま突入とつにゅうした。これにより搭乗とうじょういん14めい全員ぜんいん死亡しぼうした。
  • 1973ねん4がつ12にち
アメリカ海軍かいぐん所属しょぞくが、管制かんせいミスによりアメリカ航空こうくう宇宙うちゅうきょくコンベア990-30A-5モフェット・フェデラル飛行場ひこうじょう英語えいごばん付近ふきん空中くうちゅう衝突しょうとつし、両機りょうき搭乗とうじょうしゃ17にんちゅう16にん死亡しぼうした。(1973ねんマウンテンビュー空中くうちゅう衝突しょうとつ事故じこ
  • 1991ねん3がつ12にち
2のアメリカ海軍かいぐん所属しょぞくが、サンディエゴ近郊きんこう哨戒しょうかいちゅう空中くうちゅう衝突しょうとつした。これにより両機りょうき搭乗とうじょういん27にん全員ぜんいん死亡しぼうした。
  • 1992ねん3がつ31にち
海上かいじょう自衛隊じえいたい所属しょぞくのP-3C(5032号機ごうき)が硫黄いおうとう航空こうくう基地きち胴体どうたい着陸ちゃくりく炎上えんじょう搭乗とうじょういん全員ぜんいん無事ぶじだったが、機体きたい修理しゅうり不能ふのうとされ廃棄はいきされた。対地たいち接近せっきん警報けいほう装置そうちをオフにしていたうえに、降着こうちゃく装置そうちわすれるというヒューマンエラー原因げんいんとされる。海上かいじょう自衛隊じえいたい所属しょぞくとしてははつ事故じこ損耗そんこうとなった。
  • 2014ねん2がつ15にち
日本にっぽん飛行機ひこうきのハンガーで定期ていき修理しゅうりちゅうだった海上かいじょう自衛隊じえいたい所属しょぞくのP-3C(3)、OP-3C(1)、EP-3(1)、UP-3D(1)が、平成へいせい26ねん豪雪ごうせつ影響えいきょう例年れいねん以上いじょう降雪こうせつえられず陥没かんぼつした屋根やねにより破損はそんした。この事故じこによりP-3CとOP-3Cは修理しゅうり不可能ふかのう、EP-3とUP-3Dは修理しゅうり相当そうとう期間きかんがかかりやく70おくえん損害そんがいとなった[44][45]。また海上かいじょう自衛隊じえいたい所属しょぞくとしては2かい事故じこ損耗そんこうであり、所属しょぞく事故じことしては最大さいだい被害ひがいとなった。

登場とうじょう作品さくひん

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映画えいが

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キングコング:髑髏しゃれこうべとうきょしん
ダナン空軍くうぐん基地きち英語えいごばん待機たいきちゅう登場とうじょうする。
ゴジラシリーズ
ゴジラ
日本にっぽん映画えいがはつ登場とうじょう海上かいじょう自衛隊じえいたいのP-3Cが、ソ連それん海軍かいぐん原子力げんしりょく潜水せんすいかんから発信はっしんされた救難きゅうなん信号しんごうけて出動しゅつどうし、ちょう音波おんぱ写真しゃしんゴジラかげ撮影さつえいする(実際じっさいのP-3Cにそのような装備そうびはない)ほか、そのおこなわれたゴジラの捜索そうさく出動しゅつどうする。
市販しはん模型もけい改造かいぞうしたミニチュアによる飛行ひこうシーンのほか、ライブフィルムによる機内きないからのソノブイ投下とうかシーンが登場とうじょうする。
ゴジラvsデストロイア
アメリカ海軍かいぐんのP-3Cが登場とうじょう国連こくれんGフォース隊員たいいん小沢おざわとめ同乗どうじょうさせ、ゴジラを上空じょうくうから追跡ついせきする。
ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京とうきょうSOS
海上かいじょう自衛隊じえいたいコールサイン「オスプレイ」とするP-3Cが登場とうじょう太平洋たいへいよううえ哨戒しょうかいちゅう潜行せんこうして北上ほくじょうするゴジラを探知たんちし、浮上ふじょうしてきたことで海面かいめんあらわれたゴジラのびれ目視もくし確認かくにんする。
映像えいぞう一部いちぶは『ゴジラvsデストロイア』から流用りゅうようしたものが使用しようされている。
首都しゅと消失しょうしつ
アメリカ海軍かいぐんのEP-3Eが登場とうじょう。「くも」の上空じょうくう上端じょうたんギリギリの高度こうど飛行ひこうし、各種かくしゅセンサーで「くも」のなか探索たんさくする。飛行ひこうちゅうに「くも」からの放電ほうでん直撃ちょくげきして乗組のりくみいん死傷ししょうしゃ発生はっせい、4エンジンのうち3停止ていしするが、からくも離脱りだつし、帰還きかん成功せいこうする。
作中さくちゅう登場とうじょうする機体きたいは『ゴジラ』制作せいさく製作せいさくされた海自かいじ仕様しようのP-3Cを改造かいぞうしたミニチュアモデルであり、機内きないは『ゴジラ』製作せいさくさいあつめられたP-3Cの資料しりょうもと想像そうぞうまじえて製作せいさくされたセットである。
亡国ぼうこくのイージス
海上かいじょう自衛隊じえいたいのP-3Cが登場とうじょう論文ろんぶん亡国ぼうこくだて内容ないようかたられるシーンのなかで、飛行ひこうする様子ようすうつされている。

アニメ・漫画まんが

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FUTURE WAR 198Xとし
ミッドウェー基地きち所属しょぞくのP-3Cが登場とうじょうソ連それん海軍かいぐんあらためアルファがた原子力げんしりょく潜水せんすいかんかく魚雷ぎょらい攻撃こうげきし、撃沈げきちんする。
WXIII 機動きどう警察けいさつパトレイバー
東京とうきょうわんうちでの海上かいじょう自衛隊じえいたい出動しゅつどうシーンに登場とうじょう
ヱヴァンゲリヲンしん劇場げきじょうばん:じょ
国連こくれんぐん所属しょぞくとして架空かくう電子でんし戦機せんきかたである「EP-3D多用たようがた」が登場とうじょう。「ヤシマ作戦さくせん」にて、だい6使徒しと偵察ていさつする。
オメガ7
Vol.5に海上かいじょう自衛隊じえいたいのP-3Cが登場とうじょう尖閣諸島せんかくしょとう侵攻しんこうする中国ちゅうごく海軍かいぐんキロきゅう潜水せんすいかんたん魚雷ぎょらい攻撃こうげきする。またAC-130のように機体きたい側面そくめん機関きかんほうなどを装備そうびした架空かくうガンシップかた登場とうじょうし、尖閣諸島せんかくしょとう上陸じょうりくした中国ちゅうごくぐん部隊ぶたい掃射そうしゃする。
怪獣かいじゅう自衛隊じえいたい
海上かいじょう自衛隊じえいたいのP-3Cと画像がぞう情報じょうほう収集しゅうしゅうがたであるOP-3Cが登場とうじょう。P-3Cは尖閣諸島せんかくしょとう南小島みなみこじまから海中かいちゅう姿すがたした怪獣かいじゅう捜索そうさくおこない、OP-3Cはコールサインを「Neptune(ネプチューン)03」とする機体きたいが、怪獣かいじゅう襲撃しゅうげきされた豪華ごうか客船きゃくせん富岳ふがく」の状況じょうきょう報告ほうこく、および怪獣かいじゅうを「富岳ふがく」からはなすための低空ていくう飛行ひこうおこなう。
せんうみけん』シリーズ
海上かいじょう自衛隊じえいたいのP-3Cが登場とうじょう
沈黙ちんもく艦隊かんたい
漫画まんが・アニメばん海上かいじょう自衛隊じえいたいアメリカ海軍かいぐんのP-3Cが登場とうじょうあつつぶしたとおもわれる架空かくう海上かいじょう自衛隊じえいたい潜水せんすいかん「やまなみ」や、アメリカ海軍かいぐん指揮しきはな行方ゆくえ不明ふめいとなった原子力げんしりょく潜水せんすいかんシーバット」を捜索そうさくする。

小説しょうせつ

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うみそこ
海上かいじょう自衛隊じえいたいのP-3Cが登場とうじょうレガリス掃討そうとうせん参加さんかし、ソノブイ海底かいていのレガリス探知たんち支援しえんおこなう。
ゲートSeason2 自衛隊じえいたい かれうみにて、たたかえり
宣戦せんせん布告ふこく
海上かいじょう自衛隊じえいたいのP-3Cが登場とうじょう架空かくうはるしおかた潜水せんすいかん「あきしお」との訓練くんれんちゅう潜行せんこうして日本にっぽんちかづく北朝鮮きたちょうせん潜水せんすいてい探知たんちする。
ばくはな
ソマリア展開てんかいする派遣はけん海賊かいぞく対処たいしょ行動こうどう航空こうくうたい海上かいじょう自衛隊じえいたい所属しょぞく登場とうじょう終盤しゅうばん海上かいじょうでの哨戒しょうかい任務にんむえて帰投きとうちゅう、アル・シャバブの兵士へいしたちわれる主人公しゅじんこうらを発見はっけんし、援護えんごのため低空ていくう飛行ひこうおこなう。
にちちゅう尖閣せんかく戦争せんそう
だい5航空こうくうぐん所属しょぞくのP-3Cが登場とうじょう中国ちゅうごく海軍かいぐん潜水せんすいかん撃沈げきちんする[46]
日本海にほんかい雷撃らいげきせん コリア・クライシス
主人公しゅじんこうじょうとしてだい4航空こうくうぐんだい6航空こうくうたい所属しょぞくコールサイン「ルシファ66」とするP-3Cが登場とうじょう日本にっぽん近海きんかい核兵器かくへいき使つかうことをたくら北朝鮮きたちょうせんロシアからぬすしたヴィクター2がた原子力げんしりょく潜水せんすいかん追跡ついせきする。
ピノキオ急襲きゅうしゅう
海上かいじょう自衛隊じえいたいのP-3Cが登場とうじょうたいせん警戒けいかいのため、ソノブイ投下とうかする[47]
日本国にっぽんこく召喚しょうかん
海上かいじょう自衛隊じえいたいのP-3Cが登場とうじょう日本にっぽんこくごと世界せかい転移てんいしたことをけて日本にっぽん周辺しゅうへん調査ちょうさ出動しゅつどうし、そのなかの1がクワ・トイネ公国こうこくぐんワイバーン遭遇そうぐうする。そのばくだん搭載とうさいようパイロンなどの追加ついかMk82ばくだんやく9t搭載とうさいできるよう改修かいしゅうした架空かくうばくげき仕様しようBP-3C」が登場とうじょう。パーパルディア皇国こうこくとの戦争せんそうにおいて70実戦じっせん投入とうにゅうされ、パーパルディア皇国こうこく軍事ぐんじ施設しせつ工業こうぎょう地帯ちたい航空こうくう自衛隊じえいたい支援しえんしも爆撃ばくげきする。
南極なんきょくてんのピアピア動画どうが
おやしお捜索そうさくのために飛行場ひこうじょうでP-3Cが誘導ゆうどうでタキシングをする描写びょうしゃがある。
ラブコメ今昔こんじゃく
有川ありかわひろし短編たんぺん小説しょうせつしゅう収録しゅうろくさくいちさく広報こうほうかんはしる!」に登場とうじょうし、げき中内なかうちでのテレビドラマの撮影さつえい協力きょうりょくする。また、主人公しゅじんこうせい征夫いくお一等いっとううみじょうはかつて那覇なは基地きち所属しょぞくしていたP-3Cもと乗員じょういん

その

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解決かいけつ事件じけん File.05 ロッキード事件じけん
ロッキード事件じけんにおける疑惑ぎわく中核ちゅうかく前述ぜんじゅつ)として度々どど登場とうじょう。またPX-L設計せっけい番組ばんぐみない登場とうじょう

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ Tactical Navigation Modification
  2. ^ Anti-Surface Warfare Improvement Program
  3. ^ Block Modification Upgrade Program
  4. ^ Acoustic Receiver Technology Refresh
  5. ^ Capability Upkeep Program
  6. ^ 実際じっさい、このときの会談かいだんで、P-3CとE-2Cのみがはかられたともされている[17]
  7. ^ ロッキードしゃ顧問こもんとして契約けいやくしていた児玉こだまほまれおっとには、50えるP-3Cの契約けいやくれれば25おくえんのボーナスが支払しはらわれることになっていた[21]同社どうしゃ児玉こだまわたした工作こうさく資金しきんやく700まんドル(やく21おくえん)だが、児玉こだまがわ証拠しょうこ隠滅いんめつしたため、最終さいしゅうてきにはだれにどうくばられたかは不明ふめいである[21]
  8. ^ 通算つうさん101内訳うちわけはアップデートII.5相当そうとうが69、アップデートIII相当そうとうが32である。

出典しゅってん

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  1. ^ P-3C オライオン “海上かいじょう自衛隊じえいたい だい航空こうくうぐん”. ハセガワ. 2015ねん10がつ3にち閲覧えつらん
  2. ^ 海上かいじょう自衛隊じえいたい 航空機こうくうきシリーズ P-3C“オライオン” だい4だん”. トミーテック. 2015ねん10がつ3にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c d べ!海上かいじょう自衛隊じえいたい航空こうくう学生がくせい ? P‐3C (2) | チャンネルNippon
  4. ^ a b c 密着みっちゃく世界せかい航空機こうくうき CP-140オーロラ』ディスカバリーチャンネル 2017ねん9がつ5にち
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  6. ^ a b c P-3Cの航続こうぞく性能せいのうについて
  7. ^ 生活せいかつ環境かんきょうからながめる「海自かいじP-1哨戒しょうかい」という職場しょくば 長時間ちょうじかん飛行機ひこうきだからこその特徴とくちょうは2/3 - りものニュース
  8. ^ P-3 Orion Desert to Delivery - モスボールちゅう機体きたいなおしアップデートする工程こうてい紹介しょうかい
  9. ^ ロッキード・マーティン、P-3オライオンMLUようつばさ生産せいさん再開さいかい
  10. ^ P-3 Mid-Life Upgrade Program ・ Lockheed Martin
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  46. ^ 180ぺーじなど
  47. ^ 下巻げかん47ぺーじなど

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 海上かいじょう幕僚監部ばくりょうかんぶ へん海上かいじょう自衛隊じえいたい25ねん』1980ねんNCID BA67335381 
  • 海上かいじょう幕僚監部ばくりょうかんぶ へん海上かいじょう自衛隊じえいたい50ねん』2003ねんNCID BA67335381 
  • 木下きのした知寛ちひろ海上かいじょう自衛隊じえいたいの『空中くうちゅう巡洋艦じゅんようかん構想こうそう」『世界せかい艦船かんせんだい369ごう海人あましゃ、138-141ぺーじ、1986ねん9がつ 
  • 鮫島さめしま博一ひろかず「P-3C導入どうにゅう経緯けいいについて」『だい7かん 固定こていつばさみず交会海上かいじょう自衛隊じえいたい 苦心くしん足跡あしあと〉、2017ねん、287-295ぺーじ全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:22888397 
  • 土井どい武夫たけお飛行機ひこうき設計せっけい50ねん回想かいそうたけなわとうしゃ、1989ねんISBN 978-4-87357-014-3 
  • 中村なかむら悌次ていじ生涯しょうがい海軍かいぐん士官しかん戦後せんご日本にっぽん海上かいじょう自衛隊じえいたい中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ、2009ねんISBN 978-4-12-004006-1 
  • 名倉なくら忠昭ただあき「P-3Cの伝説でんせつ ひゃく態勢たいせいへの軌跡きせき」『だい7かん 固定こていつばさみず交会〈海上かいじょう自衛隊じえいたい 苦心くしん足跡あしあと〉、2017ねん、296-309ぺーじ全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:22888397 
  • 日本航空にほんこうくう宇宙うちゅう工業こうぎょうかい へんだい1 だい3しょう 40年代ねんだい航空機こうくうき工業こうぎょう基礎きそがための時期じき」『日本にっぽん航空こうくう宇宙うちゅう工業こうぎょう50ねんあゆみ』日本航空にほんこうくう宇宙うちゅう工業こうぎょうかい、2003ねんNCID BA68736796https://www.sjac.or.jp/common/pdf/toukei/50nennoayumi/4_3_nihonnokoukuki3-4.pdf 

関連かんれん項目こうもく

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海上かいじょう自衛隊じえいたいミニP-3C公演こうえん

外部がいぶリンク

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