Phaseolus vulgaris”
インゲンマメ (隠元豆 いんげんまめ 、眉 まゆ 児 じ 豆 まめ 、Phaseolus vulgaris )はマメ亜 あ 科 か の一 いち 年 ねん 草 くさ 。別名 べつめい 、サイトウ (菜 さい 豆 まめ )[1] 、サンドマメ (三 さん 度 ど 豆 まめ )、ゴガツササゲ(五 ご 月 がつ 豇豆)[1] 。
主 おも に西日本 にしにほん でフジマメ (藤 ふじ 豆 まめ 、別名 べつめい ・センゴクマメ (千石 せんごく 豆 まめ )、アジマメ (藊豆)など)のことを「インゲンマメ」と呼 よ ぶ地域 ちいき があり[3] 、両 りょう 種 たね は混同 こんどう されやすいが、別種 べっしゅ である。
メキシコ など中央 ちゅうおう アメリカ 、南米 なんべい アンデス の原産 げんさん とされる。古代 こだい からインゲンマメは南北 なんぼく アメリカ大陸 あめりかたいりく での主要 しゅよう 作物 さくもつ となっており、アステカ帝国 ていこく では乾燥 かんそう させたインゲンを税 ぜい の物納 ぶつのう 品目 ひんもく として徴収 ちょうしゅう していた。コロンブス によるアメリカ大陸 あめりかたいりく 発見 はっけん 時 じ に、アメリカ全土 ぜんど に広 ひろ がったとされる。
ヨーロッパ には、コロンブスの二 に 度目 どめ の航海 こうかい の後 のち に持 も ち込 こ まれたが、当初 とうしょ はアメリカ原産 げんさん であることは知 し られず、カズラ の新種 しんしゅ と思 おも われていた。16世紀 せいき には育 そだ てやすく食 た べやすい作物 さくもつ として栽培 さいばい されるようになった。特 とく にギリシャ など地中海 ちちゅうかい 沿岸 えんがん 地域 ちいき では、ソラマメ中毒 ちゅうどく にならない健康 けんこう に良 よ い豆 まめ として受 う け入 い れられていた。
フランス はこの豆 まめ の利用 りよう に熱心 ねっしん で、様々 さまざま な料理 りょうり を作 つく った。中 なか でも若 わか いインゲンを莢 さいかち ごと調理 ちょうり する料理 りょうり 、アリコ・ヴェル が好 この まれ、そのためにフラジョレという専用 せんよう の品種 ひんしゅ を作 つく った。他 た の国 くに も豆 まめ 料理 りょうり をフランス料理 りょうり 風 ふう の名 な でよぶ場合 ばあい が多 おお くなり、今日 きょう でも英語 えいご 圏 けん では莢 さいかち ごと食 た べる方法 ほうほう をフレンチスタイル、フレンチビーンとよぶ。
16世紀 せいき 末 まつ にヨーロッパを経由 けいゆ して中国 ちゅうごく に伝 つた わり、17世紀 せいき に日本 にっぽん に伝 つた わったといわれている。1654年 ねん の江戸 えど 時代 じだい 、明 あきら からの帰化 きか 僧 そう ・隠元 いんげん 隆 たかし 琦 が日本 にっぽん に持 も ち込 こ んだとされることからこの名 な がついた[7] [注 ちゅう 1] 。実際 じっさい にはフジマメ (藤 ふじ 豆 まめ 、フジマメ属 ぞく )を持 も ち帰 かえ ったという説 せつ もある。このためかどうか不明 ふめい だが、上方 かみがた (関西 かんさい )では伝統 でんとう 的 てき にフジマメをインゲンマメと呼 よ び、インゲンマメはフジマメ、サヤインゲンは三 さん 度 ど 豆 まめ と呼 よ ぶ。
一 いち 年生 ねんせい 草本 そうほん 。茎 くき はつる性 せい の品種 ひんしゅ とつるなしの品種 ひんしゅ とがあり、つる性 せい の品種 ひんしゅ の方 ほう がつるなし品種 ひんしゅ よりも収穫 しゅうかく 期間 きかん が長 なが く、収穫 しゅうかく 量 りょう が多 おお くなる。つるあり種 しゅ は、高 たか さ1.5 - 3メートル になり、支柱 しちゅう を立 た てて栽培 さいばい する。夏 なつ に、白 しろ またはピンク色 ぴんくいろ の花 はな をつけ、秋 あき に長 なが いさやをつける。肥料 ひりょう を多 おお く必要 ひつよう とせず、畑 はたけ が肥 こ えていなくても作 つく りやすい。
人間 にんげん との関係 かんけい [ 編集 へんしゅう ]
濃厚 のうこう なうまみを持 も ち栄養 えいよう 価 か も高 たか い優秀 ゆうしゅう な食用 しょくよう 種 しゅ として知 し られ、原産地 げんさんち である中南米 ちゅうなんべい 以外 いがい でも世界 せかい 的 てき に利用 りよう されている。マメ類 るい では最 もっと も生産 せいさん 量 りょう が多 おお い。完熟 かんじゅく した豆 まめ を利用 りよう する以外 いがい にも若 わか い鞘 さや ごと食 た べることもよく行 おこな われ、役所 やくしょ の統計 とうけい 上 じょう は前者 ぜんしゃ を穀物 こくもつ 、後者 こうしゃ を野菜 やさい 類 るい として扱 あつか うことがある。栄養 えいよう 面 めん としてはタンパク質 たんぱくしつ 豊富 ほうふ なこと以外 いがい にも、身近 みぢか な食材 しょくざい としては最 もっと も食物 しょくもつ 繊維 せんい を含 ふく む食材 しょくざい の一 ひと つであり、腸 ちょう 内 ない 細菌 さいきん への影響 えいきょう も注目 ちゅうもく されている[8] 。食用 しょくよう に当 あ たっては他 た のマメ類 るい 同様 どうよう に加熱 かねつ による毒 どく 抜 ぬ きが必須 ひっす で、生食 なましょく では中毒 ちゅうどく する(後述 こうじゅつ )
金時 きんとき 豆 まめ - 日本 にっぽん では最 もっと も一般 いっぱん 的 てき なインゲンマメでダイズ、アズキと共 とも に小売 こうり 店 てん でもほぼ必 かなら ず置 お いてある。アズキ(金時 きんとき )と色合 いろあ いが同 おな じだから金時 きんとき 豆 まめ と呼 よ ばれるようになったなど諸説 しょせつ ある。現在 げんざい の主力 しゅりょく 品種 ひんしゅ は北海道 ほっかいどう 大正 たいしょう 村 むら で発見 はっけん された大正 たいしょう 金時 きんとき で皮 かわ の色 いろ が在来 ざいらい 品種 ひんしゅ よりやや明 あか るい。大粒 おおつぶ で味 あじ は良 よ いが灰汁 あく が強 つよ く茹 ゆ で汁 じる にエグ味 あじ があり、人 ひと によっては数 すう 回 かい 茹 ゆ でこぼしを行 おこな う。白色 はくしょく 系 けい 品種 ひんしゅ は「白金 はっきん 時 じ 豆 まめ 」という銘柄 めいがら 名 めい で総称 そうしょう される。[9]
うずら豆 まめ - 鳥 とり の一種 いっしゅ ウズラ もしくはその卵 たまご に模様 もよう が似 に ていることからの品種 ひんしゅ 名 めい 。英語 えいご 名 めい pinto bean(モザイク模様 もよう の豆 まめ )。主 おも に煮豆 にまめ や甘納豆 あまなっとう の原料 げんりょう に使 つか われる。「福 ぶく 粒 つぶ 中 ちゅう 長 ちょう (ふくりゅうちゅうなが)」「福 ぶく うずら」などの品種 ひんしゅ があり、大粒 おおつぶ で多 た 収 おさむ という特徴 とくちょう を持 も っている[11] 。値段 ねだん は金時 きんとき 豆 まめ と同 どう 程度 ていど が多 おお い。よく似 に た外観 がいかん の白 しろ と紫 むらさき のクランベリー豆 まめ と呼 よ ばれるものもある。
虎 とら 豆 まめ - 白地 しろじ に黄色 おうしょく と褐色 かっしょく の斑 まだら 模様 もよう が入 はい り、トラ 柄 え に似 に ることからこの名 な がある。主 おも に煮豆 にまめ に使 つか われる。エグ味 あじ が少 すく なく高級 こうきゅう 豆 まめ として扱 あつか われ値段 ねだん はやや高 たか め。
大 だい 福豆 ふくまめ (おおふくまめ) - 白色 はくしょく 扁平 へんぺい の腎臓 じんぞう 型 がた の品種 ひんしゅ 。エグ味 あじ が少 すく なく高級 こうきゅう 豆 まめ として扱 あつか われ値段 ねだん はやや高 たか め。
手 て 亡 ほろび (てぼう) - 白 しろ い種皮 しゅひ 色 しょく を持 も つ小粒 こつぶ の白 しろ インゲン豆 まめ の銘柄 めいがら 種 しゅ 。白 しろ い色 いろ を活 い かして、主 おも に白餡 しろあん の材料 ざいりょう に使 つか われる。「姫 ひめ 手 しゅ 亡 ほろび 」「雪 ゆき 手 しゅ 亡 ほろび 」「絹 きぬ てぼう」などの品種 ひんしゅ が栽培 さいばい されている。[12]
モロッコインゲン - 莢 さいかち を食 た べる平 ひら 莢 さいかち 種 しゅ で、長 なが さ20 cm以上 いじょう になる。莢 さいかち を湯通 ゆどお しして、和 あ え物 もの 、煮物 にもの などに使 つか う。
南星 なんせい インゲン (ハイブシインゲン) - 沖縄 おきなわ で作出 さくしゅつ された暑 あつ さに強 つよ いつるあり種 しゅ 。莢 さいかち は丸 まる サヤで、筋 すじ がなくやわらかく、甘 あま みが強 つよ い。若 わか い莢 さいかち を、お浸 ひた しや炒 いた め物 ぶつ 、胡麻和 ごまあ え、汁 しる の実 み 、天 てん ぷらなどに使 つか う。
黄 き インゲン (バターインゲン) - 莢 さいかち が淡 あわ 黄色 きいろ をしているのが特徴 とくちょう で、丸 まる サヤと平 ひら サヤがある。若 わか い莢 さいかち を食 た べ、クセがなく、茹 ゆ でると薄 うす い黄 き 緑色 みどりいろ になる。
紫 むらさき インゲン - 莢 さいかち が濃 こ い紫色 むらさきいろ をしているのが特徴 とくちょう で、若 わか い莢 さいかち を茹 ゆ でると緑色 みどりいろ になる。「パープル・ホープ」「ドワーフ・ビーン・アメジスト」「パープル・クィーン」「パープルトライアンフ」「パープル・キング」などの品種 ひんしゅ がある。
さまざまなインゲン豆 まめ
キドニービーンズ(赤 あか インゲン豆 まめ )
うずら豆 まめ
生 なま または加熱 かねつ 不十分 ふじゅうぶん なインゲン豆 まめ を摂取 せっしゅ すると、激 はげ しい嘔吐 おうと や下痢 げり といった急性 きゅうせい 中毒 ちゅうどく 症状 しょうじょう が生 しょう じる[15] 。サラダ やキャセロール などの鍋 なべ 料理 りょうり にインゲン豆 まめ を使用 しよう したときに発生 はっせい しやすい[15] 。赤 あか インゲン豆 まめ (Phaseolus vulgaris )中毒 ちゅうどく 、金時 きんとき 豆 まめ 中毒 ちゅうどく などと呼 よ ばれ、豆類 まめるい 全般 ぜんぱん に含 ふく まれるレクチン の一種 いっしゅ 、フィトヘマグルチニン (英語 えいご 版 ばん ) (Phytohaemagglutinin、PHA)の作用 さよう である[15] 。レクチンは蛋白質 たんぱくしつ なので加熱 かねつ すれば変性 へんせい し、人体 じんたい には無害 むがい になる。レクチンを無毒 むどく 化 か するためには、豆 まめ を十分 じゅうぶん に加熱 かねつ する必要 ひつよう がある。80度 ど 以下 いか の温度 おんど で加熱 かねつ すると、逆 ぎゃく に毒性 どくせい が5倍 ばい に増加 ぞうか するとされる[15] 。特 とく に赤 あか インゲン豆 まめ には白 しろ インゲン豆 まめ の3倍量 ばいりょう のフィトヘマグルチニンを含有 がんゆう し、僅 わず か4-5個 こ の生 なま 豆 まめ の摂取 せっしゅ で発症 はっしょう しうる。症状 しょうじょう は強 つよ く重症 じゅうしょう 化 か する症例 しょうれい もあるが、大 だい 部分 ぶぶん は数時間 すうじかん で軽快 けいかい する[15] 。フィトヘマグルチニンはインゲン豆 まめ 以外 いがい の豆 まめ にも少量 しょうりょう 含有 がんゆう され、例 たと えばソラマメ には赤 あか インゲン豆 まめ の5-10%のフィトヘマグルチニンを含 ふく む[15] 。
2006年 ねん (平成 へいせい 18年 ねん )5月 がつ 6日 にち 、TBS テレビで放送 ほうそう された『ぴーかんバディ! 』で、白 しろ インゲン豆 まめ を3分間 ふんかん 炒 い ってから粉 こな にして、ご飯 はん にまぶして食 た べるダイエット法 ほう を紹介 しょうかい したところ、激 はげ しい嘔吐 おうと や下痢 げり などの健康 けんこう 被害 ひがい が全国 ぜんこく で発生 はっせい した。
春 はる に種 たね をまき、初夏 しょか から初秋 しょしゅう にかけて収穫 しゅうかく する。生育 せいいく 期間 きかん が短 みじか いので、何 なん 回 かい にも分 わ けて種 たね まきできる。他 た の野菜 やさい の間作 かんさく にも適 てき している。またインゲンマメは、1年 ねん に3回 かい 収穫 しゅうかく できることから、関西 かんさい 地方 ちほう では「三 さん 度 ど 豆 まめ 」とも称 しょう される。つるあり種 しゅ 、つるなし種 たね ともにつくることができ、4月 がつ から8月 がつ にかけて3回 かい に分 わ けて種 たね をまけば、同 おな じ畝 うね と支柱 しちゅう で7 - 10月の長期間 ちょうきかん にわたって収穫 しゅうかく することも可能 かのう である。
マメ類 るい の中 なか では高温 こうおん を好 この み、栽培 さいばい 適温 てきおん は20度 ど 前後 ぜんこう で、25度 ど 以上 いじょう の高温 こうおん になると花粉 かふん の稔 みのり 性 せい が低下 ていか して実 み がつきにくくなる。発芽 はつが には20度 ど 以上 いじょう 、生育 せいいく には10度 ど 以上 いじょう の地温 ちおん と気温 きおん が必要 ひつよう である。霜 しも には極 きわ めて弱 よわ く、春 はる の遅霜 おそじも の恐 おそ れがなくなったころから作付 さくづ けする。土壌 どじょう 水分 すいぶん には比較的 ひかくてき 敏感 びんかん であるので、排水 はいすい や乾燥 かんそう には留意 りゅうい したほうがよい。つるあり種 しゅ (つる性 せい )とつるなし種 たね (矮性 わいせい )があり、つるあり種 しゅ はつるが伸 の びる前 まえ に支柱 しちゅう を立 た てて絡 から ませるようにする。つるなし種 たね は放任 ほうにん 栽培 さいばい でよい。マメ科 か 植物 しょくぶつ は、根 ね に寄生 きせい している根粒 こんりゅう 菌 きん の働 はたら きによって窒素 ちっそ 固定 こてい を行 おこな い栄養 えいよう 源 げん として利用 りよう する性質 せいしつ があり、肥料 ひりょう の3大 だい 要素 ようそ のひとつである窒素 ちっそ 分 ぶん を多 おお く与 あた える必要 ひつよう はない。しかし、インゲンマメでは非常 ひじょう に生育 せいいく が早 はや く、若 わか ざやを利用 りよう するので、他 た のマメ類 るい にくらべると窒素 ちっそ 分 ぶん を含 ふく めて肥料 ひりょう 不足 ふそく になりがちである。
種 たね は畑 はたけ に直 じき まきする方法 ほうほう と、育苗 いくびょう して定植 ていしょく する方法 ほうほう がある。育苗 いくびょう ポット に種 たね をまいて保温 ほおん して苗 なえ を育成 いくせい すれば、直 じき まき栽培 さいばい よりも収穫 しゅうかく が早 はや まる。発芽 はつが して本 ほん 葉 は が出 で 始 はじ めたころに間 あいだ 引 び き をして1本 ほん 残 のこ すようにし、第 だい 2本 ほん 葉 は が出 で 始 はじ めたころが植 う え替 か えどきになる。畑 はたけ は植 う え付 つ けの1か月 げつ 前 まえ からよく耕 たがや しておき、2週間 しゅうかん 前 まえ に溝 みぞ を掘 ほ って元肥 もとごえ を施 ほどこ してから、排水 はいすい 性 せい をよくするため畝 うね を高 たか めにつくる。苗 なえ を植 う え付 つ けるときは、株間 かぶま 30 cm程度 ていど を目安 めやす に植 う え付 つ ける。直 じき まきするときは、畝 うね に1カ所 かしょ 3粒 つぶ ずつ種 たね をまき薄 うす く覆土 ふくど する。
インゲンマメには、つるあり種 しゅ とつるなし種 たね があり、つるあり種 しゅ はつるを長 なが く伸 の ばして生長 せいちょう し、収量 しゅうりょう もつるなし種 たね より多 た 収 おさむ になる。莢 さいかち の筋 すじ がかたいものが多 おお かったが、品種 ひんしゅ 改良 かいりょう で筋 すじ がないものも出回 でまわ っている。つるあり種 しゅ を長期 ちょうき 収穫 しゅうかく するには2.2 m以上 いじょう の長 なが い支柱 しちゅう を立 た てて、隣 となり の支柱 しちゅう と途中 とちゅう で交差 こうさ させて上方 かみがた を開 ひら き、先 さき の方 ほう まで手 て が届 とど くように立 た てておく。最初 さいしょ の追肥 ついひ は草丈 くさたけ 20 cmころ、2回 かい 目 め は20日 はつか 後 ご に行 おこな い、収穫 しゅうかく 期 き に入 はい ってきたら半月 はんつき に1度 ど くらいで化成 かせい 肥料 ひりょう などを与 あた える。さやが太 ふと ってきたら、できるだけ早 はや く収穫 しゅうかく する。最盛 さいせい 期 き は朝夕 あさゆう 2回 かい 収穫 しゅうかく することができる。乾燥 かんそう や肥料 ひりょう 不足 ふそく になると、不 ふ 受精 じゅせい が起 お こりやすくなり、曲 ま がったさやができたり、極端 きょくたん に短 みじか いさやができることもある。
病虫害 びょうちゅうがい は、アブラムシ やスリップス 、ハダニ が発生 はっせい しやすい。早期 そうき に見 み つけて、薬剤 やくざい を散布 さんぷ して防除 ぼうじょ する。
完熟 かんじゅく 豆 まめ としての国内 こくない の産地 さんち は圧倒的 あっとうてき に北海道 ほっかいどう で全体 ぜんたい の9割 わり に達 たっ する。2023年度 ねんど (令 れい 和 わ 5年度 ねんど )の実績 じっせき は全国 ぜんこく の作付 さくづけ 面積 めんせき 5,900 haの内 うち 北海道 ほっかいどう が5,500 ha、収穫 しゅうかく 量 りょう は全国 ぜんこく で約 やく 5,200 t[20] 、2006年 ねん (平成 へいせい 18年 ねん )の作付 さくづけ 面積 めんせき は8,880 haで収穫 しゅうかく 量 りょう は18,000 tとなっており[21] 、生産 せいさん 量 りょう は緩 ゆる やかに減少 げんしょう 傾向 けいこう にある。
2010年代 ねんだい の世界 せかい 的 てき な生産 せいさん 量 りょう は年 とし にもよるが約 やく 27,000千 せん トン程度 ていど で、国 くに 別 べつ の最大 さいだい はインド で6,000千 せん トン、ブラジル 、ミャンマー がそれぞれ3,000千 せん トン程度 ていど で続 つづ く。その他 た の生産 せいさん 量 りょう 上位 じょうい 国 こく は原産地 げんさんち である中南米 ちゅうなんべい を含 ふく む南北 なんぼく アメリカ大陸 あめりかたいりく の国 くに 、アフリカ東部 とうぶ 諸国 しょこく 、中国 ちゅうごく などが多 おお い。
利用 りよう ・栄養 えいよう 価 か [ 編集 へんしゅう ]
若 わか いさやを食 た べる軟莢種 しゅ (サヤインゲン )と、完熟 かんじゅく させて乾燥 かんそう した種子 しゅし (豆 まめ )を食 た べる種 たね 実用 じつよう 種 しゅ (インゲン豆 まめ )に大別 たいべつ できる。サヤインゲンは、莢 さいかち が丸 まる いタイプの「丸 まる サヤ」と、莢 さいかち が平 たい らなタイプの「平 ひら ザヤ」の2タイプがある。若 わか い莢 さいかち を食 た べる品種 ひんしゅ は、夏場 なつば (6 - 9月 がつ )に食材 しょくざい としての旬 しゅん を迎 むか える。
インゲン豆 まめ は安価 あんか で低 てい 脂肪 しぼう 、高 こう 蛋白 たんぱく の非常 ひじょう に優 すぐ れた食品 しょくひん で、世界中 せかいじゅう で主食 しゅしょく または主要 しゅよう な蛋白 たんぱく 源 げん として利用 りよう される。サヤインゲンは、抗 こう 酸化 さんか 作用 さよう があるβ べーた -カロテン や、疲労 ひろう 回復 かいふく 効果 こうか があるアスパラギン酸 さん 、リジン などを含 ふく むため、夏 なつ の緑黄色 りょくおうしょく 野菜 やさい として利用 りよう できる。
サヤインゲンは、生 せい のまま天 てん ぷらにするか、塩茹 しおゆ でにして和 あ え物 もの やおひたしにするか、あるいはバター炒 いた めにすることが多 おお い。調理 ちょうり で下 した ごしらえする際 さい は、筋 すじ のかたいものは、茹 ゆ でてからヘタのほうから筋 すじ をとるとよく、筋 すじ もやわらかい品種 ひんしゅ のものは、茹 ゆ でてからヘタの先 さき を切 き るとよいとされる。莢 さいかち が長 なが いので、食 た べやすい大 おお きさに切 き ったり、薄 うす く斜 なな め切 ぎ りにして料理 りょうり に使 つか われる。
若 わか い莢 さいかち を収穫 しゅうかく せずに完熟 かんじゅく させると、やがて枯 か れて中 なか に豆 まめ ができる。この豆 まめ を食 た べるインゲンマメは、金時 きんとき 豆 まめ などが代表 だいひょう 種 しゅ として知 し られる[注 ちゅう 2] 。成熟 せいじゅく した種子 しゅし は乾燥 かんそう させて貯蔵 ちょぞう し、煮豆 にまめ や甘納豆 あまなっとう 、菓子 かし 用 よう の餡 あん などに用 もち いられる。フランス料理 りょうり ・イタリア料理 りょうり では白 しろ インゲン豆 まめ が煮込 にこ み料理 りょうり に好 この んで使用 しよう される。乾燥 かんそう 重量 じゅうりょう の2割 わり 余 あま りをタンパク質 たんぱくしつ が占 し める。アミノ酸 あみのさん 組成 そせい のバランスも良 よ くアミノ酸 あみのさん スコアは100であり、特 とく にリシン を豊富 ほうふ に含 ふく み、リシンが不足 ふそく している主要 しゅよう 3大 だい 穀物 こくもつ (小麦 こむぎ 、トウモロコシ 、米 べい )との食 た べ合 あ わせも良 よ い。ラテンアメリカ 諸国 しょこく の重要 じゅうよう な蛋白 たんぱく 源 げん でもある。
インゲンマメのアミノ酸 あみのさん スコア[25] [26]
インゲンマメを用 もち いた食品 しょくひん ・料理 りょうり [ 編集 へんしゅう ]
^ 隠元 いんげん は、インゲンマメのほかにも、スイカ やレンコン などを日本 にっぽん に伝 つた えたとされる。
^ 姿 すがた がよく似 に ているササゲ はマメ科 か ササゲ属 ぞく で、インゲンマメ属 ぞく のインゲンマメとは種 しゅ が少 すこ し異 こと なる。
^ a b c 米倉 よねくら 浩司 こうじ ・梶田 かじた 忠 ただし (2003-). “Phaseolus vulgaris L. インゲンマメ(標準 ひょうじゅん ) ”. BG Plants 和名 わみょう −学名 がくめい インデックス(YList) . 2023年 ねん 1月 がつ 8日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 青葉 あおば 高 だか 『野菜 やさい の博物学 はくぶつがく 知 し って食 た べればもっとオイシイ!?』講談社 こうだんしゃ 〈ブルーバックス 〉、1989年 ねん 4月 がつ 、83頁 ぺーじ 。ISBN 4-06-132774-7 。
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^ 矢部 やべ 富雄 とみお 「化学 かがく 物質 ぶっしつ としての糖 とう のふるまい(ヘッドライン:糖類 とうるい の化学 かがく -食品 しょくひん から薬 くすり まで-)」『化学 かがく と教育 きょういく 』第 だい 60巻 かん 第 だい 10号 ごう 、2012年 ねん 、418-421頁 ぺーじ 、doi :10.20665/kakyoshi.60.10_418 。
^ “金時 きんとき 豆 まめ (きんときまめ) ”. 日本 にっぽん 豆類 まめるい 協会 きょうかい . 2023年 ねん 1月 がつ 8日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “うずらまめ ”. 日本 にっぽん 豆類 まめるい 協会 きょうかい . 2023年 ねん 1月 がつ 8日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “手 て 亡 ほろび (てぼう) ”. 日本 にっぽん 豆類 まめるい 協会 きょうかい . 2023年 ねん 1月 がつ 8日 にち 閲覧 えつらん 。
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^ 農林水産省 のうりんすいさんしょう 大臣 だいじん 官房 かんぼう 統計 とうけい 部 ぶ 生産 せいさん 流通 りゅうつう 消費 しょうひ 統計 とうけい 課 か 編 へん 『令 れい 和 わ 5年産 ねんさん 大豆 だいず 、小豆 しょうず 、いんげん及 およ びらっかせい(乾燥 かんそう 子 こ 実 み )の作付 さくづけ 面積 めんせき および収穫 しゅうかく 量 りょう 』。
^ “年産 ねんさん 別 べつ ・都道府県 とどうふけん 別 べつ データ(平成 へいせい 18年 ねん ) ”. 日本 にっぽん 豆類 まめるい 協会 きょうかい . 2014年 ねん 11月3日 にち 閲覧 えつらん 。
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^ 『タンパク質 たんぱくしつ ・アミノ酸 あみのさん の必要 ひつよう 量 りょう WHO/FAO/UNU合同 ごうどう 専門 せんもん 協議 きょうぎ 会 かい 報告 ほうこく 』日本 にっぽん アミノ酸 あみのさん 学会 がっかい 監訳 かんやく 、医歯薬出版 いしやくしゅっぱん 、2009年 ねん 05月 がつ 。ISBN 978-4263705681 邦訳 ほうやく 元 もと Protein and amino acid requirements in human nutrition , Report of a Joint WHO/FAO/UNU Expert Consultation, 2007
出典 しゅってん は列挙 れっきょ するだけでなく、脚注 きゃくちゅう などを用 もち いてどの記述 きじゅつ の情報 じょうほう 源 げん であるかを明記 めいき してください。記事 きじ の信頼 しんらい 性 せい 向上 こうじょう にご協力 きょうりょく をお願 ねが いいたします。(2023年 ねん 1月 がつ )
Food poisoning from raw red kidney beans. Noah ND, Bender AE, Reaidi GB, Gilbert RJ. Br Med J. 1980 Jul 19;281(6234):236-7. (PMID:7407532)
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Red kidney bean poisoning in the UK: an analysis of 50 suspected incidents between 1976 and 1989. Rodhouse JC, Haugh CA, Roberts D, Gilbert RJ. Epidemiol Infect. 1990 Dec;105(3):485-91. (PMID:2249712)
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