Apple

Apple Inc.（アップル）は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの多た国籍こくせきテクノロジー企業きぎょうである。カリフォルニア州しゅうクパチーノに本社ほんしゃを置おく。デジタル家庭かてい電化でんか製品せいひん、ソフトウェア、オンラインサービスの開発かいはつ・販売はんばいを行おこなっている。

Apple Inc.

カリフォルニア州しゅうクパティーノにあるApple Park
種類しゅるい	株式会社かぶしきがいしゃ
市場いちば情報じょうほう	NASDAQ AAPL 1980年ねん12月12日にち上場じょうじょう
本社ほんしゃ所在地しょざいち	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく  カリフォルニア州しゅう クパティーノ市しアップル・パーク・ウェイ1番地ばんち（Apple Park）北緯ほくい37度ど20分ふん06秒びょう 西経せいけい122度ど0分ふん32秒びょう
設立せつりつ	1976年ねん4月がつ1日にち
業種ぎょうしゅ	電気でんき機器きき
事業じぎょう内容ないよう	デジタル家庭かてい電化でんか製品せいひんおよびソフトウェアの開発かいはつ・販売はんばい等とう
代表だいひょう者しゃ	アーサー・レビンソン会長かいちょう ティム・クックCEO
売上うりあげ高だか	3,832億おく9,000万まん米あめりかドル（2023）
営業えいぎょう利益りえき	1,143億おく米あめりかドル（2023）
純じゅん利益りえき	970億おく米あめりかドル（2023）
純資産じゅんしさん	621.5億おく米あめりかドル（2023）
総そう資産しさん	3,525億おく8,000万まん米あめりかドル（2023）
従業じゅうぎょう員数いんずう	161,000人にん（2023年ねん）
支店してん舗数	526店舗てんぽ（2023年ねん8月がつ時点じてん）
決算けっさん期き	9月30日にち
主要しゅよう株主かぶぬし	バンガード・グループ（8.34%） ブラックロック（6.65%） バークシャー・ハサウェイ（ウォーレン・バフェット）（5.86%） State Street Global Advisors （3.70%） ローレン・パウエル・ジョブズ 1億おく5400万まん株かぶ（個人こじん筆頭ひっとう株主かぶぬし） アーサー・レビンソン 4588万まん株かぶ（個人こじん2位い株主かぶぬし） ティム・クック 3280万まん株かぶ
主要しゅよう子会社こがいしゃ	クラリス ビーツ・エレクトロニクス Braeburn Capital
関係かんけいする人物じんぶつ	スティーブ・ジョブズ（共同きょうどう創業そうぎょう者しゃ、第だい6代だいCEO、元もと会長かいちょう） スティーブ・ウォズニアック（共同きょうどう創業そうぎょう者しゃ） ジェフ・ウィリアムズCOO クレイグ・フェデリギ（ソフトウェア担当たんとう上級じょうきゅう副ふく社長しゃちょう） ジョン・ターナス（ハードウェアエンジニアリング担当たんとう上級じょうきゅう副ふく社長しゃちょう） ジョン・ジャナンドレア（機械きかい学習がくしゅう・人工じんこう知能ちのう戦略せんりゃく担当たんとう上級じょうきゅう副ふく社長しゃちょう） フィリップ・シラー（Appleフェロー） ジョナサン・アイブ（元もとチーフ・デザイン・オフィサー） アンジェラ・アーレンツ（元もと小売こうり・オンラインストア担当たんとう上級じょうきゅう副ふく社長しゃちょう） スコット・フォーストール（元もとiOS担当たんとう上級じょうきゅう副ふく社長しゃちょう） トニー・ファデル（元もとiPod担当たんとう上級じょうきゅう副ふく社長しゃちょう）
外部がいぶリンク	apple.com/jp/

ハードウェア製品せいひんとしては、iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、HomePod、AirPods、Apple Vision Proなどの開発かいはつおよび販売はんばいを行おこなっている。

ソフトウェア製品せいひんとしては各種かくしゅOSやSiriの開発かいはつ・販売はんばいを行おこなっている。

エンターテイメント製品せいひんとしてはApple Music、Apple TV+、Apple Arcade、Apple Podcast、Apple Books、App Store、iTunesなど広範囲こうはんいのデジタルコンテンツの販売はんばいなどを行おこなっている。また、iCloud、などのクラウドサービスも提供ていきょうしている。

Appleの全ぜん世界せかいでの年間ねんかん収益しゅうえきは、2020年度ねんどには2745億おくドルとなった。Appleは売上うりあげ高だかで世界せかい最大さいだいのテクノロジー企業きぎょうであり、2021年ねん現在げんざいで世界せかいで最もっとも価値かちのある企業きぎょうである。販売はんばい台数だいすうで世界せかい第だい4位いのパソコンメーカーとなっており、2021年ねんのスマートフォン市場いちばでは、出荷しゅっか台数だいすう第だい2位い、売うり上あげシェア第だい1位いとなっている。2022年ねん1月がつ、Appleは全ぜん世界せかいの上場じょうじょう企業きぎょうとして初はじめて時価じか総額そうがく3兆ちょうドルを超こえた企業きぎょうとなった。また2022年ねん5月がつ11日にち時点じてんでの時価じか総額そうがくは約やく307兆ちょう円えんで世界せかい2位い。Appleは、2022年ねん末まつ時点じてんで16万まん4000人にんの正社員せいしゃいんを雇用こようし、26か国こくに526の直営店ちょくえいてんを展開てんかいしている。また、同どう時期じきのApple製品せいひん利用りよう台数だいすうは全ぜん世界せかいで16億おく5000万まん台だい以上いじょうであり、2021年ねん8.5%のシェアであったMacの出荷しゅっか台数だいすうは2,895万まん台だい以上いじょうと1年間ねんかんで28%増加ぞうかし、史上しじょう最高さいこうであった。

沿革えんかく

Apple Campus（旧きゅう本社ほんしゃ）

Apple Inc.は1976年ねん4月がつ1日にち、スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック、およびロナルド・ウェインの3名めいにより創業そうぎょうされた。創業そうぎょう時じの名称めいしょうは"Apple Computer Company"であり、ウォズニアックが開発かいはつしたコンピュータ「Apple I」を販売はんばいするためのパートナーシップであった。1977年ねん1月がつには"Apple Computer, Inc."（アップルコンピュータ）として法人ほうじん化かし、その後ご「Apple II」をはじめとするコンピュータの販売はんばいが急速きゅうそくに拡大かくだいした。

1980年代ねんだいには、1984年ねん発売はつばいの初代しょだい「Macintosh」に代表だいひょうされるように、革新かくしん的てきなグラフィカルユーザインタフェース（GUI）を採用さいようしたコンピュータを次々つぎつぎと開発かいはつした。Macintoshは当初とうしょ成功せいこうしていたが、IBMのシェアを追おい抜ぬくことはできず、ジョブズは経営けいえい陣じんや取締役とりしまりやく会かいとの関係かんけいが悪化あっかし、1985年ねんにMacintosh部門ぶもんから解任かいにんされAppleを離はなれた。同年どうねんにはウォズニアックも円満えんまんにApple社内しゃないのプロジェクトからは離はなれたが、以後いごもAppleの社員しゃいんであり続つづけている。その後ご、ジョブズはAppleの一部いちぶの同僚どうりょうを連つれてNeXT社しゃを設立せつりつした。

1990年代ねんだいに入はいり、パソコンの市場いちばが拡大かくだい・発展はってんしていく中なかで、AppleはインテルのCPUにマイクロソフトのWindowsを搭載とうさい（Wintel連合れんごう）した低てい価格かかく帯たいの製品せいひんに押おされ、シェアを失うしなっていった。取締役とりしまりやく会かいはギル・アメリオをCEOとして起用きようし、レイオフ、経営けいえい陣じんのリストラ、製品せいひんの絞しぼり込こみなど、財政ざいせい的てきに問題もんだいを抱かかえた会社かいしゃを立たて直なおそうとした。アメリオは失敗しっぱいしたOS戦略せんりゃくを解決かいけつしようと、1996年ねん12月にAppleがNeXTを買収ばいしゅう、ジョブズを呼よび戻もどした。

ジョブズは1997年ねん9月に暫定ざんていCEOに就任しゅうにんした。Appleは「Think different」キャンペーンを展開てんかいし、iMacの販売はんばいで黒字くろじ化かを達成たっせいした。2001年ねんにはiPodの発売はつばい、直営店ちょくえいてんのApple Store開店かいてんなど、Appleブランドを再さい構築こうちくした。2007年ねんにはデジタル家庭かてい電化でんか製品せいひんへの注力ちゅうりょくを反映はんえいさせ、社名しゃめいを「Apple」に変更へんこうした。また、同年どうねんにiPhoneを発売はつばいし、高たかい評価ひょうかと経済けいざい的てき成功せいこうを収おさめた。2011年ねん8月がつ、ジョブズは健康けんこう上じょうの理由りゆうでCEOを辞任じにんし、ティム・クックがCEOに就任しゅうにんした。その2か月げつ後ご、ジョブズは死去しきょした。

スコット・ギャロウェイの著書ちょしょ『The Four: The Hidden DNA of Amazon, Apple, Facebook, and Google』の翻訳ほんやく本ほんに日本にっぽん独自どくじでつけられたタイトル『the four GAFA 四よん騎士きしが創つくり変かえた世界せかい』から、GAFAという呼称こしょうでまとめて呼よばれ、Amazon、Meta、Googleとともに世界せかい的てきな巨きょ大だい企業きぎょうのひとつであるとの認識にんしきが広ひろがっている。

歴史れきし

詳細しょうさいは「Appleの歴史れきし」を参照さんしょう

創業そうぎょうとApple I

コンピュータ歴史れきし博物館はくぶつかんに展示てんじされるApple I。Apple Iはむき出だしのマザーボードとして販売はんばいされ、使用しようするには購入こうにゅう者しゃがキーボードやモニタを用意よういする必要ひつようがあった。

1975年ねん、大学だいがくを中退ちゅうたいしアタリの技術ぎじゅつ者しゃとして働はたらいていたスティーブ・ジョブズと、その友人ゆうじんでヒューレット・パッカード（HP）に勤務きんむしていたスティーブ・ウォズニアックは、シリコンバレーのコンピュータマニアによる「ホームブリュー・コンピュータ・クラブ（HCC）」の会合かいごうに頻繁ひんぱんに参加さんかしていた。ウォズニアックは、HCC内ないで高たかく評価ひょうかされていたマイクロプロセッサであるIntel 8080の代かわりに、安価あんかなMOS 6502を処理しょり装置そうちとするコンピュータの自作じさくを開始かいしし、1976年ねん3月がつまでにApple Iの原型げんけいとなるコンピュータを独力どくりょくで完成かんせいさせた。ウォズニアック自身じしんはこのコンピュータの回路かいろ図ずをHCCにて無料むりょう配布はいふすることを望のぞんでいたが、ジョブズはその商業しょうぎょう的てき可能かのう性せいに興味きょうみを抱いだき、このコンピュータを利用りようしてビジネスを始はじめるべきだと訴うったえた。2人ふたりは当初とうしょ、それぞれの勤務きんむ先さきであるHPとアタリに製品せいひん化かを提案ていあんしたが却下きゃっかされたため、自みずから起業きぎょうして基板きばん（プリント配線はいせん板ばん）の製造せいぞう・販売はんばいを行おこなうことにした。

1976年ねん4月がつ1日にち、ジョブズとウォズニアックにロナルド・ウェインを加くわえた3人にんは、共同きょうどうで「Apple Computer Company（アップルコンピュータ・カンパニー）」を創業そうぎょうした。アタリで製図せいず工こうとして働はたらいていたウェインは、株式かぶしきの10パーセントを持もつことを条件じょうけんとしてジョブズに誘さそわれ会社かいしゃに加くわわった（ジョブズとウォズニアックはそれぞれ45パーセントの株式かぶしきを所持しょじした）。ウェインはApple社しゃの最初さいしょの製品せいひんであるApple Iのマニュアルを作成さくせいしたほか、リンゴの木きとアイザック・ニュートンが描えがかれた最初さいしょ期きのロゴマークをデザインした。1977年ねん、スティーブ・ジョブズからの依頼いらいにより、ロブ・ジャノフが欠かけたリンゴのロゴマークをデザインした。

個人こじん以外いがいの販路はんろを求もとめたジョブズは、マウンテンビューのコンピュータ店てん「バイトショップ（Byte Shop）」の経営けいえい者しゃポール・テレルにApple Iを売うり込こんだ。強つよい興味きょうみを持もったテレルはすぐにApple Iを50台だい注文ちゅうもんし、納品のうひん時じに1台だいにつき500ドル（合計ごうけい2万まん5000ドル）を現金げんきんで支払しはらうと約束やくそくしたが、テレルが注文ちゅうもんしたのはApple Iのプリント配線はいせん板ばんではなく、パーツがすべて装着そうちゃく済ずみの完成かんせい品ひんだった。手持てもちの資金しきんでは必要ひつような数かずの部品ぶひんが購入こうにゅうできなかったため、ジョブズらは部品ぶひんサプライヤーを説得せっとくして30日間にちかんの支払しはらい猶予ゆうよつきでパーツを購入こうにゅうし、懸命けんめいな作業さぎょうで29日にち後ごには50台だいのApple Iを完成かんせいさせ、テレルの店みせに納品のうひんして約束やくそくの代金だいきんを受うけ取とった。

Apple Iは1976年ねん7月がつから希望きぼう小売こうり価格かかく666.66ドルで市販しはんされ、最終さいしゅう的てきに約やく200台だいが製造せいぞうされた。創業そうぎょう者しゃの1人ひとりであったウェインは、ジョブズの野心やしん的てきな経営けいえい方針ほうしんに不安ふあんを抱だいたため、800ドルを受うけ取とって所有しょゆうする株かぶを放棄ほうきし、1976年ねん4月がつ12日にちにAppleを自主じしゅ退社たいしゃした。

法人ほうじん化かとApple II

1979年ねん6月がつに登場とうじょうしたApple II Plus。同年どうねん10月がつに発売はつばいされたApple II専用せんよう表おもて計算けいさんソフト「VisiCalc」の大だいヒットは販売はんばいを大幅おおはばに増加ぞうかさせた。

テレルとの取引とりひきで手応てごたえを得えたジョブズは事業じぎょう拡大かくだいを望のぞみ、そのために多額たがくの資金しきんが必要ひつようとなった。ジョブズはセコイア・キャピタルの創業そうぎょう者しゃドン・バレンタインに会あって融資ゆうしを求もとめたが、バレンタインはApple Computerへの投資とうしに興味きょうみを持もたず、代かわりに自分じぶんの元もと部下ぶかで、個人こじん投資とうし家かとして財ざいを成なしていたマイク・マークラを紹介しょうかいした。マークラはジョブズの野心やしんとウォズニアックの技術ぎじゅつ的てき才能さいのうに心しんを動うごかされ、1976年ねん11月からAppleに加くわわった。マークラは自分じぶんの個人こじん的てき資産しさんから9万まん2000ドルを投資とうししたほか、バンク・オブ・アメリカから25万まんドルの信用しんよう供与きょうよを確保かくほした。

1977年ねん1月がつ3日にちに法人ほうじん化かされ、Apple Computerとなった。マークラはAppleの成長せいちょうには経験けいけん豊富ほうふな経営けいえい者しゃが不可欠ふかけつと考かんがえ、ナショナル セミコンダクターから元もと同僚どうりょうのマイケル・スコットを引ひき抜ぬいて初代しょだい社長しゃちょう兼けんCEOの座ざにつけた。スコットは1977年ねん2月がつからAppleでの仕事しごとを始はじめ、社員しゃいん番号ばんごうを入いれた社員しゃいん証しょうを発行はっこうするなど、会社かいしゃをより組織そしき的てきにするための施策しさくを実行じっこうした。他方たほう、ウォズニアックはApple Iの改良かいりょうを着々ちゃくちゃくと進すすめており、1976年ねん8月がつ末まつの時点じてんで後継こうけい機きとなる「Apple II」のプロトタイプを完成かんせいさせていた。

Apple IIは1977年ねん4月がつ16日にちにウェスト・コースト・コンピュータ・フェアで発表はっぴょうされ、小売こうり価格かかく1,298ドルで発売はつばいされた。Apple IIの販売はんばいは当初とうしょから好調こうちょうだったが、1978年ねん7月がつに発売はつばいされた専用せんようフロッピーディスクドライブ「Disk II」と、1979年ねん10月がつに発売はつばいされた専用せんようの表おもて計算けいさんソフト「VisiCalc」が大だいヒットを記録きろくし、Apple IIの販売はんばい台数だいすうが大幅おおはばに増加ぞうかした。1980年ねんには設置せっち台数だいすうで10万まん台だい、1984年ねんには設置せっちベースで200万まん台だいを超こえ、Appleに大おおきな利益りえきをもたらした。

株式かぶしき公開こうかいとApple III・Lisa

1980年ねんに発売はつばいされたApple III。純正じゅんせいモニタのApple Monitor IIIを上うえに載のせている。

1983年ねんに発売はつばいされたLisa。当時とうじとしては先進せんしん的てきな機能きのうを装備そうびしていたが、価格かかくの高たかさから商業しょうぎょう的てきには失敗しっぱいした。

1980年ねん12月12日にち、Apple Computerは新規しんき株式かぶしき公開こうかい（IPO）を行おこない、1956年ねんに自動車じどうしゃ会社かいしゃフォードが行おこなったIPO以来いらいとなる記録きろく的てき規模きぼの資金しきん調達ちょうたつを果はたした。このIPOにより、ジョブズは約やく2億おく5600万まんドルの個人こじん資産しさんを手てに入いれた。

株式かぶしき公開こうかいに先立さきだつ1980年ねん5月がつ、Appleはビジネス向むけに特とく化かされたApple IIIを発表はっぴょうし、巨大きょだい企業きぎょうIBMに商用しょうようコンピュータ市場いちばで挑戦ちょうせんを仕掛しかけたが、4,340–7,800ドルという価格かかく設定せっていの高たかさと、ハードウェアの設計せっけい上じょうの欠陥けっかんがわざわいし、Apple IIIは極度きょくどの販売はんばい不振ふしんに陥おちいっていた。他方たほう、IBMは1981年ねん8月がつにIBM PCを発表はっぴょうしてパーソナルコンピュータ市場いちばへ参入さんにゅうし、AppleとIBMの競争きょうそうは激化げきかした。

ジョブズは1979年ねん12月にゼロックスのパロアルト研究所けんきゅうじょ（PARC）を見学けんがくしており、そこで見みたマウスによって操作そうさされる先進せんしん的てきなグラフィカルユーザインタフェース（GUI）に強つよい印象いんしょうを受うけた。ジョブズは当時とうじAppleで開発かいはつ中ちゅうだった次世代じせだいコンピュータ「Lisa（リサ）」にPARCで目めにしたようなGUIを実装じっそうすることを決意けついし、設計せっけいへの介入かいにゅうを強つよめたが、Lisaプロジェクトはジョブズの過剰かじょうな介入かいにゅうによって混迷こんめいすることとなり、ジョブズはスコットら経営けいえい陣じんの判断はんだんで1980年ねん9月がつにLisaの開発かいはつチームから外はずされた。

1981年ねん、ジョブズとの対立たいりつを深ふかめたスコットは社長しゃちょう兼けんCEOを辞任じにんすることとなり、同年どうねん7月がつにはAppleを去さった。1981年ねん3月がつからはマークラが暫定ざんてい的てきにCEOとなっていたが、ジョブズはスコットの後任こうにんとしてマーケティングに優すぐれた経営けいえい者しゃを連つれてくる必要ひつように迫せまられた。1983年ねん、ジョブズはペプシコーラからジョン・スカリーを引ひき抜ぬいてAppleの新しんCEOに就つけたが、スカリーを説得せっとくする際さいにジョブズが用もちいた「このまま一生いっしょう、砂糖さとう水すいを売うり続つづける気きなのか？世界せかいを変かえるチャンスに賭かけてみる気きはないのか？」というフレーズはのちに有名ゆうめいとなった。他方たほう、開発かいはつの遅おくれたLisaは1983年ねん1月がつにようやく発売はつばいされた。Apple IIIの販売はんばい不振ふしんが続つづき、主力しゅりょく製品せいひんであるApple IIも次第しだいにIBM PCにシェアを奪うばわれる中なかで、GUIやマウスなど革新かくしん的てき機能きのうを備そなえるLisaへのAppleの期待きたいは大おおきかったが、9,995ドルという極端きょくたんな高こう価格かかくとソフトウェア互換ごかん性せいの欠如けつじょがユーザーを遠とおざける結果けっかとなり、LIsaはApple IIIと同おなじく商業しょうぎょう的てきな失敗しっぱい作さくに終おわった。

Macintoshの発表はっぴょう

1984年ねんに発売はつばいされた初代しょだいMacintosh。

1980年ねん秋あきにLisaの開発かいはつチームから外はずされた後のち、ジョブズはジェフ・ラスキンが立たち上あげた新型しんがたコンピュータ「Macintosh（マッキントッシュ）」のプロジェクトに参画さんかくした。Macintoshの開発かいはつは1979年ねん9月がつに始はじまり、1,000ドル程度ていどの安価あんかな一般いっぱん向むけコンピュータというコンセプトの元もとで進すすめられていたが、ジョブズはLisaに匹敵ひってきするGUIを持もつ高性能こうせいのうなマシンへの方向ほうこう転換てんかんを主張しゅちょうし、性能せいのうよりも価格かかくの抑制よくせいを重視じゅうしするラスキンとは激はげしく対立たいりつした。最終さいしゅう的てきに、ラスキンはジョブズとの争あらそいに敗やぶれて1981年ねん1月がつにプロジェクトのリーダーを降おりることとなり、1982年ねん3月がつにはAppleを去さった。Lisaプロジェクトに強つよい対抗心たいこうしんを抱だいていたジョブズは、Macintoshの開発かいはつを独立どくりつしたプロジェクトとしてApple本社ほんしゃとは別べつの建物たてものの一角いっかくで推おし進すすめ、「海軍かいぐんに入はいるより、海賊かいぞくであれ（It's better to be a pirate than to join the navy）」などと説といて開発かいはつメンバーの連帯れんたい感かんと反骨はんこつ精神せいしんを鼓舞こぶした。

長ながい開発かいはつ期間きかんを経へて、Macintoshは1984年ねん1月がつ24日にちに発売はつばいされた。2日にち前まえの1月がつ22日にちには、第だい18回かいスーパーボウルの放送ほうそうでリドリー・スコットによるテレビCM『1984』がオンエアされ、Macintoshには大おおきな注目ちゅうもくが集あつまった。AppleによってThe computer for the rest of usとして打うち出だされたMacintoshは、一般いっぱん向むけPCとしては初はじめてマウス操作そうさによるGUIを搭載とうさいしており、当初とうしょはメディアからの称賛しょうさんを浴あび、1984年ねん4月がつ末まつの時点じてんで5万まん台だいを売うり上あげるなど販売はんばいも非常ひじょうに好調こうちょうだった。しかし、2,495ドルという価格かかくがApple IIより高額こうがくであったことと、対応たいおうソフトの不足ふそくが災わざわいし、発売はつばいから数カ月すうかげつでMacintoshの販売はんばいは停滞ていたいし始はじめ、開発かいはつ担当たんとう者しゃであるジョブズとスカリーらApple経営けいえい陣じんとの関係かんけいが悪化あっかした。

スカリーはジョブズをMacintosh部門ぶもんから降おろすと決断けつだんし、1985年ねん4月がつには取締役とりしまりやく会かいから全会ぜんかい一致いっちの承認しょうにんを得えた。この決定けっていに反発はんぱつしたジョブズは、スカリーが中国ちゅうごくに出張しゅっちょうする隙すきに彼かれを解任かいにんすることを画策かくさくしたが、スカリーはフランス法人ほうじんトップのジャン＝ルイ・ガセーから事前じぜんにジョブズの計画けいかくを知しらされ、出張しゅっちょうをキャンセルし重役じゅうやく会議かいぎでジョブズと対峙たいじした。会議かいぎでは、その場ばに居いたAppleの重役じゅうやくの全員ぜんいんがスカリーへの支持しじを表明ひょうめいし、その後ご取締役とりしまりやく会かいもスカリー支持しじを表明ひょうめいし、ジョブズは1985年ねん5月がつ31日にちに全すべての業務ぎょうむから外はずされ、何なんの実権じっけんも持もたない会長かいちょう職しょくを与あたえられた。

ジョブズとウォズニアックの離脱りだつ

1985年ねん9月がつ、ジョブズは当時とうじ所有しょゆうしていたAppleの株かぶを1株かぶだけ残のこして約やく650万まん株かぶをすべて売却ばいきゃくし、NeXT社しゃを創立そうりつした。それと同時どうじにスカリー宛あてに郵送ゆうそうで辞職じしょく願ねがいを提出ていしゅつし、会長かいちょう職しょくも辞任じにんした。2010年ねんの記事きじで、スカリーは一番いちばん後悔こうかいしていることとして、ジョブズを辞任じにんに追おい込こんだことを挙あげている。ウォズニアックもまた、別べつの事業じぎょうを始はじめるため1985年ねん前半ぜんはんに（ジョブズよりも先さきに）Appleを離はなれていた。その際さい、ウォズニアックはAppleがApple II部門ぶもんを冷遇れいぐうしてきたことへの不満ふまんを表明ひょうめいし、会社かいしゃが「過去かこ5年間ねんかんずっと間違まちがった方向ほうこうに進すすんでいる」と述のべた。

ジョブズとウォズニアックが去さった1985年ねん、AppleはMacintosh向むけにキヤノンと共同きょうどう開発かいはつしたレーザープリンターであり、出資しゅっし先さきのアドビシステムズ（現げん・アドビ）が開発かいはつしたPostScriptを搭載とうさいしたLaserWriterを発売はつばいし、コンピュータ上じょうで描えがいた文字もじや絵えを出力しゅつりょくする際さいにドットの粗あらいディザを表示ひょうじさせることなく、きれいなアウトラインで出力しゅつりょくすることを可能かのうにした。また、アルダス社しゃ（現げん・アドビ）の開発かいはつしたPageMakerとMacintosh、LaserWriterを組くみ合あわせることで、DTPという市場いちばを創造そうぞうした。精巧せいこうなタイポグラフィ機能きのうを備そなえていたMacintoshは、DTP用ようコンピュータとして圧倒的あっとうてきな人気にんきを博はくし、Appleは初期しょきのDTP市場いちばを事実じじつ上じょう独占どくせんすることに成功せいこうした。

ジョブズに代かわってMacintosh部門ぶもんのトップに立たったガセーは、55パーセントの利益りえき率りつという目標もくひょうを意味いみする「55か死しか（fifty-five or die）」というスローガンを掲かかげてMacintosh製品せいひんの値上ねあげを実行じっこうし、1980年代ねんだい後半こうはんのAppleで高こう価格かかく・高こう利益りえき率りつ路線ろせんを推おし進すすめた。初期しょきの32ビットパソコンの一ひとつであり、高性能こうせいのうな代かわりに高こう価格かかくで販売はんばいされた「Macintosh II」などの新型しんがたモデルは高たかい利益りえき率りつを提供ていきょうし、DTP市場いちばでの人気にんきを背景はいけいに当初とうしょは売上うりあげ高だかにも減少げんしょうは見みられなかった。さらに、Appleは外部がいぶのソフト会社かいしゃにMac用ようのソフト開発かいはつを説得せっとくする職種しょくしゅであるエバンジェリスト（宣伝せんでん部ぶ）を作つくり、ガイ・カワサキらを任命にんめいした。

Newton

Newton MessagePad 2100（左ひだり）と初代しょだいiPhone（右みぎ）

スカリーは、Macintosh以外いがいにAppleの柱はしらとなる製品せいひんが必要ひつようだと感かんじていた。スカリーはコンピュータの未来みらい像ぞうとしてKnowledge Navigatorというものを描えがいていた。これは、コンピュータがユーザの優秀ゆうしゅうな秘書ひしょをこなし、言葉ことばや簡単かんたんなリモコン操作そうさのみで自由自在じゆうじざいに操あやつれるというもので、この後のちの予定よていを教おしえてくれたり、電話でんわを取とり次ついだり家いえにいながら会議かいぎを行おこなったりすることができる。Appleは、ナレッジ・ナビゲータを仮想かそうではない近きん未来みらいのコンピュータとして提案ていあんした。

一方いっぽう、スティーブ・サコマンはガセーの許可きょかを受うけ1987年ねんごろにはNewtonと呼よばれる次世代じせだいコンピュータ開発かいはつのプロジェクトを開始かいししていた。スカリーはこのNewtonに自身じしんのナレッジ・ナビゲータを感かんじ取とり、開発かいはつに力ちからを入いれるようになっていった。

1990年ねん、スカリーはMac OS互換ごかん機き（後述こうじゅつ）およびNewtonの方向ほうこう性せいをめぐってガセーと対立たいりつすることとなる。ガセーを辞職じしょくさせたあとサコマンも辞任じにんし、スカリー自身じしんは技術ぎじゅつ者しゃでないにもかかわらずAppleのCTO （最高さいこう技術ぎじゅつ責任せきにん者しゃ）に就任しゅうにんした。ラリー・テスラーがNewton開発かいはつ責任せきにん者しゃとなり携帯けいたい情報じょうほう端末たんまつへと方向ほうこう転換てんかんを行おこなって、1992年ねん、CPU にARMを採用さいようし、スタイラスによる手書てがき認識にんしきなどを実現じつげんしたPDA、Newton MessagePadを発表はっぴょうした。

初代しょだいMessagePadはシャープと共同きょうどう開発かいはつされ、シャープにとっては後ごのザウルスのヒットへとつながることとなる。世界せかい初はつのPersonal Digital Assistant（PDA）という概念がいねんとともに発表はっぴょうされたMessagePadはNewton OSという独創どくそう的てきなOSを採用さいようし、ペンデバイスで入力にゅうりょくした文字もじをそのままテキスト文書ぶんしょとして保存ほぞんできることが特徴とくちょうだった。それ以外いがいにもフリーハンドで書かいた文字もじや絵えを保存ほぞんする作業さぎょうをせずに電源でんげんを落おとしても、電源でんげん投入とうにゅう後ごにはそのままの文字もじや絵えを表示ひょうじさせることができ、紙かみのメモ帳ちょうにとって変かわる新あたらしいコンピュータの方向ほうこう性せいを示しめしたものといえる。しかし、ビジネスとしては失敗しっぱいした。

General Magic

Newtonと並行へいこうして、General Magicがマーク・ポラットをCEOとしてビル・アトキンソン、アンディ・ハーツフェルドが共同きょうどう設立せつりつ者しゃとなり、Appleの子会社こがいしゃとして立たち上あげられた。General Magicは、Knowledge Navigatorを具現ぐげん化かすることを目論もくろんだLooking Glass（野心やしん的てきな小型こがた携帯けいたい情報じょうほう端末たんまつPersonal Intelligent Communicator、PIC）プロジェクトが1990年ねん、Appleからの出資しゅっしに加くわえ、AT&T、松下電器産業まつしたでんきさんぎょう、モトローラ、NTT、フィリップス、ソニーの出資しゅっしや提携ていけいを得えてスピンアウトした会社かいしゃである。出資しゅっし提携ていけい先さきにはCable&Wireless、France Telecom、富士通ふじつう、三菱電機みつびしでんき、Northern Telecom、サンヨー、沖電気おきでんき、東芝とうしばが加くわわった、1994年ねんにソニーからMagic Linkが発売はつばいされたが、携帯けいたい情報じょうほう端末たんまつとしてのビジネス化かは失敗しっぱいして方向ほうこう転換てんかんした。結果けっか、Appleなどの持もち株かぶは売却ばいきゃくされ、その後ご、破綻はたんして知的ちてき財産ざいさんはポール・アレンを筆頭ひっとうとした複数ふくすうの会社かいしゃに取得しゅとくされた。Google幹部かんぶを経へて米べいCTOを務つとめたミーガン・スミス、Androidを開発かいはつしたアンディ・ルービンや後ごのApple幹部かんぶとなったトニー・ファデル、ケビン・リンチ、ジョン・ジャナンドレアも在籍ざいせきしていた。

業績ぎょうせき低迷ていめい期きとMacintosh互換ごかん機き

ジョブズがAppleを去さったのに前後ぜんごして、1985年ねん6月がつ25日にちにスカリーとハード担当たんとう責任せきにん者しゃであったガセー宛あてに、マイクロソフトのビル・ゲイツから「AT&Tやヒューレット・パッカード、ソニーなど有力ゆうりょくメーカーにMacintoshのOSをライセンスするべきで、ゲイツ自身じしんもその手助てだすけを惜おしまない」という内容ないようの手紙てがみが送おくられた。ゲイツは自社じしゃでのOS開発かいはつ凍結とうけつも考かんがえていたほど本気ほんきだったようだ。

スカリーはOSライセンスの可能かのう性せいについて調査ちょうさを指示しじしたが、ガセーを筆頭ひっとうにした技術ぎじゅつ陣じんからの猛もう反対はんたいを受うけてこの提案ていあんは闇やみに葬ほうむられた。

その後ご、パソコン用ようの16ビットCPUは逐次ちくじ32ビットに移行いこうしていく。Appleの採用さいようしたモトローラ系けいではMC68000、MC68020、MC68030、MC68040と推移すいいしていく。モトローラのCPUは最初さいしょのMC68000から、32ビットへ容易よういに移行いこうできるように設計せっけいされていた。

Appleはライセンス違反いはんをしているとして、マイクロソフトに対たいしてGUIに対たいする対価たいかを求もとめて裁判さいばんを起おこす。ジョブズが復帰ふっき（後述こうじゅつ）する頃ころまで裁判さいばんは長引ながびき、その時点じてんではAppleに対たいして不利ふりな裁定さいていが下くだることになる。しかしその数すう年ねん前まえ、ゼロックスがAppleに対たいして同様どうようの裁判さいばんを起おこし、ゼロックスに対たいして不利ふりな裁定さいていが下くだっていることもあり、熱心ねっしんなMacユーザは複雑ふくざつな心情しんじょうを抱だいていた。

AppleはマイクロソフトのMicrosoft Windowsに対たいして市場いちば競争きょうそうを模索もさくする。これより68000系けい以外いがいのCPUアーキテクチャへの移行いこうである。その1つx86系けいへの移植いしょくプロジェクトであるスタートレックが、1992年ねんごろにノベルの協力きょうりょくを得えて開始かいしされる。しかし計画けいかくは後述こうじゅつのPowerPCに専念せんねんするため中断ちゅうだんされ、日ひの目めを見みることはなかった。

1992年ねん、スカリーはIBMと交渉こうしょうし、同年どうねんAppleはIBMとモトローラと組くんで新あたらしいパーソナルコンピュータのプラットフォーム開発かいはつを発表はっぴょうした。IBM PCとMacintoshの敵対てきたい的てき経緯けいいから、この共同きょうどう開発かいはつ発表はっぴょうは西海岸にしかいがんと東海岸ひがしかいがんの巨頭きょとう同士どうしの歴史れきし的てき和解わかいとも言いわれた。

新あたらしいPCは、CPUにRISCチップであるPowerPC、OSとしてTaligent（開発かいはつコード：Pink）、アプリケーションとしてマルチメディア開発かいはつツール「カライダ」（開発かいはつ言語げんごScriptX）からなる予定よていであった。

初期しょきのPower MacintoshとなったPower Macintosh 6100

技術ぎじゅつ者しゃが休暇きゅうか中ちゅうに趣味しゅみで作つくり上あげた68000系けいエミュレータの出来できがよく、またTaligentの開発かいはつは困難こんなんをきわめたため、1994年ねん、PowerPCと68LC040エミュレータを搭載とうさいし、従来じゅうらいの68000系けいのバイナリプログラムの動作どうさも可能かのうなPower Macintoshシリーズを発表はっぴょうする。それまでの上位じょうい機種きしゅであったQuadraをベースにしており、メモリに72pinSIMM、拡張かくちょうスロットバスにNuBus90を採用さいようするなど、ハードウェアの互換ごかん性せいも計はかられていた。しかし当時とうじのMac OS（System 7.1.1や7.5.2）はバグが多おおく、たびたびエラーやフリーズを起おこし、快適かいてきさと相反あいはんする不安定ふあんていさも兼かね備そなえていた事実じじつは否定ひてい出来できない。Mac OS 7.6までにはその不安定ふあんていさは解消かいしょうされ、その後ごしだいに信頼しんらい性せいは向上こうじょうしたが、Mac OS 9.2.2に至いたるまで100パーセントのPowerPCコードで作つくられたOSとはならず、メモリ保護ほごもない脆弱ぜいじゃくさもそのままであった。これらの問題もんだいが完全かんぜんに解消かいしょうされたシステムは2001年ねんのMac OS Xの登場とうじょうまで待またねばならなかった。

1994年ねんにAppleは、モトローラ、IBMなどにMacintoshのライセンスを与あたえ、互換ごかん機きライセンスを開始かいしする。1995年ねんにPower Computingとパイオニアが初はつのMac OS互換ごかん機きを発表はっぴょうすると、akia、UMAX、ラディウスなどが続々ぞくぞくと参入さんにゅうした。しかし、PC/AT互換ごかん機きからの市場いちば奪還だっかんは進すすまず、互換ごかん機きがMacintoshのシェアを浸食しんしょくするという結果けっかとなった。

1995年ねん後半こうはんになると、マイクロソフトはWindows 95を販売はんばい開始かいしする。Windows 95は、Macintoshに似にたGUIを搭載とうさいし、従来じゅうらいのMS-DOS上うえのWindows 3.1ではなし得えなかったデスクトップ環境かんきょうとフォルダ管理かんりのGUI化かを果はたした。様々さまざまな面めんでDOSのしがらみを依然いぜんとして引ひきずっていたWindows 95ではあるが、操作性そうさせいわるが3.1以前いぜんに比くらべて大幅おおはばに向上こうじょうしたことにより爆発ばくはつ的てきにヒットし、次期じきOSであるCoplandの開発かいはつに手間取てまどっていたMacintoshの深刻しんこくな脅威きょういとなった。

Apple売却ばいきゃく交渉こうしょう

のちに公表こうひょうされることとなるが、サン・マイクロシステムズとは1988年ねんごろから合併がっぺい交渉こうしょうを行おこなっていた。1990年ねんには、ほぼ合意ごういに達たっしていたが、AppleがIBMとモトローラとの提携ていけいを発表はっぴょうしたことで白紙はくしに戻もどってしまった。その後ごもAT&Tやコダックと交渉こうしょうを行おこなうが企業きぎょう風土ふうどの違ちがいでまとまることはなかった。

Newtonや政治せいじ（スカリーはビル・クリントンの大統領だいとうりょう選挙せんきょ応援おうえんに力ちからを入いれていた）など、Macintoshに力ちからを注そそいでいないスカリーの行為こういに、Appleの取締役とりしまりやく会かいは不信ふしんの目めを向むけるようになった。1993年ねんに業績ぎょうせきが大幅おおはばに悪化あっかすると、1993年ねん6月がつ18日にち、ストックオプションなど約やく1000万まんドル相当そうとうの退職たいしょく慰労いろう金きんを手てにスカリーはCEOを退任たいにんし、Appleのヨーロッパ市場いちばで功績こうせきを上あげていたマイケル・スピンドラーが新あらたなCEOに就任しゅうにんする。スピンドラーの仕事しごとは、Apple本社ほんしゃを高たかく売うることだったとも言いわれている。

1994年ねんは低てい価格かかくMacintoshのPerformaシリーズを増産ぞうさんしてクリスマスシーズンを迎むかえたが、スピンドラーはこの需要じゅよう予測よそくを大おおきく外はずすこととなる。リサーチ部門ぶもんとセールス部門ぶもん、さらには開発かいはつ部門ぶもんまでもがそれぞれ大おおきく対立たいりつしていたことと、市場いちばではPower Macintoshなどのハイスペックマシンの需要じゅようが高たかかったにもかかわらず、ロースペックで利益りえき率りつの悪わるいPerformaの在庫ざいこが日ひに日ひに増ふえていき、需要じゅようの高たかいPower MacintoshやPowerBookが品薄しなうす状態じょうたいで、生産せいさんがまったくもって追おいついていないと言いう最悪さいあくの結果けっかとなった。

当時とうじのAppleは内部ないぶのいざこざがあまりにも多おおく、悲惨ひさんな状態じょうたいであった。需要じゅよう予測よそくを外はずしたうえに、スピンドラーの指示しじを誤解ごかいしたセールス部門ぶもんは、ただでさえ利益りえき率りつの悪わるいPerformaを赤字あかじでばらまいて売うりさばいてしまった。それ以外いがいにもさまざまな要因よういんが重かさなり、この四半期しはんきで赤字あかじは8000万まんドルに達たっした。

そのころ（1995年ねん）Appleはキヤノンと1株かぶ54ドル50セントでの買収ばいしゅう交渉こうしょうを行おこなうが、キヤノンの社長しゃちょうが急死きゅうししたことも重かさなり、最終さいしゅう的てきには実現じつげんすることはなかった。そしてAppleは再ふたたびIBMと交渉こうしょうの場ばを持もつが、IBMはロータス社しゃを買収ばいしゅうしサービスビジネスに会社かいしゃを方向ほうこう転換てんかんの最中さいちゅうで、Apple買収ばいしゅうにはお世辞せじにも前向まえむきな姿勢しせいとは言いえなかった。そのうえ、IBMはどんな買収ばいしゅう交渉こうしょうであっても、結論けつろんを出だすまでに途方とほうもない時間じかんをかけることが通例つうれいで、交渉こうしょうに入はいってもまったく音沙汰おとさたがないということが多おおい企業きぎょうである。どんな形かたちであってもAppleを売うり出だしたい取締役とりしまりやくたちは、そのあまりにも遅おそいIBMの動うごきだけに目めをとらわれてしまい、実際じっさいのIBMの過去かこの動向どうこうにはまったく気付きづいていなかった。最終さいしゅう的てきにはIBMとの交渉こうしょうは決裂けつれつしてしまい、その後ごにはフィリップスと1株かぶ36ドルで交渉こうしょうを行おこなうが、フィリップスの役員やくいん会かいであっさりと否決ひけつされてしまう。

1996年ねん1月がつ23日にちの株主かぶぬし総会そうかいで、Apple再建さいけん策さくとしてMacintosh互換ごかん機きライセンスビジネスの加速かそくと人員じんいん削減さくげんによる提案ていあんを行おこなうが、株主かぶぬしから辛辣しんらつな言葉ことばを浴あびせられる。総会そうかい後ごの取締役とりしまりやく会かいでサン・マイクロシステムズのスコット・マクネリも参加さんかし、最後さいごの買収ばいしゅう交渉こうしょう（1988年ねん時じとは異ことなりAppleが吸収きゅうしゅうされる立場たちば）が行おこなわれた。マクネリはApple1株かぶにつき23ドルを譲ゆずらず、買収ばいしゅう交渉こうしょうは頓挫とんざ。その後ごの取締役とりしまりやく会かいで、スピンドラーは責任せきにんを取とらされる形かたちでCEOの座ざを下おろされた。

マイク・マークラを筆頭ひっとうとするAppleの取締役とりしまりやく会かいはスピンドラーの後任こうにんとして、かつて倒産とうさん寸前すんぜんだったナショナルセミコンダクターを再建さいけんし、Appleの社外しゃがい取締役とりしまりやくにも就任しゅうにんしていたギル・アメリオをCEOの座ざにつけた。アメリオはのちに、「（アメリオを除のぞく）当時とうじの取締役とりしまりやくの全員ぜんいんがAppleをどこに売うり渡わたすかということしか考かんがえておらず、Appleを再建さいけんすることはみじんも考かんがえていなかった」と語かたっている。大だいのMacintoshファンでもあったアメリオは、Appleを売うることしか考かんがえていなかった取締役とりしまりやくのほとんどに失望しつぼうを覚おぼえ、Apple再建さいけんの道標どうひょうとなるべく一いち歩ほを踏ふみ出だした。

OS開発かいはつの失敗しっぱい・NeXT買収ばいしゅう

「Copland」も参照さんしょう

MacintoshのOSは、1984年ねんの出荷しゅっか以降いこう、System 7まで大幅おおはばに強化きょうか改良かいりょうされたものの、基本きほん的てきな部分ぶぶんはほとんど進化しんかしていなかった。1990年代ねんだいに入はいると、マルチメディアやネットワークの時代じだいを迎むかえ、従来じゅうらいはミニコンや大型おおがた汎用はんよう機きのOSの機能きのうであったマルチタスク（プリエンプティブマルチタスク）、メモリプロテクション（メモリ保護ほご）、仮想かそうメモリ、ネットワーク機能きのうを備そなえた“モダンOS”が、次世代じせだいのパソコン用ようOSに必要ひつようだと考かんがえられるようになった。

Apple社内しゃないで未来みらい志向しこうの“オブジェクト指向しこうOS”として計画けいかくされた“Pink”は、最終さいしゅう的てきにIBMと共同きょうどうで別べつ会社かいしゃTaligentを設立せつりつして開発かいはつが進すすめられたが、要求ようきゅう仕様しようだけが膨ふくらみ続つづけ、道みち半なかばで頓挫とんざした。Pink OSの反省はんせいからやり直なおされた新しんOSが1994年ねんに発表はっぴょうされた「Copland」で、System 7.x系けいと互換ごかん性せいを持もたせつつ、革新かくしん的てきなGUI、暫定ざんてい的てきなマルチタスク機能きのうと暫定ざんてい的てきに改良かいりょうされたメモリ管理かんり機能きのうを提供ていきょうし、メモリ4MBのMac Plusでも動作どうさするほどコンパクトというふれこみであったが、その開発かいはつは難航なんこうし、公開こうかいの延期えんきを繰くり返かえした。

1996年ねん7月がつ、新あらたにAppleの最高さいこう技術ぎじゅつ責任せきにん者しゃ（CTO）となったエレン・ハンコックは、Coplandが完成かんせいする見込みこみがないと判断はんだんを下くだし、開発かいはつの中止ちゅうしを命めいじた。Appleは次期じきMac OSとなる新あらたなOSを外部がいぶから調達ちょうたつすることを決定けっていし、候補こうほとしてマイクロソフトのWindows NT、サン・マイクロシステムズのSolaris、IBMのOS/2、BeのBeOSなどを挙あげて調査ちょうさと交渉こうしょうを行おこなった。なかでもBeOSこそ本命ほんめいと噂うわさされていた。1996年ねん中ちゅうごろには、BeとAppleの買収ばいしゅう交渉こうしょうが本格ほんかく的てきに始はじまった。ガセーは1億おくドルを要求ようきゅうしたが、Appleは5000万まんドルと見積みつもっていた。アメリオはこのBeOSに高たかい関心かんしんを寄よせていたが、BeOSは未み完成かんせいでAPIが整備せいびされておらず、BeOSを買収ばいしゅうしたとしてもMac OSとして出荷しゅっかできるようになるまでには数すう億おくドルの投資とうしと、数すう年ねんにもわたる歳月さいげつが必要ひつようだと見積みつもられていた。なかなかBeOSの売うり込こみが進すすまないBe社しゃは、Mac互換ごかん機きメーカーだったパワーコンピューティングにBeOS開発かいはつ版ばんである「BeOS PreviewRelease」をライセンスするなど、挑発ちょうはつ的てきとも取とれる行為こういをするようになった。

1996年ねんの11月ごろ、公表こうひょうされてはいなかったが、NeXTはハードウェアから撤退てったいし創業そうぎょう以来いらい初はつの黒字くろじとなっていたものの経営けいえい状態じょうたいは良好りょうこうとはいえず、スティーブ・ジョブズはNeXTを売却ばいきゃくする目論見もくろみの元もと、IPOを計画けいかくしていた。同どう時期じきにAppleが次期じきOSを外部がいぶに求もとめているという話はなしを知しったNeXTのプロダクトマネージャであったジョン・ランドアーはセールス担当たんとう副ふく社長しゃちょうのミッチ・マンディッチから支持しじを取付とりつけ、彼かれから指示しじされたチャンネルマーケティングマネージャのギャレット・ライス は、最初さいしょはジョブズに何なにも言いわずAppleに電話でんわしてエレン・ハンコックに打診だしん。折おり返かえしの連絡れんらくを受うけ、その数日すうじつ後ごの11月26日にちに、NeXTにAppleのエンジニアが派遣はけんされて会議かいぎを行おこなった正せいにその日ひ、ジョブズはApple役員やくいんとハンコックに対たいしてOPENSTEPとNEXTSTEPを売うり込こんだ。ジョブズは12月上旬じょうじゅんに、1985年ねん以来いらい初はじめてApple社内しゃないに入はいり、アメリオら首脳しゅのう陣じんと話はなし合あった。12月10日にちにはBeOSとOPENSTEPの比較ひかくプレゼンテーションがあったが、勝利しょうりを確信かくしんしていたガセーがほとんど事前じぜん準備じゅんびをしていなかったのに対たいし、周到しゅうとうに準備じゅんびをしたジョブズがカリスマ的てきなプレゼンテーションを展開てんかいし、ガセーは敗やぶれ去さった。12月20日にちにAppleがNeXTを4億おくドルで買収ばいしゅうすることを発表はっぴょうし、次期じきOSの基盤きばん技術ぎじゅつとしてOPENSTEPを採用さいようすると発表はっぴょうした。

ジョブズの復帰ふっき

20周年しゅうねん記念きねんMacintosh（Twentieth Anniversary Macintosh）

1997年ねん2月がつに正式せいしきにNeXT買収ばいしゅうが成立せいりつし、アメリオの要請ようせいもありジョブズとウォズニアクはAppleに非常勤ひじょうきん顧問こもんという形かたちで復帰ふっきした（同時どうじに、NeXTのセールス担当たんとう副ふく社長しゃちょうミッチ・マンディッチ、ソフトウェア技術ぎじゅつ担当たんとう副ふく社長しゃちょうアビー・テバニアン ハードウェア技術ぎじゅつ担当たんとう副ふく社長しゃちょうジョン・ルビンスタインが重役じゅうやくとしてAppleに加くわわる）。このとき、アメリオからプレゼントされた20周年しゅうねん記念きねんMacintosh（Spartacus）を窓まどから投なげ捨すてたという噂うわさがまことしやかに囁ささやかれた（ちなみにウォズにもこの記念きねんすべきMacintoshがプレゼントされた）。

Appleに復帰ふっきしたジョブズは、同年どうねん6月がつには一いち度どはAppleの先行さきゆきを悲観ひかんし株式かぶしきを手放てばなしたが、経営けいえい混乱こんらんの責任せきにんを取とるよう取締役とりしまりやくを巻まき込こみ、アメリオを追おいつめる。同年どうねん7月がつ9日にちにアメリオとハンコックが辞任じにんに追おい込こまれたあとは、執行しっこう副ふく社長しゃちょう兼けんCFOのフレッド・D・アンダーソンが短期間たんきかんを暫定ざんてい的てきに経営けいえいを行おこない、その間あいだにジョブズは復権ふっけんしていった。アメリオの辞任じにんにともない、取締役とりしまりやく会かいはジョブズにCEO就任しゅうにんを要請ようせいしたが、ピクサーCEOとして多忙たぼうであることを理由りゆうに彼かれはこれを拒否きょひして「責任せきにんがそれほど大おおきくない一時いちじ的てきなことであれば構かまわない」と言いい、1997年ねん9月がつには暫定ざんていCEOに就任しゅうにんした。

一方いっぽう、アメリオによるリストラは、このころようやく成果せいかを上あげ始はじめていた。膨ふくれ上あがった研究けんきゅう開発かいはつ費ひや一般いっぱん管理かんり費ひは大鉈おおなたをふるわれ、経費けいひ4億おくドルと従業じゅうぎょう員いん4,100人にんが削減さくげんされていた。複雑ふくざつになっていたMacのラインナップもPerformaを止とめるなどで整理せいりされつつあった。低迷ていめいを続つづけていたNewton事業じぎょうを別べつ会社かいしゃに分離ぶんりし、Apple本体ほんたいはMacintoshに集中しゅうちゅうできるようになった。ジョブズが暫定ざんていCEOになった時点じてんでの赤字あかじは10億おく4000万まんドルで、大胆だいたんな業務ぎょうむ縮小しゅくしょうやリストラなどを強行きょうこうしなければ、一時いちじはあと90日にちで倒産とうさんという間際まぎわであった。（当時とうじは約やく10,200名めいの従業じゅうぎょう員いんで、売うり上あげ年間ねんかん71億おくドル）

ジョブズは、その思惑おもわく通どおりに事ことを進すすめていくなかで、士気しきを上あげるため従業じゅうぎょう員いんのストックオプションの引ひき下さげを取締役とりしまりやく会かいに提案ていあんした。しかし、取締役とりしまりやく会かいがこれを否定ひていすると、ジョブズは取締役とりしまりやく全員ぜんいんに辞任じにんを迫せまった。結局けっきょく、マイク・マークラを含ふくむ取締役とりしまりやく陣じんは、そのほとんどが辞任じにんすることとなる。代かわりに、オラクルのラリー・エリソン、インテュイットのビル・キャンベルらを社外しゃがい取締役とりしまりやくに迎むかえ入いれ、取締役とりしまりやく会かいはほぼジョブズ寄よりのメンバーに再さい構成こうせいされた。

これに前後ぜんごし、CFOのフレッド・D・アンダーソンを除のぞいて、1997年ねん中ちゅうにCEOやCTO以外いがいにも、ATG閉鎖へいさやイメージング部門ぶもんなどの事業じぎょう整理せいりとともに、多数たすうの幹部かんぶがAppleから離職りしょくした。

COO兼けんセールス担当たんとうEVPのマルコ・ランディ、COOのジョージ・スカリス、マーケティング担当たんとうSVPのサジーブ・チャヒル、マーケティング担当たんとうSVPのゲリーノ・デ・ルーカ、ソフトウェア担当たんとうSVPのアイク・ナッシ、デベロッパーリレーションズ担当たんとうVPハイディー・ローゼン、セールス担当たんとうSVPのジョン・フロイサンド、Power Macintosh担当たんとうSVPフレッド・フォーサイス、チーフエヴァンジャリスト/Appleフェローのガイ・カワサキ、ATG担当たんとうVPのドナルド・ノーマン、ATG解散かいさん後ごのテクノロジーグループで短期間たんきかんのVPだったリチャード・ルファーブル、研究けんきゅう開発かいはつ担当たんとうVP兼けんチーフサイエンティストのラリー・テスラー、Appleフェローのアラン・ケイなど。

ジョブズは同年どうねん8月がつ、マイクロソフトと特許とっきょのクロスライセンスおよび業務ぎょうむ提携ていけいを結むすんだ（アメリオがビル・ゲイツと長ながらく交渉こうしょうしてきた中なかで頓挫とんざした内容ないようであった）。AppleはNetscape Navigatorに代かわりInternet Explorerを標準ひょうじゅんウェブブラウザとしてバンドルすることと引ひき換かえに、マイクロソフトはMicrosoft OfficeをMacintosh用ようにより一層いっそう最適さいてき化かさせ、さらにMacintosh版ばんとウィンドウズ版ばんを同時どうじリリースする内容ないようで、である。さらにマイクロソフトはAppleに対たいし1億おく5000万まんドルの出資しゅっし（議決ぎけつ権けんのない株式かぶしきを発行はっこう）を行おこなった。そしてボストンで行おこなわれた1997年ねんのMacworld Conference & Expoでは、ジョブズの基調きちょう講演こうえんの最中さいちゅうに衛星えいせい愛あい中継ちゅうけいでゲイツがスクリーン中ちゅうに登場とうじょうし、それらの提携ていけいを発表はっぴょうすることとなる。歴史れきし的てき和解わかいとも取とれるこのコンピュータ業界ぎょうかいの大物おおもの同士どうしの両者りょうしゃの演出えんしゅつは、発表はっぴょうされた提携ていけい内容ないようよりも話題わだい性せいの方ほうが大おおきく報道ほうどうされ、関心かんしんの深ふかい者ものにはよくも悪わるくも波紋はもんを呼よぶ結果けっかとなった。

1997年ねん9月がつにリリースされた「Mac OS 8」は久々ひさびさの大だいヒットとなり、Macユーザの間あいだに広ひろく受うけ入いれられた。Coplandプロジェクトやその次つぎのGershwinのコンセプトさえも遥はるかにしのぐNeXTのOS技術ぎじゅつを手てに入いれたことで、Mac OSの漸進ぜんしん的てき改良かいりょうを進すすめるという開発かいはつ方針ほうしんが順調じゅんちょうに進すすみ、1998年ねんにはMac OS 8.1をはさんでMac OS 8.5、1999年ねんにはMac OS 8.6、Mac OS 9と、メジャーアップデートとマイナーアップデートが交互こうごに半年はんとしごとにリリースされた。これらはアメリオ/ハンコックによるプランをジョブズ/テバニアンが踏襲とうしゅうしたものである。

かねてから開発かいはつが進すすんでいたPowerPCの新あらたな製品せいひんとしては、低てい価格かかくながら従来じゅうらいのハイエンドチップを上回うわまわる性能せいのうを持もつPowerPC G3を発表はっぴょう。モトローラとIBM、Appleの共同きょうどう開発かいはつで進すすめられたこの次世代じせだいチップは、新あらたなMacに搭載とうさいされ、Power Macintosh G3として発売はつばいされる。またG3の発表はっぴょうと並行へいこうして「赤字あかじの元凶げんきょうで共食ともぐい競争きょうそうでしかない」とされたMacintosh互換ごかん機きメーカへのMac OSライセンスを順次じゅんじ停止ていししていくことも決定けっていした。そのうちの1社しゃであるパワーコンピューティング社しゃを買収ばいしゅうし、Apple自身じしんがオンライン直販ちょくはんを行おこなうことを決きめる。これがのちにApple Online Storeとして展開てんかいしていくこととなる。

1997年ねん11月には、分離ぶんりされたNewton事業じぎょうをAppleに戻もどす形かたちで清算せいさんした。同おなじころ、Appleは“Think different” キャンペーンを大々的だいだいてきに開始かいしする。この“Think different.”では各界かくかいの偉人いじん・著名ちょめい人じんをCMに起用きようし、Apple自身じしんのイメージ転換てんかん戦略せんりゃくが計はかられた。

1998年ねん、PowerBook G3を発表はっぴょう。複雑ふくざつな曲線きょくせんを多用たようした斬新ざんしんなデザインは従来じゅうらいのPowerBookと一線いっせんを画かくすものであり、ジョブズの製品せいひんに対たいする美意識びいしきが現あらわれた初はじめての製品せいひんとしてMacユーザーの関心かんしんを呼よんだ。同どう時期じきにAppleのソフトウェア部門ぶもんの別べつ子会社こがいしゃであったクラリスをファイルメーカー社しゃと改名かいめいし、FileMakerの開発かいはつ・販売はんばいに専念せんねんさせ、クラリスワークスに代表だいひょうされるその他たのアプリケーションの開発かいはつ・販売はんばい権けんをAppleに戻もどす決定けっていもなされる。

2000年ねん1月がつ、ジョブズが復帰ふっきし業績ぎょうせきを挙あげた結果けっか、2年ねん半はんでAppleの市場いちば価値かちが20億おくドルから160億おくドルへ急上昇きゅうじょうしょうした功績こうせきで、ジョブズには1000万まん株かぶのストックオプションとビジネスジェット機じぇっときガルフストリームVの提供ていきょうがAppleの取締役とりしまりやく会かいにより決定けっていされた。

しかし1年ねん後ごには2001年ねん1月がつ、ジョブズ復帰ふっき以来いらいの大だい赤字あかじ、第だい1四半期しはんきの業績ぎょうせきで本業ほんぎょうでの2億おく4,700万まんドルもの純じゅん損失そんしつ（ARM HoldingsとAkamaiの株式かぶしき売却ばいきゃく益えき約やく4,900万まんドルを加味かみすると純じゅん損失そんしつは1億おく9,500万まんドル）を発表はっぴょうした。その結果けっか、株価かぶかが大幅おおはばに下落げらくし、1株かぶ14ドル代だいとなり市場いちば価値かちが数すうヶ月かげつ前まえから半減はんげんした。

iMac

詳細しょうさいは「iMac」を参照さんしょう

ボディーカラーに独自どくじに名付なづけたボンダイブルーを採用さいようした初代しょだいiMac

ジョブズは1998年ねん5月がつに、Worldwide Developers ConferenceでiMacを発表はっぴょうする。このiMacはポリカーボネイト素材そざいをベースに半はん透明とうめい（トランスルーセント）筐体きょうたいを採用さいようした製品せいひんであった。このデザインの視覚しかく的てきな訴求そきゅう力りょくと、ボンダイブルーなる青あお緑みどりのカラーリングにマスコミはこぞって賞賛しょうさんを送おくることになる（デザイン界かいでは意見いけんは二分にぶんされたが、日本にっぽんではグッドデザイン賞しょうを受賞じゅしょうした（1998年ねん））。iMacの存在そんざい意義いぎはそれだけでなく、単純たんじゅん明快めいかいなコンピュータであることを示しめすべく、それまでのSCSIインターフェースやRS-422シリアルポート、ADBなどを廃止はいしし、当時とうじのPC/AT互換ごかん機きで採用さいようが始はじまっていたUSBを新あらたに全面ぜんめん的てきに採用さいようした。

さらに、ベージュや白しろだったコンピュータ業界ぎょうかいを否定ひていするようにトランスルーセントデザインを採用さいようすることで、ジョブズはこのiMacにも似合にあう周辺しゅうへん機器ききが開発かいはつされることを見越みこしており、サードパーティー各社かくしゃはこぞって新しん製品せいひんや現行げんこう品ひんの改訂かいてい版ばんとして同様どうようの半はん透明とうめい素材そざいを採用さいようした製品せいひんを発表はっぴょうした。AppleはのちにこのiMacの改訂かいていを行おこない、5色しょくになったiMacは“Candy”と名付なづけられ、色いろ名めいも「ブルーベリー」、「タンジェリン」、「ストロベリー」、「グレープ」、「ライム」の名称めいしょうが与あたえられる。その後ごもカラーテーマを替かえて人目ひとめを惹ひき、それに付随ふずいするようにiMac DVではスロットローディングタイプのDVD-ROMドライブを採用さいようしたり、Power Macintoshにしか与あたえられていなかったFireWireポートを採用さいようしたりすることでヒットを続つづけ、iMacはAppleに久ひさしぶりの大おおきな売うり上あげをもたらした。

iMacの特徴とくちょうはそれだけでなく、初代しょだいMacintoshから続つづくコンパクトマックの特徴とくちょうであった〈取とっ手て〉を復活ふっかつさせ、発表はっぴょう時じにはiMacの画面がめんに“hello (again)”と表示ひょうじさせていたことも、Appleの原点げんてん回帰かいきを印象いんしょうづける結果けっかとなった（初代しょだいMacintoshの発表はっぴょう時じ、その画面がめんに“hello”と表示ひょうじされていたことをふまえている）。

2017年ねん6月がつ6日にち、WWDC 2017にて、Mac史上しじょう最高さいこう性能せいのうを誇ほこり、コントローラとしてApple T2チップを搭載とうさいした新しんアーキテクチャのiMac Proを発表はっぴょう。同年どうねん12月がつに発売はつばい開始かいし。

Mac OS X（後のちにOS Xに改称かいしょう、現げん・macOS）

詳細しょうさいは「macOS」を参照さんしょう

Rhapsody（Mac OS X Server 1.0の前身ぜんしんの開発かいはつコード名な）がサードパーティに受うけ入いれられないと判断はんだんすると、Mac OSで用意よういされているAPIのうち、使用しよう頻度ひんどの高たかい命令めいれいを抽出ちゅうしゅつし、いくつかの新しん機能きのうを加くわえたAPI CarbonをRhapsodyに統合とうごうした新しんOS、Mac OS Xへの移行いこうが宣言せんげんされる。Rhapsodyは暫定ざんてい的てきにMac OS X Server 1.0としてリリースされ、PCIバスを持もつPower Macintosh G3で動作どうさした。

2000年ねん9月がつ13日にちには、Mac OS Xの初はつの公開こうかい版ばんであるMac OS X Public Betaを発表はっぴょう、日本にっぽん国内こくないでは3,500円えんで提供ていきょうされた。新あらたにAquaを採用さいようし、Mac OS X Server 1.0ともMac OSともまったく異ことなる新あたらしい外観がいかんを持もっていた。

2001年ねん3月がつ24日にち、Mac OS X初はつの公式こうしきリリースであるMac OS X v10.0（Cheetah）が発売はつばいされる。G3以降いこうのMacを動作どうさ対象たいしょうにしており、OPENSTEPで評価ひょうかが高たかかった開発かいはつ環境かんきょう（Interface Builder・Project Builder）が標準ひょうじゅんで付属ふぞくしていた。Aquaは「Macらしさ」を重視じゅうしして大おおきく改良かいりょうされていたが、Mac OS 9にあった機能きのうが多おおく省はぶかれており、動作どうさが非常ひじょうに遅おそいという欠点けってんがあった。時ときを同おなじくしてAppleは、Macを核かくにさまざまなデジタル機器ききを連携れんけいさせる「Digital Hub」という構想こうそうを打うち出だした。

2001年ねん9月がつ25日にち、Mac OS X v10.1（Puma）を公式こうしきリリース、Mac OS X v10.0の登場とうじょうからわずか7か月げつでの発売はつばいだった。10.0からの無償むしょうアップグレードサービスが行おこなわれる。動作どうさ速度そくどの問題もんだいが改善かいぜんされたほか、10.0に欠かけていたさまざまな機能きのうが追加ついかされ、実用じつよう的てきに使つかえる初はじめてのバージョンとなった。マイクロソフト、アドビなどから少すこしずつ対応たいおうソフトがリリースされ始はじめ、先進せんしん的てきユーザから受うけ入いれられる。

2002年ねん8月がつ24日にち、Mac OS X v10.2 Jaguarがリリース。動作どうさ速度そくどがより向上こうじょうし、細こまかい部分ぶぶんの使つかい勝手かってに多おおくの改良かいりょうが施ほどこされた。事実じじつ上じょう、このバージョンが現在げんざいに続つづくMac OS Xの完成かんせい型がたと言いえる。このバージョンからMac OS Xのみが起動きどうする（Mac OS 9をサポートしない）Power Mac G4, iMac G4, PowerBook G4, iBookが販売はんばいされた。

2003年ねん10月がつ24日にち、Mac OS X v10.3 Pantherが発売はつばいされた。iPodの売うれ行ゆきの好調こうちょうさ、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、無線むせんLAN環境かんきょうの普及ふきゅうにより、パソコンの「Digital Hub」化かの流ながれが定着ていちゃくした。Mac OS Xでも大手おおて印刷いんさつ会社かいしゃへの入にゅう稿こう受うけ入いれが整ととのったため、遅おくれていたデザイン、出版しゅっぱん分野ぶんやへの導入どうにゅうが徐々じょじょに進すすみ始はじめる。またライセンス使用しよう料りょうの追加ついかがないクライアント無む制限せいげんのMac OS X Server搭載とうさいの1UサーバXserve導入どうにゅうとディスクレスNetBoot機能きのうが評価ひょうかされ、東京大学とうきょうだいがく、東京女子大学とうきょうじょしだいがくに大量たいりょう導入どうにゅうされた。

2005年ねん4月がつ29日にち、Mac OS X v10.4 Tiger発売はつばい。システム内部ないぶが大おおきく進化しんかした。セキュリティ機能きのうが充実じゅうじつし、あおぞら銀行ぎんこう、神戸大学こうべだいがくにNetBoot端末たんまつとしてiMac G5が大量たいりょう導入どうにゅうされた。単体たんたいリリースはないが、このバージョンより、Mac OS XをIntel対応たいおう化かした。

2007年ねん10月がつ26日にちにMac OS X v10.5 Leopardがリリース。300以上いじょうにも及およぶ新しん機能きのうが搭載とうさいされた。iPhoneのソフトウェア開発かいはつを優先ゆうせんさせるため当初とうしょの予定よていから発売はつばいが延期えんきされた。

2009年ねん8月がつ28日にち、Mac OS X v10.6 Snow Leopardが発売はつばいされ、Intel Macのみをサポートした初はつのバージョンとなった。Finder・QuickTimeがCocoa APIで全面ぜんめん的てきに作つくり直なおされるなどシステム全般ぜんぱんにわたるブラッシュアップが行おこなわれるメジャーアップデートながら、シングルユーザライセンスは米国べいこくで29ドル、日本にっぽんでは3,300円えんと低てい価格かかくで提供ていきょうされた。

2010年ねん10月がつ21日にち、Mac OS X Lion発表はっぴょう。Exposé・Dashboard・Spacesの各かく機能きのうに統合とうごうされたアクセスを提供ていきょうする“Mission Control”を搭載とうさいするほか、ソフトウェア販売はんばいサービス“Mac App Store”やフルスクリーンのウィンドウ表示ひょうじ、ランチャー“LaunchPad”などiOSに由来ゆらいする機能きのうを搭載とうさい。Mac OS X v10.5 Leopard以来いらいの大幅おおはばな機能きのうとインターフェイスの刷新さっしんとなる。2011年ねん2月がつ24日にちには、公式こうしきサイトにさらなる新しん機能きのうの説明せつめいが追加ついかされた。LaunchPadやAirdropなどを含ふくむ250を越こえる新しん機能きのうを追加ついかし、64ビットマルチコアCPU（Intel Core 2 Duo以降いこう）のみをサポートする。7月がつ20日はつかにMac App Storeでダウンロード販売はんばいを開始かいしした。8月17日にちには、USBメモリ版はんも発売はつばいされた。

2012年ねん2月がつ16日にち、OS X Mountain Lion発表はっぴょう。メッセージやリマインダー、AirPlayをはじめとする100を越こえる新しん機能きのうを追加ついか。このリリースより、製品せいひん名めいから“Mac”が外はずされ、単たんに“OS X”と呼よばれるようになった。

2013年ねん6月がつ10日とおか、OS X Mavericks発表はっぴょう。このバージョンから無償むしょう提供ていきょうになり、マップやiBooksなど200以上いじょうの機能きのうが追加ついか。このバージョンから実在じつざいの地名ちめいが使用しようされる。

2014年ねん6月がつ2日にち、OS X Yosemite発表はっぴょう。iOS 8やiCloudとの緊密きんみつな連携れんけいを実現じつげんさせている。

2015年ねん6月がつ9日にち、OS X El Capitan発表はっぴょう。UIにSplit View、グラフィックシステムにiOS同様どうようの高速こうそく化かを図はかるMetalを導入どうにゅうした他ほか、日本語にほんご入力にゅうりょくシステムやフォントの充実じゅうじつなど日本語にほんご環境かんきょうを強化きょうかしている。

2016年ねん6月がつ13日にち、macOS Sierra発表はっぴょう。このバージョンから、iOS、tvOS、watchOSに合あわせた “macOS” という名称めいしょうに変更へんこうされた。MacでもSiriが利用りよう可能かのうになったほか、Apple Watchを使用しようしたMacのロック解除かいじょ、ストレージの最適さいてき化か機能きのうなどを導入どうにゅうした。

2017年ねん6月がつ5日にち、macOS High Sierra発表はっぴょう。Apple File SystemやHigh Efficiency Video Coding、High Efficiency Image File Formatなどを導入どうにゅう。

2018年ねん6月がつ4日にち、macOS Mojave発表はっぴょう。ダークモードの追加ついかや、Mac App Storeの大幅おおはばなリニューアルなどを導入どうにゅうした。

2019年ねん6月がつ3日にち、macOS Catalina発表はっぴょう。同時どうじに発表はっぴょうされたiPadOSとの連携れんけいや、iOS 12から搭載とうさいされたスクリーンタイムの追加ついか、iTunesの廃止はいしなどを実施じっしした。

2020年ねん6月がつ22日にち、初はつのオンライン開催かいさいとなったWWDC2020の基調きちょう講演こうえんにおいてmacOS Big Surが発表はっぴょうされ、macOS バージョン11.0.1として、同年どうねん11月がつ12日にちにリリースされた。

2021年ねん6月がつ7日にち、オンラインで行おこなわれたWWDC2021の基調きちょう講演こうえんでmacOS Monterey発表はっぴょう。AirPlayやFaceTimeの強化きょうか、「集中しゅうちゅうモード」などを導入どうにゅう。

2022年ねん6月がつ6日にち、オンラインで行おこなわれたWWDC2022の基調きちょう講演こうえんにてmacOS Venturaが発表はっぴょうされた。iPhoneをMacのウェブカメラとして使用しようできる「連携れんけいカメラ」、ステージマネージャなどを導入どうにゅう、Metal 3によってゲームが高速こうそく化かされる予定よていである。

2023年ねん6月がつ5日にち、オンラインで行おこなわれたWWDC2023の基調きちょう講演こうえんにてmacOS Sonomaが発表はっぴょうされた。ウィジェットやロック画面がめんの刷新さっしん、Game Porting Toolkit（WindowsゲームをmacOSに移植いしょくするための開発かいはつ者しゃ向むけツール）、ゲームモードなどが発表はっぴょうされた。

2024年ねん6月がつ10日とおか、オンラインで行おこなわれたWWDC2024の基調きちょう講演こうえんにてmacOS Sequoiaが発表はっぴょうされた。Apple Intelligenceと統合とうごうした多数たすうの機能きのうを搭載とうさいしている他ほか、iPhoneミラーリングによるリモートコントロール機能きのうも搭載とうさいされている。

iPod

詳細しょうさいは「iPod」を参照さんしょう

初代しょだいiPod。大だい容量ようりょうのハードディスクドライブを搭載とうさいすることにより、ディスクを入いれ替かえることなく多おおくの音楽おんがくを蓄積ちくせきすることができるようになった。

ジョブズは当時とうじ、iPodの開発かいはつ者しゃに「電源でんげんボタンはなくせ」「3タッチ以内いないに全すべての曲きょくにたどり着つけるようにしろ」などのジョブズらしい厳きびしい注文ちゅうもんを大量たいりょうにし、iPodを極力きょくりょく使つかいやすく、わかりやすい機器ききにしようとしていた。

その結果けっか2001年ねん、それまで主流しゅりゅうだったフラッシュメモリ型かたとは一線いっせんを画かくす、大だい容量ようりょうハードディスクドライブ型かた携帯けいたい音楽おんがくプレイヤー『iPod』を発売はつばい。当初とうしょは価格かかくの高たかさにより売うれ行ゆきを疑問ぎもん視しする声こえが少すくなくなかったが、ジョブズの注文ちゅうもんによる直感ちょっかん的てきな高たかい操作性そうさせいわると、管理かんりソフトiTunesとの抜群ばつぐんの連携れんけい機能きのうもあり、徐々じょじょに売上うりあげを伸のばす。

当初とうしょはMac版ばんしかなかったiPodであるが、のちにWindows版ばんのiPodも発売はつばいされる。その後ご、Windows用よう/Mac用ようといった区分くわけはされなくなり、Windows向むけiTunesが提供ていきょうされたころからヒット商品しょうひんとなる。そして廉価れんか版ばんともいえるiPod miniを登場とうじょうさせたことで、爆発ばくはつ的てきにヒットする。

さらに2003年ねんには、音楽おんがく配信はいしんサイトのiTunes Music Store（現在げんざいのiTunes Store）を開始かいし。2004年ねんには、iPodをヒューレット・パッカードにライセンスするなど、携帯けいたい音楽おんがく市場いちばで、米国べいこくを中心ちゅうしんに独占どくせん的てきな地位ちいを確保かくほするに至いたり、既存きそんの音楽おんがく産業さんぎょうの構造こうぞうを根本こんぽんから変かえ、タワーレコードやHMVといった音楽おんがくCDショップが破産はさん、米国べいこくの街まち中ちゅうから姿すがたを消けした。

日本にっぽんでも、ソニーのウォークマンを圧倒あっとうし、2003年ねん以降いこう一貫いっかんしてデジタル携帯けいたい音楽おんがくプレーヤーのシェア1位いとなる。iPod miniの後継こうけいモデルとしてiPod nano、また「シャッフル再生さいせい」というコンセプトをメインに据すえることにより、低てい価格かかく化かとより一いち層そうの小型こがた化かを実現じつげんしたフラッシュメモリ型がたのiPod shuffleも発売はつばいされ、人気にんきを博はくした。

iTunes Music Storeは日本にっぽんにおいては、2005年ねん8月がつ4日にちより開始かいしされた。登録とうろく楽曲がっきょく数すう100万まん曲きょく、1曲きょく150円えんか200円えんという低てい価格かかくで始はじまり、開始かいしよりわずか4日にちで100万まん曲きょくダウンロードを達成たっせいする。ポッドキャストと呼よばれる新あたらしいデジタル配信はいしん媒体ばいたいを構想こうそうし、テレビよりも技術ぎじゅつ革新かくしんが進すすまないラジオのデジタル化かに革新かくしんをもたらすことが期待きたいされている。

iPodが登場とうじょうした当初とうしょは、現状げんじょうのような大だい成功せいこうを収おさめると思おもっている関係かんけい者しゃが多おおかったわけではない。初期しょきには価格かかくの高たかさ、利用りようにはパソコンが必須ひっすとなるコンセプトが理解りかいされなかったことにより、懐疑かいぎ的てきな意見いけんが多おおくあった。しかし2001年ねん前後ぜんこうにAppleが提唱ていしょうしていたコンセプト「デジタルハブ」（多おおくのデジタル機器ききの中心ちゅうしんにパソコンを据すえるというコンセプト）構想こうそうが時宜じぎを得えて、iPodは携帯けいたい型がた音楽おんがくプレイヤーの代名詞だいめいしとなった。

iPhone

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初代しょだいiPhone

2007年ねん1月がつ9日にち、Appleは新しん製品せいひんiPhoneを発表はっぴょうし、スマートフォン市場いちばへ進出しんしゅつした。同年どうねん6月がつ29日にち米国べいこくで発売はつばい。iPhoneは高機能こうきのう携帯けいたい電話でんわ+iPod+インターネット端末たんまつと発表はっぴょうされ、マルチタッチスクリーンなど先進せんしん的てきでユニークなデザインが話題わだいを呼よび、世界せかい的てきな話題わだいとなった。

当初とうしょよりiPhoneのOSはMac OS Xベースであるとされ、2008年ねん6月がつにはOS X iPhone SDKが公開こうかいされる（名称めいしょうは“iPhone OS”、“iOS”と変遷へんせん）。2008年ねん6月がつ9日にちには、第だい三さん世代せだい通信つうしん規格きかくのUMTS、高速こうそく通信つうしんのHSDPAやA-GPSに対応たいおうしたiPhone 3Gが発表はっぴょうされた。この機種きしゅより日本にっぽんでも発売はつばいされている。

その後ごも年とし1回かいのペースで改良かいりょうを重かさね、ブランド、売上うりあげにおいて同社どうしゃの主力しゅりょく製品せいひんとなっている。

iPhoneの販売はんばい店てんでの取とり扱あつかいに際さいしてルールが設もうけられており、その中なかでも特質とくしつすべきは、コストはかかっても妥協だきょうしない、ブランド力りょくを高たかめる展示てんじ方法ほうほうである。具体ぐたい的てきには、最新さいしんのiPhoneとAndroidスマートフォンを横よこに並ならべ、性能せいのうや機能きのうを比くらべるといった展示てんじがNGであるというような、「iPhoneは他たメーカーの製品せいひんと並なべてはいけない」という決きまりがある。ほかには、掲示けいじできるポスターや展示てんじの装飾そうしょく、プライスカードまでも専用せんようのものを使つかうようにいわれており、これらの決きまりを守まもれないと、その店舗てんぽでのiPhoneの取とり扱あつかいを停止ていしされる。これはAppleの重要じゅうようなマーケティング戦略せんりゃく、ブランドエクィティと密接みっせつに関係かんけいしており、強つよみを活いかす姿勢しせいである。

iPad

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iPad

2010年ねん1月がつ28日にち、Appleは新しん製品せいひんiPadを発表はっぴょうし、タブレット分野ぶんやに進出しんしゅつした。製品せいひん発表はっぴょう会かいにおいて、スティーブジョブズはiPhoneとMacBookの間あいだとなるものと位置いちづけていると語かたった。また、米国べいこく内ないで発売はつばいされる当とう端末たんまつにはiBooksが搭載とうさいされ、iBookStoreを開設かいせつし電子でんし書籍しょせき分野ぶんやにも進出しんしゅつすることを発表はっぴょうした。

2012年ねん10月がつ24日にちの製品せいひん発表はっぴょう会かいで手てのひらサイズに小型こがた化かしたiPad miniを発表はっぴょう。同時どうじに、iBooksとiBooks Authorのバージョンアップを発表はっぴょうし、教育きょういく現場げんばにおけるiPad活用かつようをアピールした。

iOS 12まではiPhoneと同おなじオペレーティングシステムを採用さいようしており、多おおくのソフトウェアはiPhoneと互換ごかん性せいがある。2019年ねん6月3日にちのWWDC 2019で、macOS Catalinaとともに、iPad専用せんようのiOSベースのオペレーティングシステムとして、iPadOSが発表はっぴょうされた。

ジョブズ退任たいにんと死去しきょ

2011年ねん1月がつ18日にち、ジョブズが病気びょうきを理由りゆうに休職きゅうしょくすることが発表はっぴょうされた。日常にちじょう業務ぎょうむは前回ぜんかい（2009年ねん前半ぜんはん）同様どうようティム・クックCOO（最高さいこう執行しっこう責任せきにん者しゃ）に任まかせるが、CEOにはとどまり、大おおきな戦略せんりゃく的てき決定けっていには関与かんよするとしている。

2011年ねん8月がつ24日にち、取締役とりしまりやく会かいに辞表じひょうを提出ていしゅつしてCEOを辞任じにん。取締役とりしまりやく会かいの承認しょうにんを受うけて会長かいちょう職しょくへつく。ジョブズが会長かいちょう就任しゅうにん後ご、CEOは当時とうじCOOのティム・クックが後こうを継ついだ。

ジョブズがCEOを退任たいにんする8月がつには、Appleは時価じか総額そうがくで世界せかいトップだったエクソンモービルを抜ぬき、世界せかい最大さいだいの企業きぎょうとなっていた。

2011年ねん10月がつ5日にち、スティーブ・ジョブズ死去しきょ。56歳さい没ぼつ。同日どうじつ同社どうしゃの公式こうしきサイトでは、すべての言語げんごのTOPページにジョブズのモノクロ写真しゃしんが掲載けいさいされ追悼ついとうを行おこなった。

3兆ちょうドル企業きぎょう

Appleは2011年ねん8月がつに株式かぶしきの時価じか総額そうがくで世界せかい最大さいだい企業きぎょうとなった後のち、2018年ねん8月がつ2日にちに民間みんかん企業きぎょうとして世界せかいで初はじめて時価じか総額そうがく1兆ちょうドルに到達とうたつした。その後ごも業績ぎょうせきを伸のばし続つづけた結果けっか、2020年ねん8月がつ19日にちに時価じか総額そうがく2兆ちょうドルを超こえ、2022年ねん1月がつ3日にちに世界せかいで初はじめて時価じか総額そうがく3兆ちょうドルを超こえた。

法人ほうじん向むけビジネスの拡充かくじゅうと異い業種ぎょうしゅ提携ていけい

2014年ねん以降いこう、AppleはIBMとのパートナーシップを結むすんだことを皮切かわきりに、法人ほうじん向むけのサービスや異い業種ぎょうしゅとの提携ていけいを相次あいついで発表はっぴょう。一般いっぱん消費しょうひ者しゃ向むけと法人ほうじん向むけの両りょう市場いちばで拡大かくだいを図はかる米べいGoogleや米べいMicrosoftへの対抗たいこうを意識いしきし、法人ほうじん向むけビジネスのシェア拡大かくだいを推進すいしんしている。2015年ねんには米べいビジネスコンサルティング大手おおてデロイトとの法人ほうじん向むけ販売はんばいの強化きょうか、2016年ねんにはドイツの大手おおてソフトウェア企業きぎょうSAPと組くんで法人ほうじん向むけクラウドサービスへの参入さんにゅうや人工じんこう知能ちのうの業務ぎょうむへの活用かつよう、米べい通信つうしん機器きき大手おおてシスコシステムズの製品せいひんと連携れんけい可能かのうにする、2017年ねんには多た国籍こくせきコンサルティングファームのアクセンチュアとパートナーシップを結むすぶなど、法人ほうじん市場いちばにおけるシェア拡大かくだいに取とり組くんでいる。

環境かんきょうへの取組とりくみと太陽光たいようこう発電はつでん事業じぎょう

Appleは、2004年ねんから同社どうしゃの使命しめいとして環境かんきょうのページを運用うんようしてきたが、2014年ねんに環境かんきょうへの取とり組くみ担当たんとうVPとしてリサ・ジャクソンを採用さいようし、環境かんきょうに対たいする取組とりくみを加速かそくさせる。2018年ねんに自社じしゃ施設しせつの再生さいせい可能かのうエネルギー利用りよう率りつ100%を達成たっせいしたのち、取引とりひき先さき企業きぎょうを含ふくめた100%を目指めざし再生さいせい可能かのうエネルギーの利用りよう（RE100プロジェクト参加さんか）とリサイクルを促進そくしんしている。米国べいこく内ないでは、ノースカロライナ州しゅう、オレゴン州しゅう、ネバダ州しゅう、アリゾナ州しゅう、カリフォルニア州しゅうで、大だい規模きぼな太陽光たいようこう発電はつでんなど再生さいせい可能かのうエネルギー事業じぎょうへ投資とうししている。また、中国ちゅうごくでの太陽光たいようこう発電はつでん事業じぎょうを支援しえん・促進そくしんし、デンマークのデータセンターは再生さいせい可能かのうエネルギーだけを利用りようする。

リサイクルの拡大かくだい

Appleは製品せいひんのリサイクルを積極せっきょく的てきに行おこない、リサイクル素材そざい利用りようを推進すいしんしている。

Apple Intelligence

詳細しょうさいは「Apple Intelligence」を参照さんしょう

2024年ねん6月がつ10日とおかに開催かいさいされたWWDC2024の基調きちょう講演こうえんで、プライバシー保護ほごに配慮はいりょし、パーソナルコンテキストを理解りかいする、独自どくじ開発かいはつした生成せいせいモデルを据すえるパーソナルインテリジェンスシステム（人工じんこう知能ちのうプラットフォーム）、Apple Intelligence（アップルインテリジェンス）のiOS 18、iPadOS 18、macOS Sequoiaでの全面ぜんめん採用さいようと応用おうようした多数たすうの機能きのうが発表はっぴょうされた。新あたらしいSiriから、外部がいぶのChatGPT-4oをOpen AIのアカウントや契約けいやく無なしで利用りようすることも可能かのうとなる。2024年ねん秋あきから米国べいこく英語えいごでのベータテストが始はじまり、多言たげん語ご対応たいおうは2025年ねん中ちゅうとなる予定よてい。

本社ほんしゃと主おもな拠点きょてん

Apple Park

2009年ねんから手掛てがけられ2011年ねんにスティーブ・ジョブズ前ぜんCEOの元もとで公表こうひょうされ進すすめられていた新しん本社ほんしゃApple Campus 2（当時とうじ）について、2017年ねん2月がつに同年どうねん4月がつより6か月げつをかけて移転いてんが行おこなわれること、名称めいしょうはApple Parkと発表はっぴょうした。2018年ねん2月がつ16日にちに本社ほんしゃ所在地しょざいち住所じゅうしょもApple Park (One Apple Park Way, Cupertino, CA 95014)へ変更へんこうされた。

Apple Campus

前ぜん本社ほんしゃ所在地しょざいち、2024年ねん現在げんざいも開発かいはつ拠点きょてんエリアである

2011年ねんごろの本社ほんしゃキャンパス正面しょうめん玄関げんかん

1993年ねんから2017年ねんまでApple Campus (1 Infinite Loop, Cupertino, CA 95014)が本社ほんしゃ所在地しょざいちであった。2024年ねん現在げんざいも開発かいはつ拠点きょてんとして健在けんざいであり、元々もともとのThe Company Storeは、2015年ねん9月がつ19日にちからApple StoreのApple Infinite Loopとして生うまれ変かわって2024年ねん1月がつ20日はつかまで営業えいぎょうを続つづけた。

Apple Austin Campus

以前いぜんからテキサス州しゅうオースティンには、サポートやトレーニングなどを担当たんとうするオペレーションセンターがあった。2022年ねんまでには10億おくドルを掛かけて拡張かくちょうしたキャンパスで、新あらたに15,000人にんを雇用こようする開発かいはつ、サポートの一大いちだい拠点きょてんとなる。

Wolfe Campus

2018年ねん、Apple Parkの北側きたがわ、約やく7kmの地点ちてん、サニーベールに建設けんせつされたAppleのカリフォルニア州しゅう第だい3拠点きょてん。

Results Way Campus

本社ほんしゃのあるクパチーノ市内しない、Apple Parkから南西なんせい5kmほど、2011年ねんから賃貸ちんたいしていた10棟むねのビルと敷地しきちを2022年ねん12月に買かい取とった、研究けんきゅう拠点きょてんの一ひとつ。

Rancho Vista Corporate Center

サンディエゴ郊外こうがいに4億おく4500万まんドルで新あらたにキャンパスを購入こうにゅうし、2026年ねんには新あらたに5,000人にんを雇用こようする開発かいはつ拠点きょてんとして予定よていしていると2022年ねん7月がつに報ほうじられた。

Research Triangle Park

2021年ねんからノースカロライナ州しゅうリサーチ・トライアングル・パークに、10億おくドル投資とうしして新あたらしいキャンパスを作つくり、2023年ねんより3000以上いじょうのポジションで雇用こようする予定よてい。2022年ねん4月がつに、Appleは、ケーリーにあるメットライフ・キャンパスでオフィスビルをリノベーションする許可きょかを得えた。計画けいかくは遅おくれており、2024年ねん5月がつでも、2021年ねんに発表はっぴょうされた計画けいかくの最初さいしょの段階だんかいに留とどまっており、2026年ねん中ちゅうが目標もくひょうと示唆しさされている。

Spectrum Terrace Office

カリフォルニア州しゅうアーバインにある無線むせんチップの開発かいはつ拠点きょてん。

バイエルンデザインセンター

2015年ねんから、ドイツのバイエルンデザインセンター(Bavarian Design Center )で350人にん以上いじょうのエンジニアが電源でんげん管理かんりユニットチップなどの半導体はんどうたいの開発かいはつに携たずさわっている。

ナーベルン半導体はんどうたい開発かいはつ拠点きょてん

2019年ねんから、ドイツのナーベルンに半導体はんどうたい開発かいはつ拠点きょてんを設置せっちしている。

ミュンヘン欧州おうしゅうシリコンデザインセンター

2021年ねん3月がつ10日とおか、Appleは、既すでに40カ国かこくから1500人にんのエンジニアが開発かいはつに携たずさわっているドイツのミュンヘン中心ちゅうしん部ぶの拠点きょてんに、3年間ねんかんで10億おくユーロ以上いじょうを投資とうしして欧州おうしゅうシリコンデザインセンター（European Silicon Design Center in Munich）を開設かいせつすることを発表はっぴょうした。2023年ねん3月がつ2日にちには、さらに追加ついかで10億おくユーロの投資とうしによる、M2 Pro, M2 Maxを開発かいはつした欧州おうしゅうシリコンデザインセンターの拡張かくちょうを発表はっぴょうした。

イスラエル

Appleでは、Anobit Technologies, Prime Sense, RealFace, LinX, Cameraiなどイスラエル企業きぎょうを買収ばいしゅうし、2000人にんを超こえるエンジニアがソフトウェアとハードウェアを開発かいはつしている。Apple M1もイスラエルの下記かきR&D拠点きょてんで開発かいはつされた。

• ヘルツリーヤ
• ハイファ
• エルサレム

シンガポール

1981年ねんに開設かいせつされたAng Mo Kioにあるキャンパスは、2024年ねん現在げんざいで3600人にん以上いじょうが働はたらく、アジア・太平洋たいへいよう地域ちいきの一大いちだいサポート拠点きょてんである。2024年ねん4月がつ、Appleは2.5億おくドル以上いじょうを投資とうしし、拡張かくちょうすると発表はっぴょうした。

データセンター

Appleの100%再生さいせい可能かのうエネルギーで稼働かどうしているハイパースケール・データセンターが米国べいこく内外ないがいで運用うんようされている。

米国べいこく内ないでは下記かきの箇所かしょにある。

• ノースカロライナ州しゅうメイデン
• カリフォルニア州しゅうニューアーク
  • 2020年ねんから売却ばいきゃく先さきのT5 Data Centersが運用うんようしている
• オレゴン州しゅうプラインビル
• ネバダ州しゅうリノ
• アリゾナ州しゅうメサ

さらにアイオワ州しゅうWaukeeで建設けんせつし、2020年ねん稼働かどう開始かいし目標もくひょうであったが、大幅おおはばに遅おくれ2027年ねん開始かいしを目標もくひょうとされている。また米国べいこく外がいではデンマークViborgで稼働かどう中ちゅうである。なお、デンマークAabenraaでの計画けいかくは2019年ねん6月がつに、アイルランドAthenryでの計画けいかくは2018年ねん5月がつにキャンセルしている。またAppleはAWS、Google Cloud、Microsoft Azureをはじめとする他社たしゃのデータセンターも利用りようしており、中国ちゅうごくにおいてはGuizhou Cloud Big Data Industrial Developmentのデータセンターを利用りようしてきたが、貴き州しゅう省しょうに最初さいしょの自社じしゃデータセンターを建設けんせつし2021年ねん5月がつより稼働かどうさせている他た、第だい2データセンターが内モンゴル自治うちもんごるじち区くウランチャブ市しに建設けんせつされる。

コンテンツデリバリネットワーク

Appleはコンテンツデリバリネットワークとして、1999年ねんからアカマイやLevel 3を中心ちゅうしんに利用りようしていたが、2014年ねんから自社じしゃCDNの運用うんようを開始かいし、併用へいようしている。

Macハードウェアの変遷へんせん

Macアーキテクチャの変遷へんせん

初代しょだいMacintoshには、CPUとして当時とうじのモトローラによる68000シリーズが利用りようされていた。モジュール構造こうぞうで拡張かくちょうバスNuBusを採用さいようしたMacintosh IIからはMC68020など、32ビットCPUを利用りようするようになった。1992年ねんにIBMとモトローラとの提携ていけいしたことにより1994年ねんからPowerPCを採用さいようしたPower Macintoshシリーズを発売はつばいする。当初とうしょのPower Macintosh 6100、7100、8100シリーズはNuBusアーキテクチャを引ひき継ついでいたが、1995年ねん夏なつにはPower Macintosh 7500、8500、9500シリーズよりPCIアーキテクチャに刷新さっしんされる。PReP、CHRPといった計画けいかくの破棄はきを経へてもPower Macintosh G3、Power Mac G4、G5と順調じゅんちょうに見みえたPowerPCを採用さいようしたMacは、約束やくそくの速度そくど（PowerPC G5で3 GHz）や省しょう電力でんりょく版ばんのPowerPC G5が開発かいはつされずPowerBook G5が出だせないことで、2006年ねんに終焉しゅうえんを迎むかえIntel IA-32へと移行いこうし、手始てはじめにiMacやMacBook ProにCore Duoが採用さいようされる。2020年ねん6月がつ、Macの大おおきな飛躍ひやくを果はたすとしてAppleシリコンへの移行いこうが発表はっぴょうされる。同年どうねん11月がつには、ARMv8.6ベースのApple M1を搭載とうさいしたMacBook Air、MacBook Pro、Mac miniがリリースされた。

MacのCPUアーキテクチャの変遷へんせん

• 1984年ねん 16ビット MC68000、初代しょだいMacintosh
• 1987年ねん 32ビット MC68020、Macintosh II
• 1994年ねん PowerPC 32ビット IBM/Motorola PowerPC 601、Power Macintosh 6100、7100、8100
• 2003年ねん PowerPC 64ビット IBM PowerPC 970、Power Mac G5
• 2006年ねん1月がつ IA-32 Intel Core Duo、MacBook Pro、iMac
• 2006年ねん9月がつ X64 Intel Core 2 Duo、iMac
• 2020年ねん AArch64 Apple M1、MacBook Air、MacBook Pro、Mac mini

拡張かくちょうバスの変遷へんせん

• 1987年ねん NuBus: Macintosh II
• 1991年ねん NuBus 90: Macintosh Quadra 700、900
• 1995年ねん PCI: Power Macintosh 7500、8500、9500
• 1999年ねん AGP: Power Mac G4 (AGP)
• 2003年ねん PCI-X: Power Mac G5
• 2005年ねん PCI Express: Power Mac G5 (Late 2005)
  • 2006年ねん PCI Express 2.0: Mac Pro (Mid 2006)
  • 2019年ねん PCI Express 3.0: Mac Pro (2019)
  • 2023年ねん PCI Express 4.0: Mac Pro (2023)

歴代れきだいCEO

	氏名しめい	在任ざいにん期間きかん
初代しょだい	マイケル・スコット	1977年ねん - 1981年ねん
2代だい	マイク・マークラ	1981年ねん - 1983年ねん
3代だい	ジョン・スカリー	1983年ねん - 1993年ねん
4代だい	マイケル・スピンドラー	1993年ねん - 1996年ねん
5代だい	ギル・アメリオ	1996年ねん - 1997年ねん
6代だい	スティーブ・ジョブズ	1997年ねん - 2000年ねん（暫定ざんてい） 2000年ねん - 2011年ねん
7代だい	ティム・クック	2011年ねん -

製品せいひん・事業じぎょう

「beats by dr.dre」ブランドの製品せいひんはビーツ・エレクトロニクスを参照さんしょう

ハードウェア

• Mac（パーソナルコンピュータ）
  • iMac
  • Mac mini
  • Mac Studio
  • Mac Pro
  • MacBook Air
  • MacBook Pro
  ディスプレイ
  • Studio Display
  • Pro Display XDR
• iPhone（スマートフォン）
  • iPhone 15
  • iPhone 15 Plus
  • iPhone 15 Pro
  • iPhone 15 Pro Max
  • iPhone 14
  • iPhone 14 Plus
  • iPhone 13
  • iPhone SE (第だい3世代せだい)
• iPad（タブレット）
  • iPad (第だい9世代せだい)
  • iPad (第だい10世代せだい)
  • iPad mini (第だい6世代せだい)
  • iPad Air (第だい4世代せだい)
  • iPad Pro (第だい6世代せだい)
• Apple Watch（スマートウォッチ）
  • Apple Watch Series 9
  • Apple Watch Ultra 2
  • Apple Watch SE (第だい2世代せだい)
• Apple TV 4K（セットトップボックス）
• HomePod（スマートスピーカー）
  • HomePod (第だい2世代せだい)
  • HomePod mini
• アクセサリ
  • Magic Mouse
  • Magic Trackpad
  • Magic Keyboard
  • Apple Pencil
  • AirTag
  ヘッドフォン
  • AirPods
  • AirPods Pro
  • AirPods Max
  • EarPods
• Apple Vision Pro（空間くうかんコンピュータ）

ソフトウェア・サービス

• アプリケーション
  • iTunes
  • Safari
  • 写真しゃしん
  • iMovie
  • GarageBand
  • iWork
    • Keynote
    • Pages
    • Numbers
  • Final Cut Pro
  • Logic Pro
  • Motion
  • Compressor
  • MainStage
  • Apple Books
  • iBooks Author
  • Xcode
  • Swift Playgrounds
  • Apple Remote Desktop
  • Apple Configurator
  • Move to iOS（Androidアプリ）
• オペレーティングシステム
  • macOS（パーソナルコンピュータ）
  • iOS（モバイル）
  • iPadOS（タブレット）
  • watchOS（スマートウォッチ）
  • tvOS（セットトップボックス）
  • visionOS（空間くうかんコンピュータ）
• サービス
  • iTunes Store
  • App Store
  • Mac App Store
  • iBooks Store
  • iCloud
  • Apple Pay
  • Apple Card
  • Apple Music
  • Apple Podcasts
  • Apple Arcade
  • Apple TV+
  • Apple Fitness+
  • Apple News
  • Apple One
  • Apple Business Manager
  • Apple School Manager
  • AppleCare
• プログラミング言語げんご
  • Swift
  • Objective-C

過去かこの製品せいひん・事業じぎょう

• ハードウェア
  • デスクトップ
    • Apple I - Apple II - Apple III - Lisa - Macintosh XL
    • Macintosh - Macintosh Plus - Macintosh SE - Macintosh Classic - Macintosh Classic II - Macintosh Color Classic - Macintosh Color Classic II
    • Macintosh II - Macintosh IIx - Macintosh IIcx - Macintosh IIci - Macintosh IIfx - Macintosh IIsi - Macintosh IIvi - Macintosh IIvx
    • Macintosh LC - Macintosh LC II - Macintosh LC III - Macintosh LC 475
    • Performa
    • Macintosh Quadra - Macintosh Quadra 700 - Macintosh Quadra 900 - Macintosh Quadra 950
    • Macintosh Centris
    • Power Macintosh- Power Macintosh G3 (Blue & White)
    • Power Mac - Power Mac G4 - Power Mac G4 Cube - Power Mac G5
    • eMac
    • 20th Anniversary Macintosh
    • iMac - iMac DV - iMac G4 - iMac G5 - iMac Pro - iMac (インテルベース)
  • ラップトップ（ノートブック型がた）
    • Macintosh Portable
    • PowerBook
      • PowerBook 140, 145B
      • PowerBook 170
      • PowerBook 160, 165
      • PowerBook 180, 180c
      • PowerBook 150
      • PowerBook 190
      • PowerBook 5300
      • PowerBook 1400
      • PowerBook 3400c
      • PowerBook 2400c
      • PowerBook G3
      • PowerBook G4
    • PowerBook Duo
      • PowerBook Duo 210, 230
      • PowerBook Duo 250, 270c
      • PowerBook Duo 280, 280c
      • PowerBook Duo 2300c
    • iBook
      • iBook (Dual USB)
      • iBook (Opaque White)
      • iBook G4
    • MacBook
      • MacBook (2015-2017)
  • PiPPiN - Power Macintoshをベースとし、CD-ROMドライブのみを搭載とうさいしたAppleが開発かいはつしバンダイ・デジタル・エンタテイメントが販売はんばいしていたマルチメディア端末たんまつ。白しろい筐体きょうたいのPiPPiN ATMARK、グレーの筐体きょうたいのPiPPiN@WORLDがあった
  • サーバー
    • Xserve
    • Mac Pro Server
    • Mac mini server
    • Apple Workgroup Server
    • Macintosh Server
    • Apple Network Server
  • Apple Newton
    • MessagePad
    • MessagePad 100
    • MessagePad 110
    • MessagePad 120
    • MessagePad 130
    • eMate
    • MessagePad 2000
    • MessagePad 2100
  • iPod
    • iPod
    • iPod mini
    • iPod shuffle
    • iPod nano
    • iPod Classic
    • iPod touch
  • iPhone
    • iPhone
    • iPhone 3G
    • iPhone 3GS
    • iPhone 4
    • iPhone 4S
    • iPhone 5
    • iPhone 5c
    • iPhone 5s
    • iPhone 6
    • iPhone 6 Plus
    • iPhone 6s
    • iPhone 6s Plus
    • iPhone SE (第だい1世代せだい)
    • iPhone 7
    • iPhone 7 Plus
    • iPhone 8
    • iPhone 8 Plus
    • iPhone X
    • iPhone XR
    • iPhone XS
    • iPhone XS Max
    • iPhone SE (第だい2世代せだい)
    • iPhone 11 Pro
    • iPhone 11 Pro Max
    • iPhone 12
    • iPhone 12 Pro
    • iPhone 12 Pro Max
    • iPhone 12 mini
    • iPhone 13 Pro
    • iPhone 13 Pro Max
    • iPhone 13 mini
  • Apple Watch
    • Apple Watch（第だい1世代せだい）
    • Apple Watch Series 1
    • Apple Watch Series 2
    • Apple Watch Series 3
    • Apple Watch Series 4
    • Apple Watch Series 5
    • Apple Watch Series 6
    • Apple Watch Series 7
    • Apple Watch Series 8
    • Apple Watch Ultra
    • Apple Watch SE (第だい1世代せだい)
  • モニター
    • Apple Cinema Display
    • Apple Thunderbolt Display
  • プリンター
    • LaserWriter
    • Color StyleWriter
    • ImageWriter
  • その他た周辺しゅうへん機器きき
    • Apple OneScanner
    • Apple QuickTake 100, 150, 200
    • iPod Hi-Fi
    • iSight
    • Xserve RAID
    • Apple Battery Charger
    • AirMac Extremeベースステーション
    • Time Capsule
    • HomePod (2018)
• ソフトウェア
  • Aperture
  • AppleShare
  • AppleWorks
  • iPhone Configuration Utility
  • QuickTime Pro
  • QuickTime Streaming Server - Darwin Streaming Server
  • QuickTime Broadcaster
  • Shake - クロマキーの高度こうどなキーイングが可能かのうな映像えいぞう編集へんしゅうソフト。
  • WebObjects - 世界せかい初はつのWebアプリケーションサーバ
  • Final Cut Studio
    • DVD Studio Pro - プロフェッショナル向むけDVDオーサリング環境かんきょう
    • Soundtrack Pro - プロフェッショナル向むけサウンドトラック編集へんしゅう環境かんきょう
    • Color - カラーコレクションツール
  • Final Cut Server - プロフェッショナル向むけデジタルアセット管理かんり環境かんきょう
  • iPhoto
  • Logic Express
  • Logic Studio
  • Macintosh Application Environment - UNIX向むけClassic Mac OS環境かんきょう（漢字かんじTalk 7.5.3までを動うごかす）
  • Macintosh Programmer's Workshop - Classic Mac OS向むけ開発かいはつ環境かんきょう
• サービス
  • AppleLink - 開発かいはつ者しゃ向むけパソコン通信つうしん
  • eWorld - 一般いっぱん向むけパソコン通信つうしん
  • iTools, .Mac, MobileMe - クラウドサービス
  • iDisk - クラウドストレージ
  • iTunes Ping
  • iAd
• オペレーティングシステム
  • Mac OS X Server 1.0
  • macOS Server（サーバ）
  • 漢字かんじTalk（System 3-7までの日本語にほんごローカライズ版ばん）
  • Mac OS 8
  • Mac OS 9
  • A/UX
  • MkLinux
• プログラミング言語げんご
  • Dylan

社名しゃめいとロゴマーク

1976年ねんから1977年ねんにかけて使つかわれたロゴ

1976年ねんから1998年ねんまで使つかわれたロゴ

2003年ねん以降いこう使つかわれている現行げんこうロゴ

社名しゃめい

1976年ねん4月がつ1日にちの創業そうぎょう時じの社名しゃめいは“Apple Computer Company”（アップルコンピュータ・カンパニー）であった。1977年ねん1月がつ3日にちに法人ほうじん化かされて以降いこうは30年ねんにわたり“Apple Computer, Inc.”を名乗なのっていたが、2007年ねん1月がつ9日にち（PST）に主力しゅりょく事業じぎょうの変化へんかを反映はんえいさせ、現げん社名しゃめいの“Apple Inc.”に改称かいしょうした。

“Apple Computer”という社名しゃめいの由来ゆらいについては諸説しょせつが存在そんざいしているが、ジョブズ本人ほんにんの弁べんによれば、この名前なまえは当時とうじ果実かじつ食しょく主義しゅぎを実践じっせんしていた自分じぶんがリンゴ園えんから帰かえってきた直後ちょくごに思おもいついたものであり、言葉ことばの響ひびきとして「楽らくしげで、元気げんきがよく、威圧いあつ的てきでない」と考かんがえて採用さいようしたのだという。一方いっぽうのウォズニアックは、この社名しゃめいはジョブズが提案ていあんしてきたもので真意しんいは不明ふめいだとしたうえで、「彼かれは音楽おんがくを好このんだので、アップル・レコード（ビートルズのレコード会社かいしゃ）から思おもいついたのかもしれない」と述のべている。

ロゴ

Appleにとって最初さいしょのロゴマークは創業そうぎょう者しゃの1人ひとりであるロナルド・ウェインがデザインしたもので、リンゴの木きに寄よりかかって本ほんを読よんでいるアイザック・ニュートンを描えがいていた。しかしこれでは堅苦かたくるしいと考かんがえたスティーブ・ジョブズは、1977年ねんにレジス・マッケンナ社しゃのアートディレクター、ロブ・ジャノフに新あたらしいロゴマークのデザインを依頼いらいする。最初さいしょはモノクロだったが、ジョブズがApple IIのカラー出力しゅつりょくを印象いんしょうづけるためカラー化かを指示しじし、6色しょくの横縞よこじまが追加ついかされた。横縞よこじまのないモノクロのロゴも、マニュアル、製品せいひん包装ほうそうなどの白黒しろくろの印刷物いんさつぶつに引ひき続つづき使用しようされた。

1985年ねん、芸術げいじゅつ家かでポップアートの旗手きしゅとして有名ゆうめいなアンディ・ウォーホルは、Appleとのコラボレーションにより6色しょくAppleのMacintoshロゴマークをモチーフにした作品さくひん「APPLE」を発表はっぴょう。晩年ばんねんの代表だいひょう作さくである。

1997年ねんにジョブズが暫定ざんていCEOとしてAppleに復帰ふっきすると、黒くろのボディに白しろ抜ぬきの大おおきなAppleロゴを大胆だいたんにあしらったPowerBook G3を発表はっぴょう。続つづいて1998年ねんに発表はっぴょうされたiMacでは、従来じゅうらいのApple製品せいひんに長ながらく採用さいようされていた6色しょくに塗ぬりわけられたロゴは外装がいそうには使つかわれず、立体りったい的てきにデザインされた単色たんしょくロゴを採用さいようし、新生しんせいAppleを人々ひとびとに強つよく印象いんしょうづけた。1999年ねん以降いこうは、6色しょくロゴはまったく使つかわれなくなり、単色たんしょくのロゴが使用しようされている。

その後ご、2017年ねんに公開こうかいされたiOS 11では、端末たんまつ内ないにあるデフォルトの壁紙かべがみの中なかに、上記じょうきの6色しょくロゴと同おなじ配色はいしょくの斜ななめ線せんが施ほどこされた壁紙かべがみが7種類しゅるい用意よういされている。

また、2021年ねんに公開こうかいされた24インチiMacのcmでは、最後さいごのアップルロゴが6色しょくになっている。

なお、ロゴが6色しょくだった時代じだいから、Apple製品せいひんにはステッカーが同どう梱こりされている。

CM

コンピュータ企業きぎょうには多おおい傾向けいこうだが、特とくにいわゆるWintelに対たいして挑戦ちょうせん的てきなCMを製作せいさくする。IBMがパソコン業界ぎょうかいに参入さんにゅうしたときは「Welcome!」と出迎でむかえ、ファイル名めいが8.3形式けいしきの文字もじの制限せいげんが緩和かんわされたMicrosoft Windows 95の発売はつばいに対たいし、広告こうこくで『C:\ONGRTLNS.W95』（「congratulations Windows 95」を8.3形式けいしきで無理矢理むりやり表現ひょうげんしたもの）と皮肉ひにくった祝辞しゅくじを送おくり、発熱はつねつ量りょうの多おおいインテルチップが高温こうおんで燃もえるようなCMも作つくっていた。

そんなAppleのCMで、とりわけ話題わだいになったものがある。それは、1984年ねんのスーパーボウルの試合しあい中ちゅうに放送ほうそうされた「1984」である。内容ないようは、「1984年ねん1月がつ24日にち、Apple ComputerはMacintoshを発表はっぴょういたします。そして我々われわれは、1984年ねんが『1984年ねん』に描えがかれているような年としにならないということをお目めにかけましょう…」というものであった。このCMは、映画えいが「エイリアン」や「ブレードランナー」、「ブラック・レイン」などを手てがけた監督かんとく・リドリー・スコットによるもので、ビッグ・ブラザーなる独裁どくさい者しゃをIBMに見立みたてており、闇やみを支配しはいする独裁どくさい者しゃを打うちくという内容ないようだった。センセーショーナルなこのCMは、数々かずかずの賞しょうを総そうなめにした。このCMは、スーパーボウルで1度どだけ放映ほうえいされたものだが、実際じっさいには、その話題わだい性せいから放映ほうえい後ご、ニュースなどで繰くり返かえし流ながされることになり、結果けっか的てきにAppleはCM料りょうを払はらわずに宣伝せんでんしていたことになる。なお、のちに期間きかん限定げんていで蘇よみがえっており、同どうCM中ちゅうでは独裁どくさい者しゃを打うちく女性じょせいがiPodを身みにつけている。

2006年ねんより、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくおよびヨーロッパで、“I'm a Mac”、“I'm a PC”の台詞せりふから始はじまるGet a Macと呼よばれるCMを放映ほうえいしていた。それには、カジュアルな服装ふくそうのMac役やくのジャスティン・ロングと背広せびろにネクタイのPC役やくのジョン・ホッジマンとの2人ふたりのショートコント仕立したてで、Microsoft Windowsとの比較ひかく広告こうこくを行おこなっていたもので60編へん以上いじょうある。ほかの国くにでは、基本きほん的てきに米国べいこく版ばん（フランス・ドイツ・イタリアでは各かく言語げんごに吹ふき替かえられている）を流ながしていたが、日本にっぽんとイギリスでは別べつ制作せいさくのCMを放映ほうえいした。日本にっぽんではコンセプトを継承けいしょうしつつ、お笑わらい芸人げいにんラーメンズ（Macが小林こばやし賢太郎けんたろう、PCが片桐かたぎり仁ひとし）を起用きようしたものとなり、内容ないようは基本きほん的てきに米国べいこく版ばんを踏襲とうしゅうしている。このCMは米国べいこく版ばんのうちの十じゅう数すう編へんのみのローカライズであるが、いずれもPCのコンピュータウイルスに対たいする脅威きょうい（Macではウイルスがないような表現ひょうげんをしている）、マルチメディアへの弱よわみを皮肉ひにくる内容ないようである。

Apple Store

詳細しょうさいは「Apple Store」を参照さんしょう

Appleによって運営うんえいされている直営ちょくえいの販売はんばい店てんおよび技術ぎじゅつサポート拠点きょてん。2018年ねん8月がつ現在げんざい、世界せかい24か国こくに500店舗てんぽ以上いじょうがある。日本にっぽんには10店舗てんぽが出店しゅってんされている。

2016年ねん、Appleは各かく店舗てんぽの名称めいしょうから“Store”表記ひょうきを削除さくじょし、単たんに“Apple”とした。

サポート

iPhone・iPadを例れいとして挙あげた場合ばあい、基本きほん的てきにキャリアショップでの修理しゅうり受付うけつけは行おこなっていない（一部いちぶの直営ちょくえい店舗てんぽを除のぞく）。

その代かわり、Apple製品せいひんの正規せいきサポートについて、直営ちょくえい店舗てんぽApple Store内うちにある修理しゅうり受付うけつけの「Genius Bar」、Appleリペアセンターへの送付そうふ、Appleと契約けいやくしている「Apple正規せいきサービスプロバイダ」で行おこなっている。

「Apple正規せいきサービスプロバイダ」については、修理しゅうりを担当たんとうするスタッフが認定にんてい資格しかくを取得しゅとくしていること、Appleが要求ようきゅうする店舗てんぽが用意よういできるなどの基準きじゅんを満みたしており、Appleの保証ほしょうを使つかって修理しゅうりすることができる。料金りょうきんについては、運営うんえいする事業じぎょう者しゃにより異ことなっている。

また、製造せいぞう終了しゅうりょうから5年ねん以上いじょう7年ねん未満みまんの製品せいひんを「ビンテージ製品せいひん」とし、一部いちぶの国くにを除のぞいてサポートを終了しゅうりょう。7年ねん以上いじょうの製品せいひんを「オブソリート製品せいひん」として、すべての技術ぎじゅつサポートを終了しゅうりょうしている。

Apple Japan合同ごうどう会社かいしゃ

Apple Japan合同ごうどう会社かいしゃ
Apple Japan, Inc.

Apple Japan合同ごうどう会社かいしゃが入居にゅうきょする六本木ろっぽんぎヒルズ森もりタワー
種類しゅるい	合同ごうどう会社かいしゃ
本社ほんしゃ所在地しょざいち	日本にっぽん 〒106-6140 東京とうきょう都と港みなと区く六本木ろっぽんぎ6丁目ちょうめ10番ばん1号ごう六本木ろっぽんぎヒルズ森もりタワー
設立せつりつ	2011年ねん10月30日にち
業種ぎょうしゅ	情報じょうほう・通信つうしん業ぎょう
法人ほうじん番号ばんごう	3011103003992
事業じぎょう内容ないよう	Apple Inc.のコンピュータ、ソフトウェア、周辺しゅうへん機器きき製品せいひんなどの日本にっぽんへの輸入ゆにゅう
代表だいひょう者しゃ	秋あき間あいだ亮あきら（業務ぎょうむ責任せきにん者しゃ 社長しゃちょう）
従業じゅうぎょう員数いんずう	4,000名めい
外部がいぶリンク	www.apple.com/jp/
特記とっき事項じこう：有限ゆうげん会社かいしゃアップルジャパンホールディングスとして設立せつりつ。2011年ねんに合同ごうどう会社かいしゃへ組織そしき変更へんこう。2011年ねん10月がつ30日にちにアップルジャパン株式会社かぶしきがいしゃを吸収きゅうしゅう合併がっぺい。

Apple Japan合同ごうどう会社かいしゃ（英えい: Apple Japan, Inc.）は、Appleの日本にっぽん法人ほうじんである。2011年ねんに、有限ゆうげん会社かいしゃアップルジャパンホールディングスから改称かいしょうした。

当初とうしょの日本にっぽん法人ほうじんは、1983年ねん6月がつ21日にちにアップルコンピュータジャパン株式会社かぶしきがいしゃとして設立せつりつされ、その後ご1992年ねん2月がつにアップルコンピュータ株式会社かぶしきがいしゃに、さらに2007年ねん3月がつ1日にちにアップルジャパン株式会社かぶしきがいしゃへと商号しょうごう変更へんこうされた。

2011年ねん10月がつ30日にちに、アップルジャパン株式会社かぶしきがいしゃはApple Japan合同ごうどう会社かいしゃを存続そんぞく会社かいしゃとして吸収きゅうしゅう合併がっぺいされて消滅しょうめつし、現行げんこうの体制たいせいとなった。

設立せつりつ当初とうしょは、赤坂あかさかツインタワービル本館ほんかんに入居にゅうきょしていた。1992年ねん2月がつから1996年ねん10月がつまでの所在地しょざいちは東京とうきょう都と渋谷しぶや区く千駄ヶ谷せんだがや。同年どうねん11月がつ以降いこう2013年ねん4月がつまでは東京とうきょう都と新宿しんじゅく区く西新宿にししんじゅくの東京とうきょうオペラシティタワーに本社ほんしゃを置おく。2013年ねん5月7日にち以降いこう、東京とうきょう都と港みなと区く六本木ろっぽんぎの六本木ろっぽんぎヒルズ森もりタワーに本社ほんしゃを置おいている。

事業じぎょう拠点きょてん

ジャパンデザインセンター

JDCが重点的じゅうてんてきに取とり組くんでいることとして、アナログおよびミックスド・シグナル半導体はんどうたいデバイスの設計せっけいが挙あげられている。

テクニカルデベロップメントセンター

日本にっぽんでの開発かいはつ拠点きょてんとして、2015年度ねんどに横浜よこはま市し・みなとみらい地区ちくの横浜よこはまアイマークプレイス内うちに「テクニカル・デベロップメント・センター（TDC）」を設置せっちした。

横浜よこはまテクノロジーセンター

2016年ねん12月には横浜よこはま市し綱島つなしまのTsunashima サスティナブル・スマートタウン内うちに、本格ほんかく的てきな研究けんきゅう開発かいはつ施設しせつとなる「Apple YTC（横浜よこはまテクノロジーセンター）」が完成かんせいしている。YTCが重点的じゅうてんてきに取とり組くんでいることとして、カメラ用よう光学こうがく系けい、光学こうがくコーティング技術ぎじゅつ、プロセス開発かいはつ、ディスプレイパネル技術ぎじゅつなどの開発かいはつが挙あげられている。

販売はんばい体制たいせい

1977年ねん4月がつ、ESDラボラトリの水島みずしま俊雄としおが第だい1回かいウェスト・コースト・コンピュータ・フェアで見みかけたApple IIに興味きょうみを持もち、交渉こうしょうの末すえ、日本にっぽんでの独占どくせん販売はんばい権けんを獲得かくとく。同年どうねん11月がつ頃ごろに輸入ゆにゅう販売はんばいを開始かいし。ESDラボラトリは理化学りかがく機器ききのマイコン制御せいぎょ化かに取とり組くんでいたベンチャー企業きぎょうで、Apple IIと同おなじCPU（MOS 6502）を利用りようした測定そくてい器きを開発かいはつしており、当初とうしょはそのソフトウェア開発かいはつの経験けいけんを活いかしてApple IIを工程こうてい管理かんりシステムとして販売はんばいする狙ねらいがあった。Apple IIはESDラボラトリから柏木かしわぎ研究所けんきゅうじょやBMCインターナショナルなどの卸売おろしうり業者ぎょうしゃを通とおして販売はんばいされるはずだったが、実際じっさいには独占どくせん販売はんばい契約けいやくに反はんする形かたちでApple本社ほんしゃから直接ちょくせつ仕入しいれて販売はんばいする小売こうり店てんも存在そんざいした。

1980年ねん7月がつ、Apple本社ほんしゃは日本語にほんご版ばんApple IIであるApple II J-plusの発売はつばいと同時どうじに従来じゅうらいの代理だいり店てん契約けいやくを切きり、東とうレを総そう代理だいり店てんとした。しかし、東とうレ自身じしんもメーカーとしてパソコン事業じぎょうへの参入さんにゅうを企図きとしており、1982年ねん7月がつに総そう代理だいり店てん契約けいやくを更新こうしんせず撤退てったい。再ふたたびESDラボラトリが総そう代理だいり店てんとなる。

1983年ねん6月がつ、日本にっぽんにAppleの完全かんぜん子会社こがいしゃとしてアップルコンピュータジャパンを設立せつりつ。同年どうねん10月がつ11日にち、キヤノン販売きやのんはんばいがアップルコンピュータジャパンと販売はんばい提携ていけいしたことを発表はっぴょう。また、20日はつかよりキヤノン販売きやのんはんばいが日本にっぽん総そう代理だいり店てんとなり、Lisaを日本語にほんご化かする方針ほうしんを発表はっぴょうした。二に転てん三さん転てんする代理だいり店てん契約けいやくを巡めぐりアップルとESDラボラトリ経営けいえい陣じんとの間あいだに確執かくしつが生しょうじ、撤退てったいを懸念けねんしたESDラボラトリのアップル事業じぎょう部ぶ従業じゅうぎょう員いんが株式会社かぶしきがいしゃハイテックスを設立せつりつして独立どくりつ。

1984年ねん5月がつ、キヤノン販売きやのんはんばいの子会社こがいしゃであるキヤノン営研が新宿しんじゅくに直営店ちょくえいてん「ゼロワンショップ」を開店かいてんし、Macintoshを含ふくむ情報じょうほう機器ききの展示てんじ販売はんばいを開始かいしした。1985年ねんまでにキヤノン販売きやのんはんばいの代理だいり店てんとしての位置いちづけはESDラボラトリやハイテックスなどの直販ちょくはん系けい販売はんばい店てんと同列どうれつに格下かくさげされた。

1989年ねん10月がつ3日にち、アップルコンピュータジャパンとキヤノン販売きやのんはんばいおよびその代理だいり店てんなどが並行輸入へいこうゆにゅう業者ぎょうしゃに対たいして広告こうこく活動かつどうやパソコンの修理しゅうりを妨害ぼうがいしたとして、独占どくせん禁止きんし法ほう違反いはんの疑うたがいで公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいから立たち入いり調査ちょうさを受うけた。1990年ねん11月に公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいは、容疑ようぎの事実じじつは認みとめられなかったとしつつも、両者りょうしゃに注意ちゅういを通告つうこくした。一般いっぱん消費しょうひ者しゃ向むけ量販りょうはんシリーズであるPerfomaシリーズが発売はつばいされた1993年ねん頃ごろより大手おおて家電かでん量販りょうはん店てんに販路はんろを拡大かくだい、Macintoshの販売はんばいはこちらが主体しゅたいとなり、キヤノン販売きやのんはんばいは2002年ねんごろまでにApple製品せいひんを含ふくむ一般いっぱん向むけコンピュータ販売はんばい事業じぎょう（ゼロワンショップ）から撤退てったいした。

1999年ねん12月7日にち、AppleはiMacやiBookの販売はんばい価格かかくを小売こうり店てんに指示しじしたという独占どくせん禁止きんし法ほうの違反いはん容疑ようぎで公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいから立たち入いり調査ちょうさを受うけ、2000年ねん10月がつ3日にちには独占どくせん禁止きんし法ほう違反いはんの疑うたがいで警告けいこくを受うけている。

歴代れきだい社長しゃちょう

• 1983.6 - 1985 福島ふくしま正也まさや
• 1985 - 1989 ロバート・コーリー
• 1989.3 - 1994.7 武内たけうち重しげる親おや
• 1994.7 - 1995.7 三田みた聖二せいじ
• 1995.7 - 1997.4 ジョン・フロイサンド（代表だいひょう取締役とりしまりやく会長かいちょう）
• 1996.6 - 1997.4 志賀しが徹也てつや
• 1997.4 - 2004.2 原田はらだ泳およげ幸こう
• 2004年ねん10月がつより以下いかの2人ふたりが就任しゅうにん（代表だいひょう取締役とりしまりやくはティム・クック）
  • 2004.10 - 2006.7 前ぜん刀かたな禎ただし明あきらマーケティング担当たんとう（米べいVice President兼任けんにん）
  • 2004.10 - 2009.9 山元やまもと賢治けんじセールス担当たんとう（米べいVice President兼任けんにん）前ぜん職しょくは日本にっぽんオラクルの取締役とりしまりやくであった。
• 2009.10 - 2010.2 ジェニファー・ベーリー（現げん・Vice President of Apple Pay）
• 2010.3 - 2014.5 ダグラス・ベック（現げん・Vice President, North America and Northeast Asia Sales）
• 2014.5 - 2018.9 ダニエル・ディチーコ 元もとBMG Japanの代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょう、コーチジャパンCEO
• 2018.10 - 秋あき間あいだ亮あきら

取扱とりあつかい店てん

Apple Shop

Apple Japanはこれまで米国べいこく法人ほうじん直営ちょくえいのApple Storeが展開てんかいしてきた全ぜんラインアップの展示てんじ・販売はんばい方法ほうほうのスタイルを継承けいしょうした店舗てんぽを、家電かでん量販りょうはん店てんのビックカメラ有楽町ゆうらくちょう店てん本館ほんかん5階かいにオープンさせた。今後こんごも家電かでん量販りょうはん店内てんないへの出店しゅってんを進すすめる予定よてい。Apple Shopに立たつAppleスタッフとして店頭てんとう販売はんばいスペースのレイアウトや商品しょうひん知識ちしきなど、直接ちょくせつのガイドラインの指導しどうが行おこなわれApple Solutions Consultantが専任せんにんスタッフとして常駐じょうちゅうしている。

Apple Value Added Reseller

Appleと、システム構築こうちくを含ふくめたApple製品せいひんのソリューション販売はんばいを行おこなう契約けいやくを結むすんでいる正規せいき代理だいり店てん。

法人ほうじん・公共こうきょう機関きかん向むけの導入どうにゅうはApple Business VARが担当たんとうする。また教育きょういく機関きかん向むけには、日本にっぽんではApple Education VARプログラムが展開てんかいされている。

Apple Consultant Network

Apple Consultants Networkは、Apple認定にんてい資格しかくを取得しゅとくしているプロフェッショナルが在籍ざいせきするITソリューションやITコンサルタントの法人ほうじんがメンバーの枠組わくぐみ。

騒動そうどう・不祥事ふしょうじ

アップル対たいアップル訴訟そしょう

詳細しょうさいは「アップル対たいアップル訴訟そしょう」を参照さんしょう

ビートルズが所有しょゆうしたアップル・コアと「Apple」の名称めいしょうおよびロゴの使用しようをめぐって裁判さいばんで争あらそったことがあり、Apple Computerが音楽おんがく事業じぎょうを行おこなわないことで和解わかいしていたが、iPodやiTunesの登場とうじょうによって契約けいやく違反いはんとして再度さいど訴訟そしょう問題もんだいとなった。この問題もんだいは2007年ねんに、Apple Inc.がアップル・コアに5億おくドルを支払しはらって「Apple」に関連かんれんする商標しょうひょう権けんを保有ほゆうし、アップル・コアがライセンスを得えて使用しようすることで最終さいしゅう的てきに和解わかいした。

電子でんし書籍しょせきの価格かかく操作そうさで独禁法どっきんほう違反いはん

2013年ねん7月がつに米べい連邦れんぽう地裁ちさいは、Appleが電子でんし書籍しょせきの価格かかくをつり上あげるために出版しゅっぱん大手おおて5社しゃと共謀きょうぼうしたと認定にんてい、独禁法どっきんほう違反いはんであると判決はんけつを下くだした。大手おおて出版しゅっぱん社しゃやAppleと交かわしている電子でんし書籍しょせきのエージェンシーモデル価格かかく契約けいやくを違法いほうであるとアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく司法省しほうしょうが2012年ねん5月がつに告発こくはつした裁判さいばんで、Appleに有罪ゆうざい判決はんけつが下くだった。本裁ほんだち判ばんを担当たんとうしたマンハッタン連邦れんぽう地裁ちさいのデニス・コート判事はんじの判決はんけつ文ぶんによると、「2009 - 2010年ねん当時とうじの状況じょうきょうに絞しぼって考かんがえると、Amazon.comの独占どくせんに対抗たいこうするために、Appleや大手おおて出版しゅっぱん社しゃが価格かかくを引ひき上あげようとした動機どうきは理解りかいできるが、その行為こうい自体じたいは法的ほうてきに正当せいとう化かされるものではない」と判決はんけつ理由りゆうを明あきらかにしている。

2014年ねん4月がつに、Appleが電子でんし書籍しょせきの分野ぶんやで、大手おおて出版しゅっぱん社しゃ5社しゃと価格かかくカルテルを結むすんでいたとして33州しゅう・領土りょうどの検事けんじ総長そうちょうらが提起ていきした訴訟そしょうについて、米べい連邦れんぽう裁判所さいばんしょのデニス・コート判事はんじは、Apple側がわの訴訟そしょうの取とり下さげ請求せいきゅうを棄却ききゃくした。今回こんかいの判断はんだんにより、検事けんじ総長そうちょうらは損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅうを進すすめられることになった。コート判事はんじは7月がつ、Appleが電子でんし書籍しょせきの価格かかくをつり上あげるため、2009年ねん - 2010年ねんに出版しゅっぱん社しゃと共謀きょうぼうし、公正こうせいな競争きょうそうが阻害そがいされたとの判断はんだんを下くだした。Appleは州しゅう当局とうきょくが損害そんがい賠償ばいしょうを請求せいきゅうする法的ほうてき根拠こんきょはないと主張しゅちょう。判事はんじはこうしたAppleの主張しゅちょうを退しりぞけた。

スイス連邦れんぽう鉄道てつどうの時計とけいデザイン盗用とうよう問題もんだい（和解わかい）

Appleのモバイル端末たんまつ向むけOSのiOS 6に搭載とうさいされる時計とけいウィジェットアプリが、スイス連邦れんぽう鉄道てつどうの時計とけいのデザインを盗用とうようしているとして、スイス連邦れんぽう鉄道てつどうがAppleを相手あいてに法的ほうてき措置そちに踏ふみ切きった。Appleはスイス連邦れんぽう鉄道てつどうに対たいし、ライセンス料りょうとして2000万まんスイスフラン（約やく16億おく7000万まん円えん）を支払しはらうことで和解わかいした。

島野しまの製作所せいさくしょとの訴訟そしょう（Apple勝訴しょうそ）

MacBook、MacBook Proに使つかわれていたMagSafeのポゴピンに関かんして、Appleの日本にっぽんにおける下請したうけ会社かいしゃのひとつである島野しまの製作所せいさくしょが、2012年ねんにAppleから増産ぞうさんを指示しじされ、これを受うける形かたちで設備せつび投資とうしを行おこなったものの、直後ちょくごに取引とりひきを急減きゅうげんさせられたうえ、納入のうにゅう価格かかくを半額はんがくにするよう要求ようきゅうされ、さらに約やく1459万まんドルのリベートも支払しはらうよう求もとめられた。同社どうしゃはこれらについて、不当ふとう取引とりひきであるとして東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょに100億おく円えんの損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめ提訴ていそ。この訴訟そしょうに関連かんれんして、「両社りょうしゃ間あいだの紛争ふんそうはアメリカの裁判所さいばんしょで解決かいけつする」と両社りょうしゃが合意ごういしていたことの有効ゆうこう性せいについての中なか間あいだ判決はんけつが2016年ねん2月がつ15日にちに同どう地裁ちさいでい渡いわたされ、「合意ごういが成立せいりつする法的ほうてき条件じょうけんを満みたしておらず無効むこう」として、日本にっぽん国内こくないで審理しんりすることが決きまった。2016年ねん3月がつ18日にち、Appleを訴うったえていた島野しまの製作所せいさくしょが請求せいきゅうを棄却ききゃくされ敗訴はいそした。その後ご、島野しまの製作所せいさくしょは控訴こうそしたが、島野しまの製作所せいさくしょの特許とっきょは無効むこうとの判断はんだんが示しめされ、棄却ききゃくされた。

子会社こがいしゃの源泉げんせん徴収ちょうしゅう漏もれ

Appleの子会社こがいしゃであるiTunes株式会社かぶしきがいしゃが、東京とうきょう国税局こくぜいきょくから所得しょとく税ぜいの源泉げんせん徴収ちょうしゅう漏もれを指摘してきされ、約やく120億おく円えんを追徴ついちょう課税かぜいされていたことが、2016年ねん9月に判明はんめいした。音楽おんがく・映像えいぞうの配信はいしん事業じぎょうにおいて、アイルランドのグループ企業きぎょうに資金しきん移転いてんし、タックス・ヘイヴンでの利益りえきの一部いちぶについて、源泉げんせん所得しょとく税ぜいを納おさめる必要ひつようのある「配信はいしん事業じぎょうでのソフトウェア使用しよう料りょう」に相当そうとうすると判断はんだんされた。

iPhone販売はんばい契約けいやくにおける独禁法どっきんほう違反いはんの疑うたがい

2018年ねん7月がつ11日にち、公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいの報告ほうこく書しょによって、AppleがNTTドコモ・KDDI（au）・ソフトバンク（※以下いか、キャリア3社しゃ）それぞれと、iPhone販売はんばい方針ほうしんに関かんする「iPhoneアグリーメント」と呼よばれる契約けいやくを結むすんでいたことが発覚はっかくした。Appleに独占どくせん禁止きんし法ほう違反いはんの疑うたがいがあるとして、2016年ねん10月がつから公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいによる調査ちょうさが行おこなわれたことにより、この契約けいやくが明あかるみに出でた。この契約けいやくによりAppleは、本来ほんらい、キャリア3社しゃが毎月まいつきの通信つうしん料りょうの引ひき下さげに充あてるはずの資金しきんを、iPhoneの割わり引びきに充あてるように義務ぎむづけていた。

独占どくせん禁止きんし法ほうは、取引とりひき相手あいてのビジネスを不当ふとうに縛しばる行為こういを禁きんじており、公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいは、「iPhoneアグリーメント」が壁かべになり、キャリア3社しゃが月々つきづきの通信つうしん料りょうが安やすいプランを消費しょうひ者しゃに提供ていきょうできない状態じょうたいが続つづいたことが問題もんだいだと指摘してきした。これらの問題もんだいを受うけて、Appleがキャリア3社しゃとの契約けいやくを改定かいていするとの申もうし出でをしたことにより、公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいによる調査ちょうさは終了しゅうりょうした。

iPhoneを取とり扱あつかう店舗てんぽには、「数すうか月げつごとに訪おとずれる締しめ日びまでに一定いってい台数だいすうのiPhoneを販売はんばいできなければiPhoneを取とり扱あつかえなくなる」というような、iPhoneの販売はんばいノルマが課かされているケースがある。このノルマが、Appleとキャリアとの間あいだで結むすばれている「iPhoneアグリーメント」が理由りゆうなのか、キャリアと代理だいり店てんの間あいだで独自どくじに設もうけられたものなのかは定さだかではないものの、販売はんばい現場げんばがiPhoneの販売はんばい台数だいすうを追おいかけなければならない状況じょうきょうにある。

iPhoneの地図ちずアプリにおける竹島たけしま表記ひょうき問題もんだい

2018年ねん8月がつ29日にち、iPhoneのマップでの竹島たけしま表記ひょうきを、日本語にほんご設定せってい以外いがいではすべて独島どくと表記ひょうきに一本いっぽん化かされていることが明あきらかになった。現在げんざい、iPhoneの言語げんご設定せっていで「日本語にほんご」を選えらんだ場合ばあいは竹島たけしまと表記ひょうきされるが、「English」など日本語にほんご以外いがいの設定せっていではすべて独島どくとと表記ひょうきされ、竹島たけしまは完全かんぜんに削除さくじょされる形かたちとなった。

アメリカ国家こっか安全あんぜん保障ほしょう局きょくへの協力きょうりょく

画像がぞう右みぎ上部じょうぶ：Apple 2012年ねん10月がつ追加ついか とある

2013年ねん6月のエドワード・スノーデンの内部ないぶ告発こくはつに始はじまるアメリカ国家こっか安全あんぜん保障ほしょう局きょく（NSA）の一連いちれんの騒動そうどうによって流出りゅうしゅつした内部ないぶ資料しりょうから、AppleがNSAの運用うんようする極秘ごくひの監視かんしプログラムPRISMに対たいして2012年ねんより協力きょうりょくしていることが明あきらかになった。

米べいマイクロソフトや米べいGoogleをはじめとする他ほかの協力きょうりょく企業きぎょうと比較ひかくすると数すう年ねんほど遅おくれて協力きょうりょくしているが、その理由りゆうは故こスティーブ・ジョブズ元もとCEOが生前せいぜんNSAへの協力きょうりょくをかたくなに拒こばんでいたからであるとされる。

同年どうねん同月どうげつ、Appleは「いかなる政府せいふ当局とうきょくに対たいしても、サーバへの直接ちょくせつアクセスを提供ていきょうしていない」との声明せいめいを出だし、米べい政府せいふ当局とうきょくから受うけたユーザー情報じょうほう提供ていきょう要請ようせいの総そう件数けんすうを発表はっぴょうしている。

Epic Gamesからの訴訟そしょう

「Epic Games対たいApple訴訟そしょう」を参照さんしょう

2020年ねん8月がつ、Epic Gamesの規約きやく違反いはんを受うけて、Apple、GoogleはそれぞれApp Store、Google PlayからFortniteを削除さくじょした。

その後ごEpic GamesはApple、Googleに対たいし訴訟そしょうを起おこした。しかし、判決はんけつはAppleの主張しゅちょうが妥当だとうであると認みとめられ、Epic Gamesの開発かいはつ者しゃアカウントは削除さくじょされた。

「ウイグル人じん強制きょうせい労働ろうどう防止ぼうし法ほう」に反対はんたいするロビー活動かつどう

2020年ねん11月、Appleは、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくによる新疆しんきょうウイグル自治じち区くでのウイグル人じんへの拷問ごうもんや監視かんし下かによる強制きょうせい労働ろうどうで作つくられた製品せいひんの取引とりひきを禁止きんしするアメリカの「ウイグル人じん強制きょうせい労働ろうどう防止ぼうし法案ほうあん」に対たいし、その条項じょうこうを緩和かんわさせるためのロビー活動かつどうを行おこなっていると報道ほうどうされたが、内容ないようが事実じじつと異ことなり「Appleは強制きょうせい労働ろうどうを許容きょようしない」「ウイグル人じん労働ろうどうを使用しようしていないことを確認かくにんした」とAppleの広報こうほう担当たんとうジョシュ・ローゼンストックが反論はんろんしている。

住宅じゅうたく火災かさいに対たいする日本にっぽん法人ほうじんの損害そんがい賠償ばいしょう責任せきにんを求もとめる裁判さいばん

2019年ねん秋あきに愛知あいち県けんで2階かい建だての住宅じゅうたくが全焼ぜんしょうする火災かさいが発生はっせいし、就寝しゅうしんしていた住人じゅうにん夫婦ふうふが気道きどう熱傷ねっしょうにより死亡しぼうした。死亡しぼうした女性じょせいは火事かじの約やく2週間しゅうかん前まえにiPhone XRを購入こうにゅうして1週間しゅうかんほど使用しようしており、火元ひもととされる1階かいリビング中央ちゅうおうの火燵こたつテーブルの下したには純正じゅんせいの充電じゅうでん器きに繋つながれたiPhoneが置おかれていた。また、炬燵こたつに布団ふとんは掛かけられておらず、電源でんげんを切きってコンセントが抜ぬかれた状態じょうたいだった。これに関かんして、消防しょうぼうによる調査ちょうさ報告ほうこく書しょでは「特定とくていに至いたらず不明ふめい」としながらも「携帯けいたい電話機でんわきからの出火しゅっかの可能かのう性せいが考かんがえられる」と指摘してきされていた。

2021年ねん2月がつ25日にちに遺族いぞくの男性だんせいが製造せいぞう物ぶつ責任せきにん法ほうによる約やく1億おく4400万まん円えんの損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめてApple Japanを提訴ていそした。その後ご、2023年ねん12月に遺族いぞく側がわが訴うったえを取とり下さげた。

App Storeでの手数料てすうりょうに関かんする独禁法どっきんほう違反いはんの疑うたがい（審査しんさ終了しゅうりょう）

Appleが運営うんえいしているApp Store内うちにおいて、音楽おんがくや電子でんし書籍しょせき、動画どうがなどを販売はんばいしている業者ぎょうしゃに対たいして、Appleが独自どくじの課金かきんシステムで30%の手数料てすうりょうを課かしており、多おおくの業者ぎょうしゃはその手数料てすうりょう分ぶんを料金りょうきんに上乗うわのせしているため、ユーザーは通常つうじょうよりも高たかい料金りょうきんを払はらい続つづけているという状態じょうたいとなっていた。これを問題もんだい視しした日本にっぽんの公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいは2016年ねん10月がつから独占どくせん禁止きんし法ほう違反いはんの疑うたがいで審査しんさを行おこなっていた。

2021年ねん9月がつ、Appleは公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいに対たいし、改善かいぜん措置そちを実施じっしすると申もうし出でて、その後ご2022年ねん3月がつまでにApp Store以外いがいでの外部がいぶ決済けっさい方法ほうほうについて、アプリ内ないでユーザーに通知つうちすることが出来できるようにすることを発表はっぴょうした。これを受うけて、公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいは「独占どくせん禁止きんし法ほうの懸念けねんは払拭ふっしょくされる」と判断はんだんし、審査しんさを終了しゅうりょうした。なお、この措置そちは日本にっぽんだけでなく、全ぜん世界せかいで適用てきようされる。

Apple StoreにおけるiPhone転売てんばい行為こういに対たいする追徴ついちょう課税かぜい

海外かいがいとの価格かかく差さを利用りようして、訪日ほうにち客きゃくがAppleが運営うんえいしている日本にっぽん国内こくないのApple Storeにおいて、転売てんばい目的もくてきで大量たいりょうのiPhoneを購入こうにゅうし、同どう商品しょうひんを免税めんぜい品ひん扱あつかいとして、不正ふせいに消費しょうひ税ぜいの還付かんぷを受うけていたとして、東京とうきょう国税局こくぜいきょくはAppleの日本にっぽん法人ほうじんに対たいして、消費しょうひ税ぜい約やく140億おく円えんの追徴ついちょう課税かぜいを行おこなったことを2022年ねん12月に明あきらかにした。

Lightningの採用さいようによるUSB Type-CへのiPhone本体ほんたいでの非ひ対応たいおうと欧州おうしゅう委員いいん会かいとの対立たいりつ

Appleはかねてから自社じしゃ規格きかく端子たんしであるLightningをiPhoneなどの製品せいひんに採用さいようし普及ふきゅうしたため、後のちにAppleが策定さくていに積極せっきょく関与かんよし国際こくさい的てきなデファクトスタンダードとなったUSB Type-CをiPhone本体ほんたいに搭載とうさいしていない（iPadやMacBookはUSB-Cを採用さいよう）。これに対たいし欧州おうしゅう委員いいん会かいは、「他社たしゃ製品せいひんとの買かい替かえ時じに互換ごかん性せいのない充電じゅうでん器きが廃棄はいきされ、環境かんきょう問題もんだいが生しょうじる」としてUSB Type-C搭載とうさいをAppleに求もとめ、両者りょうしゃが合意ごういしApple製品せいひんに同どう梱こりされる充電じゅうでん器きはUSB Type-Cへと変更へんこうされたが、本体ほんたい端子たんしはLightingが残のこされた。

その後ご2021年ねん9月がつ、欧州おうしゅう委員いいん会かいは「電子でんし機器きき類るいの充電じゅうでん方法ほうほうはUSB Type-Cに限かぎる」とする「無線むせん機器きき指令しれい」の改正かいせい指令しれい案あん「指令しれい (EU) 2022/2380」を欧州おうしゅう議会ぎかいに提出ていしゅつし、2022年ねん6月がつ7日にちに可決かけつされた。この指令しれいは2024年ねん秋あきまでに施行しこうされることとなっており、施行しこう後ごはEU域内いきないにおいてUSB Type-Cに対応たいおうしない全すべての携帯けいたい電子でんし機器きき（スマートフォンやタブレット端はし末まつ、カメラ、携帯けいたいゲーム機きなど）の新規しんき流通りゅうつうが禁止きんしされるほか、ノートパソコンに関かんしても施行しこう後ご40か月げつ以内いないの移行いこう期間きかんを経へて指令しれいの対象たいしょうとなる。

これに対たいしAppleは「1種類しゅるいのコネクターのみを義務付ぎむづける厳格げんかくな規制きせいはイノベーションを抑制よくせいし、欧州おうしゅうや世界中せかいじゅうの消費しょうひ者しゃに害がいを及およぼすことを懸念けねんしている」とする声明せいめいをBBCなどに送おくって反対はんたいする構かまえを見みせ、専門せんもん家かの間あいだでは「無線むせん給電きゅうでんに一本いっぽん化かして意地いじでもUSB Type-Cに対応たいおうしないのではないか」との観測かんそくも流ながれたが、最終さいしゅう的てきに2022年ねん10月がつ、マーケティング担当たんとう上級じょうきゅう副ふく社長しゃちょうグレッグ・ジョズウィアックは指令しれいに対たいし「当然とうぜん、従したがわなければなりません」としてUSB Type-Cへの対応たいおうを進すすめると表明ひょうめいした。ただ、ジョズウィアックは続つづけて「政府せいふは、これほどまでに規範きはん的てきでない方ほうが環境かんきょうにもユーザにもよいアプローチになったと考かんがえています」として欧州おうしゅう委員いいん会かいの対応たいおうに不快ふかい感かんを示しめすと共ともにUSB Type-Cへの対応たいおうが苦渋くじゅうの決断けつだんであるとした。

最終さいしゅう的てきに、iPhone 15シリーズで充電じゅうでんポートがUSB Type-Cに変更へんこうされることとなった。

新型しんがたiPad Pro紹介しょうかい動画どうがにおける物議ぶつぎ

Appleが2024年ねん5月がつ7日にちに開催かいさいしたApple Eventにて、その中なかで発表はっぴょうされた新型しんがたiPad Proのプロモーションビデオでは楽器がっきや画材がざい、アーケードゲーム機き、電子でんし機器きき、絵文字えもじなどが巨大きょだいなプレス機きによって押おしつぶされ、プレス機きが立たち上あがると新型しんがたiPad Proが登場とうじょうする場面ばめんが公開こうかいされた。その後ご、クックも自身じしんのXアカウントにてこの動画どうがと共ともにポストを投稿とうこうしたが、日本にっぽんを含ふくむ多おおくのユーザーから批判ひはん的てきな返信へんしんが投稿とうこうされた。内容ないようは新型しんがたiPad Proの薄うすさと音楽おんがくや映像えいぞう制作せいさく者しゃへの有用ゆうよう性せいのアピールを狙ねらったものであったが、ニューヨーク・タイムズは「芸術げいじゅつ家かや音楽家おんがくからが何なに世紀せいきにもわたり活用かつようしてきた道具どうぐをつぶすことで、巨大きょだいIT企業きぎょうがクリエーターの仕事しごとを奪うばい金きんを稼かせいできたことを想起そうきさせた」と報道ほうどうした。これを受うけてAppleは同月どうげつ9日にちに動画どうが広告こうこくが的外まとはずれであったとして謝罪しゃざいし、テレビCMの放映ほうえいを行おこなわないと発表はっぴょうした。

脚注きゃくちゅう

参考さんこう文献ぶんけん

• Linzmayer, Owen W. (2004). Apple Confidential 2.0: The Definitive History of the World's Most Colorful Company. No Starch Press. ISBN 9781593270100 
  • リンツメイヤー, オーウェン・W、林はやし信行のぶゆき『アップル・コンフィデンシャル2.5J』 上じょう、武たけ舎しゃ広幸ひろゆき、武たけ舎しゃるみ、アスペクト、2006a。ISBN 978-4757212541。 
  • リンツメイヤー, オーウェン・W、林はやし信行のぶゆき『アップル・コンフィデンシャル2.5J』 下した、武たけ舎しゃ広幸ひろゆき、武たけ舎しゃるみ、アスペクト、2006b。ISBN 978-4757212558。 
• O'Grady, Jason D. (2009). Apple Inc.. ABC-CLIO. ISBN 9780313362446 
• Dormehl, Luke (2012). The Apple Revolution: Steve Jobs, the Counterculture and How the Crazy Ones Took over the World. Random House. ISBN 9781448131365 
• Swaine, Michael (2014). Fire in the Valley: The Birth and Death of the Personal Computer. Pragmatic Bookshelf. ISBN 9781680503524 
• Isaacson, Walter (2015). Steve Jobs. Simon and Schuster. ISBN 9781501127625 
• シュレンダー, ブレント、テッツェリ, リック 著ちょ、井口いぐち耕こう二に 訳わけ『スティーブ・ジョブズ 無謀むぼうな男おとこが真しんのリーダーになるまで』 上じょう、日本経済新聞にほんけいざいしんぶん出版しゅっぱん社しゃ、2016年ねん9月がつ23日にち。ISBN 978-4532321000。 
• シュレンダー, ブレント、テッツェリ, リック 著ちょ、井口いぐち耕こう二に 訳やく『スティーブ・ジョブズ 無謀むぼうな男おとこが真しんのリーダーになるまで』 下した、日本経済新聞にほんけいざいしんぶん出版しゅっぱん社しゃ、2016b。ISBN 978-4532321017。 

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