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四よん式しき七なな糎せんちめーとる半はん高射こうしゃ砲ほう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
制式せいしき名めい 四よん式しき七なな糎せんちめーとる半はん高射こうしゃ砲ほう
放列ほうれつ砲車ほうしゃ重量じゅうりょう 3,355kg
口径こうけい 75mm
全長ぜんちょう 4.230m
砲身ほうしん重量じゅうりょう 837kg
初速しょそく 850m/s
最大さいだい射程しゃてい 17,000m
最大さいだい射しゃ高だか 11,000m
高低こうてい射しゃ界かい 0〜+85度ど
方向ほうこう射しゃ界かい 360度ど
後こう座長ざちょう 550〜1000mm(規定きてい後ご座長ざちょう)
1200mm(設計せっけい上じょうの最大さいだい後ご座長ざちょう)
使用しよう弾だん種しゅ 三さん式しき高射こうしゃ尖鋭せんえい弾だん
試製しせい一式いっしき徹てっ甲かぶと弾だん
牽引けんいん車しゃ 九きゅう八はち式しき六ろく屯たむろ牽引けんいん車しゃ
使用しよう勢力せいりょく 大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐん

四よん式しき七なな糎せんちめーとる半はん高射こうしゃ砲ほう（よんしきななせんちはんこうしゃほう）とは太平洋戦争たいへいようせんそう中なかに帝国ていこく陸軍りくぐんが使用しようした 高射こうしゃ砲ほうである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

従来じゅうらいの八はち八はち式しき七なな糎せんちめーとる野戦やせん高射こうしゃ砲ほうの威力いりょくおよび、運動うんどう性せいの不足ふそくを考慮こうりょし新あたらしく研究けんきゅうする必要ひつように迫せまられていたが、研究けんきゅうに割さく時間じかんがないなどの理由りゆうで、中国ちゅうごくで鹵獲ろかくしたボフォース社しゃの75mm Lvkan m/29（英語えいご版ばん）高射こうしゃ砲ほう[1]をリバースエンジニアリングでコピーした。運行うんこう用ようの接続せつぞく砲ほう車しゃについても原型げんけいを参考さんこうに操みさお向性こうせい等とうに改良かいりょうを施ほどこしたものとしている。試製しせい砲ほうは1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）に完成かんせいし、1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）制式せいしきとしたが、70門もんほどしか生産せいさんできなかった。

砲身ほうしんは二に層そう構造こうぞうで、内うち管かんは自己じこ緊搾方式ほうしきの自由じゆう交換こうかん砲身ほうしんである[2]。照準しょうじゅん算定さんてい具ぐは、電気でんき式しきの二に式しき高射こうしゃ算定さんてい具ぐを使用しようする[2]。

砲ほう架かは、砲ほうの取とり付つけられた基もと筒とう砲ほう架かの下部かぶ周囲しゅういに十字形じゅうじがたに4本ほんの脚あしを有ゆうする構造こうぞうである[2]。牽引けんいん式しきで、迅速じんそく簡単かんたんに運行うんこう姿勢しせいと放列ほうれつ姿勢しせいの転換てんかんができる機能きのうを備そなえている[3]。牽引けんいん移動いどう時じには左右さゆうの脚あしを前方ぜんぽうへ畳たたみ、砲身ほうしんと基もと筒とう砲ほう架かを後方こうほうへ倒たおして姿勢しせいを低ひくくし、基もと筒とう砲ほう架かのやや後方こうほうに砲ほう架か車しゃを、前方ぜんぽうに前車ぜんしゃを装着そうちゃくする[2]。砲ほう架か車しゃ・前車ぜんしゃはいずれも緩衝かんしょう機きを有ゆうし、実体じったいタイヤを使用しようする[2]。基もと筒とう砲ほう架かと砲ほう架か車しゃは、チェーンによる連動れんどう機構きこうにより、砲身ほうしんと基もと筒とう砲ほう架かを倒たおす際さいの重量じゅうりょうを利用りようして砲ほう架か後部こうぶを持もち上あげ、砲ほう架か車しゃを迅速じんそくに装着そうちゃくすることができる[2]。

八はち八はち式しき七なな糎せんちめーとる野戦やせん高射こうしゃ砲ほうに比くらべて1トン以上いじょうも重おもいが、九きゅう八はち式しき六ろく屯たむろ牽引けんいん車しゃによって牽引けんいんされ、45km/hでの高速こうそく牽引けんいんが可能かのうであった[2][3]。

また、四よん式しき中ちゅう戦車せんしゃ（チト）、五ご式しき中ちゅう戦車せんしゃ（チリ）、試製しせい七糎半対戦車自走砲（ナト）などに搭載とうさいされた、五ご式しき七なな糎せんちめーとる半はん戦車せんしゃ砲ほうの母体ぼたいとしても利用りようされた。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ この砲ほうはボフォース製せいであるが原はら設計せっけいはクルップであり、8.8 cm FlaK 18設計せっけいのための習作しゅうさくとも言いえるものであった。
  2. ^ a b c d e f g 佐山さやま二郎じろう『日本にっぽん陸軍りくぐんの火砲かほう 高射こうしゃ砲ほう』 光人みつひと社しゃ、2010年ねん、ISBN 978-4-7698-2660-6、pp.298-327
  3. ^ a b 「日本にっぽんの大砲たいほう」　竹内たけうち昭あきら・佐山さやま二郎じろう共著きょうちょ　出版しゅっぱん共同きょうどう社しゃ　昭和しょうわ61年ねん p.376

参考さんこう資料しりょう[編集へんしゅう]

  • 「日本にっぽんの大砲たいほう」　竹内たけうち昭あきら・佐山さやま二郎じろう共著きょうちょ　出版しゅっぱん共同きょうどう社しゃ　昭和しょうわ61年ねん
  • 「4式しき7糎せんちめーとる半はん高射こうしゃ砲ほう説明せつめい書しょ」アジア歴史れきし資料しりょうセンター(JACAR) Ref.A03032144000
  • 「標題ひょうだい：35-44-2の一部いちぶと思おもわれる」アジア歴史れきし資料しりょうセンター(JACAR) Ref.A03032135600

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

野砲やほう(師団しだん砲兵ほうへい)
野砲やほう・榴弾りゅうだん砲ほう
山砲さんぽう・騎き砲ほう
重砲じゅうほう(重砲じゅうほう兵へい)
移動いどう/固定こてい式しき火砲かほう
固定こてい式しき火砲かほう
明治めいじ
  • 十じゅう九きゅう糎せんちめーとる加か農のう
  • 二に十じゅう四よん糎せんちめーとる臼砲きゅうほう
  • 二に十じゅう四よん糎せんちめーとる加か農のう
  • 十じゅう二に糎せんちめーとる速射そくしゃ加か農のう
  • 九きゅう糎せんちめーとる速射そくしゃ加か農のう
  • 改正かいせい二に十じゅう三さん口径こうけい二に十じゅう四よん糎せんちめーとる加か農のう
  • 改正かいせい二に十じゅう六ろく口径こうけい二に十じゅう四よん糎せんちめーとる加か農のう
  • 三さん十じゅう口径こうけい二に十じゅう七なな糎せんちめーとる加か農のう
  • 三さん十じゅう六ろく口径こうけい二に十じゅう七なな糎せんちめーとる加か農のう
大正たいしょう・昭和しょうわ
輸入ゆにゅう火砲かほう・列車れっしゃ砲ほう
  • 加か式しき二に十じゅう七なな糎せんちめーとる加か農のう
  • 斯式二に十じゅう七なな糎せんちめーとる加か農のう
  • 加か式しき十じゅう二に糎せんちめーとる速射そくしゃ加か農のう
  • 馬うま式しき十じゅう二に糎せんちめーとる速射そくしゃ加か農のう
  • 安やす式しき二に十じゅう四よん糎せんちめーとる加か農のう
  • 斯加式しき九きゅう糎せんちめーとる速射そくしゃ加か農のう
  • 斯加式しき十じゅう二に糎せんちめーとる速射そくしゃ加か農のう
  • 斯加式しき二に十じゅう七なな糎せんちめーとる加か農のう
  • 克かつ式しき砲塔ほうとう十じゅう五ご糎せんちめーとる加か農のう
  • 参さん式しき砲塔ほうとう十じゅう五ご糎せんちめーとる加か農のう
  • 克かつ式しき十じゅう糎せんちめーとる半はん速射そくしゃ加か農のう
  • 九きゅう〇式しき二に十じゅう四よん糎せんちめーとる列車れっしゃ加か農のう
野戦やせん重砲じゅうほう(野戦やせん重砲じゅうほう兵へい)
榴弾りゅうだん砲ほう・加か農のう
臼砲きゅうほう
迫撃はくげき砲ほう・投射とうしゃ器き
噴進砲ほう
高射こうしゃ砲ほう
高射こうしゃ機関きかん砲ほう
対戦たいせん車しゃ砲ほう
歩兵ほへい砲ほう
無む反動はんどう砲ほう
空挺くうてい砲ほう
戦車せんしゃ砲ほう
舟艇しゅうてい砲ほう
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