屋根裏やねうら

屋根裏やねうら（やねうら、英えい: atticまたはgarret）とは、屋根やねの裏側うらがわ（下した側がわ）に当あたる部分ぶぶんの空間くうかんのこと。小屋こや裏うら（こやうら）とも言いう。

平屋ひらや建だてで天井てんじょうが造つくられている建築けんちく物ぶつの場合ばあいは、屋根やねと天井てんじょうの間あいだの空間くうかんが屋根裏やねうらである。

人ひとが部屋へやとして使つかう屋根裏やねうらのことを屋根裏やねうら部屋へやという。

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  屋根裏やねうらの例れい
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  屋根裏やねうらの一いち例れい
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  寝室しんしつとして使つかわれている屋根裏やねうらの例れい（アイスランド）
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  大おおきな館かんの屋根裏やねうらを見学けんがく者しゃのために活用かつようしている例れい（オランダ、リンブルフ州しゅう、Kasteel Hoensbroekの屋根裏やねうら）

建築けんちく技術ぎじゅつ

小屋こや組ぐみの技術ぎじゅつ

屋根裏やねうらにある程度ていどの大おおきさの空間くうかんを確保かくほするためには、勾配こうばい屋根やねを支ささえるための小屋こや組ぐみの部材ぶざいが邪魔じゃまにならないよう工夫くふうしなければならない。

• マンサード屋根やね・ギャンブレル屋根やね

二に段階だんかいの勾配こうばいを持もつ屋根やね。意図いと的てきに屋根やねの中腹ちゅうふくを外側そとがわに膨ふくらませたような形かたちとなっているため、屋根裏やねうらに高たかさを、建物たてものの中心ちゅうしんからはずれた位置いちでも（かなり壁かべ寄よりの位置いちでも）、確保かくほできる。

• トラスの設計せっけい

小屋こや組ぐみの部材ぶざいが邪魔じゃまになりにくいクイーンポストトラスやマンサードトラスなどは屋根裏やねうらに空間くうかんを確保かくほするのに適てきしている。

屋根裏やねうらの換気かんきのために壁面へきめんに設置せっちされるルーバーの例れい

換気かんき・断熱だんねつ

また、空間くうかんの確保かくほだけでなく、換気かんき・断熱だんねつなども考慮こうりょ・配慮はいりょしなければならない。屋根裏やねうらの換気かんきをするか、しないかは設計せっけい上じょうは選択せんたく可能かのうではある。だが、これらに特とくに配慮はいりょしなければ屋根裏やねうらは50℃をゆうに超こえる高温こうおんとなり収納しゅうのう物ぶつに傷いたみを生しょうじることもあり、部屋へやとして用もちいるなら居室きょしつと同等どうとうの配慮はいりょが必要ひつようとなる。それでも構造こうぞう的てきにやはり階下かいかの本来ほんらいの居室きょしつに比くらべ居住きょじゅう性せい面めんでは不利ふりで、屋根裏やねうら部屋へやは家賃やちんが安やすい低てい所得しょとく者しゃ向むけ、あるいは家内かないで冷遇れいぐうされる者ものに割わり当あてられる場合ばあいが多おおかった。

日本にっぽん

日本にっぽんでは江戸えど時代じだい後期こうきに養蚕ようさんがさかんになり、養蚕ようさん農家のうかでは（茅かや葺屋根やねなどの）屋根裏やねうらを養蚕ようさんのための空間くうかんにした。養蚕ようさんに適てきした温度おんどは27-30℃であり、天井てんじょうをすのこ状じょうなどにし下かに囲炉裏いろりを配置はいちしその暖気だんきが屋根裏やねうらに届とどくようにして、気温きおんの下さがる冬季とうきでも養蚕ようさんに適てきした温度おんどを保たもつことができた。養蚕ようさん農家のうかでは、屋根裏やねうらを養蚕ようさん専用せんようの空間くうかんにする場合ばあいも養蚕ようさん・住じゅう 兼用けんようの空間くうかんにする場合ばあいもあった。

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  合掌がっしょう造づくりの屋根裏やねうら（富山とやま県けん南みなみ砺市（旧きゅう平たいら村むら） 越中えっちゅう五箇山ごかさん 相倉あいのくら合掌がっしょう集落しゅうらく。3階かい屋根裏やねうらの構造こうぞう）
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  合掌がっしょう造づくりの4階かい構造こうぞうの3階かい部分ぶぶん（白川郷しらかわごうの合掌がっしょう造づくり民家みんかのひとつ長瀬ながせ家か。もと養蚕ようさんに使つかっていた3階かいを民みん具ぐの展示てんじ室しつとして公開こうかいしている。4階かいは非公開ひこうかい。）

日本にっぽんではかつてたいていは薄暗うすぐらい空間くうかんであったが、近代きんだい建築けんちくなどでは欧米おうべい風ふうに造つくり、窓まどから光ひかりを取とり入いれて書斎しょさいや子供部屋こどもべやとして使用しようされることもある。なお活用かつようできないか、していない屋根裏やねうらにも、点検てんけん口こうを設もうけて最低限さいていげんの出入でいりが可能かのうなようにする必要ひつようがあり、日本にっぽんでは点検てんけん口こうは戸建こだて住宅じゅうたくの場合ばあい押入おしいれの天井てんじょう隅すみに置おかれることが多おおい。アパートやマンションなどの集合しゅうごう住宅じゅうたくの場合ばあい、陸屋根ろくやねが多おおいが、片流かたながれ屋根やねで 屋根裏やねうらの空間くうかんがそれなりにある場合ばあいもあり、しばしば最上階さいじょうかいの部屋へやのユニットバスなどの天井てんじょうに屋根裏やねうらの点検てんけん口こうが配置はいちされている。

生物せいぶつ

開放かいほうされていない屋根裏やねうらは、人家じんか周辺しゅうへんに生息せいそくする動物どうぶつにとっては、樹き洞ほらのようなものであり、彼かれらの生活せいかつの場ばとなる例れいがある。ネズミが屋根裏やねうらを走はしる音おとはよく聞きかれる（ハツカネズミかクマネズミ）。アライグマが巣すくう例れいもある。彼かれらの糞尿ふんにょうが被害ひがいをもたらす場合ばあいもある。

文学ぶんがくと屋根裏やねうら

屋根裏やねうら部屋へやの例れい（絵画かいが『貧まずしい詩人しじん』）

児童じどう文学ぶんがくなどにおいて物語ものがたりのモチーフとしてしばしば登場とうじょうする。例たとえば「小しょう公おおやけ女おんな」の主人公しゅじんこうセーラに与あたえられたのは屋根裏やねうら部屋へやとなっているが、これは彼女かのじょの惨みじめな境遇きょうぐうを表現ひょうげんする重要じゅうような装置そうちとして使つかわれている。

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