道教どうきょう戒律かいりつ

道教どうきょう戒律かいりつ，為ため用よう以約束やくそく道士どうし行為こうい，以防止ぼうし違反いはん教きょう規ぶんまわし的てき警戒けいかい條文じょうぶん。戒也作さく「誡」，有ゆう勸戒かんかい、教戒きょうかい、戒惡之の義よし，律りつ指ゆび條規じょうき、律令りつりょう。戒律かいりつ係がかり借か神明しんめい的てき名義めいぎ約束やくそく教徒きょうと，作為さくい教徒きょうと遵守じゅんしゅ的てき思想しそう與あずか行為こうい準則じゅんそく。道教どうきょう認みとめ為ため學がく道どう不ふ受戒じゅかい則そく無緣むえん得どく上じょう仙せん。將はた奉たてまつ戒行善ぜん看み作成さくせい仙せん得道とくどう的てき路ろ徑みち。

歷史れきし

早期そうき道教どうきょう有あ所謂いわゆる「天てん誡」或ある「道みち誡」，如《太平たいへい經けい》：「唯ただ原はら省しょう念ねん所しょ言げん，思おもえ見み天てん誡，以成其身，不ふ使つかい陷おちい危」，而有「虛きょ无無為むい自然しぜん圖ず道どう畢成誡」，「貪むさぼ財ざい色しょく災わざわい及胞中ちゅう誡」等とう教誡きょうかい；《老子ろうし想そう爾なんじ注ちゅう》中有ちゅうう「道貫どうめき中和ちゅうわ，當とう中和ちゅうわ行ぎょう之の；志こころざし意い不可ふか盈みつる溢，違たがえ道どう誡」。《想そう爾なんじ注ちゅう》文ぶん無な「道みち誡」具體ぐたい內容，然しか《道みち藏ぞう》《太ふとし上じょう老ろう君くん經けい律りつ》中ちゅう列れつ有ゆう「道德どうとく尊みこと經けい想そう爾なんじ戒」（想そう爾なんじ九きゅう誡）。

南北なんぼく朝あさ時期じき，道教どうきょう產さん生せい正式せいしき的てき戒條，如道民どうみん三さん戒，錄ろく生せい五戒ごかい，祭まつり酒さけ八戒はっかい，想そう爾なんじ九きゅう戒，智慧ちえ上品じょうひん十戒じっかい，老ろう君くん戒百ひゃく八はち十じゅう條じょう，又また有ゆう「律りつ文ぶん」多た論ろん犯罪はんざい刑罰けいばつ之の規ぶんまわし章あきら，如女おんな青あお鬼おに律りつ。道教どうきょう戒律かいりつ部ぶ份源自じ儒家じゅか的てき綱つな常つね禮れい教きょう和わ佛教ぶっきょう戒律かいりつ。

唐とう代だい道士どうし張ちょう萬福ばんぷく作さく《傳授でんじゅ三洞經誡法籙略說》，書中しょちゅう記載きさい三さん歸き戒（初はつ起おこり心しん入道にゅうどう受）、五戒ごかい（令れい除じょ五ご欲よく、出で五ご濁にご、修おさむ五德ごとく）、八戒はっかい（持もち八事やごと以契入神にゅうしん）、無上むじょう十戒じっかい（在俗ざいぞく男女だんじょ所しょ受，斷だん十じゅう惡行あくぎょう十善じゅうぜん）、初はつ真ま戒，以及各派かくは道士どうし所しょ受戒じゅかい等とう等とう。

全ちょん真教まさのり道士どうし丘おか處しょ機き公開こうかい傳でん戒，創立そうりつ「十方じっぽう叢林そうりん」。明代あきよ《正統せいとう道どう藏ぞう》收おさむ有ゆう王おう重陽ちょうよう《重陽ちょうよう立教りっきょう十じゅう五ご論ろん》，內容多た與あずか全ぜん真道まみち規ぶんまわし戒有關せき。元もと末明ほのか初はつ陸りく道和みちかず所しょ編へん《全ぜん真ま清規しんぎ》，是ぜ對たい於全真ま出家しゅっけ道士どうし在ざい叢林そうりん宮みや觀かん的てき生活せいかつ規範きはん。明代あきよ永樂えいらく年間ねんかん第だい四よん十じゅう三さん代だい天てん師し張ちょう宇初撰せん《道みち門もん十じゅう規ぶんまわし》，闡述道教どうきょう的てき淵源えんげん流派りゅうは、行持ぎょうじ規矩きく和わ宮みや觀かん應おう有ゆう之の規ぶんまわし。

傳說でんせつ清きよし初はつ全ぜん真しん龍りゅう門派もんぱ道士どうし王おう常つね月がつ於北京ぺきん白雲しらくも觀かん傳でん初はつ真ま戒（三さん皈依，積せき功こう歸き根ね五戒ごかい，虛きょ皇すめらぎ天てん尊とうと初はつ真しん十じゅう戒文）、中ちゅう極きょく戒（重じゅう編へん自じ《上うえ清きよし洞ほら真ま智慧ちえ觀かん身み大だい戒文》）、天仙てんせん大だい戒（出自しゅつじ鸞書《三壇圓滿天仙大戒略說》），合ごう稱たたえ「三さん壇だん大だい戒」。陳ちん柏かしわ勳いさお指出さしで出現しゅつげん三壇戒之說是嘉慶年以後的文獻，可能かのう為ため後人こうじん所しょ追つい述じゅつ。

道教どうきょう戒律かいりつ種類しゅるい繁多はんた，一般分為上中下三品戒。涉わたる及道教戒きょうかい律りつ的てき有ゆう關せき書籍しょせき，主要しゅよう收錄しゅうろく在ざい於《正統せいとう道どう藏ぞう》的てき戒律かいりつ類るい。重要じゅうよう的てき戒律かいりつ書しょ有ゆう：《洞ほら玄げん靈寶れいほう天てん尊みこと說せつ十戒じっかい經けい》、《要よう修おさむ科か儀ぎ戒律かいりつ鈔》、《三洞さんぼら眾戒文ぶん》、《虛きょ皇すめらぎ天てん尊とうと初はつ真しん十じゅう戒文》、《太ふとし上じょう老ろう君くん經けい律りつ》、《老ろう君くん音おん誦誡經けい》、《道みち門もん十じゅう規ぶんまわし》，全ぜん真しん派は有ゆう《全ぜん真ま清規しんぎ》，善ぜん書しょ類るい有ゆう《太ふとし微ほろ仙せん君くん功過こうか格かく》、《太ふとし上じょう感應かんおう篇へん》、《陰かげ騭文》、《警世けいせい功過こうか格かく》、《清規しんぎ玄妙げんみょう》等とう。在ざい《雲くも笈きゅう七なな籤くじ》、《無上むじょう祕ひ要よう》、《道みち教義きょうぎ樞くるる》、《道みち藏ぞう輯要》、《道みち藏ぞう精華せいか錄ろく》中ちゅう亦また收錄しゅうろく戒條。

當代とうだい道教どうきょう中ちゅう，全ちょん真教まさのり是ぜ奉行ぶぎょう「三さん皈、五戒ごかい、十戒じっかい、女おんな真しん九きゅう戒為基礎きそ的てき三さん壇だん大だい戒」，正せい一道いちどう各派かくは多た以「三さん皈、九きゅう真ま戒」（出で《太ふとし上じょう九真妙戒金籙度命拔罪妙經》）傳つて度ど授戒じゅかい。《大明だいめい玄げん教きょう立りつ成なり齋とき醮儀範はん》以九真戒為諸戒之首，特別とくべつ推崇：「無む上洞かぼら玄げん靈寶れいほう九きゅう真ま妙みょう戒者，諸しょ戒之首くび。天人てんにん共ども仰おおせ，幽かそけ顯あらわ咸遵，……仙せん凡仰之の，以為城郭じょうかく；幽かそけ顯あらわ資之すけゆき，以為梯はしご航こう；靈魂れいこん受之，以為法ほう藥やく。」。

分ぶん类

各派かくは别中，有ゆう共通きょうつう遵守じゅんしゅ之の戒，也有やゆう各派かくは自制じせい之の戒。根ね据すえ规则的てき严紧程度ていど，戒律かいりつ可か以分成なり上品じょうひん戒、中ちゅう品ひん戒、下品げひん戒；根ね据すえ戒條的てき多少たしょう，有ゆう五戒ごかい、想そう尔九戒、十戒じっかい、碧玉へきぎょく真ま宫大戒规、军佑帝みかど君くん十戒じっかい、老ろう君くん二に十じゅう七なな戒、智慧ちえ上品じょうひん大だい戒、智慧ちえ闭塞六ろく情じょう上品じょうひん成なり、智慧ちえ度ど生せい上品じょうひん大だい戒、三洞さんぼら众戒文ぶん、三さん坛大戒等等とう。举例如下：

• 初はつ真ま五戒ごかい：不ふ杀生、不ふ偷盗、不ふ邪淫じゃいん、不ふ妄语、不ふ饮酒，爲ため清きよし信士しんじ所しょ受戒じゅかい律りつ。又また名めい五戒ごかい。。

• 初はつ真ま十戒じっかい：
  • 第だい一いち戒者，不ふ得とく不忠ふちゅう不孝ふこう，不仁ふじん不信ふしん，当とう尽つき节君亲，推成万物ばんぶつ。
  • 第だい二に戒者，不ふ得とく阴贼潜せん谋，害がい物ぶつ利己りこ，当行とうこう阴德，广济群生ぐんせい。
  • 第だい三さん戒者，不ふ得とく杀害含生，以充滋味じみ，当行とうこう慈惠じえ，以及昆虫こんちゅう。
  • 第だい四よん戒者，不ふ得とく淫いん邪よこしま败真，秽慢灵气，当とう守もり贞操，使つかい无缺犯はん。
  • 第だい五戒ごかい者しゃ，不ふ得とく败人成功せいこう，离人骨肉こつにく，当とう以道助すけ物ぶつ，令れい九族きゅうぞく雍和。
  • 第だい六ろく戒者，不ふ得とく谗毁贤良，露ろ才ざい扬己，当とう称しょう人じん之の美び善ぜん，不ふ自じ优其功こう能のう。
  • 第だい七なな戒者，不ふ得とく饮酒食肉しょくにく，犯はん律りつ违禁，当とう调和气性，专务清きよし虚きょ。
  • 第だい八戒はっかい者しゃ，不ふ得とく贪求无厌，积财不ふ散ち，当行とうこう节俭，惠めぐみ恤贫穷。
  • 第だい九きゅう戒者，不ふ得とく交游非ひ贤，居きょ处秽杂，当とう慕胜己おのれ，栖集清きよし虚きょ。
  • 第だい十戒じっかい者しゃ，不ふ得とく轻忽言笑げんしょう，举动非ひ真しん，当とう持じ重じゅう寡辞，以道德どうとく为务。

• 靈寶れいほう天てん尊みこと說せつ十戒じっかい經けい：
  • 一いち者しゃ不ふ煞(殺ころせ)當とう念ねん眾生；
  • 二に者しゃ不ふ媱(婬いん)犯人はんにん婦女ふじょ；
  • 三者不盜取非義財；
  • 四者不欺善惡反論；
  • 五者不醉常思凈行；
  • 六ろく者しゃ宗そう親ちかし和睦わぼく，無む有ゆう非ひ親おや；
  • 七なな者しゃ見み人じん善事ぜんじ，心こころ助じょ歡喜かんき；
  • 八者見人有憂，助じょ為ため作さく福ぶく；
  • 九者彼來加我，志こころざし在ざい不ふ報ほう；
  • 十じゅう者しゃ一切いっさい未み得道とくどう，我わが不ふ有望ゆうぼう。

• 八戒はっかい：一者不得殺生以自活；二者不得淫慾以為悅；三者不得盜他物以自供給；四者不得妄語以為能；五者不得醉酒以恣意；六者不得雜臥高廣大床；七者不得普習香油，以為華はな飾かざり；八者不得耽著歌舞，以作倡伎。

• 想そう尔九戒：分上ぶんじょう中ちゅう下か三さん品ひん，共きょう九きゅう条じょう。又また称たたえ老ろう君きみ想そう尔戒、道德どうとく尊みこと经想尔戒，源みなもと出いずる《老子ろうし道德どうとく经想尔注》，爲ため正せい一派いっぱ的てき主要しゅよう戒律かいりつ之の一いち。正せい一派道长认为，能のう持じ上品じょうひん戒者，可か望もち位い登仙とうせん班はん；能のう持中もつちゅう品ひん戒者，可か以延年ねん益えき寿ことぶき；能のう持じ下品げひん戒者，可か以避免めん夭伤。
  • 上品じょうひん戒文：行あるき无为，行ぎょう柔弱にゅうじゃく，行ぎょう守もり雌めす勿先动。
  • 中ちゅう品ひん戒文：行あるき无名，行ぎょう清きよし静せい，行ぎょう诸善。
  • 下品げひん戒文：行あるき无欲，行ぎょう知ち止とめ足あし，行ぎょう推让。

• 正せい一派いっぱ四よん不ふ食しょく：牛うし，鯉こい鱔，鸿雁，犬いぬ。

• 忌き食しょく五ご辛からし：生なま蔥，韭にら，大蒜にんにく，小しょう蒜ひる，葫にんにく荽（註：應おう為ため興きょう渠みぞ。古代こだい誤傳ごでん興きょう渠みぞ為ため葫にんにく荽）。

参まいり见

• 道教どうきょう
• 佛教ぶっきょう戒律かいりつ

參考さんこう資料しりょう

• 《唐から宋そう时期的てき禅宗ぜんしゅう教きょう团与清きよし规之研究けんきゅう》东京大学だいがく东洋文化ぶんか研究所けんきゅうじょ 湛たたえ如
• 《道教どうきょう戒律かいりつ学がく》任にん宗むね权（ISBN: 9787801239259）