ジョン・カッティング・ベリー

ジョン・カッティング・ベリー John Cutting Berry
個人こじん情報じょうほう
出生しゅっしょう	(1847-01-16) 1847年ねん1月がつ16日にち アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく、メイン州しゅう
死去しきょ	(1936-02-09) 1936年ねん2月がつ9日にち（89歳さい没ぼつ） アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく、マサチューセッツ州しゅう
国籍こくせき	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
職業しょくぎょう	宣教師せんきょうし、医師いし
出身しゅっしん校こう	ジェファーソン医科いか大学だいがく

ジョン・カッティング・ベリー(John Cutting Berry、1847年ねん1月がつ16日にち - 1936年ねん2月がつ9日にち）は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく出身しゅっしんの宣教師せんきょうし・医師いし。アメリカン・ボードによって日本にっぽんへ派遣はけんされた。神戸こうべ・京都きょうと・岡山おかやまなどで医療いりょう活動かつどうを行おこない、ジェームス・カーティス・ヘボンとともに「東ひがしのヘボン、西にしのベリー」と称しょうされた。1911年ねん（大正たいしょう11年ねん）、勲くん三さん等とう瑞宝章ずいほうしょうを受章じゅしょう。

生涯しょうがい

1847年ねん、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくメイン州しゅうに生うまれる。4歳さいの時とき、船長せんちょうだった父ちちが死しに、父ちちの友人ゆうじんの家いえに引ひき取とられる。生活せいかつのために11歳さいから働はたらくようになった。キリスト教きょうの影響えいきょうを受うけて17歳さいで受洗じゅせん。20歳さいの時ときに乗のり込こんだ船ふねが嵐あらしに遭遇そうぐうした際さいに「神様かみさまが何事なにごとかのために私わたしの命いのちを護まもって下くださった」と感かんじ、「これからの生涯しょうがいを神かみの示しめし給たまう導みちびきのままに従したがう」と決意けついする。

1871年ねんにフィラデルフィアのジェファーソン医科いか大学だいがくを卒業そつぎょうし、アメリカン・ボードの宣教師せんきょうしとなる。翌よく1872年ねん6月がつに来日らいにち。 同年どうねん7月がつに兵庫ひょうご国際こくさい病院びょういん（神戸こうべ万国ばんこく病院びょういん。後ごの神戸こうべ海星かいせい病院びょういん）の医事いじ監督かんとくに就任しゅうにんし、聖書せいしょを読よみ聞きかせることと引ひき換かえに日本人にっぽんじんの貧民ひんみんを無料むりょうで診察しんさつした。ベリーは神戸こうべの生田いくた神社じんじゃ前まえにも貧民ひんみんのための施療せりょう所しょ「恵めぐみ済すみ院いん」を設もうけ、さらに日本人にっぽんじん医師いしとともに日本にっぽん初はつの慈善じぜん病院びょういんである医師いし有志ゆうし独立どくりつ病院びょういんを三田みた市しに設立せつりつした。

ベリーはさらに兵庫ひょうご県けん令れい神田かんだ孝平たかひらの要請ようせいにより兵庫ひょうご県けん病院びょういん（神戸こうべ病院びょういん。後ごの神戸大学こうべだいがく医学部いがくぶ附属ふぞく病院びょういん）の支配しはい頭あたまに就任しゅうにんし、神戸こうべ・姫路ひめじ・明石あかし・加古川かこがわ・有馬ありま・三田みたなどで医療いりょう活動かつどうを行おこなった。ベリーは月つきに500-700人にんほどの患者かんじゃを診察しんさつし、その傍かたわら地元じもとの医師いしへの指導しどうも行おこなった。1873年ねん1月がつには兵庫ひょうご県けん病院びょういんで、750人にんの医師いし・医学いがく生せいが立たち会あう中なか、兵庫ひょうご県けん初はつの人体じんたい解剖かいぼうを行おこなった。

1877年ねん（明治めいじ10年ねん）に神戸こうべの監獄かんごくでコレラが大だい流行りゅうこうした際さいには兵庫ひょうご県けんの要請ようせいを受うけて監獄かんごく内ないに立たち入いり、監獄かんごく内ないの不衛生ふえいせいな環境かんきょうや囚人しゅうじんに対たいする非ひ人道的じんどうてきな扱あつかいを目めにした。ベリーは兵庫ひょうご県知事けんちじに監獄かんごく制度せいどの改善かいぜんを訴うったえ、ベリーに複数ふくすうの宣教師せんきょうしが続つづいて監獄かんごくを視察しさつし、制度せいど改善かいぜん案あんを日本にっぽん政府せいふに提出ていしゅつした。こうした動うごきは日本にっぽんにおける監獄かんごく改良かいりょう運動うんどうの端緒たんしょとなったと評価ひょうかされている。ベリーはさらに内務ないむ大臣だいじん大久保おおくぼ利通としみちの理解りかいを得えて大阪おおさか、京都きょうと、兵庫ひょうご、播磨はりまの監獄かんごくを視察しさつし、報告ほうこく書しょを作成さくせいした。この報告ほうこく書しょはその後ごの行刑ぎょうけいのあり方かたに影響えいきょうを与あたえたとされる。

1878年ねんに岡山おかやまへ移うつり、県立けんりつ病院びょういんの改革かいかくに取とり組くむ。1883年ねんに京都きょうとへ移うつり、1887年ねん同志社どうししゃ病院びょういん院長いんちょうに就任しゅうにん。日本にっぽん初はつの看護かんご学校がっこうである京都きょうと同志社どうししゃ病院びょういん付属ふぞく看病かんびょう婦ふ学校がっこうの設立せつりつにも参与さんよした。

1893年ねんに日本にっぽんを去さり、マサチューセッツ州しゅうウースターの市民しみん病院びょういんで眼科がんか・耳鼻じび科かを担当たんとう、軽けい費ひ病院びょういんの訪問ほうもん医いを務つとめた。1911年ねん（大正たいしょう11年ねん）、勲くん三さん等とう瑞宝章ずいほうしょうを受章じゅしょう。

参考さんこう文献ぶんけん

• 田中たなか智子さとこ『近代きんだい日本にっぽん高等こうとう教育きょういく体制たいせいの黎明れいめい 交錯こうさくする地域ちいきと国くにとキリスト教きょう界かい』思文閣出版しぶんかくしゅっぱん、2012年ねん。ISBN 978-4-7842-1618-5。 
• 神戸こうべ外国がいこく人じん居留きょりゅう地ち研究けんきゅう会かい（編へん） 編へん『居留きょりゅう地ちの窓まどから』ジュンク堂どう書店しょてん、1999年ねん。 
• 神戸こうべ外国がいこく人じん居留きょりゅう地ち研究けんきゅう会かい（編へん） 編へん『神戸こうべと居留きょりゅう地ち 多た文化ぶんか共生きょうせい都市としの原はら像ぞう』神戸こうべ新聞しんぶん総合そうごう出版しゅっぱんセンター、2005年ねん。ISBN 978-4-343-00315-7。 
• 神戸こうべ新聞しんぶん文化ぶんか生活せいかつ部ぶ（編へん） 編へん『ひと萌もえゆる 知しられざる近代きんだい兵庫ひょうごの先覚せんかく者しゃたち』神戸こうべ新聞しんぶん総合そうごう出版しゅっぱんセンター、2001年ねん。ISBN 978-4-343-00160-3。 
• 「神戸こうべと聖書せいしょ」編集へんしゅう委員いいん会かい（編へん） 編へん『神戸こうべと聖書せいしょ 神戸こうべ・阪神はんしん間あいだの450年ねんの歩あゆみ』神戸こうべ新聞しんぶん総合そうごう出版しゅっぱんセンター、2001年ねん。ISBN 978-4-343-00137-5。 
• ジャパン・クロニクル社しゃ（編へん）・土居どい晴夫はるお（解説かいせつ） 編へん、堀ほり博ひろし・小出こいで石いし史し郎ろう 訳やく『神戸こうべ外国がいこく人じん居留きょりゅう地ち』神戸こうべ新聞しんぶん出版しゅっぱんセンター、1980年ねん。