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砲塔四五口径四〇糎加農砲 - Wikipedia コンテンツにスキップ

砲塔ほうとうよん口径こうけいよんせんちめーとるのうほう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

砲塔ほうとうよんじゅう口径こうけいよんじゅうせんちめーとるのうは、大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐん保有ほゆうしていた砲塔ほうとう形式けいしきのうほうである。

概要がいよう

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1922ねん大正たいしょう11ねん)、ワシントン海軍かいぐん軍縮ぐんしゅく条約じょうやく実施じっしにより、条約じょうやく締結ていけつこく主力しゅりょくかん保有ほゆうすう制限せいげんすることとなり、これにともなって日本にっぽんでも多数たすう戦艦せんかんめぐよう戦艦せんかんひとしはいかん建造けんぞう中止ちゅうしまたはかんしゅ転用てんようとなった[1]

はいかんとなる主力しゅりょくかんや、はちはち艦隊かんたい計画けいかく建造けんぞうちゅうだった戦艦せんかん 加賀かが土佐とさめぐよう戦艦せんかん 天城あまぎ赤城あかぎ主砲しゅほうについては、撤去てっきょ陸揚りくあげすべてを保管ほかんするのは不可能ふかのうであり、だい部分ぶぶん廃棄はいきとせざるをない状況じょうきょうにあった。

一方いっぽうどう時期じき日本にっぽん陸軍りくぐんは、明治めいじけんぐん以来いらい旧式きゅうしきしていた海岸かいがん要塞ようさいほう更新こうしん威力いりょく増大ぞうだいするため、新型しんがただい口径こうけいのうほう海軍かいぐん工廠こうしょう発注はっちゅうしていた[2]。このような状況じょうきょうで、廃棄はいき運命うんめいにある海軍かいぐんかんほう転用てんようすることで経済けいざいてき陸軍りくぐん海岸かいがん要塞ようさいほう更新こうしん実現じつげんできることから、陸海りくかいぐんあいだ協議きょうぎおこなわれ、陸軍りくぐん新型しんがただい口径こうけいのうほう製造せいぞうめ、利用りよう可能かのうかんほう海軍かいぐんから移管いかんすることとなった(保管ほかん転換てんかん海軍かいぐんほう[3]

この計画けいかく一環いっかんとして、戦艦せんかん土佐とさの1、2ばんほうめぐよう戦艦せんかん赤城あかぎの1、4、5ばんほう陸軍りくぐんへの移管いかん対象たいしょうとして選定せんていされ、下表かひょうのように要塞ようさい設置せっちされた[4]陸軍りくぐんでの名称めいしょうは「砲塔ほうとうよんじゅう口径こうけいよんじゅうせんちめーとるのう」とさだめられた[5]

陸軍りくぐんへの移管いかんさいしては海軍かいぐん好意こういてき対応たいおうはからい、ほう1もんにつき砲弾ほうだん100はつえて陸軍りくぐん送呈そうていされ、改造かいぞう据付すえつけ工事こうじについても海軍かいぐん工廠こうしょうによる協力きょうりょくがなされた[3]

改修かいしゅう設置せっちについては、改修かいしゅう内容ないようをなるべく最小限さいしょうげんにとどめてかんほう同様どうようかたち設置せっちすることとされ、弾薬だんやくについてもかんほう同様どうよう地下ちか砲塔ほうとう基部きぶ周囲しゅういもうけられた。また、海軍かいぐん砲塔ほうとうほう搭載とうさいかん動力どうりょくげんによる水圧すいあつ駆動くどう俯仰ふぎょう旋回せんかい動作どうさおこない、電力でんりょく圧縮あっしゅく空気くうき艦内かんないから供給きょうきゅうされていたことから、要塞ようさいほうとしての設置せっちにあたり、これらの動力どうりょくげん確保かくほするため砲塔ほうとう地下ちか動力どうりょくしつもうけ、内燃ないねん機関きかん駆動くどうする水圧すいあつポンプや発電はつでん空気くうき圧縮あっしゅく設置せっちした[3]いち号砲ごうほうれいでは水圧すいあつ動力どうりょくげんとして75馬力ばりきディーゼルエンジンと60馬力ばりき水圧すいあつポンプ3くみ電力でんりょく空気くうきげんとして32馬力ばりきガソリンエンジンと3.7kW発電はつでん+150気圧きあつ空気くうき圧縮あっしゅく1くみおよび8馬力ばりきガソリンエンジンと3.7kW発電はつでん+85気圧きあつ空気くうき圧縮あっしゅく1くみ砲塔ほうとう地下ちか動力どうりょくしつそなえられた[4]

砲塔ほうとう装甲そうこうばんあつし前面ぜんめん305mm、側面そくめんこうめん190-230mm、天蓋てんがい127-152mmであった[6]

観測かんそくとして電気でんき誘導ゆうどうしきはちはちしき海岸かいがん射撃しゃげき設置せっちされ、砲塔ほうとうしゅ観測かんそくしょぶん観測かんそくしょ算定さんてい電気でんきてき接続せつぞくされた[7]

口径こうけい 41 cm
重量じゅうりょう 1・3号砲ごうほう 781.8 t
2号砲ごうほう 977.7t
高低こうていしゃかいたび 2 〜 +35°
方向ほうこうしゃかいたび 300
初速しょそく 760 m/びょう
射程しゃてい 30.3 km
砲身ほうしんちょう 1384 cm

設置せっち場所ばしょ

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ゆたか砲台ほうだい砲塔ほうとう基部きぶ
番号ばんごう 搭載とうさい予定よていかんかんしゅ かんめい 砲塔ほうとう 設置せっち砲台ほうだい
いち号砲ごうほう 戦艦せんかん 土佐とさ ばん砲塔ほうとう 鎮海わん張子はりこ嶝砲だい 昭和しょうわ5ねん完成かんせい
号砲ごうほう めぐよう戦艦せんかん 赤城あかぎ 一番いちばん砲塔ほうとう 壹岐いき黒崎くろさき砲台ほうだい 昭和しょうわ6ねん完成かんせい
さん号砲ごうほう 戦艦せんかん 土佐とさ 一番いちばん砲塔ほうとう 対馬つしまゆたか砲台ほうだい 昭和しょうわ8ねん完成かんせい
よん号砲ごうほう めぐよう戦艦せんかん 赤城あかぎ よんばん砲塔ほうとう 設置せっち 対馬つしま豆酘崎つつざき砲台ほうだい予定よてい陸軍りくぐん仕様しよう砲塔ほうとう改修かいしゅうずみ広島ひろしま陸軍りくぐん兵器へいき補給ほきゅうしょう保管ほかんされたまま終戦しゅうせん
号砲ごうほう めぐよう戦艦せんかん 赤城あかぎ ばん砲塔ほうとう 設置せっち 対馬つしま棹崎さおざき砲台ほうだい予定よてい陸軍りくぐん仕様しよう砲塔ほうとう改修かいしゅう実施じっしのまま左右さゆう砲身ほうしん広島ひろしま陸軍りくぐん兵器へいき補給ほきゅうしょう保管ほかん)    
ろく号砲ごうほう めぐよう戦艦せんかん         設置せっち 鎮海わんちょううけたまわうら砲台ほうだい予定よてい(バラの完成かんせい砲身ほうしん天城あまぎ一番いちばんひだり)、天城あまぎばんひだり)(みぎ)、赤城あかぎばんみぎ)のうちの2ほん使用しよう広島ひろしま陸軍りくぐん兵器へいき補給ほきゅうしょう保管ほかん
なな号砲ごうほう めぐよう戦艦せんかん         設置せっち 壱岐いき若宮島わかみやじま砲台ほうだい予定よてい(バラの完成かんせい砲身ほうしん天城あまぎ一番いちばんひだり)、天城あまぎばんひだり)(みぎ)、赤城あかぎばんみぎ)のうちの2ほん使用しよう広島ひろしま陸軍りくぐん兵器へいき補給ほきゅうしょう保管ほかん

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 日本にっぽん陸軍りくぐん火砲かほう 要塞ようさいほう』pp.439-440
  2. ^ 日本にっぽん陸軍りくぐん火砲かほう 要塞ようさいほう』pp.255-261
  3. ^ a b c 日本にっぽん陸軍りくぐん火砲かほう 要塞ようさいほう』pp.440-446
  4. ^ a b 日本にっぽん陸軍りくぐん火砲かほう 要塞ようさいほう』pp.567-577
  5. ^ 日本にっぽん陸軍りくぐん火砲かほう 要塞ようさいほう』pp.447-448
  6. ^ 日本にっぽん陸軍りくぐん火砲かほう 要塞ようさいほう』p.568
  7. ^ 日本にっぽん陸軍りくぐん火砲かほう 要塞ようさいほう』pp.581-588

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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