ウォルト・ディズニー・カンパニー

ウォルト・ディズニー・カンパニー
The Walt Disney Company

ディズニーのロゴの企業きぎょうバージョン
カリフォルニア州しゅうバーバンクの本社ほんしゃ（2016年ねん）
商号しょうごう	ディズニー
以前いぜんの社名しゃめい	ディズニー・ブラザース・スタジオ (1923年ねん–1926年ねん) ウォルト・ディズニー・スタジオ (1926年ねん–1929年ねん) ウォルト・ディズニー・プロダクションズ (1929年ねん–1986年ねん)
種類しゅるい	公開こうかい会社かいしゃ
市場いちば情報じょうほう	NYSE: DIS
業種ぎょうしゅ	マスメディア エンターテイメント
事業じぎょう分野ぶんや	映画えいが、音楽おんがく、ビデオゲーム、テーマパーク、テレビ、ラジオ、出版しゅっぱん、 ウェブポータル
前身ぜんしん	ラフォグラム・フィルム
設立せつりつ	1923年ねん10月がつ16日にち (1923-10-16)
創業そうぎょう者しゃ	ウォルト・ディズニー ロイ・O・ディズニー
本社ほんしゃ	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく カリフォルニア州しゅうバーバンク サウス・ブエナ・ビスタ・ストリート 500 北緯ほくい34度ど9分ふん31秒びょう 西経せいけい118度ど19分ふん33秒びょう
事業じぎょう地域ちいき	世界中せかいじゅう
主要しゅよう人物じんぶつ	マーク・G・パーカー（取締役とりしまりやく会長かいちょう） ボブ・アイガー（最高さいこう経営けいえい責任せきにん者しゃ）
売上うりあげ高だか	US$88.898 billion（2023年ねん）
営業えいぎょう利益りえき	US$12.863 billion（2023年ねん）
利益りえき	US$2.354 billion（2023年ねん）
総そう資産しさん	US$205.579 billion（2023年ねん）
純資産じゅんしさん	US$103.957 billion（2023年ねん）
所有しょゆう者しゃ	バンガード・グループ（7.4%） ブラックロック（6.2%）
従業じゅうぎょう員数いんずう	225,000人にん（2023年ねん）
部門ぶもん	ディズニー・エンターテインメント ディズニー・エクスペリエンス ESPN Inc.（80%）
子会社こがいしゃ	A&Eネットワークス（50%） マーベル・エンターテインメント ナショナル ジオグラフィック・パートナーズ（73%）
ウェブサイト	thewaltdisneycompany.com

ウォルト・ディズニー・カンパニー（The Walt Disney Company）、通称つうしょうディズニー（Disney[ˈdɪzni]）は、カリフォルニア州しゅうバーバンクのウォルト・ディズニー・スタジオに本社ほんしゃを置おく、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの多た国籍こくせきマスメディア・エンターテイメント複ふく合あい企業きぎょう。

ウォルト・ディズニー（ディズニー家かを参照さんしょう）は1921年ねんにラフォグラム・フィルムを創設そうせつしたが、約やく2年ねんで破産はさんする。その後ご、1923年ねん10月16日にちにウォルトは兄あにのロイ・O・ディズニーと共ともにディズニー・ブラザース・カートゥーン・スタジオ（Disney Brothers Cartoon Studio）を設立せつりつした。その後ごはウォルト・ディズニー・スタジオ（The Walt Disney Studio）やウォルト・ディズニー・プロダクション（Walt Disney Productions）という名称めいしょうで運営うんえいされていたが、1986年ねんに正式せいしきにウォルト・ディズニー・カンパニーに社名しゃめいを変更へんこうした。

1928年ねんにはディズニーは短編たんぺん映画えいが『蒸気じょうき船せんウィリー』でアニメーション業界ぎょうかいのリーダーとしての地位ちいを確立かくりつした。この作品さくひんは、音声おんせいを同期どうきさせた初はつのサウンド・カートゥーンであり、ディズニーのマスコットであり企業きぎょうのアイコンとなったミッキーマウスを登場とうじょうさせた。

1940年代ねんだい初頭しょとうまでに大だい成功せいこうを収おさめたディズニーは、1950年代ねんだいには実写じっしゃ映画えいが、テレビ、ディズニーランド（ディズニーランド・リゾート）などテーマパークへと多角たかく化かした。しかし、1966年ねんのウォルト・ディズニーの死後しご、会社かいしゃの利益りえき、特とくにアニメーション部門ぶもんの利益りえきは減少げんしょうし始はじめた。1984年ねん、ディズニーの株主かぶぬし総会そうかいで、マイケル・アイズナーが会社かいしゃのトップに選出せんしゅつされ、これをきっかけに業績ぎょうせきが反転はんてんし、1989年ねんから1999年ねんまでディズニー・ルネサンスと呼よばれる劇的げきてきな成功せいこうを収おさめた。2005年ねん、新しんCEOのボブ・アイガーのもと、同社どうしゃは事業じぎょう拡大かくだいと他た企業きぎょうの買収ばいしゅうを開始かいしした。2020年ねん、アイガーの退任たいにん後ご、ボブ・チャペックがディズニーのトップに就任しゅうにんした。しかし、チャペックは2022年ねんに退任たいにんし、アイガーがCEOに復帰ふっきした。

同社どうしゃは、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオやピクサー、ディズニーネイチャー、マーベル・スタジオ、ルーカスフィルム、20世紀せいきスタジオ、20世紀せいきアニメーション、サーチライト・ピクチャーズを含ふくむ映画えいがスタジオ部門ぶもんウォルト・ディズニー・スタジオ（ディズニー・エンターテインメント）で名なを知しられている。

ディズニーのその他たの主要しゅよう事業じぎょう部門ぶもんには、テレビ、放送ほうそう、ストリーミング・メディア、テーマパーク・リゾート、ディズニー・コンシュマー・プロダクツ、出版しゅっぱん、インターナショナル・オペレーションなどの部門ぶもんがある。これらの部門ぶもんを通つうじて、ディズニーは放送ほうそうネットワークのABC、ディズニー・チャンネル、ESPN、フリーフォーム、FX、ナショナル ジオグラフィックなどのケーブルテレビネットワーク、出版しゅっぱん、マーチャンダイジング、音楽おんがく、劇場げきじょう部門ぶもん、Disney+、Star+、ESPN+、Hulu、Hotstarなどの消費しょうひ者しゃ向むけディズニー・ストリーミング・サービス、世界せかい各地かくちのテーマパーク、リゾートホテル、ディズニー・クルーズ・ラインを含ふくむディズニー・エクスペリエンスを所有しょゆう、運営うんえいしている。

ディズニーは、世界せかいで最もっとも有名ゆうめいな大だい企業きぎょうのひとつであり、2022年ねんのフォーチュンによる米国べいこく最大手さいおおて企業きぎょうランキングでは、売上うりあげ高だかで53位いにランクされている。創業そうぎょう以来いらい、同社どうしゃは135のアカデミー賞しょうを受賞じゅしょうしており、そのうち26はウォルトが受賞じゅしょうしている。同社どうしゃは、史上しじょう最高さいこうの映画えいがの数々かずかずを生うみ出だし、テーマパーク業界ぎょうかいに革命かくめいを起おこしたと言いわれている。ディズニーは、過去かこに盗作とうさくや人種じんしゅ差別さべつの描写びょうしゃ、LGBTに関連かんれんする要素ようそを映画えいがに盛もり込こんだり盛もり込こまなかったりしたことで、批判ひはんを浴あびてきた。

1940年ねんから株式かぶしきを公開こうかいしている同社どうしゃは、ティッカーシンボルDISでニューヨーク証券しょうけん取引とりひき所しょ（NYSE）で取引とりひきされ、1991年ねんからダウ工業こうぎょう株かぶ30種しゅ平均へいきんの構成こうせい銘柄めいがらとなっている。2020年ねん8月がつ現在げんざい、株式かぶしきの3分ぶんの2弱じゃくを大手おおて金融きんゆう機関きかんが保有ほゆうしている。2023年ねん10月がつ16日にちに創業そうぎょう100周年しゅうねんを迎むかえた。

日本にっぽん法人ほうじんはウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社かぶしきがいしゃ。

歴史れきし

詳細しょうさいは「ウォルト・ディズニー・カンパニーの年表ねんぴょう」を参照さんしょう

1923年ねん - 1934年ねん 創立そうりつ、オズワルド・ザ・ラッキーラビット、 ミッキーマウス、

ウォルト・ディズニー（左ひだり）と兄あにのロイ・O・ディズニー（右みぎ）は、1923年ねんにディズニー・ブラザース・カートゥーン・スタジオを共同きょうどうで設立せつりつし、後のちにウォルト・ディズニー・カンパニーとなった。

ウォルト・ディズニーと彼かれの友人ゆうじんでアニメーターのアブ・アイワークスがミズーリ州しゅうカンザスシティに設立せつりつした映画えいがスタジオ「ラフォグラム・フィルム」を設立せつりつした。、アイワークスとディズニーは、このスタジオでいくつかの短編たんぺん映画えいがを制作せいさくした。1923年ねんに制作せいさくされた最後さいごの作品さくひんは、「アリスの不思議ふしぎの国くに」という短編たんぺん映画えいがで子役こやくのヴァージニア・デイビスがアニメーションのキャラクターと触ふれ合あう交流こうりゅうする様子ようすを描えがいた。この映画えいがが公開こうかいされる前まえにウォルトは破産はさんを申請しんせいしたが、ウォルトは兄あにのロイ・O・ディズニーが結核けっかくを患わずらっていたため、ハリウッドに移うつり住すむことを決意けついした。しかし、ディズニーがニューヨークの映画えいが配給はいきゅう会社かいしゃマーガレット・J・ウィンクラーに連絡れんらくし、ウィンクラーがこの映画えいがの配給はいきゅう権けんを獲得かくとくしたことで、この映画えいがはヒットした。1923年ねん10月がつ16日にち、ウォルトとロイは映画えいがを製作せいさくするためにディズニー・ブラザース・カートゥーン・スタジオ（Disney Brothers Cartoon Studio）を共同きょうどう設立せつりつした。1926年ねん1月がつ、ハイペリオン通どおりにディズニースタジオが完成かんせいし、ディズニー・ブラザース・カートゥーン・スタジオの名称めいしょうはウォルト・ディズニー・スタジオ（The Walt Disney Studio）に変更へんこうされた。

その後ご4年間ねんかんに数すう本ほんのアリス映画えいがを製作せいさくした後のち、ウィンクラーはスタジオの映画えいがを配給はいきゅうする役割やくわりを夫おっとのチャールズ・ミンツに譲ゆずった。1927年ねん、ミンツは新あたらしい映画えいがシリーズの製作せいさくを依頼いらいし、それに応こたえてディズニーは、オズワルド・ザ・ラッキー・ラビットというキャラクターを主役しゅやくにした初はつの全編ぜんぺんアニメーション映画えいがシリーズを製作せいさくした。このシリーズはウィンクラー・ピクチャーズが製作せいさくし、ユニバーサル・ピクチャーズが配給はいきゅうした。ウォルト・ディズニー・スタジオは合計ごうけい26本ほんのオズワルドの短編たんぺんを完成かんせいさせた。

1928年ねん、ウォルトは映画えいがの製作せいさく費ひを増額ぞうがくしようとしたが、ミンツは減額げんがくを望のぞんだ。その直後ちょくご、ウォルトはユニバーサル・ピクチャーズがオズワルドの権利けんりを所有しょゆうしていることを知しり、ミンツは減額げんがくに応おうじなければオズワルド抜ぬきで映画えいがを製作せいさくすると脅おどした。ウォルトはこれを断ことわり、ミンツはウォルト・ディズニー・スタジオの主要しゅようなアニメーター4人にんと契約けいやくして自分じぶんのスタジオを立たち上あげた。ウォルトとアイワークスはオズワルドの代かわりにネズミのキャラクターを作つくり、もともとモーティマーマウスと名付なづけられていたネズミを、ディズニーの妻つまに促うながされ、ミッキー・マウスと呼よぶようになった。 1928年ねん5月がつ、スタジオは新しんキャラクターの試写ししゃ会かいとしてサイレント映画えいが『プレーン・クレイジー』と『ギャロッピン・ガウチョ』を製作せいさくした。 スタジオは初はつのトーキー映画えいが、ミッキー・マウス・シリーズ3作さく目めの短編たんぺん『蒸気じょうき船せんウィリー』を製作せいさくした。この作品さくひんは音おとの同期どうきが取とられており、世界せかい初はつのトーキーアニメーションとして製作せいさくされた。音響おんきょうは、リー・デ・フォレストのフォノフィルム・システムを使用しようしたパワーズのシネフォン・システムを使つかって制作せいさくされた。パット・パワーズの配給はいきゅう会社かいしゃは『蒸気じょうき船せんウィリー』を配給はいきゅうし、すぐに大だいヒット作さくとなった。その後ご、ディズニーは1929年ねんに前まえ2作さくをトーキー映画えいがとして再さい公開こうかいすることになった。

ディズニーが2006年ねんまで権利けんりを持もっていなかったが、オズワルド・ザ・ラッキー・ラビットはディズニーが初はじめて手てがけたアニメキャラクターの1つである。

ニューヨークのコロニーシアターで『蒸気じょうき船せんウィリー』が公開こうかいされた後のち、ミッキーマウスは絶大ぜつだいな人気にんきを誇ほこるキャラクターとなった。ディズニー・ブラザース・スタジオは、ミッキーや他たのキャラクターが登場とうじょうするアニメをいくつか制作せいさくした。1929年ねん8月がつ、ディズニー兄弟きょうだいがパワーズから利益りえきの分配ぶんぱいを受うけていないと感かんじたため、同社どうしゃはコロンビア・ピクチャーズを配給はいきゅう会社かいしゃとしてシリー・シンフォニー・シリーズの製作せいさくを開始かいしした。パワーズはアイワークスとの契約けいやくに終止符しゅうしふを打うち、アイワークスは後のちに自身じしんのスタジオを立たち上あげた。カール・W・スタリングはシリーズ開始かいしにあたって重要じゅうような役割やくわりを果はたし、初期しょきの作品さくひんの音楽おんがくを担当たんとうしたが、アイワークスの退社たいしゃ後ごは会社かいしゃを去さった。 9月、劇場げきじょう支配人しはいにんのハリー・ウッディンは、観客かんきゃく動員どういん数すうを増ふやすため、自分じぶんの劇場げきじょうであるフォックスドームでミッキーマウス・クラブを始はじめる許可きょかを求もとめた。ウォルトは同意どういしたが、ウッディンが始はじめる前まえにデビッド・E・ダウがエルシノア劇場げきじょうでミッキーマウス・クラブを始はじめた。ウォルトはこれに同意どういしたが、ウッディンがクラブを始はじめる前まえにデビッド・E・ダウがエルシノア劇場げきじょうでクラブを始はじめた。12月21日にち、エルシノア劇場げきじょうで開ひらかれたクラブの第だい1回かい集会しゅうかいに約やく1,200人にんの子供こどもたちが参加さんかした。1930年ねん7月がつ24日にち、キング・フィーチャーズ・シンジケートの社長しゃちょうジョセフ・コンリーは、ディズニー・スタジオに「ミッキーマウスの漫画まんがを描えがいてほしい」と郵便ゆうびんを送おくった。1930年ねん12月16日にち、ウォルト・ディズニー・スタジオはウォルト・ディズニー・プロダクション（Walt Disney Productions, Limited）となり、ウォルト・ディズニー・エンタープライゼズ（Walt Disney Enterprises）というマーチャンダイジング部門ぶもんと、ディズニー・フィルム・レコーディング・カンパニー（Disney Film Recording Company, Limited）とリルド・リアルティ・アンド・インベストメント・カンパニー（Liled Realty and Investment Company）という子会社こがいしゃを設立せつりつした。ウォルトと彼かれの妻つまが60％（6,000株かぶ）、ロイが40％を所有しょゆうしていた。

ミッキー・マウスシリーズ初はつの音おと入いりの短編たんぺんアニメーション『蒸気じょうき船せんウィリー』（1928年ねん）の一いち場面ばめんである。

1930年ねん1月がつ13日にちに「ニューヨーク・デイリーミラー」紙しに掲載けいさいされたミッキーマウスの漫画まんがは、1931年ねんにはアメリカ国内こくないの60の新聞しんぶんと、世界せかい20カ国かこくの新聞しんぶんに掲載けいさいされるようになった。ミッキー・マウスのキャラクターを使つかったグッズを発売はつばいすれば、会社かいしゃの収益しゅうえきが上あがると考かんがえたニューヨーク在住ざいじゅうのある男おとこは、ウォルトに300ドルのライセンス料りょうを提示ていじし、彼かれが製造せいぞうしていた筆記用具ひっきようぐにミッキーマウスを載のせることを許可きょかした。ref>Rivkin, Mike (2021年ねん4月がつ3日にち). "Antiques: The Life and Times of Mickey Mouse". The Desert Sun. 2021年ねん5月がつ7日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2022年ねん4月がつ27日にち閲覧えつらん。</ref>。1933年ねん、ウォルトはディズニーの商品しょうひん化かをカンザス・シティの広告こうこく会社かいしゃのオーナー、ケイ・カメンに依頼いらいした。1年ねん以内いないにケイメンはミッキーマウスのライセンスを40件けん取得しゅとくし、2年ねん以内いないに3,500万まんドルの売上うりあげを達成たっせいした。1934年ねん、ウォルトはミッキー・マウスのマーチャンダイジングで、そのキャラクターの映画えいがよりも多おおくの利益りえきを得えたと語かたった。

その後ご、ウォーターベリー・クロック・カンパニーがミッキー・マウス・ウォッチを製作せいさくし、これが大人気おとなげとなり、世界せかい恐慌きょうこうの最中さいちゅうに同社どうしゃを倒産とうさんから救すくった。メイシーズでのプロモーションイベントでは、1日にちで11,000個このミッキー・マウス・ウォッチが売うれ、2年ねん以内いないに250万まん個こが売うれた。ミッキー・マウスがいたずら好すきなネズミからヒーロー的てきなキャラクターになるにつれ、ディズニーはギャグを生うみ出だせる別べつのキャラクターを必要ひつようとした。ウォルトは、ラジオ司会しかい者しゃのクラレンス・ナッシュをアニメーション・スタジオに招まねいた。ウォルトは、スタジオの新しんキャラクターとなるしゃべるアヒルのキャラクター、ドナルド・ダックをナッシュに演えんじてもらおうと考かんがえたのだ。ドナルド・ダックは1934年ねんの『かしこいメンドリ』で初はつ登場とうじょうした。ミッキーマウスほどの人気にんきにはならなかったが、ドナルド・ダックは『ドナルドの磁石じしゃく騒動そうどう』（1936年ねん）で主役しゅやくを演えんじ、やがて自分じぶんのシリーズを持もつようになった。

『シリー・シンフォニー』シリーズについてコロンビア ピクチャーズと意見いけんが対立たいりつした後のち、ウォルトは1932年ねんから1937年ねんまでユナイテッド・アーティスツと配給はいきゅう契約けいやくを結むすび、同どうシリーズを配給はいきゅうすることになった。1932年ねん、ディズニーはテクニカラーと独占どくせん契約けいやくを結むすび、1935年ねん末まつまでカラーアニメーションを制作せいさくし、『シリー・シンフォニー』の短編たんぺん『花はなと木き』（1932年ねん）からスタートした 。この作品さくひんは世界せかい初はつの全編ぜんぺんカラーによるアニメーションで、同年どうねん末まつにはアカデミー賞しょうの短編たんぺんアニメ賞しょうを受賞じゅしょうした。1933年ねんには、これも人気にんきのあったシリー・シンフォニーの短編たんぺん『三さん匹ひきの子こぶた』が公開こうかいされ、これもアカデミー賞しょうの短編たんぺんアニメ賞しょうを受賞じゅしょうした。他たのシリー・シンフォニーの曲きょくも作曲さっきょくしたフランク・チャーチルが作曲さっきょくしたこの映画えいがの主題歌しゅだいか 「狼おおかみなんか怖こわくない」は、1930年代ねんだいを通つうじて人気にんきを博はくし、ディズニーの曲きょくの中なかでも最もっともよく知しられた曲きょくのひとつとなった。 1931年ねんから1939年ねんまで、他たのシリー・シンフォニー作品さくひんが短編たんぺんアニメ賞しょうを受賞じゅしょうしているが、1938年ねんには別べつのディズニー作品さくひん『牡おす牛うしのフェルディナンド』が受賞じゅしょうしている。

1934年ねん - 1949年ねん 長編ちょうへん映画えいが、ストライキ、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん

カリフォルニア州しゅうバーバンクにあるウォルト・ディズニー・スタジオのオリジナル・アニメーション・ビルは1940年ねんに完成かんせいした。

1934年ねん、ウォルトは長編ちょうへんアニメーション映画えいが『白雪姫しらゆきひめ』（ウォルト・ディズニー・プロダクション初はつの長編ちょうへん映画えいが）の製作せいさくを決定けっていした。ウォルトは、アニメーターたちに物語ものがたりを説明せつめいして聞きかせた。ロイはスタジオが倒産とうさんすると言いってウォルトの製作せいさくを止とめようとし、ハリウッドでは「ディズニーの道楽どうらく」と呼よばれたが、ウォルトは映画えいがの制作せいさくを続つづけた。彼かれはこの映画えいがに対たいしてリアルな表現ひょうげんしようと考かんがえ、映画えいがのシーンを実写じっしゃのように作つくり上あげた。この映画えいがの製作せいさく中ちゅう、同社どうしゃはマルチプレーン・カメラを開発かいはつした。マルチプレーン・カメラとは、背景はいけいの奥行おくゆきを錯覚さっかくさせるために、ガラス片へんの上うえに異ことなる距離きょりで絵えを配置はいちしたものである。ユナイテッド・アーティスツがディズニーの短編たんぺん映画えいがのために今後こんごのテレビ放送ほうそう権けんを獲得かくとくしようとした後のち、ウォルトは1936年ねん3月がつ2日にちにRKOラジオ・ピクチャーズと配給はいきゅう契約けいやくを結むすんだ。ウォルト・ディズニー・プロダクションは、『白雪姫しらゆきひめ』は、当初とうしょの予算よさん15万まんドルを10倍ばいも上回うわまわり、最終さいしゅう的てきに150万まんドルの製作せいさく費ひを費ついやした。

『白雪姫しらゆきひめ』は製作せいさくに3年ねんを費ついやし、1937年ねん12月12日にちに完成かんせいした。それまでの歴代れきだい最高さいこう興行こうぎょう収入しゅうにゅうを記録きろくし、800万まんドル（2022年ねんのドル換算かんさんで1億おく6,285万まん1,852ドルに相当そうとう）の興行こうぎょう収入しゅうにゅうを上あげた。再さい公開こうかいを数すう回かい繰くり返かえした後のち、インフレ調整ちょうせい後ごの全米ぜんべい興行こうぎょう収入しゅうにゅうは9億おく9,844万まんドルに達たっした。『白雪姫しらゆきひめ』の大だいヒットを受うけ、ディズニーはカリフォルニア州しゅうバーバンクに51エーカー（20.6ヘクタール）の新しんスタジオの建設けんせつ資金しきんを調達ちょうたつし、1940年ねんに完全かんぜん移転いてんした。同年どうねん4月がつ2日にち、ディズニーは新規しんき株式かぶしき公開こうかいを行おこない、株式かぶしきはウォルトとその家族かぞくのものとなった。ウォルトは株式かぶしき公開こうかいを望のぞんでいなかったが、会社かいしゃには資金しきんが必要ひつようだった。

『白雪姫しらゆきひめ』の公開こうかいの少すこし前まえに、次回じかい作さくの「ピノキオ」と「バンビ」の制作せいさくが始はじまり、「バンビ」は延期えんきされた。『ピノキオ』は歌曲かきょく賞しょうと作曲さっきょく賞しょうを受賞じゅしょうし、アニメーションに新あたらしい風かぜを吹ふき込こんだと言いわれた。しかし、1940年ねん2月がつ23日にちに公開こうかいされた『ピノキオ』は、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんの影響えいきょうで海外かいがいでの公開こうかいが見送みおくられたため、興行こうぎょう成績せいせきは振ふるわなかった。

次つぎ作さくの『ファンタジア』も興行こうぎょう成績せいせきは低迷ていめいしたが、製作せいさく中ちゅうに音響おんきょう技術ぎじゅつの革新かくしんを行おこない、製作せいさく中ちゅうに音響おんきょう技術ぎじゅつの革新かくしんを行おこない、映画えいがの音声おんせいにいち早はやくサラウンド・サウンド・システムであるファンタサウンドを開発かいはつし、この作品さくひんはステレオ上映じょうえいされた初はじめての映画えいがとなった。1941年ねん ウォルト・ディズニー・スタジオは、同社どうしゃのトップ・アニメーターの一人ひとりであったアート・バビットを中心ちゅうしんとする800人にんのアニメーターのうち300人にんが、労働ろうどう組合くみあい結成けっせいと賃上ちんあげを求もとめて5週間しゅうかんのストライキに突入とつにゅうし、大おおきな挫折ざせつを味あじわうことになる。ウォルトはストライキ参加さんか者しゃを密ひそかに共産きょうさん主義しゅぎ者しゃだと考かんがえ、スタジオの優秀ゆうしゅうなアニメーターを含ふくむ多おおくのアニメーターを解雇かいこした。ロイ・ディズニーは、従業じゅうぎょう員いんの解雇かいこによって制作せいさく費ひを相殺そうさいする余裕よゆうがなくなったスタジオのために、主要しゅような配給はいきゅう会社かいしゃにスタジオへの投資とうしとさらなる制作せいさく資金しきんの確保かくほを説得せっとくしようとしたが、誰だれも獲得かくとくすることができずにいた。ロバート・ベンチレーがディズニー・スタジオを見学けんがくする4作さく目め「リラクタント・ドラゴン」のプレミアの際さい、ストライキの抗議こうぎ者しゃが現あらわれ、この映画えいがは製作せいさく費ひに10万まんドルも足たりなくなる。

ウォルト（右みぎ）がガウチョに扮ふんし、ドナルド・ダックと一緒いっしょにアルゼンチンの南米なんべいを親善しんぜん旅行りょこうしたときの写真しゃしんである。

ストライキ参加さんか者しゃとの交渉こうしょうが進行しんこうしている間あいだ、ウォルトはアメリカ州しゅう問題もんだい調整ちょうせい局きょくからの申もうし出でを受うけ、彼かれのアニメーターたちと共ともに南みなみアメリカへの親善しんぜん旅行りょこうをすることになった。12週間しゅうかんの滞在たいざい中ちゅう、アニメーターたちは映画えいがの構想こうそうを練ねり始はじめ、現地げんちの音楽おんがくからインスピレーションを得えた。ストライキの結果けっか、連邦れんぽう調停ちょうてい官かんはスタジオに漫画まんが映画えいが家か組合くみあいを認みとめ、数すう人にんのアニメーターが会社かいしゃを去さり、694人にんの従業じゅうぎょう員いんが残のこることになった。ディズニーは経営けいえい難なんから立たち直なおるため、急遽きゅうきょ、低てい予算よさんでスタジオ5作さく目めのアニメーション映画えいが『ダンボ』を制作せいさくし、興行こうぎょう成績せいせきは良好りょうこうで、会社かいしゃにとって必要ひつような利益りえきを上あげた。真珠湾しんじゅわん攻撃こうげきの後のち、同社どうしゃのアニメーターの多おおくが徴兵ちょうへいされた。その後ご、近ちかくのロッキード航空機こうくうき工場こうじょうを守まもるため、500人にんのアメリカ陸軍りくぐん兵士へいしが8ヵ月かげつ間あいだスタジオを占拠せんきょした。その間あいだ、兵士へいしたちは機材きざいを大型おおがたのサウンドステージに固定こていし、倉庫そうこを弾薬だんやく庫こに改造かいぞうした。1941年ねん12月8日にち、アメリカ海軍かいぐんはウォルトに、戦争せんそうへの支援しえんを得えるためのプロパガンダ映画えいがの制作せいさくを依頼いらいした。彼かれはこれに同意どういし、海軍かいぐんと戦争せんそう関連かんれんの短編たんぺん映画えいが20本ほんを9万まんドルで契約けいやくした。同社どうしゃの従業じゅうぎょう員いんのほとんどがこのプロジェクトに取とり掛かかり、『空軍くうぐん力りょくの勝利しょうり』などの映画えいがを制作せいさくし、いくつかの映画えいがには同社どうしゃのキャラクターも登場とうじょうさせた。

1942年ねん8月がつ、ディズニーの6作さく目めのアニメーション映画えいがとして『バンビ』が公開こうかいされたが、興行こうぎょう成績せいせきは振ふるわなかった。1943年ねん、南米なんべい旅行りょこうの後のち、スタジオは『ラテン・アメリカの旅たび』と『三さん人にんの騎士きし』を製作せいさくした。この2作品さくひんはいくつかの短編たんぺんアニメーションをまとめて1本ほんの長編ちょうへん映画えいがとした「オムニバス映画えいが」である。両りょう作品さくひんとも公開こうかい時じの興行こうぎょう成績せいせきは散々さんざんだった。ディズニーは、『メイク・マイン・ミュージック』（1946年ねん）、『ファン・アンド・ファンシー・フリー』（1947年ねん）、『メロディ・タイム』（1948年ねん）、『イカボードとトード氏し』（1949年ねん）などのオムニバス映画えいがを製作せいさくし、赤字あかじからの回復かいふくを図はかった。同どうスタジオは、ディズニーで最もっとも物議ぶつぎを醸かもした『南部なんぶの唄うた』からは、低てい予算よさんのアニメーションと融合ゆうごうした実写じっしゃ映画えいがの製作せいさくを開始かいしした。資金しきんが不足ふそくしていたため、1944年ねんには、長編ちょうへん映画えいがの再さい公開こうかいを計画けいかくし、必要ひつような利益りえきを生うみ出だした。1948年ねん、ウォルト・ディズニー・スタジオは自然しぜんドキュメンタリーシリーズ『自然しぜんと冒険ぼうけん記録きろく映画えいが』を開始かいしし、1960年ねんまで続つづき、アカデミー賞しょう8部門ぶもんを受賞じゅしょうした。1949年ねん、長編ちょうへんアニメーション映画えいが『シンデレラ』（1950年ねん）の製作せいさく中ちゅう、『シンデレラ』の音楽おんがくが大だいヒットすることを期待きたいして、マーチャンダイジングの収益しゅうえきに役立やくだてるためにウォルト・ディズニー・ミュージック・カンパニーが設立せつりつされた。

1950年ねん - 1966年ねん 実写じっしゃ映画えいが、テレビ、ディズニーランド、ウォルト・ディズニーの死去しきょ

1950年ねん、ディズニーにとって8年ねんぶりとなるアニメーション映画えいが『シンデレラ』が公開こうかいされ、スタジオの復権ふっけんとみなされた。製作せいさく費ひは220万まんドルで、『白雪姫しらゆきひめ』以来いらい最もっとも大だいヒットを記録きろくし、公開こうかいした年としは800万まんドルを稼かせいだ。ウォルトは列車れっしゃに気きを取とられ、ディズニー初はつの全編ぜんぺん実写じっしゃ映画えいが『宝島たからじま』（1950年ねん）を製作せいさくするためにイギリスを訪おとずれたため、これまで製作せいさくした映画えいがには関与かんよしていなかった 。 『宝島たからじま』がヒットしたため、ウォルトはイギリスに戻もどり、『ロビン・フッド (1952年ねんの映画えいが)』』を製作せいさくした。1950年ねんにはテレビ業界ぎょうかいが成長せいちょうし始はじめ、ディズニーの次つぎのアニメーション映画えいが『ふしぎの国くにのアリス』（1951年ねん）の宣伝せんでんを兼かねて、コカ・コーラがスポンサーとなった同社どうしゃ初はつのテレビ作品さくひん『ワン・アワー・イン・ワンダーランド』が12月25日にちにNBCで放映ほうえいされた。ウォルトがイギリスに滞在たいざい中ちゅう、『ふしぎの国くにのアリス』は公開こうかいされたが、製作せいさく予算よさんを100万まんドル下回したまわり、興行こうぎょう成績せいせきは振ふるわなかった。帰国きこく後ご、ウォルトはスタジオ近ちかくの8エーカー（3.2ヘクタール）の敷地しきちに「ミッキーマウス・パーク」と呼よばれるテーマパークの建設けんせつを計画けいかくし始はじめ、そのアトラクションには蒸気じょうき船せんも含ふくまれる予定よていだったが、事業じぎょうが計画けいかくを中断ちゅうだんし、3本ほん目めのイギリス映画えいが『剣けんと薔薇ばら』の製作せいさくが始はじまった。ウォルトはこの映画えいがの製作せいさくを指揮しきし、「ウォルト・ディズニー・ブリティッシュ・フィルム・リミテッド」という新あたらしい子会社こがいしゃが資金しきんを提供ていきょうした。

ディズニーランドの設計せっけい図ずを見みているウォルト・ディズニー（1954年ねん）。

ウォルトは、娘むすめたちとグリフィス・パークを訪おとずれた際さいにテーマパークを思おもいついたという。そこで娘むすめたちがメリーゴーランドに乗のっているのを見みて、「......親子おやこが一緒いっしょに楽たのしめるような何なんらかの遊ゆう園地えんちができるはずだ」と思おもったという。 ウォルトは、計画けいかく中ちゅうのテーマパークの名前なまえをディズニーランディア、そしてディズニーランドに改名かいめいした。 ロイはこのテーマパークに疑問ぎもんを抱だいていたため、ウォルトは1952年ねん12月16日にちにウォルト・ディズニー・エンタープライズという新しん会社かいしゃを設立せつりつし、資金しきん調達ちょうたつを行おこなった。その直後ちょくご、社名しゃめいはウォルト・ディズニー・インコーポレイテッドに変更へんこうされ、1953年ねん11月には再ふたたびWEDエンタープライズ（現在げんざいのウォルト・ディズニー・イマジニアリング）に変更へんこうされ、彼かれは計画けいかくに携たずさわるデザイナーたちを雇やとい、これに携たずさわった人々ひとびとは「イマジニア」と呼よばれるようになった。ウォルトと彼かれの友人ゆうじんたちは、アメリカやヨーロッパのテーマパークを視察しさつし、パーク建設けんせつのアイデアを得えた。スタジオの近ちかくのバーバンクにパークを建設けんせつする計画けいかくは、8エーカー（3.2ヘクタール）では土地とちが足たりないと気きづいたときにすぐに変更へんこうされた。ウォルトはロサンゼルスの南東なんとう、オレンジ郡ぐんに隣接りんせつするアナハイムに160エーカー（65ヘクタール）のオレンジ畑はたけを1エーカーあたり6,200ドルで取得しゅとくし、パークを建設けんせつした。ウォルトは、1955年ねんまでに完成かんせいさせ、ストーリー性せいのあるアトラクションやエリアを備そなえ、衛生えいせい面めんでも万全ばんぜんにすることを望のぞんでいた。開園かいえんまでに1,700万まんドルの建設けんせつ費ひがかかった。

1953年ねん2月がつ、ディズニーの次つぎのアニメーション映画えいが『ピーター・パン』は興行こうぎょう成績せいせきは上々じょうじょうだったが、ウォルトはコストを上あげずにアニメーションの水準すいじゅんを向上こうじょうさせたいと考かんがえていた。ディズニーが『自然しぜんと冒険ぼうけんの記録きろく映画えいが』のために、長編ちょうへん『砂漠さばくは生いきている』と短編たんぺんで2本立ほんだてで公開こうかいしようとしたとき、RKOの弁護士べんごしは、この映画えいがを上映じょうえいすれば1948年ねんの独占どくせん禁止きんし法ほうに関かんする最高さいこう裁判所さいばんしょの判決はんけつを破やぶることになると考かんがえた。ロイはRKOがなくても会社かいしゃは発展はってんすると考かんがえ、ディズニーはスタジオがあった通とおりにちなんで独自どくじの配給はいきゅう会社かいしゃブエナ・ビスタ・ディストリビューションという配給はいきゅう会社かいしゃを設立せつりつした。1954年ねん、『海底かいてい二に万まん哩まいる』が公開こうかいされた。これはディズニー初はつのシネマスコープの実写じっしゃ映画えいがである。1950年代ねんだい前半ぜんはんから半なかばにかけて、ウォルトはアニメーション部門ぶもんにあまり目めを向むけなくなり、主要しゅようなアニメーターであるナイン・オールド・メンにほとんどの現場げんばを任まかせるようになった。その代かわり、彼かれはテレビ、ディズニーランド、その他たの会社かいしゃの事業じぎょうに集中しゅうちゅうするようになった。

(左ひだりから）1,000万まん人にん以上いじょうの子供こどもたちが毎日まいにち見みることになった『ミッキーマウス・クラブ』の出演しゅつえん者しゃと、クロケット・キャップが1,000万まん個こ、テーマソングのレコードが1,000万まん枚まい以上いじょう売うれた同名どうめいの番組ばんぐみでデイビー・クロケット役やくを演えんじたフェス・パーカー。

ディズニーランドの建設けんせつ資金しきんを調達ちょうたつするため、ウォルトはカリフォルニア州しゅうパームスプリングスのスモークツリー牧場ぼくじょうにあった自宅じたくを売却ばいきゃくし、会社かいしゃはテレビシリーズでディズニーランドを宣伝せんでんした。NBCやCBSとの契約けいやく交渉こうしょうが不調ふちょうに終おわった後のち、1954年ねん、ABC（American Broadcasting Company）はディズニーと契約けいやくを結むすび、10月から毎週まいしゅう1時じ間あいだのシリーズ「ディズニーランド」を放送ほうそうすることになった。ディズニーランドは、アニメ、実写じっしゃ、その他たスタジオのライブラリーから構成こうせいされたアンソロジーシリーズで、テーマパークの4つのエリアを描えがいたものだった 。このシリーズは高こう視聴しちょう率りつを収おさめ、同どう時間じかん帯たいの 視聴しちょう率りつ50％以上いじょうを獲得かくとくし、視聴しちょう者しゃの増加ぞうかと批評ひひょう家かからの賞賛しょうさんを得えた。8月、ウォルトはテーマパークの資金しきん調達ちょうたつのためにディズニーランド・インクを設立せつりつし、ウォルト・ディズニー・プロダクション、ウォルト、20年ねん以上いじょうにわたってディズニーの本ほんを出版しゅっぱんしてきたウェスタン・パブリッシング、ABCの3社しゃがこの会社かいしゃの株式かぶしきを保有ほゆうすることになった。

10月、ディズニーランドのヒットにより、ABCはディズニーに子供こども向むけバラエティ番組ばんぐみ『ミッキーマウス・クラブ』の制作せいさくを依頼いらいした。番組ばんぐみには、毎日まいにちのディズニー・アニメ、子供こども向むけニュース番組ばんぐみ、タレント・ショーが含ふくまれていた。この番組ばんぐみは、司会しかい者しゃと、それぞれ「マウスケティアーズ」呼よばれる才能さいのうある子供こどもたち、「Mooseketeers」呼よばれる大人おとなたちによって進行しんこうされた。シーズン1以降いこうは、毎日まいにち1,000万まん人にん以上いじょうの子供こどもと500万まん人にん以上いじょうの大人おとながこの番組ばんぐみを視聴しちょうし、出演しゅつえん者しゃがつけたミッキーマウスの耳みみは200万まん個こ売うれた。1954年ねん12月15日にち、ディズニーランドは、フェス・パーカーがタイトルキャラクターを演えんじる全ぜん５話わのミニドラマシリーズ『デイビー・クロケット (連続れんぞくドラマ)』のエピソードを放映ほうえいした。脚本きゃくほん家かのニール・ガブラーによると、「この番組ばんぐみは全米ぜんべい中ちゅうで爆発ばくはつ的てきな人気にんきとなり、クロケット帽ぼうが1,000万まん個こも売うれた」と語かたっている。番組ばんぐみのテーマ曲きょく「デイビー・クロケットの唄うた」はアメリカのポップカルチャーの一部いちぶとなり、1000万まん枚まいのレコードを売うり上あげた。ロサンゼルス・タイムズはこれを「世界せかいがかつて見みたことのない最大さいだいの商品しょうひん化かブーム」と呼よんだ。1955年ねん6月がつ、ディズニー15作さく目めのアニメーション映画えいが『わんわん物語ものがたり』が公開こうかいされ、『白雪姫しらゆきひめ』以来いらいの興行こうぎょう成績せいせきを記録きろくした。

ディズニーランドは1955年ねん7月がつ17日にち日曜日にちようびにオープンした。メインストリートといくつかの "ランド "の乗のり物ものだけが完成かんせいしており、全部ぜんぶで20のアトラクションがあった。入園にゅうえん料りょうは1ドルで、乗のり物ものも個別こべつに料金りょうきんを支払しはらわなければならなかった。1万まん1,000人にんの入場にゅうじょう者しゃを想定そうていしていたが、偽造ぎぞうチケットの販売はんばいにより約やく2万まん8,000人にんが来場らいじょうした。オープニングの模様もようはABCで生なま中継ちゅうけいされ、ウォルトの友人ゆうじんだった俳優はいゆうのアート・リンクレター、ボブ・カミングス、ロナルド・レーガンが司会しかいを務つとめた。視聴しちょう者しゃ数すうは9000万まん人にんを超こえ、これまでの生放送なまほうそうで最もっとも視聴しちょうされた番組ばんぐみとなった。初日しょにちから大だい惨事さんじとなり、従業じゅうぎょう員いんからは "ブラック・サンデー "と呼よばれた。レストランでは食たべ物ものがなくなり、マーク・トウェイン・リバーボートは沈しずみ始はじめ、いくつかの乗のり物ものは故障こしょうし、38℃の暑あつさの中なかで飲のみ物ものの噴水ふんすいは機能きのうしなかった。開園かいえんして最初さいしょの1週間しゅうかんで、ディズニーランドには161,657人にんが訪おとずれ、最初さいしょの1ヶ月かげつには毎日まいにち20,000人にん以上いじょうの来らい園えん者しゃがあった。1年ねん目めには360万まん人にん、2年ねん目めには400万まん人にんが訪おとずれ、グランド・キャニオンやイエローストーン国立こくりつ公園こうえんを上回うわまわる人気にんきとなった。その年としの総そう収入しゅうにゅうは、前年ぜんねんの1,100万まんドルに対たいし、2,450万まんドルだった。

1959年ねんには同社どうしゃは海外かいがいへのテーマパーク進出しんしゅつのため日本にっぽんの手賀沼てがぬまに手賀沼てがぬまディズニーランドを構想こうそうした。

シャーマン兄弟きょうだいは、1960年代ねんだいを通つうじてディズニーの楽曲がっきょくの多おおくを作曲さっきょくした。2002年ねんに撮影さつえいされた写真しゃしんである。

ウォルトは映画えいがよりもテーマパークに力ちからを入いれていたが、1950年代ねんだいから1960年代ねんだいにかけて、年間ねんかん平均へいきん5本ほんの映画えいがを製作せいさくした。長編ちょうへんアニメーション映画えいがには、『眠ねむれる森もりの美女びじょ』（1959年ねん）、『101匹ひきわんちゃん』（1961年ねん）、『王様おうさまの剣けん』（1963年ねん）などがあった。『眠ねむれる森もりの美女びじょ』は会社かいしゃにとって赤字あかじであり、600万まんドルというそれまでの映画えいがの中なかで最もっとも高たかい製作せいさく費ひがかかった。『101匹ひきわんちゃん』は、ゼログラフィープロセスを使つかって作画さくがをアニメーション用ようセルに転写てんしゃするアニメーション技術ぎじゅつを導入どうにゅうした。1956年ねん、ロバートとリチャードのシャーマン兄弟きょうだいは、テレビシリーズ『怪傑かいけつゾロ』のテーマ曲きょく制作せいさくを依頼いらいされた。その後ご、同社どうしゃは二人ふたりを専属せんぞくの作曲さっきょく家かとして雇やとい、この契約けいやくは10年間ねんかん続つづいた。彼かれらはディズニーの映画えいがやテーマパークのために多おおくの曲きょくを書かき、そのうちのいくつかはヒットした。1950年代ねんだい後半こうはん、ディズニーは実写じっしゃ映画えいが『ボクはむく犬いぬ』（1959年ねん）でコメディの分野ぶんやに進出しんしゅつし、この映画えいがはディズニーにとってアメリカとカナダで最高さいこうの興行こうぎょう収入しゅうにゅうとなり、900万まんドルを超こえ、フレッド・マクマレイ出演しゅつえんの「フラバー うっかり博士はかせの大だい発明はつめい」（1961年ねん）では、ディズニーにとって最高さいこうの興行こうぎょう収入しゅうにゅうとなった。

(左ひだりから）ヘイリー・ミルズとカート・ラッセルは、1960年代ねんだいのディズニーを代表だいひょうする子役こやくだった。

ディズニーはまた、『ポリアンナ』（1960年ねん）や『スイスファミリーロビンソン』（1960年ねん）など、児童じどう書しょを原作げんさくとした実写じっしゃ映画えいがもいくつか制作せいさくしている。子役こやくのヘイリー・ミルズは『ポリアンナ』に主演しゅえんし、アカデミー子役こやく賞しょう を受賞じゅしょうした。ミルズが出演しゅつえんしたディズニー映画えいがは他ほかにも5本ほんあり、その中なかには『罠わなにかかったパパとママ』（1961年ねん）の双そう子役こやくも含ふくまれる。 もう一人ひとりの子役こやくケヴィン・コーコランは、ディズニーの多おおくの実写じっしゃ映画えいがで活躍かつやくし、最初さいしょは『ミッキーマウス・クラブ』のシリーズに出演しゅつえんし、そこでムーチーという少年しょうねんを演えんじた。 彼かれは『ポリアンナ』でミルズと共演きょうえんし、『黄色きいろい老ろう犬いぬ』（1957年ねん）、『サーカス小僧こぞう』（1960年ねん）、『スイスファミリーロビンソン』などの長編ちょうへん映画えいがに出演しゅつえんした。1964年ねんには、実写じっしゃとアニメーションのミュージカル映画えいが『メリー・ポピンズ』が公開こうかいされ、その年としの公開こうかいされた映画えいがの中なかで興行こうぎょう収入しゅうにゅう第だい1位いとなった。アカデミー賞しょうでは、ポピンズ役やくのジュリー・アンドリュースが主演しゅえん女優じょゆう賞しょう、シャーマン兄弟きょうだいが歌曲かきょく賞しょうを受賞じゅしょうし、「チム・チム・チェリー」で作曲さっきょく賞しょうも受賞じゅしょうした。

(左ひだりから）「1960年代ねんだいのウォルト・ディズニー・プロダクションを最もっとも代表だいひょうする人物じんぶつ」と言いわれたディーン・ジョーンズと、1960年代ねんだいのディズニー・コメディに主演しゅえんしたフレッド・マクマレイ

1960年代ねんだいを通つうじて、『ガーディアン』紙しが「1960年代ねんだいのウォルト・ディズニー・プロダクションを最もっとも代表だいひょうする人物じんぶつ」と呼よんだディーン・ジョーンズは、『シャム猫ねこFBI/ニャンタッチャブル』（1965年ねん）、『猛犬もうけんご注意ちゅうい』（1966年ねん）、『ラブ・バッグ』（1968年ねん）など、10本ほんのディズニー映画えいがに主演しゅえんした。ディズニーの1960年代ねんだいにおける最後さいごの子役こやくは、同社どうしゃと10年ねん契約けいやくを結むすんだカート・ラッセルだった。彼かれは『テニス靴くつをはいたコンピューター』（1969年ねん）、ディーン・ジョーンズと共演きょうえんした『赤あかいリボンに乾杯かんぱい!』（1968年ねん）、『ハダシの重役じゅうやく』（1971年ねん）、『世界せかい最強さいきょうの男おとこ(映画えいが)』（1975年ねん）などの映画えいがに出演しゅつえんした。

ウォルト、フロリダ州しゅう知事ちじのW・ヘイドン・バーンズとロイがディズニー・ワールドの計画けいかくを発表はっぴょう

1959年ねん末まつ、ウォルトはフロリダ州しゅうパームビーチに、テクノロジーの進歩しんぽにあふれた「シティ・オブ・トゥモロー」と呼よばれる別べつのテーマパークを建設けんせつすることを思おもいついた。1964年ねん、会社かいしゃはパークを建設けんせつするためにフロリダ州しゅうオーランドの南西なんせいの土地とちを選えらび、すぐに27,000エーカー（10,927ヘクタール）の土地とちを取得しゅとくした。1965年ねん11月15日にち、ウォルトはロイとフロリダ州しゅう知事ちじのヘイドン・バーンズとともに、マジック・キングダム（ディズニーランドをさらに拡張かくちょうしたもの）とシティ・オブ・トゥモロー（パークの中心ちゅうしんに位置いちする都市とし）を含ふくむ、ディズニー・ワールドと呼よばれるテーマパークの計画けいかくを発表はっぴょうした。1967年ねんまでに、ディズニーランドは何なん度どか拡張かくちょうされ、1966年ねんと1967年ねんには2,000万まんドルをかけてアトラクションが追加ついかされた。新あたらしいアトラクションには、オーディオアニマトロニクスを使用しようした最初さいしょのアトラクションであるウォルト・ディズニーの魅惑みわくのチキルーム、1964年ねんのニューヨーク万国博覧会ばんこくはくらんかいでデビューし、1967年ねんにディズニーランドに移転いてんしたウォルト・ディズニーのカルーセル・オブ・プログレス、開園かいえん1ヵ月かげつ後ごにオープンした空そら飛とぶダンボなどがあった。

1964年ねん11月がつ20日はつか、ウォルトはWEDエンタープライズの大だい部分ぶぶんを375万まんドルでウォルト・ディズニー・プロダクションに売却ばいきゃくした。ウォルトが自分じぶんの会社かいしゃを持もつことは訴訟そしょう問題もんだいを引ひき起おこすと考かんがえたロイに説得せっとくされたためである。ウォルトは、ディズニーランド鉄道てつどうとディズニーランド・モノレールを中心ちゅうしんとした人材じんざいビジネスを扱あつかうために、レトローという新しん会社かいしゃを設立せつりつした。同社どうしゃがプロジェクトのスポンサーを探さがし始はじめると、ウォルトは「シティー・オブ・トゥモロー・エクスペリメンタル・プロトタイプ・コミュニティー・オブ・トゥモロー（EPCOT）」と改名かいめいした。 テーマパークのデザインと建築けんちくのグループは、ディズニー・スタジオの運営うんえいに欠かかせない存在そんざいとなり、1965年ねん2月がつ5日にちにスタジオがWEDエンタープライズの名前なまえとともに買収ばいしゅうした 。第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん以来いらい愛煙あいえん家かだったウォルトは健康けんこう状態じょうたいが悪化あっかし、1966年ねん11月2日にち、検査けんさのためにセント・ジョセフ病院びょういんを訪おとずれた。医師いしは彼かれの左ひだり肺はいにクルミほどのサイズのシミを発見はっけんし、数日すうじつ後ご、その肺はいががんであることを突つき止とめ、摘出てきしゅつした。ウォルトは2週間しゅうかん後ごに退院たいいん。1966年ねん12月15日にち、肺はいがんによる循環じゅんかん虚脱きょだつのため65歳さいで死去しきょした。

1967年ねん - 1984年ねん ロイ・O・ディズニーのリーダーシップと死し、ウォルト・ディズニー・ワールド、アニメーション部門ぶもんの低迷ていめい、タッチストーン・ピクチャーズ

1967年ねん、ウォルトが手掛てがけた最後さいごの2作品さくひんが公開こうかいされ、アニメーション映画えいが『ジャングル・ブック』と実写じっしゃミュージカル映画えいが『最高さいこうにしあわせ』は、ディズニーがこの年とし以降いこう20年間ねんかんで最もっともヒットさせた作品さくひんとなった。ウォルトの死後しご、ディズニーはアニメーション事業じぎょうをほとんど中断ちゅうだんしたが、いくつかの実写じっしゃ映画えいがを製作せいさくした。アニメーションスタッフは500人にんから125人にんに減少げんしょうし、1970年ねんから1977年ねんまで21人にんしか採用さいようしなかった。

ディズニーのウォルト亡なき後あと初はつのアニメーション映画えいが『おしゃれキャット』は1970年ねんに公開こうかいされ、『シカゴ・トリビューン』のデイブ・ケアーによれば、「彼かれ（ウォルト）の手てが加くわわっていないことは明あきらか」である。翌年よくねんには、反はんファシズムのミュージカル映画えいが『ベッドかざりとほうき』が公開こうかいされ、アカデミー賞しょう視覚しかく効果こうか賞しょうを受賞じゅしょうした。ウォルトが亡なくなったとき、ロイは引退いんたいの準備じゅんびはできていたが、ウォルトの遺産いさんを生いかしたいと考かんがえ、初代しょだいCEO兼けん会長かいちょうに就任しゅうにんした。1967年ねん5月がつ、ロイはフロリダ州しゅう議会ぎかいで法案ほうあんを可決かけつさせ、ディズニー・ワールドにリーディ・クリーク・インプルーブメント・ディストリクト（Reed Creek Improvement District）と呼よばれる地域ちいきに独自どくじの準じゅん政府せいふ機関きかんを設立せつりつさせた。ロイはまた、ディズニー・ワールドの名称めいしょうをウォルト・ディズニー・ワールドに変更へんこうし、人々ひとびとにウォルトの夢ゆめであったことを思おもい出ださせた。時じが経たつにつれ、EPCOTは「シティ・オブ・トゥモロー」ではなく、別べつのテーマパークとして発展はってんしていった。

ウォルト・ディズニー・ワールドの最初さいしょのテーマパークであるマジック・キングダムとディズニー・コンテンポラリー・リゾート、ディズニー・ポリネシアン・リゾートは、18ヶ月かげつの建設けんせつ期間きかんと約やく4億おくドルの建設けんせつ費ひを経へて、1971年ねん10月がつ1日にちに10,400人にんの来場らいじょう者しゃを迎むかえてオープンした。1,000人にん以上いじょうのバンドメンバー、4,000人にんのディズニー・エンターテイナー、そしてアメリカ軍ぐんの軍楽隊ぐんがくたいを迎むかえたパレードがメイン・ストリートを行進こうしんした。パークの象徴しょうちょうはシンデレラ城じょうだった。3ヵ月かげつ後ごの感謝かんしゃ祭さいの日ひ、マジック・キングダムに向むかう車くるまは州しゅう間あいだ道路どうろで渋滞じゅうたいを引ひき起おこした。

1971年ねん12月21日にち、ロイは脳出血のうしゅっけつのためセント・ジョセフ病院びょういんで死去しきょした。ロイの死後しご、ディズニーの側近そっきんで元もと社長しゃちょうのドン・テータムが、ディズニー・ファミリー以外いがいで初はじめてCEO兼けん会長かいちょうに就任しゅうにんした。1938年ねんからディズニーに勤つとめていたカード・ウォーカーが社長しゃちょうに就任しゅうにんした。1973年ねん6月がつ30日にちまでに、ディズニーの従業じゅうぎょう員数いんずうは23,000人にんを超こえ、9ヶ月かげつ間あいだの総そう収入しゅうにゅうは257,751,000ドルであった（前年ぜんねんは220,026,000ドル）。11月、ディズニーはアニメーション映画えいが『ロビン・フッド』（1973年ねん）を公開こうかいし、1,800万まんドルというディズニーで最もっとも海外かいがいからの興行こうぎょう収入しゅうにゅうが多おおい映画えいがとなった。1970年代ねんだいを通つうじて、ディズニーは『テニス靴くつをはいたコンピューター』の続編ぞくへん『そら見みえたぞ！ 見みえないぞ！』、『ラブ・バッグ』の続編ぞくへん『続ぞくラブ・バッグ』（1974年ねん）、『ラブ・バッグ/モンテカルロ大だい爆ばく走はし』（1977年ねん）、『星ほしの国くにから来きた仲間なかま』（1975年ねん）、『フリーキー・フライデー』（1976年ねん）などの実写じっしゃ映画えいがを公開こうかいした。1976年ねん、カード・ウォーカーがCEOに就任しゅうにんし、テイタムは1980年ねんまで会長かいちょうに留とまり、ウォーカーが後任こうにんとなった。1977年ねん、ロイ・O・ディズニーの息子むすこであり、同社どうしゃで働はたらく唯一ゆいいつのディズニーであったロイ・E・ディズニーは、会社かいしゃの決定けっていとの不一致ふいっちを理由りゆうに幹部かんぶの職しょくを辞じした。

1977年ねん、ディズニーはアニメーション映画えいが『ビアンカの大だい冒険ぼうけん』を公開こうかいし、興行こうぎょう収入しゅうにゅう4,800万まんドルをあげ、ヒットした。1977年ねんに公開こうかいされた実写じっしゃとアニメーションのミュージカル映画えいが『ピートとドラゴン』は、アメリカとカナダで1,600万まんドルの興行こうぎょう収入しゅうにゅうをあげたが、ディズニーにとっては期待きたい外はずれとみなされた。1979年ねんには、ディズニー初はつのPG指定してい作品さくひんであり、それまでで最もっとも製作せいさく費ひのかかった2600万まんドルの『ブラックホール』が公開こうかいされ、ディズニーが特殊とくしゅ効果こうかを使つかえることを示しめした。興行こうぎょう収入しゅうにゅうは3,500万まんドルで、『スター・ウォーズ』（1977年ねん）のようなヒット作さくになると考かんがえていた同社どうしゃにとっては期待きたい外はずれだった。『ブラックホール』は、同どう時代じだいの他ほかのSF映画えいがに対抗たいこうするものだった。

9月には、部門ぶもんの15パーセントを超こえる12人にんのアニメーターがスタジオを辞職じしょくした。ドン・ブルース率ひきいる彼かれらは、育成いくせいプログラムやスタジオの雰囲気ふんいきとの対立たいりつを理由りゆうに退社たいしゃし、自分じぶんたちの会社かいしゃドン・ブルース・プロダクションを立たち上あげた。1981年ねん、ディズニーは『ダンボ』をビデオで発売はつばいし、翌年よくねんには『ふしぎの国くにのアリス』をビデオで発売はつばいした。7月24日にち、ディズニーがフェルド・エンターテインメントにキャラクターライセンスを獲得かくとくした後のち、ディズニーのチャーターによる2年間ねんかんのアイスショーツアー『ウォルト・ディズニー・ワールド・オン・アイス』がブレンダン・バーン・メドウランズ・アリーナで初演しょえんされた。同月どうげつ、ディズニーのアニメーション映画えいが『きつねと猟犬りょうけん』が公開こうかいされ、3,990万まんドルを売うり上あげ、それまでのアニメーション映画えいがで最高さいこうの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを記録きろくした。この作品さくひんは、ウォルトが関かかわっていないディズニー初はつの作品さくひんであり、若手わかてアニメーターに交代こうたいしたディズニーのナイン・オールド・メンが手てがけた最後さいごの作品さくひんとなった。

(左ひだりから）ディズニーランドの「眠ねむれる森もりの美女びじょの城しろ」、マジック・キングダムの「シンデレラ城じょう」、エプコットの「スペースシップ・アース」が、各かくパークのメインアイコンとして存在そんざいする。

1982年ねん10月がつ1日にち、エプコット（当時とうじはEPCOTセンター）がウォルト・ディズニー・ワールドで2番目ばんめのテーマパークとしてオープンし、開園かいえん時じには約やく1万まん人にんが来場らいじょうした。建設けんせつ費ひは9億おくドルを超こえ、フューチャー・ワールド・パビリオンとメキシコ、中国ちゅうごく、ドイツ、イタリア、アメリカ、日本にっぽん、フランス、イギリス、カナダを代表だいひょうするワールド・ショーケースで構成こうせいされ、1984年ねんにモロッコ、1988年ねんにノルウェーが追加ついかされた.。1982年ねんには、ウォルト・ディズニー・ワールドの入場にゅうじょう者しゃ数すうは1,200万まん人にんだったが、翌年よくねん6月がつには5％減少げんしょうした。1982年ねん7月がつ9日にち、ディズニーはコンピューター・ジェネレーテッド・イメージ（CGI）を駆使くしした最初さいしょの映画えいがのひとつである『トロン』を公開こうかいした。『トロン』は、評価ひょうかが分わかれたものの、他たのCG映画えいがに大おおきな影響えいきょうを与あたえた。1982年ねん、同社どうしゃは合計ごうけいで2700万まんドルの損失そんしつを出だした。

1983年ねん4月がつ15日にち、ディズニー初はつの海外かいがいパーク、東京とうきょうディズニーランドが浦安うらやす市しにオープンした。ディズニーとオリエンタルランドが共同きょうどうでパークを建設けんせつすることに合意ごういし、1979年ねん4月がつ30日にちに建設けんせつが開始かいしされた。最初さいしょの10年間ねんかんで、来らい園えん者しゃは1億おく4千せん万まん人にんを超こえた。1億おくドルを投資とうししたディズニーは、4月がつ18日にち、ディズニー・チャンネルと呼よばれるケーブルテレビの有料ゆうりょうチャンネルを開始かいしし、1日にち16時じ間あいだ、ディズニー映画えいが、12番組ばんぐみ、大人おとな向むけの情報じょうほう番組ばんぐみ2本ほんを放映ほうえいした。好調こうちょうが期待きたいされたが、初年度しょねんどの加入かにゅう者しゃ数すうは約やく91万まん6,000人にんで、4,830万まんドルの赤字あかじとなった。

1983年ねん、ウォルトの娘むすめ婿むこで1978年ねんから社長しゃちょうを務つとめていたロン・W・ミラーがCEOに就任しゅうにんし、レイモンド・ワトソンが会長かいちょうに就任しゅうにんした。ミラーは、スタジオが大人おとな向むけのコンテンツをもっと制作せいさくすることを望のぞみ 、その結果けっか、ディズニーは1984年ねんに大人おとなと若者わかもの向むけの映画えいがを制作せいさくするためのブランド、タッチストーン・ピクチャーズを設立せつりつした。『スプラッシュ』（1984年ねん）は、このブランドで公開こうかいされた最初さいしょの作品さくひんで、上映じょうえい初はつ週しゅうに610万まんドル以上いじょうの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを上あげ、スタジオにとって待まち望のぞんでいたヒット作さくとなった。その後ご、ディズニー初はつのR指定してい映画えいが『ビバリーヒルズ・バム』（1986年ねん）が公開こうかいされ、興行こうぎょう収入しゅうにゅう6,200万まんドルを記録きろくするヒットとなった。翌年よくねん、ディズニー初はつのPG-13指定してい映画えいが『ベビーシッター・アドベンチャー』が公開こうかいされた。1984年ねん、ソール・スタインバーグ (ビジネスマン)が株式かぶしきの11.1％を保有ほゆうするディズニーを買収ばいしゅうしようとした。彼かれは会社かいしゃの49％を13億おくドルで、あるいは会社かいしゃ全体ぜんたいを27億おく5,000万まんドルで 買収ばいしゅうすることを提案ていあんした。1,000万まんドルに満みたないディズニーはスタインバーグの申もうし出でを拒否きょひし、3億おく2,550万まんドルで全ぜん株式かぶしきを買かい取とると申もうし出でた。スタインバーグはこれに同意どういし、ディズニーは13億おくドルのローンを組くんでその全額ぜんがくを支払しはらい、同社どうしゃは8億おく6600万まんドルの負債ふさいを抱かかえることになった。

1984年ねん - 2005年ねん マイケル・アイズナーのリーダーシップ、ディズニー・ルネサンス、合併がっぺい、買収ばいしゅう

ロン・ミラーに代かわってマイケル・アイズナーがCEOに就任しゅうにんした。

1984年ねん、同社どうしゃの株主かぶぬしであるロイ・E・ディズニー、シド・バス、リリアン・ディズニー、ダイアン・ディズニー、アーウィン・L・ジェイコブスの4人にんは、合あわせて約やく35.5％の株式かぶしきを所有しょゆうしていたが、CEOのミラーを追おい出だし、パラマウント・ピクチャーズの元もと社長しゃちょうであるマイケル・アイズナーに交代こうたいさせ、さらにフランク・ウェルズを社長しゃちょうに任命にんめいした。アイズナーがディズニーで最初さいしょに行いったことは、当時とうじはまだ考かんがえられていなかった大手おおて映画えいがスタジオにすることだった。アイズナーはジェフリー・カッツェンバーグを会長かいちょうに、ロイ・E・ディズニーをアニメーション部門ぶもんの責任せきにん者しゃに任命にんめいした。アイズナーは、これまでの4年ねんごとではなく、1年ねん半はんごとにアニメーション映画えいがを製作せいさくすることを望のぞんだ。映画えいが製作せいさく部門ぶもんを支援しえんするため、ディズニーはグッズ用ようの新あたらしいディズニー・キャラクターを生うみ出だすために土曜どようの朝あさのアニメーション製作せいさくを開始かいしし、タッチストーンを通つうじて数すう本ほんの映画えいがを製作せいさくした。アイズナーの下した、ディズニーはテレビとの関かかわりを強つよめ、タッチストーン・テレビジョンを設立せつりつし、テレビ・シチュエーション・コメディ『ゴールデン・ガールズ』を制作せいさくしてヒットさせた。また、テーマパークの宣伝せんでんに1,500万まんドルを費ついやし、来場らいじょう者しゃ数すうを10％増加ぞうかさせた。1984年ねん、ディズニーは『コルドロン』を製作せいさくした。この作品さくひんは当時とうじ最もっとも高額こうがくな4,000万まんドルのアニメーション映画えいがであり、CGを使つかった初はつのアニメーション映画えいがであり、大人おとな向むけのテーマを扱あつかった初はつのPG指定していアニメーション映画えいがでもあった。この映画えいがは公開こうかいされたがヒットせず、同社どうしゃはアニメーション部門ぶもんをバーバンクのスタジオからカリフォルニア州しゅうグレンデールの倉庫そうこに移うつすことになった。1985年ねんに映画えいがの資金しきん調達ちょうたつのために組織そしきされたシルバー・スクリーン・パートナーズIIは、ディズニーのために1億おく9300万まんドルを融資ゆうしした。1987年ねん1月がつ、シルバー・スクリーン・パートナーズIIIは、E.F.ハットンによって調達ちょうたつされた3億おくドルで、ディズニーのために映画えいがへの融資ゆうしを開始かいしした。シルバー・スクリーンIVもまた、ディズニーのスタジオに融資ゆうしするために設立せつりつされた。

1986年ねん、ディズニーは社名しゃめいをウォルト・ディズニー・プロダクション（Walt Disney Productions）からウォルト・ディズニー・カンパニーに改名かいめいした。ディズニーのアニメーション部門ぶもんが低迷ていめいする中なか、アニメーション部門ぶもんは次回じかい作さく『オリビアちゃんの大だい冒険ぼうけん』をヒットさせる必要ひつようがあった。この映画えいがは興行こうぎょう収入しゅうにゅう2,500万まんドルを記録きろくし、会社かいしゃにとって待望たいぼうの収入しゅうにゅう源げんとなった。グッズ販売はんばいでより多おおくの収入しゅうにゅうを得えるため、同社どうしゃは1987年ねんにグレンデールに初はつの店舗てんぽディズニーストアをオープンした。その成功せいこうにより、同社どうしゃはカリフォルニアにさらに2店舗てんぽをオープンし、1990年ねんまでに全米ぜんべいに215店舗てんぽを展開てんかいするまでになった 。1989年ねんには4億おく1,100万まんドルの収益しゅうえきを上あげ、1億おく8,700万まんドルの利益りえきを上あげた。1987年ねん、同社どうしゃはフランス政府せいふとユーロ・ディズニーランドという名なのリゾートをパリに建設けんせつする契約けいやくを結むすび、ディズニーランド・パークとウォルト・ディズニー・スタジオ・パークという2つのテーマパーク、ゴルフコース、6つのホテルで構成こうせいされることになった。

ハリウッド・スタジオの象徴しょうちょうでもあるチャイニーズ・シアター

1988年ねん、ディズニーの27作さく目めのアニメーション映画えいが『オリバー ニューヨーク子猫こねこものがたり』は、元もとディズニーのアニメーター、ドン・ブルースの『リトルフットの大だい冒険ぼうけん/謎なぞの恐竜きょうりゅう大陸たいりく』と同日どうじつに公開こうかいされた。『オリバー ニューヨーク子猫こねこものがたり』は『リトルフットの大だい冒険ぼうけん/謎なぞの恐竜きょうりゅう大陸たいりく』を超こえ、公開こうかい初日しょにちに1億おくドルを超こえる興行こうぎょう収入しゅうにゅうをあげた初はつのアニメーション映画えいがとなり、初動しょどう興行こうぎょう収入しゅうにゅうではアニメーション映画えいがとして最高さいこう記録きろくを樹立じゅりつした。ディズニーは、『ロジャー・ラビット』（1988年ねん）、『スリーメン&ベビー』（1987年ねん）、『グッドモーニング, ベトナム』（1987年ねん）などの作品さくひんで、興行こうぎょう収入しゅうにゅうで初はじめてハリウッドを代表だいひょうするスタジオとなった。同社どうしゃの総そう収入しゅうにゅうは1983年ねんの1億おく6,500万まんドルから1987年ねんには8億おく7,600万まんドルに、営業えいぎょう利益りえきは1983年ねんのマイナス3,300万まんドルから1987年ねんにはプラス1億おく3,000万まんドルになった。同どうスタジオの純じゅん利益りえきは、収益しゅうえきの26％増ぞうとともに66％増加ぞうかした。情報じょうほう誌し「ロサンゼルス・タイムズ」は、ディズニーの回復かいふくを「企業きぎょうの世界せかいでは本当ほんとうに珍めずらしいこと」と呼よんだ.。1989年ねん5月がつ1日にち、ディズニーはウォルト・ディズニー・ワールドで3つ目めとなるテーマパーク、ディズニーMGMスタジオをオープンし、後のちにハリウッド・スタジオとなった。このテーマパークでは、2008年ねんまで映画えいが製作せいさくの過程かていを見学けんがくできるようになっていたが、その後ご、自分じぶんが映画えいがの中なかにいるような体験たいけんができるように変更へんこうされた。ディズニーMGMスタジオのオープンに続つづき、ディズニーは1989年ねん6月がつ1日にちにウォーターパーク、タイフーン・ラグーンをオープンした。また1989年ねん、ディズニーはジム・ヘンソンカンパニーを創業そうぎょう者しゃのジム・ヘンソンから買収ばいしゅうする基本きほん合意ごうい書しょに調印ちょういんした。この契約けいやくには、ヘンソンの番組ばんぐみライブラリーとマペットのキャラクター（『セサミストリート』のために制作せいさくされたマペットを除のぞく）、そしてヘンソン自身じしんのクリエイティブサービスが含ふくまれていた。しかし、ヘンソンは取引とりひき完了かんりょう前まえの1990年ねん5月がつに急死きゅうししたため、12月に両社りょうしゃの合併がっぺい交渉こうしょうは打うち切きられた。

1989年ねん11月17日にち、ディズニーは『リトル・マーメイド』を公開こうかいした。この作品さくひんは、ディズニー・ルネサンス（同社どうしゃが大だいヒットし、高たかい評価ひょうかを得えたアニメーション映画えいがを公開こうかいした時期じき）の始はじまりと考かんがえられている。また、アカデミー賞しょうでは作曲さっきょく賞しょうと「アンダー・ザ・シー」のオリジナル歌曲かきょく賞しょうの2部門ぶもんを受賞じゅしょうした。ディズニー・ルネサンスでは、作曲さっきょく家かのアラン・メンケンと作詞さくし家かのハワード・アッシュマンが、アッシュマンが1991年ねんに亡なくなるまで、いくつかのディズニー・ソングを書かいた。彼かれらは共ともに6曲きょくを書かき、アカデミー賞しょうにノミネートされ、2曲きょく（『アンダー・ザ・シー』と『美女びじょと野獣やじゅう』）が受賞じゅしょうした。映画えいがのサウンドトラックを含ふくむメジャー向むけの音楽おんがくを制作せいさくするため、ディズニーは1990年ねん1月がつ1日にちにレコーディング・ブランド、ハリウッド・レコードを設立せつりつした。1990年ねん9月がつ、ディズニーはディズニーのために製作せいさくされたインタースコープ映画えいがのために、野村證券のむらしょうけんの投資とうし部門ぶもんから最高さいこう2億おくドルの融資ゆうしを手配てはいした。10月23日にち、ディズニーはタッチウッド・パシフィック・パートナーズを設立せつりつし、シルバー・スクリーン・パートナーシップ・シリーズに代かわって、同社どうしゃの映画えいがスタジオの主要しゅような資金しきん源げんとなった。ディズニー初はつの続編ぞくへんアニメーション映画えいが『ビアンカの大だい冒険ぼうけん ゴールデン・イーグルを救すくえ!』は1990年ねん11月16日にちに公開こうかいされ、ディズニーとピクサー（ルーカスフィルムのコンピューター部門ぶもん）が開発かいはつしたデジタル・ソフトウェア、コンピューター・アニメーション・プロダクション・システム (CAPS)を駆使くしして制作せいさくされた。興行こうぎょう収入しゅうにゅうは4,740万まんドルと苦戦くせんしたものの、批評ひひょう家かからは高こう評価ひょうかを得えた。1991年ねん、ディズニーとピクサーは3本ほんの映画えいがを共同きょうどうで製作せいさくする契約けいやくに合意ごういし、その第だい1作さくが『トイ・ストーリー』だった。

ダウ・ジョーンズは、1991年ねん5月がつにディズニーを選えらび、「経済けいざいにおけるエンターテインメントとレジャー産業さんぎょうの重要じゅうよう性せいを反映はんえいしている」と述のべた。ディズニーの次つぎのアニメーション映画えいが『美女びじょと野獣やじゅう』は1991年ねん11月13日にちに公開こうかいされ、約やく4億おく3千せん万まんドルの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを記録きろくした。ゴールデングローブ賞しょうで作品さくひん賞しょうを受賞じゅしょうした最初さいしょのアニメーション映画えいがであり、アカデミー賞しょうでは6部門ぶもんにノミネートされ、アニメーション映画えいがとして初はじめてアカデミー作品さくひん賞しょうにノミネートされた。この作品さくひんは批評ひひょう家かからも高たかく評価ひょうかされ、ディズニー映画えいがの最高さいこう傑作けっさくと評価ひょうかする批評ひひょう家かもいる。1992年ねんの『飛とべないアヒル』の公開こうかいに合あわせて、ディズニーはナショナル・ホッケー・リーグのチーム、アナハイムのマイティ・ダックスを設立せつりつした。1992年ねん11月11日にちに公開こうかいされたディズニーの長編ちょうへんアニメーション『アラジン』は、5億おく400万まんドルの興行こうぎょう収入しゅうにゅうをあげ、それまでのアニメーション映画えいがで最高さいこうの興行こうぎょう収入しゅうにゅうとなり、アニメーション映画えいがとして初はじめて5億おくドルの興行こうぎょう収入しゅうにゅうをあげた。アカデミー賞しょうでは「ホール・ニュー・ワールド」の歌曲かきょく賞しょうと作曲さっきょく賞しょうの2部門ぶもんを受賞じゅしょうし、「ホール・ニュー・ワールド」はグラミー賞しょうでソング・オブ・ザ・イヤーを受賞じゅしょうした唯一ゆいいつのディズニーソングとなった.。1993年ねん、ディズニーは6,000万まんドルで独立どくりつ系けい映画えいが配給はいきゅう会社かいしゃのミラマックス・フィルムズを買収ばいしゅうし、大人おとな向むけ映画えいがのラインナップを拡大かくだいした。同年どうねん、ディズニーはネイチャー・コンサーバンシーとの共同きょうどう事業じぎょうで、在来ざいらいの動物どうぶつや植物しょくぶつを保護ほごするため、フロリダのエバーグレーズ源げん流域りゅういき8,500エーカー（3,439ヘクタール）を購入こうにゅうし、ディズニー・ウィルダネス保護ほご区くを設立せつりつした。

ジェフリー・カッツェンバーグは1984年ねんから1995年ねんまでウォルト・ディズニー・スタジオの会長かいちょうを務つとめた。

1994年ねん4月がつ3日にち、フランク・ウェルズがヘリコプター事故じこで死去しきょした。彼かれ、アイズナー、カッツェンバーグの3人にんは、1984年ねんの就任しゅうにん以来いらい、会社かいしゃの時価じか総額そうがくを20億おくドルから220億おくドルに押おし上あげることに貢献こうけんした。同年どうねん6月がつ15日にちに公開こうかいされた『ライオン・キング』は大だいヒットし、『ジュラシック・パーク』に次ついで歴代れきだい2位い、アニメーション映画えいがとしては歴代れきだい1位いとなる9億おく6,850万まんドルの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを記録きろくした。批評ひひょう家かからも高たかく評価ひょうかされ、アカデミー賞しょうでは作曲さっきょく賞しょうと歌曲かきょく賞しょうの2部門ぶもんを受賞じゅしょうした。公開こうかい直後ちょくご、カッツェンバーグはアイズナーから社長しゃちょうへの昇進しょうしんを拒否きょひされ、会社かいしゃを去さった。退社たいしゃ後ご、映画えいがスタジオのドリームワークスSKGを共同きょうどう設立せつりつした。 ウェルズの後任こうにんは、1995年ねん8月がつ13日にちにアイズナーの友人ゆうじんのマイケル・オヴィッツに交代こうたいした。1994年ねん、ディズニーはアメリカの主要しゅようテレビネットワークであるABC、NBC、CBSのいずれかを買収ばいしゅうしたいと考かんがえていた。アイズナーはNBCの買収ばいしゅうを計画けいかくしたが、ゼネラル・エレクトリック（GE）が株式かぶしきの過半数かはんすうを保持ほじすることを望のぞんだため、この取引とりひきは中止ちゅうしされた。1994年ねん、ディズニーの年間ねんかん売上うりあげは101億おくドルに達たっし、その48％が映画えいが産業さんぎょう、34％がテーマパーク、18％がマーチャンダイジングによるものだった。ディズニーの純じゅん利益りえきは前年ぜんねん比ひ25％増ぞうの11億おくドルだった。6月16日にちに公開こうかいされた『ポカホンタス』は3億おく4,600万まんドル以上いじょうの興行こうぎょう収入しゅうにゅうをあげ、アカデミー賞しょうのミュージカル・コメディ部門ぶもん作曲さっきょく賞しょうと『カラー・オブ・ザ・ウィンド』の歌曲かきょく賞しょうを受賞じゅしょうした。ピクサーとディズニーが初はじめて共同きょうどう製作せいさくした世界せかい初はつの全編ぜんぺんフルCGアニメーション映画えいが『トイ・ストーリー』は、1995年ねん11月19日にちに公開こうかいされ、批評ひひょう家かから絶賛ぜっさんを浴あび、最終さいしゅう興きょう収おさむは3億おく6,100万まんドルに達たっした。この作品さくひんはアカデミー特別とくべつ賞しょうを受賞じゅしょうし、アニメーション映画えいがとして初はじめて脚本きゃくほん賞しょうにノミネートされた。

1995年ねん、ディズニーはテレビネットワークキャピタル・シティーズ/ABCインクを190億おくドルでの買収ばいしゅうを発表はっぴょうした。これは当時とうじ、アメリカ史上しじょう2番目ばんめに大おおきな企業きぎょう買収ばいしゅうであった。この買収ばいしゅうにより、ディズニーは放送ほうそうネットワークABC、スポーツネットワークESPNとESPN 2の株式かぶしきの80％、ライフタイム・テレビジョンの株式かぶしきの50％、DICエンターテイメントの株式かぶしきの過半数かはんすう、A&Eテレビジョン・ネットワークスの株式かぶしきの37.5％を取得しゅとくした。この取引とりひき後ご、同社どうしゃは1996年ねん11月18日にちにABCラジオ・ネットワークで若者わかもの向むけのラジオ番組ばんぐみ「ラジオ・ディズニー」を開始かいしした。ウォルト・ディズニー・カンパニーは、1996年ねん2月がつ22日にちに主おもにテーマパークとグッズのプロモーションを目的もくてきとした公式こうしきウェブサイトdisney.comを開設かいせつした。同年どうねん6月がつ19日にち、同社どうしゃの次つぎのアニメーション映画えいが『ノートルダムの鐘かね』が公開こうかいされ、興行こうぎょう収入しゅうにゅう3億おく2500万まんドルを記録きろくした。オヴィッツの経営けいえいスタイルはアイズナーとは異ことなっていたため、オヴィッツは1996年ねんに社長しゃちょうを解雇かいこされた。ディズニーは1997年ねん9月がつ、30分ふんアニメ番組ばんぐみ『マルスピラミ』13話わ分ぶんを契約けいやく通どおりに制作せいさくできなかったことをめぐり、マルスB.V.に1,040万まんドルの訴訟そしょうを起おこされ、敗訴はいそした。その代かわり、ディズニーは社内しゃないの他ほかの人気にんきコンテンツに注目ちゅうもくすべきだと考かんがえていた。1996年ねんからメジャーリーグベースボール（MLB）の球団きゅうだんであるカリフォルニア・エンゼルスの株式かぶしき25％を所有しょゆうしていたディズニーは、1998年ねんに1億おく1000万まんドルでチームを買収ばいしゅうし、アナハイム・エンゼルスと改名かいめいし、1億おくドルでスタジアムを改装かいそうした。 『ヘラクレス』（1997年ねん）は6月がつ13日にちに公開こうかいされ、興行こうぎょう収入しゅうにゅうは2億おく5,200万まんドルと、それ以前いぜんの作品さくひんに比くらべ振ふるわなかった。2月24日にち、ディズニーとピクサーは、ディズニーを配給はいきゅう会社かいしゃとして5本ほんの映画えいがを共同きょうどうで製作せいさくする10年ねん契約けいやくを結むすんだ。両者りょうしゃは製作せいさく費ひ、収益しゅうえき、ロゴ・クレジットを分担ぶんたんし、ディズニー・ピクサー作品さくひんと呼よぶことになった。ディズニー・ルネサンス期きには、映画えいが部門ぶもんのタッチストーンも全米ぜんべいでロマンティック・コメディとして最高さいこうのチケット販売はんばい数すうを記録きろくし、4億おく3200万まんドルの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを上あげた『プリティ・ウーマン』（1990年ねん）、1990年代ねんだい前半ぜんはんのコメディ映画えいがの中なかで特とくに興行こうぎょう成績せいせきが良よく、2億おく3100万まんドルの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを上あげた『天使てんしにラブ・ソングを…』（1992年ねん） 、2億おく2400万まんドルの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを上あげたアクション映画えいが『コン・エアー』（1997年ねん）、1998年ねん最高さいこうの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを上あげた5億おく5300万まんドルの『アルマゲドン』（1998年ねん）などの映画えいがでヒット作さくを生うみ出だした。

(左ひだりから）ディズニー最大さいだいのテーマパーク、アニマルキングダムの象徴しょうちょうである「ツリー・オブ・ライフ」、そしてディズニー・クルーズライン初はつの客船きゃくせん「ディズニー・マジック」は1998年ねん7月がつ30日にちに出航しゅっこうした。

ディズニー・ワールドでは、1998年ねん4月がつ22日にちのアースデイに、580エーカー（230ヘクタール）という世界せかい最大さいだいのテーマパーク、ディズニー・アニマル・キングダムをオープンさせた。動物どうぶつをテーマにした6つのゾーン、2,000頭とう以上いじょうの動物どうぶつたち、そしてその中心ちゅうしんにある「ツリー・オブ・ライフ」を有ゆうしている。高たかい評価ひょうかを受うけたディズニーの次つぎのアニメーション映画えいが『ムーラン』とディズニー・ピクサー映画えいが『バグズ・ライフ』は、それぞれ1998年ねん6月がつ5日にちと11月20日にちに公開こうかいされた。『ムーラン』は3億おく400万まんドルでその年としの第だい6位い、『バグズ・ライフ』は3億おく6300万まんドルで第だい5位いの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを記録きろくした。6月18日にち、ディズニーは7億おく7000万まんドルでインターネット検索けんさくエンジンインフォシークの株式かぶしき43％を取得しゅとくし、インフォシーク傘下さんかのスターウェーブも獲得かくとくした。1999年ねん1月がつ12日にち、ディズニーはウェブ・ポータルのGo.comをインフォシークとの共同きょうどう事業じぎょうで立たち上あげ、同年どうねん末まつにインフォシークの残のこりを買収ばいしゅうした 。1994年ねん、クルーズ会社かいしゃのカーニバルおよびロイヤル・カリビアン・インターナショナルとの交渉こうしょうが失敗しっぱいした後のち、ディズニーは1998年ねんに独自どくじのクルーズ・ライン事業じぎょうを開始かいしすると発表はっぴょうした。ディズニー・クルーズ・ラインの最初さいしょの2隻せきはディズニー・マジックとディズニー・ワンダーと名付なづけられ、イタリアのフィンカンティエリによって建造けんぞうされる予定よていだった。クルーズに伴ともない、ディズニーは同どうラインのプライベート・アイランドとしてゴルダ・ケイを購入こうにゅうし、2500万まんドルをかけて改装かいそうし、キャスタウェイ・ケイと改名かいめいした。1998年ねん7月がつ30日にち、ディズニー・マジックがディズニー・ラインの最初さいしょの航海こうかいとして出航しゅっこうした。

ロイ・O・ディズニーの息子むすこであるロイ・E・ディズニーは、2003年ねんまでアニメーション部門ぶもんのトップを務つとめていた。

ディズニー・ルネサンスの終おわりを告つげる『ターザン』（1999年ねん）は6月がつ12日にちに公開こうかいされ、興行こうぎょう収入しゅうにゅう4億おく4,800万まんドル、批評ひひょう家かからは高たかい評価ひょうかを得えた。また、フィル・コリンズの「ユール・ビー・イン・マイ・ハート」がアカデミー歌曲かきょく賞しょうを受賞じゅしょうした。ディズニー・ピクサー映画えいが『トイ・ストーリー2』は11月13日にちに公開こうかいされ、興行こうぎょう収入しゅうにゅう5億おく1,100万まんドルを記録きろくした。2000年ねん1月がつ25日にち、アイズナーはオヴィッツの後任こうにんとして、ABCネットワーク局長きょくちょうのボブ・アイガーをディズニーの社長しゃちょう兼けん最高さいこう執行しっこう責任せきにん者しゃに指名しめいした。11月、ディズニーはDICエンターテインメントをアンディ・ヘイワードに売却ばいきゃくしたが、同社どうしゃとはまだ取引とりひきを行おこなっていた。2001年ねんに公開こうかいされた『モンスターズ・インク』で、ディズニーはピクサーと再ふたたび大だいヒット作さくを生うみ出だした。その後ご、ディズニーは子供こども向むけケーブルネットワークのフォックス・ファミリー・ワールドワイドを30億おくドルで買収ばいしゅうし、23億おくドルの負債ふさいを引ひき受うけた。この取引とりひきには、フォックス・キッズ・ヨーロッパ、ラテンアメリカのフォックス・キッズ・チャンネル、サバン・エンターテイメントの番組ばんぐみライブラリーから6,500以上いじょうのエピソード、フォックス・ファミリー・チャンネルの株式かぶしきの76％も含ふくまれていた。2001年度ねんど、ディズニーの事業じぎょうは、ABCテレビネットワークの視聴しちょう率りつ低下ていか、9月11日にちの同時どうじ多発たはつテロによる観光かんこう客きゃくの減少げんしょうのため、1億おく5800万まんドルの純じゅん損失そんしつを出だした。2001年度ねんどのディズニーの収益しゅうえきは、前年ぜんねんの9億おく2000万まんドルに対たいし、1億おく2000万まんドルであった。コスト削減さくげんのため、ディズニーは4,000人にんの従業じゅうぎょう員いんを解雇かいこし、300から400のディズニーストアの店舗てんぽを閉鎖へいさすると発表はっぴょうした。2002年ねんのワールドシリーズ優勝ゆうしょう後ご、ディズニーは2003年ねんにアナハイム・エンゼルスを実業じつぎょう家かアルトゥロ・モレノに1億おく8000万まんドルで売却ばいきゃくした。2003年ねん、ディズニーは年間ねんかん興行こうぎょう収入しゅうにゅう30億おくドルを達成たっせいした最初さいしょのスタジオとなった。同年どうねん、ロイ・ディズニーは会社かいしゃの運営うんえい方針ほうしんを理由りゆうに引退いんたいを表明ひょうめいし、アイズナーを追放ついほうするよう求もとめ、同おなじ週しゅう、取締役とりしまりやく会かいメンバーのスタンリー・ゴールドも同おなじ理由りゆうで引退いんたいした。ゴールドとディズニーは共同きょうどうで署名しょめい運動うんどう「セーブ・ディズニー」を立たち上あげた。

ディズニーは2004年ねんにジム・ヘンソン・カンパニーからザ・マペッツを買収ばいしゅうした。

2004年ねん、同社どうしゃの年次ねんじ総会そうかいで、株主かぶぬしは43％の賛成さんせい票ひょうを投とうじてアイズナーを取締役とりしまりやく会長かいちょうから解任かいにんした。3月4日にち、アイズナーの後任こうにんとして取締役とりしまりやくだったジョージ・J・ミッチェルが指名しめいされた。4月、ディズニーはジム・ヘンソン・カンパニーからマペッツ・フランチャイズを7500万まんドルで買収ばいしゅうし、マペッツ・ホールディング・カンパニーLLCを設立せつりつした。ディズニー・ピクサー映画えいが『ファインディング・ニモ』（2003年ねん）の大だいヒットを受うけ、『Mr.インクレディブル』（2004年ねん）はアニメーション映画えいが歴代れきだい2位いとなる9億おく3,600万まんドルの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを記録きろくしたが、2004年ねんにディズニーとの契約けいやくが終了しゅうりょうすると、ピクサーは新あらたな配給はいきゅう会社かいしゃを探さがした。ディズニーは10月がつ20日はつか、313店舗てんぽを展開てんかいする赤字あかじのディズニーストア・チェーンをチルドレンズプレイスに売却ばいきゃくした。ディズニーはまた、2005年ねんにNHLチームのマイティ・ダックスをヘンリー・サムエリとその妻つまスーザンに売却ばいきゃくした。ロイ・E・ディズニーは会社かいしゃへの復職ふくしょくを決意けついし、"名誉めいよ取締役とりしまりやく "の肩書かたがきで相談役そうだんやくの地位ちいを得えた。

2005年ねん - 2020年ねん ボブ・アイガーの最初さいしょの任期にんき、拡張かくちょうとDisney+

ボブ・アイガーは2005年ねんにディズニーのCEOに就任しゅうにんし、同社どうしゃのコンテンツ拡大かくだいを推進すいしんしてきた。

2005年ねん3月がつ、ボブ・アイガーが、9月のアイズナーの退任たいにんによりディズニーのCEOに就任しゅうにんし、アイガーは10月1日にちに正式せいしきにディズニーのトップに就任しゅうにんした。9月12日にち、ディズニーの11番目ばんめのテーマパークである香港ほんこんディズニーランドがオープン。2006年ねん1月がつ24日にち、ディズニーはスティーブ・ジョブズからピクサーを74億おくドルで買収ばいしゅうする交渉こうしょうを開始かいしし、アイガーはピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサー（CCO）であるジョン・ラセターと社長しゃちょうのエドウィン・キャットマルをウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオのトップに任命にんめいした。その1週間しゅうかん後ご、ディズニーはABCスポーツのコメンテーター、アル・マイケルズをNBCユニバーサルに移籍いせきさせ、オズワルド・ザ・ラッキー・ラビットの権利けんりとこのキャラクターが登場とうじょうする26本ほんのアニメーションを取とり戻もどした。2月6日にち、ディズニーはテレビ放送ほうそう会社かいしゃシタデル・コミュニケーションズの52％を取得しゅとくし、27億おくドルでABCラジオのネットワークと22の放送ほうそう局きょくをシタデル・ブロードキャスティングと合併がっぺいすると発表はっぴょうした。ディズニー・チャンネルのオリジナル映画えいが『ハイスクール・ミュージカル』が放映ほうえいされ、サウンドトラックがトリプル・プラチナに受賞じゅしょうした。

ディズニーの2006年ねんの実写じっしゃ映画えいが『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』は、ディズニーにとってそれまでの最大さいだいのヒット作さくであり、興行こうぎょう収入しゅうにゅう10億おくドル強きょうを稼かせぎ出だし、史上しじょう3番目ばんめのヒット作さくとなった。同社どうしゃは6月がつ28日にち、ジョージ・ミッチェルに代かわり、取締役とりしまりやくの一人ひとりで、P&Gの元もとCEOであるジョン・E・ペッパー・ジュニアを2007年ねんに会長かいちょうとして迎むかえることを発表はっぴょうした。続編ぞくへん『ハイスクール・ミュージカル2』は2007年ねんにディズニー・チャンネルで放送ほうそうされ、ケーブルテレビの視聴しちょう率りつ記録きろくをいくつも塗ぬり替かえた。2007年ねん4月がつ、マペッツ・ホールディング・カンパニーはディズニー・コンシューマー・プロダクツ部門ぶもんからウォルト・ディズニー・スタジオ部門ぶもんに移うつされ、マペッツ・スタジオに改名かいめいされた。『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』は9億おく6,000万まんドルで2007年ねん最高さいこうの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを記録きろくした 。ディズニー・ピクサー映画えいが『レミーのおいしいレストラン』（2007年ねん）と『ウォーリー』（2008年ねん）は大だいヒットし、『ウォーリー』はアカデミー賞しょう長編ちょうへんアニメーション賞しょうを受賞じゅしょうした.。フォックス・ファミリー・ワールドワイドの買収ばいしゅうを通つうじてジェティクス・ヨーロッパの大だい部分ぶぶんを取得しゅとくした後のち、ディズニーは2008年ねんに同社どうしゃの残のこりを3億おく1800万まんドルで買収ばいしゅうした。

ボブ・アイガーは2009年ねんにディズニーの公式こうしきファンクラブとしてD23を発足ほっそくさせ、D23 Expoと名付なづけられた2年ねんに一いち度どの大だい規模きぼなイベントを開催かいさいした。2月、ディズニーはドリームワークス・ピクチャーズと配給はいきゅう契約けいやくを結むすび、タッチストーン・ピクチャーズを通つうじて今後こんご5年間ねんかんでドリームワークスの映画えいが30本ほんを配給はいきゅうし、ディズニーは興行こうぎょう収入しゅうにゅうの10％を得えることを発表はっぴょうした。2009年ねんの映画えいが『カールじいさんの空そら飛とぶ家いえ』は興行こうぎょう収入しゅうにゅう7億おく3,500万まんドルを記録きろくし、アカデミー賞しょうでは長編ちょうへんアニメーション賞しょうを受賞じゅしょうした。同年どうねん末まつ、ディズニーは子供こども向むけのテレビチャンネル「ディズニーXD」を開局かいきょくした。8月には、マーベル・エンターテインメントとその資産しさんを40億おくドルで買収ばいしゅうし、マーベル・コミック関連かんれんのキャラクターを商品しょうひんラインナップに加くわえた。9月、ディズニーはニューズ・コーポレーションおよびNBCユニバーサルと提携ていけいし、ストリーミングサービスHuluの株式かぶしきの27％を取得しゅとくした。12月16日にち、ロイ・E・ディズニーが胃いがんのため死去しきょした。2010年ねん3月がつ、ハイム・サバンはディズニーからパワーレンジャーのフランチャイズ（700話わのライブラリを含ふくむ）を約やく1億おくドルで譲ゆずり受うけた。その直後ちょくご、ディズニーはミラマックス・フィルムズをロナルド・チューター率ひきいる投資とうしグループに6億おく6,000万まんドルで売却ばいきゃくした。その間あいだ、ディズニーは実写じっしゃ映画えいが『アリス・イン・ワンダーランド』とディズニー・ピクサー映画えいが『トイ・ストーリー3』を公開こうかいし、両りょう作品さくひんとも10億おくドル強きょうの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを上あげ、これは10億おくドルを達成たっせいした6作さく目めと7作さく目めの作品さくひんとなった。この年とし、ディズニーは10億おくドルを稼かせぐ映画えいがを年間ねんかん2本ほん公開こうかいした初はつのスタジオとなった。2010年ねん、同社どうしゃは2007年ねんにイメージムーバーズと提携ていけいして開始かいししたイメージムーバーズ・デジタルを2011年ねんまでに閉鎖へいさすると発表はっぴょうした。

翌年よくねん、ディズニーは最後さいごの手描てがきアニメーション映画えいが『くまのプーさん』を劇場げきじょう公開こうかいした。『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命せいめいの泉いずみ』は10億おくドル強きょうの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを記録きろくし、ディズニーにとって8作さく目めの興行こうぎょう収入しゅうにゅうとなり、世界せかいで最もっとも興行こうぎょう収入しゅうにゅうを上あげた映画えいがとなり、史上しじょう3番目ばんめの興行こうぎょう収入しゅうにゅうとなった。2011年ねん1月がつ、ディズニー・インタラクティブ・スタジオの規模きぼが縮小しゅくしょうされ、200人にんの従業じゅうぎょう員いんが解雇かいこされた 。4月、総そう工費こうひ44億おくドルの新しんテーマパーク「上海しゃんはいディズニーリゾート」の建設けんせつを開始かいしした。8月、ボブ・アイガーは、ピクサーとマーベルの買収ばいしゅう後ご、彼かれとウォルト・ディズニー・カンパニーは「新あたらしいキャラクターか、偉大いだいなキャラクターと偉大いだいなストーリーを創造そうぞうできるビジネスを買収ばいしゅうする」予定よていであると述のべた。2012年ねん10月がつ30日にち、ディズニーはジョージ・ルーカスから40億おく5000万まんドルでルーカスフィルムを買収ばいしゅうすると発表はっぴょうした。この買収ばいしゅうにより、ディズニーは『スター・ウォーズ』シリーズを含ふくむ多おおくの映画えいがコンテンツを手てに入いれることになり、ディズニーは2～3年ねんごとに新作しんさくを製作せいさくすると発表はっぴょうした。ディズニーはまた、インディ・ジョーンズ シリーズ、視覚しかく効果こうかスタジオのインダストリアル・ライト&マジック、テレビゲーム会社かいしゃのルーカスアーツを手てに入いれた。買収ばいしゅうは2012年ねん12月21日にちに完了かんりょうした。

ピクサーは1995年ねんから2005年ねんまでディズニーと映画えいが製作せいさくを行おこなっていたが、2006年ねんにディズニーがピクサーを子会社こがいしゃとして買収ばいしゅうした。

マーベルは2009年ねんにディズニーが40億おくドルで買収ばいしゅうし、ディズニーの子会社こがいしゃとなった。

2012年ねんにルーカスフィルムを買収ばいしゅうしたディズニーは、さらなるスター・ウォーズ映画えいがの製作せいさくを宣言せんげんした。

2019年ねん、ディズニーはこれまでで最大さいだいの動うごきとして、21世紀せいきフォックスの資産しさんの大半たいはんを710億おくドルで買収ばいしゅうし、20世紀せいきフォックスのスタジオのように、その一部いちぶを20世紀せいきスタジオに改名かいめいした。

2012年ねん2月がつ上旬じょうじゅん、ディズニーはUTV Software Communicationsの買収ばいしゅうを完了かんりょうし、市場いちばをインドとその他たのアジアにさらに拡大かくだいした。3月にはアイガーがディズニーの会長かいちょうに就任しゅうにんした。マーベル映画えいが『アベンジャーズ』の歴代れきだい3位いとなる初はつ登場とうじょう興行こうぎょう収入しゅうにゅう13億おくドルを達成たっせいした。興行こうぎょう収入しゅうにゅう12億おくドルを超こえるマーベル映画えいが『アイアンマン3』が2013年ねんに公開こうかいされた。同おなじ年ねんに公開こうかいされたディズニーのアニメーション映画えいが『アナと雪ゆきの女王じょおう』は、12億おくドルの興行こうぎょう収入しゅうにゅうでアニメーション映画えいが史上しじょう最高さいこうとなった。同どう映画えいがの関連かんれん商品しょうひんは大人気だいにんきとなり、同社どうしゃは1年ねんで10億おくドルを稼かせぎ出だし、世界せかい的てきな品薄しなうす状態じょうたいが発生はっせいした。2013年ねん3月がつ、アイガーはディズニーが手描てがきアニメーション部門ぶもんを閉鎖へいさし、数すう人にんのベテランアニメーターが解雇かいこされた。2014年ねん3月がつ24日にち、ディズニーはYouTubeのマルチチャンネルネットワークとして活躍かつやくするメーカー・スタジオを9億おく5000万まんドルで買収ばいしゅうした。

2015年ねん2月がつ5日にち、ディズニーはトーマス・O・スタッグスが最高さいこう執行しっこう責任せきにん者しゃ(COO)に昇格しょうかくしたと発表はっぴょうした 。6月、同社どうしゃはコンシューマープロダクツ部門ぶもんとインタラクティブ部門ぶもんを統合とうごうし、新あらたに「ディズニー・コンシューマープロダクツ・アンド・インタラクティブ・メディア」という子会社こがいしゃを設立せつりつすると発表はっぴょうした。8月、マーベル・スタジオは再編さいへんされ、ウォルト・ディズニー・スタジオの傘下さんかに入はいった。同社どうしゃが2015年ねんに公開こうかいした作品さくひんには、興行こうぎょう収入しゅうにゅう8億おくドルを超こえる成功せいこうを収おさめたアニメーション映画えいが『インサイド・ヘッド』や、14億おくドルを超こえる興行こうぎょう収入しゅうにゅうを記録きろくしたマーベル映画えいが『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』などがある。公開こうかいされた『スター・ウォーズ/フォースの覚醒かくせい』の興行こうぎょう収入しゅうにゅうは20億おくドルを超こえ、歴代れきだい3位いとなった。10月、ディズニーはテレビチャンネルABCファミリーが視聴しちょう者しゃ層そうを広ひろげるため、2016年ねんにフリーフォームに改名かいめいすると発表はっぴょうした。2016年ねん4月がつ4日にち、ディズニーはアイガーの後任こうにんと思おもわれていたトーマス・O・スタッグスCOOが2016年ねん5月がつに退社たいしゃし、26年間ねんかんのディズニーでのキャリアに終止符しゅうしふを打うつと発表はっぴょうした。上海しゃんはいディズニーランドは2016年ねん6月がつ16日にち、同社どうしゃで6番目ばんめのテーマパーク・リゾートとしてオープンした 。ストリーミングサービスを開始かいしする動うごきとして、ディズニーは8月がつにメジャーリーグのテクノロジー企業きぎょうバムテックの株式かぶしきの33％を10億おくドルで買収ばいしゅうした。2016年ねん、ディズニー映画えいが4作品さくひんの興行こうぎょう収入しゅうにゅうが10億おくドルを超こえた。アニメーション映画えいが『ズートピア』、マーベル映画えいが『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、ピクサー映画えいが『ファインディング・ドリー』、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』で、ディズニーはスタジオとして初はじめて全米ぜんべい興行こうぎょう収入しゅうにゅう30億おくドルを突破とっぱした。ディズニーはまた、自社じしゃのコンテンツや商品しょうひんを販売はんばいするためにソーシャルメディア・プラットフォーム「Twitter」の買収ばいしゅうを検討けんとうしてみたが、最終さいしゅう的てきにこの買収ばいしゅうを取とりやめた。アイガーはこれについて、ディズニーが必要ひつようのない責任せきにんを負おうことになり、自分じぶんにとって「ディズニーらしくない」と考かんがえたからだと述のべている。

2017年ねん3月がつ23日にち、ディズニーはアイガーがCEOとしての任期にんきを2019年ねん7月がつ2日にちまで1年間ねんかん延長えんちょうし、相談役そうだんやくとして3年間ねんかん同社どうしゃに残のこることに合意ごういしたと発表はっぴょうした。2017年ねん8月がつ8日にち、ディズニーはストリーミングサービスNetflixとの配信はいしん契約けいやくを終了しゅうりょうし、2019年ねんまでにBAMtechの技術ぎじゅつで構築こうちくした独自どくじのストリーミングプラットフォームを立たち上あげる意向いこうであることを発表はっぴょうした。この間あいだ、ディズニーは15億おくドルを支払しはらってBAMtechの株式かぶしき75％を取得しゅとくした。ディズニーはまた、2018年ねんまでに「年間ねんかん約やく10,000の国内外こくないがいの試合しあいやイベントを生なま中継ちゅうけいする」ESPNのストリーミングサービスを開始かいしする予定よていである。11月、CCOのジョン・ラセターは、後のちにセクハラ疑惑ぎわくと報ほうじられた「不手際ふてぎわ」を理由りゆうに、6ヶ月かげつ間あいだ会社かいしゃを休やすむと発表はっぴょうした。同月どうげつ、ディズニーと21世紀せいきフォックスは、ディズニーがフォックスの資産しさんの大半たいはんを獲得かくとくする交渉こうしょうを開始かいしした。2018年ねん3月がつより、会社かいしゃの戦略せんりゃく的てき再さい編成へんせいにより、ディズニー・パークス・エクスペリエンス・プロダクツとダイレクト・トゥ・コンシューマー＆インターナショナルの2つの事業じぎょう部門ぶもんが設立せつりつされた。パーク＆コンシューマープロダクツは主おもにパーク＆リゾートとコンシューマープロダクツ＆インタラクティブメディアの合併がっぺいであり、ダイレクト・トゥ・コンシューマー＆インターナショナルはディズニー・インターナショナルと、ディズニー・ABCテレビグループとスタジオ・エンターテイメントにディズニー・デジタル・ネットワークを加くわえたグローバルな販売はんばい、配給はいきゅう、ストリーミング部門ぶもんを引ひき継ついだ。CEOのアイガーは、この再さい編成へんせいを「将来しょうらいに向むけて戦略せんりゃく的てきに事業じぎょうを位置いちづけるため」と説明せつめいしているが、ニューヨーク・タイムズ紙かみによると、この再さい編成へんせいは21世紀せいきフォックスの買収ばいしゅうを想定そうていして行おこなわれたものだという。

2017年ねん、ディズニー映画えいがのうち、実写じっしゃ版ばん『美女びじょと野獣やじゅう』と『スター・ウォーズ/最後さいごのジェダイ』の2本ほんが10億おくドルを超こえる興行こうぎょう収入しゅうにゅうを記録きろくした。ディズニーは4月がつ12日にち、定額ていがく制せいスポーツストリーミングサービス「ESPN+」を開始かいしした。2018年ねん6月がつ、ラセターの年内ねんない退社たいしゃが発表はっぴょうされたが、それまでは相談役そうだんやくとして残のこることになった 。彼かれの後任こうにんとして、ディズニーは『アナと雪ゆきの女王じょおう』の共同きょうどう監督かんとくで『シュガー・ラッシュ』（2012年ねん）の共同きょうどう脚本きゃくほん家かであるジェニファー・リーをウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの責任せきにん者しゃに、1990年ねんからピクサーに参加さんかし、『カールじいさんの空そら飛とぶ家いえ』、『モンスターズ・インク』、『インサイド・ヘッド』の監督かんとくを務つとめたピート・ドクターをピクサーの責任せきにん者しゃに昇格しょうかくさせた。同月どうげつ末まつ、コムキャストはディズニーの510億おくドルの入札にゅうさつ額がくを上回うわまわる650億おくドルで21世紀せいきフォックスの買収ばいしゅうを提案ていあんしたが、ディズニーが710億おくドルの入札にゅうさつ額がくで対抗たいこうしたため、提案ていあんを取とり下さげた。ディズニーは米国べいこく司法省しほうしょうから独占どくせん禁止きんし法ほうの認可にんかを得えてフォックスを買収ばいしゅうした。ディズニーは、マーベル映画えいが『ブラックパンサー』と『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』（後者こうしゃは20億おくドル以上いじょうを稼かせぎ出だし、史上しじょう5番目ばんめの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを記録きろく）、ピクサー映画えいが『インクレディブル・ファミリー』の3作品さくひんで10億おくドルを稼かせぎ出だし、再ふたたび70億おくドルの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを達成たっせいした。

ディズニーのストリーミング配信はいしんサービス「Disney+」は2019年ねんに開始かいしされ、2022年ねん6月がつ時点じてんで加入かにゅう者しゃ数すうは1億おく3500万まん人にんを超こえている。

2019年ねん3月がつ20日はつか、ディズニーはルパート・マードックから21世紀せいきフォックスの資産しさんを713億おくドルで買収ばいしゅうし、ディズニー史上しじょう最大さいだいの買収ばいしゅうとなった。買収ばいしゅう後ご、ニューヨーク・タイムズ紙しはディズニーを「世界中せかいじゅうがかつて見みたことのないエンターテインメントの巨きょ像ぞう」と評ひょうした。この買収ばいしゅうにより、ディズニーは20世紀せいきフォックス、20世紀せいきフォックス・テレビジョン、フォックス・サーチライト・ピクチャーズ、ナショナル ジオグラフィック・パートナーズ、フォックス・ネットワークス・グループ、インドのテレビ放送ほうそう局きょくスター・インディア、ストリーミング・サービスのホットスター、そしてHuluの株式かぶしき30％を取得しゅとくし、Huluの所有しょゆう権けんを60％にした。フォックス・コーポレーションとその資産しさんは独占どくせん禁止きんし法ほうのため、今回こんかいの取引とりひきから除外じょがいされた。ディズニーはまた、7本ほんの映画えいがの興行こうぎょう収入しゅうにゅうが10億おくドルに達たっした最初さいしょの映画えいがスタジオとなった： マーベルの『キャプテン・マーベル』、実写じっしゃ版ばん『アラジン』、ピクサーの『トイ・ストーリー4』、CGによるリメイク版ばん『ライオン・キング』、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明よあけ』、そして歴代れきだい最高さいこう興きょう収おさむ27億おく9700万まんドルの『アベンジャーズ/エンドゲーム』である。11月12日にち、ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、ナショナル・ジオグラフィックなどの映画えいが500本ほんとテレビ番組ばんぐみ7,500エピソードを揃そろえた、ディズニーの定額ていがく制動せいどう画が配信はいしんサービス・OTTサービス 「Disney+」が、米国べいこく、カナダ、オランダで開始かいしされた。このサービスは初日しょにちで1,000万まん契約けいやくを突破とっぱし、2022年ねんには1億おく3,500万まん契約けいやく、190カ国かこく以上いじょうで利用りようできるようになった。2020年ねん初頭しょとう、ディズニーはフォックスの名前なまえを傘下さんかの映画えいが会社かいしゃから外はずし、20世紀せいきスタジオとサーチライト・ピクチャーズに改名かいめいした。

2020年ねん - 現在げんざい ボブ・チャペックのリーダーシップ、新型しんがたコロナウイルスの流行りゅうこう、アイガーの復帰ふっきと100周年しゅうねん

• 2020年ねん
  • 4月がつ20日はつか - 新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょう（COVID-19）の世界せかい的てき流行りゅうこうにより連邦れんぽう政府せいふがロックダウンや国家こっか非常ひじょう事態じたい宣言せんげんを発令はつれいするなどの影響えいきょうで経営けいえい悪化あっかのため、 従業じゅうぎょう員いん10万まん人にん以上いじょうに対たいする給与きゅうよ支払しはらいを停止ていしすることを発表はっぴょう。
  • 5月24日にち - NBAとディズニーが協議きょうぎ。
  • 6月がつ - 5月26日にちにミネソタ州しゅうミネアポリスにおいて黒人こくじん男性だんせいジョージ・フロイドが白人はくじん警察けいさつデレク・ショーヴィンに殺害さつがいされた事件じけんのジョージ・フロイドの死しを発端ほったんにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのみならず世界中せかいじゅうで過去かこ最大さいだいデモに発展はってんしたジョージ・フロイド抗議こうぎ運動うんどう（ブラック・ライヴズ・マター）において抗議こうぎ運動うんどう団体だんたいに多額たがくの支援しえんをする事ことをディズニー側がわから発表はっぴょうした。
  • 7月がつ16日にち - 連邦れんぽう政府せいふの司法しほう長官ちょうかんウィリアム・バーから直接ちょくせつ「ディズニーやビッグ・テックなどの大手おおて企業きぎょうは中国ちゅうごく政府せいふ（中国共産党ちゅうごくきょうさんとう）の手先てさき」と中国ちゅうごく市場いちばへの依存いぞん度どを低下ていかさせるよう指摘してき。
  • 7月がつ18日にち - 人種じんしゅ差別さべつを象徴しょうちょうしたFacebookに対たいして最大さいだいの広告こうこく主ぬしのディズニーがサービスをボイコット。
  • 10月1日にち - SARSコロナウイルス2（COVID-19）の世界せかい的てき流行りゅうこうのため米国べいこくのテーマパーク事業じぎょう（ディズニーランド・リゾートとウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート）におけるキャスト2万まん8000人にん削減さくげんする事ことを発表はっぴょう。
• 2021年ねん11月13日にち - 7月がつから9月がつまでの第だい3四半期しはんきでDisney+の有料ゆうりょう会員かいいんが、ディズニー側がわの予想よそうを遥はるかに上回うわまわる約やく1億おく6500万まん人にんに到達とうたつしたと発表はっぴょうした。
• 2022年ねん
  • 3月1日にち - ロシア（ロシア軍ぐん）によるウクライナ侵攻しんこうによって、ロシアは日本にっぽんをはじめ世界せかい各国かっこくの政府せいふから大だい規模きぼな制裁せいさいを受うけている影響えいきょうでディズニーも全ぜんロシア国内こくないでの新作しんさく映画えいがの上映じょうえいを一時いちじ的てきに中止ちゅうしすることを発表はっぴょう。
  • 3月11日にち - ロシアによるウクライナ侵攻しんこうによって、ロシアにおける全ぜん事業じぎょうを停止ていしすると発表はっぴょう。
  • 11月 - ボブ・チャペックが業績ぎょうせき不振ふしんを理由りゆうにCEOを解任かいにんされ、その前任ぜんにんのボブ・アイガーが復帰ふっきした。

• 2023年ねん

  

  ディズニー100周年しゅうねん記念きねんのプロモーションロゴ。

  • 2月がつ - ディズニーは55億おくドルのコスト削減さくげんを発表はっぴょう。従業じゅうぎょう員いんの3%に相当そうとうする7千せん人にんが一時いちじ解雇かいこされた。主要しゅよう事業じぎょう部門ぶもんも3つに再さい編成へんせいされた。
  • 9月 - 大手おおてケーブルテレビ運営うんえい会社かいしゃのチャーター・コミュニケーションズとの間あいだで自社じしゃ系列けいれつチャンネル料金りょうきんを巡めぐる価格かかく交渉こうしょうが難航なんこうしたことから、同社どうしゃへのチャンネル供給きょうきゅうを停止ていしした（後日ごじつ、供給きょうきゅう停止ていしを解除かいじょ）。
  • 10月16日にち - ウォルト・ディズニー・カンパニー創立そうりつ100周年しゅうねん。
  • 11月1日にち - ディズニーはコムキャストに対たいし、Huluの未み保有ほゆう株かぶ33%分ぶんを86億おく1000万まんドル（約やく1兆ちょう2900億おく円えん）で取得しゅとくすることを提案ていあんしたと発表はっぴょうした。
  • 12月1日にち - コムキャストが保有ほゆうしていたHuluの33%分ぶんの株式かぶしきをディズニーが取得しゅとく。Huluが名実めいじつ共どもにディズニーの完全かんぜん子会社こがいしゃになった。
• 2024年ねん
  • 2月がつ7日にち - エピックゲームズに15億おくドル（当時とうじのレートで約やく2220億おく円えん）を出資しゅっし。
  • 2月がつ20日はつか - 北米ほくべい（アメリカ・カナダ）でのビデオソフト販売はんばい事業じぎょうをソニーグループ（ソニー・ピクチャーズ ホームエンタテインメント）に移管いかんすることで合意ごうい。

主要しゅよう事業じぎょう部門ぶもん

• ディズニー・エンターテインメントは、ウォルト・ディズニー・スタジオ、ディズニー・ジェネラル・エンターテインメント・コンテンツ、ディズニー・ストリーミング、ディズニー・プラットフォーム・ディストリビューションを含ふくむ、エンターテインメント・メディアおよびコンテンツ事業じぎょうの全ぜん世界せかいにおける事業じぎょう全体ぜんたいを統括とうかつしている。同どう部門ぶもんはアラン・バーグマンとダナ・ウォルデンが率ひきいている。
• ディズニー・エクスペリエンスは、テーマパークやリゾート、クルーズや バカンス、そしておもちゃからアパレル、書籍しょせき、テレビゲームに至いたるまで、ディズニーの物語ものがたり、 キャラクター、フランチャイズを通とおして生活せいかつをもたらす全ぜん世界せかい規模きぼに及およぶ部門ぶもんである。同どう部門ぶもんはジョシュ・ダマロが率ひきいている。
• ESPNは、世界中せかいじゅうのディズニーのあらゆるスポーツプラットフォーム（国際こくさい的てきなスポーツチャンネルを含ふくむ）における、スポーツコンテンツ、商品しょうひんや サービスに関かんする事業じぎょう展開てんかいを管理かんり・統括とうかつする役割やくわりを担になっている。同どう部門ぶもんはジェームズ・ピタロが率ひきいている。

歴代れきだい経営けいえい者しゃ

チーム・ディズニー - ウォルト・ディズニー・スタジオのメインビルであるマイケル・D・アイズナー・ビルには、ディズニーの最高さいこう経営けいえい責任せきにん者しゃ（CEO）とその他た数すう人にんの幹部かんぶがオフィスを構かまえている。

年とし	社長しゃちょう Presidents 最高さいこう執行しっこう責任せきにん者しゃ COO	最高さいこう経営けいえい責任せきにん者しゃ CEO Chief Executive Officers	取締役とりしまりやく会長かいちょう Chairmen of the Board
1923年ねん	ウォルト・ディズニー	※不在ふざい	※不在ふざい
1929年ねん		ロイ・O・ディズニー
1945年ねん	ロイ・O・ディズニー		ウォルト・ディズニー
1966年ねん	ドン・B・テータム		ロイ・O・ディズニー
1971年ねん	E・カードン・ウォーカー	ドン・B・テータム	ドン・B・テータム
1976年ねん		E・カードン・ウォーカー
1978年ねん	ロナルド・W・ミラー
1980年ねん			E・カードン・ウォーカー
1983年ねん		ロナルド・W・ミラー	レイモンド・L・ワトソン
1984年ねん	フランク・ウェルズ	マイケル・アイズナー	マイケル・アイズナー
1995年ねん	マイケル・オーヴィッツ
1997年ねん	サンフォード・リトヴァック
2000年ねん	ロバート・A・アイガー
2004年ねん			ジョージ・J・ミッチェル
2005年ねん		ロバート・A・アイガー
2007年ねん			ジョン・E・ペッパー・ジュニア
2012年ねん	※不在ふざい		ロバート・A・アイガー
2015年ねん	トム・スタッグス
2016年ねん	※不在ふざい
2020年ねん		ボブ・チャペック
2022年ねん		ロバート・A・アイガー	スーザン・アーノルド

社長しゃちょう（Presidents）

• 1923年ねん - 1945年ねん: ウォルト・ディズニー
• 1945年ねん - 1966年ねん: ロイ・O・ディズニー
• 1966年ねん - 1971年ねん: ドン・B・テータム
• 1971年ねん - 1977年ねん: E・カードン・ウォーカー
• 1978年ねん - 1983年ねん: ロナルド・W・ミラー
• 1984年ねん - 1994年ねん: フランク・ウェルズ
• 1995年ねん - 1997年ねん: マイケル・オーヴィッツ
• 2000年ねん - 2012年ねん: ロバート・A・アイガー

最高さいこう執行しっこう責任せきにん者しゃ（Chief Operating Officers）

• 1984年ねん - 1994年ねん: フランク・ウェルズ
• 1997年ねん - 1999年ねん: サンフォード・リトヴァック
• 2000年ねん - 2005年ねん: ロバート・A・アイガー
• 2015年ねん - 2016年ねん: トム・スタッグス

最高さいこう経営けいえい責任せきにん者しゃ（Chief Executive Officers）

• 1929年ねん - 1971年ねん: ロイ・O・ディズニー
• 1971年ねん - 1976年ねん: ドン・B・テータム
• 1976年ねん - 1983年ねん: E・カードン・ウォーカー
• 1983年ねん - 1984年ねん: ロナルド・W・ミラー
• 1984年ねん - 2005年ねん: マイケル・アイズナー
• 2005年ねん - 2020年ねん: ロバート・A・アイガー
• 2020年ねん - 2022年ねん: ボブ・チャペック
• 2022年ねん - 現在げんざい: ロバート・A・アイガー

代表だいひょう取締役とりしまりやく会長かいちょう（Chairmen of the Board）

• 1945年ねん - 1960年ねん: ウォルト・ディズニー
• 1964年ねん - 1971年ねん: ロイ・O・ディズニー
• 1971年ねん - 1980年ねん: ドン・B・テータム
• 1980年ねん - 1983年ねん: E・カードン・ウォーカー
• 1983年ねん - 1984年ねん: レイモンド・L・ワトソン
• 1984年ねん - 2004年ねん: マイケル・アイズナー
• 2004年ねん - 2006年ねん: ジョージ・J・ミッチェル
• 2007年ねん - 2012年ねん: ジョン・E・ペッパー・ジュニア
• 2012年ねん - 2021年ねん: ロバート・A・アイガー
• 2022年ねん - 現在げんざい: スーザン・アーノルド

代表だいひょう取締役とりしまりやく副ふく会長かいちょう（Vice Chairman of the Board）

• 1984年ねん - 2003年ねん: ロイ・E・ディズニー
• 1999年ねん - 2000年ねん: サンフォード・リトヴァック

レガシー

ウォルト・ディズニー・カンパニーは世界せかい最大さいだいのエンターテインメント企業きぎょうのひとつであり、アニメーション業界ぎょうかいのパイオニアとして知しられ、これまでに790本ほんの長編ちょうへん映画えいがを製作せいさくし、そのうち122本ほんがアニメーション映画えいがである。『ピノキオ』、『トイ・ストーリー』、『バンビ』、『レミーのおいしいレストラン』、『白雪姫しらゆきひめ』、『メリー・ポピンズ』といった多おおくの作品さくひんは、名作めいさくとして知しられている。ディズニーはまた、ミッキーマウス、ウッディ、キャプテン・アメリカ（MCU）、ジャック・スパロウ、アイアンマン（MCU）、エルサなど、歴史れきしに残のこるキャラクターの数々かずかずを生うみ出だしてきた。

Den of Geekによれば、ディズニーはアニメーション業界ぎょうかいに革新かくしんをもたらしたと評価ひょうかし、世界せかい初はつの長編ちょうへんアニメーション『白雪姫しらゆきひめ』を製作せいさくすることで、「映画えいが業界ぎょうかいを一変いっぺんさせた」という。同社どうしゃは、主おもにウォルトを通とおして、アニメーション制作せいさくのための新しん技術ぎじゅつやより高度こうどな技術ぎじゅつを導入どうにゅうし、キャラクターに個性こせいを加くわえてきた。ディズニーがアニメーションにもたらした技術ぎじゅつ革新かくしんには、マルチプレーン・カメラの発明はつめい、ゼログラフィー、CAPS、ディープ・キャンバス、レンダーマンなどがある。ディズニー映画えいがから生うまれた曲きょくの多おおくは非常ひじょうに人気にんきがあり、ビルボードのホット100で1位いを獲得かくとくしたものもある。シリー・ シンフォニーシリーズからのいくつかの曲きょくは、全米ぜんべいで絶大ぜつだいな人気にんきを博はくした。

ディズニーは、雑誌ざっしフォーチュンの2022年版ねんばん "世界せかいで最もっとも賞賛しょうさんされる企業きぎょう "ランキングで4位いにランクされた。『スミスソニアン・マガジン』によれば、「ディズニーのテーマパークほど力強ちからづよいピュアなアメリカのシンボルはない」という。ディズニーは「確立かくりつされた文化ぶんか的てきアイコン」であり、社名しゃめいとミッキーマウスは「家庭かていの名前なまえ」である。ディズニーはテーマパーク業界ぎょうかいで最大さいだいの競争きょうそう相手あいての1つであり、12のパークを擁ようし、そのすべてが2018年ねんに最もっとも来場らいじょう者しゃ数すうの多おおかったパーク上位じょうい25位いに入はいっている。世界中せかいじゅうのディズニーテーマパークの入場にゅうじょう者しゃ数すうは1億おく5700万まん人にんを超こえ、世界せかいで最もっとも来場らいじょう者しゃ数すうの多おおいテーマパーク企業きぎょうとなり、2番目ばんめに来場らいじょう者しゃ数すうの多おおい企業きぎょうの入場にゅうじょう者しゃ数すうを倍増ばいぞうさせた。1億おく5700万まん人にんのうち、フロリダのマジック・キングダムの入場にゅうじょう者しゃ数すうは2080万まん人にんで、世界せかいで最もっとも多おおくの人ひとが訪おとずれたテーマパークとなった。ディズニーが初はじめてテーマパーク業界ぎょうかいに参入さんにゅうした時とき、CNNは「ディズニーは既すでに歴史れきしに名なを残のこす会社かいしゃになった。そして、テーマパーク業界ぎょうかい全体ぜんたいを変かえた」と述のべている。オレンジ・カウンティ・レジスターによると、ウォルト・ディズニー・ワールドは「テーマパークが企業きぎょうをライフスタイル・ブランドにするのに役立やくだつことを示しめすことによって、エンターテイメントを変かえた」のであるという。

主おもなスタッフ・アニメーター

詳細しょうさいは「ウォルト・ディズニーカンパニー所属しょぞくのスタッフ・アニメーター一覧いちらん」を参照さんしょう

批評ひひょうと論争ろんそう

詳細しょうさいは「ウォルト・ディズニー・カンパニーに対たいする批判ひはん」を参照さんしょう

ディズニーと著作ちょさく権けん

「ミッキーマウス#著作ちょさく権けん・商標しょうひょう権けん」および「著作ちょさく権けん法ほう (アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく)#法ほう改正かいせいの歴史れきし」も参照さんしょう

ウォルト・ディズニー・カンパニーは、自社じしゃ作品さくひんの著作ちょさく権けんとその維持いじ・擁護ようごに非常ひじょうに執着しゅうちゃくしており、過剰かじょうさがしばしば批判ひはんされている。

これはウォルト・ディズニーの、かつてミッキーマウス以前いぜんの看板かんばんキャラクターだったウサギのキャラクター「オズワルド」の版権はんけんがすべて配給はいきゅう側がわのユニバーサル・ピクチャーズのものになったという過去かこの苦にがい経験けいけんや、かつてディズニーのライバル会社かいしゃであったフライシャー・スタジオが契約けいやく先さきのパラマウント・ピクチャーズに事実じじつ上じょう乗のっ取とられている現状げんじょうを見みてきたことなどに由来ゆらいするものである。そのため、ウォルトは著作ちょさく権けんに非常ひじょうに敏感びんかんになり、彼かれの死後しごも会社かいしゃの方針ほうしんとして残のこり続つづけている。

アメリカで1998年ねんに制定せいていされた、著作ちょさく権けんの保護ほご期間きかんを延長えんちょうするソニー・ボノ著作ちょさく権けん延長えんちょう法ほうは、ミッキーを始はじめとする主要しゅようなキャラクターの著作ちょさく権けんが切きれる直前ちょくぜんに成立せいりつしたため、一いち私企業しきぎょうの都合つごうで法律ほうりつが改変かいへんされ（ロビイストが議会ぎかいへロビー活動かつどうを行おこなっているであろうことは敢あえて述のべるまでもない）、あくまで既得きとく権けんの維持いじに執着しゅうちゃくする強引ごういんさに対たいする皮肉ひにくの意味いみを込こめて「ミッキーマウス保護ほご法ほう」とも呼よばれている。これは、著作ちょさく権けんを保持ほじできればキャラクターやグッズの売上うりあげに対たいするライセンス料りょうやロイヤリティなどの名目めいもくで金銭きんせんを徴収ちょうしゅうできるが、これらのキャラクターや作品さくひんの著作ちょさく権けんが消滅しょうめつすると、ライセンスによる金銭きんせんの徴収ちょうしゅうができなくなるため、多大ただいな経済けいざい的てき損失そんしつを伴ともなうことになるからである。

しかし、アメリカでは2024年ねん1月がつ1日にちにミッキーマウスとミニーマウスのデビュー作さくである『蒸気じょうき船せんウィリー』の著作ちょさく権けんが失効しっこう及およぼし、パブリックドメインが発生はっせいしたことで、ディズニーによるミッキーマウスとミニーマウスの著作ちょさく権けんが切きれたことにより、一般いっぱんの人々ひとびとや、作家さっかなどの人ひとも自由じゆうに初代しょだいミッキーを使つかえるようになった。

ただし、仮かりに著作ちょさく権けんが消滅しょうめつしても、商標しょうひょう権けん（作品さくひん名めい・キャラクター名めい・ブランド名めいなど）その他たの知的ちてき財産ざいさん権けんは保護ほごされるため、全すべての権利けんりが消滅しょうめつするわけではない。なお、日本にっぽん法人ほうじんのウォルト・ディズニー・ジャパンでは著作ちょさく物ぶつの外部がいぶによる使用しようは一切いっさい認みとめない方針ほうしんをとっている。

同人どうじん誌しやファンサイトなどの二に次じ創作そうさくの世界せかいでは、ディズニーが「著作ちょさく権けんに対たいして厳きびしい」という強つよい印象いんしょうから、ディズニーに関連かんれんする二に次じ創作そうさく作品さくひんの執筆しっぴつ・発行はっこうは忌避きひされる傾向けいこうにある。2002年ねんには、日本にっぽん同人どうじん誌し印刷いんさつ業ぎょう組合くみあいがディズニーキャラクターの登場とうじょうするゲーム『キングダム ハーツ』の同人どうじん誌し発行はっこうについて「場合ばあいによっては印刷いんさつを断ことわる」表明ひょうめいをしている。しかし実際じっさいにはコミックマーケットなどでディズニーの二に次じ創作そうさく同人どうじん誌しが複数ふくすうのサークルから発行はっこうされており、オンリーイベントも開催かいさいされているが訴うったえられた例れいはない。2006年ねんには現げんCEOのボブ・アイガーが以下いかのように述のべている。

誰だれもがコンテンツを楽たのしみ自由じゆうに創造そうぞう活動かつどうができるように、コピーや（パロディーなどの）二に次じ利用りように対たいする制限せいげんを今いまより柔軟じゅうなんにすべきだろう。 — ボブ・アイガー、「そこが知しりたい　ネット時代じだいのコンテンツ産業さんぎょうは？」『日本経済新聞にほんけいざいしんぶん』2006年ねん7月がつ23日にち付づけ、第だい7面めん。

ディズニーの人気にんきキャラクターの多おおくは、シンデレラ、アラジン、雪ゆきの女王じょおうなど「すでに著作ちょさく権けんを失効しっこうした古典こてん」から拝借はいしゃくして生うみ出だされており、「著作ちょさく権けんの消滅しょうめつしたキャラクターを元もとに、自社じしゃで新あらたに著作ちょさく権けんを発生はっせいさせて儲もうけているにもかかわらず、自分じぶんたちの著作ちょさく権けんが失効しっこうすることは許ゆるさない」とは、ディズニーが永年えいねん浴あび続つづけている批判ひはんである。そもそもパブリック・ドメインの思想しそうを無視むしし、人類じんるいの文化ぶんか遺産いさんを私企業しきぎょうが私物しぶつ化かするディズニーの姿勢しせい自体じたいが、文化ぶんかの発展はってんを阻害そがいする反はん社会しゃかい的てき行為こういであるとの批判ひはんも強つよい。

著作ちょさく権けん侵害しんがいや商標しょうひょうに関かんする批判ひはん・裁判さいばん

中なかには「明確めいかくな著作ちょさく権けんのある近代きんだい作品さくひん」をモデルにしたアニメーションやディズニーの名称めいしょうを盗用とうようした店舗てんぽ名めいもあり、こちらは抗議こうぎだけでなく実際じっさいの裁判さいばん問題もんだいが発生はっせいしている。

• 原作げんさく者しゃA・A・ミルンからキャラクター使用しようなどの契約けいやくをしたイギリス童話どうわ「クマのプーさん」は、元もと絵えの主人公しゅじんこうやキャラクターをアメリカテイストに変更へんこうしたり、勝手かってにストーリーを作つくり続つづけるなどして原作げんさく者しゃとイギリス本国ほんごくから裁判さいばんを起おこされている。
• 1989年ねんには、福岡ふくおか県けん福岡ふくおか市し中央ちゅうおう区くにオープンしたパチンコ店てん「ディズニー清川きよかわ支店してん（西日本にしにほんディズニー社しゃが運営うんえい・現存げんそんせず）」に対たいし、誤認ごにん混同こんどうと不正ふせい競争きょうそう防止ぼうし法ほう違反いはんを理由りゆうとしてウォルト・ディズニーが福岡ふくおか地裁ちさいに提訴ていそ、名称めいしょう使用しようの差さし止とめという形かたちでウォルト・ディズニー側がわが勝訴しょうそしている。
• 1994年ねん（平成へいせい6年ねん）、米べい映画えいが紙し『ハリウッドレポーター』が故こ手塚てづか治虫おさむの「ジャングル大帝たいてい」（米べい66年ねん放映ほうえい「キンバ・ザ・ホワイト・ライオン」）との類似るいじ点てんを指摘してきした記事きじに始はじまる騒動そうどう。日本にっぽん漫画まんが家か協会きょうかいの里中さとなか満智子まちこが「偶然ぐうぜんの一致いっちとは言いい切きれない」として配給はいきゅう会社かいしゃに抗議こうぎメッセージを送おくるなど話題わだいになったが、手塚てづかプロダクション側がわが、「手塚てづか治虫おさむ自身じしんがディズニーのファンであり、もし故人こじんが生いきていたら「手塚てづか治虫おさむがディズニーに影響えいきょうを与あたえたというのなら光栄こうえいだ」と語かたっただろう」と言いうことで不問ふもんとしたため、裁判さいばんにはならなかった。
• 2003年ねんには、『ファインディング・ニモ』が、「自書じしょの『Pierrot Le Poisson-Clown』の盗作とうさくである」として、フランス人じん作家さっかFranck Le Calvezから提訴ていそされ、翌年よくねんにわたっての係争けいそうとなっている。結果けっか、ウォルト・ディズニー側がわが勝訴しょうそした。
• 2006年ねん3月がつ10日とおかには、映画えいが企画きかくの題名だいめいが、ロサンゼルスの暴走ぼうそう族ぞく集団しゅうだんヘルズ・エンジェルスから「我々われわれのグループ名めい『Wild Hogs』の商標しょうひょうロゴとマークを盗用とうようしている」として著作ちょさく権けん侵害しんがい訴訟そしょうを起おこされている。

「明確めいかくな原作げんさくがない独自どくじのストーリー」としては、映画えいが会社かいしゃピクサー・アニメーション・スタジオとの協同きょうどう作品さくひんがあるが、これについてはディズニー作品さくひんというよりも、最先端さいせんたんのCG技術ぎじゅつを持もったピクサーによる別べつ会社かいしゃ作品さくひんとして、ディズニー作品さくひんとしての類似るいじ点てんは見みられない（役割やくわり分担ぶんたんとして配給はいきゅうや販売はんばい促進そくしんを担当たんとう）。しかし、同どう会社かいしゃをディズニーが買収ばいしゅうしたことにより、「原作げんさく使用しようを訴うったえられるので今度こんどは映画えいが会社かいしゃそのものを取とり込こんだ」というような内容ないようで批判ひはんされている。

キャラクターグッズ生産せいさん工場こうじょうによる労働ろうどう問題もんだい

ディズニーの映画えいが作品さくひんにおけるキャラクターグッズの生産せいさん工場こうじょうは、東南とうなんアジア、中南米ちゅうなんべい、中央ちゅうおうアジア、中近東ちゅうきんとう、東欧とうおうなどの発展はってん途上とじょう国こくを拠点きょてんとして、約やく3000の工場こうじょうと数すう千せん人にんの労働ろうどう者しゃを擁ようしているが、その中なかには児童じどう労働ろうどうや低てい賃金ちんぎん、衛生えいせい上じょうの欠陥けっかんなど、劣悪れつあくな労働ろうどう環境かんきょうが確認かくにんされた事例じれいがあり（いわゆるスウェットショップ）、批判ひはんの対象たいしょうとなっている。

1995年ねんには、アメリカ連邦れんぽう政府せいふの調査ちょうさ機関きかんがロサンゼルスの2つの工場こうじょうを強制きょうせい捜査そうさし、児童じどう労働ろうどうや無む報酬ほうしゅうでの労働ろうどうなどが確認かくにんされた。

1998年ねん、アメリカのNGO組織そしき「人ひとと労働ろうどう者しゃの権利けんりを支援しえんする国際こくさい労働ろうどう委員いいん会かい（NLC）」は、ハイチにおけるディズニーのキャラクターグッズ生産せいさん工場こうじょうが、ハイチ人じんの労働ろうどう者しゃに時給じきゅう60セントの条件じょうけんを呑のませようとしているとし、また「人間にんげん扱あつかいされていない」とのハイチ人じん労働ろうどう者しゃの声こえを伝つたえた。またNLCは前年ぜんねんの1997年ねんに、メキシコ国境こっきょうのアクーニャにある子供こども用ようシャツの縫製ほうせい工場こうじょう「Classic Apparel」を調査ちょうさし、強制きょうせい的てきな残業ざんぎょう、清潔せいけつな飲料いんりょう水すいの不足ふそく、トイレ休憩きゅうけいの制限せいげんを報告ほうこくしている。

2000年代ねんだいに入はいって、「クマのプーさん」のアメリカでの商品しょうひん化か権けん者しゃの妻つまであるシャーレイ・スレシンジャー（Shirley Slesinger Lasswell）は、NLCと共同きょうどうでこれらの工場こうじょうに対たいする改善かいぜん要求ようきゅうを開始かいし、最さい晩年ばんねんまで抗議こうぎを行おこなった。また、ディズニー製品せいひんのハイチ工場こうじょうの責任せきにん者しゃが「より安やすい生産せいさん拠点きょてん」として中国ちゅうごくに拠点きょてんを移うつすと発表はっぴょうした際さいには、米国べいこく政府せいふはマイケル・アイズナー宛あてに労働ろうどう条件じょうけん改善かいぜんを促うながす親書しんしょを送おくったが、アイズナーはこれを無視むし。ハイチの工場こうじょうは閉鎖へいさ縮小しゅくしょうされ、中国ちゅうごくへの移転いてんが行おこなわれた。

関連かんれん項目こうもく

• ディズニー作品さくひんの一覧いちらん
• ディズニーキャラクターの一覧いちらん
• ディズニーのコンピュータゲーム作品さくひん

外部がいぶリンク

• 公式こうしきウェブサイト（英語えいご）
• Disney.com（英語えいご）
• Disney.jp（日本語にほんご）