ディープ・ソート

ディープ・ソート（Deep Thought）は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくで開発かいはつされたチェスコンピュータである。

カーネギー・メロン大学だいがくで許もと峰雄みねおらにより開発かいはつされ、許もとらが大学だいがく卒業そつぎょう後ごにIBMに入社にゅうしゃしたのに伴ともない、IBMで開発かいはつが継続けいぞくされた。許もとがChipTestに続つづいて開発かいはつした2つ目めのチェスコンピュータであり、後のちにディープ・ソートを元もとにして「ディープ・ブルー」が開発かいはつされた。ディープ・ソートの開発かいはつチームには、許もとの他ほかにトーマス・アナンサラマン、マイク・ブラウン、マレー・キャンベル、アンドレアス・ノワティクらがいる。

「ディープ・ソート」という名前なまえは、ダグラス・アダムスのSFシリーズ『銀河ぎんがヒッチハイク・ガイド』に登場とうじょうするコンピュータ「ディープ・ソート」から名付なづけられた。この命名めいめい法ほうは、後継こうけいの「ディープ・ブルー」にも受うけ継つがれているほか、他たのコンピュータチェスソフトでも、これらに倣ならって「ディープ」を名前なまえに冠かんする物ものが多おおくなっている（ディープ・フリッツなど）。

1988年ねんにトーナメント戦せんでグランドマスターのベント・ラーセンを破やぶり、世界せかいで初はじめてグランドマスターに勝かったコンピュータとなった。しかし、1989年ねんのチェスの世界せかいチャンピオンのガルリ・カスパロフとの2ゲームマッチには敗やぶれ、マイケル・ヴァルヴォとの通信つうしんチェスでの対戦たいせんにも敗やぶれた。

ディープ・ソートは、1988年ねんの北米ほくべいコンピュータチェス選手権せんしゅけん、1989年ねんの世界せかいコンピュータチェス選手権せんしゅけんで優勝ゆうしょうした。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくチェス連盟れんめい(USCF)によるディープ・ソートのレーティングは2551だった。1994年ねん、改良かいりょう版ばんのディープ・ソート2が北米ほくべいコンピュータチェス選手権せんしゅけんで5度目どめ（ディープ・ソートからの通算つうさん）の優勝ゆうしょうを果はたした。ディープ・ソート2のレーティングは2600程度ていどと推定すいていされる。この大会たいかいはIBMが後援こうえんしていた。

ディープ・ソートのアルゴリズムは非常ひじょうに単純たんじゅんな評価ひょうか関数かんすうであるが、1ムーブあたり5億おく通とおりの手てを読よむことができ、複雑ふくざつな局面きょくめんであっても10～11手先てさきを読よむのに十分じゅうぶんな性能せいのうを持もっていた。

関連かんれん項目こうもく

• 生命せいめい、宇宙うちゅう、そして万物ばんぶつについての究極きゅうきょくの疑問ぎもんの答こたえ#IBMのチェス・コンピュータ

参考さんこう文献ぶんけん

• Hsu, Feng-hsiung (2002), Behind Deep Blue: Building the Computer that Defeated the World Chess Champion, Princeton University Press, ISBN 0-691-09065-3 
• Newborn, Monty (1997), Kasparov versus Deep Blue: Computer Chess Comes of Age, Springer, ISBN 0-387-94820-1 

外部がいぶリンク

• Deep Thought - ChessGames.com（英語えいご）