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封神演義 : 紂王無道造炮烙 - Chinese Text Project
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《紂王無道むどうづくり炮烙》

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1 紂王無道むどう... :
曰:
紂王無道むどうころせちゅうけんこくむご冤觸上天じょうてん。俠烈つきずい灰燼かいじんめつ;妖氛偏向へんこうきんみや旋。
ちょう豔曲まゆみばんくれ宿やどりゅうよだれ吐碧けむり取次とりつぎ催殘耇散,たましいけいかえしえん

2 紂王無道むどう... :
はなしせつ紂王おどろき壞了妲己,慌忙措,そくつてむねいのちさむらいかんはた寶劍ほうけんりつこく焚毀。不知ふち此劍莫非松樹まつきそぎなりけいとくだて焚盡。さむらいかんかいむね。妲己焚了此劍,妖光ようこうふくちょうきゅう精神せいしんせいゆうためしょう曰:
寶劍ほうけんさとしなにいさお妖氣ようき依然いぜんとおる九重ここのえ惜商なる畫餅がべい,五更殘月曉霜濃。

3 紂王無道むどう... :
妲己きゅうさむらいくん,擺宴ざい宮中きゅうちゅう歡飲。

4 紂王無道むどう... :
且說此時くも中子なかごひさし曾回おわり南山なんざんかえ在朝ざいちょうゆるがせ妖光ようこうふくおこりおきあきらみや闈。くも中子なかごてんくび歎曰:「わがただよく以此けん鎮減妖氛,ややのべなり脈絡みゃくらく,孰知大數たいすうやめはたわが此劍焚毀。一則是成湯合滅;二則是周國當興;三則神仙遭逢大劫;四則姜子牙合受人間富貴;五則有諸神欲討封號。やめやめやめ,也是貧道ひんどう下山げざん一場いちじょうとめじゅうよん,以驗後人こうじん。」くもちゅう子取ことりぶんぼうよんたからとめ筆跡ひっせきざいつかさ天臺てんだいもりたいあきら牆上。曰:
「妖氛けがれらん宮廷きゅうてい聖德せいとく播揚西土せいどようしみあさうたつちのえうまとしちゅう甲子きのえね。」

5 紂王無道むどう... :
くも中子なかごだいやめ,逕回おわり南山なんざんりょう

6 紂王無道むどう... :
且言あさうた百姓見道人在照牆上吟詩,俱來ねんかい其意。人煙じんえんよう擠,聚積せいあいだ只見ただみふとしもりもとずくかいあさ只見ただみ許多きょたじんかこえ遶府まえ兩邊りょうへん侍從じじゅうじんかつひらきたいとい:「甚麼いんもごと?」かんもんやく稟:「老爺ろうやゆう一道人在照牆上吟詩,此眾じんらい。」もりたいざい馬上もうえじゅうよん,其意頗深,一時いちじ難解なんかいいのちもんやくはた水洗すいせんりょうたいすすむはたじゅうよん細細こまごま推詳,きゅうきわむかそけほろおわり莫解。くらそう:「此必前日ぜんじつしんあさけんじ劍道けんどうじんせつ妖氣ようき旋繞みや闈,此事たおせゆう些著落。連日れんじつわがよるかんいぬいぞう妖氣ようきもり,旋繞きん闥,ていゆう不祥ふしょうとめ此鈐目今もっこん天子てんし荒淫こういん朝政ちょうせいけん奸蠹惑,てん愁民怨,きょうおとろえわがとう先帝せんてい重恩じゅうおんあんしのぶ坐視ざしみるちょうちゅう文武ぶんぶ個個ここおもえ人人ひとびと危懼きくわかじょう此具いち本章ほんしょうちから諫天つき其臣ぶしかいちょく沽名,じつため國家こっか治亂ちらん。」もりもとずく當夜とうや修成しゅうせい疏章,至文しぶん書房しょぼう不知ふち何人なんにんほん今日きょう卻是首相しゅしょうしょうようもとずく大喜だいぎ上前うわまえれいさけべ曰:「ろう丞相じょうしょう昨夜さくやもとずくかん天台てんだい妖氣ようき纍貫ふかみやわざわい立見たちみ天下てんかごと可知かち矣。主上しゅじょう國政こくせいおさむあさつなあさ歡暮らく荒淫こういん酒色しゅしょく宗廟そうびょう社稷しゃしょくしょせき治亂ちらんしょ繫,同小どうしょうあにとく坐視ざしこんとく諫章,うえ於天。敢勞丞相じょうしょうはた此本てんたちてんにわ丞相じょうしょう如何いか?」しょうよう聽言,曰:「ふとしすんで有本ありもとあきらろうおっとあにゆう坐視ざしただ連日れんじつ天子てんし御殿ごてんにわなん於面そう今日きょうろうおっと與太よたしん內庭めんかなでなに如?」しょうようしんきゅうあいだ大殿おおいどのりゅういさお殿どのあらわけい殿どのよしみよし殿どのさい過分かぶんみやろうしょうようたてまつかんたてまつかんこうしょう:「ろう丞相じょうしょうことぶき仙宮せんきゅう乃禁闥所在しょざいせい躬寢しつそとしんとくしん此!」しょうよう曰:「わがあに不知ふち?你與わがけいそうしょうようこうむね。」たてまつかんしんみやあきらそう:「首相しゅしょうしょうようこうむね。」おう曰:「しょうよう何事なにごとしん內見ちんただし雖是がいかん,乃さんせい老臣ろうしん也,以進。」いのち:「せん!」しょうようしんみやくちたたえ陛下へいか」,俯伏かいまえおう曰:「丞相じょうしょうゆう緊急きんきゅうそうあきら特進とくしん宮中きゅうちゅうちん?」しょうようけいそう:「てのひら天台てんだいくびかんもりもとずく昨夜さくやかんいぬいぞう妖氣ようきあきらかごきん闕,わざわい立見たちみもとずくさんせい老臣ろうしん陛下へいか股肱ここうにん坐視ざし。且陛何事なにごとにちしつらえあさ國事こくじ端坐たんざふかみや使つかい百宮日夜憂思。こんしんとう斧鉞ふえつ誅,おかせてんため沽直,乞垂天聽てんちょう。」はたほん獻上けんじょう兩邊りょうへんさむらい御宮おみやせっほんざいあん。紂王展開てんかいかん
疏臣てのひら天台てんだいかんもりもとずくそうため國安くにやすみんやすしじょ妖,以隆むねしゃごとしん國家こっかはたきょうただしさち必現;國家こっかはたほろび,妖孽必生。しんもとずくよるかんいぬいぞうかいきり不祥ふしょう妖光ようこう遶於內殿,むごこめ罩深みや陛下へいか前日ぜんじつ躬臨大殿おおいどの有終ゆうしゅう南山なんざんくも中子なかご妖氣ようきぬき於宮闈,特進とくしん木劍ぼっけん鎮壓ちんあつ妖魅。聞陛下火したび木劍ぼっけん聽大けんげん,致使妖氛ふくなりにちもりいちにちおき霄貫わざわい患不しょうしんせつおもえまもるしん貴人きじんこれ陛下へいかあさつなあんせいちり墀下ひゃく草生くさわかいぜんこけこんちょうみどり朝政ちょうせい紊亂びんらん百官ひゃっかん失望しつぼうしんとうなんきん天顏てんがん陛下へいかむさぼこいしょくにちゆう歡娛。君臣くんしんかい,如雲蔽日。なんにちとく睹賡おこりたかしさい太平たいへい天日てんじつ也?しん斧鉞ふえつおかせじょうげんややつき臣節しんせつ。如果しんげん謬,もち陛下へいかはやおとそくたまもの施行しこうしんとうかち惶悚待命たいめいいたり!謹具疏以聞。」

7 紂王無道むどう... :
紂王畢,おもえ:「げん甚善。ただよし本中ほんなか具有ぐゆうくも中子なかごじょ妖之ごと前日ぜんじついく乎把美人びじんけんせいいのちたくてんひさしたすく,焚劍かたやす;」今日きょうまたげん妖氛ざいみや闈之!」紂王かいくびとい妲己曰:「もりもとずく上書うわがきまたひさげ妖魅しょうおかせ,此言はて何故なぜ?」妲己上前うわまえ跪而そう曰:「前日ぜんじつくも中子なかご乃方がいじゅつかりこね妖言ようげん,蔽惑ひじりさとしゆららん萬民ばんみん,此是妖言ようげんらんこくこんもりもとずくまたかり此為だいみな朋黨ほうとう惑眾,げんせいごと百姓ひゃくしょういたり一轉いってん妖言ようげん慌者慌,不亂ふらんしゃみだれ,致使百姓ひゃくしょうすめらぎすめらぎ,莫能やす自然しぜんせいらんきわむ其始,みな無稽むけいげん惑之也。妖言ようげん惑眾しゃころせ赦!」紂王曰:「美人びじんごとごくとう!」つてちんむねもりもとずく梟首きょうしゅしめせ眾,以戒妖言ようげん!」首相しゅしょうしょうよう曰:「陛下へいか,此事不可ふかもとずくさんせいろうきょ秉忠りょう真心まごころ為國ためくに,瀝血披肝,あさふところほうぬしおんくれおもえむくいきみとく一片いっぺん苦心くしんとくやめ而言きょう且職受司てんしるしあきら吉凶きっきょうわか按而そうおそれ有司ゆうしさんろんこん以直諫,陛下へいかはんたまもの其死,もとずく雖死,以命ほうくん,就歸めい自分じぶんとく其死しょただおそれよんひゃくぶん武之たけゆきちゅうかくゆう不平ふへいもとずく無辜むこ受戮。もち陛下へいかげん其忠しん,憐而赦之。」おう曰:「丞相じょうしょう不知ふちわかもとずく誣言ぶげんおわりやめ,致令百姓ひゃくしょうすめらぎすめらぎゆうやすし宇矣。」しょうようよくまちさい諫,怎奈紂王したがえれいたてまつかんおくしょうようみやたてまつかん逼令而行,しょうようとくやめただとく出來でき。及到文書ぶんしょぼうもりたい俟候いのち不知ふちゆうころせわざわいむねやめ:「もりもとずく妖言ようげん惑眾,拿下梟首きょうしゅ,以正國法こくほう。」たてまつかんせん讀駕じょう畢,よしぶんせつはたもりもとずく摘去衣服いふくなわまといさく綁,拿出うまもん

8 紂王無道むどう... :
ほういたるきゅうりゅうきょう只見ただみいち大夫たいふ穿ほじだいべにほう,乃梅はく也。もりたい綁縛而來,むかいぜんとい曰:「ふとしとくなんざい如此?」もとずく曰:「天子てんし失政しっせいわれとう上本うえほん內庭,げん妖氣ようき纍貫於宮ちゅうわざわいほしりつへん於天首相しゅしょうてんたちゆうはん天顏てんがんくんたまものしん敢違むねうめ先生せんせい,『功名こうみょうさく灰塵かいじんすう丹心たんしん,竟成冰冷!」うめはく聽言:「兩邊りょうへんてき,且住りょう。」竟至きゅうりゅうきょうあたりてき首相しゅしょうしょうよううめはく曰:「請問丞相じょうしょうもりたいゆうなんざいはんくんとくたまもの其死?」しょうよう曰:「もとずく本章ほんしょうじつため朝廷ちょうていいん妖氛遶於禁闕きんけつかいあきら於宮闈。當今とうぎん聽蘇美人びじんげんすわ以『妖言ようげん惑眾,おどろき萬民ばんみんこれざいろうおっと諫,天子てんししたがえ。如之奈何いかん!」うめはく聽罷,ただどく靈神れいじん暴躁,三昧ざんまい火燒ひたきむね」:「ろう丞相じょうしょう燮理陰陽いんよう調和ちょうわかなえ鼐,奸者そく,佞者そく誅,賢者けんじゃそくこものうしゃそく褒,きみせい首相しゅしょう無言むごんきみ不正ふせい直言ちょくげん諫主。こん天子てんし無辜むこ而殺大臣だいじん丞相じょうしょう這等鉗口不言ふげん奈,是重これしげ一己いっこ功名こうみょうけいあさ內之股肱ここう,怕死むさぼなまあい血肉けつにくほろ軀,懼君おうけいてんみな丞相じょうしょう所為しょい也!」さけべ:「兩邊りょうへん,且住りょうまてわがあずか丞相じょうしょうめんくん!」うめはく攜商よう大殿おおいどの,逕進內庭。

9 紂王無道むどう... :
はく乃外かん,及至ことぶき仙宮せんきゅうもんくび便びん俯伏。たてまつかんけいそう:「しょうよううめはくこうむね。」おう曰:「しょうようさんせい老臣ろうしんしん內可赦;うめはく擅進內廷,遵國ほう。」つてむね:「せん!」しょうようざいまえうめはくずいしんみや俯伏。おうとい曰:「きょうゆうなんそうあきら?」うめはくこうしょう:「陛下へいかしんうめはく疏,もりもとずく何事なにごと干犯かんぱん國法こくほう,致於たまもの?」おう曰:「もりもとずくあずかかた通謀つうぼうこね妖言ようげんゆら軍民ぐんみん,播亂朝政ちょうせい,污衊朝廷ちょうていため大臣だいじんおもえむくいほんむくいおん,而反いつわりげん妖魅,こうむ蔽欺くんりつほうとう誅,じょ奸勦佞,不為ふためみみ。」うめはく聽紂おうげん不覺ふかく厲聲そう曰:「しん聞堯おう天下でんかおうてん而順じんごと聽於文官ぶんかんけいしたがえ武將ぶしょういちにち一朝いっちょうともだんあん民治たみじ國之くにゆきどう讒遠しょくきょうらく太平たいへいこん陛下へいかはんあさらく於深みやちょうちょういんえん夜夜よよ歡娛,朝政ちょうせいよう諫章。しん聞「きみ如腹しんしん手足てあし」,こころ正則せいそく手足てあしただしこころ正則せいそく手足てあしいびつよこしま古語こごゆううん:『しんただしくんよこしまくに患難。」もりもとずく治世ちせい忠良ただよし陛下へいかわかもとずく而廢先王せんおう大臣だいじん,聽豔げんゆうきず國家こっかはりとうしん願主がんしゅこう赦杜もとずく毫末ごうまつなま使つかい文武ぶんぶおおせきよしくん大德だいとく。」

10 紂王無道むどう... :
紂王聽言:「うめはくあずかもとずくいちとう違法いほうしんみやぶん內外,本當ほんとうあずかもとずくいちれいてんけい,奈前さむらいちんゆうろうしゅうとめん其罪,そぎ其上大夫たいふえい敘用!」うめはく厲聲大言たいげん曰:「昏君聽妲おのれげんしつ君臣くんしんよしいまもとずくあにこれもとずくまことあさうた萬民ばんみんいまやめうめはくしょくけい如灰ちり。這何あし惜!ただししのぶしげるすう百年基業喪於昏君之手!こん聞太きたせいあさつなすべ百事ひゃくじ混淆こんこう。昏君聽讒佞之しん左右さゆう蔽惑,あずか妲己ざいふかみやにちよる荒淫こういん天下でんか變亂へんらんしんめん先帝せんてい於黃壤也!」紂王だいいかちょたてまつかん:「うめはく拿下用金ようきんふりげきいただき!」兩邊りょうへん纔待どうしゅ,妲己曰:「わらわゆうそうしょう。」おう曰:「美人びじんゆうなんそうちん?」──「わらわけいぬしおおやけ人臣じんしんりつ殿どのちょうまゆ豎目,詈語あなどきみ大逆だいぎゃくみち亂倫らんりんはんつね一死いっし贖者也。且將うめはくけんきん囹圄れいごわらわいちけいもりずるしん瀆奏,じょよこしまごとみだれただし。」紂王とい曰:「此刑何樣なにさま?」妲己:「此刑やくこうたけえんはちしゃくうえなかしたようさんもんはたどう造成ぞうせい,如銅ばしら一般いっぱんうらよう炭火すみびしょうべに。卻將妖言ようげん惑眾、利口りこうあなどきみみこと法度はっと無事ぶじ妄生諫章、あずか諸般しょはん違法いほうしゃはだし剝官ふくはた鐵索てっさくまとい,裹圍どうばしらうえただ炮烙四肢しし筋骨きんこつ須臾しゅゆけむりつきこつきえつきなり灰燼かいじん。此刑めい曰『炮烙』。わか此酷けい,奸猾しん,沽名やからつき玩法みな不知ふち戒懼。」紂王曰:「美人びじんほういいつきぜんつき!」そくいのちでんむね:「はたもりもとずく梟首きょうしゅしめせ眾,以戒妖言ようげんはたうめはくきん囹圄れいご。」またつてむね:「あきらさまづくり炮烙けいげんさくそく完成かんせい。」首相しゅしょうしょうようかん紂王將行まさゆき無道むどうにんしん妲己,竟造炮烙,ざいことぶき仙宮せんきゅうぜん歎曰:「いまかん天下でんか大事だいじ矣!ただなり懋敬厥德,一片いっぺん小心しょうしんうけたまわてんながいのちあにでん至當しとうこん天子てんし一旦いったん無道むどうななびょうもり社稷しゃしょく坵墟。わがなににん!」また聽妲おのれづくり炮烙けいしょうよう俯伏そう曰:「しんけい陛下へいか天下てんか大事だいじやめじょう國家こっか萬事ばんじかんやすし老臣ろうしんおとろえくち不堪ふかん重任じゅうにんおそれしつ顛倒てんとうとくざい於陛こん乞念しんさむらいくんさんせいかず揆席,じつ愧素餐,陛下へいか雖不そくたまものやめ斥,其如しんいさおろうなにもち陛下へいか赦臣ざん軀,でんさととく含哺鼓腹こふく於光てんしたみな陛下へいかしょたまものねん也。」紂王しょうようかん居相いあいおう慰勞いろう曰:「きょう雖暮ねんなお矍鑠かくしゃく奈卿固辭こじただしきょうあさつな勞苦ろうくすういん懃,ちん甚不にん。」そくいのちずいさむらいかん:「つてちんむねてん文官ぶんかんいんよんひょうれいおくきょうさかえ故里ふるさと。仍著ほん地方ちほうかん不時ふじそんとい。」しょうよう謝恩しゃおんあさ

11 紂王無道むどう... :
いち,百官俱知首相商榮致政榮歸,かくどおおくとうゆうとらほろほろけいほろ衍各かん,俱在じゅうさとちょうてい餞別せんべつしょうよう百官在長亭等候,ただとく下馬げば只見ただみなな親王しんのう把手とっていち舉:「ろう丞相じょうしょう今日きょうかたさかえ,你為いち國元くにもとおい如何いかとく這般しゃはんどく,就把なり社稷しゃしょく拋棄いちつくりあげむち而去,於心安乎あいが!」しょうよう泣而げん曰:「れつ殿下でんか,眾位先生せんせいしょうようたて粉骨碎身ふんこつさいしんなん報國ほうこくおん,這一死何足為惜,而偷やす苟免。こん天子てんし信任しんにん妲己,はしづくりあく製造せいぞう炮烙酷刑こっけいこばめ諫殺ちゅうしょうようりょく諫不聽,また不能ふのう挽回ばんかいせい不日ふじつてん愁民怨,わざわいらん自生じせいしょうようしん不足ふそく以輔くんてきあし以彰とくやめ讓位じょういまちざい,俟賢才けんさいしゅん彥,だいてん經綸けいりん,以救みだれ,此容本心ほんしん敢遠くん而先はかりごと也。れつ殿下でんかしょたまものしょうようりついんいちはい。此別りょうかえゆう會期かいき。」乃持はい作詩さくしいちしゅ,以誌後會こうかいこれ曰:
こうむくん十里送歸程,さけちょうていなみだやめかたぶけかいくび天顏てんがんなり隔世かくせい歸來きらい畎韮かみきょう
丹心たんしんなんりゅう逄血;あかそら消夏しょうか桀名。幾度いくどばなし悒怏,なんねんじゅう別離べつりじょう?」

12 紂王無道むどう... :
しょうよう作詩さくしやめ畢,百官無不灑淚而別。しょうよう上馬かみうまぜんかくかん俱回あさうたひょう

13 紂王無道むどう... :
はなしごと紂王ざいみや歡樂かんらく朝政ちょうせいあららんいちにちかんづくり炮烙かんけい奏功そうこうかん。紂王だいえつもん妲己曰:「どうばしらづくりかん如何いか處置しょち?」妲己めいじらいかんづくりかんはた炮烙どうばしら推來:鄧鄧てきだかたけえんはちしゃくさんそうもんしもゆうたぎばん,推動好行よしゆき。紂王かんゆび妲己而笑曰:「美人びじんかみでん授奇ほう治世ちせいたからまちちん明日あした臨朝,さきはたうめはく炮烙殿どのまえ使つかい百官ひゃっかん懼,敢阻たわわ新法しんぽうしょう牘煩擾。」一宿いちやどりだい

14 紂王無道むどう... :
つぎ,紂王しつらえあさ鐘鼓しょうこひとし,聚兩はん文武ぶんぶ朝賀ちょうがやめ畢。たけしげるおうとら殿でんひがしじゅうだいどうばしら不知ふち此物新設しんせつなんようおう曰:「つてむねうめはく拿出!」殿しんがりかん拿梅はく。紂王いのち炮烙どうばしら推來,はた三層火門用炭架起,またもちいきょおうぎ搧那炭火すみび一根銅柱火燒的通紅。眾官不知ふち其故。うまもんかんけいそう:「うめはくやめいたりうまもん。」おう曰:「拿來!」りょうはん文武ぶんぶうめはくあかめんよもぎあたま穿ほじじまもと上殿かみどの跪下,くちしょう:「しんうめはくさん陛下へいか。」紂王曰:「匹夫ひっぷ!你看此物甚麼いんも東西とうざい?」うめ大夫たいふかん不知ふち此物,たい曰:「しん不知ふち此物。」紂王わらい曰:「你只內殿あなどきみ,仗你利口りこう誣言ぶげん毀罵。ちん躬治もとはる此新けいめい曰:『炮烙。』匹夫ひっぷ今日きょう九間殿前炮烙你,きょう你筋こつなりはい使つかいきょう妄之,如侮そし人君じんくんしゃ,以梅はくためれいみみ。」うめはく聽言,だいさけべののし曰:「昏君!うめはくけい鴻毛こうもうゆうなん惜哉!わがうめはくかんきょじょう大夫たいふ三朝みささ舊臣きゅうしんこんとくなんざい,遭此むごけいただ可憐かれんなり天下でんか於昏くんひさ以後いごはたなにめん目見まみなんじ先王せんおうみみ!」紂王だいいかはたうめはく剝去衣服いふく赤身あかみはた鐵索てっさく綁縛其手足てあしだきじゅうどうばしら可憐かれんうめはくだいさけべ一聲いっせい,其氣やめぜっ只見ただみ九間殿上烙得皮膚筋骨,におい不可ふか聞,いちため灰燼かいじん可憐かれんいちへん忠心ちゅうしん半生はんせいあかきも直言ちょくげん諫君,遭此慘禍さんかせいいちてん丹心たんしん大海たいかい芳名ほうめいとめとくまんねんあげ。」後人こうじん此,ゆう歎曰:
血肉けつにくざん軀盡はい丹心たんしん耿耿しょくさんだい生平おいだいら正直しょうじきへんとう死後しごえいだましいまたたけし哉。
れつ焰俱ずい亡國ぼうこくつき芳名ほうめいはた史官しかんさい可憐かれん太白たいはくかか旗日はたび,怎似先生せんせい歎雋ざい

15 紂王無道むどう... :
はなしせつ王將おうしょううめはく炮烙ざいきゅうあいだ大殿おおいどのまえ,阻塞忠良ただよし諫諍くち,以為しんけいまれただし不知ふちりょうはん文武ぶんぶかん此刑,うめはく慘死ざんし恐懼きょうく人人ひとびとゆう退すさちぢみしん個個ここゆう不為ふためかん。紂王かいことぶき仙宮せんきゅうひょう

16 紂王無道むどう... :
且言眾大臣だいじん俱至うま門外もんがい,內有ほろたいたけしげるおうとら曰:「天下てんかあらあら北海ほっかい動搖どうよう,聞太そち為國ためくに遠征えんせい不意ふい天子てんしにんしん妲己,みやつこ此炮烙之けい殘害ざんがい忠良ただよしわか使つかい播揚四方しほう天下てんか諸侯しょこう聞之,如之奈何いかん!」とら聞言,はた五柳長鬚撚在手內,だいいか曰:「さん殿下でんかよりどころわがすえはたはたおこりらい,此炮烙不炮烙大臣だいじん,乃烙てき紂王江山えやま,炮的なり社稷しゃしょくうんどうこう:『きみしん手足てあしのりしんくん如腹しんくんしん如土あくたのりしんくん如寇讎。』こん主上しゅじょうくだり仁政じんせい,以非けいじょう大夫たいふ不出ふしゅつすうねん,必有らんわがひとしあににん坐視ざし敗亡はいぼう?」眾官俱各かく嗟歎さたん而散,かくたく

17 紂王無道むどう... :
且言紂王かいみや,妲己迎接げいせつせい。紂王輦,攜妲おのれしゅ而言曰:「美人びじん妙策みょうさくちん今日きょう殿どのぜん炮烙りょううめはく使つかい眾臣俱不敢出頭しゅっとうきょう諫,鉗口ゆいした唯唯ただただ而退。此炮烙乃治國ちこくたから也。」つてむね:「しつらええんあずか美人びじんこう。」其時しょう簧雜そうしょうかんひとし。紂王あずか妲己ざいことぶきせんかん百般ひゃっぱん作樂さくら無限むげん歡娛,不覺ふかくきこりろうかくさららくごえいきゆうじんふうはた此樂おんおくいた中宮ちゅうぐうきょう皇后こうごうひさしただ聽樂ごえ聒耳,もん左右さゆう宮人みやびと:「這時候じこううら作樂さくら?」兩邊りょうへん宮人みやびとこたえ:「むすめむすめ,這是ことぶき仙宮せんきゅう美人びじんあずか天子てんしいんえん未散みちる。」きょう皇后こうごう歎曰:「さく天子てんししん妲己,みやつこ炮烙,殘害ざんがいうめはくむご不可ふかげんわがそう這賤じん蠱惑こわくひじりさとし,引誘人君じんくん,肆行みち。」そくいのちじょう輦:「まてわが往壽仙宮せんきゅうはしいち遭。」──かん,此一めんゆう娥眉妒之ただ是非ぜひしたがえ此起,災禍さいか前生ぜんしょう不知ふち後事こうじ如何いか,且聽かい分解ぶんかい

しんこくがねはくけい先生せんせい批評ひひょうふうしん演義えんぎ
URN: ctp:fengshen-yanyi/6